JP2009038314A - 圧電装置 - Google Patents

圧電装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2009038314A
JP2009038314A JP2007203506A JP2007203506A JP2009038314A JP 2009038314 A JP2009038314 A JP 2009038314A JP 2007203506 A JP2007203506 A JP 2007203506A JP 2007203506 A JP2007203506 A JP 2007203506A JP 2009038314 A JP2009038314 A JP 2009038314A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
actuator
piezoelectric
piezoelectric device
electrode
stress relaxation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007203506A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5205852B2 (ja
Inventor
Kazuo Mochizuki
一夫 望月
Kazushi Tatemoto
一志 立本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP2007203506A priority Critical patent/JP5205852B2/ja
Publication of JP2009038314A publication Critical patent/JP2009038314A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5205852B2 publication Critical patent/JP5205852B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】変位量を十分に確保できる圧電装置を提供する。
【解決手段】圧電装置1では、積層体2の積層方向に直交する方向に配列されたアクチュエータ部11,11間、及びアクチュエータ部11の配列端に存在する非アクチュエータ部12にスリット18が設けられ、アクチュエータ部11の撓み変位に連動して非アクチュエータ部12が下方に変位する。このため、非アクチュエータ部12による撓み変位の拘束力が緩和され、撓み変位の変位量を十分に確保できる。スリット18は、ZrO2ペーストパターンをグリーンシートの所定の領域に形成し、グリーンシート間の焼結反応を妨げることによって、積層体2の焼結の際に同時形成される。したがって、加工による圧電体4へのダメージもなく、製造工程の複雑化も回避できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、圧電装置に関する。
この種の分野に関連する技術として、例えば特許文献1に記載の圧電素子がある。このような圧電素子は、一般に、圧電体と、内部電極を交互に積層してなる積層体と、積層体の側面に設けられた外部電極とによって構成される。外部電極に電圧が印加されると、圧電体において異極の内部電極同士が重なり合う部分(活性部)を含むアクチュエータ部が変形し、電圧印加量に応じた変位が得られるようになっている。
特開2006−173347号公報
近年では、上述したアクチュエータ部を積層体の所定の方向に沿って複数配列し、複数のアクチュエータ部を協働させることによって、変位量の向上や駆動面積の確保を図った圧電装置が開発されている。このような圧電装置において、複数のアクチュエータ部間には、変形に直接寄与しない圧電体が存在する。また、アクチュエータ部の変形の方向が互いに反転する場合もある。そのため、各アクチュエータ部の変形が拘束され、装置全体としての変位量が制限される場合がある。
変位量の制限を回避するため、アクチュエータ部間に溝などの応力緩和部を形成する構造を採ることが考えられる。しかしながら、機械的な手法では、小型化が進む圧電装置に対して十分な加工精度が得られず、アクチュエータ部間に所望の応力緩和部を形成することは、実質的に困難であった。
本発明は、上記課題の解決のためになされたものであり、変位量を十分に確保できる圧電装置を提供することを目的とする。
上記課題の解決のため、本発明に係る圧電装置は、複数の圧電体と、第1電極及び第2電極を含む複数の内部電極とを交互に積層し焼結してなる積層体を備え、積層体内において、第1電極と第2電極とが積層体の積層方向に重なり合う活性部を含んで構成される複数のアクチュエータ部が配列された圧電装置であって、アクチュエータ部間には、積層体の焼結の際に同時形成される応力緩和部が設けられていることを特徴としている。
この圧電装置では、アクチュエータ部間に設けた応力緩和部により、アクチュエータ部の変形の際、当該変形に直接寄与しない圧電体からアクチュエータ部にかかる拘束力を緩和することができる。これにより、アクチュエータ部の変位量を十分に確保できる。また、応力緩和部は、積層体の焼結の際に同時形成される。したがって、機械的な手法によって応力緩和部を形成する場合と異なり、製造工程を複雑化させることなく所望の応力緩和部が得られる。
また、応力緩和部は、圧電体の前駆体である複数のグリーンシートにおいて、互いに対面する所定の領域間の焼結反応を妨げることによって形成されたスリットであることが好ましい。この場合、アクチュエータ部の変形に直接寄与しない圧電体が、アクチュエータ部の変形に伴って変形可能であり、より確実にアクチュエータ部にかかる拘束力を緩和することができる。
また、応力緩和部は、ZrO、MgO、Nb、Ta、CeO、YOの少なくとも一種を含む材料を所定の領域に塗布したグリーンシートを焼結して形成されたことが好ましい。かかる材料を用いることにより、グリーンシートの焼結時において、隣り合うグリーンシートの所定の領域間での焼結反応が十分に妨げられ、応力緩和部としてのスリットがより確実に形成される。
アクチュエータ部は、積層体の積層方向に直交する方向に配列され、アクチュエータ部間及びアクチュエータ部の配列端には、内部電極が存在しない非アクチュエータ部がそれぞれ設けられ、応力緩和部は、非アクチュエータ部に設けられていることが好ましい。この場合、アクチュエータ部が積層体の積層方向に直交して配列されてなる圧電装置において、各アクチュエータ部の変位量を十分に確保できる。また、アクチュエータ部の変形によって生じる応力が隣接する他のアクチュエータ部に伝達しにくくなるため、アクチュエータ部間のクロストークも低減できる。
応力緩和部は、積層体の表面に露出しないように非アクチュエータ部に設けられていることが好ましい。この場合、アクチュエータ部にかかる拘束力を緩和しつつ、積層体の強度を担保できる。
また、アクチュエータ部は、積層体の積層方向に配列され、アクチュエータ部間には、圧電体がそれぞれ設けられ、応力緩和部は、圧電体に設けられていることが好ましい。この場合、アクチュエータ部が積層体の積層方向に配列されてなる圧電装置において、各アクチュエータ部の変位量を十分に確保できる。
また、アクチュエータ部は、積層体の積層方向に撓み変位を発生させることが好ましい。アクチュエータ部が撓み変位を発生させる場合、変形に直接寄与しない圧電体による拘束力を受け易い。したがって、このようなアクチュエータ部間に応力緩和部を適用することにより、好適な変位量を確保できる。
本発明に係る圧電装置によれば、変位量を十分に確保できる。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る圧電装置の好適な実施形態について詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る圧電装置の層構造を示す縦断面図である。また、図2は、図1に示した圧電装置の平面図である。図1及び図2に示すように、圧電装置1は、扁平な略直方体形状をなす積層体2と、積層体2の底面に設けられた金属製の矩形の脚部3とを備えて構成されている。圧電装置1は、例えばインクジェットプリンタにおいて、所定の信号に応じてノズルからインク滴を打ち出すマイクロポンプとして用いられるものである。
積層体2は、複数の圧電体4と、複数の内部電極5A,5Bとを所定の順序で積層し、これを焼結することによって形成されている。積層体2の寸法は、例えば幅1.2mm×奥行き1.5mm×高さ0.2mmとなっている。
圧電体4は、例えばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)を主成分とする圧電セラミック材料によって形成されている。圧電体4の厚さは、一層当たり80μm〜100μm程度となっている。また、各圧電体4は、焼結によって境界が視認できない程度に一体化されている。
PZTの組成としては、例えば下記のものが用いられる。
Pb0.999[(Zn1/3Nb2/3)0.11Ti0.425Zr0.465]O+0.2wt%Fe+0.2wt%Sb
また、PZTの粉体特性としては、例えばBET比表面積が約2.5m2/g、平均粒子径が約0.6μmのものが用いられる。このようなPZTの焼結温度は、950℃程度である。なお、PZT系材料の融点は、1300℃程度である。
内部電極5A,5Bは、例えばAg、Pdを主成分とする導電材料によって形成されている。内部電極5Aの幅寸法は、内部電極5Bの幅寸法よりも大きくなっており、内部電極5A,5Bは、互いの中心を合わせた状態で、圧電体4を挟んで交互に一対ずつ積層されている。これにより、内部電極5A,5Bは、積層体2の積層方向に重なり合うこととなる。内部電極5A同士、及び内部電極5B同士は、図示しない貫通電極を介して外部端子にそれぞれ接続可能となっている。
積層体2において、内部電極5A,5Bが積層方向に重なり合っている部分は、内部電極5A,5Bに電圧が印加されたときに圧電体4が変位する活性部P1となっている。一方、内部電極5A,5Bが積層方向に重なり合っていない部分(活性部P1の両側部分)は、内部電極5A,5Bに電圧が印加されたときに圧電体4が変位しない不活性部Q1となっている。
このような活性部P1と不活性部Q1の協働により、圧電装置1のアクチュエータ部11が構成される。アクチュエータ部11では、電圧印加時において、活性部P1の圧電体4が面内方向に縮むように変位し、全体として下方に向かう撓み変位が発生する(図4参照)。積層体2では、かかるアクチュエータ部11が所定の方向に沿って3つ配列されている。
また、積層体2において、アクチュエータ部11,11間、及び積層体2のアクチュエータ部11の配列端には、圧電体4のみが積層されることによって構成された非アクチュエータ部12がそれぞれ設けられている。非アクチュエータ部12には、積層方向から見て内部電極5A,5Bが存在していない。したがって、非アクチュエータ部12は、電圧印加時における撓み変位の発生には直接寄与しない部分となっている。
非アクチュエータ部12には、スリット(応力緩和部)Sがそれぞれ設けられている。スリット18は、圧電体4の前駆体である複数のグリーンシート14(図3参照)において、互いに対面する所定の領域間の焼結反応を妨げることによって、積層体2の焼結の際に同時形成される。スリット18の幅は、例えば脚部3の幅とほぼ等幅になっている。また、スリット18の縁部は、図2に示すように、積層体2の側面よりも所定の幅だけ内側に位置している。すなわち、スリット18は、積層体2の表面には露出せず、積層体2の内部にのみ存在した状態となっている。
続いて、上述した圧電装置1の製造方法について説明する。
図3は、圧電装置1の製造の際に作製されるグリーン積層体を示す分解斜視図である。同図に示すように、まず、PZTを主成分とするセラミック粉体に有機バインダ樹脂及び有機溶剤等を混合してなるグリーンシート用ペーストを準備する。次に、例えばドクターブレード法を用いることにより、キャリアフィルム(図示しない)上にグリーンシート用ペーストを塗布し、圧電体4を形成するための複数枚のグリーンシート14を形成する。
また、例えばAg:Pd=85:15の比率で構成された導電材料に有機バインダ樹脂及び有機溶剤等を混合してなる電極パターン用ペーストを準備する。そして、例えばスクリーン印刷を用いることにより、電極パターン用ペーストをグリーンシート14上に印刷し、内部電極5A,5Bに相当する電極パターン15A,15Bを別々のグリーンシート14上にそれぞれ形成する。
さらに、例えばZrOを含むセラミック粉体に有機バインダ樹脂及び有機溶剤等を混合してなるZrOペーストを準備する。そして、例えばスクリーンを用いることにより、電極パターン15Bが印刷された一のグリーンシート14において、電極パターン15B,15B間の領域で、かつ上下のグリーンシート14における電極パターン15A,15Bと重なり合わない領域にZrOペーストパターン16を形成する。
このとき、ZrOペーストパターン16の縁部は、グリーンシート14の端、及び隣接する電極パターン15Bとは接触しないように形成する。なお、ペーストパターンの形成には、上述したZrOの他、MgO、Nb、Ta、CeO、YOの少なくとも一種を含む材料を用いることができる。
電極パターン15A,15B及びZrOペーストパターン16の形成の後、電極パターン15Aが形成されたグリーンシート14、電極パターン15Bが形成されたグリーンシート14、及び電極パターン15BとZrOペーストパターン16とが形成されたグリーンシート14を所定の順序で積層する。また、パターン形成の無いグリーンシート14を保護層として最外層に積層する。これにより、グリーン積層体17が形成される。
次に、グリーン積層体17をセッターに載置し、約400℃の温度下で10時間程度の脱バインダ処理を行う。そして、脱バインダ後のグリーン積層体17をこう鉢炉内に入れ、例えば950℃〜1000℃の温度下で2時間程度の焼成を行う。これにより、グリーンシート14、電極パターン15A,15B、及びZrOペーストパターン16がそれぞれ焼結され、焼結体としての積層体2が得られる。
ところで、上述したZrOペーストパターン16は、グリーンシート14とは異なる組成系の材料で形成されている。そのため、グリーンシート14とZrOペーストパターン16とが接触する領域では、焼結反応が妨げられ、上下のグリーンシート14,14が一体化しない。したがって、グリーン積層体17の焼結の際、ZrOペーストパターン16が介在する領域がそのままスリット18となり、当該部分において、上下のグリーンシート14,14が互いに分離された状態となる。
この後、圧電体4の厚み方向の電界強度が約2kV/mmとなるように、例えば1200℃の温度下で3分間程度の分極処理を行い、スリット18の位置に対応させて積層体2の底面に脚部3をそれぞれ接着固定すると、図1及び図2に示した圧電装置1が完成する。
以上説明したように、圧電装置1では、積層体2の積層方向に直交する方向に配列されたアクチュエータ部11,11間、及びアクチュエータ部11の配列端に存在する非アクチュエータ部12にスリット18が設けられている。ここで、圧電装置1では、外部から電圧が印加されると、アクチュエータ部11において活性部P1の圧電体4が面内方向に縮むように変位し、図4に示すように、全体として下方に向かう撓み変位が発生する。
スリット18が形成されていない場合、撓み変位の発生に直接寄与しない非アクチュエータ部12に拘束され、アクチュエータ部11で発生する撓み変位の変位量が制限されてしまうことが考えられる。これに対し、圧電装置1では、非アクチュエータ部12に設けたスリット18により、アクチュエータ部11の撓み変位に連動して非アクチュエータ部12が下方に変位するようになっている。このため、非アクチュエータ部12による撓み変位の拘束力が緩和され、アクチュエータ部11による撓み変位の変位量を十分に確保することができる。
また、スリット18の形成によって非アクチュエータ部12が変位することで、アクチュエータ部11が撓み変位する際に圧電体4に生じる応力が非アクチュエータ部12において緩和される。この結果、隣接する他のアクチュエータ部11への応力の伝達が抑制され、アクチュエータ部11を個々に駆動させるような場合であっても、アクチュエータ部11,11間のクロストークを低減できる。
このようなスリット18は、例えばZrOペーストパターン16をグリーンシート14の所定の領域に形成し、グリーンシート14,14間の焼結反応を妨げることによって、積層体2の焼結の際に同時形成される。したがって、機械的な手法によって非アクチュエータ部12に溝などの応力緩和部を形成する場合とは異なり、加工による圧電体4へのダメージもなく、製造工程の複雑化も回避できる。
[第2実施形態]
続いて、本発明の第2実施形態について説明する。図5は、本発明の第2実施形態に係る圧電装置の層構造を示す縦断面図である。
図5に示すように、圧電装置20は、略直方体形状をなす積層体を備えている。圧電装置20は、例えば自動車に搭載される内燃機関の燃料噴射装置に用いられるものである。圧電装置20は、アクチュエータ部24の配列方向が積層体21の積層方向に配列されている点で、第1実施形態と異なっている。各構成要素の材料等は、第1実施形態と同様である。
積層体21は、第1実施形態と同様に、複数の圧電体22と、複数の内部電極23A,23Bとを所定の順序で積層し、これを焼結することによって形成されている。内部電極23Aの一端は、積層体21の一方の側面21aに露出し、内部電極23Aの他端は、積層体21の他方の側面21bよりも内側に位置している。また、内部電極23Bの一端は、積層体21の他方の側面21bに露出し、内部電極23Bの他端は、積層体21の一方の側面21aよりも内側に位置している。
内部電極23A,23Bは、圧電体22を挟むようにして、内部電極23A−内部電極23B−内部電極23A、を一つの組として積層され、この内部電極の組と、これに隣接する圧電体22とが一つのアクチュエータ部24を構成している。アクチュエータ部24では、活性部P2と不活性部Q2との協働により、内部電極23A,23Bに電圧が印加されたときに撓み変位が発生する。この圧電装置20では、上下に隣接するアクチュエータ部24A,24Bにおいて、活性部P2と不活性部Q2との配置が互いに反転しており、上方に向かう撓み変位と、下方に向かう撓み変位とが交互に発生する(図7参照)。
また、アクチュエータ部24,24間に存在する圧電体22には、スリット(応力緩和部)25がそれぞれ設けられている。スリット25は、圧電体22の前駆体である複数のグリーンシート31(図6参照)において、互いに対面する所定の領域間の焼結反応を妨げることによって、積層体21の焼結の際に同時形成される。このスリット25は、積層体21において、互い違いに形成されている。
より具体的には、上方に向かう撓み変位を発生させるアクチュエータ部24Aと、下方に向かう撓み変位を発生させるアクチュエータ部24Bとの間の圧電体22には、活性部P2の位置と対応して延在するスリット25Aが形成されており、下方に向かう撓み変位を発生させるアクチュエータ部24Bと、上方に向かう撓み変位を発生させるアクチュエータ部24Aとの間の圧電体には、積層体21の側面21a,21bのそれぞれから中央に向かって延在するスリット25Bが形成されている。
スリット25Aは、圧電体22の中央部分に位置しており、スリット25Aの縁部は、積層体21の側面21a,21bまでは到達していない状態となっている。一方、スリット25Bにおける圧電体22の中央側の縁部は、積層体21の積層方向から見てスリット25Aと一部重なり合っているが、圧電体22の中央部分までは到達していない状態となっている。
次に、上述した圧電装置20の製造方法について説明する。
図6は、圧電装置20の製造の際に作製されるグリーン積層体を示す分解斜視図である。まず、第1実施形態と同様に、圧電体22を形成するための複数枚のグリーンシート31を形成し、内部電極23A,23Bに相当する電極パターン32A,32Bを別々のグリーンシート31上にそれぞれ形成する。また、スリット25A,25Bに相当するZrOペーストパターン33A,33Bを更に別のグリーンシート31上にそれぞれ形成する。
次に、電極パターン32Aが形成されたグリーンシート31、電極パターン32Bが形成されたグリーンシート31、ZrOペーストパターン33Aが形成されたグリーンシート31、及びZrOペーストパターン33Bが形成されたグリーンシート31を所定の順序で積層する。また、パターン形成の無いグリーンシート31を保護層として最外層に積層する。これにより、グリーン積層体34が形成される。
脱バインダ処理の後、グリーン積層体34をこう鉢炉内に入れ、例えば950℃〜1000℃の温度下で2時間程度の焼成を行う。これにより、グリーンシート31、電極パターン32A,32B、及びZrOペーストパターン33A,33Bがそれぞれ焼結され、焼結体としての積層体21が得られる。このとき、ZrOペーストパターン33A,33Bが介在する領域がそのままスリット25A,25Bとなり、当該部分において、上下のグリーンシート31,31が互いに分離された状態となる。
この後、第1実施形態と同様の分極処理を行うと、図5に示した圧電装置20が完成する。
以上説明したように、圧電装置20では、積層体21の積層方向に配列されたアクチュエータ部24,24間に存在する圧電体22にスリット25が設けられている。スリット25が形成されていない場合、電圧の印加によってアクチュエータ部24を駆動させる際、上方に撓み変位を発生させるアクチュエータ部24Aと、下方に撓み変位を発生させるアクチュエータ部24Bとが互いに拘束し合い、アクチュエータ部24全体で発生する撓み変位の変位量が制限されてしまうことが考えられる。
これに対し、圧電装置20では、図7に示すように、スリット25によってアクチュエータ部24A,24B間の圧電体22、及びアクチュエータ部24B,24A間の圧電体22が分離されている分、アクチュエータ24A,24B間の撓み変位の拘束力が緩和される。したがって、アクチュエータ部24全体での撓み変位の変位量を十分に確保することができる。
このようなスリット25は、例えばZrOペーストパターン33A,33Bをグリーンシート31の所定の領域に形成し、グリーンシート31,31間の焼結反応を妨げることによって、積層体21の焼結の際に同時形成される。したがって、機械的な手法によって圧電体22に応力緩和部を形成する場合とは異なり、加工によるダメージもなく、製造工程の複雑化も回避できる。
本発明の第1実施形態に係る圧電装置の層構造を示す縦断面図である。 図1に示した圧電装置の平面図である。 図1に示した圧電装置の製造の際に作製されるグリーン積層体を示す分解斜視図である。 図1に示した圧電装置の駆動の様子を示した縦断面図である。 本発明の第2実施形態に係る圧電装置の層構造を示す縦断面図である。 図5に示した圧電装置の製造の際に作製されるグリーン積層体を示す分解斜視図である。 図5に示した圧電装置の駆動の様子を示した縦断面図である。
符号の説明
1,20…圧電装置、2,21…積層体、4,22…圧電体、5A,5B,23A,23B…内部電極、11,24…アクチュエータ部、12…非アクチュエータ部、14,34…グリーンシート、18,25…スリット(応力緩和部)、P1,P2…活性部、Q1,Q2…不活性部。

Claims (7)

  1. 複数の圧電体と、第1電極及び第2電極を含む複数の内部電極とを交互に積層し焼結してなる積層体を備え、
    前記積層体内において、前記第1電極と前記第2電極とが前記積層体の積層方向に重なり合う活性部を含んで構成される複数のアクチュエータ部が配列された圧電装置であって、
    前記アクチュエータ部間には、前記積層体の焼結の際に同時形成される応力緩和部が設けられていることを特徴とする圧電装置。
  2. 前記応力緩和部は、前記圧電体の前駆体である複数のグリーンシートにおいて、互いに対面する所定の領域間の焼結反応を妨げることによって形成されたスリットであることを特徴とする請求項1記載の圧電装置。
  3. 前記応力緩和部は、ZrO、MgO、Nb、Ta、CeO、YOの少なくとも一種を含む材料を前記所定の領域に塗布した前記グリーンシートを焼結して形成されたことを特徴とする請求項2記載の圧電装置。
  4. 前記アクチュエータ部は、前記積層体の積層方向に直交する方向に配列され、
    前記アクチュエータ部間及び前記アクチュエータ部の配列端には、前記内部電極が存在しない非アクチュエータ部がそれぞれ設けられ、
    前記応力緩和部は、前記非アクチュエータ部に設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の圧電装置。
  5. 前記応力緩和部は、前記積層体の表面に露出しないように前記非アクチュエータ部に設けられていることを特徴とする請求項4記載の圧電装置。
  6. 前記アクチュエータ部は、前記積層体の積層方向に配列され、
    前記アクチュエータ部間には、前記圧電体がそれぞれ設けられ、
    前記応力緩和部は、前記圧電体に設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の圧電装置。
  7. 前記アクチュエータ部は、前記積層体の積層方向に撓み変位を発生させることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項記載の圧電装置。
JP2007203506A 2007-08-03 2007-08-03 圧電装置 Expired - Fee Related JP5205852B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007203506A JP5205852B2 (ja) 2007-08-03 2007-08-03 圧電装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007203506A JP5205852B2 (ja) 2007-08-03 2007-08-03 圧電装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009038314A true JP2009038314A (ja) 2009-02-19
JP5205852B2 JP5205852B2 (ja) 2013-06-05

Family

ID=40439941

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007203506A Expired - Fee Related JP5205852B2 (ja) 2007-08-03 2007-08-03 圧電装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5205852B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013018278A1 (ja) 2011-08-02 2013-02-07 株式会社小糸製作所 光波長変換部材

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004106267A (ja) * 2002-09-17 2004-04-08 Brother Ind Ltd 液体圧力発生機構及びその製造方法並びに液滴噴射装置
JP2006166529A (ja) * 2004-12-03 2006-06-22 Kyocera Corp 圧電アクチュエータとそれを用いた液体吐出装置およびその駆動方法
JP2006518934A (ja) * 2003-02-24 2006-08-17 エプコス アクチエンゲゼルシャフト 電気的な多層構成部材及び層スタック
JP2007019420A (ja) * 2005-07-11 2007-01-25 Tdk Corp 積層型圧電素子
JP2007035805A (ja) * 2005-07-25 2007-02-08 Ngk Insulators Ltd 圧電/電歪デバイス
WO2007031700A1 (en) * 2005-09-16 2007-03-22 Delphi Technologies, Inc. Piezoelectric actuator

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004106267A (ja) * 2002-09-17 2004-04-08 Brother Ind Ltd 液体圧力発生機構及びその製造方法並びに液滴噴射装置
JP2006518934A (ja) * 2003-02-24 2006-08-17 エプコス アクチエンゲゼルシャフト 電気的な多層構成部材及び層スタック
JP2006166529A (ja) * 2004-12-03 2006-06-22 Kyocera Corp 圧電アクチュエータとそれを用いた液体吐出装置およびその駆動方法
JP2007019420A (ja) * 2005-07-11 2007-01-25 Tdk Corp 積層型圧電素子
JP2007035805A (ja) * 2005-07-25 2007-02-08 Ngk Insulators Ltd 圧電/電歪デバイス
WO2007031700A1 (en) * 2005-09-16 2007-03-22 Delphi Technologies, Inc. Piezoelectric actuator
JP2009508349A (ja) * 2005-09-16 2009-02-26 デルファイ・テクノロジーズ・インコーポレーテッド 圧電アクチュエータ

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013018278A1 (ja) 2011-08-02 2013-02-07 株式会社小糸製作所 光波長変換部材

Also Published As

Publication number Publication date
JP5205852B2 (ja) 2013-06-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4803039B2 (ja) 圧電アクチュエータの製造方法及び圧電アクチュエータ
JP4358220B2 (ja) 積層型圧電素子
JP5087914B2 (ja) 積層型圧電素子
JP4843948B2 (ja) 積層型圧電素子
CN111509118A (zh) 层叠型压电元件
JP2006187188A (ja) 圧電アクチュエータ及び液体吐出装置
US7211930B2 (en) Multilayer piezoelectric element
JP2005285817A (ja) 圧電素子、圧電アクチュエータ並びに圧電素子及び圧電アクチュエータの製造方法
JP5205852B2 (ja) 圧電装置
JP5429141B2 (ja) 圧電アクチュエータ及び圧電アクチュエータの製造方法
US11189777B2 (en) Multilayer piezoelectric element and vibrating device
JP5200331B2 (ja) 積層型圧電素子
JP3319413B2 (ja) 圧電アクチュエータ、圧電アクチュエータの製造方法及びインクジェットヘッド
US6844661B2 (en) Piezoelectric ceramic composition and piezoelectric actuator for ink-jet head based on use of the same
JP6708961B2 (ja) 圧電素子
JP6729100B2 (ja) 圧電素子
JP4262211B2 (ja) 圧電素子
JP5821303B2 (ja) 圧電素子及び圧電素子の製造方法
JP6747111B2 (ja) 圧電素子
JP6724609B2 (ja) 圧電素子
JP6780329B2 (ja) 圧電素子
CN103762304B (zh) 包括Sc2O3应力缓冲体的压电元件
JP5066785B2 (ja) 圧電素子
JP2023096477A (ja) 圧電素子
JP5704187B2 (ja) 圧電素子

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090303

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120607

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120619

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120817

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120911

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121122

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20121129

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130122

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130204

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160301

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees