JP2009040782A - 新規なポリペプチドおよびその製造方法 - Google Patents

新規なポリペプチドおよびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2009040782A
JP2009040782A JP2008199704A JP2008199704A JP2009040782A JP 2009040782 A JP2009040782 A JP 2009040782A JP 2008199704 A JP2008199704 A JP 2008199704A JP 2008199704 A JP2008199704 A JP 2008199704A JP 2009040782 A JP2009040782 A JP 2009040782A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
peptide
mol
formula
polypeptide
pro
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008199704A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5162363B2 (ja
Inventor
Masao Tanihara
正夫 谷原
Chikara Otsuki
主税 大槻
Hiroshi Mikami
博 三上
Hisao Kinoshita
久雄 木下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
PHG Corp
Original Assignee
PHG Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by PHG Corp filed Critical PHG Corp
Priority to JP2008199704A priority Critical patent/JP5162363B2/ja
Publication of JP2009040782A publication Critical patent/JP2009040782A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5162363B2 publication Critical patent/JP5162363B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K7/00Peptides having 5 to 20 amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof
    • C07K7/04Linear peptides containing only normal peptide links
    • C07K7/08Linear peptides containing only normal peptide links having 12 to 20 amino acids
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/001Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof by chemical synthesis
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/78Connective tissue peptides, e.g. collagen, elastin, laminin, fibronectin, vitronectin or cold insoluble globulin [CIG]

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Materials For Medical Uses (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Polyamides (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)

Abstract

【課題】病原体感染の危険性や副作用の虞がなく、安全性の高いコラーゲン様ポリペプチドを提供する。
【解決手段】下記式(1a) で示されるペプチド成分(A)と、下記式(2a) で示されるペプチド成分(B)と、前記式(1a)及び/又は式(2a)においてXがHOOC-(CH)m-CO-(mは前記に同じ)であるとき、下記式(3a) で表される化合物(C)とを、脱水縮合剤と縮合助剤との存在下、縮合反応させる。ペプチド成分(A)とペプチド成分(B)との割合は、(A)/(B)=100/0〜30/70(モル%)、化合物(C)の割合は、(A)及び/又は(B)の総量1モルに対して実質的に1モルである。
X-(Pro-Y-Gly)-OH (1a), X-(Z)-OH (2a), HN-R-NH (3a)
(式中、XはH又はHOOC-(CH)-CO-(m=1〜18)、YはProまたはHyp、n=1〜20、Zは1〜10個のアミノ酸残基からなるペプチド鎖、r=1〜20を示し、Rは直鎖状又は分岐鎖状C1−18アルキレン基を示す)
【選択図】なし

Description

本発明は新規なポリペプチドおよびその製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、病原体感染の危険性や好ましくない副作用が無く、安全性の高い生体材料又は生体適合材料、例えば、組織工学用の担体又は支持体、再生医療用の担体又は支持体、組織接着剤や癒着防止材、手術用縫合糸、止血材、コンタクトレンズなどの医療用材料、医薬品の製剤素材、化粧品の素材などとして有用な新規なポリペプチドおよびその製造方法に関する。
コラーゲンは、あらゆる多細胞動物にみられる繊維状蛋白質であり、皮膚や骨の主成分として哺乳類では全蛋白質の25%を占める。典型的なコラーゲン分子は、3本のコラーゲンポリペプチド鎖が三重らせん構造と呼ばれるロープ状の超らせん構造をとる。コラーゲンには、プロリン(Pro)とグリシン(Gly)とが特に多く含まれ、両アミノ酸残基とも安定な3重らせん構造の形成に重要である。
コラーゲンの生体材料としての利用方法には、例えば、ブタの皮膚組織をそのままあるいは凍結乾燥した後、火傷などによる皮膚の損傷部位に移植する方法、酵素処理などによって細胞成分を除去して用いる方法、酸性溶液や酵素処理によって可溶化したコラーゲンを、所望の形態に再構成して用いる方法がある。一般的なコラーゲンの調製方法および定性方法は、Methods Enzymol., Vol.82, pp33-64, 1982年(非特許文献1)に記載されている。
コラーゲンの利用について種々の提案がなされている。例えば、特開平08−027192号公報(特許文献1)には、皮膚に潤いを与え、かつ皮膚をなめらかにするため、コラーゲンを含有する動物組織をアルコールでエステル化して修飾した後、修飾コラーゲンを抽出するコラーゲン誘導体の製造方法、およびそれを用いた化粧品基剤が提案されている。
特開平07−097454号公報(特許文献2)には、可溶性コラーゲンを、メチレン鎖の両端にイミドエステル基を有するアルキレンジイミデート二価性架橋試薬で架橋処理することにより、熱変性後における三重らせん構造の再生率が高く、水に可溶性の架橋コラーゲンの製造方法が記載されている。
特開平08−053548号公報(特許文献3)には、コラーゲンを第1の合成親水性ポリマーと反応させてコラーゲン−合成ポリマーマトリックスを形成し、さらにコラーゲン−合成ポリマーマトリックスを、第2の合成親水性ポリマー、生物学的活性物質、グリコサミノグリカンおよびその誘導体、化学的架橋剤、エステル化剤、アミド化剤、アシル化剤、アミノ酸、ポリペプチドなどと反応させることにより、免疫原性が低く、種々の医療用途で使用される生体適合性移植物の調製に有用なコラーゲン−合成ポリマーマトリックスが記載されている。
特開平07−278312号公報(特許文献4)には、pH7で実質的に非繊維形態である化学的修飾コラーゲンと共有結合した親水性合成ポリマーを含む結合体が記載されている。この文献には、前記結合体が、特に眼科用デバイスにおいて有用であり、光学的に透明で生体適合性を有することが記載されている。
特開平05−000158号公報(特許文献5)には、コラーゲンマトリックスを砕断し、この砕断マトリックスを高遠心場で遠心し、沈殿を均質化してペーストとし、該ペーストを注型し、注型したペーストを37℃以下の温度で乾燥するコラーゲン膜状物質の製法が記載されている。このコラーゲン膜状物質は、生体適合性で非炎症性、かつ人工移植物として組織の修復に有用であることも記載されている。
特開平05−125100号公報(特許文献6)には、魚鱗をそのまま若しくは脱灰した後、ペプシン処理することにより、高純度の可溶性魚鱗コラーゲンとその製造方法が記載されている。
特開平06−228506号公報(特許文献7)には、70〜90%エタノール媒質中に、コラーゲン溶液をノズルより吐出して、糸状物あるいは膜状物を生成し、乾燥した後、裁断又は粉砕することにより、粒状又は粉状の可溶性コラーゲン乾燥物を製造する方法が記載されている。
特開平08−276003号公報(特許文献8)には、未焼成のヒドロキシアパタイト単結晶を、低抗原性化したコラーゲン線維の少なくとも一部に付着させ、骨などの生体硬組織を修復する材料として用いることが記載されている。
特開平08−041425号公報(特許文献9)には、動物又は人間由来のコラーゲン中のプリオンを除去するために、コラーゲン溶液中の細胞および組織の断片を除去し、アルカリ処理する方法およびこの方法により得られるコラーゲンが記載されている。
また、コラーゲン類似物の化学合成の方法に関し、Pro-Ser-Glyのp-ニトロフェニルエステル、あるいはPro-Ala-Glyのp-ニトロフェニルエステルをジメチルホルムアミドに溶解し、トリエチルアミンを加えて24時間静置することにより、分子量が16,000〜21,000の可溶性ポリアミドが得られることが報告されている(J. Mol. Biol., Vol.63 pp.85-99, 1972年(非特許文献2))。これらの可溶性ポリアミドは円二色性スペクトルから3重らせん構造をとることが推定されているが、得られたポリマーの性質に関する記述はない。
エラスチン由来のVal-Pro-Gly-Val-Gly配列を含む50量体のペプチドをジメチルスルホキシドに溶解し、2当量の1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミドと1当量の1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、および1.6当量のN−メチルモルフォリンを加えて14日間静置した後、分子量カットオフが5万の透析膜で透析してポリアミドを得る方法も報告されている(Int. J. Peptide Protein Res., Vol.46, pp.453-463, 1995年(非特許文献3))。
一方、前記特開平08-041425号公報に記載されているように、ヒツジの振戦病やウシの海綿状脳症の原因物質がプリオンと呼ばれる伝染性蛋白質であり、この伝染性タンパク質がヒトのクロイツフェルドーヤコブ病伝染の原因の一つと言われている。プリオンは、蛋白質であり、通常の滅菌、殺菌方法では失活し難く、しかも種を越えて感染することが指摘されている(Nature Review, Vol.2, pp.118-126, 2001年(非特許文献4))。
一般に、医療用具や医薬品、化粧品ではウシやブタ由来のコラーゲンを原料として用いることが多い。そのため、通常の滅菌、殺菌方法では除去できないプリオンなどの病原体(又は病原性因子)の感染(又は伝達)の危険性が常に存在している。
また、天然のコラーゲン中には種々の細胞接着サイトが含まれているため、用途に応じた細胞選択性が発揮できない。例えば、神経の軸索誘導材料としてコラーゲンを用いると、軸索の伸長速度より周囲の繊維芽細胞の遊走、増速速度が大きく瘢痕組織化して軸索が伸長することができない。このため、繊維芽細胞の遊走を防ぐ材料でコラーゲンの周囲を覆うことなどの措置が必要となる。
特開平08−027192号公報 特開平07−097454号公報 特開平08−053548号公報 特開平07−278312号公報 特開平05−000158号公報 特開平05−125100号公報 特開平06−228506号公報 特開平08−276003号公報 特開平08−041425号公報 Methods Enzymol., Vol.82, pp33-64, 1982年 J. Mol. Biol., Vol.63 pp.85-99, 1972年 Int. J. Peptide Protein Res., Vol.46, pp.453-463, 1995年 Nature Review, Vol.2, pp.118-126, 2001年
従って、本発明の目的は、病原体の感染や病原性因子の伝達を生じる危険性や好ましくない副作用の虞のない新規なポリペプチドおよびその製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、安全性の高い生体材料又は生体適合材料として有用な新規なポリペプチドおよびその製造方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、二量化や環化反応を抑制しつつ、前記のような特性を有するポリペプチドを効率よく製造できる方法を提供することにある。
本発明者らは前記課題を解決するため鋭意検討の結果、特定のペプチド成分を縮合すると環化することなくコラーゲン様ポリペプチドが生成することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明では、下記式(1a)
X-(Pro-Y-Gly)-OH (1a)
(式中、XはH又はHOOC-(CH)-CO-(mは1〜18の整数)を表し、YはProまたはHypを表し、nは1〜20の整数を表す)で示されるペプチド成分(A)と、下記式(2a)
X-(Z)-OH (2a)
(式中、XはH又はHOOC-(CH)-CO-(mは1〜18の整数)を表し、Zは1〜10個のアミノ酸残基からなるアミノ酸残基又はペプチド鎖を表し、rは1〜20の整数を表す)で示されるペプチド成分(B)とを反応させてポリペプチドを生成させる。
この反応において、前記式(1a)及び式(2a)においてXがHであるとき、下記式(3a)で表される化合物(C)を用いることなく、前記式(1a)及び/又は式(2a)のXがHOOC-(CH)m-CO-(mは前記に同じ)であるとき、下記式(3a)で表される化合物(C)が併用される。
HN-R-NH (3a)
(式中、Rは直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基を示す)
前記ペプチド成分(A)とペプチド成分(B)との割合は、例えば、前者(A)/後者(B)=100/0〜30/70(モル%)程度であり、化合物(C)の使用量は、例えば、ペプチド成分(A)及び/又はペプチド成分(B)の総量1モルに対して実質的に1モル程度である。
反応は、通常、溶媒(水及び/又は有機溶媒)中、少なくとも脱水縮合剤(例えば、カルボジイミド系縮合剤、フルオロホスフェート系縮合剤、ジフェニルホスホリルアジドなど)の存在下で、各成分(1)〜(3)を縮合させることにより行うことができる。また、反応は、前記脱水縮合剤と縮合助剤(又は脱水助剤)(例えば、N−ヒドロキシ多価カルボン酸イミド類、N−ヒドロキシトリアゾール類(例えば、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールなどのN−ヒドロキシベンゾトリアゾール類など)、トリアジン類、2−ヒドロキシイミノ−2−シアノ酢酸エチルエステルなど)との存在下で行ってもよい。非水系溶媒(水を含まない溶媒)中で反応を行う場合、脱水縮合剤の割合は、前記反応成分(1a)(2a)及び(3a)の総量1モルに対して、0.7〜5モル程度であってもよく、水系溶媒(水を含む溶媒)中で反応を行う場合、脱水縮合剤の割合は、前記反応成分(1a)(2a)及び(3a)の総量1モルに対して、2〜500モル程度であってもよい。縮合助剤の割合は、前記反応成分(1a)(2a)及び(3a)の総量1モルに対して、0.5〜5モル程度であってもよい。
前記式(1)〜(3)のユニットで構成されたポリペプチドにおいて、通常、mは2〜12の整数、nは1〜15の整数であり、Zは、Gly, Sar, Ser, Glu, Asp, Lys, His, Ala,Val、Leu、Arg、Pro、Tyr、Ileから選択された少なくとも一種のアミノ酸残基又はペプチド残基で構成されているペプチド鎖である。また、前記式において、通常、rは1〜10の整数、RはC2−12アルキレン基である。nは、1〜3であってもよい。
前記ポリペプチドは、通常、円二色性スペクトルにおいて、波長220〜230nmに正のコットン効果を示し、波長195〜205nmに負のコットン効果を示す。そのため、ポリペプチドの少なくとも一部(一部または全部)は、通常、3重らせん構造を形成している。また、前記ポリペプチドは、コラーゲン組織(コラーゲン状の組織)を形成可能である。
本発明の新規なポリペプチドは、病原体感染の危険性や副作用の虞がなく、安全性が高く細胞親和性にも優れている。しかも、二量化や環化反応を抑制しつつ、縮合反応という簡単な操作で、前記ポリペプチドを製造できる。
本発明においては各種アミノ酸残基を次の略号で記述する。
Ala :L−アラニン残基
Arg :L−アルギニン残基
Asn :L−アスパラギン残基
Asp :L−アスパラギン酸残基
Cys :L−システイン残基
Gln :L−グルタミン残基
Glu :L−グルタミン酸残基
Gly :グリシン残基
His :L−ヒスチジン残基
Hyp :L−ヒドロキシプロリン残基
Ile :L−イソロイシン残基
Leu :L−ロイシン残基
Lys :L−リジン残基
Met :L−メチオニン残基
Phe :L−フェニルアラニン残基
Pro :L−プロリン残基
Sar :サルコシン残基
Ser :L−セリン残基
Thr :L−トレオニン残基
Trp :L−トリプトファン残基
Tyr :L−チロシン残基
Val :L−バリン残基
また、本明細書においては、常法に従って、N末端のアミノ酸残基を左側に位置させ、C末端のアミノ酸残基を右側に位置させて、ペプチド鎖のアミノ酸配列を記述する。
本発明の新規なポリペプチドを構成するペプチドユニット(1) [-(OC-(CH)-CO)-(Pro-Y-Gly)-]は、Pro-Y-Glyの繰返し配列を含むことが必要である。Pro-Y-Glyの繰返し数が、少ないと3重らせん構造の安定性が減少し、繰返し数が多すぎるとペプチドの合成が困難になる。従って、繰返し数nは、1〜20、好ましくは2〜15(例えば、3〜15)、さらに好ましくは5〜15程度である。
前記式(1)において、Yは、ProまたはHypいずれであってもよいが、3重らせん構造の安定性からHypであるのがより好ましい。なお、Hypは、通常、4Hyp(例えば、trans−4−ヒドロキシ−L−プロリン)残基である。
さらに、メチレン鎖(CH)の繰り返し数を示すmは、ポリペプチドの物理的および生物学的性質を損なわない範囲であればよいが、通常、1〜18、好ましくは2〜12、さらに好ましくは2〜10(特に2〜6)程度である。pは0又は1である。
前記ペプチドユニット(2)[-(OC-(CH)-CO)-(Z)-]において、Zは1〜10個のアミノ酸残基で構成された任意の配列のペプチド鎖を表す。Zは、得られるポリペプチドの物理的および生物学的性質を損なわない限り、どのような配列でもよい。ポリペプチドが有用な物理的および生物学的性質を発揮するためには、例えば、ペプチド鎖Zは、通常、Gly, Sar, Ser, Glu, Asp, Lys, His, Ala,Val、Leu、Arg、Pro、Tyr、Ileから選択された少なくとも一種のアミノ酸残基又はペプチド残基、特に、Gly, Ser, Glu, Asp, Lys、Arg、Proから選択された少なくとも一種のアミノ酸残基又はペプチド残基を有している場合が多い。ペプチド鎖Zは、Gly, Sar, Ser, Glu, Asp, Lys, Arg-Gly-Asp, Tyr-Ile-Gly-Ser-Arg, Ile-Lys-Val-Ala-Val, Val-Pro-Gly-Val-Gly, Asp-Gly-Glu-Ala, Gly-Ile-Ala-Gly, His-Ala-Val, Glu-Arg-Leu-Glu, Lys-Asp-Pro-Lys-Arg-Leu, Arg-Ser-Arg-Lysで示される配列を含むのが好ましい。
ペプチド鎖Zの繰り返し数を示すrは、得られるポリペプチドが物理的および生物学的性質を発揮する範囲であればよい。繰返し数rが多すぎると合成が困難になり、また得られるポリペプチドの物理的性質が変化しやすい。従って、繰返し数rは、通常、1〜20、好ましくは1〜10、さらに好ましくは1〜5程度である。
メチレン鎖(CH)の繰り返し数を示すmは、前記式(1)と同様に、1〜18、好ましくは2〜12、さらに好ましくは2〜10(特に2〜6)程度である。qは0又は1である。
前記式(1)及び(2)において、p及びqのうち少なくとも一方が0であるとき、ポリペプチドは、前記式(3)で表されるユニット[-HN-R-NH-]を含んでいる。この前記式(3)で表されるユニットにおいて、Rで表される直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基は、ポリペプチドの物理的および生物学的性質を損なわない範囲であればよく、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、トリメチレン、テトラメチレンなどのC1−18アルキレン基が例示できる。前記アルキレン基Rは、直鎖状のメチレン鎖(CH)(sは1〜18の整数を表す)であってもよい。好ましいRは、C2−12アルキレン基(さらに好ましくはC2−10アルキレン基,特にC2−6アルキレン基)である。
前記式(1)で表されるペプチドユニットと前記式(2)で表されるペプチドユニットとの割合(a/b)は、100/0〜30/70(モル比)、好ましくは100/0〜40/60(モル比)、さらに好ましくは100/0〜50/50(モル比)程度である。
さらに、前記式(3)で表されるユニットの割合は、前記式(1)のpの値、前記式(2)のqの値に応じて選択でき、p=1及びq=0であるとき、c=a(=1)であり、p=0及びq=1であるとき、c=b(=1)である。また、p=1及びq=1であるときc=a+b(=2)であり、p=0及びq=0であるときc=0である。
すなわち、本発明のポリペプチドには、(a)前記式(1)でp=0であるペプチドユニット[-(Pro-Y-Gly)-]の繰り返し単位で構成されたポリペプチド、(b)前記式(1)でp=0であるペプチドユニット[-(Pro-Y-Gly)-]と前記式(2)でq=0であるペプチドユニット[-(Z)-]とをa:bの割合(モル%)で含む繰り返し単位で構成されたポリペプチド、(c)前記式(1)でp=1であるペプチドユニット[-(OC-(CH)-CO)-(Pro-Y-Gly)-]と前記式(3)で表されるユニット[-HN-R-NH-]とをa:cの割合(モル%)で含む繰り返し単位で構成されたポリペプチド、(d)前記式(1)でp=1であるペプチドユニット[-(OC-(CH)-CO)-(Pro-Y-Gly)-]と前記式(2)でq=1であるペプチドユニット[-(OC-(CH)-CO)-(Z)-]と前記式(3)で表されるユニット[-HN-R-NH-]とをa:b:cの割合(モル%)で含む繰り返し単位で構成されたポリペプチドが含まれる。
このようなポリペプチドは、環化により6員環を形成することなく、鎖状のポリペプチドを形成しており、溶媒(水、エタノール、プロパノールなどのアルコール類、アセトンなどのケトン類、ジオキサン、テトラヒドロフランなどの環状エーテル、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類などの親水性溶媒又はそれらの混合溶媒)に可溶である。ポリペプチドは、水系ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)において、球状蛋白質換算で、例えば、分子量5×10〜100×10、好ましくは1×10〜10×10程度の範囲にピークを示す。
さらに、本発明の新規なポリペプチドは、コラーゲン組織(コラーゲン状の組織)を形成可能である。すなわち、本発明のポリペプチドは、円二色性スペクトルにおいて、波長220〜230nmに正のコットン効果を示し、波長195〜205nmに負のコットン効果を示す。そのため、本発明のポリペプチドの少なくとも一部(すなわち、一部または全部)が3重らせん構造を形成可能であり、コラーゲン様ポリペプチドを形成する。なお、コットン効果とは、旋光性物質において特定の波長で左右の円偏光に対する吸収係数が異なるために起こる現象をいう。
本発明の新規なポリペプチドは、前記成分(1a)〜(3a)を縮合反応に供することにより得ることができる。本発明のペプチド鎖の合成は、通常のペプチド合成方法に従って行うことができる。ペプチドは、例えば、固相合成法または液相合成法によって調製できるが、固相合成法が操作上簡便である〔例えば、日本生化学会編「続生化学実験講座2 タンパク質の化学(下)」(昭和62年5月20日 株式会社東京化学同人発行)、第641−694頁参照〕。ペプチド合成には、慣用の方法、例えば、縮合剤を用いるカップリング方法、活性エステル法(p−ニトロフェニルエステル(ONp)、ペンタフルオロフェニルエステル(Opfp)などのフェニルエステル、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(ONSu)などのN−ヒドロキシジカルボン酸イミドエステル、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールエステル(Obt)など)、混合酸無水物法、アジド法などが利用できる。好ましい方法では、少なくとも縮合剤(好ましくは下記の縮合剤、特に下記の縮合剤と縮合助剤との組合せ)を用いる場合が多い。
さらに、ペプチドの合成では、アミノ酸又はペプチドフラグメントの種類に応じて、アミノ基、カルボキシル基、他の官能基(グアニジノ基、イミダゾリル基、メルカプト基、ヒドロキシル基、ω−カルボキシル基など)の保護基による保護と、接触還元や強酸処理(無水フッ化水素、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸など)による保護基の脱離・除去とが繰り返し行われる。例えば、アミノ基の保護基には、ベンジルオキシカルボニル基(Z)、p−メトキシベンジルオキシカルボニル基(Z(OMe))、9−フルオレニルメトキシカルボニル基(Fmoc)、t−ブトキシカルボニル基(Boc)、3−ニトロ−2−ピリジンスルフェニル基(Npys)などが利用でき、カルボキシル基の保護基には、ベンジルオキシ基(OBzl),フェナシルオキシ基(OPac),t−ブトキシ基(OBu)、メトキシ基(OMe)、エトキシ基(OEt)などが利用できる。なお、ペプチド合成には自動合成装置を利用してもよい。
より具体的には、本発明のペプチド鎖の固相合成法による調製は、慣用の方法で行うことができる。固相樹脂(又は担体)としては、反応溶媒に不溶性の重合体、例えば、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、例えば、クロロメチル化樹脂、ヒドロキシメチル樹脂、ヒドロキシメチルフェニルアセトアミドメチル樹脂、4−メチルベンズヒドリルアミン樹脂などが利用できる。
固相合成法では、通常、(i)前記重合体(樹脂)に対して、目的とするペプチドのC末端からN末端の方向に向かって、遊離のα−COOH基を有するとともに官能基(少なくともN末端のα−アミノ基など)が保護基で保護されたアミノ酸又はペプチド断片を結合させる操作と、(ii)結合したアミノ酸又はペプチド断片のうちペプチド結合を形成するα−アミノ基の保護基を除去する操作と、(iii)上記結合操作と除去操作とを順次繰り返すことにより、ペプチド鎖を伸長させて目的ペプチドに対応するペプチド鎖を形成する工程と、(iv)ペプチド鎖を重合体(樹脂)から脱離させ、かつ保護されている官能基から保護基を除去することにより、目的とするペプチドを生成させ、生成したペプチドを精製することにより、ペプチドを製造できる。前記アミノ酸又はペプチド断片を結合させる操作(i)では、前記ペプチド鎖のC末端に対応し、かつ遊離のα−COOH基を有するとともに少なくともN末端が保護基で保護されたアミノ酸(例えば、Fmoc−アミノ酸、Boc−アミノ酸など)が使用される。なお、ペプチド鎖の重合体からの脱離および保護基の除去は、トリフルオロ酢酸を用いて同時に行うのが副反応を抑制する観点から好ましい。また、生成したペプチドの精製は、逆相液体クロマトグラフィーやゲルパーミエイションクロマトグラフィーなどの分離精製手段を利用して行うことができる。
本発明では、少なくとも下記式(1a)で表されるペプチド成分(A)を縮合し、ポリペプチドを調製する。
X-(Pro-Y-Gly)-OH (1a)
(式中、XはH又はHOOC-(CH)-CO-(mは前記に同じ)を表し、Y及びnは前記に同じ)
前記式(1a)で表されるペプチド成分(A)は、下記式(2a)で示されるペプチド成分(B)と共縮合させて、本発明のポリペプチドを調製してもよい。
X-(Z)-OH (2a)
(式中、XはH又はHOOC-(CH)-CO-(mは前記に同じ)を表し、Z及びrは前記に同じ)
なお、前記XがHOOC-(CH)-CO-に対応する化合物としては、例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸などのC3−20の脂肪族ジカルボン酸又はそれらの酸無水物などが例示できる。これらの化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの化合物も慣用のアミド結合生成法(例えば、後述する第三級アミンなどを触媒とする反応など)反応や前記ペプチド合成法に従って反応させることにより、前記(1a)及び(2a)で示される化合物を得ることができる。
ペプチド成分(A)とペプチド成分(B)との使用割合は、例えば、前者(A)/後者(B)=100/0〜30/70(モル%)、好ましくは100/0〜40/60(モル%)、さらに好ましくは100/0〜50/50(モル%)程度である。
さらに、前記式(1a)及び/又は式(2a)においてXがHである場合には必要ではないが、XがHOOC-(CH)m-CO-(mは前記に同じ)であるとき、前記ペプチド成分(A)及び/又はペプチド成分(B)は、アミド基を形成するため、下記式(3a)で表される化合物(C)との共縮合反応に供される。
HN-R-NH (3a)
(式中、Rは前記に同じ)
前記式(3a)で表される化合物としては、前記式(3)に対応するジアミン類、例えば、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどのC1−18アルキレンジアミン、ジエチレントリアミン、ヘキサメチレンテトラミンなどのポリアルキレンポリアミン類などが例示できる。これらの化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
前記ジアミン化合物(C)の使用量は、例えば、ペプチド成分(A)及び/又はペプチド成分(B)の総量1モルに対して、実質的に1モル(例えば、0.95〜1.05モル程度)用いる必要がある。なお、前記ペプチド成分(A)(B)のうち一方のペプチド成分がX=HOOC-(CH)m-CO-(mは前記に同じ)を有する場合、このような基を有するペプチド成分1モルに対して、前記ジアミン化合物(C)の使用量は、実質的に1モル(例えば、0.95〜1.05モル程度)用いる必要がある。
これらの成分(1a)(2a)(3a)の反応は、通常、溶媒中で行われる。溶媒は、上記ペプチド成分および化合物を溶解又は懸濁(一部または全部を溶解)可能であればよく、通常、水及び/又は有機溶剤が使用できる。溶媒としては、例えば、水、アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホロアミドなど)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシドなど)、窒素含有環状化合物(N−メチルピロリドン、ピリジンなど)、ニトリル類(アセトニトリルなど)、エーテル類(ジオキサン、テトラヒドロフランなど)、アルコール類(メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコールなど)、およびこれらの混合溶媒が例示できる。これらの溶媒のうち、水、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドが繁用される。
これらの成分(1a)(2a)(3a)の反応は、通常、少なくとも脱水剤(脱水縮合剤)の存在下で行うことができ、脱水縮合剤と縮合助剤との存在下で反応させると、二量化や環化を抑制しつつ、円滑にポリペプチドを生成できる。
脱水縮合剤は、前記溶媒中で脱水縮合を効率よく行える限り特に制限されず、例えば、カルボジイミド系縮合剤[ジイソプロピルカルボジイミド(DIPC)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド(EDC=WSCI)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩(WSCI・HCl)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)など]、フルオロホスフェート系縮合剤[O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート、ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス−ピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、ベンゾトリアゾール−1−イル−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロリン化物塩(BOP)など]、ジフェニルホスホリルアジド(DPPA)などが例示できる。これらの脱水縮合剤は単独で又は二種以上組み合わせて混合物として使用できる。好ましい脱水縮合剤は、カルボジイミド系縮合剤[例えば、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩]である。
縮合助剤は、上記縮合剤の反応を促進する限り特に制限されず、例えば、N−ヒドロキシ多価カルボン酸イミド類[例えば、N−ヒドロキシコハク酸イミド(HONSu)、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸イミド(HONB)などのN−ヒドロキシジカルボン酸イミド類]、N−ヒドロキシトリアゾール類[例えば、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)などのN−ヒドロキシベンゾトリアゾール類]、3−ヒドロキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−1,2,3−ベンゾトリアジン(HOObt)などのトリアジン類、2−ヒドロキシイミノ−2−シアノ酢酸エチルエステルなどが例示できる。これらの縮合助剤も単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。好ましい縮合助剤は、N−ヒドロキシジカルボン酸イミド類[HONSuなど]、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール又はN−ヒドロキシベンゾトリアジン類[HOBtなど]である。
前記脱水縮合剤と縮合助剤とは適当に組み合わせて使用できる。前記脱水縮合剤と縮合助剤との組合せとしては、例えば、DCC−HONSu(HOBt又はHOObt)、WSCI−HONSu(HOBt又はHOObt)などが例示できる。
脱水縮合剤の使用量は、前記反応成分(1a)(2a)及び(3a)の総量1モルに対して、通常、水を含まない非水系溶媒を用いる場合0.7〜5モル、好ましくは0.8〜2.5モル、さらに好ましくは0.9〜2.3モル(例えば1〜2モル)程度である。水を含む溶媒(水系溶媒)においては、水による脱水縮合剤の失活があるので、脱水縮合剤の使用量は、前記反応成分(1a)(2a)及び(3a)の総量1モルに対して、通常、2〜500モル(例えば、2〜50モル)、好ましくは5〜250モル(例えば、5〜25モル)、さらに好ましくは10〜125モル(例えば、10〜20モル)程度である。縮合助剤の使用量は、溶媒の種類に関係なく、前記反応成分(1a)(2a)及び(3a)の総量1モルに対して、例えば、0.5〜5モル、好ましくは0.7〜2モル、さらに好ましくは0.8〜1.5モル程度である。
本発明の縮合反応において、反応系のpHを調節してもよく、反応に関与しない塩基を添加してもよい。pHの調節は、通常、無機塩基[水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなど]、有機塩基、無機酸[塩酸など]や有機酸を用いて行うことができ、通常、反応溶液が中性付近(pH=6〜8程度)にpH調整される。前記反応に関与しない塩基としては、第三級アミン類、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどのトリアルキルアミン類、N−メチルモルホリン、ピリジンなどの複素環式第三級アミン類などが例示できる。このような塩基の使用量は、通常、ペプチド成分および化合物中のアミノ基の総モル数の1〜2倍程度の範囲から選択できる。
本発明において、前記式X-(Pro-Y-Gly)-OHで表されるペプチド鎖、および得られたポリペプチドが3重らせん構造を形成することは、通常、前記ペプチド鎖やポリペプチドの溶液について、円二色性スペクトルやゲルパーミエーションクロマトグラフィーを測定することにより立証できる。特に、円二色性スペクトルにおいては、3重らせん構造を形成する天然のコラーゲンおよびペプチド鎖が、波長220nm〜230nmに正のコットン効果、および波長195nm〜205nmに負のコットン効果を特徴的に示すことが報告されている(J. Mol. Biol., Vol.63 pp.85-99, 1972年)。また、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーでは、3重らせん構造を形成する3量体の分子量に相当するピークが、単量体のピークと分離して観測されるので、3重らせん構造を形成するペプチドの割合が計算できる。
本発明のポリペプチドは、コラーゲン組織を形成可能であり、副作用を起こさない。更に、病原体や病原性因子[例えば、病原性に転化したタンパク質(例えば、異常型プリオンなど)など]の感染や伝達の危険性がない。
本発明のポリペプチドは、被検体(被験体)の組織(例えば、表皮組織及び真皮組織など)へ適用できる。被検体としては、ヒトおよび非ヒト動物(例えば、サル、ヒツジ、ウシ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウスなどの非ヒト動物)が例示できる。また、本発明のポリペプチドは、ポリペプチドに由来して生じる感染又は伝達(例えば、ポリペプチドに存在する病原体又は病原性因子などの感染又は伝達)などを抑制又は予防するために使用できる。そのため、本発明のポリペプチドは、例えば、患部[例えば、疾病部や損傷部(例えば、擦傷および火傷などの損傷部)など]や、切開部[例えば、手術などの切開部など]において有効に利用できる。
本発明のポリペプチドは、通常の公知の方法で種々の用途に応じて成形できる。そのため、ポリペプチドの利用形態は、液状(溶液又は懸濁液など)、粉粒状、二次元的形態(フィルムやシートなど)や三次元的形態であってもよい。例えば、ポリペプチドの溶液または懸濁液を、剥離性ベース(例えば、フッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン)シート)上に流延して、乾燥することにより、ポリペプチドのシートやフィルムが得られる。また、高濃度の塩を含む溶液またはポリペプチドを溶解しない溶剤中に、ポリペプチドの溶液または懸濁液をノズルから押し出すことにより繊維状物が得られる。さらに、ポリペプチドの水溶液または懸濁液をそのまま静置したり、必要により多価架橋性試薬(グルタルアルデヒドなど)を添加して静置することによりゲル状物を得ることができる。さらに、生成したゲル状物を凍結乾燥することによりスポンジ状の多孔質体を得ることができる。さらには、ポリペプチドの水溶液または懸濁液を撹拌発泡して乾燥することによっても多孔質体を得ることもできる。
さらに、本発明のポリペプチドは被覆剤として利用してもよい。例えば、前記ポリペプチドの溶液または懸濁液を、基材の表面に塗布又は散布した後、乾燥することにより、基材の表面を本発明のポリペプチドで被覆することができる。前記基材は、金属、セラミックス、プラスティック、天然高分子などの様々な材料で作られた成形体であってもよく、成形体の形態は、粉粒状、線状又は繊維状、フィルム又はシート状などの二次元的構造や三次元的構造を有していてもよい。さらには、多孔質体(粉粒状多孔質体、セルロース繊維紙、不織布や織布などの二次元的多孔質体、円筒状などの三次元的多孔質体)にポリペプチドの溶液または懸濁液を含浸させ、ポリペプチドを保持させてもよい。
本発明のポリペプチドを医療用途に用いる場合には、殺菌又は滅菌して用いることが好ましい。殺菌、滅菌方法としては、種々の殺菌・滅菌方法、例えば、湿熱蒸気滅菌、ガンマ線滅菌、エチレンオキサイドガス滅菌、薬剤殺菌、紫外線殺菌などが用いられる。これらの方法のうち、ガンマ線滅菌、エチレンオキサイドガス滅菌は、滅菌効率と材料に与える影響が少なく好ましい。
本発明のポリペプチドは、安全性が高い。また、細胞親和性や生体適合性にも優れている。そのため、生体材料又は生体適合材料、例えば、人工コラーゲンなどとして有用である。
本発明のポリペプチドは、例えば、組織工学用の担体又は支持体、再生医療用の担体又は支持体(人工皮膚など)、組織接着剤や癒着防止材、手術用縫合糸、止血材、コンタクトレンズなどの医療用材料、医薬品の製剤素材(又は基剤)、化粧品の素材(又は基剤)、食品添加剤などとして利用できる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
実施例1
式:H-(Pro-Pro-Gly)10-OH(配列番号:1)で示されるペプチド((株)ペプチド研究所)を0.25mg/mLの濃度で50%のメチルアルコールを含む水に溶解し、円二色性スペクトルを測定した(日本分光(株)社製、J-725、光路長:1mm)。その結果、227nmに正のコットン効果、197nmに負のコットン効果が観測され、3重らせん構造を形成していることが確認された。また、同じ溶液について、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(アマシャム・バイオサイエンス(株)製、AKTApurifierシステム、カラム:Superdex Peptide PE 7.5/300、流速:0.25mL/min、溶離液:150mMのNaClを含む10mM リン酸緩衝液phosphate buffer(pH 7.4))により分子量の測定を行ったところ、3重らせん構造に相当する分子量約9000と、単量体に相当する分子量約3000の2本のピークが認められた。分子量はGel Filtration LMW Calibration Kit(アマシャム・バイオサイエンス(株)製)、ヒトインスリン(sigma社製)及びグリシン(和光純薬(株)製)を標準物質として使用し、算出した。ピークの面積から求めた3重らせん構造を形成しているペプチドの割合は約50%であった。なお、H-(Pro-Pro-Gly)10-OHを0.25mg/mLの濃度で水に溶解した溶液では、227nmに弱い正のコットン効果、198nmに負のコットン効果が観測されたが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーでは3量体に相当するピークは、極くわずかしか観測されず、3重らせん構造を形成しているペプチドの割合はほぼ0%であった。
5mg(0.002mmol)のH-(Pro-Pro-Gly)10-OHを2mLのジメチルスルホキシドに懸濁し、室温で撹拌した。この混合液に、0.31mg(0.0024mmol)のジイソプロピルエチルアミン、0.32mg(0.0024mmol)の1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、0.46mg(0.0024mmol)の1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩を添加して、さらに室温で7日間撹拌を続けた。
反応溶液を水で20倍に希釈し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(アマシャム・バイオサイエンス(株)製、AKTApurifierシステム、カラム:Superdex 200 HR 10/30、流速:0.5mL/min、溶離液:150mMのNaClを含む10mM phosphate buffer(pH 7.4))に供したところ、分子量が4万〜20万の範囲にポリペプチドのピークが認められた。分子量はアマシャム・バイオサイエンス(株)製のGel Filtration LMW Calibration Kit及びGel Filtration HMW Calibration Kitを標準物質として使用し、算出した。
得られた反応溶液を水で5倍に希釈し、水に対して3日間透析して、縮合剤などの試薬と未反応モノマーを除去した。得られたポリペプチドの円二色性スペクトルを測定したところ、227nmに正のコットン効果、199nmに負のコットン効果が観測され、3重らせん構造を形成していることが確認された。
実施例2
式:H-(Pro-Pro-Gly)-OH(配列番号:2)で示されるペプチド鎖をペプチド自動合成装置を用いて固相合成法により合成した。すなわち、4−(Nα−9−(フルオレニルメトキシカルボニル)−グリシン)−オキシメチル−フェノキシ−メチル基を0.65mmol/g (樹脂)の割合で含むスチレン−ジビニルベンゼン共重合体〔スチレンとジビニルベンゼンの構成モル比:99対1〕からなる粒状樹脂〔米国アプライド・バイオシステムズ社製、HMPグリシン〕0.1mmolを用い、目的とするペプチドのカルボキシル末端からアミノ末端に向かって順次対応するアミノ酸を結合させた。結合反応において、アミノ酸として、米国アプライド・バイオシステムズ社製のNα−9−(フルオレニルメトキシカルボニル)−L−プロリン〔Fmocプロリン〕、Nα−9−(フルオレニルメトキシカルボニル)−グリシン〔Fmocグリシン〕を、各結合ステップについてそれぞれ1mmolずつ用いた。
得られたペプチド樹脂(ペプチドを結合した樹脂)を、10mLのジメチルホルムアミドに懸濁し、50mg(0.5mmol)の無水コハク酸と13mg(0.1mmol)のジイソプロピルエチルアミンを加えて、室温で12時間反応した。その後、メチルアルコールとジクロロメタンで交互に洗浄し、減圧乾燥した。
得られたペプチド樹脂を、5%の水を含むトリフルオロ酢酸10mLで3時間処理した。得られた溶液をジエチルエーテルに加えて生じる沈殿をさらに数回ジエチルエーテルで洗浄して、ペプチドの脱保護と樹脂からの脱離を行った。粗生成物を、PD10カラム(アマシャム・バイオサイエンス(株)製)で精製してペプチドを得た。得られた精製ペプチドをアマシャム・バイオサイエンス(株)製「AKTA explorer10XT」〔カラム:ミリポア(株)製「ノバパックC18」 3.9mmφ×150mm、移動相:トリフルオロ酢酸を0.05容量%含有するアセトニトリルと水の混合溶媒(アセトニトリル濃度を30分間で5容量%から50容量%に直線的に変化させた)、流速1.0mL/min〕に付したところ、リテンションタイム14.5minに単一のピ−クが示された。FAB法マススペクトルにより求めた精製ペプチドの分子量は1375であった(理論値:1374.52)。
得られたHOOC-(CH)-CO-(Pro-Pro-Gly)-OHを、水、または50%のメチルアルコールを含む水に溶解し、濃度0.25mg/mLの溶液を調製し、円二色性スペクトルを測定した(日本分光(株)社製、J-725、光路長:1mm)。いずれの溶媒中でも、220nm〜230nmの範囲に正のコットン効果は観測されず、200nm〜202nmに負のコットン効果のみが観測され、3重らせん構造を形成していないことが確認された。また、同じ溶液についてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(アマシャム・バイオサイエンス(株)製、AKTApurifierシステム、カラム:Superdex Peptide PE 7.5/300、流速:0.25mL/min、溶離液:150mMのNaClを含む10mM phosphate buffer(pH 7.4))により分子量の測定を行ったところ、単量体に相当する分子量が2000以下にピークが1本認められた。分子量はGel Filtration LMW Calibration Kit(アマシャム・バイオサイエンス(株)製)、ヒトインスリン(sigma社製)及びグリシン(和光純薬(株)製)を標準物質として使用し、算出した。ピークの面積から求めた3重らせん構造を形成しているペプチドの割合は0%であった。
1.4mg(0.001mmol)のHOOC-(CH)-CO-(Pro-Pro-Gly)-OHと、0.06mg (0.001mmol)のエチレンジアミンとを0.05mLの水に懸濁し、混合液に、0.32mg(0.0024mmol)の1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、4.6mg(0.024mmol)の1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩を添加して、室温で3日間振盪した。
反応溶液を水で100倍に希釈し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(アマシャム・バイオサイエンス(株)製、AKTApurifierシステム、カラム:Superdex 200 HR 10/30、流速:0.5mL/min、溶離液:150mMのNaClを含む10mM phosphate buffer(pH 7.4))により分子量を測定したところ、分子量が3万〜20万の範囲にポリペプチドのピークが認められた。分子量はアマシャム・バイオサイエンス(株)製のGel Filtration LMW Calibration Kit及びGel Filtration HMW Calibration Kitを標準物質として使用し、算出した。
得られた反応溶液を水で5倍に希釈し、水に対して3日間透析して、縮合剤などの試薬と未反応モノマーを除去した。得られたポリペプチドの円二色性スペクトルを測定したところ、228nmに正のコットン効果、198nmに負のコットン効果が観測され、3重らせん構造を形成していることが確認された。
実施例3
式:H-(Pro-Hyp-Gly)10-OH(配列番号:3)で示されるペプチド((株)ペプチド研究所)を水、または50%のメチルアルコールを含む水に溶解し、濃度0.25mg/mLの溶液を調製し、円二色性スペクトルを測定した(日本分光(株)社製、J-725、光路長:1mm)。水中では、225nmに正のコットン効果、195nmに負のコットン効果が観測され、3重らせん構造を形成していることが確認された。また、同じ溶液をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(アマシャム・バイオサイエンス(株)製、AKTApurifierシステム、カラム:Superdex Peptide PE 7.5/300、流速:0.25mL/min、溶離液:150mMのNaClを含む10mM phosphate buffer(pH 7.4))に供したところ、3重らせん構造に相当する分子量約9000のピークが1本認められた。分子量はGel Filtration LMW Calibration Kit(アマシャム・バイオサイエンス(株)製)、ヒトインスリン(sigma社製)及びグリシン(和光純薬(株)製)を標準物質として使用し、算出した。ピークの面積から求めた3重らせん構造を形成しているペプチドの割合は約100%であった。50%のメチルアルコールを含む水中でもほぼ同様の結果で、3重らせん構造を形成しているペプチドの割合は約100%であった。
5mg(0.0016mmol)のH-(Pro-Hyp-Gly)10-OHを2mLのジメチルスルホキシドに懸濁し、室温で撹拌した。この混合液に、0.23mg(0.0018mmol)のジイソプロピルエチルアミン、0.24mg(0.0018mmol)の1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、0.65mg(0.0034mmol)の1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩を添加して、さらに室温で7日間撹拌を続けた。
反応溶液を水で20倍に希釈し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(アマシャム・バイオサイエンス(株)製、AKTApurifierシステム、カラム:Superdex 200 HR 10/30、流速:0.5mL/min、溶離液:150mMのNaClを含む10mM phosphate buffer(pH 7.4))に供したところ、分子量が6万〜20万以上の範囲にポリペプチドのピークが認められた。分子量はアマシャム・バイオサイエンス(株)製のGel Filtration LMW Calibration Kit及びGel Filtration HMW Calibration Kitを標準物質として使用し、算出した。
得られた反応溶液を水で5倍に希釈し、水に対して3日間透析して、縮合剤などの試薬と未反応モノマーを除去した。得られたポリペプチドの円二色性スペクトルを測定したところ、225nmに正のコットン効果、197nmに負のコットン効果が観測され、3重らせん構造を形成していることが確認された。
得られたポリペプチドの水懸濁液をフッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン)シート上に流延した後、風乾することによりキャストフィルムを作製した。このフィルムに金を蒸着した後、走査型電子顕微鏡で観測すると、図1に示すような繊維状の構造物が観測された。
実施例4
式:H-(Pro-Pro-Gly)5-OHで示されるペプチド((株)ペプチド研究所)を水、または50%のメチルアルコールを含む水に溶解し、濃度0.25mg/mLの溶液を調製し、円二色性スペクトルを測定した(日本分光(株)社製、J-725、光路長:1mm)。いずれの溶媒中でも、220nm〜230nmの範囲に正のコットン効果は観測されず、200nm〜202nmに負のコットン効果のみが観測され、3重らせん構造を形成していないことが確認された。また、同じ溶液をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(アマシャム・バイオサイエンス(株)製、AKTApurifierシステム、カラム:Superdex Peptide PE 7.5/300、流速:0.25mL/min、溶離液:150mMのNaClを含む10mM phosphate buffer(pH 7.4))に供したところ、単量体に相当する分子量が2000以下にピークが1本認められた。分子量はGel Filtration LMW Calibration Kit(アマシャム・バイオサイエンス(株)製)、ヒトインスリン(sigma社製)及びグリシン(和光純薬(株)製)を標準物質として使用し、算出した。ピークの面積から求めた3重らせん構造を形成しているペプチドの割合は0%であった。
3.5mg(0.0026mmol)のH-(Pro-Pro-Gly)5-OHと、実施例2と同様の方法で合成した0.92mg(0.0011mmol)のH-(Val-Pro-Gly-Val-Gly)2-OH(配列番号:4)とを所定の割合(70モル%:30モル%)で1.5mLのジメチルスルホキシドに懸濁し、室温で撹拌した。この混合液に、0.52mg(0.0040mmol)のジイソプロピルエチルアミン、0.51mg(0.0038mmol)の1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、1.45mg(0.0076mmol)の1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩を添加して、さらに室温で7日間撹拌を続けた。
反応溶液を水で20倍に希釈し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(アマシャム・バイオサイエンス(株)製、AKTApurifierシステム、カラム:Superdex 200 HR 10/30、流速:0.5mL/min、溶離液:150mMのNaClを含む10mM phosphate buffer(pH 7.4))により分子量を測定したところ、分子量が8万〜45万の範囲にポリペプチドのピークが認められた。分子量はアマシャム・バイオサイエンス(株)製のGel Filtration LMW Calibration Kit及びGel Filtration HMW Calibration Kitを標準物質として使用し、算出した。
得られた反応溶液を水で5倍に希釈し、水に対して3日間透析して、縮合剤などの試薬と未反応モノマーを除去した。得られたポリペプチドの円二色性スペクトルを測定したところ、227nmに正のコットン効果、198nmに負のコットン効果が観測され、3重らせん構造を形成していることが確認された。
得られたポリペプチドの水懸濁液をフッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン)シート上に流延した後、風乾することによりキャストフィルムを作製した。このフィルムを、150mMのNaClを含む10mM phosphate buffer(pH 7.4)に浸漬するとシート状のゲル状物が得られた。このシート状のゲル状物は、室温では透明であったが、40℃以上の温度で可逆的に白濁した。
実施例5
式:H-(Pro-Hyp-Gly)5-OH(配列番号:5)で示されるペプチド((株)ペプチド研究所)を水、または50%のメチルアルコールを含む水に溶解し、濃度0.25mg/mLの溶液を調製し、円二色性スペクトルを測定した(日本分光(株)社製、J-725、光路長:1mm)。水中では、223nmに正のコットン効果、201nmに負のコットン効果が観測され、3重らせん構造を形成していることが確認された。また、同じ溶液をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(アマシャム・バイオサイエンス(株)製、AKTApurifierシステム、カラム:Superdex Peptide PE 7.5/300、流速:0.25mL/min、溶離液:150mMのNaClを含む10mM phosphate buffer(pH 7.4))に供したところ、3重らせん構造に相当する分子量約4100のピークが1本認められた。分子量はGel Filtration LMW Calibration Kit(アマシャム・バイオサイエンス(株)製)、ヒトインスリン(sigma社製)及びグリシン(和光純薬(株)製)を標準物質として使用し、算出した。ピークの面積から求めた3重らせん構造を形成しているペプチドの割合は約100%であった。50%のメチルアルコールを含む水中でもほぼ同様の結果で、3重らせん構造を形成しているペプチドの割合は約100%であった。
5mg(0.0033mmol)のH-(Pro-Hyp-Gly)5-OHを2 mLのジメチルスルホキシドに懸濁し、室温で撹拌した。この混合液に、0.44mg(0.0034mmol)のジイソプロピルエチルアミン、0.46mg(0.0033mmol)の1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、1.3mg(0.0068mmol)の1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩を添加して、さらに室温で14日間撹拌を続けた。
反応溶液を水で20倍に希釈し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(アマシャム・バイオサイエンス(株)製、AKTApurifierシステム、カラム:Superdex 200 HR 10/30、流速:0.5mL/min、溶離液:150mMのNaClを含む10mM phosphate buffer(pH 7.4))に供したところ、分子量が4万〜10万以上の範囲にポリペプチドのピークが認められた。分子量はアマシャム・バイオサイエンス(株)製のGel Filtration LMW Calibration Kit及びGel Filtration HMW Calibration Kitを標準物質として使用し、算出した。
得られた反応溶液を水で5倍に希釈し、水に対して3日間透析して、縮合剤などの試薬と未反応モノマーを除去した。得られたポリペプチドの円二色性スペクトルを測定したところ、224nmに正のコットン効果、199nmに負のコットン効果が観測され、3重らせん構造を形成していることが確認された。
実施例6
5mg(0.0016mmol)の式:H-(Pro-Hyp-Gly)10-OH(配列番号:3)で示されるペプチド((株)ペプチド研究所)を0.5mLの10mMリン酸塩緩衝液(8.1mMのNa2HPO4・12H2O、1.5mMのKH2PO4、2.7mMのKCl、pH 7.4)に溶解し、20℃で撹拌した。この溶液に、0.24mg(0.0018mmol)の1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、31mg(0.16mmol)の1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩を添加して、さらに20℃で24時間撹拌を続けた。
反応溶液を水で60倍に希釈し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(アマシャム・バイオサイエンス(株)製、AKTApurifierシステム、カラム:Superose 6 HR 10/30、流速:0.5mL/min、溶離液:150mMのNaClを含む10mM リン酸塩緩衝液(pH 7.4))に供したところ、平均分子量40万に相当するポリペプチドのピークが認められた。分子量はアマシャム・バイオサイエンス(株)製のGel Filtration LMW Calibration Kit及びGel Filtration HMW Calibration Kitを標準物質として使用し、算出した。
得られた反応溶液を水で5倍に希釈し、水に対して3日間透析して、縮合剤などの試薬と未反応モノマーを除去した。得られたポリペプチドの円二色性スペクトルを測定したところ、225nmに正のコットン効果、197nmに負のコットン効果が観測され、3重らせん構造を形成していることが確認された。
実施例7
式:H-(Pro-Hyp-Gly)1-OHで示されるペプチド((株)ペプチド研究所)を濃度0.25mg/mLの濃度で水に溶解し、円二色性スペクトルを測定した(日本分光(株)社製、J-820、光路長:1mm)。その結果、214nmに正のコットン効果、196nmに負のコットン効果が観測され、3重らせん構造を形成していないことが確認された。また、同じ溶液をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(アマシャム・バイオサイエンス(株)製、AKTApurifierシステム、カラム:Superdex peptide PE 7.5/300、流速:0.25mL/min、溶離液:150mMのNaClを含む10mMリン酸塩緩衝液(pH 7.4))に供したところ、単量体に相当する分子量約250のピークが1本認められた。分子量はGel Filtration LMW Calibration Kit(アマシャム・バイオサイエンス(株)製)、ヒトインスリン(sigma社製)及びグリシン(和光純薬(株)製)を標準物質として使用し、算出した。3重らせん構造を形成しているペプチドの割合は約0%であった。
25mg(0.088mmol)のH-(Pro-Hyp-Gly)1-OHを2.5mLの10mMリン酸塩緩衝液(pH 7.4)に溶解し、20℃で撹拌した。この溶液に、12.1mg(0.09mmol)の1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、168mg(0.88mmol)の1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩を添加して、さらに20℃で24時間撹拌を続けた。
反応溶液を水で20倍に希釈し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(アマシャム・バイオサイエンス(株)製、AKTApurifierシステム、カラム:Superdex 200 HR 10/30、流速:0.5mL/min、溶離液:150mMのNaClを含む10mM リン酸塩緩衝液(pH 7.4))に供したところ、分子量が2万〜3万の範囲にポリペプチドのピークが認められた。分子量はアマシャム・バイオサイエンス(株)製のGel Filtration LMW Calibration Kit及びGel Filtration HMW Calibration Kitを標準物質として使用し、算出した。
得られた反応溶液を水で5倍に希釈し、水に対して3日間透析して、縮合剤などの試薬と未反応モノマーを除去した。得られたポリペプチドの円二色性スペクトルを測定したところ、225nmに正のコットン効果、199nmに負のコットン効果が観測され、3重らせん構造を形成していることが確認された。
試験例
実施例1および3で得られたポリペプチドから作製したキャストフィルムに25kGyのガンマ線を照射して滅菌した。このフィルム上にマウス正常繊維芽細胞株NIH3T3を約10,000個分注し、ウシ胎児血清を10%含む培地(Eagle’s Minimum Essential Medium)中で、5%CO2存在下、37℃で3日間培養した。NIH3T3細胞は、実施例1および3で得られたポリペプチドからなるフィルムに良好に接着・増殖し、細胞の形態などに異常は認められなかった。
図1は実施例3で得られたフィルムを示す走査電子顕微鏡写真である。

Claims (12)

  1. 下記式(1a)
    X-(Pro-Y-Gly)-OH (1a)
    (式中、XはH又はHOOC-(CH)-CO-(mは1〜18の整数)を表し、YはProまたはHypを表し、nは1〜20の整数を表す)で示されるペプチド成分(A)と、下記式(2a)
    X-(Z)-OH (2a)
    (式中、XはH又はHOOC-(CH)-CO-(mは1〜18の整数)を表し、Zは1〜10個のアミノ酸残基からなるアミノ酸残基又はペプチド鎖を表し、rは1〜20の整数を表す)で示されるペプチド成分(B)と、前記式(1a)及び/又は式(2a)においてXがHOOC-(CH)m-CO-(mは前記に同じ)であるとき、下記式(3a)
    HN-R-NH (3a)
    (式中、Rは直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基を示す)
    で表される化合物(C)を反応させる方法であって、ペプチド成分(A)とペプチド成分(B)とを前者(A)/後者(B)=100/0〜30/70(モル%)の割合、および、前記式(1a)及び式(2a)においてXがHであるとき、化合物(C)を用いることなく、前記式(1a)及び/又は式(2a)においてXがHOOC-(CH)m-CO-(mは前記に同じ)であるとき、化合物(C)をペプチド成分(A)及び/又はペプチド成分(B)の総量1モルに対して実質的に1モルの割合で縮合させる新規なポリペプチドの製造方法。
  2. 少なくとも脱水縮合剤の存在下で縮合させる請求項1記載の製造方法。
  3. 脱水縮合剤と縮合助剤との存在下で縮合させる請求項1記載の製造方法。
  4. 脱水縮合剤が、カルボジイミド系縮合剤、フルオロホスフェート系縮合剤、及びジフェニルホスホリルアジドから選択された少なくとも一種である請求項2又は3記載の製造方法。
  5. 反応が非水系溶媒中で行われる方法であって、脱水縮合剤の割合が、請求項1に記載の反応成分(1a)(2a)及び(3a)の総量1モルに対して、0.7〜5モルである請求項2又は3記載の製造方法。
  6. 反応が水系溶媒中で行われる方法であって、脱水縮合剤の割合が、請求項1に記載の反応成分(1a)(2a)及び(3a)の総量1モルに対して、2〜500モルである請求項2又は3記載の製造方法。
  7. 縮合助剤が、N−ヒドロキシ多価カルボン酸イミド類、N−ヒドロキシトリアゾール類、トリアジン類及び2−ヒドロキシイミノ−2−シアノ酢酸エチルエステルから選択された少なくとも一種である請求項3記載の製造方法。
  8. 縮合助剤の割合が、請求項1に記載の反応成分(1a)(2a)及び(3a)の総量1モルに対して、0.5〜5モルである請求項3記載の製造方法。
  9. mが2〜12の整数、nが1〜15の整数、Zが、Gly, Sar, Ser, Glu, Asp, Lys, His, Ala,Val、Leu、Arg、Pro、Tyr、Ileから選択された少なくとも一種のアミノ酸残基又はペプチド残基で構成されているペプチド鎖、rが1〜10の整数、RがC2−12アルキレン基である請求項1記載の製造方法。
  10. nが1〜3である請求項1記載の製造方法。
  11. ポリペプチドの少なくとも一部が3重らせん構造を形成可能である請求項1記載の製造方法。
  12. ポリペプチドが、円二色性スペクトルにおいて、波長220〜230nmに正のコットン効果を示し、波長195〜205nmに負のコットン効果を示す請求項1記載の製造方法。
JP2008199704A 2002-02-28 2008-08-01 新規なポリペプチドおよびその製造方法 Expired - Lifetime JP5162363B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008199704A JP5162363B2 (ja) 2002-02-28 2008-08-01 新規なポリペプチドおよびその製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002053299 2002-02-28
JP2002053299 2002-02-28
JP2008199704A JP5162363B2 (ja) 2002-02-28 2008-08-01 新規なポリペプチドおよびその製造方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003042518A Division JP5070442B2 (ja) 2002-02-28 2003-02-20 新規なポリペプチドおよびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009040782A true JP2009040782A (ja) 2009-02-26
JP5162363B2 JP5162363B2 (ja) 2013-03-13

Family

ID=27678551

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003042518A Expired - Lifetime JP5070442B2 (ja) 2002-02-28 2003-02-20 新規なポリペプチドおよびその製造方法
JP2008199704A Expired - Lifetime JP5162363B2 (ja) 2002-02-28 2008-08-01 新規なポリペプチドおよびその製造方法

Family Applications Before (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003042518A Expired - Lifetime JP5070442B2 (ja) 2002-02-28 2003-02-20 新規なポリペプチドおよびその製造方法

Country Status (6)

Country Link
US (2) US7262275B2 (ja)
EP (2) EP1340767B9 (ja)
JP (2) JP5070442B2 (ja)
AT (2) ATE421972T1 (ja)
CA (1) CA2420355C (ja)
DE (2) DE60335675D1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20150057092A (ko) * 2013-11-18 2015-05-28 주식회사 엘지화학 카르본산 변성 니트릴계 공중합체 라텍스 조성물 및 이를 포함하는 딥 성형용 라텍스 조성물
JP2017008094A (ja) * 2016-09-09 2017-01-12 Jnc株式会社 コラーゲン様ポリペプチド

Families Citing this family (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5070442B2 (ja) * 2002-02-28 2012-11-14 株式会社Phg 新規なポリペプチドおよびその製造方法
EP1908828A1 (en) 2005-07-22 2008-04-09 PHG Corporation Novel polypeptide and method for producing the same
US20070224251A1 (en) * 2006-03-22 2007-09-27 Masao Tanihara Hemostatic material
US8686117B2 (en) * 2006-12-21 2014-04-01 Jnc Corporation Platelet aggregation inducing substance
WO2008114577A2 (ja) * 2007-02-26 2008-09-25 National University Corporation NARA Institute of Science and Technology 抗菌性ペプチド
CN101072380B (zh) * 2007-06-08 2010-12-08 华为技术有限公司 内容下发方法及系统、网络设备、移动数据业务管理平台
US8075562B2 (en) * 2007-06-25 2011-12-13 Wisconsin Alumni Research Foundation Controlled release of biopharmaceutical growth factors from hydroxyapatite coating on bioresorbable interference screws used in cruciate ligament reconstruction surgery
US20090299034A1 (en) * 2007-08-01 2009-12-03 Mabel Alamino Cejas Collagen-related peptides
KR20100052499A (ko) 2007-08-01 2010-05-19 에디컨인코포레이티드 콜라겐-관련 펩티드 및 이의 용도
US8357774B2 (en) 2007-09-13 2013-01-22 National University Corporation NARA Institute of Science and Technology Polypeptide and process for producing the same
JP5201532B2 (ja) 2008-03-19 2013-06-05 Jnc株式会社 伸縮性積層シート
JP5311508B2 (ja) * 2008-05-07 2013-10-09 国立大学法人大阪大学 非共有結合型コラーゲン架橋剤
US20100021527A1 (en) * 2008-07-25 2010-01-28 Chunlin Yang Collagen-related peptides and uses thereof and hemostatic foam substrates
US20120122791A1 (en) * 2009-05-01 2012-05-17 Jnc Corporation Substrate for cartilage cultivation using artificial collagen, and method for cartilage regeneration treatment using the substrate
JP2013198559A (ja) 2012-03-23 2013-10-03 National Institute For Materials Science 合成コラーゲンナノファイバーを含む止血材
JP6051619B2 (ja) 2012-06-29 2016-12-27 Jnc株式会社 コラーゲン様ポリペプチドの製造方法
US20180128811A1 (en) * 2012-07-06 2018-05-10 Jnc Corporation Aspirin response and reactivity test and aspirin compliance test using synthetic collagen
JP6183459B2 (ja) * 2012-08-06 2017-08-23 Jnc株式会社 合成コラーゲンを用いる二重抗血小板薬/アスピリン応答および反応性試験
JP2015534041A (ja) * 2012-08-09 2015-11-26 Jnc株式会社 合成コラーゲンを用いる抗血小板応答および反応性の試験
JPWO2018047785A1 (ja) * 2016-09-07 2019-06-24 ナガセケムテックス株式会社 コラーゲン様ポリペプチド
CN107081271B (zh) * 2017-06-07 2019-06-18 中国科学院生态环境研究中心 纳米材料多维分离纯化系统
JP2021151953A (ja) * 2018-03-30 2021-09-30 独立行政法人国立高等専門学校機構 組換え構造タンパク質の製造方法、組換え構造タンパク質、タンパク質成形体及びタンパク質成形体の製造方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001514189A (ja) * 1997-08-25 2001-09-11 ウイスコンシン アラムニ リサーチ ファンデーション コラーゲン擬似物
JP2003321500A (ja) * 2002-02-28 2003-11-11 Sentomedo:Kk 新規なポリペプチドおよびその製造方法

Family Cites Families (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5158A (en) * 1847-06-19 Aib-tight stove
US797554A (en) * 1904-08-20 1905-08-22 American Match Mfg Company Jig-saw.
US827192A (en) * 1905-12-21 1906-07-31 Bessie M Suter Toilet attachment for chairs.
US841425A (en) * 1906-04-06 1907-01-15 Frederick Nelson Rotary engine.
US853548A (en) * 1907-01-15 1907-05-14 Gustave L Herz Antivibration device.
US4600533A (en) 1984-12-24 1986-07-15 Collagen Corporation Collagen membranes for medical use
US5475052A (en) 1988-11-21 1995-12-12 Collagen Corporation Collagen-synthetic polymer matrices prepared using a multiple step reaction
US5565519A (en) 1988-11-21 1996-10-15 Collagen Corporation Clear, chemically modified collagen-synthetic polymer conjugates for ophthalmic applications
US5125100A (en) * 1990-07-02 1992-06-23 Katznelson Ron D Optimal signal synthesis for distortion cancelling multicarrier systems
JPH05125100A (ja) 1991-09-30 1993-05-21 Nippon Kasei Chem Co Ltd 高純度のペプシン可溶性魚鱗コラーゲンおよびその製造法
JPH06228506A (ja) 1993-02-01 1994-08-16 Hokuyoo Kk 可溶性無菌コラーゲン乾燥物の製造方法
JPH0797454A (ja) 1993-09-28 1995-04-11 Nippi:Kk 可溶性架橋コラーゲンの製造法
FR2715405B1 (fr) 1994-01-24 1996-04-05 Imedex Procédé pour l'élimination des prions dans des collagènes et collagènes ainsi obtenus.
JPH0827192A (ja) 1994-07-18 1996-01-30 Kawaken Fine Chem Co Ltd 修飾コラーゲンの製造方法および化粧品基剤
JPH08276003A (ja) 1995-04-07 1996-10-22 Terumo Corp 硬組織修復材料および埋入型医療用具
US6228506B1 (en) * 1998-03-16 2001-05-08 Natural Resources Canada Cellulose/polymer composite enthalpy exchanger and method for its manufacture

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001514189A (ja) * 1997-08-25 2001-09-11 ウイスコンシン アラムニ リサーチ ファンデーション コラーゲン擬似物
JP2003321500A (ja) * 2002-02-28 2003-11-11 Sentomedo:Kk 新規なポリペプチドおよびその製造方法

Non-Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN6011014279; Biochem. Biophys. Res. Commun. vol.86, no.3, 1979, pp.654-660 *
JPN6011014280; J. Org. Chem. vol.37, no.26, 1972, pp.4377-4380 *
JPN6011014281; Biopolymers vol.14, no.3, 1975, pp.597-603 *
JPN6011014282; Biochim. Biophys. Acta vol.303, no.1, 1973, pp.198-202 *

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20150057092A (ko) * 2013-11-18 2015-05-28 주식회사 엘지화학 카르본산 변성 니트릴계 공중합체 라텍스 조성물 및 이를 포함하는 딥 성형용 라텍스 조성물
KR101687866B1 (ko) 2013-11-18 2016-12-19 주식회사 엘지화학 카르본산 변성 니트릴계 공중합체 라텍스 조성물 및 이를 포함하는 딥 성형용 라텍스 조성물
JP2017008094A (ja) * 2016-09-09 2017-01-12 Jnc株式会社 コラーゲン様ポリペプチド

Also Published As

Publication number Publication date
EP1340767A2 (en) 2003-09-03
CA2420355A1 (en) 2003-08-28
EP1340767B9 (en) 2009-08-19
EP1340767B1 (en) 2009-01-28
DE60335675D1 (de) 2011-02-17
US7544781B2 (en) 2009-06-09
JP2003321500A (ja) 2003-11-11
EP1340767A3 (en) 2003-12-10
US7262275B2 (en) 2007-08-28
JP5070442B2 (ja) 2012-11-14
ATE421972T1 (de) 2009-02-15
ATE494299T1 (de) 2011-01-15
CA2420355C (en) 2013-12-03
US20030162941A1 (en) 2003-08-28
DE60326021D1 (de) 2009-03-19
US20080009604A1 (en) 2008-01-10
EP1923398B1 (en) 2011-01-05
EP1923398A1 (en) 2008-05-21
JP5162363B2 (ja) 2013-03-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5162363B2 (ja) 新規なポリペプチドおよびその製造方法
US20070207955A1 (en) Novel polypeptide and process for producing the same, and collagenase inhibitor
US20130210147A1 (en) Bioactive amino acid sequence and use therefrom
JP2005058499A (ja) 生体材料
EP1859818A1 (en) Complex for biocompatible material and process for production thereof
US5856308A (en) Artificial collagen
JP5339534B2 (ja) 新規なポリペプチドおよびその製造方法
JP2003073400A (ja) 骨形成作用を有する新規なペプチドおよびこれを固定化してなる骨形成促進剤
JP4303137B2 (ja) 新規なポリペプチド及びその製造方法
JP2005053878A (ja) 新規なポリペプチドおよびその製造方法
CN108495882B (zh) 生物有机尼龙聚合物的制备方法和其作为抗菌材料的用途
JP2005060315A (ja) 製剤組成物
JP3862361B2 (ja) 医療用手当材およびそれに用いる新規なペプチド
JP2005060550A (ja) 被膜形成組成物
WO2013002311A1 (ja) 幹細胞培養用基材及びそれを用いた培養方法
JP2005126360A (ja) 新規なポリペプチドで構成されたコラゲナーゼ阻害剤
JP2006272002A (ja) 医療用手当材
JPH06116287A (ja) プロペンアミド誘導体、その重合物およびその用途
JP3235855B2 (ja) 細胞接着活性ペプチド及びその高分子修飾体
JP2745343B2 (ja) プロペンアミド誘導体とカチオン性単量体との共重合物およびその用途
JP5395915B2 (ja) 骨形成作用を有する新規なペプチドおよびこれを固定化してなる骨形成促進剤
JP2745342B2 (ja) プロペンアミド誘導体、その重合物およびその用途
Krishna Conformational assembly and biological properties of collagen mimetic peptides and their thermally responsive polymer conjugates

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110315

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110512

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A132

Effective date: 20120117

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120918

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121107

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121211

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121217

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5162363

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151221

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D02

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term