JP6051619B2 - コラーゲン様ポリペプチドの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、コラーゲン様ポリペプチドの製造方法に関する。
タンパク質の一種であるコラーゲンは、汎用的な医用材料として幅広く用いられている。天然の一型コラーゲン分子は三アミノ酸残基Gly−X−Y(X、Yは様々なアミノ酸で、XはPro、YはHypである場合が多い)の繰り返しから成る特徴的な一次構造を有する。このポリペプチドが同じ向きに3本寄り集って形成された三重らせんの三次構造をとり、コラーゲン繊維を形成する。
一方、コラーゲン様ポリペプチド(いわゆる合成コラーゲン)として創出された、三アミノ酸残基Pro−Y−Gly(Y:プロリンまたはヒドロキシプロリン)の繰り返し構造からなるポリペプチド分子も、三重らせん構造をとることが報告されている(非特許文献1〜2)。
コラーゲン様ポリペプチドは、天然コラーゲンと異なり、感染症の危険性がないこと、工業的合成により得られるため安定な供給が可能であること、三重らせん構造の熱安定性が高いこと、着色やにおいなどがないことなど、諸々の優れた性質を有するため、様々な機能性材料としての研究がなされている(特許文献1等)。
通常、コラーゲン様ポリペプチド(単分子)鎖は、−(Pro−Y−Gly)n−(Y
はHypまたはPro)で示されるフラグメントを含むペプチドオリゴマーの縮合反応により製造される。例えば、特許文献2には、−(Pro−Y−Gly)n−(YはHyp
またはPro、n=1〜20)で示されるペプチドフラグメントを含むペプチドオリゴマーを、ジメチルスルホキシド中やエチレンジアミンを含む水系溶媒等中で縮合反応させる方法が記載されている。
しかしながら、コラーゲン様ポリペプチド複合体を機能性材料として活用する場合、その加工性や物性について難点が存在する場合がある。
例えば、近年ナノファイバーが材料形態として着目されているところ、コラーゲン様ポリペプチドをナノファイバー化するに際して従来のものでは困難があった。すなわち、天然コラーゲン分子とは異なるコラーゲン様ポリペプチドはPro−Y−Glyのみからなる単純な繰り返し構造であるため、高分子ペプチドでありながら分子鎖間の相互作用に乏しく、コラーゲン様ポリペプチド単独で紡糸しようとしても途切れたりビーズが形成されたりして繊維状のものが得られなかった。
また、例えば、コラーゲン様ポリペプチドをポリマー材料として用いる場合、従来のものでは力学的強度が不十分であった。
これらの問題点は、コラーゲン様ポリペプチド(単分子)鎖及びその複合体の分子量の大きさに起因することを本発明者らは初めて見出し、コラーゲン様ポリペプチド(単分子)鎖及びその複合体をより高分子量化することにより解消しうると考えた。しかしながら、所望の分子量、特に高分子量のコラーゲン様ポリペプチド(単分子)鎖を得る製造方法は開発が進んでいなかった。
その理由として、コラーゲン様ポリペプチド複合体は巨大な会合構造を形成するため、正確な分子量を調べることが非常に困難であることが挙げられる。そのような状況では、得られる生成物の分子量を制御しようとしても、分子量の評価がし難いため、所望の分子量のコラーゲン様ポリペプチドを得る方法の開発が進捗しないという問題もあり、その解決方法も望まれている。
国際公開第2008/075589号パンフレット 特開2003−321500号公報
S. Sakakibara et al., Biochim. Biophys. Acta, 303, 198(1973). T. Kishimoto et al., Biopolymers, 79, 163-172(2005).
上記の状況に鑑み、本発明は従来よりも高分子量のコラーゲン様ポリペプチド(単分子)鎖を製造する方法を提供することを課題とする。また、本発明は、コラーゲン様ポリペプチド(単分子)鎖を製造する際に、得られる生成物の分子量を所望の大きさに制御する方法を提供することをも課題とする。
本願発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意研究の末、コラーゲン様ポリペプチドをオリゴマーの縮合反応により製造する際に、該反応を水系溶媒中で行い、該溶媒中のリン酸イオン濃度を調節することによってより高分子量のコラーゲン様ポリペプチドを製造できることを見出した。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1] 下記式(1)〜(3)のいずれかで表されるペプチドオリゴマーを縮合反応させる工程を含むポリペプチドの製造方法であって、前記縮合反応を0M以上0.01M未満のリン酸イオンを含む水系溶媒中で、縮合剤又は縮合剤及び縮合助剤の存在下で行うことを特徴とするポリペプチドの製造方法。
H−(Pro−Y−Gly)n−OH (1)
H−(Y−Gly−Pro)n−OH (2)
H−(Gly−Pro−Y)n−OH (3)
(式(1)〜(3)中、Yはヒドロキシプロリンまたはプロリン、nは1〜10整数である。)
[2] リン酸イオンを含む水系溶媒中で、下記式(1)〜(3)のいずれかで表されるペプチドオリゴマーを縮合させる反応において、前記リン酸イオンの濃度を0〜0.2Mの範囲で調節することにより前記縮合反応の生成物の分子量を制御する方法。
H−(Pro−Y−Gly)n−OH (1)
H−(Y−Gly−Pro)n−OH (2)
H−(Gly−Pro−Y)n−OH (3)
(式(1)〜(3)中、Yはヒドロキシプロリンまたはプロリン、nは1〜10の整数である。)
[3] 下記式(4)で表されるペプチドフラグメントを有するポリペプチド。
―(Pro−Y−Gly)m― (4)
(式(4)中、Yはヒドロキシプロリンまたはプロリン、mは100〜171の整数である。)
[4] 単分子鎖の重量平均分子量が26,700〜45,600である、[3]に記載のポリペプチド。
[5] [3]または[4]に記載のポリペプチドを含有するナノファイバー。
本発明によれば、簡便かつ安価な手段によって、生成するコラーゲン様ポリペプチドの分子量を所望の大きさに制御することができ、従来よりも高分子量のコラーゲン様ポリペプチドを得る手段が提供される。種々の分子量、特に高分子量のコラーゲン様ポリペプチドを得られることにより、その加工性が飛躍的に向上し、機能性材料としての用途の幅が広がる。
コラーゲン様ポリペプチド(単分子)鎖のHFIP系GPC測定チャート。 コラーゲン様ポリペプチド複合体のGPC測定チャート(a:グアニジン塩酸塩処理なし、b:グアニジン塩酸塩処理有)。 本発明のコラーゲン様ポリペプチドナノファイバーのSEM画像写真である。 本発明のコラーゲン様ポリペプチドナノファイバーのSEM画像写真である。
本明細書においては、「コラーゲン様ポリペプチド(単分子)鎖」とは、Pro−Y−Gly(Yはヒドロキシプロリンまたはプロリン)の繰り返し配列を有するポリペプチドであって、三重らせん等の分子鎖間相互作用による構造を取らずに1本鎖として存在する状態をいう。また、「コラーゲン様ポリペプチド複合体」とは、コラーゲン様ポリペプチド(単分子)鎖が三重らせん構造をとった状態を示す。多くの場合において、コラーゲン様ポリペプチド複合体はさらに、三重らせんが分岐構造をとったり、三重らせん分子間で会合したりする高次構造を形成する。なお、三重らせん構造をとっているか否かは後述するように円二色性スペクトルを測定することにより確認することができる。
本明細書においては各種アミノ酸残基を次の略語で記述する。
Ala:L−アラニン残基
Arg:L−アルギニン残基
Asn:L−アスパラギン残基
Asp:L−アスパラギン酸残基
Cys:L−システイン残基
Gln:L−グルタミン残基
Glu:L−グルタミン酸残基
Gly:グリシン残基
His:L−ヒスチジン残基
Hyp:L−ヒドロキシプロリン残基
Ile:L−イソロイシン残基
Leu:L−ロイシン残基
Lys:L−リジン残基
Met:L−メチオニン残基
Phe:L−フェニルアラニン残基
Pro:L−プロリン残基
Sar:サルコシン残基
Ser:L−セリン残基
Thr:L−トレオニン残基
Trp:L−トリプトファン残基
Tyr:L−チロシン残基
Val:L−バリン残基
なお、本明細書におけるペプチド鎖のアミノ酸配列は、定法に従い、N末端のアミノ酸残基を左側に、C末端のアミノ酸残基を右側に位置させて記載する。
<1>本発明のポリペプチドの製造方法
本発明のポリペプチドの製造方法は、下記式(1)〜(3)のいずれかで表されるペプチドオリゴマーを縮合反応させる工程を含む。
H−(Pro−Y−Gly)n−OH (1)
H−(Y−Gly−Pro)n−OH (2)
H−(Gly−Pro−Y)n−OH (3)
式(1)〜(3)中、Yはヒドロキシプロリンまたはプロリンであり、好ましくはヒドロキシプロリンである。ヒドロキシプロリンは、例えば4Hypであり、trans−4−ヒ
ドロキシ−L−プロリンが好ましい。また、nは1〜10の整数であり、1〜5の整数であることが、ハンドリングの容易さ、縮合反応の効率、ペプチドオリゴマーの入手の容易さや経済性の観点から好ましい。
本発明において、式(1)〜(3)で表されるペプチドオリゴマーはいずれか1種を用いてもよいし、混合物であってもよい。また、nは単一の整数であってもよいし、種々の繰り返し数のオリゴマーの混合物であってもよい。
これらのペプチドオリゴマーは、既知の固相合成法または液相合成法により取得することができる。
式(1)〜(3)で表されるペプチドオリゴマーの他のペプチドオリゴマーを用いてもよい。ただし、式(1)〜(3)で表されるペプチドオリゴマーと他のペプチドオリゴマーとの使用量が重量比において100:0〜50:50の範囲であることが好ましい。他のペプチドオリゴマーの使用量が前記範囲にあることにより、製造されるコラーゲン様ポリペプチド(単分子)鎖が三重らせん構造を形成しやすくなる。
他のペプチドオリゴマーとしては、例えば下記式(5)〜(68)で表されるペプチドオリゴマーが挙げられる。
(Asp−Pro−Gly)o (5)
(Asp−Hyp−Gly)o (6)
(Glu−Pro−Gly)o (7)
(Glu−Hyp−Gly)o (8)
(Pro−Gln−Gly−Ile−Ala−Gly)o (9)
(Pro−Asn−Gly−Ile−Ala−Gly)o (10)
(Pro−Leu−Gly−Ile−Ala−Gly)o (11)
(Pro−Ile−Gly−Ile−Ala−Gly)o (12)
(Pro−Val−Gly−Ile−Ala−Gly)o (13)
(Pro−Ala−Gly−Ile−Ala−Gly)o (14)
(Pro−Gln−Gly−Leu−Ala−Gly)o (15)
(Pro−Asn−Gly−Leu−Ala−Gly)o (16)
(Pro−Leu−Gly−Leu−Ala−Gly)o (17)
(Pro−Ile−Gly−Leu−Ala−Gly)o (18)
(Pro−Val−Gly−Leu−Ala−Gly)o (19)
(Pro−Ala−Gly−Leu−Ala−Gly)o (20)
(Asp−Pro−Gly)p−(Pro−Gln−Gly−Ile−Ala−Gly)q
(21)
(Asp−Pro−Gly)p−(Pro−Asn−Gly−Ile−Ala−Gly)q
(22)
(Asp−Pro−Gly)p−(Pro−Leu−Gly−Ile−Ala−Gly)q
(23)
(Asp−Pro−Gly)p−(Pro−Ile−Gly−Ile−Ala−Gly)q
(24)
(Asp−Pro−Gly)p−(Pro−Val−Gly−Ile−Ala−Gly)q
(25)
(Asp−Pro−Gly)p−(Pro−Ala−Gly−Ile−Ala−Gly)q
(26)
(Asp−Pro−Gly)p−(Pro−Gln−Gly−Leu−Ala−Gly)q
(27)
(Asp−Pro−Gly)p−(Pro−Asn−Gly−Leu−Ala−Gly)q
(28)
(Asp−Pro−Gly)p−(Pro−Leu−Gly−Leu−Ala−Gly)q
(29)
(Asp−Pro−Gly)p−(Pro−Ile−Gly−Leu−Ala−Gly)q
(30)
(Asp−Pro−Gly)p−(Pro−Val−Gly−Leu−Ala−Gly)q
(31)
(Asp−Pro−Gly)p−(Pro−Ala−Gly−Leu−Ala−Gly)q
(32)
(Asp−Hyp−Gly)p−(Pro−Gln−Gly−Ile−Ala−Gly)q
(33)
(Asp−Hyp−Gly)p−(Pro−Asn−Gly−Ile−Ala−Gly)q
(34)
(Asp−Hyp−Gly)p−(Pro−Leu−Gly−Ile−Ala−Gly)q
(35)
(Asp−Hyp−Gly)p−(Pro−Ile−Gly−Ile−Ala−Gly)q
(36)
(Asp−Hyp−Gly)p−(Pro−Val−Gly−Ile−Ala−Gly)q
(37)
(Asp−Hyp−Gly)p−(Pro−Ala−Gly−Ile−Ala−Gly)q
(38)
(Asp−Hyp−Gly)p−(Pro−Gln−Gly−Leu−Ala−Gly)q
(39)
(Asp−Hyp−Gly)p−(Pro−Asn−Gly−Leu−Ala−Gly)q
(40)
(Asp−Hyp−Gly)p−(Pro−Leu−Gly−Leu−Ala−Gly)q
(41)
(Asp−Hyp−Gly)p−(Pro−Ile−Gly−Leu−Ala−Gly)q
(42)
(Asp−Hyp−Gly)p−(Pro−Val−Gly−Leu−Ala−Gly)q
(43)
(Asp−Hyp−Gly)p−(Pro−Ala−Gly−Leu−Ala−Gly)q
(44)
(Glu−Pro−Gly)p−(Pro−Gln−Gly−Ile−Ala−Gly)q
(45)
(Glu−Pro−Gly)p−(Pro−Asn−Gly−Ile−Ala−Gly)q
(46)
(Glu−Pro−Gly)p−(Pro−Leu−Gly−Ile−Ala−Gly)q
(47)
(Glu−Pro−Gly)p−(Pro−Ile−Gly−Ile−Ala−Gly)q
(48)
(Glu−Pro−Gly)p−(Pro−Val−Gly−Ile−Ala−Gly)q
(49)
(Glu−Pro−Gly)p−(Pro−Ala−Gly−Ile−Ala−Gly)q
(50)
(Glu−Pro−Gly)p−(Pro−Gln−Gly−Leu−Ala−Gly)q
(51)
(Glu−Pro−Gly)p−(Pro−Asn−Gly−Leu−Ala−Gly)q
(52)
(Glu−Pro−Gly)p−(Pro−Leu−Gly−Leu−Ala−Gly)q
(53)
(Glu−Pro−Gly)p−(Pro−Ile−Gly−Leu−Ala−Gly)q
(54)
(Glu−Pro−Gly)p−(Pro−Val−Gly−Leu−Ala−Gly)q
(55)
(Glu−Pro−Gly)p−(Pro−Ala−Gly−Leu−Ala−Gly)q
(56)
(Glu−Hyp−Gly)p−(Pro−Gln−Gly−Ile−Ala−Gly)q
(57)
(Glu−Hyp−Gly)p−(Pro−Asn−Gly−Ile−Ala−Gly)q
(58)
(Glu−Hyp−Gly)p−(Pro−Leu−Gly−Ile−Ala−Gly)q
(59)
(Glu−Hyp−Gly)p−(Pro−Ile−Gly−Ile−Ala−Gly)q
(60)
(Glu−Hyp−Gly)p−(Pro−Val−Gly−Ile−Ala−Gly)q
(61)
(Glu−Hyp−Gly)p−(Pro−Ala−Gly−Ile−Ala−Gly)q
(62)
(Glu−Hyp−Gly)p−(Pro−Gln−Gly−Leu−Ala−Gly)q
(63)
(Glu−Hyp−Gly)p−(Pro−Asn−Gly−Leu−Ala−Gly)q
(64)
(Glu−Hyp−Gly)p−(Pro−Leu−Gly−Leu−Ala−Gly)q
(65)
(Glu−Hyp−Gly)p−(Pro−Ile−Gly−Leu−Ala−Gly)q
(66)
(Glu−Hyp−Gly)p−(Pro−Val−Gly−Leu−Ala−Gly)q
(67)
(Glu−Hyp−Gly)p−(Pro−Ala−Gly−Leu−Ala−Gly)q
(68)
式(5)〜(20)中oは1〜10の整数であり、式(21)〜(68)中pは1〜10の整数であり、qは1〜10の整数である。ただし、縮合反応の効率及びペプチドオリゴマーの入手の容易さから、o、p、およびqは独立して1〜5の整数であることが好ましく、特に好ましくは1である。
本発明の製造方法における縮合反応は、リン酸イオンを含む水系溶媒中で行う。
本発明において水系溶媒とは、水を含む溶媒であり、有機溶媒が水系溶媒に混入していてもよい。ここで、有機溶媒とは、アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホロアミド等)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシド等)、窒素含有環状化合物(N−メチルピロリドン、ピリジン等)、ニトリル類(アセトニトリル等)、エーテル類(ジオキサン、テトラヒドロフラン等)、アルコール類(メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール等)をいう。また、混入してもよいとは、含有量が好ましくは50重量%未満、より好ましくは10重量%未満、さらに好ましく
は全く含まないことをいう。
本発明において、リン酸イオンとは、リン酸二水素イオン(H2PO4 -)、リン酸水素
イオン(HPO4 2-)、及びリン酸イオン(PO4 3-)の総称であり、水系溶媒中のリン酸イオン濃度は、リン酸二水素イオン(H2PO4 -)、リン酸水素イオン(HPO4 2-)、及びリン酸イオン(PO4 3-)の合計濃度である。
水系溶媒中のリン酸イオン濃度を低くすると高分子量のコラーゲン様ポリペプチド(単分子)鎖を製造することができ、該濃度を高くすると低分子量のコラーゲン様ポリペプチド(単分子)鎖を製造することができ、リン酸イオン濃度を調節することによって製造されるコラーゲン様ポリペプチド(単分子)鎖の分子量を制御することができる。
具体的には、例えば水系溶媒中のペプチドオリゴマーの濃度が5重量%であるときを例に説明すると、リン酸イオン濃度が0〜0.0025Mの場合は重量平均分子量45,600〜26,700のコラーゲン様ポリペプチド(単分子)鎖が得られ、0.005M以上0.01M未満の場合は、20,300〜16,000のコラーゲン様(単分子)鎖が得られ、従来得難かった高分子量のコラーゲン様ポリペプチド(単分子)鎖を製造できる。また、0.012〜0.06Mの場合は重量平均分子量13,500〜7,100のコラーゲン様ポリペプチド(単分子)鎖が得られる。
リン酸イオン濃度は、水系溶媒にリン酸二水素カリウム、リン酸水素二ナトリウム等のリン酸塩を添加することにより調節できる。これらのリン酸塩は簡便かつ安価に入手でき、またその濃度の調節も簡便であるため、本発明は容易に実施することが可能である。
本発明にかかる縮合反応において、水系溶媒中のペプチドオリゴマーの濃度は、反応効率の観点から0.1〜50重量%であることが好ましく、反応のハンドリングの観点からは4〜25重量%であることがより好ましい。なお、ペプチドオリゴマーの濃度を小さくすることにより、生成するコラーゲン様ポリペプチド(単分子)鎖の分子量が小さくなるように制御することもできる。
また、縮合反応を行う温度は、反応効率の観点から0〜60℃であることが好ましく、4〜20℃であることがより好ましい。
また、反応時間は1〜96時間であることが好ましく、2〜48時間であることがより好ましい。
また、縮合反応を行う水系溶媒のpHは特に限定されないが、通常、中性付近(pH=6〜8程度)に調整される。pHの調節は、通常、無機塩基(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなど)、有機塩基、無機酸(塩酸など)や有機酸を用いて行うことができる。
また、反応効率を上げるため水系溶媒を攪拌してもよいが、特に限定されない。
また、本発明の製造方法における縮合反応は、脱水剤(脱水縮合剤、縮合助剤)の存在下で行う。脱水剤の存在下で反応させることにより、脱保護とアミノ酸結合とを繰返す煩雑な処理を経ることなく、二量化や環化を抑制しつつ円滑に縮合反応が進行する。
脱水縮合剤は、前記溶媒中で脱水縮合を効率よく行える限り特に限定されるものではなく、例えば、カルボジイミド系縮合剤(ジイソプロピルカルボジイミド(DIPC)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド(EDC=WSCI)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩(WSCI
・HCl)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)等)、フルオロホスフェート系
縮合剤(O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N′,N′−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート、ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス−ピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、ベンゾトリアゾール−1−イル−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロ
リン化物塩(BOP))等)、ジフェニルホスホリルアジド(DPPA)が例示できる。
これらの脱水縮合剤は単独で又は二種以上組み合わせて混合物として使用できる。好ましい脱水縮合剤は、カルボジイミド系縮合剤(例えば、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩)である。
脱水縮合剤の使用量は、ペプチドオリゴマーの総量1モルに対して、通常、水を含まない非水系溶媒を用いる場合0.7〜5モル、好ましくは0.8〜2.5モル、さらに好ましくは0.9〜2.3モル(例えば1〜2モル)の範囲である。水を含む溶媒(水系溶媒)においては、水による脱水縮合剤の失活があるので、脱水縮合剤の使用量は、ペプチドオリゴマーの総量1モルに対して、通常、2〜500モル、好ましくは5〜250モル、さらに好ましくは10〜125モルの範囲である。
縮合助剤は、縮合反応を促進する限り特に制限されず、例えば、N−ヒドロキシ多価カルボン酸イミド類(例えば、N−ヒドロキシコハク酸イミド(HONSu)、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸イミド(HONB)等のN−ヒドロキシジカルボン酸イミド類)、N−ヒドロキシトリアゾール類(例えば、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)等のN−ヒドロキシベンゾトリアゾール類)、3−ヒドロキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−1,2,3−ベンゾトリアジン(HOObt)等のトリアジン類、2−ヒドロキシイミノ−2−シアノ酢酸エチルエステルが例示できる。
これらの縮合助剤も単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。好ましい縮合助剤は、N−ヒドロキシジカルボン酸イミド類(HONSu等)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール又はN−ヒドロキシベンゾトリアジン類(HOBt等)である。
縮合助剤の使用量は、溶媒の種類に関係なく、ペプチドオリゴマーの総量1モルに対して、通常、0.5〜5モル、好ましくは0.7〜2モル、さらに好ましくは0.8〜1.5モルの範囲である。
本発明において、脱水縮合剤のみを使用してもよいが、脱水縮合剤と縮合助剤とを適当に組み合わせて使用することが好ましい。脱水縮合剤と縮合助剤との組合せとしては、例えば、DCC−HONSu(HOBtまたはHOOBt)、WSCI−HONSu(HOBt又はHOOBt)が挙げられる。
本発明の製造方法により得られたポリペプチドは、凍結乾燥により粉体にする等して、その後の加工へ供するのに取り扱いやすい形態とすることができる。凍結乾燥する場合は、縮合反応後の反応溶液をナス型フラスコ等適切な容器に入れ、凍結乾燥機(例えば、東京理科機械製;EYELA FDU−2000等)を用いて行う。凍結乾燥は、水分が蒸発して乾燥物が得られるまで実施し、通常は一夜から2日間で完了する。得られた乾燥物を任意の溶媒に所望の濃度で溶解させることにより、ファイバー、ナノファイバー、ゲル等の製造に供する原液を調製することができる。
また、本発明の製造方法により得られたポリペプチドには、反応に用いた試薬が残存している。得られたポリペプチドをこの後に加工等に供する場合にこれらの残存試薬が影響する恐れがあるため、除去することが好ましい。残存試薬の除去は、透析法、カラム法、限外ろ過法等の既知の手法を用いることができる。
また、ポリペプチドの安定性および取扱いの容易さから考えると、反応溶媒を保存溶媒に置換することが好ましい。反応溶媒から目的とする保存溶媒への置換は、透析法においては目的とする保存溶媒を透析外液として使用することにより、カラム法においては目的とする保存溶媒を移動相として用いることにより置換することができる。
保存溶媒としては、得られたポリペプチドの物理的性質等の変化を抑えられるものであれば特に限定されない。例えば、水、生理食塩水、弱酸から弱アルカリに緩衝能を有するバッファーを挙げることができる。
<2>本発明のポリペプチド
本発明のポリペプチドは、次式(4)で示されるペプチドフラグメント(以降、ポリPYGと記す)を有するコラーゲン様ポリペプチド(単分子)鎖である。
―(Pro−Y−Gly)m― (4)
ここでYはヒドロキシプロリンまたはプロリンであり、ヒドロキシプロリンは、例えば4Hypであり、trans−4−ヒドロキシ−L−プロリンが好ましい。
また、式(4)中、繰り返し数mは100〜171の整数である。すなわち、従来のコラーゲン様ポリペプチド(単分子)鎖に比して繰り返し数が大きいものである。
また、本発明のポリペプチドの重量平均分子量は単分子鎖あたり26,700〜45,600である。すなわち、従来合成されていたコラーゲン様ポリペプチド(単分子)鎖に比して高分子量のものを含む。なお、かかる重量平均分子量は後述するHFIP系GPCにより測定された値である。
本発明のポリペプチド単分子鎖は、天然コラーゲンのように三重らせん構造をとりコラーゲン様ポリペプチド複合体を形成することができる。なお、ポリペプチドが三重らせん構造をとっているか否かは、ポリペプチド溶液について円二色性スペクトルを測定することにより確認することができる。具体的には、波長220〜230nmに正のコットン効果、および波長195〜205nmに負のコットン効果を示す場合、そのポリペプチドは三重らせん構造をとっていると考えられる。
本発明のポリペプチドは、直線状または1以上の分岐を有していてもよい。分岐を有する場合、分岐点以降に三重らせん構造が形成されていてもよく、さらにその三重らせん構造の後ろに分岐を有していてもよい。また、ポリペプチド単分子鎖どうしは、互いに架橋されていてもよい。
本発明におけるコラーゲン様ポリペプチド(単分子)鎖は、ポリPYGのみからなるものであってもよいが、ポリPYGの他にアミノ酸残基もしくはペプチドフラグメントまたはアルキレンを含んでもよい。
アミノ酸残基としては、Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Gln、Glu、Gly、His、Hyp、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Sar、Ser、Thr、Trp、Tyr、Valから選択された少なくとも1種が挙げられる。ペプチドフラグメントとしては、前記アミノ酸残基の1種以上が複数個結合したペプチドが挙げられる。アルキレンとしては、直鎖状、分岐状のいずれでもよく、特に限定されるものではないが、具体的には炭素数1〜18のアルキレンが挙げられ、実用的には炭素数2〜12のアルキレンが好ましい。
本発明のポリペプチド(単分子)鎖は、ポリPYGと他のアミノ酸残基もしくはペプチドフラグメントまたはアルキレンを、重量比においてポリPYG:他のアミノ酸残基もしくはペプチドフラグメントまたはアルキレン=1:99〜100:0、好ましくは10:90〜100:0の範囲で有する。
本発明のポリペプチドは単分子鎖での分子量が従来のものよりも大きいため、コラーゲン様ポリペプチド(単分子)鎖又は複合体の物性として新たなまたはより優れた性質を呈する。例えば、ゲル化した場合に、その力学的強度が向上する。
また、高分子量であることにより、重量平均分子量(単分子鎖)が3000〜20000程度のコラーゲン様ポリペプチド複合体では不可能であった単独での繊維化が可能となる。本発明のポリペプチドを含有する繊維、特にナノファイバーは、機能性材料として、医療用材料など種々の用途に供することができる。例えば、コラーゲン様ポリペプチド複合体の有する、血液凝固因子等の生体分子への高親和性を利用した吸着剤や、血液凝固能を利用した止血剤に適用したりすることができる。
繊維化する方法としては、周知の手法を適用でき特に制限されないが、例えば、本発明のポリペプチドを有機溶媒(例えばヘキサフルオロイソプロパノール等)に溶解した溶液を、シリンジを用いてメタノール中に吐出する手法などが挙げられる。
また、エレクトロスピニング法による紡糸方法も挙げられる。エレクトロスピニング法であれば、繊維径5nm〜50μmの均一なコラーゲン様ポリペプチド複合体繊維を得ることができ、繊維径がナノメートル単位(1〜1000nm)のナノファイバーを得ることもできる。
エレクトロスピニング法により、本発明のポリペプチドを含有する繊維(本発明のナノファイバーを含む)を紡糸する方法を以下に説明する。
まず、本発明のポリペプチドを溶媒に溶解させて紡糸溶液を調整する。かかる溶媒としては、ポリペプチドを溶解し、かつ紡糸する段階で蒸発し、繊維を形成可能なものであれば特に限定されない。例えば、水、エタノール、メタノール、イソプロパノール、アセトン、スルホランアセトン、プロパノール、ジクロロメタン、蟻酸、ヘキサフルオロイソプロパノール、ヘキサフルオロアセトン、メチルエチルケトン、クロロホルム、イソプロパノール、トルエン、テトラヒドロフラン、ベンゼン、ベンジルアルコール、1,4−ジオキサン、四塩化炭素、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、塩化メチレン、フェノール、ピリジン、トリクロロエタン、酢酸、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、アセトニトリル、N−メチルモルホリン−N−オキシド、ブチレンカーボネート、1,4−ブチロラクトン、ジエチルカーボネート、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジオキソラン、エチルメチルカーボネート、メチルホルマート、3−メチルオキサゾリジン−2−オン、メチルプロピオネート、2−メチルテトラヒドロフランなどが挙げられる。溶媒は一種を単独で用いてもよく、複数の溶媒の混合物であってもよい。
紡糸溶液中のポリペプチド濃度は、連続繊維を形成しやすくするため、0.1〜10.0重量%であることが好ましく、1.0〜8.0重量%であることがより好ましく、3.0〜6.0重量%であることがさらに好ましい。
また、本発明のポリペプチドは単分子鎖あたりの分子量が大きいため、単独で紡糸することが可能であるが、他のポリマーを共に用いて紡糸溶液を調製してもよい。この場合、得られる繊維の力学的強度を向上させたり、繊維長さを大きくしたり、種々の機能を付与することができる。他のポリマーとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリプロピレン、ポリスチレン等、特に制限されない。
また、紡糸溶液は、紡糸を妨げない限りにおいて任意の成分を含有してもよい。かかる任意成分としては、接着剤、電解質などが挙げられる。
接着剤を添加すると、製造されたナノファイバーどうしが接触点で接着されるので、ナノファイバーを不織布の形態で得る際に強力で摩擦によるケバ立ちの少ない柔軟な不織布とすることができる。接着剤としては、製造されたナノファイバーどうしを接着でき、かつ紡糸溶液の溶媒に可溶であれば特に限定されないが、例えばホットメルト樹脂からなる
接着剤、エラストマー系の接着剤、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、ビニル系接着剤などが挙げられる。エラストマー系の接着剤としては、ポリクロロプレンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、ブチルゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム、クロロスルフォン化ポリエチレンゴム、エピクロルヒドリンゴムが例示される。接着剤を添加する場合は紡糸溶液中のポリペプチド100重量部に対して0.5〜10重量部添加されることが好ましい。
電解質を添加することによって紡糸溶液表面の電荷密度を上げることが出来、結果として紡糸性を向上させることが可能となる。電解質としては、紡糸溶液に可溶で、紡糸溶液中で電離するものであれば特に限定はされないが、例えば、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸二水素ナトリウム、炭酸マグネシウムが例示される。電解質を添加する場合は、紡糸溶液中のポリペプチドが塩析しない程度が望ましく、紡糸溶液中のポリペプチド100重量部に対して0.5〜10重量部添加されることが好ましい。
次いで、調製した紡糸溶液を周知のエレクトロスピニング法の手段によって紡糸する。具体的には、紡糸溶液を充填したノズルとコレクター(基板)の間に電圧を印加した状態で、ノズルから紡糸溶液を吐出させて、コレクター上に繊維を回収する。エレクトロスピニング法を行う条件は、特に限定されず、紡糸溶液の種類や得られる繊維の用途等に応じて適宜調整すればよい。本発明の方法における一般的な条件としては、例えば、印加電圧は5〜50kV、吐出速度は0.01〜5.00mL/時、ノズルとコレクターの間の垂直距離は50〜300mmとすることができ、ノズルは18〜30G(ゲージ)の径のものを使用することができる。紡糸環境は、相対湿度10〜70%、温度を10〜30℃とすることが好ましいが、特段厳密に制御を行わなくてもよい。
これにより、直径5nm〜50μmの繊維を得ることができ、直径5〜1000nmのナノファイバーを得ることもできる。また、紡糸条件の設定・調整により、平均して200〜300nmの長く途切れない繊維を得ることができる。また、ナノファイバー中に、塊状のビーズを含まないか含まれても少ない、均一なナノファイバーを得ることができる。
<3>ポリペプチドの分子量測定
ここで、本発明のポリペプチドの重量平均分子量を測定する方法について説明する。本発明においてコラーゲン様ポリペプチド(単分子)鎖の重量平均分子量は、溶媒としてヘキサフルオロイソプロパノールを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(以下、HFIP系GPC法と記す)で測定されたものである。
従来、ポリペプチドを含む高分子量のポリマーの重量平均分子量は、水溶液を移動相とするGPC法で測定するのが一般的であった。しかしながら、水溶液中でコラーゲン様ポリペプチド(単分子)鎖は三重らせん構造をとったりさらに三重らせん同士が会合して、クロマトグラムのピークがブロードになったり、コラーゲン様ポリペプチド(単分子)鎖の正しい分子量を反映した位置にピークが出現しなかったりした。例えば、特許文献2ではカラムにSuperdex 200 HR 10/30を用いリン酸バッファーを移動相とするGPC法でポ
リペプチドの分子量を決定しているが、本発明者らによる追試ではデキストランの分子量に換算して100,000よりも高分子量のものについては正確な分子量の測定が不可能であることがわかっている。縮合反応により得られたコラーゲン様ポリペプチド(単分子)鎖の物性等を検討するに際しその単分子鎖の分子量を把握したいという要請があるにもかかわらず、正確に測定することが難しいという問題があった。
今回高分子量のコラーゲン様ポリペプチド(単分子)鎖を製造するにあたり、かかる状況に鑑み、本発明者らはHFIP系GPC法によれば、高分子量ポリペプチド(単分子)鎖でも測定が可能となることを見出した。これは、18〜50℃のHFIP中ではコラーゲン様ポリペプチド(単分子)鎖は三重らせん構造をとらないという、やはり本発明者らが見出した知見に基づく。コラーゲン様ポリペプチド(単分子)鎖が単独分子で存在することにより、三重らせんや会合状態のみかけの分子量ではなく、正確な分子量がクロマトグラムのピークに反映される。
さらに、PHGオリゴマー及び多角度光散乱検出器(MALS)により絶対分子量を決定したコラーゲン様ポリペプチド(単分子)鎖を分子量標準として用いることにより、コラーゲン様ポリペプチド(単分子)鎖の正確な分子量値が得られることをも見出した。
すなわち、本明細書におけるポリペプチド(単分子)鎖の重量平均分子量は以下の条件のHFIP系GPC法で測定されたものである。
移動相:ヘキサフルオロイソプロパノール
カラム:GPC KF−606M、昭和電工株式会社製
流速:0.2〜1mL/min
温度:18〜50℃
分子量標準:PHGオリゴマー及びMALSにより絶対分子量を決定したコラーゲン様ポリペプチド(単分子)鎖
検出:紫外線吸光度計
なお、分子量標準として用いたPHGオリゴマー及びコラーゲン様ポリペプチド(単分子)鎖を表1に示す。また、上記移動相において中のコラーゲン様ポリペプチドは高次構造をとらず単分子鎖として存在していることは、円二色性スペクトルにより確認した。
また、本発明のポリペプチド鎖の重量平均分子量は、塩酸グアニジン処理を行えば水溶液を移動相とするGPC法でも測定することができる。従来、一般に未処理のコラーゲン様ポリペプチド複合体では三次構造が不ぞろいであるためにGPCによる測定において複数のピークやブロードなピークが出現してしまい、水溶液中での正確なコラーゲン様ペプチドの分子量を測ることができなかった。本発明者らは、塩酸グアニジンによりコラーゲン様ポリペプチド複合体の三重らせんを一旦ほどき、その後巻き戻しを行うことで、水溶液を移動相とするGPC測定においてもピークが1つに収束し正確な分子量を測定できることを見出した。
具体的には、コラーゲン様ポリペプチド複合体を塩酸グアニジン水溶液中で加熱処理した後、冷却し、該溶液を水で希釈したものをGPC測定に供する試料とする。ここで、塩酸グアニジンの濃度としては4〜6Mが好ましく、5〜6Mがより好ましい。加熱は、80〜100℃の温度で、5〜120分間処理することが好ましい。
GPC測定は通常の条件下で行うことができ、特に限定されない。例えば、リン酸塩等の水溶液(pH3〜6)を移動相として、カラムは(TSKgel G6000PWxl;東ソー)を用い、流速0.5〜1mL/min、温度25〜40℃で、分子量標準としてCalibration Standards for Aqueous P-series/ Shodexを用いることができる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<コラーゲン様ポリペプチド(単分子)鎖の合成>
PHGモノマーとして、L−プロピル−L−(4−ヒドロキシプロピル)−グリシン
0.5g、HOBt・H2O 0.05gを量り取り、ストックPB溶液を希釈した希釈液5mLに加えて4℃で攪拌した。別容器にEDC・HCl 1.58gを量り取り、同様
にストックPB溶液を希釈した希釈液5mLに加えて4℃で攪拌した。両者を混合して縮合反応を開始し、4℃で24時間反応させた。ここでストックPB溶液とは、8.1mM
Na2HPO4、2.68mM KCl、1.47mM KH2PO4水溶液であり、これを
1×PB溶液として種々のリン酸イオン濃度の反応溶媒を調製した。なお、「×0」はストックPB溶液を含まない、純水である。
得られた生成物について、水系GPC法またはHFIP系GPC法で単分子鎖の分子量(Mn及びMw)を測定した。水系GPC法の測定条件は、移動相:20mM KH2PO4・H3PO4, pH3.0: MeOH=8:2、カラム:TSK G6000PWXL−CP、流速:0.6mL/min、温度:40℃、分子量標準:Calibration Standards for
Aqueous P-series/ Shodexである。HFIP系GPC法の測定条件は、5mM CF3
OONa HFIP溶液、カラム:GPC KF−606M、流速:0.5mL/min、
温度:40℃、分子量標準:PHG、(PHG)2、(PHG)4、(PHG)10及びMALSにて絶対分子量を決定したコラーゲン様ポリペプチド(単分子)鎖である。代表例として、実施例5の生成物のHFIP系GPC測定チャートを図1に示す。
表2に結果を示す。なお、実施例5は特許文献2に記載された製造方法におけるリン酸イオン濃度での製造例に相当する。また、参考例として(PHG)10=2,688g/m
olの結果も載せた。表2に示す通り、リン酸イオン濃度が小さいほど高分子量のポリペプチド(単分子)鎖が得られ、特にリン酸イオンを含まない場合(実施例1;0mM)は格段に分子量が大きくなった。一方リン酸イオン濃度が大きいほど低分子量となった。また、実施例5の生成物は、特許文献2ではゲル濾過法により数万レベルの分子量であるとされていたが、HFIP系GPCによる測定ではずっと小さい分子量であったことがわかった。
また、水系GPCでは高分子量のものは測定不能であったが、HFIP系GPCではポリペプチドの単分子鎖を測定対象とすることができ、高分子量のポリマーであっても正確に分子量を測定できることがわかった。
<参考:グアニジン塩酸塩処理>
実施例5のポリペプチド水溶液0.5mg/mLを、6M塩酸グアニジン中で90℃で1時間加熱後、室温(15〜35)℃に冷却し、GPC移動相で5倍に希釈し、これを水系GPC法での測定に供した。測定条件は、(TSKgel G6000PWxl 東ソー、流速0.5〜1mL/min、温度 25〜40℃、分子量標準Calibration Standards for Aqueous P-series/ Shodex)である。
結果を図2に示す。グアニジン塩酸塩処理をせずにGPC測定を行った場合のチャートでは、複数のピークがブロードに現れ、分子量を把握することが難しかった(図2a)。一方、グアニジン塩酸塩処理を行った場合は、ピークが1本に収束し、コラーゲン様ポリペプチド複合体の三重らせんが巻き戻されたことによりその三次構造が1つになったためと考えられる(図2b)。なお、図2bにおいて25.093分に出現するピークは使用した塩酸グアニジンに由来する。
<ナノファイバーの作製>
実施例1の反応後のポリペプチド水溶液を凍結乾燥し(EYELA FDU−2000;東京理科機械製、以下同じ)、これを用いて、エレクトロスピニング法によりナノファイバーを作製した。紡糸溶液は、該ポリペプチドをヘキサフルオロイソプロパノールに溶解して5重量%の溶液とし、27Gステンレスニードルとコレクターとの間(垂直距離150mm)に高電圧発生装置により25kVの電圧を印加した。紡糸溶液を前記ニードルに接続したシリンジに充填し、吐出速度0.5mL/時でコレクター上に押し出した。なお、紡糸環境の相対湿度は37%、温度は24℃であった。
得られたナノファイバーを走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した。使用機器はJSM-5600(JEOL社製)、加速電圧は30kVで観察を行った。図3及び図4に示す
結果のとおり、本発明のコラーゲン様ポリペプチドナノファイバーは、直径100〜200nmの均一で長い繊維状であった。
なお、実施例5の反応後のポリペプチド水溶液を用いて同様の操作を行ったが、紡糸の際に途切れたりビーズが形成されたりして繊維状とはならず、ナノファイバーを得られなかった。
<ファイバーの作製>
実施例1の反応後のポリペプチド水溶液を凍結乾燥し、ヘキサフルオロイソプロパノールに溶解して8重量%の溶液とした。これを25Gの注射針を装着したシリンジに充填し、該注射針からメタノール中に該溶液を押し出したところ、糸を得ることができた。
なお、実施例5の反応後のポリペプチド水溶液については、同様の操作では糸状のものは得られなかった。
<ゲルの作製>
実施例1の反応後のポリペプチド水溶液を凍結乾燥し、ギ酸に溶解して1重量%の溶液とした。ガラス容器中でこの溶液の上に純水を重層して、ギ酸を水で置換することによりゲルを得た。ゲルは容器の底に形成したが、容器を転倒放置してもなお、その形状を保った。
また、実施例5の反応後のポリペプチド水溶液についても、同様の操作でゲルを得た。ただし、このゲルは実施例1の物よりも軟らかく、容器の転倒により崩れる程度の強度であった。
本発明によれば、簡便かつ安価な手段によって、生成するコラーゲン様ポリペプチド(単分子)鎖の分子量を所望の大きさに制御することができ、従来よりも高分子量のコラーゲン様ポリペプチド(単分子)鎖を製造することができる。種々の分子量、特に高分子量のコラーゲン様ポリペプチド(単分子)鎖及びその複合体を得られることにより、その加工性が飛躍的に向上し、機能性材料としての用途の幅が広がるため、産業上非常に有用である。

Claims (2)

  1. 下記式(1)〜(3)のいずれかで表されるペプチドオリゴマーを縮合反応させる工程を含むポリペプチドの製造方法であって、前記縮合反応を0M以上0.0025M未満のリン酸イオンを含む水系溶媒中で、縮合剤又は縮合剤及び縮合助剤の存在下で行うことを特徴とするポリペプチドの製造方法。
    H−(Pro−Y−Gly)−OH (1)
    H−(Y−Gly−Pro)−OH (2)
    H−(Gly−Pro−Y)−OH (3)
    (式(1)〜(3)中、Yはヒドロキシプロリンまたはプロリン、nは1〜10の整数である。)
  2. リン酸イオンを含む水系溶媒中で、下記式(1)〜(3)のいずれかで表されるペプチドオリゴマーを縮合させる反応において、前記リン酸イオンの濃度を0〜0.005Mの範囲で調節することにより前記縮合反応の生成物の分子量を制御する方法。
    H−(Pro−Y−Gly)−OH (1)
    H−(Y−Gly−Pro)−OH (2)
    H−(Gly−Pro−Y)−OH (3)
    (式(1)〜(3)中、Yはヒドロキシプロリンまたはプロリン、nは1〜10の整数である。)
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