JP2009040613A - ポリマー被覆金属酸化物超微粒子、それを含む硬化性組成物、及びその硬化物 - Google Patents

ポリマー被覆金属酸化物超微粒子、それを含む硬化性組成物、及びその硬化物 Download PDF

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Abstract

【課題】 液状樹脂などの粘度の低い樹脂に対する分散性が高いことで、液状樹脂とのブレンド性に優れた、また、コーティング材料の基材として適した、ポリマー被覆金属酸化物超微粒子含有液状樹脂材料を提供することである。
【解決手段】本発明のポリマー被覆金属酸化物超微粒子は、粒子直径が1〜100nmの金属酸化物超微粒子100重量部と、加水分解基X、及び炭素−炭素二重結合を有するシラン化合物と、を反応させて表面が有機シラン化合物で被覆されてなるシラン被覆金属酸化物超微粒子を形成した後、前記シラン被覆金属酸化物超微粒子、及びラジカル重合開始剤の存在下、アクリル酸エステルを主成分とするモノマー1〜10000重量部を、ラジカル重合させて得られるポリマー被覆金属酸化物超微粒子である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリマー被覆金属酸化物超微粒子、それを含む硬化性組成物、及びその硬化物に関する。
粒子径100nm以下の無機超微粒子(以下、粒子径100nm以下を超微粒子と称する)、特に半導体超微粒子は、その表面積の大きさや量子特性を利用して、触媒、紫外線遮蔽材料、蛍光材料、発光材料、塗料、磁性材料など多くの用途への展開が検討されている。たとえば、酸化チタンは、3.0〜3.2eV(電子ボルト)のバンドギャップがあり、光触媒活性を有するため、セルフクリーニング・抗菌・防曇分野、空気浄化、水質浄化などへの応用開発が進んでいるが、さらに光触媒活性を高めるために、超微粒子化の検討が進んでいる。
ところがこのような無機超微粒子は表面活性が高いため凝集しやすく、安定した分散形態で製造することが困難であり、また原料から分離精製することが困難であった。これに対して、金属酸化物微粒子の凝集を防止したり、光触媒活性をコントロールしたりする方法として、種々の化合物で表面修飾する技術が提案されている。
例えば特許文献1には、表面修飾剤としてケイ素基含有化合物、特にシランカップリング剤を使用することが記載されており、具体的には、酸化亜鉛微粒子100重量部をジメチルシリコーン20重量部で処理している。
特許文献2には、低分子のシランカップリング剤で酸化亜鉛微粒子の表面修飾を行う方法が記載されている。該文献では、酸化亜鉛微粒子として、顕微鏡写真およびBET比表面積データから計算した数平均粒子径が100nm以上のものを用いており、粒子径が大きいため、例えば、樹脂中に混合した場合に透明性が必要とされる分野への応用には不向きである。また、酸化亜鉛微粒子を100%としたときに、使用しているシランカップリング剤の量が1重量%と少ないため、例えば、Si/Znは0.01未満となり、表面修飾としては不十分と考えられ、酸化亜鉛微粒子の凝集防止や光触媒活性のコントロールは期待できない。
特許文献3には、ボールミルなどのミキサー中で、酸化亜鉛などの金属酸化物と、アルコキシル基またはヒドロキシル基、及び有機官能基を有するシランカップリング剤などのカップリング剤と、を反応させることで表面修飾しながら、さらに、透明熱可塑性樹脂に分散させる、熱可塑性樹脂組成物の製造方法が記載されている。
特開2003−128837号公報 特開平8−59890号公報 特開2006−77075号公報
上述した特許文献1〜3は、主に熱可塑性樹脂に金属酸化物超微粒子を分散することを目的とした技術であって、液状樹脂に金属酸化物超微粒子を安定に高分散させる方法は、未だ知られていない。例えば、上記特許文献3では、使用されているカップリング剤はポリマーと共有結合していないため、液状樹脂に分散させることができたとしても、その状態を安定的に維持することは困難で、硬化性液状樹脂に分散させた場合には、樹脂が硬化する前に粒子同士が凝集してしまうという問題を抱えていると考えられる。
このような現状を鑑みなされた本発明の課題は、100nm以下の粒子径の金属酸化物超微粒子に対して、その触媒活性等の化学的、また、その紫外線吸収能等の物理的、特性を効果的に制御しつつ、かつ、超微粒子同士の凝集を防ぐための表面修飾をしたポリマー被覆金属酸化物超微粒子を提供することである。
また、本発明の課題は、例えば、液状樹脂などの粘度の低い樹脂に対する分散性が高いことで、液状樹脂とのブレンド性に優れた、また、コーティング材料の基材として適した、ポリマー被覆金属酸化物超微粒子含有液状樹脂材料を提供することである。
さらにまた、本発明の課題は、液状樹脂に安定的に高分散している液状樹脂組成物、特に、触媒により硬化する硬化性液状樹脂組成物を得るのに適したポリマー被覆金属酸化物超微粒子を提供することであり、また、それを含む硬化性液状樹脂組成物、及び硬化物を提供することである。
本発明者は上記課題を解決するための手段として、以下に示す組成物を発明した。
すなわち本発明は、粒子直径が1〜100nmの金属酸化物超微粒子100重量部と、下記一般式1で表される加水分解基X、及び炭素−炭素二重結合を有するシラン化合物と、を反応させて表面が有機シラン化合物で被覆されてなるシラン被覆金属酸化物超微粒子を形成した後、前記シラン被覆金属酸化物超微粒子、及びラジカル重合開始剤の存在下、アクリル酸エステルを主成分とするモノマー1〜10000重量部を、ラジカル重合させて得られる、ポリマー被覆金属酸化物超微粒子に関する。
Figure 2009040613
前記酸化物超微粒子は、酸化亜鉛を主成分とすることが好ましい。
前記アクリル酸エステルを主成分とするモノマーは、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−2−メトキシエチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、及びアクリル酸ステアリルからなる群より選ばれる1種以上の単量体50〜100重量%と、これらと共重合可能なその他のビニル系単量体50〜0重量%と、からなる単量体混合物であることが好ましい。
本発明は、また、上述のポリマー被覆金属酸化物超微粒子と、反応性官能基を含有する変性ポリアクリル酸エステル、及び反応性官能基を含有する変性ポリアルキレンオキサイドからなる群より選ばれる1種以上の液状樹脂と、を含有する硬化性樹脂組成物、さらには、その硬化性樹脂組成物を硬化させた硬化物に関する。
本発明のポリマー被覆金属酸化物超微粒子は、金属酸化物微粒子表面に強固に化学結合した有機シラン化合物を介して、アクリル酸エステルを主成分とするモノマーを重合することにより得られるポリマーにより被覆されているので、金属酸化物超微粒子の特性を効果的に制御しつつ、超微粒子同士の凝集を防ぐことができ、さらに、液状樹脂との相溶性が向上させることが可能であり、また、液状樹脂中に均一、かつ、高分散することができる。
また、本発明の硬化性樹脂組成物は、前記本発明のポリマー被覆金属酸化物超微粒子、及び液状樹脂を含むので、金属酸化物超微粒子に起因する制御された特性を有し、また、その組成物中の金属酸化物超微粒子は長期的に安定に高分散性を維持可能であり、それを硬化させた硬化物も同様の効果を奏する。
(ポリマー被覆金属酸化物超微粒子)
本発明のポリマー被覆金属酸化物超微粒子は、粒子直径が1〜100nmの金属酸化物超微粒子100重量部と、下記一般式1で表される加水分解基X、及び炭素−炭素二重結合を有するシラン化合物と、を反応させて表面が有機シラン化合物で被覆されてなるシラン被覆金属酸化物超微粒子を形成した後、このシラン被覆金属酸化物超微粒子、及びラジカル重合開始剤の存在下、アクリル酸エステルを主成分とするモノマー1〜10000重量部を、ラジカル重合させて得られる、ポリマー被覆金属酸化物超微粒子である。
Figure 2009040613
(金属酸化物超微粒子)
前記金属酸化物超微粒子は、酸化亜鉛を主成分とすることが、その紫外線吸収能、蛍光発光能、光触媒活性などの特性を、樹脂材料に生かせるので、好ましく、またその分散状態での数平均粒径は、量子サイズ効果を発現させて、その特性を制御する観点から、1nm以上100nm以下の範囲とすることを要し、より好ましくは30nm以下、さらに好ましくは、10nm未満である。
なお、ここで数平均粒径とは、透過型電子顕微鏡にて撮影された写真を用いて、少なくとも100個以上の粒子の粒子径を定規により測定して算出した数平均粒子径をいう。但し、電子顕微鏡で撮影された粒子の写真が円形でない場合には、粒子の占める面積を算出した後、同面積を有する円形に置き換えた際の円直径を用いて計算する。
酸化亜鉛以外の少量成分、ドープ成分、又は不純物として、任意の元素の単体・化合物を含んでいてもかまわない。
(金属酸化物超微粒子の調整)
本発明で用いられる金属酸化物超微粒子は、気相法、液相法、など一般的に用いられる超微粒子の製造方法を用いて、半導体の前駆体から合成して製造されるのが一般的であるが、これらの方法に限定されるものではなく、公知の任意の方法を用いる事ができる。以下に製造方法を例示する。
超微粒子の製造方法としては、原料水溶液を非極性有機溶媒の逆ミセル中に存在させ、結晶成長させる方法(逆ミセル法)、熱分解性の原料を高温の液体有機溶媒中で結晶成長させる方法(ホットソープ法)、原料の錯体を酸塩基反応により水酸化物錯体に変換し続いて水酸化物錯体同士で脱水することにより結晶を成長させる方法(ゾル生成法)などにより製造可能であり、これらの方法を用いれば得られる超微粒子の粒子径制御が容易であることなどから好ましく用いられる。
(硬化性液状樹脂組成物)
この本発明のポリマー被覆酸化亜鉛超微粒子は、液状樹脂との相容性が高いために分散しやすく、粒子径が小さいために樹脂に配合した場合に透明性を損なわず、かつ、液状樹脂の硬化を阻害しないので、硬化性液状樹脂組成物の添加剤として非常に有用である。そして、この本発明のポリマー被覆金属酸化物超微粒子を含む硬化性液状樹脂組成物は、好ましくは、反応性官能基を含有する変性ポリアクリル酸エステル、反応性官能基を含有する変性ポリアルキレンオキサイドからなる群より選ばれる1種以上の液状樹脂を含むので、白金触媒や水分で硬化するため、その硬化物は、パテ、シーラント、接着剤などとして好適に使用可能である。
以下、本発明のポリマー被覆金属酸化物超微粒子につき詳しく説明する。
(シラン被覆金属酸化物超微粒子)
前記シラン被覆金属酸化物超微粒子は、表面が有機シラン化合物で被覆されてなり、金属酸化物超微粒子とシラン化合物とを反応させて得られるものである。
金属酸化物超微粒子とシラン化合物の反応にあたっては、定法を用いることができる。反応させる際の条件は、溶媒中であってもよく、無溶媒であってもよい。温度に関しても、特に制限はないが、室温〜300℃であることが好ましく、40℃〜200℃であることがさらに好ましい。圧力に関しても、特に制限はないが、常圧〜50MPaであることが好ましい。使用する溶媒に関しても、特に限定されないが、反応が効率よく進行する点で金属酸化物超微粒子とシラン化合物の両方を分散あるいは溶解させることができる溶媒が好ましく、入手性および安全性の点でアルコールがより好ましく、炭素数3以下の脂肪族アルコールがさらに好ましい。
金属酸化物超微粒子とシラン化合物の比に関しては、特に制限されないが、金属酸化物超微粒子1モルに対して、シラン化合物0.01〜10モルを反応させることが好ましく、シラン化合物0.02〜5モルを反応させることがより好ましい。ちなみに金属酸化物微粒子の数平均粒子径が5nmの場合、理論的に必要とされる表面修飾剤の量は金属酸化物1モルに対して0.21モル(トリアルコキシシランの場合)であり、数平均粒子径3nmの場合は0.36モル(トリアルコキシシランの場合)と計算することができる。
(シラン化合物)
前記シラン化合物は、一般式1で表される、加水分解基X、及びR部分に炭素−炭素二重結合を有するものであって、例えば、3−アクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシランなどを挙げることができるが、3−メタクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランが好ましく、特に好ましくは3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランである。
Figure 2009040613
一般式1中、aは1、2、または3であり、好ましくは、1または2である。前記炭素−炭素二重結合は、金属酸化物超微粒子にモノマーをグラフト重合させるための反応点となる。
シラン化合物のXは、加水分解性基であれば、特に限定されない。Xは、例えば、酸化亜鉛超微粒子の水酸基と反応しZn−O−Si結合を形成する。一般に、金属酸化物の表面は表面が水酸基で覆われていると考えられ、この表面の水酸基と、前記シラン化合物の加水分解性シリル基と、が反応して、金属原子−酸素原子−シリコン原子の強固な結合が形成されことによって、金属酸化物はシラン化合物で表面被覆される。Xとしては、ハロゲン基、アルコキシ基が好ましく、炭素数3以下のアルコキシ基がさらに好ましい。
シラン化合物のRは、Xに該当する以外の官能基であれば特に限定されないが、たとえば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、フェニル基、ビニル基、3−アクリロキシプロピル基、3−メタクリロキシプロピル基、アリル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基があげられる。互いに同一でも異なっていてもよい。ただし、Rとして、少なくとも一部は、炭素−炭素二重結合を有する官能基、たとえば、ビニル基、3−アクリロキシプロピル基、3−メタクリロキシプロピル基、アリル基からなる群より選ばれる1種以上の官能基が含まれていることを要する。
前記加水分解基X、及びR部分に炭素−炭素二重結合を有するシラン化合物以外のシラン化合物として、aが0である、例えばテトラエトキシシランや、R部分に炭素−炭素二重結合を有しないデシルトリメトキシシランなどを併用して用いることで、得られるポリマー被覆金属酸化物超微粒子の物性を制御することができる。
(ラジカル重合開始剤)
前記ラジカル重合開始剤としては、一般的なラジカル開始剤を使用することができるが、好ましくは、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)である。
(モノマー)
本発明の有機無機複合粒子中の、金属酸化物超微粒子とモノマーとの比率としては、樹脂組成物中の有機無機複合粒子の分散性を確保し、また、金属酸化物超微粒子の特性を発現させるために、金属酸化物超微粒子100重量部あたり、モノマー1重量部以上10000部以下の範囲であることを要し、モノマー30重量部以上3000重量部以下がより好ましく、100重量部以上1000重量部以下がさらに好ましい。
また、本願発明が効果を奏する為には、モノマーは、アクリル酸エステルを主成分とするものであることを要し、この主成分であるアクリル酸エステル単量体50〜100重量%と、このアクリル酸エステル単量体と共重合可能なその他のビニル系単量体50〜0重量%と、からなるモノマー混合物であっても良く、この比率は、好ましくは、70〜100重量%、及び30〜0重量%であり、より好ましくは、80〜100重量%、及び20〜0重量%である。
前記主成分であるアクリル酸エステル単量体としては、硬化性液状樹脂との相容性、コスト、入手性の観点から、好ましくは、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−2−メトキシエチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、及びアクリル酸ステアリルからなる群より選ばれる1種以上の単量体であり、これら以外にも、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸n‐プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸t‐ブチル、アクリル酸n‐ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸3‐メトキシブチル、アクリル酸2‐ヒドロキシエチル、アクリル酸2‐ヒドロキシプロピル、アクリル酸グリシジル、2‐アクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン、2‐アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、アクリル酸2,2,2‐トリフルオロエチル、アクリル酸アリルなどのアクリル酸エステル系モノマーの化合物を挙げることができる。
前記アクリル酸エステル単量体と共重合可能なその他のビニル系単量体としては、特に限定されないが、例えば以下の化合物を挙げることができる。即ち、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n‐プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n‐ブチル、メタクリル酸t‐ブチル、メタクリル酸n‐ヘキシル、メタクリル酸2‐エチルヘキシル、メタクリル酸n‐オクチル、メタクリル酸n‐デシル、メタクリル酸n‐ドデシル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸2‐メトキシエチル、メタクリル酸3‐メトキシブチル、メタクリル酸2‐ヒドロキシエチル、メタクリル酸2‐ヒドロキシプロピル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸2,2,2‐トリフルオロエチル、メタクリル酸アリルなどのメタクリル酸エステル系モノマー;アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸ナトリウム、アクリル酸カリウム、メタクリル酸ナトリウム、メタクリル酸カリウムなど;スチレン、α‐メチルスチレン、p‐メチルスチレン、p‐メトキシスチレンなどのスチレン系モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル系モノマー;ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどの共役ジエン系モノマー;塩化ビニル、塩化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデンなどのハロゲン含有ビニル系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、けい皮酸ビニルなどのビニルエステル系モノマー;無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸モノエステル、マレイン酸ジエステル、フマル酸、フマル酸モノエステル、フマル酸ジエステルなどの不飽和ジカルボン酸化合物およびその誘導体;マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミドなどのマレイミド化合物などである。これらモノマーは単独で使用してもよく、複数を組み合わせて使用してもよい。使用するモノマーは、最終的に得られる半導体超微粒子含有熱可塑性樹脂組成物の要求特性に応じて選択すればよい。
(重合方法)
本発明においてシラン被覆金属酸化物超微粒子に前記モノマーを重合してポリマー被覆金属酸化物超微粒子を得るための重合の方法は、ラジカル重合であれば特に限定されない。その形式に関しては、例えば塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合、微細懸濁重合などを適用することができる。塊状重合以外の場合に使用する媒体(溶媒)としては特に限定されず、ラジカル重合において一般的に使用されているものを使用することができる。入手性および重合の容易さの点で、水、トルエン、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルホルムアミド(DMF)、メチルエチルケトンが好ましい。
重合の実施に関しては一般的に知られている方法を採用すればよいが、典型的には以下のように行う。反応器に、上記金属酸化物超微粒子、モノマー、ラジカル開始剤、必要に応じて媒体(溶媒)を入れ、系内の酸素を常法により除去した後、不活性ガス雰囲気で加熱撹拌する。
(液状樹脂)
前記液状樹脂は、硬化性を有するものであれば特に限定されないが、反応性官能基を含有する変性ポリアクリル酸エステル重合体、反応性官能基を含有する変性ポリアルキレンオキサイド重合体からなる群より選ばれる1以上の液状樹脂であって、相容性、物性の観点から、好ましくは、反応性官能基を含有する変性ポリアクリル酸エステル重合体であり、特に好ましくは、両末端に架橋製シリル基を有するアクリル酸エステル重合体である。
これら重合体の数平均分子量は特に制限はないが、好ましい範囲を例示すると、例えば500〜1,000,000の範囲が好ましく、1,000〜100,000がより好ましく、5,000〜50,000がさらに好ましい。
反応性官能基としては、架橋性シリル基、アルケニル基、水酸基、アミノ基、エポキシ基、重合性の炭素−炭素二重結合、をあげることができる。その中でも好ましくは、下記一般式2で表される架橋性シリル基である。
Figure 2009040613
式中、Rは、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基を示し、Rが2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。Yは水酸基または加水分解性基を示し、Yが2個以上存在するときそれらは同一であってもよく、異なっていてもよい。aは1,2,または3を示す。なお、特に限定はされないが、架橋性を考慮するとaは2以上が好ましい。この加水分解性基としては、たとえば、水素原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ基などの一般に使用されている基があげられる。これらのうちでは、アルコキシ基、アミド基、アミノオキシ基が好ましいが、加水分解性がマイルドで取り扱い易いという点から、アルコキシ基がとくに好ましい。
反応性官能基の数は、特に限定されないが、組成物の架橋性、及び架橋物の物性の観点から、重合体あたり平均して1個以上有することが好ましく、より好ましくは1.1個以上4.0以下、さらに好ましくは1.2個以上3.5以下である。また、重合体の反応性官能基の位置は、特に限定されないが、少なくとも1個は分子鎖の末端にあることが好ましい。
前記反応性官能基を含有する変性ポリアクリル酸エステル重合体としては、例えば特開平11−080571、特開平11−116617に示されるような方法で製造されたものを用いることができる。商品名としては、たとえば、SA−100S((株)カネカ製)などを例示することが出来る。その変性ポリアクリル酸エステル重合体を構成するモノマーとしては特に限定されず、各種のものを用いることができる。例示するならば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸−tert−ブチル、アクリル酸−n−ペンチル、アクリル酸−n−ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸−n−ヘプチル、アクリル酸−n−オクチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸トルイル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸−2−メトキシエチル、アクリル酸−3−メトキシブチル、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸2−アミノエチル、アクリル酸のエチレンオキサイド付加物、アクリル酸トリフルオロメチルメチル、アクリル酸2−トリフルオロメチルエチル、アクリル酸2−パーフルオロエチルエチル、アクリル酸2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、アクリル酸2−パーフルオロエチル、アクリル酸パーフルオロメチル、アクリル酸ジパーフルオロメチルメチル、アクリル酸2−パーフルオロメチル−2−パーフルオロエチルメチル、アクリル酸2−パーフルオロヘキシルエチル、アクリル酸2−パーフルオロデシルエチル、アクリル酸2−パーフルオロヘキサデシルエチル等が挙げられる。これらは、単独で用いても良いし、複数を共重合させても構わない。
これらのモノマーの中でも、低温特性、コスト、および入手しやすさの点で、アクリル酸n−ブチルが好ましい。また、組成物に耐油性が必要な場合は、アクリル酸n−エチルが好ましい。また、より低温特性が必要な場合はアクリル酸2−エチルヘキシルが好ましい。さらに、耐油性と低温特性を両立させたいときにはアクリル酸n−エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−メトキシエチルの混合物が好ましい。本発明においては、これらの好ましいモノマーを他のモノマーと共重合、更にはブロック共重合させても構わなく、その際は、これらの好ましいモノマーが重量比で40%含まれていることが好ましい。
前記反応性官能基を含有する変性ポリアルキレンオキサイド重合体としては、例えば特開平1−279958の公報などに提案されている、ケイ素原子に結合した水酸基または加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋しうるケイ素含有基を少なくとも1個有するオキシアルキレン系重合体があげられるが、これに限定されるものではない。商品名としては、たとえば、ケイ素含有基末端オキシアルキレン重合体、SAX350((株)カネカ製)などを例示することが出来る。その変性ポリアルキレンオキサイド重合体としては、その50重量%以上、好ましくは75%以上がアルキレンオキサイドに由来する単位からなる重合体成分であり、たとえば、特公昭45−36319号、同46−12154号、同49−32673号、特開昭50−156599号、同51−73561号、同54−6096号、同55−82123号、同55−123620号、同55−125121号、同55−131022号、同55−135135号、同55−137129号の各公報などに提案されている重合体であり、次の一般式3で示される少なくとも1種の繰り返し単位を有する。
Figure 2009040613
式中、Rは2価の炭化水素基であり、その具体例としては、−CH(CH)−CH−、−CH(C)−CH−、−C(CH−CH−、−CHCHCHCH−などがあげられるが、Rとしてはとくに−CH(CH)−CH−が好ましい。
(架橋触媒・架橋剤)
本発明の硬化性組成物においては、前記反応性官能基が架橋性官能基であればその種類に応じて、架橋触媒や架橋剤が必要になるものがある。また、目的とする物性に応じて、各種の配合剤を添加しても構わない。前記反応性官能基が前記架橋性シリル基の場合には、架橋性シリル基を有する重合体は、従来公知の各種縮合触媒の存在下、あるいは非存在下にシロキサン結合を形成することにより架橋、硬化する。
このような縮合触媒としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジエチルヘキサノレート、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジメチルマレート、ジブチル錫ジエチルマレート、ジブチル錫ジブチルマレート、ジブチル錫ジイソオクチルマレート、ジブチル錫ジトリデシルマレート、ジブチル錫ジベンジルマレート、ジブチル錫マレエート、ジオクチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジステアレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジエチルマレート、ジオクチル錫ジイソオクチルマレート等の4価のスズ化合物類;オクチル酸錫、ナフテン酸錫、ステアリン酸錫等の2価のスズ化合物類;モノブチル錫トリスオクトエートやモノブチル錫トリイソプロポキシド等のモノブチル錫化合物やモノオクチル錫化合物等のモノアルキル錫類;テトラブチルチタネート、テトラプロピルチタネート等のチタン酸エステル類;アルミニウムトリスアセチルアセトナート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート等の有機アルミニウム化合物類;ジルコニウムテトラアセチルアセトナート、チタンテトラアセチルアセトナート等のキレート化合物類;オクチル酸鉛;ブチルアミン、オクチルアミン、ラウリルアミン、ジブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、オレイルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、キシリレンジアミン、トリエチレンジアミン、グアニジン、ジフェニルグアニジン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、モルホリン、N−メチルモルホリン、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(DBU)等のアミン系化合物、あるいはこれらのアミン系化合物のカルボン酸等との塩;ラウリルアミンとオクチル酸錫の反応物あるいは混合物のようなアミン系化合物と有機錫化合物との反応物および混合物;過剰のポリアミンと多塩基酸とから得られる低分子量ポリアミド樹脂;過剰のポリアミンとエポキシ化合物との反応生成物;γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアミノ基を有するシランカップリング剤;等のシラノール縮合触媒、さらには他の酸性触媒、塩基性触媒等の公知のシラノール縮合触媒等が例示できる。これらの触媒は、単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
この縮合触媒の配合量は、重合体100部(重量部、以下同じ)に対して0.1〜20部程度が好ましく、1〜10部が更に好ましい。シラノール縮合触媒の配合量がこの範囲を下回ると架橋速度が遅くなることがあり、また架橋反応が十分に進行し難くなる場合がある。一方、シラノール縮合触媒の配合量がこの範囲を上回ると架橋時に局部的な発熱や発泡が生じ、良好な架橋物が得られ難くなる。なお、特に限定はされないが、架橋性を制御するために錫系架橋触媒を用いるのが好ましい。
以下、実施例を示し、本発明の特徴とするところをより一層明確にする。
(測定の説明)
UVスペクトル(紫外可視吸収スペクトル)は、日本分光(株)製、JASCO、V−560を用いて測定した。
PLスペクトル(蛍光スペクトル)は、日本分光(株)製、JASCO、FP−6500を用いて測定した。
固形分濃度は、溶液の約1gを計量して金属性シャーレに入れ、熱風オーブン中で、150℃1時間乾燥させ残存した固形分の重量を計量し、以下の数式1で算出した。
Figure 2009040613
灰分は、サンプル10〜20mgをアルミナセルに仕込んで、アルミナ粉をリファレンスとして、示差熱・熱重同時分析装置DTG−50(島津製作所)を使用して、加熱速度20℃/分、ホールド温度800℃、ホールド時間10分にて、また、雰囲気ガスとして空気を、流量50mL/分で流しながら、200℃の時点から、測定終了までの減量を測定し、以下の式によって算出した。
Figure 2009040613
樹脂組成物中の半導体超微粒子の数平均粒径測定は、得られた樹脂組成物から、ウルトラミクロトーム(ライカ製ウルトラカットUCT)を用いて超薄切片を作成した後、透過型電子顕微鏡(TEM)(日本電子JEM‐1200EX)を用いて、倍率1万倍〜40万倍で半導体超微粒子の分散状態を複数箇所で写真撮影した。得られたTEM写真において少なくとも100個以上の粒子で粒径を測定することにより、粒子の数平均粒径を算出した。
(製造例1)0.2M 酸化亜鉛超微粒子メタノール溶液の調製
水酸化カリウム(85%、ナカライテスク(株)製)11.2gを、メタノール(和光純薬製)250mLに室温にて溶解させて、水酸化カリウム溶液を調整した。これとは別に、別の容器で、酢酸亜鉛2水和物(ナカライテスク(株)製)21.95g(0.1mol)を、メタノール(和光純薬製)250mLに室温にて溶解させ、酢酸亜鉛溶液を調整した。
次に、前記酢酸亜鉛溶液を、前記水酸化カリウム溶液の入った反応器にすばやく投入し、室温にてよく攪拌した。3時間攪拌の後、溶液を一部取り、メタノールで希釈して、UVスペクトルとPLスペクトルを測定し、酸化亜鉛の超微粒子が生成していることを確認した。このようにして、酢酸亜鉛超微粒子のメタノール溶液(0.2M、500mL、酸化亜鉛として0.1mol)を調整した。
(製造例2)0.5M シラン修飾酸化亜鉛超微粒子DMF溶液の調製
500mLの三口フラスコの反応器に、製造例1で調製した酢酸亜鉛超微粒子のメタノール溶液(0.2M、500mL、酸化亜鉛として0.1mol)を入れた。これとは別に、別の容器で、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(Aldrich製)1.014g(0.004mol)を、メタノール(19.2g)に室温にて溶解させて、シランカップリング剤溶液を調製した。
次に、前記シランカップリング剤溶液を、前記酢酸亜鉛超微粒子のメタノール溶液が入った反応器に注ぎ、還流させながら、60℃で2時間反応させシラン修飾酸化亜鉛超微粒子溶液を得た。
続いてそこに、ジメチルホルムアミド(DMF)(和光純薬製、200mL)を加え、バスを40℃に設定したエバポレーターで、溶液からメタノール(約500mL)を除去することで、シラン修飾酸化亜鉛超微粒子溶液のDMF溶液(0.5M、200mL)を調製した。
最後に、この溶液から、白色沈殿物をろ過で除くことで、副生成物である酢酸カリウムを除去した。溶液の固形分濃度と、固形分中の灰分を測定することで、溶液中の酸化亜鉛濃度を算出した。
(比較例1)
製造例2において、DMFの代わりにトルエン(和光純薬製)を使用しようとしたが、透明な溶液は得られず、トルエンに不要な白色沈殿を生成するだけであった。したがって、トルエンに可溶な、シラン修飾酸化亜鉛超微粒子は得られなかった。
(製造例3)
500mLの三口フラスコの反応器に、あらかじめ調整しておいたシラン修飾酸化亜鉛超微粒子のDMF溶液(98.2g、シラン修飾酸化亜鉛として4.6g相当、シランを含有しない酸化亜鉛として4.1g相当)、DMF132.6g、アクリル酸ブチル(BA)(和光純薬製)23.1g、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)(和光純薬製)0.46gを加えて、攪拌した。内部を窒素バブリングすることで、溶存酸素を除いた。反応器を加熱したオイルバスに投入し、溶液を攪拌することで、内部温度が60℃になるように調節した。この時刻を重合反応開始時刻とした。随時、反応溶液の固形分濃度を測定し、重合の進行度合いを確認した。重合反応の開始から5時間後、反応器をオイルバスから取り出し、空気冷却することで、重合を終了させた。バスを80℃に設定したエバポレーターで、得られた溶液からDMF(約200mL)と残存モノマーを除去した。トルエン(200mL)を加えて、トルエン溶液とした。不溶物を遠心分離で除去し、再びエバポレーターで3分の1程度まで濃縮してから、水:メタノール(200mL:600mL)に攪拌しながら注ぎ込み、再沈させた。得られた白色の液状ポリマーを真空乾燥し、17.8gのZnO超微粒子含有ポリマーを得た。灰分は16.5%であった。
(製造例4)
モノマーとしてBAの代わりにメタクリル酸メチル(MMA)(和光純薬製)をもちいたほかは、製造例3と同様に重合を行った。
(実施例1)
製造例3のZnO超微粒子含有ポリマー(0.5g)のトルエン(10mL)溶液、液状樹脂として、反応性官能基を含有する変性ポリアクリルエステル重合体であり、特には、両末端にシリル基を有するポリアクリル酸エステルである、XMAP((株)カネカ製、グレード名:SA−100S)10gのトルエン(20mL)溶液を混合し、若干の不溶物を遠心分離で除き、得られた溶液からエバポレーターでトルエンを除去して、ほぼ透明な硬化性樹脂組成物S1を得た。
(実施例2)
硬化性樹脂組成物S1(5.0g)、4価のスズ触媒としてジブチルスズジアセチルアセトナト(DBTA)0.1gを量り取り、プラスチック容器で1分間混ぜた。混合物をプラスチック製シャーレに移し、時々表面を直径1mm程度の棒の尖った先端部分でつつき、表面の硬化を観察した。硬化時間は、混合開始から、表面が硬化して皮が張るまでの時間を測定した。硬化時間は、4分0秒であった。
(比較例2)
硬化性樹脂組成物S1ではなく、XMAP(グレード名:SA−100S)10gを用いた他は、実施例2と同様にして、硬化時間を測定した。硬化時間は、6分10秒であった。
(比較例3)
製造例4のZnO超微粒子含有ポリマー(0.5g)のトルエン(10mL)溶液、硬化性液状樹脂であるXMAP(グレード名:SA−100S)10gのトルエン(20mL)溶液を混合し、エバポレーターでトルエンを除去したところ、不溶物が多く、満足な組成物を得ることはできなかった。ルーペ(30倍)で観察したところ、大きな凝集塊があることが分かった。
実施例3と比較例2から、酸化亜鉛超微粒子が存在しても、組成物の硬化性能は損なわれず、逆に若干ではあるが硬化速度が速くなることがわかる。
実施例3と比較例3から、酸化亜鉛超微粒子の有機無機複合粒子の有機部分は、ポリアクリル酸エステルが好ましく、その他のポリマー、たとえばポリメタクリル酸エステルは好ましくないことが分かる。

Claims (5)

  1. 粒子直径が1〜100nmの金属酸化物超微粒子100重量部と、下記一般式1で表される加水分解基X、及び炭素−炭素二重結合を有するシラン化合物と、を反応させて表面が有機シラン化合物で被覆されてなるシラン被覆金属酸化物超微粒子を形成した後、
    該シラン被覆金属酸化物超微粒子、及びラジカル重合開始剤の存在下、アクリル酸エステルを主成分とするモノマー1〜10000重量部を、ラジカル重合させて得られる、ポリマー被覆金属酸化物超微粒子。
    Figure 2009040613
  2. 前記酸化物超微粒子が、酸化亜鉛を主成分とすることを特徴とする請求項1に記載のポリマー被覆金属酸化物超微粒子。
  3. 前記アクリル酸エステルを主成分とするモノマーが、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−2−メトキシエチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、及びアクリル酸ステアリルからなる群より選ばれる1種以上の単量体50〜100重量%と、これらと共重合可能なその他のビニル系単量体50〜0重量%と、からなる単量体混合物であることを特徴とする、請求項1、又は2に記載のポリマー被覆金属酸化物超微粒子。
  4. 請求項1〜3に記載のポリマー被覆金属酸化物超微粒子と、反応性官能基を含有する変性ポリアクリル酸エステル、及び反応性官能基を含有する変性ポリアルキレンオキサイドからなる群より選ばれる1種以上の液状樹脂とを含有する、硬化性樹脂組成物。
  5. 請求項4に記載の硬化性樹脂組成物を硬化させた硬化物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010047452A (ja) * 2008-08-22 2010-03-04 Tohoku Univ 無機骨格を有する高分子修飾ハイブリッドナノ粒子及びその合成方法
JP2011136871A (ja) * 2009-12-28 2011-07-14 Jgc Catalysts & Chemicals Ltd リン含有金属酸化物微粒子およびその製造方法、該リン含有金属酸化物微粒子を含む透明被膜形成用塗布液ならびに透明被膜付基材
JP2011201740A (ja) * 2010-03-26 2011-10-13 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd 無機粒子と無機粒子ポリ(メタ)アクリレート複合体及び無機粒子分散液並びに光学部材
JP2012236922A (ja) * 2011-05-12 2012-12-06 Dic Corp 乳化分散体及びその製造方法
JP2017145161A (ja) * 2016-02-16 2017-08-24 株式会社豊田中央研究所 誘電体薄膜

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