JP5871234B2 - 合成コラーゲンナノファイバーの製造方法 - Google Patents

合成コラーゲンナノファイバーの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5871234B2
JP5871234B2 JP2012067627A JP2012067627A JP5871234B2 JP 5871234 B2 JP5871234 B2 JP 5871234B2 JP 2012067627 A JP2012067627 A JP 2012067627A JP 2012067627 A JP2012067627 A JP 2012067627A JP 5871234 B2 JP5871234 B2 JP 5871234B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
spinning
polymer
spinning solution
synthetic collagen
polypeptide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012067627A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013199713A (ja
Inventor
小林 尚俊
尚俊 小林
堂彦 寺田
堂彦 寺田
正美 戸所
正美 戸所
明子 島谷
明子 島谷
片岡 之典
之典 片岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JNC Corp
National Institute for Materials Science
Original Assignee
JNC Corp
National Institute for Materials Science
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JNC Corp, National Institute for Materials Science filed Critical JNC Corp
Priority to JP2012067627A priority Critical patent/JP5871234B2/ja
Priority to US13/848,738 priority patent/US20130253099A1/en
Publication of JP2013199713A publication Critical patent/JP2013199713A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5871234B2 publication Critical patent/JP5871234B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • DTEXTILES; PAPER
    • D01NATURAL OR MAN-MADE THREADS OR FIBRES; SPINNING
    • D01DMECHANICAL METHODS OR APPARATUS IN THE MANUFACTURE OF ARTIFICIAL FILAMENTS, THREADS, FIBRES, BRISTLES OR RIBBONS
    • D01D5/00Formation of filaments, threads, or the like
    • D01D5/0007Electro-spinning
    • D01D5/0015Electro-spinning characterised by the initial state of the material
    • D01D5/003Electro-spinning characterised by the initial state of the material the material being a polymer solution or dispersion
    • DTEXTILES; PAPER
    • D01NATURAL OR MAN-MADE THREADS OR FIBRES; SPINNING
    • D01FCHEMICAL FEATURES IN THE MANUFACTURE OF ARTIFICIAL FILAMENTS, THREADS, FIBRES, BRISTLES OR RIBBONS; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED FOR THE MANUFACTURE OF CARBON FILAMENTS
    • D01F4/00Monocomponent artificial filaments or the like of proteins; Manufacture thereof

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Textile Engineering (AREA)
  • Dispersion Chemistry (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)
  • Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Nonwoven Fabrics (AREA)

Description

本発明は、合成コラーゲンのナノファイバー及びその製造方法に関する。
ナノメートルスケール(1nm〜1000nm)の直径を有する繊維は、マイクロメートルスケール以上の直径を有する繊維とは異なる材料特性を示すことから、一般にナノファイバーと称されて他の繊維とは区別されている。ナノファイバーは単位質量あたりの材料表面積、いわゆる比表面積が非常に大きいことから、機能分子キャリヤ材料、流体との接触反応材料、衣料用素材、産業資材製品、生活資材製品、環境資材製品、燃料電池や二次電池の電極や隔膜、再生医療用材料、超高性能フィルター、電子ペーパー、ウエアラブルセル、防護服等への応用が検討され、さまざまな分野で研究開発が盛んに行われている。また、ナノスケールの材料が細胞へ与える影響などが注目を集めており、各種ナノファイバーを利用した医療用材料に関する研究も数多く報告されている。
このようなナノファイバーを製造する方法としては、エレクトロスピニング法(電界紡糸法)が知られている(特許文献1)。
ところで、タンパク質の一種であるコラーゲンは、汎用的な医用材料として幅広く用いられている。天然の一型コラーゲン分子は三アミノ酸残基Gly−X−Y(X、Yは様々なアミノ酸で、XはPro、YはHypである場合が多い)の繰り返しから成る特徴的な一次構造を有する。このポリペプチドが同じ向きに3本寄り集って形成された3重らせんの三次構造をとり、コラーゲン繊維を形成する。
一方、コラーゲン様ペプチドとして創出された、三アミノ酸残基Pro−Y−Gly(Y:プロリンまたはヒドロキシプロリン)の繰り返し構造からなる合成コラーゲン分子も、三重らせん構造をとることが報告されており、種々の機能性材料としての研究がなされている(特許文献2)。
合成コラーゲンからなるナノファイバーは、アミノ酸残基の配列制御、さらには、それらの化学修飾性などを利用して、天然コラーゲンナノファイバーにはない高機能性あるいは多機能性を持った材料になり得ると考えられる。
しかしながら、天然コラーゲン分子とは異なり、Pro−Y−Glyのみからなる単純な繰り返し構造であるため、かかる合成コラーゲンは高分子ペプチドでありながら分子鎖間の相互作用に乏しく、易水溶性を呈する。そのため、天然コラーゲン繊維様の長繊維の形成はこれまで達成されていなかった。前述のエレクトロスピニング法によっても、ビーズが形成されたり繊維状のものが得られなかったりして達成できていなかった。
特開2007−303015号公報 国際公開第2008/075589号パンフレット
本発明は上記の状況に鑑み、本発明は合成コラーゲン分子を用いて、エレクトロスピニング法によってナノファイバーを製造する方法を提供するものである。
本願発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意研究の末、合成コラーゲンをエレクトロ
スピニング法で紡糸する際に紡糸基材としてポリマーを用いることにより、均一かつ長い繊維状のナノファイバーを得られることを見出した。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]式(1)で示されるペプチドフラグメントを有するポリペプチドを含有するナノファイバーの製造方法であって、
前記ポリペプチドとポリマーとを含有する紡糸溶液を調製する工程と、
前記紡糸溶液を用いてエレクトロスピニング法により紡糸する工程とを含むことを特徴とする製造方法。
―(Pro−Y−Gly)n― (1)
(式(1)中、Yはヒドロキシプロリンまたはプロリン、nは5〜9000の整数である。)
[2]前記紡糸溶液中の前記ポリペプチド濃度が0.1〜10重量%である、[1]に記載の方法。
[3]前記紡糸溶液中の前記ポリマー濃度が0.1〜10重量%である、[1]又は[2]に記載の方法。
[4]前記紡糸溶液における前記ポリペプチドと前記ポリマーの重量比が10:1〜1:40である、[1]〜[3]のいずれかに記載の方法。
[5]前記ポリマーが天然コラーゲン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリグリコール酸から選択される1種又は2種以上である、[1]〜[4]のいずれかに記載の方法。
[6]式(1)で示されるペプチドフラグメントとポリマーとを含有するナノファイバー。
―(Pro−Y−Gly)n― (1)
(式(1)中、Yはヒドロキシプロリンまたはプロリン、nは5〜9000の整数である。)
本発明によれば、合成コラーゲンを含有する均一かつ長い繊維状のナノファイバーを得る手段が提供される。また、これまでナノファイバー化が困難であった合成コラーゲンを含有するナノファイバーが提供され、医療用途をはじめ種々の用途に供する材料とすることができる。
実施例のSC/NCナノファイバーのSEM画像写真である(a,b:実施例1、c、d:実施例2)。 実施例3のNC/PGAナノファイバーのSEM画像写真である。 実施例のSC/PEGナノファイバーのSEM画像である(a,b:実施例4、c、d:実施例5)。 実施例のSC/PVAナノファイバーのSEM画像である(a,b:実施例6、c、d:実施例7)。
本発明においては各種アミノ酸残基を次の略語で記述する。
Ala:L−アラニン残基
Arg:L−アルギニン残基
Asn:L−アスパラギン残基
Asp:L−アスパラギン酸残基
Cys:L−システイン残基
Gln:L−グルタミン残基
Glu:L−グルタミン酸残基
Gly:グリシン残基
His:L−ヒスチジン残基
Hyp:L−ヒドロキシプロリン残基
Ile:L−イソロイシン残基
Leu:L−ロイシン残基
Lys:L−リジン残基
Met:L−メチオニン残基
Phe:L−フェニルアラニン残基
Pro:L−プロリン残基
Sar:サルコシン残基
Ser:L−セリン残基
Thr:L−トレオニン残基
Trp:L−トリプトファン残基
Tyr:L−チロシン残基
Val:L−バリン残基
なお、本明細書におけるペプチド鎖のアミノ酸配列は、定法に従い、N末端のアミノ酸残基を左側に、C末端のアミノ酸残基を右側に位置させて記載する。
本発明のナノファイバーの製造方法は、合成コラーゲンとポリマーとを含有する紡糸溶液を調製する工程と、前記紡糸溶液を用いてエレクトロスピニング法により紡糸する工程とを含む。以下に、本発明について詳細に説明する。
<1>合成コラーゲン
本発明の方法に用いられる合成コラーゲンは、次式(1)で示されるペプチドフラグメント(以降、ポリPYGと記す)を有するポリペプチドである(以降、合成コラーゲンと記す場合もある)。
―(Pro−Y−Gly)n― (1)
ここでYはヒドロキシプロリンまたはプロリンであり、ヒドロキシプロリンは、例えば4Hypであり、trans−4−ヒドロキシ−L−プロリンが好ましい。
また、式(1)中、繰り返し数nは5〜9000の整数である。nがこの範囲であることにより、ポリペプチドは3重らせん構造形成をとり、ナノファイバー形成が容易となる。また、3重らせん構造の安定性の観点からnは5〜1000がより好ましく、10〜500がさらに好ましい。
本発明における合成コラーゲンのポリペプチド鎖は、直線状または1以上の分岐を有していてもよい。分岐を有する場合、分岐点以降に3重らせん構造が形成されていてもよく、さらにその3重らせん構造の後ろに分岐を有していてもよい。
なお、ポリペプチドが3重らせん構造をとっているか否かは、ポリペプチド溶液について円二色性スペクトルを測定することにより確認することができる。具体的には、波長220〜230nmに正のコットン効果、および波長195〜205nmに負のコットン効果を示す場合、そのポリペプチドは3重らせん構造をとっていると考えられる。
また、本発明における合成コラーゲンのポリペプチド鎖どうしは、互いに架橋されていてもよい。
本発明における合成コラーゲンの重量平均分子量は、特に限定されるものではないが、紡糸溶液の調製、紡糸の効率、及び3重らせん構造の安定性の観点から570〜700万が好ましく、2850〜30万がより好ましい。
ここで、合成コラーゲンの重量平均分子量は、例えば特開2003-321500号公
報に記載されている、カラム:Superdex 200 HR 10/30(GEヘルス
ケア・ジャパン株式会社製)、流速:0.5mL/min、溶離液:150mMのNaClを含む10mMリン酸塩緩衝液(pH7.4))分子量標準としてGelFiltra
tion LMW Calibration Kit及びGel Filtration H
MW Calibration Kit(GEヘルスケア・ジャパン株式会社製)を使用したゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる方法、あるいは、カラム:Superdex peptide PE 7.5/300(GEヘルスケア・ジャパン株式会社製)
、流速:0.25mL/min、溶離液:150mMのNaClを含む10mMリン酸塩緩衝液(pH7.4))、分子量標準としてGel Filtration LMW Ca
libration Kit(GEヘルスケア・ジャパン株式会社製)とヒトインシュリ
ン、グリシンを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる方法により測定することができる。別の方法として、カラム:TSK−GEL6000PW XL−CP 8.0 x 300mm(東ソー製)、移動相20mM KH2PO4・H3PO4(pH3.0
):MeOH=8:2、カラム温度40℃、流速0.5mL/min、検出はUVモニターによる215nm及び示差屈折系、分子量標準として分子量50000から1600000のプルラン(昭和電工製)および分子量11900000のデキストラン(Polymer Standards Service GmbH)によるHPLCゲルパーミエー
ションクロマトグラフィーにより測定できる。また、このHPLCゲルパーミエーションクロマトグラフィーの検出器にWyatt Technology社のDAWN HELEOS、Optolab rEXを用いる事で、ゲル浸透クロマトグラフ/多角度レーザー
光散乱検出器(GPC−MALS)法としても測定する事ができる。本明細書において合成コラーゲンの重量平均分子量は、これらの方法によって測定された値である。
本発明における合成コラーゲンのポリペプチドは、ポリPYGのみからなるものであってもよいが、3重らせん構造の安定性を損なわず、また本発明の効果を損なわない範囲において、ポリPYGの他にアミノ酸残基もしくはペプチドフラグメントまたはアルキレンを含んでもよい。
アミノ酸残基としては、Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Gln、Glu、Gly、His、Hyp、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Sar、Ser、Thr、Trp、Tyr、Valから選択された少なくとも1種が挙げられる。ペプチドフラグメントとしては、前記アミノ酸残基の1種以上が複数個結合したペプチドが挙げられる。アルキレンとしては、直鎖状、分岐状のいずれでもよく、特に限定されるものではないが、具体的には炭素数1〜18のアルキレンが挙げられ、実用的には炭素数2〜12のアルキレンが好ましい。
本発明における合成コラーゲンのポリペプチドは、ポリPYGとポリPYGの他のアミノ酸残基もしくはペプチドフラグメントまたはアルキレンを、重量比においてポリPYG:他のアミノ酸残基もしくはペプチドフラグメントまたはアルキレン他のペプチドフラグメント=1:99〜100:0、好ましくは10:90〜100:0の範囲で有する。
本発明における合成コラーゲンのポリペプチドは、ナノファイバーの紡糸を阻害しない限り、無機酸(塩酸、硫酸等)、有機酸(酢酸、乳酸、マレイン酸、シュウ酸、クエン酸等)、金属(ナトリウム、カリウム等)、有機塩基(トリメチルアミン、トリエチルアミン等)との塩であってもよい。本発明における合成コラーゲンのポリペプチドの塩化合物は、単独または二種類以上の組合せであってもよい。
ポリPYGを有するポリペプチドは、いずれの方法により得られたものであってもよい。
例えば、既知の固相合成法または液相合成法により取得したポリPYGを構成するアミノ酸からなるペプチドオリゴマーを用いて、縮合反応を行う方法により好ましく取得できる。
上記ペプチドオリゴマーの縮合反応は、通常、溶媒中で行われる。溶媒は、原料となるペプチドオリゴマーを溶解(一部または全部を溶解)または懸濁可能なものであればよく、通常、水または有機溶剤が使用できる。具体的には、水、アミド類(ジメチルホルムア
ミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホロアミド等)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシド等)、窒素含有環状化合物(N−メチルピロリドン、ピリジン等)、ニトリル類(アセトニトリル等)、エーテル類(ジオキサン、テトラヒドロフラン等)、アルコール類(メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール等)、およびこれらの混合溶媒等である。これらの溶媒のうち、水、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドが好ましく使用される。
また、上記ペプチドオリゴマーの縮合反応は、脱水剤(脱水縮合剤、縮合助剤)の存在下で行うことが好ましい。脱水縮合剤と縮合助剤との存在下で反応させると、脱保護とアミノ酸結合とを繰返す煩雑な処理を経ることなく、二量化や環化を抑制しつつ円滑に縮合反応が進行する。
脱水縮合剤は、前記溶媒中で脱水縮合を効率よく行える限り特に限定されるものではなく、例えば、カルボジイミド系縮合剤(ジイソプロピルカルボジイミド(DIPC)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド(EDC=WSCI)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩(WSCI
・HCl)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)等)、フルオロホスフェート系
縮合剤(O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N′,N′−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート、ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス−ピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、ベンゾトリアゾール−1−イル−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロリン化物塩(BOP))等)、ジフェニルホスホリルアジド(DPPA)が例示できる。
これらの脱水縮合剤は単独で又は二種以上組み合わせて混合物として使用できる。好ましい脱水縮合剤は、カルボジイミド系縮合剤(例えば、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩)である。
脱水縮合剤の使用量は、ペプチドフラグメントの総量1モルに対して、通常、水を含まない非水系溶媒を用いる場合0.7〜5モル、好ましくは0.8〜2.5モル、さらに好ましくは0.9〜2.3モル(例えば1〜2モル)の範囲である。水を含む溶媒(水系溶媒)においては、水による脱水縮合剤の失活があるので、脱水縮合剤の使用量は、ペプチドフラグメントの総量1モルに対して、通常、2〜500モル、好ましくは5〜250モル、さらに好ましくは10〜125モルの範囲である。
縮合助剤は、縮合反応を促進する限り特に制限されず、例えば、N−ヒドロキシ多価カルボン酸イミド類(例えば、N−ヒドロキシコハク酸イミド(HONSu)、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸イミド(HONB)等のN−ヒドロキシジカルボン酸イミド類)、N−ヒドロキシトリアゾール類(例えば、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)等のN−ヒドロキシベンゾトリアゾール類)、3−ヒドロキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−1,2,3−ベンゾトリアジン(HOObt)等のトリアジン類、2−ヒドロキシイミノ−2−シアノ酢酸エチルエステルが例示できる。
これらの縮合助剤も単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。好ましい縮合助剤は、N−ヒドロキシジカルボン酸イミド類(HONSu等)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール又はN−ヒドロキシベンゾトリアジン類(HOBt等)である。
縮合助剤の使用量は、溶媒の種類に関係なく、ペプチドフラグメントの総量1モルに対して、通常、0.5〜5モル、好ましくは0.7〜2モル、さらに好ましくは0.8〜1.5モルの範囲である。
脱水縮合剤と縮合助剤とは適当に組み合わせて使用することが好ましい。脱水縮合剤と
縮合助剤との組合せとしては、例えば、DCC−HONSu(HOBtまたはHOOBt)、WSCI−HONSu(HOBt又はHOOBt)が挙げられる。
上記ペプチドオリゴマーの縮合反応においては、反応溶液のpHを調節してもよく、通常、反応溶液のpHは中性付近(pH=6〜8程度)に調整される。pHの調節は、通常、無機塩基(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなど)、有機塩基、無機酸(塩酸など)や有機酸を用いて行うことができる。
また、縮合反応に関与しない塩基を反応溶液に添加してもよい。縮合反応に関与しない塩基としては、第三級アミン類、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどのトリアルキルアミン類、N−メチルモルホリン、ピリジンなどの複素環式第三級アミン類などが例示できる。このような塩基の使用量は、通常、本ペプチドオリゴマーの総モル数の1〜2倍程度の範囲から選択できる。
以上のようにして得られたポリペプチドには、反応に用いた試薬が残存している。これは本発明の方法における紡糸工程に影響するため、除去することが好ましい。残存している試薬の除去は、透析法、カラム法、限外ろ過法等の既知の手法を用いることができる。
また、ポリペプチドの安定性および取扱いの容易さから考えると、反応溶媒を保存溶媒に置換することが好ましい。反応溶媒から目的とする保存溶媒への置換は、透析法においては目的とする保存溶媒を透析外液として使用することにより、カラム法においては目的とする保存溶媒を移動相として用いることにより置換することができる。
保存溶媒としては、得られた有効成分ポリペプチドの物理的性質等の変化を抑えられるものであれば特に限定されない。例えば、水、生理食塩水、弱酸から弱アルカリに緩衝能を有するバッファーを挙げることができる。ただし、本発明の方法における紡糸工程に影響を与える物質を含有しないことが好ましい。
<2>ポリマー
本発明のナノファイバーの製造方法においては、ポリマーを紡糸基材として用いることにより、これまでナノファイバー化が困難であった合成コラーゲンをエレクトロスピニング法にて紡糸することが可能となる。その結果、合成コラーゲンを含有する均一かつ長い繊維状のナノファイバーを得ることができる。
本発明におけるポリマーは、紡糸基材として用いることができるものであれば特に限定されず、合成物でも天然物でもよい。例えばポリエチレングリコール、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリアクリロニトリル、ポリアクリロニトリル−メタクリレート共重合体、ポリメタクリル酸メチル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン−アクリレート共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリベンズイミダゾール、ポリビニルアルコール、セルロース、酢酸セルロースブチレート、ポリプロピレンオキサイド、ポリエチレンサルファイド、SBS共重合体、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン610、ナイロン612、並びにこれらの共重合体、ポリヒドロキシ酪酸、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレンオキサイド、天然コラーゲン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸−グリコール酸共重合体、ポリアリレート、ポリプロピレンフマラート、ポリペプチド、タンパク質、コールタールピッチ、石油ピッチ、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリヘキサメチレンカーボネート、ポリビニルイソシアネート、ポリブチルイソシアネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリノルマルプロピルメタクリレート、ポリノルマルブチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、これらのポリエステル樹脂の重合体、ポリパラフェニレンテレフタラミ
ド、ポリパラフェニレンテレフタラミド−3,4′―オキシジフェニレンテレフタラミド共重合体、ポリメタフェニレンイソフタラミド、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、メチルセルロース、プロピルセルロース、ベンジルセルロース、フィブロイン、天然ゴム、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルエチルエーテル、ポリビニルノルマルプロピルエーテル、ポリビニルイソプロピルエーテル、ポリビニルノルマルブチルエーテル、ポリビニルイソブチルエーテル、ポリビニルターシャリーブチルエーテル、ポリビニリデンクロリド、ポリビニルメチルケトン、ポリメチルイソプロペニルケトン、ポリシクロペンテンオキシド、ポリスチレンサルホン、キチンおよびその誘導体、キトサンおよびその誘導体、ヒアルロン酸およびその誘導体、コンドロイチンおよびその誘導体、デオキシリボ核酸およびその誘導体、ポリグルタミン酸およびその誘導体、グルコマンナンおよびその誘導体などが挙げられる。これらのポリマーから選択される2種以上のポリマーの混合物が用いられてもよい。これらのうち、生体適合性のあるポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリグリコール酸、天然コラーゲン、などが、得られるナノファイバーを医療材料用途に供するのに適するため、好ましい。
本発明におけるポリマーの重量平均分子量は、特に限定されないが、5万〜100万であることが好ましく、6万〜90万であることがより好ましい。なお、かかる重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ法、光散乱法で測定することができる。
<3>溶媒
本発明における合成コラーゲンとポリマーとは、溶媒に溶解させて紡糸溶液として用いる。
かかる溶媒としては、合成コラーゲンやポリマーを溶解し、かつ紡糸する段階で蒸発し、繊維を形成可能なものであれば特に限定されない。例えば、水、エタノール、メタノール、イソプロパノール、アセトン、スルホランアセトン、プロパノール、ジクロロメタン、蟻酸、ヘキサフルオロイソプロパノール、ヘキサフルオロアセトン、メチルエチルケトン、クロロホルム、イソプロパノール、トルエン、テトラヒドロフラン、ベンゼン、ベンジルアルコール、1,4−ジオキサン、四塩化炭素、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、塩化メチレン、フェノール、ピリジン、トリクロロエタン、酢酸、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、アセトニトリル、N−メチルモルホリン−N−オキシド、ブチレンカーボネート、1,4−ブチロラクトン、ジエチルカーボネート、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジオキソラン、エチルメチルカーボネート、メチルホルマート、3−メチルオキサゾリジン−2−オン、メチルプロピオネート、2−メチルテトラヒドロフランなどが挙げられる。溶媒は一種を単独で用いてもよく、複数の溶媒の混合物であってもよい。
<4>その他の任意成分
本発明の方法における紡糸溶液は、前述した必須成分の他に、紡糸を妨げない限りにおいて任意の成分を含有してもよい。かかる任意成分としては、接着剤、電解質などが挙げられる。
接着剤を添加すると、製造されたナノファイバーどうしが接触点で接着されるので、ナノファイバーを不織布の形態で得る際に強力で摩擦によるケバ立ちの少ない柔軟な不織布とすることができる。接着剤としては、製造されたナノファイバーどうしを接着でき、かつ紡糸溶液の溶媒に可溶であれば特に限定されないが、例えばホットメルト樹脂からなる接着剤、エラストマー系の接着剤、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、ビニル系接着剤などが挙げられる。エラストマー系の接着剤としては、ポリクロロプレンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、ブチルゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム、クロロスルフォン化ポリエチレンゴム、エピクロルヒドリンゴムが例示され
る。接着剤を添加する場合は紡糸溶液中の合成コラーゲンとポリマーとの総量に対して0.5〜10重量%添加されることが好ましい。
電解質を添加することによって紡糸溶液表面の電荷密度を上げることが出来、結果として紡糸性を向上させることが可能となる。電解質としては、紡糸溶液に可溶で、紡糸溶液中で電離するものであれば特に限定はされないが、例えば、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸二水素ナトリウム、炭酸マグネシウムが例示される。電解質を添加する場合は、紡糸溶液中の合成コラーゲンあるいはポリマーが塩析しない程度が望ましく、紡糸溶液中の合成コラーゲンとポリマーとの総量に対して0.5〜10重量%添加されることが好ましい。
<5>紡糸溶液の調製工程
本発明の方法は、溶媒に合成コラーゲンとポリマーとを溶解させて紡糸溶液を調製する工程を含む。紡糸溶液の調製方法としては、合成コラーゲンとポリマーとはそれぞれ溶媒に溶解させて各溶液を混合してもよいし、いずれか一方を溶媒に溶解させた溶液に他方を添加して溶解させてもよい。また、調製の際は、合成コラーゲンを変性させない限りにおいて、適宜加温、攪拌等を行ってもよい。
紡糸溶液中の合成コラーゲンの濃度は0.1〜10重量%であることが好ましく、0.255.0重量%であることがより好ましい。また、紡糸溶液中のポリマーの濃度は0.1〜10重量%であることが好ましく、0.25〜10重量%であることがより好ましい。合成コラーゲンやポリマーの濃度をこのような範囲にすることにより、紡糸溶液中においてポリマー−ポリマー間またはポリマー−合成コラーゲン間に相互作用が生じ、連続繊維が形成されやすくなる。
紡糸溶液における合成コラーゲンとポリマーとの配合比率は、均一なナノファイバーをある程度の長さで得るためには、重量比で20:1〜1:100であることが好ましく、10:1〜1:40であることがより好ましい。
<6>ナノファイバーの紡糸工程
本発明の方法は、前述したように調製した紡糸溶液を用いてエレクトロスピニング法(電界紡糸法)を行うことによりナノファイバーを紡糸する工程を含む。この工程によりナノスケールの微細かつ均一な径を有する繊維を製造できる。
エレクトロスピニング法は、周知の手段によって行うことができ、具体的には、紡糸溶液を充填したノズルとコレクター(基板)の間に電圧を印加した状態で、ノズルから紡糸溶液を吐出させて、コレクター上に繊維を回収する。エレクトロスピニング法を行う条件は、特に限定されず、紡糸溶液の種類や得られるナノファイバーの用途等に応じて適宜調整すればよい。本発明の方法における一般的な条件としては、例えば、印加電圧は8〜30kV、吐出速度は0.01〜1.00mL/時、ノズルとコレクターの間の垂直距離は100〜200mmとすることができ、ノズルは22〜25Gの径のものを使用することができる。紡糸環境は、相対湿度10〜40%、温度を10〜25℃とすることが好ましいが、特段厳密に制御を行わなくてもよい。
本発明の製造方法により、直径5nm〜50μmの繊維を得ることができる。また、紡糸条件の設定・調整により、平均して200〜300nmの長く途切れないナノファイバーを得ることができる。また、ナノファイバー中に、塊状のビーズを含まないか含まれても少ない、均一なナノファイバーを得ることができる。
本発明により得られた合成コラーゲンを含有するナノファイバーは、機能性材料として、医療用材料など種々の用途に供することができる。例えば、合成コラーゲンの有する、血液凝固因子等の生体分子への高親和性を利用した吸着剤や、血液凝固能を利用した止血剤に適用したりすることができる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
エレクトロスピニング法にて、実施例1〜7のナノファイバーを作製した。それらのナノファイバーについて、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した。使用機器はJSM-5
600(JEOL社製)、加速電圧は20kVで観察を行った。
<実施例1>SC/NC(10:1)ブレンドナノファイバー
合成コラーゲン(SC;JNC株式会社製)と、天然コラーゲン(NC;NMPコラーゲンPS/IP、ニッポンハム株式会社製)とを、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール(HFIP;和光純薬社製)にSC/NC/HFIPが50mg/5mg/1mLとなるように溶解させて、紡糸溶液とした。25Gステンレスニードルとコレクターとの間(垂直距離150mm)に高電圧発生装置により10kVの電圧を印加した。紡糸溶液を前記ニードルに接続したシリンジに充填し、吐出速度0.1mL/時でコレクター上に押し出した。なお、紡糸環境の湿度及び温度は制御せず、実験室環境下にて紡糸を行った。
SEM観察したところ、平均直径145nmでビーズや粒子を含まない比較的均一なナノファイバーが得られたことがわかった(図1a,b)。
<実施例2>SC/NC(1:1)ブレンドナノファイバー
紡糸溶液の濃度を、SC/NC/HFIPが50mg/50mg/1mLとした他は実施例1と同様の操作を行い、紡糸した。
SEM観察したところ、リボン状ファイバーが得られたことがわかった(図1c,d)
<実施例3>SC/PGAブレンドナノファイバー
合成コラーゲン(SC;JNC株式会社製)と、ポリグリコール酸(PGA;シグマアルドリッチ社製)とを、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール(HFIP;和光純薬社製)にSC/PGA/HFIPが50mg/10mg/1mLとなるように溶解させて、紡糸溶液とした。25Gステンレスニードルとコレクターとの間(垂直距離150mm)に高電圧発生装置により12kVの電圧を印加した。紡糸溶液を前記ニードルに接続したシリンジに充填し、吐出速度0.1mL/時でコレクター上に押し出した。なお、紡糸環境の湿度及び温度は制御せず、実験室環境下にて紡糸を行った。
SEM観察したところ、平均直径71nmであったが、多くのビーズを含むナノファイバーが得られたことがわかった(図2)。
<実施例4>SC/PEG500kブレンドナノファイバー
合成コラーゲン(SC;JNC株式会社製)の0.5重量%水溶液と、ポリエチレングリコール(PEG;重量平均分子量500,000、和光純薬社製)の10重量%水溶液とをそれぞれ調製し、SC:PEG=2:1(体積比)で混合し紡糸溶液とした。25Gステンレスニードルとアルミホイル製コレクターとの間(垂直距離200mm)に高電圧発生装置により8kVの電圧を印加した。紡糸溶液を前記ニードルに接続したシリンジに充填し、吐出速度0.01mL/時でコレクター上に押し出し、均一に分散した不織布として回収した。なお、紡糸環境の湿度は乾燥窒素を灌流することにより制御し、紡糸中は常に相対湿度15%以下に保持した。また、紡糸環境の温度は制御せず、室温下で紡糸を行った。
SEM観察したところ、平均直径115nmで比較的均一なナノファイバーが得られたことがわかった(図3a,b)。
<実施例5>SC/PEG900kブレンドナノファイバー
合成コラーゲン(SC;JNC株式会社製)の0.5重量%水溶液と、ポリエチレングリコール(PEG;重量平均分子量900,000、シグマアルドリッチ社製)の5重量%水溶液とをそれぞれ調製し、SC:PEG=2:1(体積比)で混合し紡糸溶液とした点、及び吐出速度を0.03mL/時とした点の他は実施例4と同様の操作を行い、紡糸した。
SEM観察したところ、平均直径87nmの繊維部分は比較的均一であったが、紡錘形ビーズが多数含まれるナノファイバーが得られたことがわかった(図3c,d)。
<実施例6>SC/PVA2000ブレンドナノファイバー
合成コラーゲン(SC;JNC株式会社製)の0.5重量%水溶液と、ポリビニルアルコール(PVA;平均重合度2,000、けん化度98.0mol%、和光純薬社製)の0.5重量%水溶液とをそれぞれ調製し、SC:PVA=1:1(体積比)で混合し紡糸溶液とした。25Gステンレスニードルとアルミホイル製コレクターとの間(垂直距離200mm)に高電圧発生装置により15kVの電圧を印加した。紡糸溶液を前記ニードルに接続したシリンジに充填し、吐出速度0.2mL/時でコレクター上に押し出し、均一に分散した不織布として回収した。なお、紡糸環境の湿度は乾燥窒素を灌流することにより制御し、紡糸中は常に相対湿度15%以下に保持した。また、紡糸環境の温度は制御せず、室温下で紡糸を行った。
SEM観察したところ、平均直径213nmでビーズや粒子を含まない比較的均一なナノファイバーが得られたことがわかった(図4a,b)。
<実施例7>SC/PVA1500ブレンドナノファイバー
合成コラーゲン(SC;JNC株式会社製)の0.5重量%水溶液と、ポリビニルアルコール(PVA;平均重合度1,500、けん化度78〜82mol%、和光純薬社製)の20重量%水溶液とをそれぞれ調製し、SC:PVA=1:1(体積比)で混合し紡糸溶液とした。25Gステンレスニードルとアルミホイル製コレクターとの間(垂直距離200mm)に高電圧発生装置により12kVの電圧を印加した。紡糸溶液を前記ニードルに接続したシリンジに充填し、吐出速度0.1mL/時でコレクター上に押し出し、均一に分散した不織布として回収した。なお、紡糸環境の湿度は乾燥窒素を灌流することにより制御し、紡糸中は常に相対湿度15%以下に保持した。また、紡糸環境の温度は制御せず、室温下で紡糸を行った。
SEM観察したところ、平均直径201nmでビーズや粒子を含まない比較的均一なナノファイバーが得られたことがわかった(図4c,d)。
本発明によれば、合成コラーゲンを含有する均一かつ長い繊維状のナノファイバーを得る手段が提供される。また、これまでナノファイバー化が困難であった合成コラーゲンを含有するナノファイバーが提供され、医療用途をはじめ種々の用途に供する材料とすることができるので、産業上非常に有用である。

Claims (5)

  1. 式(1)で示されるペプチドフラグメントを有するポリペプチドとポリマーとを含有するナノファイバーの製造方法であって、
    前記ポリペプチドとポリマーとを含有する紡糸溶液を調製する工程と、
    前記紡糸溶液を用いてエレクトロスピニング法により紡糸する工程とを含み、
    前記ポリマーは、天然コラーゲン、ポリエチレングリコール、及びポリビニルアルコールから選択される1種又は2種以上であることを特徴とする製造方法。
    ―(Pro−Y−Gly)n― (1)
    (式(1)中、Yはヒドロキシプロリンまたはプロリン、nは5〜9000の整数である。)
  2. 前記紡糸溶液中の前記ポリペプチド濃度が0.1〜10重量%である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記紡糸溶液中の前記ポリマー濃度が0.1〜10重量%である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記紡糸溶液における前記ポリペプチドと前記ポリマーの重量比が10:1〜1:40である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 式(1)で示されるペプチドフラグメントを有するポリペプチドとポリマーとを含有し、
    前記ポリマーは、天然コラーゲン、ポリエチレングリコール、及びポリビニルアルコールから選択される1種又は2種以上である、ナノファイバー。
    ―(Pro−Y−Gly)n― (1)
    (式(1)中、Yはヒドロキシプロリンまたはプロリン、nは5〜9000の整数である。)
JP2012067627A 2012-03-23 2012-03-23 合成コラーゲンナノファイバーの製造方法 Active JP5871234B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012067627A JP5871234B2 (ja) 2012-03-23 2012-03-23 合成コラーゲンナノファイバーの製造方法
US13/848,738 US20130253099A1 (en) 2012-03-23 2013-03-22 Producing method of synthetic collagen nano-fiber

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012067627A JP5871234B2 (ja) 2012-03-23 2012-03-23 合成コラーゲンナノファイバーの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013199713A JP2013199713A (ja) 2013-10-03
JP5871234B2 true JP5871234B2 (ja) 2016-03-01

Family

ID=49212385

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012067627A Active JP5871234B2 (ja) 2012-03-23 2012-03-23 合成コラーゲンナノファイバーの製造方法

Country Status (2)

Country Link
US (1) US20130253099A1 (ja)
JP (1) JP5871234B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5915427B2 (ja) * 2012-07-11 2016-05-11 Jnc株式会社 止血材
CN103774314A (zh) * 2014-02-18 2014-05-07 南通双弘纺织有限公司 一种涤纶、醋酸纤维、甲壳素纤维的混纺纱
CN104189944B (zh) * 2014-09-05 2017-02-15 四川大学 高纯度天然胶原纤维及其制备方法
CN107737368B (zh) * 2017-10-31 2019-10-15 广州迈普再生医学科技股份有限公司 止血材料及其制备方法和应用
CN107557891A (zh) * 2017-08-14 2018-01-09 浙江依爱夫游戏装文化产业有限公司 一种基于含蚕丝蛋白的防腐面料的制作方法
WO2020138065A1 (ja) * 2018-12-26 2020-07-02 東レ株式会社 多孔質膜、複合膜及び多孔質膜の製造方法
JPWO2021241679A1 (ja) * 2020-05-28 2021-12-02
KR102470501B1 (ko) * 2021-11-04 2022-11-25 주식회사 티엔솔루션 다공성 콜라겐펩타이드 나노섬유 부직포 및 이의 제조 방법

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7615373B2 (en) * 1999-02-25 2009-11-10 Virginia Commonwealth University Intellectual Property Foundation Electroprocessed collagen and tissue engineering
JP2005058499A (ja) * 2003-08-13 2005-03-10 Masao Tanihara 生体材料

Also Published As

Publication number Publication date
US20130253099A1 (en) 2013-09-26
JP2013199713A (ja) 2013-10-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5871234B2 (ja) 合成コラーゲンナノファイバーの製造方法
US9869038B2 (en) Polypeptide electrospun nanofibrils of defined composition
Stephens et al. Effects of electrospinning and solution casting protocols on the secondary structure of a genetically engineered dragline spider silk analogue investigated via Fourier transform Raman spectroscopy
Pugliese et al. Self-assembling peptides cross-linked with genipin: resilient hydrogels and self-standing electrospun scaffolds for tissue engineering applications
Qi et al. A new collagen solution with high concentration and collagen native structure perfectly preserved
EP2331743B1 (en) Peptide-coated fibers
Qin et al. Hierarchical self-assembly of a β-amyloid peptide derivative
US20100040880A1 (en) Process for fabricating peptide-coated fibers
CN104936978A (zh) 多肽多孔质体及其制造方法
US20140128573A1 (en) Method for producing collagen-like polypeptide
He et al. Preparation and characterization of biomimetic tussah silk fibroin/chitosan composite nanofibers
Kim et al. Nanofibers produced by electrospinning of ultrarigid polymer rods made from designed peptide bundlemers
Mahesh et al. Miscibility and thermal stability of synthetic glutamic acid comprising polypeptide with polyvinyl alcohol: fabrication of nanofibrous electrospun membranes
US10316432B2 (en) Electrospinning of peptide amphiphiles
CN103590133B (zh) 一种利用静电纺丝制备聚肽共聚物多孔纳米纤维的方法
Koga et al. Injectable hydrogels self-assembled from oligopeptide-poly (2-methacryloyloxyethyl phosphorylcholine) hybrid graft copolymers for cell scaffolds and controlled release applications
Asakura et al. Formylation of recombinant spider silk in formic acid and wet spinning studied using nuclear magnetic resonance and infrared spectroscopies
Zhang et al. Electrospinning and rheological behavior of poly (vinyl alcohol)/collagen blended solutions
US9327050B2 (en) Hemostatic material containing nano-fiber containing synthetic collagen
JP5915427B2 (ja) 止血材
Ratnaparkhi et al. Nanofibers-a newer technology
Pakkaner Hydrogels and self-assemled nanostructures based on wool keratose
Bellotto SELF-ASSEMBLY OF MINIMALISTIC PHENYLALANINE DERIVATIVES INTO SUPRAMOLECULAR HYDROGELS
Koga et al. Materials Advances
Tatiana et al. SCAFFOLDS DE HIDROGEL/FIBRAS ELECTROFIADAS COM GRADIENTES 3D PARA ORIENTAÇÃO CELULAR EM ENGENHARIA DE TECIDOS ÓSSEOS HYDROGEL/ELECTROSPUN SCAFFOLD WITH 3D

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141225

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150227

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150227

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150826

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150915

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151113

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151208

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160105

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5871234

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350