JP2016520585A - 修飾コラーゲン分子 - Google Patents

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Abstract

本発明は、修飾コラーゲン分子、特に、修飾コラーゲン−グリコサミノグリカン複合材に関する。本発明は、コラーゲン分子の安定化方法およびこれらのコラーゲン分子の使用も提供する。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2013年5月9日出願のシンガポール出願第201303597−7号の優先権の恩典を主張するものであり、前記シンガポール出願の内容は、あらゆる目的でその全体が参照により本明細書に援用されている。
技術分野
本発明は、生体材料およびそれらの合成、特にコラーゲン分子の分野に存する。
生体材料は、生体系内で相互作用することができる天然または合成材料である。生体材料の重要な用途は、組織工学のための足場である。最も一般的な足場の1つは、コラーゲンに基づく足場である。
コラーゲンは、哺乳類の組織の重要な構成成分であり、非常に多くの生体内プロセスを媒介する。高い存在度とともに、そのユニークな階層的自己組織化性が、コラーゲンをバイオミメティクス分野において魅力的な足場にした。コラーゲンに加えて、グリコサミノグリカン(GAG)も組織の必須要素として役立つ。これらの高負荷電高分子は、多くの重要な生理プロセス、およびコラーゲンに基づく足場の機械的特性を調節する。しかし、天然材料に由来するコラーゲン−GAG複合材には欠点がある。例えば、天然材料に関連した免疫原性、ロットによるばらつきおよび複雑な精製。これらの欠点が、細胞外環境を操作するための被定義分子ツールを作り出す努力を妨げてきた。
したがって、本発明は、改善されたコラーゲン足場の提供に努める。
第一の態様では、3本の鎖を含むコラーゲン分子であって、
少なくとも1本の鎖が一般式:
(X1−X2−G)n
(式中、
X1またはX2は、いずれのアミノ酸またはアミノ酸誘導体であってもよいが、但し、X1またはX2の少なくとも一方がグリコサミノグリカン部分であることを条件とし;
Gは、グリシンであり;および
nは、正の整数であり、かつ少なくとも1である)
の少なくとも1つの繰り返し単位を含む、前記コラーゲン分子を提供する。
第二の態様では、治療に使用するための、本明細書で定義するとおりのコラーゲン分子を提供する。
第三の態様では、本明細書で定義するとおりのコラーゲン分子の投与を含む、治療を必要とする患者を処置する方法を提供する。
第四の態様では、化粧品に使用するための、本明細書で定義するとおりのコラーゲン分子を提供する。
第五の態様では、組織工学に使用するための、本明細書で定義するとおりのコラーゲン分子を提供する。
第六の態様では、足場の構築に使用するための、本明細書で定義するとおりのコラーゲン分子を提供する。
第七の態様では、本明細書で定義するとおりのコラーゲン分子と1つ以上の賦形剤とを含む組成物を提供する。
第八の態様では、グリコサミノグリカンに基づく薬学に使用するための、本明細書で定義するとおりのコラーゲン分子を提供する。
第九の態様では、組織工学用の生体材料として使用するための、本明細書で定義するとおりのコラーゲン分子を提供する。
第十の態様では、薬物送達または創傷治癒に使用するための、本明細書で定義するとおりのコラーゲン分子を提供する。
本発明は、「発明を実施するための形態」を参照して、それを非限定的実施例および添付の図面と併せて考慮すると、よりよく理解されるであろう。
図1Aおよび1Bから成り、本明細書に開示するコラーゲン分子の概要例を示す図である。図1Aは、1本の鎖が繰り返し単位を含む、3本の鎖を有するコラーゲン分子の略図を示す。図1Bは、2または3本の鎖が繰り返し単位を含む、3本の鎖を有するコラーゲン分子の略図を示す。図1は、繰り返し単位が、鎖内でまたは鎖間で、同じであってもよく、または異なってもよいことを例示する。図1は、繰り返し単位が、所定の鎖内でまたは鎖間で、同じ回数繰り返されていてもよく、または異なる回数繰り返されていてもよいことも例示する。
図2Aおよび図2Bから成る図である。図2Aは、当技術分野において公知のコラーゲン−GAGペプチドの略図を示す。図2Bは、本発明のコラーゲン−GAGペプチドの略図を示す。図2に示すようなGAG部分は、いずれのGAG部分であってもよい。図2に示すアミノ酸またはアミノ酸誘導体は、いずれのアミノ酸であってもよく、またはいずれのアミノ酸誘導体であってもよい。
GAG部分の不均一鎖と、均一GAG部分を含む本明細書に開示の均一コラーゲン鎖との差を示す図である。
本発明に使用することができる様々なGAG部分の例を示す図である。
図5Aおよび5Bから成る図である。図5Aは、コラーゲン模倣ペプチド内でのCS−A二糖と正荷電アミノ酸との静電相互作用の略図を示す。図5Bは、使用したペプチドの構造を示す。
図6A〜6Fから成る図である。図6Aは、ペプチド1のCDスペクトルを示す。図6Bは、ペプチド2および3のCDスペクトルを示す。図6Cおよび6Dは、ペプチド1−2の1:2混合物についての熱変性曲線および温度に対する一次導関数プロットを示す。図6Eおよび6Fは、ペプチド1−3の1:2混合物についての熱変性曲線および温度に対する一次導関数プロットを示す。
図7Aおよび7Bから成り、ペプチド1−2の1:2コポリマーについてのCDスペクトル(図7A)およびペプチド1−3の1:2コポリマーについてのCDスペクトル(図7B)を示す図である。
図8A〜8Dから成り、ペプチド4のH,15N−HSQCスペクトル(図8A)、ペプチド1−4の1:2混合物のH,15N−HSQCスペクトル(図8B)、CS−A二糖とペプチド4の4:1混合物のH,15N−HSQCスペクトル(図8C)、ペプチド1−3の1:2アニール混合物についてのDSC融解プロファイル(図8D)を示す図である。
図9A〜9Bから成り、CS−A二糖とペプチド4の4:1混合物のH,15N−HSQCスペクトル(図9A)、CS−A二糖とペプチド4の10:1混合物のH,15N−HSQCスペクトル(図9B)を示す図である。
ペプチド1の分析HPLCトレース(上部)およびESI質量データ(下部)を示す図である。
ペプチド2の分析HPLCトレース(上部)およびESI質量データ(下部)を示す図である。
ペプチド3の分析HPLCトレース(上部)およびESI質量データ(下部)を示す図である。
ペプチド4の分析HPLCトレース(上部)およびESI質量データ(下部)を示す図である。
ペプチド5の分析HPLCトレース(上部)およびESI質量データ(下部)を示す図である。
上で定義したとおりのGAG含有コラーゲンペプチド1のスキーム1に図示するような合成方法の一実施形態における、トリクロロアセトイミダート4からの変換後の、完全保護二糖5のH NMRスペクトルを示す図である。
上で定義したとおりのGAG含有コラーゲンペプチド1のスキーム1に図示するような合成方法の一実施形態における、トリクロロアセトイミダート4からの変換後の、完全保護二糖5の13C NMRスペクトルを示す図である。
上で定義したとおりのGAG含有コラーゲンペプチド1のスキーム1に図示するような合成方法の一実施形態における、n−トリブチルスタンナンおよびAIBNでのN−トリクロロアセチル(N−trichloroacytl)基のN−アセチル同族体へのラジカル媒介還元後のアセトアミド6のH NMRスペクトルを示す図である。
上で定義したとおりのGAG含有コラーゲンペプチド1のスキーム1に図示するような合成方法の一実施形態における、n−トリブチルスタンナンおよびAIBNでのN−トリクロロアセチル(N−trichloroacytl)基のN−アセチル同族体へのラジカル媒介還元後のアセトアミド6の13C NMRスペクトルを示す図である。
上で定義したとおりのGAG含有コラーゲンペプチド1のスキーム1に図示するような合成方法の一実施形態における、6のベンジリデンアセタールの加水分解、それに続くTMS基の除去後の、ジオール7のH NMRスペクトルを示す図である。
上で定義したとおりのGAG含有コラーゲンペプチド1のスキーム1に図示するような合成方法の一実施形態における、6のベンジリデンアセタールの加水分解、それに続くTMS基の除去後の、ジオール7の13C NMRスペクトルを示す図である。
上で定義したとおりのGAG含有コラーゲンペプチド1のスキーム1に図示するような合成方法の一実施形態における、ジオール7のC6ヒドロキシル基の選択的ベンゾイル化後の二糖8のH NMRスペクトルを示す図である。
上で定義したとおりのGAG含有コラーゲンペプチド1のスキーム1に図示するような合成方法の一実施形態における、ジオール7のC6ヒドロキシル基の選択的ベンゾイル化後の二糖8の13C NMRスペクトルを示す図である。
上で定義したとおりのGAG含有コラーゲンペプチド1のスキーム1に図示するような合成方法の一実施形態における、SO−トリメチルアミン錯体での8の処理後の硫酸化二糖モチーフのH NMRスペクトルを示す図である。
上で定義したとおりのGAG含有コラーゲンペプチド1のスキーム1に図示するような合成方法の一実施形態における、SO−トリメチルアミン錯体での8の処理後の硫酸化二糖モチーフの13C NMRスペクトルを示す図である。
上で定義したとおりのGAG含有コラーゲンペプチド1のスキーム1に図示するような合成方法の一実施形態における、LiOOHおよびNaOHでの逐次的処理後の所望のCS−A二糖9のH NMRスペクトルを示す図である。
上で定義したとおりのGAG含有コラーゲンペプチド1のスキーム1に図示するような合成方法の一実施形態における、LiOOHおよびNaOHでの逐次的処理後の所望のCS−A二糖9の13C NMRスペクトルを示す図である。
コラーゲンは、非常に多くの生体内プロセスを媒介する、哺乳類の組織の主要構造成分である。現在、28の異なる型のコラーゲンが公知であり、これらの例としては、I型コラーゲン、II型コラーゲン、III型コラーゲン、IV型コラーゲンおよびV型コラーゲンが挙げられるがこれらに限定されない。これらのうち、I型コラーゲンは、体内に最も多く存在し、皮膚中で見つけられる。I型コラーゲンは、組織工学に最も一般的に用いられるコラーゲンでもある。天然に存在するコラーゲンは、3本のタンパク質ストランドまたは鎖で構成された三重らせん構造を有する。異なる型のコラーゲンが異なるタイプのタンパク質鎖で構成されていることは、当業者には理解されるであろう。例えば、I、IVおよびVIII型コラーゲンは、2本のα1鎖および1本のα2鎖から成り、II、II VIIおよびX型コラーゲンは、3本のα1鎖から成り、VI型コラーゲンは、1本のα1、1本のα2および1本のα3鎖から成る。本明細書に開示のコラーゲン分子に対する修飾は、コラーゲン分子の1本以上のストランドに対して行うことができる。一例では、VI型コラーゲンの1本のα1鎖を修飾する。別の例では、X型コラーゲンの2本のα1鎖を修飾する。
コラーゲンの1つの顕著な特徴は、コラーゲン分子の各鎖またはストランド内のアミノ酸の繰り返し単位の存在である。この繰り返しアミノ酸単位は、GLy−Pro−XまたはGly−X−Hypであり、ここでのXは、任意のアミノ酸であり、Hypは、ヒドロキシプロリン、プロリンの誘導体、である。
安定性、コラーゲン分子の1本のストランドの全電荷、および他の分子との相互作用などの所望の特性を付与するようにコラーゲン分子を修飾または合成することができる。
したがって、第一の態様では、本発明は、3本の鎖を含むコラーゲン分子であって、
少なくとも1本の鎖が一般式:
(X1−X2−G)n
(式中、
X1またはX2は、いずれのアミノ酸またはアミノ酸誘導体であってもよいが、但し、X1またはX2の少なくとも一方がグリコサミノグリカン部分であることを条件とし;
Gは、グリシンであり;および
nは、正の整数であり、かつ少なくとも1である)
の少なくとも1つの繰り返し単位を含む、前記コラーゲン分子を提供する。
例えば、nは、少なくとも2、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも20、少なくとも50、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも500または少なくとも1000であってもよい。一例では、nは、1と10の間、2と5の間、2と4の間、または10と50の間である。一例では、nは4である。上述の値のいずれかを含む任意の範囲も可能である。したがって、nには上限がないことは、一般に理解されるであろう。
本明細書において用いる場合、用語「アミノ酸」は、荷電、非荷電、極性、非極性、芳香族、非芳香族のものを指し、天然に存在するアミノ酸はもちろん、天然に存在しないアミノ酸も含み得る。天然に存在するアミノ酸、標準または正規アミノ酸は、タンパク質新生アミノ酸を指す。これらの例としては、20の必須アミノ酸、例えば、プロリン、バリン、フェニルアラニン、グルタミン、グルタミン酸、アスパラギン酸、リシン、チロシンおよびアスパラギンが挙げられるが、これらに限定されない。天然に存在しないアミノ酸、非正規アミノ酸または非天然アミノ酸の例は、前記20の必須アミノ酸以外のアミノ酸を指し、非タンパク質新生アミノ酸、N−メチルアミノ酸、D−アミノ酸、ジアミノ酸、プロリンおよびピルビン酸誘導体、グリシン誘導体ならびに修飾されたアミノ酸を含むが、これらに限定されない。
本明細書において用いる場合、用語「アミノ酸誘導体」は、1つ以上の官能基の付加もしくは除去によって修飾されたアミノ酸、またはキラリティーが修飾されたアミノ酸を指す。アミノ酸誘導体の例としては、ヒドロキシプロリン、ならびに保護アミノ酸、例えばFmocおよびBoc保護アミノ酸が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書に開示するコラーゲン分子の一例では、コラーゲン分子は、少なくとも1つの繰り返し単位が1本の鎖内にある、3本の鎖を有する。繰り返し単位を含む鎖の残部がアミノ酸またはアミノ酸誘導体から成ることは理解されるであろう。残りの鎖が、アミノ酸、アミノ酸誘導体またはそれらの混合物から専ら成ることも理解されるであろう。本明細書に開示するコラーゲン分子の別の例では、コラーゲン分子は、少なくとも1つの繰り返し単位が2本の鎖内にある、3本の鎖を有する。繰り返し単位を含む鎖の残部がアミノ酸またはアミノ酸誘導体から成ることは理解されるであろう。残りの鎖が、アミノ酸、アミノ酸誘導体またはそれらの混合物から専ら成ることも理解されるであろう。本明細書に開示するコラーゲン分子のさらに別の例では、コラーゲン分子は、少なくとも1つの繰り返し単位が3本すべての鎖内にある、3本の鎖を有する。それらの鎖の残部がアミノ酸またはアミノ酸誘導体から成ることは理解されるであろう。さらに、鎖内の繰り返し単位が異なってもよいこと、またはnが異なってもよいことは、当業者には容易に理解されるであろう。繰り返し単位が鎖間で異なってもよいこと、またはnが鎖間で異なってもよいことも、当業者には容易に理解されるであろう。例えば、1つのコラーゲン分子の任意の所定の鎖内で、ある繰り返し単位が5回繰り返されることがあると同時に異なる繰り返し単位が10回繰り返されることがある一方で、同じ分子の第二の鎖内で第一の繰り返し単位もしくはさらに別の繰り返し単位が20回繰り返されることがあり、そして第三の鎖は、アミノ酸またはアミノ酸誘導体から専ら成る。
理解しやすいように、本明細書に開示するコラーゲン分子の例を図1に模式的に提示する。図1Aは、少なくとも1つの繰り返し単位が1本の鎖上にある、本明細書に開示するコラーゲン分子の例を示す。繰り返し単位が同じであってもよく、または異なってもよいこと、およびnが同じであってもよく、または異なってもよいことは、図1Aから理解されるであろう。図1Bは、少なくとも1つの繰り返し単位が2または3本の鎖上にある、本明細書に開示するコラーゲン分子の例を示す。繰り返し単位が鎖間で同じであってもよく、または異なってもよいことは理解されるであろう。nが鎖間で同じであってもよく、または異なってもよいことも理解されるであろう。図1が、本明細書に開示するコラーゲン分子の例を代表するものであり、請求項記載の分子の範囲を決して限定しないことは、理解されるであろう。本明細書において用いる場合、コラーゲンは、ネイティブコラーゲンまたはゼラチン化コラーゲンであることがある。ゼラチン化コラーゲンは、例えば熱的または化学的手段によって、変性されたコラーゲンを指す。ネイティブコラーゲンは、変性されていないコラーゲンを指す。変性が、コラーゲンなどのタンパク質の四次構造の喪失を指し、可逆的であることもあり、または不可逆的であることもあることは、一般に理解されるであろう。
本明細書において用いる場合、コラーゲンは、天然源から得られることもあり、または合成品であることもある。コラーゲンの天然源としては、動物の組織、例えば哺乳類の組織および鳥類の組織が挙げられるが、これらに限定されない。
天然源に由来するコラーゲンには免疫原性、ロットによるばらつきなどの多数の欠点があり、合成コラーゲンの場合に存在しない複雑な精製が必要である。したがって、本発明は、合成コラーゲンの使用を含む。合成コラーゲンとしては、コラーゲン模倣ペプチドおよび合成自己組織化コラーゲンが挙げられるが、これらに限定されない。合成自己組織化コラーゲンが、天然コラーゲンの自己組織化を模倣するように自己組織化する合成ペプチド鎖を指すことは、一般に理解されるであろう。例えば、ペプチドの三重らせんへの組織化、三重らせんの線維およびヒドロゲルへの組織化。合成コラーゲンの一例は、コラーゲン模倣ペプチド(CMP)である。
本明細書において用いる場合、用語「模倣ペプチド」は、ネイティブペプチドと同様の特性を有する合成ペプチドを指す。合成ペプチドは、動物源から単離されたのではなく人造であるペプチドを意味すると一般に解釈されるであろう。ネイティブペプチドと同様である、合成ペプチドが有する特性としては、標的タンパク質に対する結合親和性、および機械的特性が挙げられる。合成ペプチドには多数の利点があり、例えば、合成ペプチドは、アミノ酸配列のカスタマイズを可能にする。合成ペプチドを合成方法に基づいてネイティブペプチドと区別することもできる。例えば、合成ペプチドを固相ペプチド合成によって合成してもよく、または液相ペプチド合成によって合成してもよい。
模倣ペプチドの例としては、コラーゲン模倣ペプチドおよびグリコサミノグリカン(GAG)模倣ペプチドが挙げられるが、これらに限定されない。模倣ペプチドのもう1つの例は、コラーゲン−GAG模倣ペプチドである。
模倣ペプチドが様々な長さであること、および模倣ペプチドの長さが、標的にする生体系に依存することは、当業者には理解されるであろう。例えば、模倣ペプチドは、長さが少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも100、少なくとも500および少なくとも1000アミノ酸からの範囲であり得る。例えば、模倣ペプチドは、24アミノ酸長であり得る。
本発明は、コラーゲン−GAG模倣ペプチドを開示する。用語「コラーゲン−GAG模倣ペプチド」または「コラーゲン−GAG複合材」は、当技術分野において現在公知であるように、荷電対相互作用によって互いに相互作用するコラーゲン模倣ペプチドとGAG模倣ペプチドとを含むコラーゲン−GAG模倣ペプチド(図2A)を指す。したがって、コラーゲン−GAG模倣ペプチドまたはコラーゲン−GAG複合材は、当技術分野において公知であるように、互いに別々であり異なる、1本以上のコラーゲンペプチドストランドと1本以上のGAGペプチドストランドとから成る。
しかし、本発明に関連して本明細書において用いる場合、用語「コラーゲン−GAG模倣ペプチド」または「コラーゲン−GAG複合材」は、コラーゲンペプチドの中にGAG部分を含む、コラーゲンペプチド(図2B)を指す。例えば、本明細書に開示のコラーゲン−GAG模倣ペプチドは、一般式(X1−X2−G)nを有し、式中のX1またはX2は、いずれのアミノ酸またはアミノ酸誘導体であってもよいが、但し、X1またはX2の少なくとも一方がグリコサミノグリカン部分であることを条件とし;Gは、グリシンであり;およびnは、正の整数であり、かつ少なくとも1である。したがって、本発明のコラーゲン−GAG模倣ペプチドまたはコラーゲン−GAG複合材は、コラーゲンペプチドの同じ鎖に組み込まれたGAG部分を有する、コラーゲンペプチドを含む。
天然源に由来するペプチドが不均一であることは、当業者には容易に理解されるであろう。したがって、本明細書において提供するペプチドの1つの利点は、これらのペプチドをそれらが均一であるようにカスタマイズできることである。
本明細書において用いる場合、用語「不均一(な)」は、ランダムに異なる単位を有するペプチドまたはペプチド鎖を指す。例えば、天然由来のGAG鎖は、ランダムに異なる二糖単位を有するであろう。これらの二糖単位は、1つ以上の硫酸基またはカルボン酸基の存在または不在の点で異なることがある。ペプチドの不均一性の結果として、ペプチドの特性にばらつきが生ずる。この欠点は、ペプチド間のロットによるおよびバッチのばらつきである。したがって、本発明の「コラーゲン−GAG模倣ペプチド」または「コラーゲン−GAG複合材」の利点は、これらが均一であることである。本明細書において用いる場合、用語「均一(な)」は、任意の所定のペプチド鎖の単位が非ランダムであることを意味する。例えば、本明細書に開示の均一コラーゲン−GAG模倣ペプチドまたは均一コラーゲン鎖もしくはストランドは、非ランダムパターンで繰り返される同じ繰り返し単位を有することになる。例えば、本明細書に開示する均一コラーゲン−GAG模倣ペプチドは、非ランダムパターンで繰り返される異なる繰り返し単位を有することもある。繰り返し単位の回数はnで表され、これも非ランダムである。
本明細書において用いる場合、均一(な)は、少なくとも1本の鎖が均一であるコラーゲン分子を指すために用いることもある。例えば、3本の鎖を有する均一コラーゲン分子は、1本の均一鎖と2本の不均一鎖を有することがある。例えば、均一コラーゲン分子は、2本の均一鎖と1本の不均一鎖を有することがある。さらに別の例では、3本の鎖を有する均一コラーゲン分子は、均一である3本すべての鎖を有することがある。2本の均一鎖を有する均一コラーゲン分子における均一鎖が、同じまたは異なることがあることは、容易に理解されるであろう。3本の均一鎖を有する均一コラーゲン分子において、これらの鎖の各々が互いに異なるまたは互いに同一であることがあることも容易に理解さるであろう。例えば、本明細書に開示するコラーゲン分子は、鎖の少なくとも1本がアミノ酸−GAG鎖である、3本の鎖から成ることがあり得る。これは、少なくとも1本の鎖がアミノ酸−GAG鎖であり、他の鎖(単数または複数)が純粋なアミノ酸鎖であることを意味する。本明細書に開示するコラーゲン分子の別の例は、3本の鎖の各々がアミノ酸−GAG鎖である、3本の鎖から成るコラーゲン分子であることがある。アミノ酸−GAG鎖内の繰り返し単位が同じまたは異なることがあることは、当業者には明らかであろう。
本明細書において用いる場合、用語「均一(な)」は、コラーゲン−GAGペプチド鎖内のまたは繰り返し単位内のGAG部分の均一性を指すこともある。例えば、繰り返し単位(X1−X2−G)nにおいて、X1は、同じGAG部分から成り、またはX1は、1つのGAG部分であり、およびX2は、異なるGAG部分である。さらに別の例では、コラーゲン−GAG鎖内のすべてのGAG部分が同じである。GAG部分が非ランダムであることは理解されるであろう。
したがって、均一合成ペプチド鎖を次のように表すことができるだろう:A−B−B−B−A−B−B−B−A−B−B−BまたはB−A−B−A−B−A−B−A−B−AまたはA−A−A−B−A−A−A−B−A−A−A−B(ここで、Aは、任意の所定のペプチド鎖内の繰り返し単位を表すことがあり、Bは、そのペプチド鎖内の任意のアミノ酸またはアミノ酸誘導体を表すことがある)。AがあるGAG部分を表し、Bが異なるGAG部分を表す、繰り返し単位内のまたはコラーゲン−GAGペプチド内のGAG部分にも上に示した表現を当てはめることができる。上の表現が、均一ペプチド鎖の単なる模式的な例であることは、当業者には明らかであろう。前記単位がランダムでないことも、この模式的表現から当業者には理解されるであろう。図3は、均一な非ランダムGAG部分を含む、本明細書に開示の均一コラーゲン分子の一例を例示する。図3は、コラーゲン分子のGAG部分が同じである、均一コラーゲン分子の一例を提供する。図3は、GAG部分の不均一鎖も例示する。不均一GAG部分がランダムであることは、図3から容易に理解されるであろう。
既に述べたように、本発明は、3本の鎖を含むコラーゲン分子であって、
少なくとも1本の鎖が一般式:
(X1−X2−G)n
(式中、
X1またはX2は、いずれのアミノ酸またはアミノ酸誘導体であってもよいが、但し、X1またはX2の少なくとも一方がグリコサミノグリカン部分であることを条件とし;
Gは、グリシンであり;および
nは、正の整数であり、かつ少なくとも1である)
の少なくとも1つの繰り返し単位を含む、前記コラーゲン分子を提供する。
したがって、本明細書に開示のコラーゲン−GAG模倣ペプチドの例としては、Ac−(PXG)−(CS−U−XG)−(PXG)−C(O)NH、Ac−(PXG)−(CS−A−XG)−(PXG)−C(O)NHおよびAc−(PXG)−(CS−A−XG)−(POG)−C(O)NH(これらの式中、Acはアセチルであり;Pはプロリンであり;Gはグリシンであり;CS−Uは非硫酸化コンドロイチン硫酸であり;CS−Aはコンドロイチン硫酸Aであり;Kはリシンであり;Rはアルギニンであり;およびXはヒドロキシプロリンである)が挙げられるが、これらに限定されない。
非修飾分子中に存在しないまたは天然分子には存在しない所望の特性を付与するようにコラーゲン分子の修飾または合成を行うことができる。例えば、コラーゲン三重らせんのストランド間の安定性を向上させるようにコラーゲン分子を修飾することができる。本明細書において用いる場合、用語「修飾された」、「修飾」、「修飾すること」およびこれらの他の文法上の変形は、コラーゲンの改変を指す。コラーゲン分子の修飾の例は、コラーゲン分子の1本以上のストランドへのまたは全コラーゲン分子への化合物の付加である。例えば、コラーゲン分子の1本のストランドへの炭水化物の付加。コラーゲン分子の1本以上のストランドへの炭水化物の付加を加えて、コラーゲン分子の1本以上のストランドの電荷を修飾することができる。詳細には、コラーゲン分子の1本以上のストランドへの炭水化物分子の付加は、コラーゲン分子に負電荷を付与する。
修飾の他の例としては、コラーゲン分子の1本以上のストランドの電荷の改変、コラーゲン分子の全電荷の改変、コラーゲン分子の物理的および化学的特性、例えば融解温度、熱安定性、タンパク質高次構造および光吸収の改変が挙げられるが、これらに限定されない。修飾の例としては、コラーゲン三重らせんの1本以上のストランドの置換、コラーゲン三重らせん分子の1本以上のストランド内の1つ以上のアミノ酸の修飾、コラーゲン分子の1本以上のストランド間またはコラーゲン分子間の相互作用の修飾、コラーゲン分子の1本以上のストランドのアセチル化、ならびにコラーゲン分子の1本以上のストランドのアミド化も挙げられる。コラーゲン三重らせん分子の1本以上のストランドの修飾の結果として、コラーゲンヘテロ三量体またはコラーゲンホモ三量体が得られることもある。
既に述べたように、コラーゲンは、三重らせん構造を有する。コラーゲン分子に関連して本明細書において用いる場合、用語「ヘテロ三量体」は、3本のストランドが同一でないことを意味する。例えば、1本のα2鎖および2本のα1鎖から成るI型コラーゲンの場合、α2鎖は、2本のα1鎖と異なることがあり、α2鎖、およびα1鎖の1本は、第三のα1鎖と異なり、または鎖の各々が互いに異なる。コラーゲンヘテロ三量体の他の例としては、1本のα2鎖および2本のα1鎖から成るIVおよびVIII型コラーゲンが挙げられるが、これらに限定されない。これらの型のコラーゲンは、ヘテロ三量体AABコラーゲンとしても公知である。ヘテロ三量体コラーゲンのさらに他の例としては、1本のα1鎖、1本のα2鎖および1本のα3鎖から成るVI型コラーゲンが挙げられるが、これに限定されない。この型のコラーゲン分子は、ヘテロ三量体ABCコラーゲンとしても公知である。
コラーゲン分子に関連して本明細書において用いる場合、用語「ホモ三量体」は、コラーゲン分子のα鎖の各々が互いに同一であることを意味する。例えば、II、III、VIIおよびX型コラーゲンは、3本のα1鎖を含み、ホモ三量体である。修飾コラーゲン分子の一例は、1本の鎖が正に荷電しており、他の2本の鎖が負に荷電しているコラーゲン分子である。修飾コラーゲン分子の別の例は、1本の鎖が負に荷電しており、他の2本の鎖が正に荷電しているコラーゲン分子である。修飾コラーゲン分子のさらに他の例は、正味中性電荷を有するコラーゲン分子である。
本明細書において用いる場合、用語「正味中性(の)」は、コラーゲン分子の全電荷が中性であることを意味する。
電荷中性は、例えば、正に荷電している第一のα2コラーゲン鎖と、両方が負に荷電している第二および第三のα1コラーゲン鎖とによって、負に荷電している第一のα2コラーゲン鎖と、両方が正に荷電している第二および第三のα1コラーゲン鎖によって、1つ以上の炭水化物分子を含む、第一のα2コラーゲン鎖、第二のα1コラーゲン鎖および/もしくは第三のα1コラーゲン鎖によって、または1つ以上の正もしくは負荷電アミノ酸残基を含む、第一のα2コラーゲン鎖、第二のα1コラーゲン鎖および/もしくは第三のα1コラーゲン鎖によって達成されることがある。修飾コラーゲン分子の一例は、1本以上のストランド内のアミノ酸の少なくとも1つが正荷電アミノ酸で置換されているコラーゲン分子である。正荷電アミノ酸の例としては、アスパラギン酸、グルタミン酸、リシン、アルギニンおよびヒスチジンが挙げられるが、これらに限定されない。修飾コラーゲン分子の一例は、コラーゲン分子の1本以上のストランド上の1つ以上のアミノ酸がリシンまたはアルギニンで置換されているコラーゲン分子である。
修飾コラーゲン分子の一例は、三重らせんの1本のストランド上のアミノ酸がリシンで置換されており、三重らせんの1本のストランド上のアミノ酸がアルギニンで置換されており、および炭水化物が三重らせんの第三のストランドに付加されている、コラーゲン分子である。修飾コラーゲン分子の別の例は、三重らせんの2本のストランド上でアミノ酸がリシンで置換されており、炭水化物が三重らせんの第三のストランドに付加されている、コラーゲン分子である。修飾コラーゲン分子の別の例は、三重らせんの2本のストランド上でアミノ酸がアルギニンで置換されており、炭水化物が三重らせんの第三のストランドに付加されている、コラーゲン分子である。修飾コラーゲン分子の別の例は、グリコサミノグリカン含有コラーゲン模倣ペプチドである。
修飾コラーゲン分子のさらに別の例は、コラーゲン分子の1本以上のストランド内のアミノ酸が放射性標識によって修飾されているコラーゲン分子である。かかる修飾アミノ酸の例は、15N濃縮グリシンである。コラーゲン分子上の放射性標識アミノ酸を使用して、コラーゲン分子の物理的特性、例えば、コラーゲン分子のヘテロ三量体形成を判定することができる。例えば、核磁気共鳴(NMR)を用いて、15N濃縮グリシン標識コラーゲン分子のヘテロ三量体形成を判定することができる。
本明細書において述べるように、コラーゲン分子の少なくとも1本の鎖内へのGAG部分の組み込みによってコラーゲン分子を修飾することもある。コラーゲン三重らせんの1本以上のストランド内へのGAG部分の付加は、コラーゲン三重らせんの同じストランド内の負荷電GAG部分と正荷電アミノ酸の間のまたはコラーゲン三重らせんの1本以上のストランド間の静電荷対相互作用のため、分子に安定性を付与する。正荷電アミノ酸は、コラーゲンストランド内に天然に存在することもあり、またはコラーゲン分子の1本以上のストランド上の1つ以上のアミノ酸の正荷電アミノ酸での置換の結果であることもある。本明細書において用いる場合、「グリコサミノグリカン」(GAG)または「GAG部分」は、繰り返し二糖単位から成る非分岐多糖を指す。グリコサミノグリカンは、組織の主要構成成分の1つであり、組織の必須要素であると一般に理解されている。
本明細書において用いる場合、「二糖」は、2つの単糖単位を有する分子を指す。GAGの最小単位が二糖であることは、当業者には理解されるであろう。GAGが次のように表されることがあることも理解されるであろう:(二糖)n(ここでのnは任意の整数であり得る)。GAG内の繰り返し二糖単位が同じであってもよいし、または異なってもよいことも、当業者には明らかであろう。
GAGの例としては、へパラン硫酸(ヘパリン)、コンドロイチン硫酸、ケラタン硫酸、デルマタン硫酸およびヒアルロン酸(ヒアルロナン)が挙げられるが、これらに限定されない。GAGの一例は、コンドロイチン硫酸である。コンドロイチン硫酸の例としては、コンドロイチン硫酸A(CS−A)、コンドロイチン硫酸C(CS−C)、コンドロイチン硫酸D(CS−D)、コンドロイチン硫酸E(CS−E)、コンドロイチン硫酸U(CS−U)、コンドロイチン硫酸K(CS−K)、コンドロイチン硫酸L(CS−L)および非硫酸化コンドロイチンが挙げられるが、これらに限定されない。コンドロイチン硫酸の一例は、コンドロイチン硫酸Aまたはコンドロイチン硫酸Uである。様々なタイプのGAGの例を図4に示す。
本明細書に開示するような、コラーゲン分子の少なくとも1本の鎖へのGAG部分の組み込みを、いずれのカップリング反応によって達成してもよい。当業者はカップリング反応が分かるであろう。例えば、GAB部分をコラーゲン分子の少なくとも1本の鎖に、クリック反応、アミンデーション(amindation)またはアルドネーション(aldonation)によって組み込むことができる。
グリコサミノグリカン(GAG)を「アルキン官能化」して、GAGの共有結合性修飾を可能にすることができる。本明細書において用いる場合、用語「アルキン官能化(された)」は、分子へのアルキン官能基の付加を指す。アルキン官能基を末端炭素に付加させてもよいし、または中間炭素に付加させてもよい。アルキン官能化され得る分子クラスの一例は、炭水化物、例えばコンドロイチン硫酸Aである。アルキン官能化コンドロイチン硫酸Aは、
トリメチルシリルトリフラートを使用して、トリクロロアセトイミダート4
Figure 2016520585
を完全保護二糖5
Figure 2016520585
に変換する工程;
N−トリクロロアセチル(N−trichloroacytl)基をn−トリブチルスタンナンおよびAIBNでN−アセチル同族体(cogner)に還元して、アセトアミド6
Figure 2016520585
を得る工程;
ベンジリデンアセタールを加水分解し、続いてTMS基を脱保護してジオール7
Figure 2016520585
を生成する工程;
シアン化ベンゾイルを使用してC6ヒドロキシル基を選択的にベンゾイル化して作用物質8:
Figure 2016520585
を得る工程;
作用物質8をSO−トリメチルアミン錯体で処理する工程;および
得られた混合物をLiOOHおよびNaOHで処理する工程
によって合成することができる。
アルキン官能基を保護することもある。本明細書において用いる場合、「保護」、「保護すること」、「保護の」もしくは「保護された」またはこれらの文法上の変形は、分子への機能性保護基の付加を指す。保護基の付加は、その後の化学反応での官能基選択性をもたらすか、または所定の反応中に分子を特定の反応条件から保護する。官能基選択性は、官能基の優先反応性を指す。アルキン官能基を脱保護することもある。本明細書において用いる場合、「脱保護」、「脱保護された」およびこれらの文法上の変形は、分子内の官能基の除去を指す。
アルキン官能化分子は、官能化分子を別の標的分子に「クリック」することができるクリック反応に特に有用である。例えば、アルキン官能化炭水化物、例えばコンドロイチン硫酸A(CS−A)をクリック反応に付してコラーゲンペプチドまたは分子に付加させることができる。
本明細書において用いる「クリックケミストリー」または「クリック反応」は、K.B.Sharplessによって最初に記載されたヘテロ原子結合(C−X−C)による化合物の合成を指す。反応条件が出発および最終生成物に依存して変わることは、当業者には理解されるであろう。例えば、クリック反応を溶媒中、周囲温度で、ヨウ化銅、塩基およびトリス[(1−ベンジル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル]アミン(TBTA)の存在下、アルゴン雰囲気下で行うことができる。塩基の一例は、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)である。溶媒の一例は、ジメチルスルホキシド(DMSO)である。クリック反応の一例は、1つ以上の炭水化物分子がコラーゲン分子に組み込まれる反応である。
本明細書において用いる場合、用語「周囲温度」は、環境の温度を指す。周囲温度が室温を指すことは、当業者には理解されるであろう。周囲温度または室温が例えば約5℃〜約50℃の温度範囲を含むことも、当業者には理解されるであろう。例えば、約5℃〜約45℃、約5℃〜約40℃、約5℃〜約30℃、約5℃〜約29℃、約5℃〜約28℃、約5℃〜約27℃、約5℃〜約26℃、約5℃〜約25℃、約5℃〜約24℃、約5℃〜約23℃、約5℃〜約22℃、約5℃〜約21℃、約5℃〜約20℃、約5℃〜約19℃、約5℃〜約18℃、約5℃〜約17℃、約5℃〜約16℃、約5℃〜約15℃、約5℃〜約14℃、約5℃〜約13℃、約5℃〜約12℃、約5℃〜約11℃、約5℃〜約10℃、約5℃〜約9℃、約5℃〜約8℃、約5℃〜約7℃、約5℃〜約6℃。
前に述べたように、本明細書に開示のコラーゲン−GAG模倣ペプチドの例としては、Ac−(PXG)−(CS−U−XG)−(PXG)−C(O)NH、Ac−(PXG)−(CS−A−XG)−(PXG)−C(O)NHおよびAc−(PXG)−(CS−A−XG)−(POG)−C(O)NH(これらの式中、Acはアセチルであり;Pはプロリンであり;Gはグリシンであり;CS−Uは非硫酸化コンドロイチン硫酸であり;CS−Aはコンドロイチン硫酸Aであり;Kはリシンであり;Rはアルギニンであり;およびXはヒドロキシプロリンである)が挙げられるが、これらに限定されない。
したがって、コラーゲン分子の一例は、(CS−A−XG)が次の式:
Figure 2016520585
を有し、および(PXG)が次の式
Figure 2016520585
を有する、コラーゲン分子である。
修飾コラーゲン分子の一例は、1本のコラーゲン鎖が式Ac−(PXG)−(CS−A−XG)−(POG)−C(O)NHを有し、第二および第三のコラーゲン鎖が式Ac−(PXG)−(PRG)−(PXG)−C(O)NHを有する、コラーゲン分子である。
コラーゲン分子の別の例は、1本のコラーゲン鎖が式Ac−(PXG)−(CS−A−XG)−(POG)−C(O)NHを有し、第二および第三のコラーゲン鎖が式Ac−(PXG)−(PKG)−(PXG)−C(O)NHを有する、コラーゲン分子である。
本明細書に開示するように、コラーゲン分子を修飾して安定性を向上させることができる。
コラーゲン分子に関連して本明細書において用いる場合、用語「安定性」、「安定化された」、「安定化」またはこれらの文法上の変形は、コラーゲン三重らせんのストランドがアンフォールドする容易さを指す。安定性を融解温度(Tm)に基づいて測定してもよく、この場合のTmは、コラーゲン分子のストランドの50%が解離する温度を指す。したがって、より高いTmは、分子のより高い安定性を示す。例えば、42.3℃、42.3℃または41.3℃のTmを有するコラーゲン分子は、39.4℃のTmを有するコラーゲン分子より安定しており、そしてまた39.4℃のTmを有するコラーゲン分子は、16.9℃または17.4℃のTmを有するコラーゲン分子より安定している。円偏光二色性(CD)または示差走査熱量測定(DSC)を用いて安定性を測定してもよい。円偏光二色性は、示差吸収または左および右円偏光を指す。様々な温度で行うCD分光法によって、コラーゲンペプチドのらせんプロファイルについての情報が得られる。例えば、25℃でのCD分光法によって判定したとき、そのポリプロリンII型らせんプロファイルを維持するコラーゲンペプチドは、25℃でランダムコイル高次構造を示すコラーゲンペプチドより安定している。DSCは、試料の温度を上昇させるために要した熱の量と参照物の温度を上昇させるために要した熱の量との差を測定する、タンパク質の安定性の測定方法を指す。例えば、その温度を上昇させるために要する熱量が多いコラーゲンのほうが、要する熱が少ないものより安定している。
ペプチドの安定性を判定するための絶対温度も基準もないことは、一般に理解されるであろう。もっと正確に言えば、安定性を判定する温度または基準が標的生体系に基づくことは理解されるであろう。
コラーゲン分子の安定性は、コラーゲン分子のストランド間の相補的静電相互作用によって付与されることもある。したがって、1つ以上のGAG部分と正もしくは負荷電アミノ酸残基の間の電荷対相互作用または1つ以上GAG部分と正荷電アミノ酸残基との電荷対相互作用によってコラーゲン分子を安定させる、コラーゲン分子の安定性を向上させる方法も提供する。本明細書に開示するように、修飾コラーゲン分子は、天然源に由来することもあり、または合成源に由来することもある。したがって、本発明が提供する、コラーゲン分子の安定性を向上させる方法は、アミド樹脂を使用して固体支持体上でペプチド誘導体を調製するステップ、Fmocケミストリーを適用するステップ、およびトリフルオロ酢酸/水/トリイソプロピルシラン混合物での処理により前記樹脂から所望のコラーゲン分子を切断すると同時に脱保護するステップをさらに含む。
Fmocケミストリーを用いてペプチドおよびそれらの誘導体を合成することができる。本明細書において用いる場合、用語「Fmoc」は、フルオレニルメチルオキシカルボニルクロリド(fluoroenylmethyloxycarbonyl chloride)を指し、「Fmocケミストリー」は、Fmoc保護基を使用してα−アミノ基を保護する、固相ペプチド合成(SSPS)を指す。固相結合ペプチドの遊離N末端アミンを単一のN保護アミノ酸単位にカップリングさせ、次いでそれを脱保護して、さらなるアミノ酸が結合され得る新たなN末端アミンを露出させる、カップリング−洗浄−脱保護の反復サイクルの結果として、成長ペプチド鎖が得られる。成長ペプチド鎖は、固体支持体に固定されている。
既に前に述べたように、「保護」および「脱保護」は、官能基の付加または除去を指す。ペプチド合成に関連して、保護および脱保護に使用することができるだろう官能基としては、アセチル基、Fmoc基、Boc基、ベンゾイル、メチルエステル基、ベンジル、カルバマート、ケタールおよびジチアニン(dithianines)が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書において用いる場合、用語「固体支持体」は、固相ペプチド合成中、ペプチドが固定されている構造を指す。固体支持体は、成長ペプチド分子のアンカーになる。固体支持体が様々な物理的特性を有し得ること、ならびに合成されるペプチドおよびペプチド合成反応条件によって固体支持体の選択が決まることになることは、理解されるであろう。固体支持体の例としては、ポリスチレン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリエチレングリコール樹脂、上記のものの複合材、セルロース繊維、ガラス、ゲルタイプのポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。固体支持体の一例は、アミド樹脂である。
ここで合成したペプチドは、炭水化物GAG部分を組み込むためのクリック反応を受け、その反応を逆相HPLCによってモニターする。反応混合物をテトラヒドロフラン/メタノールから沈殿させ、それらのナトリウム塩形態に変換し、その塩をサイズ排除クロマトグラフィーによって精製する。
本明細書において用いる場合、用語「クロマトグラフィー」は、混合物を分離する技術を指す。クロマトグラフ分離が、ガスクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィーおよび逆相クロマトグラフィーを含む(しかしこれらに限定されない)ことは、当業者には理解されるであろう。クロマトグラフィーの一例は、サイズ排除クロマトグラフィーである。
本明細書に開示するコラーゲン分子は、治療に使用することができる。したがって、本発明は、本明細書に開示のコラーゲン分子を投与することを含む、治療を必要とする患者を処置する方法を提供する。
本明細書において用いる場合、用語「治療」、「処置」またはこれらの文法上の変形は、病気に随伴する症状の緩和を指す。
本明細書において用いる場合、用語「投与」または「投与する」は、創傷治癒、薬物送達および治療を目的とする生物への本発明の修飾コラーゲン分子もしくはその医薬的に許容され得る塩のまたは修飾コラーゲン分子もしくはその医薬的に許容され得る塩を含有する医薬組成物の送達を指す。
適切な投与経路としては、限定ではないが、経口、直腸、経粘膜もしくは腸管投与、または筋肉内、皮下、髄内、髄腔内、直接脳室内、静脈内、硝子体内、腹腔内、鼻腔内もしくは眼内注射を挙げることができる。あるいは、コラーゲン分子を全身的にではなく局所的に、例えば、組織への化合物の直接注射によって投与することができる。
本明細書に開示するコラーゲン分子を化粧品にも使用することができる。本明細書において用いる場合、用語「化粧品」は、対象の身体構造または機能に影響を及ぼすことなく対象の外観を変えるために利用され得る製品を指す。化粧品に対象の治癒または処置などの医療効果がないことは、一般に理解されるであろう。例えば、化粧品を使用して、シワ、シミまたは瘢痕の外観を減少させることができる。
本明細書に開示するコラーゲン分子を組織工学にも使用することができる。本明細書において用いる場合、用語「組織工学」は、インビトロ組織合成を指す。組織工学を用いて、組織置換または修復用の組織を合成することができる。例えば、組織工学を用いて、コラーゲン、骨、血管、皮膚および軟骨を合成することができる。組織工学の重要な構成要素は、足場である。組織工学は、皮膚の合成に最もよく用いられる。したがって、本明細書に開示するコラーゲン分子を皮膚組織工学に使用することができる。
したがって、本明細書に開示するコラーゲン分子を足場の構築にも使用することができる。本明細書において用いる場合、「足場」は、細胞接着のための支持体となる構造を指す。足場は、細胞外マトリックスなどの組織を模倣する3次元構造を指すこともある。足場は、天然源に由来することもあり、または合成品であることもあり、およびセラミック、合成ポリマーまたは天然ポリマーであることがある。足場は、様々なタイプの生体材料から成る複合材であることもある。足場の例としては、ポリスチレン、ポリ−L−乳酸、ポリグリコール酸、コラーゲンおよびコラーゲン複合材が挙げられるが、これらに限定されない。コラーゲン複合材足場の一例は、コラーゲン−グリコサミノグリカン複合材足場である。
本明細書に開示するコラーゲン分子は、組織工学用の生体材料として使用することもできる。本明細書において用いる場合、用語「生体材料」は、生体系内で相互作用する物質、構造または表面を指す。生体材料は、天然源から得られることもあり、または合成品であることもある。生体材料の例としては、ヒドロゲル、ポリマーおよびセラミックが挙げられるが、これらに限定されない。生体材料の一例は、コラーゲンに基づく足場である。
本発明は、本明細書に開示のコラーゲン分子と1つ以上の賦形剤とを含む組成物も提供する。
本明細書において用いる場合、「組成物」または「医薬組成物」は、本明細書に記載する1つ以上の化合物またはそれらの生理的に/医薬的に許容され得る塩もしくはプロドラッグと、他の化学成分、例えば生理的に/医薬的に許容され得る担体および賦形剤、との混合物を指す。医薬組成物の目的は、生物への化合物の投与の助長である。
本発明の組成物は、当技術分野において周知の製法によって、例えば、従来の混合物、溶解、造粒、糖衣錠作製、水簸、乳化、カプセル化、捕捉または凍結乾燥法によって、製造することができる。
本発明に従って使用するための医薬組成物は、薬学的に使用することができる調製物への活性化合物の加工を助長する賦形剤および助剤を含む1つ以上の生理的に許容され得る担体を使用して従来の手法で製剤することができる。妥当な製剤は、選択される投与経路に依存する。
注射のために、本発明の化合物を水溶液中で、好ましくは生理的に適合性の緩衝液、例えばハンクス液、リンゲル液または生理食塩水緩衝液中で、製剤することができる。経粘膜投与のために、透過させるバリアに適した浸透剤を製剤に使用する。かかる浸透剤は、当技術分野において一般に公知である。
経口投与のために、当技術分野において周知の医薬的に許容され得る担体と活性化合物を併せることによって化合物を製剤することができる。かかる担体によって、患者による経口摂取用の錠剤、ピル、ロゼンジ、糖衣錠、カプセル、液体、ゲル、シロップ、スラリー、懸濁液などとして本発明の化合物を製剤することが可能になる。固体賦形剤を使用し、得られた混合物を場合により粉砕し、その顆粒混合物を、所望される場合には他の適切な助剤の添加後に、加工して錠剤または糖衣錠コア得ることによって、経口用の医薬品を製造することができる。有用な賦形剤は、特に、増量剤、例えば糖(ラクトース、スクロース、マンニトールまたはソルビトールを含む)、セルロース調製物、例えばトウモロコシデンプン、小麦デンプン、米デンプンおよび馬鈴薯デンプンなど、ならびに他の材料、例えばゼラチン、トラガカントガム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムおよび/またはポリビニルピロリドン(PVP)である。所望される場合には、崩壊剤、例えば架橋ポリビニルピロリドン、寒天またはアルギン酸を添加してもよい。アルギン酸ナトリウムなどの塩も使用してよい。
経口使用することができる組成物としては、ゼラチン製のプッシュフィットカプセル、およびゼラチンとグリセロールまたはソルビトールなどの可塑剤とで造られた密封軟カプセルが挙げられる。プッシュフィットカプセルは、活性成分を、ラクトースなどの増量剤、デンプンなどの結合剤、および/またはタルクもしくはステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤、および場合により安定剤との混合物で含有することができる。軟カプセルの場合、活性化合物は、適切な液体、例えば脂肪油、流動パラフィンまたは液体ポリエチレングリコールに溶解または懸濁されることがある。
本明細書に開示するコラーゲン分子をグリコサミノグリカンに基づく薬学に使用することもできる。本明細書において用いる用語「グリコサミノグリカンに基づく薬学」は、医薬、薬物および医薬化合物の開発におけるグリコサミノグリカン系化合物の使用を指す。
したがって、本発明は、薬物送達に使用するための、本明細書に開示のコラーゲン分子も開示する。本明細書において用いる用語「薬物送達」は、本明細書で定義するとおりの適切な経路による組成物、化合物、医薬、薬物または薬剤の投与を指す。
コラーゲンは、皮膚などの線維組織における主要タンパク質であるので、本明細書に開示するコラーゲン分子を創傷治癒にも使用することができる。
本明細書において用いる場合、用語「創傷治癒」は、皮膚または結合組織の外傷の修復を指す。創傷は、傷害に起因することがあり、例えば、外科手術、穿刺、切断、火傷または断裂に起因することがある。したがって、本明細書に開示のコラーゲン分子は、皮膚置換または皮膚修復に使用することができる。皮膚置換および皮膚修復は、美容的であることもあり、または治療的であることもある。
本明細書において例示的に説明する本発明は、本明細書に具体的に開示していない何らかの要素(単数または複数)、制限(単数または複数)の不在下で適切に実施されることもある。したがって、例えば、用語「含むこと(comprising)」、「含むこと(including)」、「含有すること」などは、拡張的におよび制限なく読まれるものとする。加えて、本明細書において用いる用語および表現は、説明の用語として使用しており、限定の用語として使用しておらず、かかる用語および表現の使用には、示す特徴および記載する特徴またはそれらの一部についてのいずれの等価物も排除する意図がなく、様々な修飾形態が請求項記載の本発明の範囲内で可能であると認識している。したがって、本発明を好ましい実施形態および任意選択の特徴によって具体的に開示してきたが、本明細書に開示する本発明内で実施される本発明の修飾形態および変形形態に当業者が頼ることもあること、ならびにかかる修飾形態および変形形態が本発明の範囲内であると考えられることを理解されたい。
本発明を本明細書において広くおよび包括的に説明してきた。この包括的開示内に入るより狭義の種および亜属分類の各々も、本発明の一部を構成する。これは、削除される材料が本明細書中で具体的に挙げられているか否かにかかわらず、その属から何らかの主題を除去するという条件または否定による制限付きで、本発明の包括的説明を含む。
他の実施形態は、後続の特許請求の範囲の範囲内であり、非限定的な例である。加えて、本発明の特徴または態様がマーカッシュ群によって記載されている場合、本発明がマーカッシュ群の任意の個々の構成員または構成員の亜群によっても記載されていることは、当業者には分かるであろう。
実験セクション
特定の実施例を参照することによって、本発明の非限定的な例および比較例をさらにより詳細に説明することにする。これらの特定の実施例を、いかなる点においても、本発明の範囲を限定するものと解釈してはならない。
この実施例は、グリコサミノグリカン(GAG)含有コラーゲン模倣ペプチド(CMP)の設計を説明するものである。
GAG含有CMPを、ペプチド鎖にコンドロイチン硫酸(CS)A二糖モチーフを組み込むように設計した。このCS−Aモチーフは、関節の機械的特性、タンパク質機能の修飾およびコラーゲン線維のタンパク質分解耐性を含むユニークな生物学的特性を軟骨組織にもたらす。それ故、2つの異なるGly−Xaa−Yaaドメインから成る配列特異的ペプチドを設計した。これらのペプチドは、ペプチド鎖の中核に荷電残基を有する、異なる反復トリプレットを含有した(図5B)。Gly−Xaa−Yaa配列における荷電残基の位置優先度に基づいて、CS−A二糖単位をXaa位置(1)におよびLysまたはArgのいずれかをYaa位置(2および3)に導入した。2本の異なる鎖内に存在する負荷電基と塩基性残基間の相補的静電相互作用は、ホモ三量体構築よりヘテロ三量体らせんの形成を助長することになった(図5A)。核磁気共鳴(NMR)分光法を用いるコラーゲン三重らせん(CTH)の組成分析のために、15N濃縮グリシンを含有するペプチド4も設計した。すべての場合、側鎖との相互作用を回避するためにCおよびN末端をアミド化またはアセチル化した(図5B)。
この実施例は、ペプチドの合成を説明するものである。
アルキン官能化CS−A二糖単位を先ず合成した。簡単に言うと、TMS保護アルキンを含有する完全保護二糖5に4を変換した後、N−トリクロロアセチル基をn−トリブチルスタンナンおよび2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)(AIBN)でN−アセチル同族体(cogner)に還元した。ベンジリデンアセタール6の加水分解、続いてTMS基の脱保護により、ジオール7を得た。手持ちのこの重要な中間体を用いて合成を継続し、シアン化ベンゾイルを使用してC6ヒドロキシル基を選択的にベンゾイル化して作用物質8を得た。SO−トリメチルシラン錯体の処理、続いてLiOOHおよびNaOHの逐次的処理によって、所望のCS−A二糖9の生成に成功した(スキーム1A)。
Figure 2016520585
スキーム1.A)アルキン官能化CS−A二糖の合成、B)ペプチド1の合成のためのクリック反応
固体支持体を用いる標準Fmocケミストリーによってすべてのペプチド誘導体を調製した。所望のペプチドをトリフルオロ酢酸/水/トリイソプロピルシラン(TFA/HO/TIPS)カクテル[で樹脂から切断し、逆相HPLCによって均質に精製し、質量分析によって特性評価した。クリック反応をヨウ化銅(I)の存在下で行い、アジドペプチドの消費を分析逆相HPLCによってモニターした。得られた反応混合物をテトラヒドロフラン/メタノール(THF/メタノール)から沈殿させ、そのナトリウム塩に変換した。サイズ排除クロマトグラフィーによる精製によって、CS−A二糖単位を含有する所望のペプチド1を得た(スキーム1B)。
この実施例は、合成されたペプチドの特性評価を説明するものである。
調製に成功したペプチドを用いて、円偏光二色性(CD)研究を行ってそれらのホモ三量体特性を特性評価した。5℃での3つすべてのペプチドのCDトレースは、224〜226nmの最大ポジティブバンドおよび198〜201nmの最小ネガティブバンドを有するポリプロリンII型(PPII)らせんプロファイルを表示した。しかし、25℃で、ペプチド3はPPIIらせん構造を保持したが、1と2は両方とも、約202nmの最小ネガティブピークしか有さないランダムコイル高次構造を呈示した(図6Aおよび6B)。熱アンフォールディング実験を5℃〜80℃の範囲でさらに行った。おそらく荷電残基間のらせん間静電反発力(replusion)のため、1と2は両方とも、弱いPPIIらせんまたは楕円率が直線的に減少する不規則構造であると判明した(図6Cおよび6D)。その一方で、ペプチド3については協調的三重らせんアンフォールディングが観察され、T値は39.4℃であった(図6Cおよび6D)。この結果は、Arg側鎖が隣接鎖内の主鎖カルボニル基と相互作用し、それによって三重らせん安定性を向上させる、以前の研究によって支持される。
全電荷を中性にするための1:2のモル比での1−2のヘテロ三量体構築を次に評価した。224nmの最大ポジティブバンドおよび198nmの最小ネガティブバンドを有する典型的なPPIIらせん高次構造が低温で同定された(図7)。熱アンフォールディング実験は、アンフォールディング曲線の一次導関数が単一の転移を表示したので、16.9℃のTを有する主ヘテロ三量体種の存在を示した。
アニーリングも行って、動力学的に捕捉された一切の種を解離させることにより熱力学的に最も好適な三重らせんを動作させ、アニールされていない三量体類似した17.4℃のTを有する同一のアンフォールディングプロファイルが観察された。これらの結果により、負荷電CS−A二糖が隣接鎖内のLys残基との相互作用によってCTH鎖内に十分収容されている(accomodated)が、両方の個々のペプチド成分がホモ三量体を形成しないことが実証された。この結果は、単一のプロリン残基であっても嵩高い単位でのその置換はCTHを不安定化させ得るので、ペンダント糖の寸法を大いに考えさせるものである。しかし、このヘテロマー構築の実証にもかかわらず、低い熱安定性がその実際的応用を制限することになった。
それ故、Arg残基を含有する1−3の組み合わせを調査した。Lys組み合わせの結果から予想してこの混合物についての典型的なPPIIらせん高次構造を同定した(図7B)。予熱して/せずに熱アンフォールディング実験をさらに行い、同一の単一協調転移曲線が両方の場合に観察され、T値は、ホモ三量体3のTよりわずかに高いおおよそ42℃であった(図6Eおよび6F)。加えて、観察された平均残基楕円率(MRE)は、1−3の加重平均よりほぼ40%高かった。これは、1の無秩序PPIらせん高次構造から組織的PPIIらせん高次構造への変換を示唆している(図6E)。注目すべきこととして、1−3のTは、Lys残基を含有するものより著しく(ΔTが24.9℃)高かった。この結果は、(EOG)10−2(PRGPOG)混合物のT値と(EOG)10−2(PKGPOG)混合物のT値が中性リン酸緩衝液中ではたった7.5℃のわずかな差しかないので、CTHを安定させる点でのスルファート−グアニジニウム相互作用の有意性を強調する。それにもかかわらず、組成情報の欠如によりヘテロ三量体構築を確証する能力は制限された。CD試験では構築されたペプチドのフォールディングおよび安定性について概要しかつかめないからである。特に、ペプチド3の融解曲線は、1−3の混合物とまったく同様であり、これが互いの区別を困難にした。
それ故、1−3のヘテロ三量体形成をさらに明らかにするために2D分解能NMR測定を行った。WG−(POG)−(PRG)−(POG)ペプチドの5番目のトリプレットのグリシン残基を15N同位体で標識した。すべての試料をアニールし、その後4℃でインキュベート、そして試料溶液中でのペプチドの単量体状態を回避するために15℃で分析した。ホモ三量体4のH,15N−HSQC(異核種単一量子相関)スペクトルは、同様の集団に関する2つの異なる化学シフトを表示した(図8)。これは、CTH内の異なる化学的環境に起因し得る。ペプチド4は鎖内に2セットのドメイン、POGおよびPRGトリプレット、を含有するからである。その一方で、1と3の混合物は、ヘテロ三量体構築物における主レジスタに対応する1つのピークと副レジスタからの追加の小さい交差ピークとを示した。ホモ三量体4からのピークが観察されなかったことは注目に値する(図8)。ペンダントCS−A二糖と主鎖アミドの相互作用によって生じる偏りのある結果の可能性を排除するために、本発明者らは、次に、4の溶液に過剰な一価CS−A二糖を添加することによって化学シフトに対するペンダント糖の影響を検査したが、HSQCで化学シフトの変化を示すピークは検出されなかった(図8および図9)。最後に、示差走査熱量測定(DSC)を用いて、ヘテロ三量体1−3の熱力学的性質を解明した(図8)。1つの主吸熱転移が25〜47℃の範囲で同定され、Tが約41.3℃と判定され、これにより円偏光二色性およびHSQC研究での前の観察、1−3のCTH内の単一主レジスタの存在、が裏付けられた。
上で述べたホモおよびヘテロ三量体の融解温度を表1に提示する。
表1.ホモおよびヘテロ三量体の融解温度

Figure 2016520585
[a]フォールディングされている画分の導関数プロットの最小値を用いて融解温度(T)を示す;[b]ペプチドを1:2の比で混合した;[c]ペプチドを予熱して確実に平衡させた;[d]予熱した1−3のTをDSCによって判定した。
ペプチド1〜5についての分析HPLCトレースおよびESI質量データを図10〜14にそれぞれ示す。
この実施例は、アルキン官能化CS−A二糖合成手順を説明するものである。
別段の記述がない限り、反応は、火炎乾燥したガラス器具で、アルゴン雰囲気下、無水溶媒を使用して行った。すべての市販試薬は、別段の断りがない限り、受け取ったまま使用した。薄層クロマトグラフィー(TLC)は、E.Merckシリカゲル60 F254プレコートプレート(0.25mm)を使用して行った。展開クロマトグラムの可視化は、必要に応じてUV、モリブデン酸アンモニウムセリウム、またはニンヒドリン染色剤によって行った。Merckシリカゲル60(粒径0.040〜0.063mm)をフラッシュクロマトグラフィーに使用した。ゲル濾過クロマトグラフィー(Sephadex G−15ウルトラファイン)を用いてペプチド1の精製を果たした。
H NMRおよびプロトンデカップリング実験は、Bruker AVIII 400(400MHz)分光計で記録した。それらをCDCl(7.26ppm)、CDOD(4.87ppm)、DO(4.80ppm)、CDCl/CDOD(1:1)(3.49ppm)およびCDCl/CDCl(0.5%TMSを含有)/CDOD(1:4.5:4.5)(3.49ppm)に対する百万分率(δ)で報告する[1]H NMRスペクトルについてのデータは、次のように報告する:化学シフト(δ ppm)、多重度(s=一重線、bs=広幅一重線、d=二重線、t=三重線、q=四重線、m=多重線)、Hzでのカップリング定数、そして積分値。13C NMRスペクトルは、Bruker AVIII 400(100MHz)分光計で得た。それらを化学シフトで報告する。質量スペクトルは、Naitonal University of SingaporeのChemical,Molecular and Materials Analysis Centreから得た。
3−トリメチルシリルプロパルギルO−(メチル2,3,4−トリ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシルウロナート)−(1→3)−4,6−O−ベンジリデン−2−デオキシ−2−トリクロロアセトアミド−β−D−ガラクトピラノシド5:ドナー4(0.500g、0.573mmol)をトルエン(3×5mL)と共蒸発させ、真空下で一晩乾燥させた。乾燥CHCl(7.35mL)中の4および3−トリメチルシリルプロパルギルアルコール(0.425mL、2.863mol)の溶液に4Å粉末モレキュラーシーブを添加した。反応物を室温で30分間撹拌し、−78℃に冷却し、その後、さらに30分間撹拌した。−78℃のトリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(CHCl中0.227mM、0.115mmol、500μL)を反応物に滴下した。反応物を−15℃に温め、2時間撹拌し、トリエチルアミンで失活させた。反応混合物をCeliteに通して濾過し、濃縮して黄色シロップを得た。生成物をフラッシュクロマトグラフィー(1%→2%2−プロパノール:CHCl)によって精製して、やや不純な5を薄黄色固体として得た。その後、その不純な5をフラッシュクロマトグラフィー(2%→5%THF:[1:2 ヘキサン:CHCl])によってもう一度精製して、純粋な5(0.295g、61%)を白色固体として得た。R=0.45(6:3:1 CHCl:ヘキサン:THF)。H NMR(400MHz,CDCl):δ7.53(m,2H,ArH),7.38−7.33(m,3Η,ArH),6.97(d,J=6.8Hz,1H,NH),5.59(s,1H,PhCH),5.23(d,J=8.2Hz,1H,H−l’),5.23(t,J=9.4Hz,1H,H−4),5.16(t,J=8.8Hz,1H,H−3),5.04(t,J=7.8Hz,1H,H−2),4.90(d,J=7.5Hz,1H,H−l),4.77(dd,J=11.1,3.4Hz,1H,H−3’),4.46(d,J=3.3Hz,1H,H−4’),4.40(s,2H,CH−C≡C),4.33(d,J=12.4Hz,1H,H−6’),4.10(d,J=11.6Hz,1H,H−6’),4.03(d,J=9.7Hz,1H,H−5),3.83−3.77(m,1H,H−2’),3.72(s,3H,OCH),3.55(s,1Η,Η−5’),2.01(s,3Η,C(O)CH),2.01(s,3Η,C(O)CH),2.00(s,3Η,C(O)CH),1.99(s,3Η,C(O)CH),0.16(s,9Η,Si(CH);13C NMR(100MHz,CDCl):δ170.20,169.57,169.32,167.32,162.27,137.80,128.99,128.24,126.33,100.83,100.40,100.17,96.10,92.54,92.48,75.76,74.22,72.57,72.12,71.40,69.22,69.14,66.76,56.53,55.03,53.04,20.97,20.72,20.63,−0.06;ESI MS:m/z[C3442ClNO15Si+Na]についての計算値:860.1282、実測値:860.1296。
3−トリメチルシリルプロパルギルO−(メチル2,3,4−トリ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシルウロナート)−(1→3)−4,6−O−ベンジリデン−2−デオキシ−2−アセトアミド−β−D−ガラクトピラノシド6:Belotら[2]から変更した手順を用いてトリクロロアセトアミド基の反応を行った。二糖5(0.353g、0.421mmol)をトルエン(8.7mL)に溶解し、トリブチルスタンナン(1132μL、4.21mmol)および2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(34.5mg、0.211mmol)を添加した。室温で30分間撹拌した後、反応混合物を80℃に加熱し、さらに4時間30分間撹拌した。その後、反応物を室温に冷却し、濃縮して白色固体を得た。生成物をフラッシュクロマトグラフィー(3→11%THF:CHCl)によって精製して、所望のアセトアミド6(0.281g、91%)を白色固体として得た。R=0.25(4%THF:CHCl).H NMR(400MHz,CDCl):δ7.53(m,2H,ArH),7.37−7.32(m,3Η,ArH),5.81(d,J=6.6Hz,1H,NH),5.56(s,1H,PhCH),5.25−5.18(m,3H,H−3,H−4,H−1’),5.01(t,J=7.7Hz,1H,H−2),4.92−4.88(m,2H,H−1,H−3’),4.43−4.36(m,3H,H−4’,CH−C≡C),4.30(d,J=12.5Hz,1H,H−6’),4.08−4.02(m,2H,H−5,H−6’),3.70(s,3H,OCH),3.53(s,1H,H−5’),3.47−3.41(m,1H,H−2’),2.02(s,65H,NHC(O)CH3,C(O)CH),2.00(s,3Η,C(O)CH),1.98(s,3Η,C(O)CH),0.18(s,9Η,Si(CH);13C NMR(100MHz,CDCl):8171.31,170.29,169.59,169.18,167.47,137.90,128.92,126.37,100.85,100.81,100.57,97.07,91.88,75.98,75.16,72.52,72.03,71.74,69.29,69.18,66.60,56.75,54.31,52.98,23.98,20.86,20.75,20.65,−0.07;ESI MS:m/z[C3445NO15Si+Na]についての計算値:758.2456、実測値:758.2469。
2−プロパルギルO−(メチル2,3,4−トリ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシルウロナート)−(1→3)−2−デオキシ−2−アセトアミド−β−D−ガラクトピラノシド7:アセトアミド6(0.353g、0.480mmol)をAcOH/水(4:1、3.0mL)に溶解し、80℃で撹拌した。30分後、反応混合物を冷却し、濃縮した。得られた濃縮物をAcOHの完全除去のためにトルエン(3×3mL)と共蒸発させた。
THF(3.7mL)中の粗製ジオール(0.242g、0.374mmol)の溶液にTBAF(THF中1M溶液、0.448mmol、448μL)を添加し、混合物を0℃で1.5時間撹拌した。この時点で、Amberlyst IR−120樹脂の添加を行い、反応物をさらに30分間撹拌した。濾過後、混合物を濃縮して薄黄色固体を得た。その残留物をフラッシュクロマトグラフィー(5→7%MeOH:CHCl)によって精製して、所望の化合物(0.147g、53%)を白色固体として得た。R=0.30(10%MeOH:CHCl).H NMR(400MHz,CDOD):δ5.35(t,J=6.6Hz,1H,H−3),5.11(t,J=9.8Hz,1H,H−4),5.00(dd,J=8.0Hz,9.4Hz,1H,H−2),4.91(d,J=8.0Hz,1H,H−l),4.66(d,J=8.2Hz,1H,Η−1’),4.43−4.37(m,2H,CH−C≡C),4.29(d,J=10.0Hz,1H,H−5),4.07(bs,1H,H−4’),4.00−53.98(m,1H,H−2’),3.91−3.89(m,1H,H−3),3.81−3.72(m,2H,H−6’),3.75(s,3H,OCH),3.54(t,J=5.8Hz,1H,H−5’),2.87(t,J=2.32Hz,1H,C≡CH),2.06(s,3H,NHC(O)CH),2.03(s,3H,C(O)CH),2.01(s,3H,C(O)CH),2.00(s,3H,C(O)CH);13C NMR(100MHz,CDOD):δ173.41,171.48,171.21,169.31,102.60,100.50,81.36,80.14,76.47,76.13,73.45,72.95,72.57,70.84,69.17,62.40,56.43,53.41,52.56,23.40,20.97,020.77,20.49,20.41;ESI MS:m/z[C2433NO15+Na]についての計算値:598.1748、実測値:598.1760。
2−プロパルギルO−(メチル2,3,4−トリ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシルウロナート)−(1→3)−6−O−ベンゾイル−2−デオキシ−2−アセトアミド−β−D−ガラクトピラノシド8:二糖7(30mg、0.052mmol)を無水ピリジン(2.1mL)に溶解し、これにシアン化ベンゾイル(20.6mg、0.157mmol)および4−(ジメチルアミノ)ピリジン(10.2mg、0.084mmol)を添加した。反応物を室温で3時間撹拌し、その後、濃縮して黄色固体を得た。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(1→4%MeOH:CHCl)によって精製して、所望の化合物8(27.8mg、78%)を白色固体として得た。R=0.45(10%MeOH:CHCl).H NMR(400MHz,CDCI/CDOD(1:1)):δ8.19−8.17(m,2H,ArH),7.76−7.70(m,1Η,ArH),7.63−7.59(m,2Η,ArH),5.45(t,J=9.5Hz,1H,H−3),5.27(t,J=9.6Hz,1H,H−4),5.00(t,J=9.4Hz,1H,H−2),4.98(d,J=8.5Hz,1H,H−l’),4.97(d,J=8.0Hz,1H,H−l),4.72−4.65(m,2H,H−6’,H−6’),4.52−4.45(m,2H,CH−C≡C),4.35−4.30(m,3Η,Η−5,Η−3’,Η−4’),4.05(t,J=6.2Hz,1H,H−5’),4.01−3.90(m,1H,H−2’),3.83(s,3H,OCH3),2.32(t,J=2.32Hz,1H,C≡CH),2.21(s,3H,NHC(O)CH),2.19(s,3Η,C(O)CH),2.17(s,3Η,C(O)CH),2.14(s,3Η,C(O)CH);13C NMR(100MHz,CDOD):δ174.08,172.31,171.99,171.95,169.86,168.62,135.18,131.66,131.48,130.36,103.24,100.26,81.16,80.53,76.91,74.14,73.91,73.57,73.08,71.37,69.75,65.43,57.45,54.71,53.79,24.62,22.07,22.00;ESI MS:m/z[C3137NO16+Na]についての計算値:702.2005、実測値:702.2027。
2−プロパルギルO−(ナトリウム−β−D−グルコピラノシルウロナート)−(1→3)−4−O−ナトリウムスルホナト−2−デオキシ−2−アセトアミド−β−D−ガラクトピラノシド9:無水DMF(1.5mL)中の化合物8(0.020g、0.029mmol)の溶液に三酸化硫黄トリメチルアミン錯体(SO・TMA)(0.025g、0.180mmol)を添加した。反応混合物を50℃で36時間撹拌し、その後、室温に冷却した。生成物をSephadex LH−20(50%MeOH:CHCl)、続いてシリカゲルクロマトグラフィー(5%→10%MeOH:CHCl)で精製して、硫酸化二糖(0.016g、73%)を白色固体として得た。R=0.18(10%MeOH:CHCl).1H NMR(400MHz,1:4.5:4.5CDCl:CDOD:CDCl 0.05%v/vTMS含有):δ8.16−8.12(m,2H,ArH),7.69−7.65(m,1Η,ArH),7.56−7.52(m,2Η,ArH),5.40(t,J=9.6Hz,1H,H−3),5.27(t,J=9.8Hz,1H,H−4),5.21(t,J=9.5Hz,1H,H−2),4.98(d,J=1.9Hz,1H,H−4’),4.91(d,J=8.1Hz,1H,Η−1’),4.89(d,J=8.8Hz,1H,H−l),4.79−4.69(m,2H,H−6’,H−6’),4.42−4.40(m,2H,CH−C≡C),4.30−4.21(m,2Η,Η−5,Η−3’),4.10−4.05(m,1Η,Η−5’),3.94−3.86(m,1Η,Η−2’),3.81(s,3Η,OCH),2.63(t,J=2.32Hz,1H,C≡CH),2.17(s,3Η,NHC(O)CH),2.12(s,3Η,C(O)CH),2.09(s,3Η,C(O)CH),2.08(s,3H,C(O)CH);13C NMR(100MHz,CDOD):δ174.34,172.73,172.14,172.04,170.77,168.57,135.01,131.83,131.48,130.27,102.79,99.91,80.39,79.57,78.96,76.83,74.07,73.72,73.68,72.92,71.29,66.02,57.33,55.61,55.53,55.34,55.07,54.98,53.92,51.17,50.95,50.74,50.53,24.56,22.25,22.07,22.01;ESI MS:m/z[C3137NO19S+Na]についての計算値:782.1573、実測値:782.1588。
その硫酸化化合物(160mg、0.211mmol)をTHF(684μLおよびHO(338μL)に溶解し、0℃に冷却した。これに1M LiOH水溶液(270μL)および30%H(135μL)を添加した。反応物を0℃で1時間、そして室温で12時間撹拌した。この時点で、4M NaOH水溶液(203μL)およびMeOH(1008μL)を添加し、反応物をさらに12時間撹拌した。その後、それをAmberlyst IR−120樹脂で中和し、濾過し、凍結乾燥させて橙色固体を得た。その生成物をSephadex G−15(100%HO)によって精製し、凍結乾燥させて、9を白色固体として得た(103mg、87%)。H NMR(400MHz,DO):δ4.86(d,J=2.7Hz,1H,H−4’),4.77(d,J=8.1Hz,1H,H−l’),4.51(d,J=7.7Hz,1H,H−l),4.45(t,J=2.1Hz,2H,CH−C≡C),4.14−4.04(m,2Η,Η−2’,Η−3’),3.87−3.79(m,3Η,Η−5’,Η−6’,Η−6’),3.74(d,J=9.7Hz,1H,H−5),3.57(t,J=9.0Hz,1H,H−4),3.49(t,J=9.2Hz,1H,H−3),3.38(dd,J=9.2,J=7.8Hz,1H,H−2),2.93(t,J=2.4Hz,1H,C≡CH),2.05(s,3Η,NHC(O)CH);13C NMR(100MHz,D0):δ175.22,174.90,103.30,99.37,78.69,76.30,76.21,76.01,75.03,74.88,74.60,72.45,71.65,60.95,56.70,51.53.22.27;ESI MS:m/z[C1725NO15S−H]についての計算値:514.0867,実測値:514.0867.
化合物5、6、7、8および9のH NMRおよび13C NMRスペクトルを図15〜26に示す。
この実施例は、固相ペプチド合成の一般手順を説明するものである。
自動合成装置Titan 357(AAPPTEC)を使用することによりペプチドライブラリーの合成を行った。50gのChemMatrix(登録商標)樹脂(0.48mmol/g)を反応容器(RV)の中で5分間、NMP(1mL)に膨潤させた。排液して、NMP中の20%ピペリジン(1ml、体積/体積)を添加し、RVを3分間、ボルテックスにかけた。排液し、NMP中の20%ピペリジンの新たな溶液(1mL、体積/体積)を添加し、RVをさらに12分間、ボルテックスにかけた。得られたビーズをNMP(1mL×2)、メタノール(1mL×2)およびDCM(1mL×2)によって入念に洗浄した。得られた樹脂を15分間、NMP(1mL)で膨潤させて、Fmoc保護アミノ酸(2.5当量、NMP中0.2M溶液)をそのRVに添加し、TBTU(2.5当量、NMP中0.2M溶液)およびDIEA(5.0当量、NMP中0.5M)も添加した。得られた混合物を45分間、ボルテックスにかけた。排液して、得られたビーズをNMP(1mL×3)によって入念に洗浄した。所望のペプチド配列に到達するまでカップリング工程を繰り返した。10分間の無水酢酸(10当量、0.5M溶液)およびDIEA(20当量、NMP中0.5M)の処理によってN末端をNアセチル基で修飾した。樹脂をNMP(1mL×3)によって洗浄し、DCM(2mL×3)を使用して、フィルターを装着した4mL反応器に移した。樹脂を減圧下で2時間乾燥させた後、180度シェーカを用いてTFA−水−TIS(1.5mL、94/3/3、体積/体積)の切断カクテルでペプチドを切断し、同時に残基の酸不安定性保護基も外した。溶液を回収し、連続窒素流の中で濃縮し、その粗製ペプチドをジエチルエーテル中で沈殿させた。その後、0.1%トリフルオロ酢酸を含有する水/アセトニトリルを移動相として使用するC−18逆相分取カラム(Kromasil(登録商標)、21.2mm×250mm)での分取HPLC(Gilson)によってその得られた白色固体を>98%に精製し、Waters Acquity UltraPerformance LCおよび質量分析(UPLC/MS)で特性評価した。
ペプチド1〜5のHPLC条件およびESI質量データを表2および3にそれぞれ提供する。

表2.ペプチドの分析HPLC条件

Figure 2016520585
A:CHCN/0.1%TFA、B:HO/0.1%TFA

表3.ペプチドのESI−MSデータ
Figure 2016520585
この実施例は、クリック反応によるペプチド1の合成手順を説明するものである。
小バイアルにアルゴン雰囲気下でアルキン官能化CS−A二糖(4.6mg、4.4当量、8.559μmol)、ペプチド5(4.6mg、1.0当量、1.941μmol)、トリス[(1−ベンジル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル]アミン(TBTA、アジド当たり0.3当量)および小型撹拌子を投入した。その混合物を脱気DMSO(150μL)に溶解し、所望の量のヨウ化銅(I)保存溶液(DMSO中7.876mM保存(sotck)溶液3μL、アジド当たり0.3mol%)およびDIPEA(18μL、53当量、0.103mmol)を添加した。反応混合物を室温で5日間撹拌した。C−18カラムを装着した分析逆相HPLCによってペプチド5の消費をモニターした。完了後、溶媒を除去し、白色沈殿を200μLの6M NaCl水溶液に溶解し、Sephadex G−15カラム(100%HO)によって精製して、凍結乾燥によりペプチド1を白色固体として得た。
この実施例は、円偏光二色性(CD)分析を説明するものである。
温度コントローラを装着したAviv 410偏光二色性分光計でCDスペクトルを記録した。200μMの濃度のペプチド溶液を使用した。10mM 二塩基性リン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)中で作ったすべての試料を24時間、4℃で平衡させた後、CD測定した。1mm路長の石英セルを使用した。波長スキャンのために、温度を10℃/時の速度で所望の点まで上昇させ、試料溶液を10分間平衡させた後、測定した。260〜190nmでスペクトルを記録し、次のように平均残基楕円率(θ)を計算した:
[θ]=θ/(10・N・c・l)
θは、ミリ度での楕円率を表し、Nは、アミノ酸残基数を表し、cは、mol・L−1でのモル濃度を表し、lは、cmでのセル路長を表す。0.2mMの最終ペプチド濃度で熱変性曲線を得、225nmでのモル楕円率を、10℃/時の加熱速度で5〜80℃の範囲の温度の関数として測定した。アニールされたすべての試料を30分間85℃で加熱し、続いて1℃/分の速度で4℃に冷却し、続いて24時間、4℃で平衡させた後、測定した。融解曲線の一次導関数の最小点から融解温度を決定した。
この実施例は、H,15N−異核種単一量子コヒーレンス(HSQC)実験を説明するものである。
温度ユニットとCryoProbeとを装着したBruker Avance 800分光計でH,15N−HSQC実験を記録した。5%DOを含有する10mM二塩基性リン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)中200μMの全ペプチド濃度で、すべての試料溶液を調製した。ホモ三量体試料とヘテロ三量体試料両方を30分間85℃で加熱し、その後、1℃/分の速度で4℃に冷却し、続いて24時間、4℃で平衡させた後、測定した。試料溶液中でのペプチドの単量体状態を回避するために15℃で測定を行った。水素次元で11160Hzおよび窒素次元で1621Hzのスペクトルウィンドウを用いるH,15N−HSQC実験について、4スキャンで合計1280×128の複合点を得た。NMRpipeを使用してスペクトルを加工し、Sparkyを使用して分析した。二乗余弦釣鐘型窓関数(Square Cosine bell window function)をアポダイゼーション関数として使用し、データを両方の次元で次の2のべき乗にゼロ充填した。必要な場合にはベースライン補正を適用した。
この実施例は、示差走査熱量測定(DSE)実験を説明するものである。
DSC実験は、GE Healthcare Life SciencesからのMicroCal VP−DSCシステムで行った。ペプチド混合物1−3および緩衝液濃度は、CD実験の場合と同じであった:200μM全ペプチド濃度および10mM二塩基性リン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)。ペプチド混合物1−3を30分間85℃で加熱し、その後、1℃/分の速度で4℃に冷却し、続いて24時間4℃で平衡させた後、測定した。測定は、10℃/時の加熱速度で5〜80℃の温度範囲で行った。ペプチド曲線を緩衝液の曲線に基づいてベースラインサブトラクションした後にデータ分析を行った。データ分析は、MicroCal−enabled Originソフトウェアで行った。
コラーゲン−GAG複合材は、それらのインビボでの生理的有意性を考えると、組織を置換するための生体模倣足場の増えつつある蓄積の重要な部分を占めている。それにもかかわらず、天然材料に関連した欠点が、より洗練された生体材料を開発する努力を妨げている。本明細書において実証するように、相補的静電相互作用に基づいてGAG含有コラーゲンペプチドを操作することに成功した。負荷電コンドロイチン硫酸モチーフをCTHに効率的に導入し、それによって大量のヘテロ三量体を生成できることも実証した。この設計は、単一フレームワーク内での2つの異なる生体成分のハイブリッド形成を意味する。このアプローチは、合成的に達成可能で生物学的にプログラム可能な模倣構造をもたらす、複雑なGAG−コラーゲンに基づく足場の構築を大いに単純化することになる。

Claims (23)

  1. 3本の鎖を含むコラーゲン分子であって、
    少なくとも1本の鎖が一般式:
    (X1−X2−G)n
    (式中、
    X1またはX2は、いずれのアミノ酸またはアミノ酸誘導体であってもよいが、但し、X1またはX2の少なくとも一方がグリコサミノグリカン部分であることを条件とし;
    Gは、グリシンであり;および
    nは、正の整数であり、かつ少なくとも1である)
    の少なくとも1つの繰り返し単位を含む、前記コラーゲン分子。
  2. nが少なくとも2、または少なくとも5、または少なくとも10、または少なくとも20、または少なくとも50、または少なくとも100、または少なくとも200、または少なくとも500、または少なくとも1000である、請求項1に記載のコラーゲン分子。
  3. 前記グリコサミノグリカン部分が、少なくとも1つの二糖単位から成る、請求項1または2に記載のコラーゲン分子。
  4. 前記グリコサミノグリカン部分が、少なくとも1つの負荷電基を含有する、請求項3に記載のコラーゲン分子。
  5. 前記負荷電基が、スルファートまたはカルボキシラートである、請求項4に記載のコラーゲン分子。
  6. 前記グリコサミノグリカンが、コンドロイチン硫酸、ヘパリン、ヘパリン硫酸、デルマタン硫酸、ヒアルロナン、ケラタン硫酸および非硫酸化コンドロイチンから成る群より選択される、請求項1から5のいずれか一項に記載のコラーゲン分子。
  7. 前記コンドロイチン硫酸が、コンドロイチン硫酸A、コンドロイチン硫酸C、コンドロイチン硫酸D、コンドロイチン硫酸E、コンドロイチン硫酸U、コンドロイチン硫酸Kおよびコンドロイチン硫酸Lから成る群より選択される、請求項6に記載のコラーゲン分子。
  8. 前記コンドロイチン硫酸が、コンドロイチン硫酸Aまたはコンドロイチン硫酸Uである、請求項7に記載のコラーゲン分子。
  9. 前記アミノ酸が、正荷電アミノ酸である、請求項1から8のいずれか一項に記載のコラーゲン分子。
  10. 前記正荷電アミノ酸が、Asp、Glu、Lys、ArgおよびHisから成る群より選択される、請求項9に記載のコラーゲン分子。
  11. 前記コラーゲン鎖の少なくとも1本が、
    Ac−(PXG)−(CS−U−XG)−(PXG)−C(O)NH
    Ac−(PXG)−(CS−A−XG)−(PXG)−C(O)NH
    Ac−(PXG)−(CS−A−XG)−(POG)−C(O)NH
    (これらの式中、
    Acは、アセチルであり;
    Pは、プロリンであり;
    Gは、グリシンであり;
    CS−Uは、非硫酸化コンドロイチン硫酸であり;
    CS−Aは、コンドロイチン硫酸Aであり;
    Kは、リシンであり;
    Rは、アルギニンであり;および
    Xは、ヒドロキシプロリンである)
    から成る群より選択される一般式を有する、請求項1から10のいずれか一項に記載のコラーゲン分子。
  12. (CS−A−XG)が、下記式:
    Figure 2016520585
    を有する、請求項11に記載のコラーゲン分子。
  13. (PXG)が、下記式:
    Figure 2016520585
    を有する、請求項11または12に記載のコラーゲン分子。
  14. 治療に使用するための、請求項1〜13のいずれか一項に記載のコラーゲン分子。
  15. 請求項1から13のいずれか一項に記載のコラーゲン分子を投与することを含む、治療を必要とする患者を処置する方法。
  16. 化粧品に使用するための、請求項1から13のいずれか一項に記載のコラーゲン分子。
  17. 組織工学に使用するための、請求項1から13のいずれか一項に記載のコラーゲン分子。
  18. 前記組織工学が、皮膚組織工学である、請求項17に記載のコラーゲン分子。
  19. 足場の構築に使用するための、請求項1から13のいずれか一項に記載のコラーゲン分子。
  20. 請求項1から13のいずれか一項に記載のコラーゲン分子と1つ以上の賦形剤とを含む組成物。
  21. グリコサミノグリカンに基づく薬学に使用するための、請求項1から13のいずれか一項に記載のコラーゲン分子。
  22. 組織工学用の生体材料として使用するための、請求項1から13のいずれか一項に記載のコラーゲン分子。
  23. 薬物送達または創傷治癒に使用するための、請求項1から13のいずれか一項に記載のコラーゲン分子。
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