JP2007035805A - 圧電/電歪デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】セルの充填液体に対する均一な濡れ性を実現し、液流の乱れを有効に防止して良好な吐出状態を維持すること、及びクラック等の発生を有効に防止することが可能な圧電/電歪デバイスを提供する。
【解決手段】電極1のセル側の端面Sを、電極1を挟持するように隣接する2枚の圧電/電歪層(隣接圧電/電歪層)2のセル側の端面Tよりも、内部側に引っ込んだ位置に配設されるように構成し、かつ、電極1のセル側の端面Sと、隣接圧電/電歪層2、2の電極1に接する側の内表面Vとで形成される電極端面側領域4に、少なくとも電極1のセル側の端面Sを被覆する状態でガラスを含有する絶縁層(ガラス絶縁層)5を配設する。
【選択図】図5

Description

本発明は、圧電/電歪デバイスに関する。さらに詳しくは、インクジェットヘッド等として用いられた場合、(1)セルの充填液体に対する均一な濡れ性を実現し、液流の乱れを有効に防止して良好な吐出状態を維持すること、(2)不活性領域を極く僅かな領域とすることで、圧電駆動領域を最大限に活用すること、(3)応力を緩和する領域を設けることでクラック等の発生を有効に防止すること、及び(4)簡易かつ安価とすること、がそれぞれ可能な圧電/電歪デバイスに関する。
圧電/電歪デバイスは、各種の印刷機器におけるインクジェットヘッド等として用いられている。すなわち、インクジェットヘッドは、主に、インク供給路に連通するインク室(セル)と、そのインク室に容積変化を生じさせる圧電/電歪素子とから構成され、圧電/電歪素子に駆動電圧を印加してインク室に容積変化を発生させ、インク室に設けたノズルからインクを吐出させることによって、印字、印刷を行うようになっている。特に、高性能なインクジェットヘッドを用いた印刷機器は、銀塩写真のように鮮明な画像を紙の上に再現することができることから汎用されるに至っている。
このような圧電/電歪デバイス(インクジェットヘッド)としては、例えば、電極端部の全てがセル内壁面に露出しており、その露出した端面が焼成面からなるアクチュエーター(ACT)が提案され、そのセル内壁面に絶縁膜が形成された構造が提案されている(特願2004−278562号明細書参照)。
しかしながら、特願2004−278562号明細書に提案された圧電/電歪デバイス(インクジェットヘッド)の場合、積層・焼成して形成された電極の端部は露出した状態であり、この電極端部の絶縁が必要となる。この場合、微細なセル内部を欠陥なく処理するためには非常に高度な技術を要することがわかった。すなわち、特願2004−278562号明細書に提案された圧電/電歪デバイス(インクジェットヘッド)の場合、露出した電極端部を絶縁する方法として、例えば、めっき法、電気泳動法、CVD法、ディッピング法等を用いて絶縁膜(絶縁酸化膜や絶縁樹脂膜等)を付加する方法を試みたが、何れの方法の場合も、安定して欠陥のない絶縁膜を得るには十分な手法ではなかった。例えば、めっき法、電気泳動法、ディッピング法の場合、共通してセル内部に膜形成材料を注入する必要があるが、その注入は、連通孔を通して行わなければならず、セル内部に十分な膜形成材料を安定して行き渡らせることは極めて困難であるという問題があった。さらに、電気泳動法やめっき法では、膜形成材料からなる溶液を循環させる必要があるため、そうした機構を設ける必要がある上に、その液粘度も比較的低粘度のものしか適さず、適用可能な材料範囲が制約されるという問題もあった。一方、ガス(気体)による膜形成法であるCVD法でも、微細なセル空間に対する適正な成膜条件が見い出せないという問題があった。
上述のように、コストの点から、圧電/電歪デバイス焼成後の後処理を必要とせずに、圧電/電歪デバイスを焼成し終えた時点で絶縁層が形成され、簡易かつ安価であること、及び内部に充填されるインク等の液の流れに乱れを生じさせる原因となる、異なる表面状態を持つ絶縁膜の表面積を最小限に留めること(セル内壁のほぼ全てをセラミックスで構成することを可能とすること)等を実現して、セル内部の液体の流れをスムーズにすることが可能であるとともに、良好な吐出状態を維持することが可能であることが要請されている。また、不活性領域の占める割合が増すと、ACTの発生する変位が減り、その結果インクを押し出すための容積変化が少なくなり、所定量の液量を飛ばすことができなくなる。これを補うべくインク室の容積を増やすためには、インク室内の幅や長さ寸法の拡大、あるいは変位拡大のための活性層数増という対策が必要となる。より高密度化するインクジェットヘッドの用途においては、圧電/電歪デバイスの設計寸法は極力小さくすることが求められており、効率的に変位を発生できる構造が求められている。例えば、変位拡大のために活性層数増とすると、工数増と積層の難易度を上げるだけでなく、構造的な剛性低下を招くことになり好ましくないため、圧電駆動領域を最大限に活用することが要請されている。さらに、液体が充填される内壁側においては、クラックの発生が、すなわち絶縁の欠陥を生じることになるため、クラック等の発生を防止することが要請されている。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、インクジェットヘッド等として用いられた場合、(1)セルの充填液体に対する均一な濡れ性を実現し、液流の乱れを有効に防止して良好な吐出状態を維持すること、(2)不活性領域を極く僅かな領域とすることで、圧電駆動領域を最大限に活用すること、(3)応力を緩和する領域を設けることでクラック等の発生を有効に防止すること、及び(4)簡易かつ安価とすること、がそれぞれ可能な圧電/電歪デバイスを提供することを目的とする。
本発明は上述の目的を達成するためになされたものであり、本発明によって、以下の圧電/電歪デバイスが提供される。
[1]連通孔を有する基板と、前記基板上に配設された駆動部とを備え、前記駆動部が、側壁、及び前記側壁とともに前記基板の連通孔から外部に連通するセルを形成するように、隣接する前記側壁の上部間を接続する天井壁から構成されてなり、前記側壁が、膜状の電極と圧電/電歪層とが交互に複数層それぞれ積層された圧電/電歪素子から構成され、前記圧電/電歪素子の電界誘起歪みに基づく伸縮変位により前記セルの容積を変化させることが可能な圧電/電歪デバイスであって、前記電極の前記セル内壁側の端面が、前記電極を挟持するように隣接する2枚の前記圧電/電歪層(隣接圧電/電歪層)の前記セル内壁側の端面よりも、内部側に引っ込んだ位置に配設されるように構成されてなり、かつ、前記電極の前記セル内壁側の端面と、前記隣接圧電/電歪層の前記電極に接する側の内表面とで形成される電極端面側領域に、少なくとも前記電極の前記セル内壁側の端面を被覆する状態でガラスを含有する絶縁層(ガラス絶縁層)が配設されてなることを特徴とする圧電/電歪デバイス。
[2]前記電極端面側領域を構成する前記隣接圧電/電歪層の前記電極と接する側の内表面が、焼成されたままの状態の表面(焼成面)である前記[1]に記載の圧電/電歪デバイス。
[3]前記電極端面側領域に配設された前記ガラス絶縁層及び前記電極の端面を含む部分(電極端部)が、前記電極及び前記圧電/電歪層の積層方向に切断された場合、前記ガラス絶縁層の一部である第1のガラス絶縁層、前記電極端部及び前記ガラス絶縁層の他の一部である第2のガラス絶縁層の3層が切断されることになる構造の緩衝構造部分を有してなる前記[1]又は[2]に記載の圧電/電歪デバイス。
[4]前記緩衝構造部分が、前記3層のみが切断され、気泡又は空気層が切断されることにはならない構造に形成されてなる前記[3]に記載の圧電/電歪デバイス。
[5]前記緩衝構造部分の形成長さ(Wg)が、前記電極の厚さ(d)に対して、0<Wg<5dの関係を満たす前記[3]又は[4]に記載の圧電/電歪デバイス。
本発明によって、インクジェットヘッド等として用いられた場合、(1)セルの充填液体に対する均一な濡れ性を実現し、液流の乱れを有効に防止して良好な吐出状態を維持すること、(2)不活性領域を極く僅かな領域とすることで、圧電駆動領域を最大限に活用すること、(3)応力を緩和する領域を設けることでクラック等の発生を有効に防止すること、及び(4)簡易かつ安価とすること、がそれぞれ可能な圧電/電歪デバイスが提供される。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。図1は、本発明の圧電/電歪デバイスの一の実施の形態を模式的に示す斜視図である。図2は、本発明に用いられる圧電/電歪素子の一例を模式的に示す斜視図である。図3は、図2に示された圧電/電歪素子をA−A線で切断した場合の形状を模式的に示す一部断面図である。図4は、図3に示されたものとは異なる形状の他の圧電/電歪素子を同様に切断した場合の形状を模式的に示す一部断面図である。なお、図4に示された圧電/電歪素子は、予めオフセットした形態の電極と隣接圧電層とを挟持するように他の電極と隣接圧電層とが積層されている。図5(a)は、図3おけるB部を拡大した一部拡大図である(ガラス絶縁層が配設された緩衝構造部分を示す)。図5(b)は、図5(a)に示された緩衝構造部分における電界誘起歪みの発生力と位置との関係を模式的に示すグラフである。図6は、図3おけるB部を拡大した一部拡大図である(ガラス絶縁層が配設されない場合の電極端面側領域を示す)。
図1〜6に示すように、本実施の形態の圧電/電歪デバイスは、連通孔21を有する基板20と、基板20上に配設された駆動部30とを備え、駆動部30が、側壁31、及び側壁31とともに基板20の連通孔21から外部に連通するセル40を形成するように、隣接する側壁31の上部間を接続する天井壁31から構成されてなり、側壁31が、膜状の電極1と圧電/電歪層2とが交互に複数層それぞれ積層された圧電/電歪素子10から構成され、圧電/電歪素子10の電界誘起歪みに基づく伸縮変位によりセル40の容積を変化させることが可能な圧電/電歪デバイス100であって、図3に示すように、電極1のセル40内壁側の端面Sが、電極1を挟持するように隣接する2枚の圧電/電歪層(隣接圧電/電歪層)2のセル40内壁側の端面Tよりも、内部側に引っ込んだ位置に配設されるように構成されてなり、かつ、電極1のセル40内壁側の端面Sと、隣接圧電/電歪層2の電極1に接する側の内表面Vとで形成される電極端面側領域4に、少なくとも電極1のセル40内壁側の端面Sを被覆する状態でガラスを含有する絶縁層(ガラス絶縁層)5が配設されてなることを特徴とするものである。なお、電極1は、シグナル(Sig)とグランド(GND)とが交互に積層されている。
このように構成することによって、インクジェットヘッド等の圧電/電歪デバイスとして用いられた場合、セルの充填液体に対する均一な濡れ性を実現し、液流の乱れを有効に防止して良好な吐出状態を維持することができる。また、後述するように、クラック等の発生を有効に防止すること、及び簡易かつ安価とすることができる。
また、本実施の形態における圧電/電歪素子は、図5(a)に示すように、電極1の端面Sと、隣接圧電/電歪層2(図5(a)参照)の電極1に接する側の内表面Vとで形成される電極端面側領域4(図6参照)に、少なくとも電極1の端面Sを被覆する状態でガラスを含有する絶縁層(ガラス絶縁層)5が配設されてなることを特徴とするものである。このように構成することによって、クラック等の発生を有効に防止して圧電駆動領域を最大限に活用することができる。
本実施の形態においては、電極端面側領域4を構成する隣接圧電/電歪層2の電極1と接する側の内表面Vが、焼成されたままの状態の表面(焼成面)であることが、後加工を必要とせず、クラック等の機械的な破壊要因とならないことから好ましい。
また、電極端面側領域4に配設されたガラス絶縁層5及び電極1の端面Sを含む部分(電極端部)1a(図5(a)参照)が、電極1及び圧電/電歪層2の積層方向X(図2参照)に切断された場合、ガラス絶縁層5の一部である第1のガラス絶縁層5a、電極端部1a及びガラス絶縁層5の他の一部である第2のガラス絶縁層5bの3層が切断されることになる構造の緩衝構造部分6を有してなることがクラック等の機械的な破壊をさらに有効に防止することができることから好ましい。すなわち、図5(b)に示すように、緩衝構造部分6における電界誘起歪みの発生力は、緩やかに段階的に変化させることができるため、応力を分散させる効果を得ることができる。図7(a)に示すような緩衝構造部分6を持たないオフセット型デバイスの場合には、図7(b)に示すように電極端部境界において1点集中的に電界誘起歪みの発生力の変化が生じるために、その境界付近でクラック等の不具合が生じ易いことになる。
また、緩衝構造部分6が、3層のみが切断され、気泡又は空気層が切断されることにはならない構造(気泡又は空気層を含まない構造)に形成されてなることが、クラック等の機械的な破壊をさらに有効に防止することができることから好ましい。
また、緩衝構造部分6の形成長さ(Wg)は、電極1の厚さ(d)に対して、0<Wg<5dの関係を満たすことがさらに好ましく、0.2d<Wg<2dの関係を満たすことが特に好ましい。
図5(a)に示すように、緩衝構造部分においては、電極1と圧電/電歪層2との間に圧電材料(電極1及び圧電/電歪層2)より誘電率が低いガラス絶縁層5が段階的に厚さを変えて形成されており、圧電/電歪層に掛かる電界強度が段階的に低下するため、この部分がオフセット電極型のように圧電材料で満たされる場合よりも圧電誘起歪みの発生力を緩やかに減衰させることができる。オフセット電極型においては電極端部で歪みの減衰が急激であり、この点に応力が集中するためにクラック等が生じ易かったが、本発明の場合は、応力を分散させる(緩和する)ことができるため、クラック等の発生を有効に防止することができる。また、この応力緩和に寄与する部分に空気層(空間)が大きく存在すると、誘電率の変化に不均一な部分を生じるため好ましくない。このガラス絶縁層5からなる応力緩和に寄与する部分はある程度長く存在する方が応力緩和の面からは有効であるが、長すぎると電極1と圧電/電歪層2との界面強度の低下をもたらすことなる。このことは、過剰なガラス材の添加をも意味するため、この緩和部分の寸法範囲の設定は、ガラス材の添加量の既定を同時に意味するものでもある。従って、最大寸法とは、最大添加量を意味するとともに、電極−圧電/電歪層の界面密着強度の低下をもたらすことのない最大の寸法を意味する。
このように絶縁効果を得るガラス絶縁層5の形成部分を、電極端面側領域4にのみ形成することで、セル40内壁へのガラス面の露出を最小限とすることができる。これによりセル40内壁はほぼ圧電/電歪層2としてのセラミックスにより全面が構成されることになる。さらに、機械加工等を経ることなしに焼成面とされることから、よりセル40内面の状態を一定に確保することができ、中を流れる吐出液体の乱流を防止すると同時に、液充填時には内部への気泡の残留をも防止することができる。
本発明における「圧電/電歪デバイス」の概念は、狭義の意味における、印加電界によって誘起される歪みを利用する(印加電界に概ね比例した歪み量を発生する圧電効果を利用する)圧電/電歪デバイスの概念のみに限定されるものではなく、印加電界の二乗に概ね比例した歪み量を発生する電歪効果を利用する圧電/電歪デバイス、強誘電体材料全般に見られる分極反転、反強誘電体材料に見られる反強誘電相−強誘電相転移等の現象を利用する圧電/電歪デバイス等をも含む広い概念を意味する。
本発明の圧電/電歪デバイスに用いられる圧電/電歪層(圧電体)の材料(圧電材料)としては、圧電効果又は電歪効果等の電界誘起歪みを起こすことが可能な材料であれば特に制限はないが、例えば、半導体セラミックス、強誘電体セラミックス、反強誘電体セラミックス等を挙げることができる。この場合、結晶質及び非晶質のいずれであってもよく、分極処理の必要な材料及び不必要な材料のいずれであってもよい。これらの材料を用途に応じて適宜選択することができる。
具体的には、ジルコン酸鉛、チタン酸鉛、マグネシウムニオブ酸鉛、ニッケルニオブ酸鉛、ニッケルタンタル酸鉛、亜鉛ニオブ酸鉛、マンガンニオブ酸鉛、アンチモンスズ酸鉛、マンガンタングステン酸鉛、コバルトニオブ酸鉛、マグネシウムタングステン酸鉛、マグネシウムタンタル酸鉛、チタン酸バリウム、チタン酸ナトリウムビスマス、チタン酸ビスマスネオジウム(BNT)、ニオブ酸カリウムナトリウム、タンタル酸ストロンチウムビスマス、銅タングステンバリウム、鉄酸ビスマス等の酸化物、又はこれらの酸化物の2種以上からなる複合酸化物を挙げることができる。これらの材料には、ランタン、カルシウム、ストロンチウム、モリブデン、タングステン、バリウム、ニオブ、亜鉛、ニッケル、マンガン、セリウム、カドミウム、クロム、コバルト、アンチモン、鉄、イットリウム、タンタル、リチウム、ビスマス、スズ、銅等の酸化物が固溶されていてもよい。
また、上述の酸化物又は複合酸化物に、ビスマス酸リチウム、ゲルマン酸鉛等を添加した圧電材料、例えば、ジルコン酸鉛、チタン酸鉛、及びマグネシウムニオブ酸鉛の複合酸化物に、ビスマス酸リチウム又はゲルマン酸鉛を添加した圧電材料は、圧電体の低温焼成を実現しつつ高い材料特性を発現することができるので好ましい。なお、圧電材料の低温焼成化は、ガラス(例えば、珪酸塩ガラス、硼酸塩ガラス、燐酸塩ガラス、ゲルマン酸鉛ガラス、又はこれらの混合物)の添加によっても実現させることができる。ただし、過剰な添加は、材料特性の劣化を招くため、要求特性に応じて添加量を決めることが好ましい。
本発明の圧電/電歪デバイスに用いられる電極としては、例えば、駆動電極、配線電極、ダミー電極等がある。電極の材料(電極材料)としては、例えば、導電性の金属を好適例として挙げることができる。具体的には、アルミニウム、チタン、クロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、パラジウム、ロジウム、銀、スズ、タンタル、タングステン、イリジウム、白金、金、鉛等の金属単体又はこれら金属単体の2種類以上からなる合金(例えば、銀−白金、白金−パラジウム、銀−パラジウム等)を1種単独で又は2種類以上を組み合わせたものが好ましい。これらの材料と、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化セリウム、ガラス、圧電材料等との混合物、又はサーメットであってもよい。これらの材料の選定に当っては、圧電材料の種類に応じて選択することが好ましい。
本発明の圧電/電歪デバイスに用いられるガラス絶縁層の材料(ガラス絶縁層材料)としては、例えば、SiO2、PbO、B23、ZnO、MgO、Al23等を挙げることができる。
ガラス絶縁層を形成する方法としては、例えば、電極を構成することになる電極材料(例えば、Au、Pt、Ag、Pd、Cu、Mo等)中に、ガラス絶縁層を構成することになるガラス絶縁層材料(例えば、SiO2、PbO、B23、ZnO、MgO、Al23等)を予め0.5〜5質量%含有させて、各電極材料に見合う温度(例えば500〜1300℃)で焼成し、ガラス絶縁層を電極端面側領域に染み出させることによって形成することができる。
本発明の圧電/電歪デバイスを製造するに当っての重要なポイントは、非常に微細なセルの側壁を、ズレが生じることなく積み重ねること、そしてそのセルの側壁に対して、例えば、スクリーン印刷により形成される電極パターンを位置ズレなく、且つ側壁中の全面に有効に形成する必要がある点である。これを達成するためには、電極の印刷を先に行い、後から打抜き金型によりセルを形成するパンチ孔を打抜くことが好ましい。そして、それを打抜いた金型の中で位置を移動させることなく保持したまま、次のシートの打抜きを行うことが可能で、同時に先のシートと同一軸上で積み重ねていくことが可能な手法により打抜き・積層を行うことが好ましい。このようにすることによって、予め準備されるシート上の電極パターンは特にセルの側壁形状をトレースする必要がなく、セルの電極が形成されるエリアを一括してベタ形状にて形成すればよく、後の打抜き金型により各セルの形に打ち抜かれることで各セルの電極が形成されることになる。さらに、活性部となるセルの側壁部においては、各層に形成される電極の位置ズレもなく、非常に微細なセル構造でありながら、不活性部の存在しない状態の積層体を形成することが可能となる。
電極材料としては、少なくともガラス材からなる絶縁材料が予め適量添加されたものを用いることが好ましい。この時点では、積層されたセル内壁側の電極端部と、圧電/電歪層のセル内壁側の端部とは、同一面上に存在することになる。その後、連通孔が形成された基板となるシートと、セルの上蓋を形成するシートとをさらに積層して焼成前の生積層体を形成することが好ましい。その後の焼成工程を経た後には、各材料間の焼成収縮差により電極端部の位置が、その電極に隣接する圧電/電歪層の端面より引っ込んだ位置に形成され、かつ予め電極材料に混合されているガラス材が、電極の端面と、隣接圧電/電歪層の電極に接する側の内表面とで形成される電極端面側領域に主にガラス材からなる絶縁膜が形成されることになる。電極の引っ込む寸法はスケール的にもオフセット電極とするよりもはるかに短い寸法で形成できるため、不活性部分がほとんど生じず、圧電駆動領域を最大限得ることができ、構造的な駆動力の低下を抑制することができる。また、このように焼成後の状態で絶縁層が形成されることから、機械加工等による後加工を必要としないため、別途機械加工等により生じる破壊要因(クラック等)を内在させることがないため、信頼性にも優れた、簡易かつ安価な圧電/電歪デバイスを得ることができる。
ガラス絶縁層を形成する方法としては、例えば、電極を構成することになる電極材料(例えば、Au、Pt、Ag、Pd、Ag、Cu、Mo等)中に、ガラス絶縁層を構成することになるガラス絶縁層材料(例えば、SiO2、PbO、B23、ZnO、MgO、Al23等)を予め0.5〜5質量%含有させて、各電極材料に見合う温度(例えば、500〜1300℃)で焼成し、ガラス絶縁層を電極端面側領域に染み出させることによって形成することを挙げることができる。さらに具体的には、元は電極材料中に予め添加されたガラス材が、電極材料の焼成時の収縮・粒成長に伴い電極材料中の粒界の隙間から押し出される形で電極の端面(外側)へ染み出すように析出し、その染み出たガラス材が先の電極端面領域にて膜化して絶縁膜としての機能を持つようになる。その際、電極材料が焼結するのに対し、ガラス材は溶融するため、両者の端部での挙動は異なることになる。実際のSEM観察結果からも電極端部は比較的丸みを帯びた状態となるのに対し、ガラス材は溶融し流動して濡れ広がり電極材料とは反対のメニスカス形状を呈する。染み出したものが端面に膜化するため、両者の境界付近には気泡や空気層からなる空間は存在しにくく、電極とガラス材とのみにより形成される層で形成されることになる。
本発明の圧電/電歪デバイスは、例えば、インクジェットヘッドを備えた印刷機器、マイクロポンプ、微量液体の混合・反応器、遺伝子構造の解析用DNAチップの製造装置、半導体製造用の微小液滴吐出装置、各種検査用の試薬の微量投入装置等を必要とする、電子・電気、化学、食品、半導体、バイオテクノロジー、薬剤、医療等の各種産業分野で好適に利用される。
本発明の圧電/電歪デバイスの一の実施の形態を模式的に示す断面図である。 本発明に用いられる圧電/電歪素子の一例を模式的に示す斜視図である。 図2に示された圧電/電歪素子をA−A線で切断した場合の形状を模式的に示す一部断面図である。 図3に示されたものとは異なる形状の他の圧電/電歪素子を同様に切断した場合の形状を模式的に示す一部断面図である。 図5(a)は、図3におけるB部を拡大した一部拡大図であり(ガラス絶縁層が配設された緩衝構造部分を示す)、図5(b)は、図5(a)に示された緩衝構造部分における電界誘起歪みの発生力と位置との関係を模式的に示すグラフである。 図3におけるB部を拡大した一部拡大図である(ガラス絶縁層が配設されない場合の電極端面側領域を示す)。 図7(a)は、緩衝構造部分を持たないオフセット型デバイスの場合の電極端部を模式的に示す断面図であり、図7(b)は、図7(a)に示されたオフセット型デバイスの場合の電極端部における電界誘起歪みの発生力と位置との関係を模式的に示すグラフである。
符号の説明
1:電極
2:圧電/電歪層
4:電極端面側領域
5:ガラス絶縁層
5a:第1のガラス絶縁層
5b:第2のガラス絶縁層
6:緩衝構造部分
10:圧電/電歪素子
20:基板
21:連通孔
30:駆動部
31:側壁
32:天井壁
40:セル
100:圧電/電歪デバイス
S:電極の端面
T:圧電/電歪層(隣接圧電/電歪層)の端面
V:隣接圧電/電歪層の電極に接する側の内表面
d:電極の厚さ
Wg:緩衝構造部分の形成長さ。

Claims (5)

  1. 連通孔を有する基板と、前記基板上に配設された駆動部とを備え、前記駆動部が、側壁、及び前記側壁とともに前記基板の連通孔から外部に連通するセルを形成するように、隣接する前記側壁の上部間を接続する天井壁から構成されてなり、前記側壁が、膜状の電極と圧電/電歪層とが交互に複数層それぞれ積層された圧電/電歪素子から構成され、前記圧電/電歪素子の電界誘起歪みに基づく伸縮変位により前記セルの容積を変化させることが可能な圧電/電歪デバイスであって、
    前記電極の前記セル内壁側の端面が、前記電極を挟持するように隣接する2枚の前記圧電/電歪層(隣接圧電/電歪層)の前記セル内壁側の端面よりも、内部側に引っ込んだ位置に配設されるように構成されてなり、かつ、
    前記電極の前記セル内壁側の端面と、前記隣接圧電/電歪層の前記電極に接する側の内表面とで形成される電極端面側領域に、少なくとも前記電極の前記セル内壁側の端面を被覆する状態でガラスを含有する絶縁層(ガラス絶縁層)が配設されてなることを特徴とする圧電/電歪デバイス。
  2. 前記電極端面側領域を構成する前記隣接圧電/電歪層の前記電極と接する側の内表面が、焼成されたままの状態の表面(焼成面)である請求項1に記載の圧電/電歪デバイス。
  3. 前記電極端面側領域に配設された前記ガラス絶縁層及び前記電極の端面を含む部分(電極端部)が、前記電極及び前記圧電/電歪層の積層方向に切断された場合、前記ガラス絶縁層の一部である第1のガラス絶縁層、前記電極端部及び前記ガラス絶縁層の他の一部である第2のガラス絶縁層の3層が切断されることになる構造の緩衝構造部分を有してなる請求項1又は2に記載の圧電/電歪デバイス。
  4. 前記緩衝構造部分が、前記3層のみが切断され、気泡又は空気層が切断されることにはならない構造に形成されてなる請求項3に記載の圧電/電歪デバイス。
  5. 前記緩衝構造部分の形成長さ(Wg)が、前記電極の厚さ(d)に対して、0<Wg<5dの関係を満たす請求項3又は4に記載の圧電/電歪デバイス。
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