JP2009039369A - 高齢者用の失禁又は頻尿の改善具 - Google Patents

高齢者用の失禁又は頻尿の改善具 Download PDF

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Abstract

【課題】肌トラブルを惹起することなく、高齢者の尿失禁又は頻尿を改善することが可能な改善具を提供すること。
【解決手段】使用者の肌面に対向し且つ少なくとも一部が通気性を有する第1の面3Aと、それに対向し且つ外方を向く第2の面3Bとを有する収容体3内に蒸気温熱発生部2が収容されてなる高齢者用の尿失禁又は頻尿の改善具1である。蒸気温熱発生部2は、被酸化性金属の酸化反応によって生じた熱を利用して、第1の面3Aを通じて水蒸気が発生するようになされている。改善具1は、JIS S4100に準じて測定された発熱温度が、発熱開始から1時間後から6時間後までの平均で37〜40℃である。
【選択図】図2

Description

本発明は、高齢者の尿失禁又は頻尿を改善するために用いられる改善具に関する。
一般に、高齢になるにつれて身体機能が低下することにより、尿失禁の頻度が高くなるといわれている。尿失禁等は、それ自体は直接生命に関わる疾患ではないが、生活の質(Quality of Life;以下、QOLとする)の低下、活動性の低下の原因となる。そこで、尿失禁等によるQOL低下のリスク回避の手段として、尿失禁の改善及び予防が、高齢者の介護予防の視点から重要視されている。具体的には、科学的根拠に基づいた高齢者の尿失禁の適正な診断、評価、治療、介護方法が、「高齢者尿失禁ガイドライン」として国立長寿医療センター病院から発表されている(非特許文献1参照)。
ところで、本出願人は先に、被酸化性金属、反応促進剤及び繊維状物を含有する成形シートに、電解質水溶液を含有させてなり、且つ空気との接触により発熱可能な発熱シートと、少なくとも一部が通気性を有し且つ該発熱シートを収容する収容体とを備え、該収容体を通じて温熱スチームが外部に放出される湿熱シートを提案した(特許文献1参照)。この湿熱シートは、40℃以上の発熱持続時間が4時間以上、最高約43〜47℃の到達温度を有しており、これを人体に装着させることで、適用部位の表面温度のみならず、人体の深部温度を高めることができる。その結果、全身の血流量が増加し、適用部位の温度が上昇するのみならず、指先などの末梢温度も上昇することが開示されている。しかし特許文献1には、同文献に記載の湿熱シートが、高齢者の尿失禁や頻尿の改善に効果を有することは記載されていない。
岡村菊夫、外6名、"高齢者尿失禁ガイドライン"、[on line]、国立長寿医療センター病院、[平成19年7月4日検索]、インターネット(URL:http://www.ncgg.go.jp/hospital/pdf/sec16/guidelines.pdf) 特開2005−199051号公報
本発明の目的は、高齢者用の失禁又は頻尿の改善具を提供することにある。
本発明は、使用者の肌面に対向し且つ少なくとも一部が通気性を有する第1の面と、それに対向し且つ外方を向く第2の面とを有する収容体内に蒸気温熱発生部が収容されてなり、
前記蒸気温熱発生部は、被酸化性金属の酸化反応によって生じた熱を利用して、前記第1の面を通じて水蒸気が発生するようになされており、
JIS S4100に準じて測定された発熱温度が、発熱開始から1時間後から6時間後までの平均で37〜40℃である高齢者用の尿失禁又は頻尿の改善具を提供するものである。
本発明の改善具を肌に適用することにより、高齢者の尿失禁又は頻尿を改善することが可能となる。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。本実施形態の高齢者用の尿失禁又は頻尿の改善具1(以下、単に改善具1とも言う)は、所定温度に加熱された水蒸気の発生が可能なように構成されたものである。図1にはそのように構成された発熱具の平面図が示されている。図2は図1におけるIIa−IIa線断面図、IIb−IIb線断面図及びIIc−IIc線断面図である。図1及び図2に示す改善具1は使用者の肌に当接固定されて使用されるものである。
改善具1は、高齢者を適用の対象者としている。本明細書において高齢者とは、65歳以上の者であり、加齢によるQOLの悩みや不安等を有し、特に排泄ケア(尿失禁等の改善又は治療)の必要性を感じる者を言う。改善具1は、高齢者の尿失禁等の改善に効果を有するものである。尿失禁は非特許文献1に記載されているとおり、切迫性、腹圧性、溢流性、機能性、反射性の5つのタイプに分類される。これらのうち、加齢に伴う機能低下に起因して発生するタイプは、切迫性及び腹圧性が大半を占める。したがって、本発明の改善具1により顕著な効果が得られる尿失禁は、主として、切迫性尿失禁及び腹圧性尿失禁である。頻尿とは、起床後就寝までの間に8回以上尿意があるか、又は就寝中に1回以上尿意があることを言う。
改善具1は、平面視して、第1の方向(以下X方向という)に延びる一対の第1の縁部、及びそれと直交する方向である第2の方向(以下Y方向という)に延びる一対の第2の縁部とで画定される矩形をしている扁平なものである。第1の縁部と第2の縁部の長さは同じでもよく、或いは異なっていてもよい。改善具1は扁平な形状をしている。改善具1は、蒸気温熱発生部2及び該蒸気温熱発生部2を収容する収容体3を備えている。収容体3は扁平であり、使用者の肌面に対向し且つ少なくとも一部が通気性を有する第1の面3Aと、それに対向し且つ外方を向く第2の面3Bとを有する。収容体3は、互いに同形である複数のシート材から構成されている。収容体3の一辺の長さは、改善具1の装着中に違和感が生じず、密着感を有し、使用者の行動性を妨げない大きさであればよい。例えば5〜30cmのものであることが好ましい。また、収容体3は、1つの収容部5で形成されても良いし、又は2以上の収容部5を有しても良い。収容部5が2以上ある場合、各収容部5は互いに連通部分を有することもできる。
図2に示すように、収容体3においては、透湿性シート3aと非透湿性シート3bとがX方向の両側部に位置する一対の第1接合部4Aにおいて互いに接合されている。またシート3a,3bは、Y方向の上下端部に位置する一対の第2接合部4Bにおいても互いに接合されている。接合部4A,4Bは、シート3a,3bの周縁部において閉じた環状となるように形成されている。これに加え、シート3a,3bは、Y方向の中央部において、X方向に延びる第3接合部4Cにおいても互いに接合されている。第3接合部4Cの両端はそれぞれ各第1接合部4Aと連結している。すなわち、接合部4A,4B,4Cによって、収容体3には2つの閉じた空間が形成される。この閉じた空間が発熱材料2の収容部5になっている。つまり改善具1は発熱材料2を2個備えている。
改善具1の装着感を高める観点から、図2に示すように、非透湿性シート3bの外面には風合いの良好なシート材料である不織布3cが配されている。同様の観点から、透湿シート3aの外面には不織布3dが配されている。透湿シート3aと不織布3d、非透湿性シート3bと不織布3cは、接合部4A,4B,4Cでのみ接合されていても良いし、シート面内で部分的に接合されていても良い。
透湿性シート3a及び不織布3dは、改善具1の使用時に、使用者の肌に近い側に位置する通気層10aとして作用するものである。一方、非透湿性シート3b及び不織布3cは、使用者の肌から遠い側に位置する非通気層10bとして作用するものである。つまり、改善具1は、片面(通気層10a)が通気性であり、不織布3d側が肌と対向するように使用者の身体に固定される。なお、本実施形態においては、通気層10aは透湿性シート3a及び不織布3dからなり、非通気層10bは非透湿性シート3b及び不織布3cからなるが、通気層10a及び非通気層10bはそれぞれ透湿性シート3a及び非透湿性シート3bのみで構成されていてもよい。
本実施形態の改善具1においては、蒸気温熱発生部2が収容体3内に収容されており、その蒸気温熱発生部2に含まれる被酸化性金属の酸化反応によって生じた熱を利用して、該蒸気温熱発生部2に含まれている水分を加熱して水蒸気となし、収容体3における通気層10aを通じて水蒸気を外部へ放出可能となしている。通気層10a側の面が使用者の肌に直接当接するように改善具1を着用者の身体に装着すると、水蒸気を伴う熱が使用者の肌に直接付与される。水蒸気を伴う熱で使用者の身体を温めると、水蒸気を伴わない熱で使用者の身体を温めた場合に比べて、効果的に身体を温めることができる。つまり熱の伝わりが顕著である。この理由は、蒸気温熱発生部2で生じた水蒸気が肌へ物質移動するという接触伝熱と、皮膚に到達した水蒸気が放出する凝縮熱の作用によって、伝熱効率が高くなるからであると考えられる。これに対し水蒸気を伴わない熱では、熱拡散による伝熱しか起こらないため、熱伝導率が低い。
このような特徴を有する改善具1を使用者の肌に適用することで、特に使用者の腰部、腹部に直接適用することで、改善具1の適用の対象である高齢者の尿失禁及び頻尿が顕著に改善されることが本発明者らの検討の結果判明した。このような改善効果が奏される理由は明確ではないが、本発明者らは次のように推測している。
尿失禁及び頻尿は、膀胱及び腎臓の機能が低下することに起因すると考えられる。膀胱における膀胱体部の平滑筋は、自律神経(交感神経及び副交感神経)が支配している。同様に、内尿道括約筋、膀胱頸部、尿道周囲の平滑筋も自律神経(主に交感神経)が支配している。また、横紋筋からなる外尿道括約筋は体性神経が支配している。したがって膀胱体部の収縮は、交感神経優位の状態でゆるみ、副交感神経優位状態でしまる。また膀胱頸部は、交換神経優位でしまり、副交感神経優位でゆるむ。交感神経優位の状態は膀胱に尿を蓄えるのに有利な状態なので、交感神経優位は蓄尿的に働くといえる。つまり、交感神経活動によって膀胱容量が増える。そして改善具1を使用者の腰部に直接適用することで、膀胱体部における交感神経活動が優位となる結果、尿失禁及び頻尿が改善されると考えられる。
以上のとおり、改善具1を高齢者の肌に直接適用することで高齢者の尿失禁及び頻尿が顕著に改善されることになる。さらに、水蒸気を伴う熱の温度が、高齢者の尿失禁及び頻尿の改善に大きく影響することが本発明者らの検討の結果判明した。詳細には、特に高齢者を対象とする本発明の場合には、低温やけどの発生等が起こらない程度において、水蒸気を伴う熱の温度を比較的低めに設定することが有効であることが判明した。この理由は、(イ)高齢者は若年者に比べて皮膚血流の速度が低いので("Thermally-Induced Cutaneous Vasodilation in Aging" Ellen Evans et al., Journal of Gerontology:Medical Science Vol.48, N2(1993))、改善具1から付与された熱が血液によって分散されず、改善具1の適用部位に熱がとどまりやすくなり、熱感を受けやすいからであり、及び(ロ)高齢者は若年者に比べて皮膚が薄いので感覚器官が露出しやすく、それによって若年者が熱いと感じない温度を熱いと感じやすいからである。
以上の観点から、本発明の改善具1は、JIS S4100に準じて測定された発熱温度が、発熱開始から1時間後から6時間後までの合計5時間の平均で37〜40℃に設定されており、好ましくは38〜40℃に設定されている。発熱温度を37℃以上とすることで、発熱温度が体温を若干上回るようにして、十分な熱が付与される。発熱温度を40℃以下とすることで、若年者に比べて熱感を受けやすい高齢者に対し、肌トラブルの発生が防止される。なお、改善具1の発熱温度と、それを装着した使用者の肌の表面温度とは一般に一致せず、肌の表面温度の方が1℃前後低いことが一般的である。本明細書において発熱開始とは、改善具1における蒸気温熱発生部2が酸素と接触し始めたときを言う。また、最高到達温度は、好ましくは40〜43℃、特に好ましくは40〜42℃である。
改善具1の発熱温度を前記の範囲に設定するためには、収容体3内に流入する酸素(空気)の量及び収容体の通気層10aを通じて外部へ放出される水蒸気の量を制御することが有利である。この観点から、通気層10aの通気度(JIS P8117)及び透湿度(JIS Z0208)をコントロールすることが好ましい。
通気層10aの通気度は、好ましくは10000〜60000秒、特に15000〜50000秒とすることが好ましい。JIS P8117(ISO5636/5−Part5に準拠)によって測定される通気度は、100mlの空気が6.42cm2の面積を通過する時間で定義される値である。また、透湿度は、40℃、90%RHで好ましくは60〜500g/(m2・24hr)、特に100〜450g/(m2・24hr)とすることが好ましい。
本実施形態においては、図2に示すように、通気層10aが透湿性シート3aと不織布3dとの積層体であり、通気層10aの通気度及び透湿度に支配的な部材は透湿性シート3aとなる。そこで、該透湿性シート3aの通気度及び透湿度を前記の範囲に設定することにより、通気層10aそのものの値と実質的に同じになる。透湿性シート3aの通気度及び透湿度を前記の範囲内とするためには、例えば(a)全面が通気性(及び透湿性)を有するシートとして前記の範囲内の通気度及び透湿度を有するものを用いるか、又は(b)全面が通気性(及び透湿性)を有するシートとして前記範囲よりも通気度が小さく、透湿度が大きいシートを用い、該シートを部分的に、例えばホットメルト接着剤等を用いて目止めすることで、通気部位を閉塞し、全体の通気性を前記範囲内にすればよい。(b)の場合には、通気層10aの一部が通気性を有することになり、通気度及び透湿度の測定は、目止めを行った部位を含めた測定試料を用いて行う。さらに、(c)全面が非通気(及び非透湿)のシートを用い、該シートの一部を針やレーザーなどの手段により適度な大きさに穿孔し、前記範囲内の通気度及び透湿度を有するように加工したものを用いても良い。いずれの場合であっても、通気層10a全体の通気度及び透湿度が、本発明の前記範囲内にあるものであれば使用可能である。
本実施形態で用いられる透湿性シート3aとしては、例えば熱可塑性樹脂と、該樹脂と相溶性のない樹脂又は炭酸カルシウム等の無機微粒子とを溶融混練し、溶融押し出し成形して得られたシート状物を一軸又は二軸延伸して得られた多孔性シートが挙げられる。
改善具1の発熱温度は前述のとおりであるところ、該改善具1は、38℃以上の温度の持続時間が3時間以上、特に5時間以上であることが好ましい。この程度の時間にわたって発熱が持続することで、高齢者の尿失禁及び頻尿の改善に顕著な効果が奏される。ここで、持続時間は、JIS S4100に準じて測定される。前記持続時間を達成するため手法としては、例えば、(イ)1枚の通気性シートの通気度を調整する、(ロ)複数枚の通気性シートを積層する、(ハ)後述するように、蒸気温熱発生部2を構成する各成分の配合量を調整する、(ニ)蒸気温熱発生部2に酸化反応抑制剤を添加することで蒸気温熱発生部2自体の発熱を制御する等が挙げられる。
改善具1における蒸気温熱発生部2は被酸化性金属を含んでいる。蒸気温熱発生部2は被酸化性金属が酸素と接触することによる酸化反応で生じた熱を利用して、所定温度に加熱された水蒸気を発生する部位である。詳細には、蒸気温熱発生部2は、被酸化性金属、反応促進剤、電解質及び水を含む。そのような蒸気温熱発生部2は、例えば発熱シート及び発熱粉体からなる。特に発熱シートからなることが好ましい。本発明では、発熱シートは被酸化性金属、反応促進剤、電解質及び水に、更に繊維状物を加えて成形した繊維シートから構成されていることが好ましい。つまり、発熱シートは、被酸化性金属、反応促進剤、繊維状物及び電解質を含む繊維シートが含水状態となっているものであることが好ましい。具体的には、発熱シートは、被酸化性金属、反応促進剤及び繊維状物を含有する成形シートに、電解質水溶液を含有させて構成されていることが好ましい。発熱シートとしては、湿式抄造により得られたシート状物や、発熱粉体を紙等で挟持してなる積層体、繊維シートの構成繊維間に被酸化性金属等が担持されたシート等が挙げられる。そのような発熱シートは、例えば本出願人の先の出願に係る特開2003−102761号公報に記載の湿式抄造法や、ダイコーターを用いたエクストルージョン法を用いて製造することができる。発熱シートを用いることで、使用者がどのような姿勢になっている場合でも、使用者へ蒸気温熱を均一に適用し得る点から好ましい。また発熱シートは、発熱粉体に比較して、被酸化性金属の担持能力が優れている点からも有利である。
発熱シートからなる蒸気温熱発生部2は、60〜90重量%、特に70〜85重量%の被酸化性金属、5〜25重量%、特に8〜15重量%の反応促進剤及び5〜35重量%、特に8〜20重量%の繊維状物を含む繊維シートに、該繊維シート100重量部に対して、1〜15重量%、特に2〜10重量%の電解質を含む電解質水溶液が25〜80重量部、特に30〜70重量部含有されて構成されていることが好ましい。発熱シートを構成する各種材料としては、当該技術分野において通常用いられているものと同様のものを用いることができる。また、特開2003−102761号公報に記載の材料を用いることもできる。
上述のとおり、改善具1は使用者の腰部に取り付けて使用されることが、尿失禁及び頻尿の一層効果的な改善の観点から好ましい。この場合、改善具1を、図3に示すような、着用者の身体に固定可能な固定具20に装着して、図4に示す形態で使用することができる。また、改善具1における非通気層10bの表面に固定手段(図示せず)を設け、該固定手段によって非通気層10bの表面を使用者の肌着に固定して使用することもできる。
図3(a)及び(b)に示す固定具20は、改善具1の収容保持が可能な矩形状の収容部32を中央に有し、その両側からそれぞれ延出した一対の腕部である第1腕部33a及び第2腕部33bを備えている。第1腕部33aと第2腕部33bとは対称形になっている。第1及び第2腕部33a,33bは、固定具20の長手方向に延びる水平線に対して傾斜して延びている。
第1腕部33aの肌面側(図3(a)における紙面側)の先端部には、面ファスナのフック部材のような止着手段35が取り付けられている。一方、第2腕部33bの外面側(図3(a)における紙面と反対側)には、止着手段35の止着が可能な被着手段(図示せず)、例えば面ファスナのループ部材が取り付けられている。
収容部32は、3枚のシート材21,22,23を縫製して袋状に形成されている。外面側シート材21は固定具20の外面側に位置しており、矩形状をしている。第1肌面側シート材22及び第2肌面側シート材23は、固定具20の肌面側に位置しており、それぞれ矩形状をしている。両肌面側シート材22,23の横幅は、外面側シート材21と同じになっている。両肌面側シート材22,23の縦の長さは、外面側シート材21の縦の長さよりも短くなっている。第1肌面側シート材22は、その上辺及び両側辺が、外面側シート材21の上辺及び両側辺と縫合されている。第2肌面側シート材23は、その下辺及び両側辺が、外面側シート材21の下辺及び両側辺と縫合されている。第1肌面側シート材22の下部と、第2肌面側シート材23の上部とは重ね合わせの状態になっており、且つ第1肌面側シート材22の下辺22a及び第2肌面側シート材23の上辺23aがそれぞれ自由縁部になっている。これによって収容部12には、その肌面側に、収容部32の幅方向に延びる改善具1の挿入部24が形成される。改善具1は、該挿入部24を通じて収容部32内に収容される。
外面側シート材21は、風合いの良好な布地から構成されていることが好ましい。また外面側シート材21は、十分な通気性を有することが好ましい。外面側シート材21は、例えばトリコット編みの編地から構成することができる。同様に、第1及び第2肌面側シート材22,23も、風合いの良好な布地から構成されていることが好ましい。また第1及び第2肌面側シート材22,23は十分な水蒸気透過性を有する素材から構成されていることが好ましい。そのような素材としては、例えばメッシュ状の編地が好ましく用いられる。このような構成の固定具20の具体例としては、例えば本出願人の先の出願に係る特開2006−158945号公報に記載のもの等が挙げられる。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。例えば前記実施形態においては、収容体3内に2個の蒸気温熱発生部2が配置されていたが、これに代えて蒸気温熱発生部2を1個のみ配置してもよく、或いは3個以上配置してもよい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲はかかる実施例に制限されない。特に断らない限り、「%」及び「部」はそれぞれ「重量%」及び「重量部」を意味する。
図1及び図2に示す改善具1を、以下の手順によって製造した。
<原料組成物配合>
・被酸化性金属:鉄粉、同和鉱業株式会社、商品名「RKH」:84%
・繊維状物:パルプ繊維(フレッチャー チャレンジ カナダ社、商品名 NBKP「Mackenzi(CSF200mlに調整)」):8%
・活性炭:平均粒径45μm、(日本エンバイロケミカル株式会社、商品名「カルボラフィン」)8%
前記原料組成物の固形分(被酸化性金属、繊維状物及び活性炭の合計)100部に対し、カチオン系凝集剤であるポリアミドエピクロロヒドリン樹脂(星光PMC(株)、商品名「WS4020」)0.7部及びアニオン系凝集剤であるカルボキシメチルセルロースナトリウム(第一工業製薬(株)、商品名「HE1500F」)0.18部を添加した。更に、水(工業用水)を、固形分濃度が12%となるまで添加しスラリーを得た。
<抄造条件>
前記スラリーを用い、これを抄紙ヘッドの直前で0.3%に水希釈し、傾斜型短網抄紙機によって、ライン速度15m/分にて抄紙して湿潤状態の成形シートを作製した。
<乾燥条件>
成形シートをフェルトで挟持して加圧脱水し、そのまま140℃の加熱ロール間に通し、含水率が5%以下になるまで乾燥した。乾燥後の坪量は450g/m2、厚さは0.45mmであった。このようにして得られた成形シートの組成を熱重量測定装置(セイコーインスツルメンツ社、TG/DTA6200)を用いて測定した結果、鉄84%、活性炭8%、パルプ8%であった。
<発熱シートの作製>
得られた成形シート100部に対し電解液量が39部となるように、5%塩化ナトリウム水溶液を注入した。毛管現象を利用して成形シート全体に電解液を浸透させて発熱シート(蒸気温熱発生部)を得た。発熱シートの大きさは100mm×160mmであった。
<改善具の作製>
通気層10aは、坪量45g/m2の透湿性ポリエチレンシートと、坪量30g/m2のポリエチレンスパンボンド不織布の積層体から構成した。非通気層10bは、坪量35g/m2の非透湿性ポリエチレンフィルムと、坪量30g/m2のポリエチレンスパンボンド不織布の積層体から構成した。通気層10aの通気度は16000秒、透湿度は400g/(m2・24hr)であった。これらの材料を用いて図1及び図2に示す形状の収容体3を製造した。収容体3における2つの収容部内に、2枚重ねにした発熱シートをそれぞれ収容した。これによって改善具1を得た。この改善具1の平均発熱温度は40℃(発熱開始から1時間後から6時間後まで)であり、38℃以上の発熱温度の持続時間は11時間であった。
<評価>
得られた改善具1について尿失禁及び頻尿の改善効果を調べた。失禁改善教室に通う70〜85歳の女性高齢者(平均年齢76歳)を被験者とした。事前に被験者に対し聞き取り調査を行い、排尿及び失禁の回数を記録した。失禁頻度及び排尿頻度に有意差が発生しないように、無作為振り分け試験によって34名の温熱群と33名のコントロール群とに被験者を振り分けた。試験期間は3ヶ月とした。温熱群の被験者には、図3に示す固定具20を用いて図4に示すように改善具1を1日1回5時間にわたって腰部に適用させた。試験期間中は、各群の被験者に対して失禁回数及び排尿回数を日記に自記させた。各評価値の統計解析は、Wilcoxon符号付順位和検定及びkruskal-Wallis検定を用い、有意水準はp<0.05とした。その結果を以下の表1(失禁回数変化)及び図5(就寝中の排尿回数変化)に示す。
Figure 2009039369
表1に示す結果から明らかなように、改善具1の使用によって失禁回数は有意に改善した。就寝中の排尿回数は、7週目から有意に改善した。これらの結果から本発明の改善具は失禁及び頻尿の改善に効果があることが確認された。また、表1及び図5には示していないが、試験終了後の温熱群の被験者には改善具1の使用に起因する肌トラブルは発生していなかった。
本発明の改善具の一実施形態を示す平面図である。 図1におけるIIa−IIa線断面図、IIb−IIb線断面図及びIIc−IIc線断面図である。 図1に示す改善具を身体に固定するための固定具を示す平面図及びそのb−b線断面図である。 図3に示す固定具を用いた図1に示す改善具の着用状態を示す図である。 図1に示す改善具を用いた頻尿の改善効果を示すグラフである。
符号の説明
1 改善具
2 蒸気温熱発生部
3 収容体
10a 通気層
10b 非通気層

Claims (5)

  1. 使用者の肌面に対向し且つ少なくとも一部が通気性を有する第1の面と、それに対向し且つ外方を向く第2の面とを有する収容体内に蒸気温熱発生部が収容されてなり、
    前記蒸気温熱発生部は、被酸化性金属の酸化反応によって生じた熱を利用して、前記第1の面を通じて水蒸気が発生するようになされており、
    JIS S4100に準じて測定された発熱温度が、発熱開始から1時間後から6時間後までの平均で37〜40℃である高齢者用の尿失禁又は頻尿の改善具。
  2. 前記蒸気温熱発生部が、被酸化性金属、反応促進剤、繊維状物、電解質及び水を含み、含水状態となっており、且つ空気との接触により発熱可能な発熱シートからなる請求項1記載の改善具。
  3. 第1の面の通気度(JIS P8117)が10000〜60000秒であり、透湿度(JIS Z0208)が60〜500g/(m2・24hr)である請求項1又は2記載の改善具。
  4. 使用者の腰部に取り付けて使用される請求項1ないし3の何れかに記載の改善具。
  5. 着用者の身体に固定可能な固定具に装着されて使用されるか、又は第2の面に設けられた固定手段によって該第2の面が使用者の肌着に固定されて使用される請求項1ないし4の何れかに記載の改善具。
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