JP2009037696A - インプリント方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】スタンパの塑性変形を可及的に防止し、スタンパの寿命の長いインプリント方法を提供することを可能にする。
【解決手段】基板上に粘性係数が2ポアズ以上40ポアズ未満のレジストを塗布する工程と、表面に凹凸を有するスタンパを前記レジストに押圧することによって、前記スタンパの凹凸を前記レジストに転写する工程と、を備えたことを特徴とする。
【選択図】図6
【解決手段】基板上に粘性係数が2ポアズ以上40ポアズ未満のレジストを塗布する工程と、表面に凹凸を有するスタンパを前記レジストに押圧することによって、前記スタンパの凹凸を前記レジストに転写する工程と、を備えたことを特徴とする。
【選択図】図6
Description
本発明は、インプリント方法に関する。
近年のHDD(ハードディスクドライブ)のトラック密度の向上においては、隣接トラックとの干渉という問題が顕在化している。特に、記録ヘッドの磁界フリンジ効果による書きにじみの低減は重要な技術課題である。記録トラック間を物理的に分離するディスクリートトラック型パターン媒体(以下、DTR媒体ともいう)は、記録時におけるサイドイレース現象、再生時に隣接トラックの情報が混合してしまうサイドリード現象などを低減できるため、クロストラック方向の密度を高めることが可能となり、高密度な磁気記録媒体を提供できる。
DTR媒体は、HDD媒体に必要な情報(プリアンブル、アドレス、バースト)と記録トラックが媒体表面に描画されているが、これらの情報を1枚1枚描画していたのではコストの面から実用化は不可能である。そこで、HDD媒体に必要な情報がEB(電子ビーム)描画されたスタンパを作製し、このスタンパを用いて媒体表面にインプリントすることによって、媒体を作製する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。このインプリント法を用いることにより媒体の大量生産が可能となる。
米国特許第5,772,905号明細書
しかし、このインプリント法においては、スタンパの使用回数が多くなると転写されるパターンが変形するという問題があった。このパターンの変形は後述するようにスタンパが塑性変形していることに起因している。
本発明は、スタンパの塑性変形を可及的に防止し、スタンパの寿命の長いインプリント方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様によるインプリント方法は、基板上に粘性係数が2ポアズ以上40ポアズ未満のレジストを塗布する工程と、表面に凹凸を有するスタンパを前記レジストに押圧することによって、前記スタンパの凹凸を前記レジストに転写する工程と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、スタンパの塑性変形を可及的に抑制することが可能となり、スタンパの寿命が長いインプリント方法を提供することができる。
本発明の実施形態を説明する前に、本発明に至った経緯について説明する。
インプリント法は、Niスタンパをレジストにプレスすることによってパターンの転写を行うが、通常は約30MPa〜180MPaの圧力を印加することにより行う。一方、電鋳法で作製するNiスタンパの降伏点は150MPa〜200MPaであり、この降伏点は、インプリント時に印加する圧力とほぼ等しい。このため、スタンパの使用回数が多くなると転写されるパターンが変形するのは、Niスタンパが変形しているからではないかと本発明者達は考えた。
そこで、本発明者達は、178MPaの圧力で1000回のインプリントを行った。すると、インプリント前のNiスタンパの凹凸高さは85nmであったのが、1000回インプリントした後のNiスタンパの凹凸高さは80nmであり、5nm高さが低くなっていた。
本発明者達は、Niスタンパの塑性変形の原因を探るため、有限要素法のソフトANSYSを用いてNiスタンパの塑性変形シミュレーションを行った。すると、スタンパの凹凸の先端部に非常に大きな圧力がかかることが判った。スタンパの凹凸の先端部が受ける圧力は、インプリントの際のレジストの変形抵抗で決まり、この変形抵抗はレジストの粘性係数とプレスの降下速度で決まる。そこで、レジストの粘性抵抗とプレスの降下速度を規定することで、Niスタンパに塑性変形が生じないインプリント方法が可能になると本発明者達は考えた。
次に、本発明の一実施形態によるインプリント方法を説明する。
インプリントに関しては、例えば、特開P2006−100723号公報に詳しく記載されているが、簡単に説明する。油圧プレス装置にダイセットを組み込み、ダイセット中央部に表面研磨された金型を設置する。金型上に例えば1.8インチ径のHDD用垂直記録膜上にレジストを100nm程度の膜厚で塗布したものをセットし、Niスタンパ、必要な場合はバッファを載せ、金型で挟み込むようにプレスする。プレス圧力30tonの場合、1.8インチ全面では178MPaの圧力を印加できる。油圧プレスは圧力印加動力源であるから、他の動力源でも良い。例えばサーボモータを用いたサーボプレスは、油圧のミストが発生しないため、クリーンルーム環境下で用いる際には好ましい。
インプリントに用いるNiスタンパは、Si基板に電子線描画用レジストを塗布し、EB描画の後に現像した原盤上に、Ni導電化処理(一般的にはNiスパッタ)を施し、メッキ装置でNi電鋳を行い、Ni電鋳膜をレジストと剥離することで得られる。
本実施形態のインプリント方法は、ディスクリートトラック型パターン媒体(以下、DTR媒体ともいう)の作成に用いられる。このDTR媒体の作製方法を、図1(a)乃至図2(c)を参照して説明する。
図1(a)に示したように、ガラス基板2上にCoZrNbからなる層厚が120nmの軟磁性層4、Ruからなる層厚20nmの配向制御用下地層6、CoCrPt−SiO2からなる層厚20nmの強磁性記録層8、C(炭素)からなる層厚4nmの保護層10を順次成膜する。保護層10上にスピンコート法で、レジストとしてSOG(Spin-On-Glass)を厚さ110nmになるように塗布しSOG層20を形成する。その後、サーボパタンが形成されたインプリントスタンパ30を用いて、インプリントを行う(図1(b))。このインプリントを行った後には、一般に図1(b)に示すように、インプリント残渣21が形成される。そこで、CF4ガスを用いて、ICP(誘導結合プラズマ)エッチング装置でインプリント残渣21を除去することにより、SOGからなるマスク20aを形成する(図1(c))。このとき、プロセスガスはCF4、チャンバー圧は2mTorr、コイルRFとプラテンRFをそれぞれ100Wとし、エッチング時間は30秒であった。
続いて、マスク20aを用いて、エッチング装置で、保護層10および強磁性記録層8をエッチングする。このとき、ECR(電子サイクロトロン共鳴)イオンガンを用いて、プロセスガスAr、マイクロ波パワー800W、加速電圧500Vで3分間エッチングすることにより、強磁性記録層8を完全に分断し、底面に下地層6の上面を露出する高さ24nmの凹部11を形成する。その後、RIE装置でCF4ガスを用いて、100mTorr、100WでSOGからなるマスク20aの剥離を行う(図1(d))。
次に、全面に、凹部を埋め込むように、非磁性の埋め込み膜12を形成する(図2(a))。続いて、ECRイオンガンを用いて非磁性の埋め込み膜12をエッチバックする(図2(b))。EプロセスガスとしてAr、マイクロ波パワーが800W、加速電圧が700Vでエッチングする。エッチバック終点検出はQ−MASS(四重極式質量分析計)を用いて、強磁性記録層8の上面のCoが検出されるまで行う(約3分間)。したがって、このエッチングによって、強磁性記録層8の上面のCからなる保護膜10は除去され、強磁性記録層8の凹部にのみ、非磁性膜12が残置される(図2(b))。
最後にCVD(化学気相堆積法)を用いて、表面にCからなる保護膜14を形成し、潤滑剤を塗布することでDTR媒体を得る(図2(c))。
次に、本実施形態のインプリント法を実施例を参照して詳細に説明する。
実施例1
垂直磁気記録媒体上にSOGを110nmの膜厚になるようにスピンコートした。凹凸の高さは80nm、凸部の幅(トラック幅方向の長さ)が60nm、凹部の幅が120nm(パタンデューティ比2:1)のL/Sパタンが形成されたNiスタンパを用いてインプリントしたところ、図3に示したような綺麗な形状でインプリントできた。この時のSOGの粘性係数は12ポアズであり、プレス圧が118MPa、プレスの降下速度が4nm/sec、1.5ton/secである。この条件で1000回インプリントした後、スタンパの凹凸を測定したところ、凹凸は80nmであり、スタンパの塑性変形が無い事が判った。なお、図3は、本実施例によってインプリントされたSOGのSEM(走査型電子顕微鏡)像を示す写真である。
垂直磁気記録媒体上にSOGを110nmの膜厚になるようにスピンコートした。凹凸の高さは80nm、凸部の幅(トラック幅方向の長さ)が60nm、凹部の幅が120nm(パタンデューティ比2:1)のL/Sパタンが形成されたNiスタンパを用いてインプリントしたところ、図3に示したような綺麗な形状でインプリントできた。この時のSOGの粘性係数は12ポアズであり、プレス圧が118MPa、プレスの降下速度が4nm/sec、1.5ton/secである。この条件で1000回インプリントした後、スタンパの凹凸を測定したところ、凹凸は80nmであり、スタンパの塑性変形が無い事が判った。なお、図3は、本実施例によってインプリントされたSOGのSEM(走査型電子顕微鏡)像を示す写真である。
本実施例の場合を有限要素法ソフトANSYSを用いてシミュレーションした。Niスタンパの凸部の先端部に200MPaの圧力負荷がかかっていると計算された。今回用いたNiスタンパの降伏点は200MPaであるため、塑性変形のギリギリの負荷であった。一方、スタンパの凹部底面に印加される圧力は80MPaと計算された。この圧力は、Ni降伏点を越えていないため、Niスタンパの塑性変形を議論する際には、凸部の先端部のみ考慮すれば良い事が判った。
比較例
垂直磁気記録媒体上にSOGを100nmの膜厚になるようにスピンコートした事以外は実施例1と同様にインプリントしたところ、図4に示したように、インプリントされるSOGの凸部中央にレジスト未充填部位が残ってしまうような形状にインプリントされた。この状態で1000回インプリントを行った後、スタンパの凹凸高さを測定したところ、凹凸75nmになっていた。このインプリント条件では、スタンパの塑性変形が生じてしまい、DTR媒体量産に適さない事が判った。なお、図4は、比較例によってインプリントされたSOGのSEM像を示す写真である。
垂直磁気記録媒体上にSOGを100nmの膜厚になるようにスピンコートした事以外は実施例1と同様にインプリントしたところ、図4に示したように、インプリントされるSOGの凸部中央にレジスト未充填部位が残ってしまうような形状にインプリントされた。この状態で1000回インプリントを行った後、スタンパの凹凸高さを測定したところ、凹凸75nmになっていた。このインプリント条件では、スタンパの塑性変形が生じてしまい、DTR媒体量産に適さない事が判った。なお、図4は、比較例によってインプリントされたSOGのSEM像を示す写真である。
比較例の場合を有限要素法ソフトANSYSを用いてシミュレーションしたところ、Niスタンパの凸部の先端部に800MPaの超高圧負荷がかかっている事が判った。実施例2で計算された値は200MPaであるため、4倍の負荷がかかっていることになる。そこで、図4で示したようなインプリント形状になるインプリント条件を鋭意検討した結果、以下に示した経験式を満たした場合に図4で示したインプリント形状になる事が判った。
Ts>[(a+b)/a]x(T−Tr) (1)
ここで、Tsはスタンパ30の凹凸高さ、Tはレジスト20の膜厚、Trはインプリント後の残渣の高さ、aはスタンパ30の凸部の幅、bはスタンパ30の凹部の幅、[(a+b)/a]はスタンパのパタンデユーティ比を表している(図5(a)、5(b)参照)。
Ts>[(a+b)/a]x(T−Tr) (1)
ここで、Tsはスタンパ30の凹凸高さ、Tはレジスト20の膜厚、Trはインプリント後の残渣の高さ、aはスタンパ30の凸部の幅、bはスタンパ30の凹部の幅、[(a+b)/a]はスタンパのパタンデユーティ比を表している(図5(a)、5(b)参照)。
よって、上記(1)式で表される設計でインプリントした場合、Niスタンパの凸部の先端部に通常の4倍の負荷がかかり、スタンパ塑性変形に繋がる。
実施例2
そこで、上の式を満たさない、すなわち下記の(2)式
Ts≦[(a+b)/a]x(T−Tr) (2)
を満たすように設計し、プレス印加圧力を59MPa〜176MPaの幅で変化させてシミュレーションしたところ、Niスタンパの凸部の先端部の負荷圧力は全ての場合で200MPa程度であった。このことは、Niスタンパが受ける反力はインプリント圧力ではなくレジストの物性値(例えばレジスト粘性係数)に依存するという事を示している。レジストには粘性があるため、スタンパの下降速度が変われば反力も変わる。つまり、最適なインプリント条件を用いればインプリント圧力によらずNiスタンパが受ける反力を降伏点以下にする事が可能となり、スタンパが塑性変形しない事が判った。
そこで、上の式を満たさない、すなわち下記の(2)式
Ts≦[(a+b)/a]x(T−Tr) (2)
を満たすように設計し、プレス印加圧力を59MPa〜176MPaの幅で変化させてシミュレーションしたところ、Niスタンパの凸部の先端部の負荷圧力は全ての場合で200MPa程度であった。このことは、Niスタンパが受ける反力はインプリント圧力ではなくレジストの物性値(例えばレジスト粘性係数)に依存するという事を示している。レジストには粘性があるため、スタンパの下降速度が変われば反力も変わる。つまり、最適なインプリント条件を用いればインプリント圧力によらずNiスタンパが受ける反力を降伏点以下にする事が可能となり、スタンパが塑性変形しない事が判った。
実施例3
SOGの粘性係数を、1.6ポアズ、2.0ポアズ、5.0ポアズ、10.0ポアズ、15.0ポアズ、20.0ポアズ、40.0ポアズと変化させて、実施例1の条件でインプリントを行った。粘性係数はSOGの溶剤を変えることで行った。この実験結果を図6に示す。図6の縦軸はNiスタンパの沈下量を示している。ある沈下量で飽和しているのは、Niスタンパが着底している状態を示している。着底状態は比較例1の状態とほぼ同じであり、スタンパ凸部先端に大きなダメージを与える。プレス降下速度4nm/sec、1.5ton/secの条件では、粘性係数が1.6ポアズ(P)では、プレス時間18秒で着底してしまい、スタンパに大きなダメージを与える。粘性係数が2ポアズ(P)程度あればNiスタンパは着底する事なく塑性変形する事はない。よって、被インプリントレジストの粘性係数は2ポアズ以上が好ましいことがわかる。
SOGの粘性係数を、1.6ポアズ、2.0ポアズ、5.0ポアズ、10.0ポアズ、15.0ポアズ、20.0ポアズ、40.0ポアズと変化させて、実施例1の条件でインプリントを行った。粘性係数はSOGの溶剤を変えることで行った。この実験結果を図6に示す。図6の縦軸はNiスタンパの沈下量を示している。ある沈下量で飽和しているのは、Niスタンパが着底している状態を示している。着底状態は比較例1の状態とほぼ同じであり、スタンパ凸部先端に大きなダメージを与える。プレス降下速度4nm/sec、1.5ton/secの条件では、粘性係数が1.6ポアズ(P)では、プレス時間18秒で着底してしまい、スタンパに大きなダメージを与える。粘性係数が2ポアズ(P)程度あればNiスタンパは着底する事なく塑性変形する事はない。よって、被インプリントレジストの粘性係数は2ポアズ以上が好ましいことがわかる。
比較例
SOGの粘度係数を40ポアズに調整して実施例1と同様の条件でインプリントしたところ、インプリント後の凹凸の高さが30nm程度しか得られなかった。明らかな転写不良であり、40ポアズ以上の高粘性レジストをインプリントするのは現実的でない事が判った。
SOGの粘度係数を40ポアズに調整して実施例1と同様の条件でインプリントしたところ、インプリント後の凹凸の高さが30nm程度しか得られなかった。明らかな転写不良であり、40ポアズ以上の高粘性レジストをインプリントするのは現実的でない事が判った。
実施例4
プレス降下速度を6nm/secに調整した事以外は実施例1と同様の条件でインプリントを行った。1000回インプリントした後にスタンパの凹凸を測定したところ、凹凸が5nm減少していた。プレス降下速度を5nm/secにしたところ、スタンパの凹凸減少は殆どなかった。よって、プレス降下速度5nm/sec以下のインプリントが好ましい事が判った。
プレス降下速度を6nm/secに調整した事以外は実施例1と同様の条件でインプリントを行った。1000回インプリントした後にスタンパの凹凸を測定したところ、凹凸が5nm減少していた。プレス降下速度を5nm/secにしたところ、スタンパの凹凸減少は殆どなかった。よって、プレス降下速度5nm/sec以下のインプリントが好ましい事が判った。
プレス速度6nm/secでNiスタンパ凸部先端部に印加される圧力を計算すると、約300MPaであった。この圧力はNiの降伏点200MPaを越えているため、塑性変形が生じたと考えられる。
実施例5
プレス加圧速度を5ton/secに調整した事以外は実施例1と同様の条件でインプリントを行った。1000回インプリントした後にスタンパの凹凸を測定したところ、凹凸が5nm減少していた。プレス加圧速度を3ton/secにしたところ、スタンパの凹凸減少は殆どなかった。よって、プレス加圧速度を3ton/sec以下のインプリントが好ましい事が判った。
プレス加圧速度を5ton/secに調整した事以外は実施例1と同様の条件でインプリントを行った。1000回インプリントした後にスタンパの凹凸を測定したところ、凹凸が5nm減少していた。プレス加圧速度を3ton/secにしたところ、スタンパの凹凸減少は殆どなかった。よって、プレス加圧速度を3ton/sec以下のインプリントが好ましい事が判った。
プレス加圧速度を5ton/secでNiスタンパの凸部先端部に印加される圧力を計算すると、約300MPaであった。この圧力はNiの降伏点200MPaを越えているため、塑性変形が生じたと考えられる。
なお、レジストの粘性係数の単位はポアズであらわされるが、1ポアズ(Poise)は、流体内に1センチメートル(cm)につき1センチメートル毎秒(cm/s)の速度勾配があるとき、その速度勾配の方向に垂直な面において速度の方向に1平方センチメートル(cm2)につき1ダイン(dyn)の力の大きさの応力が生ずる粘度と定義されている。すなわち、1ポアズ=1dyn・s/cm2=1g/cm・sとなる。
なお、本発明の一実施形態において、基板としては、例えばガラス基板、Al系合金基板、セラミック、カーボンや、酸化表面を有するSi単結晶基板、及びこれらの基板にNiP等のメッキが施されたもの等を用いることができる。ガラス基板としては、アモルファスガラス、結晶化ガラスがあり、アモルファスガラスとしては汎用のソーダライムガラス、アルミノシリケートガラスを使用できる。また、結晶化ガラスとしては、リチウム系結晶化ガラスを用いることができる。セラミック基板としては、汎用の酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化珪素などを主成分とする焼結体や、これらの繊維強化物などが使用可能である。基板としては、上記金属基板、非金属基板の表面にメッキ法やスパッタ法を用いてNiP層が形成されたものを用いることもできる。また,基板上への薄膜の形成方法として以下ではスパッタリング法のみを取り上げたが,真空蒸着法や電解メッキ法などでも同様の効果を得ることができる。
なお、本発明の一実施形態においては、軟磁性(裏打ち)層(SUL)としては、垂直磁気記録層を磁化するための磁気ヘッド、例えば単磁極ヘッドからの記録磁界を、水平方向に通して、磁気ヘッド側へ還流させるという磁気ヘッドの機能の一部を担っており、磁界の記録層に急峻で充分な垂直磁界を印加させ、記録再生効率を向上させる役目を果たし得る。
このため、軟磁性層には、Fe、Ni、Coを含む材料を用いることができる。このような材料として、FeCo系合金例えばFeCo、FeCoVなど、FeNi系合金例えばFeNi、FeNiMo、FeNiCr、FeNiSiなど、FeAl系合金、FeSi系合金例えばFeAl、FeAlSi、FeAlSiCr、FeAlSiTiRu、FeAlOなど、FeTa系合金例えばFeTa、FeTaC、FeTaNなど、FeZr系合金例えばFeZrNなどを挙げることができる。また、Feを60at%以上含有するFeAlO、FeMgO、FeTaN、FeZrN等の微結晶構造、あるいは微細な結晶粒子がマトリクス中に分散されたグラニュラー構造を有する材料を用いることができる。
また、軟磁性層の他の材料として、Coと、Zr、Hf、Nb、Ta、Ti、及びYのうち少なくとも1種とを含有するCo合金を用いることができる。Coは、好ましくは80at%以上含まれる。このようなCo合金は、スパッタ法により製膜した場合にアモルファス層が形成されやすく、アモルファス軟磁性材料は、結晶磁気異方性、結晶欠陥および粒界がないため、非常に優れた軟磁性を示す。また、このアモルファス軟磁性材料を用いることにより、媒体の低ノイズ化を図ることができる。好適なアモルファス軟磁性材料としては、例えばCoZr、CoZrNb、及びCoZrTa系合金などを挙げることができる。
軟磁性層の下には、軟磁性層の結晶性の向上あるいは基板との密着性の向上のためにさらに下地層を設けることができる。下地層材料としては、Ti、Ta、W、Cr、Pt、あるいはこれらを含む合金、あるいはこれらの酸化物、窒化物を用いることができる。SULと記録層との間には、非磁性体からなる中間層を設けることができる。中間層の役割は、SULと記録層との交換結合相互作用を遮断することと、記録層の結晶性を制御することの二つがある。中間層材料としては、Ru、Pt、Pd、W、Ti、Ta、Cr、Si、あるいはこれらを含む合金、あるいはこれらの酸化物、窒化物を用いることができる。スパイクノイズ防止のためにSUL層を複数の層に分け0.5nm〜1.5nmのRuを挿入することで反強磁性結合させても良い。また、CoCrPtやSmCo、FePt等の面内異方性を持った硬磁性膜、あるいはIrMn、PtMn等の反強磁性体からなるピンニング層と軟磁性層とを交換結合させても良い。その際に、交換結合力を制御するために、Ru層の前後に磁性(例えばCo)あるいは非磁性の膜(例えばPt)を積層させても良い。
また、本発明の一実施形態において、垂直磁気記録層としては、Coを主成分とするとともに少なくともPtを含み、さらに酸化物を含んだ材料からなり、この酸化物としては、特に酸化シリコン,酸化チタンが好適である。垂直磁気記録層は、層中に磁性粒子(磁性を有する結晶粒子)が分散していることが好ましい。この磁性粒子は、垂直磁気記録層を上下に貫いた柱状構造であることが好ましい。このような構造を形成することにより、垂直磁気記録層の磁性粒子の配向および結晶性を良好なものとし、結果として高密度記録に適した信号/ノイズ比(S/N比)が得ることができる。
このような構造を得るためには、含有させる酸化物の量が重要となる。酸化物の含有量は、Co、Cr、Ptの総量に対して、3mol%以上12mol%以下であることが好ましい。さらに好ましくは5mol%以上10mol%以下である。垂直磁気記録層中の酸化物の含有量として上記範囲が好ましいのは、層を形成した際、磁性粒子の周りに酸化物が析出し、磁性粒子の孤立化、微細化をすることができるためである。酸化物の含有量が12mol%を超えた場合、酸化物が磁性粒子中に残留し、磁性粒子の配向性、結晶性を損ね、さらには、磁性粒子の上下に酸化物が析出し、結果として磁性粒子が垂直磁気記録層を上下に貫いた柱状構造が形成されなくなるため好ましくない。また、酸化物の含有量が3mol%未満である場合、磁性粒子の分離、微細化が不十分となり、結果として記録再生時におけるノイズが増大し、高密度記録に適した信号/ノイズ比(S/N比)が得られなくなるため好ましくない。
垂直磁気記録層のCrの含有量は、0at%以上16at%以下であることが好ましい。さらに好ましくは10at%以上14at%以下である。Cr含有量が上記範囲であるのは、磁性粒子の一軸結晶磁気異方性定数Kuを下げすぎず、また、高い磁化を維持し、結果として高密度記録に適した記録再生特性と十分な熱揺らぎ特性が得られるために好適だからである。Cr含有量が16at%を超えた場合、磁性粒子のKuが小さくなるため熱揺らぎ特性が悪化し、また、磁性粒子の結晶性、配向性が悪化することで、結果として記録再生特性が悪くなるため好ましくない。
垂直磁気記録層のPtの含有量は、10at%以上25at%以下であることが好ましい。Pt含有量が上記範囲であるのは、垂直磁性層に必要なKuを得、さらに磁性粒子の結晶性、配向性が良好であり、結果として高密度記録に適した熱揺らぎ特性、記録再生特性が得られるため、好適だからである。Pt含有量が25at%を超えた場合、磁性粒子中にfcc構造の層が形成され、結晶性、配向性が損なわれるおそれがあるため好ましくない。また、Pt含有量が10at%未満である場合、高密度記録に適した熱揺らぎ特性を得るためのKuが得られないため好ましくない。
垂直磁気記録層は、Co、Cr、Pt、酸化物のほかに、B、Ta、Mo、Cu、Nd、W、Nb、Sm、Tb、Ru、Reから選ばれる1種類以上の元素を含むことができる。上記元素を含む事により、磁性粒子の微細化を促進、あるいは結晶性や配向性を向上させることができ、より高密度記録に適した記録再生特性、熱揺らぎ特性を得ることができる。上記元素の合計の含有量は、8at%以下であることが好ましい。8at%を超えた場合、磁性粒子中にhcp相以外の相が形成されるため、磁性粒子の結晶性、配向性が乱れ、結果として高密度記録に適した記録再生特性、熱揺らぎ特性が得られないため好ましくない。
また、垂直磁気記録層としては、上記の他、CoPt系合金、CoCr系合金、CoPtCr系合金、CoPtO、CoPtCrO、CoPtSi、CoPtCrSi,およびPt、Pd、Rh、およびRuからなる群より選択された少なくとも一種を主成分とする合金とCoとの多層構造、さらに、これらにCr、BおよびOを添加したCoCr/PtCr、CoB/PdB、CoO/RhOなどを使用することができる。垂直磁気記録層の厚さは、好ましくは5nmないし60nm、より好ましくは10nmないし40nmである。この範囲であると、より高記録密度に適した磁気記録再生装置として動作し得る。垂直磁気記録層の厚さが5nm未満であると、再生出力が低過ぎてノイズ成分の方が高くなる傾向があり、垂直磁気記録層の厚さが40nmを超えると、再生出力が高過ぎて波形を歪ませる傾向がある。垂直磁気記録層の保磁力は、237000A/m(3000Oe)以上とすることが好ましい。保磁力が237000A/m(3000Oe)未満であると、熱揺らぎ耐性が劣る傾向がある。垂直磁気記録層の垂直角型比は、0.8以上であることが好ましい。垂直角型比が0.8未満であると、熱揺らぎ耐性に劣る傾向がある。
2 ガラス基板
4 軟磁性層
6 配向制御用下地層
8 強磁性記録層
10 保護層
11 凹部
12 非磁性埋め込み膜
14 保護膜
20 SOG層
20a マスク
21 インプリント残渣
4 軟磁性層
6 配向制御用下地層
8 強磁性記録層
10 保護層
11 凹部
12 非磁性埋め込み膜
14 保護膜
20 SOG層
20a マスク
21 インプリント残渣
Claims (5)
- 基板上に粘性係数が2ポアズ以上40ポアズ未満のレジストを塗布する工程と、
表面に凹凸を有するスタンパを前記レジストに押圧することによって、前記スタンパの凹凸を前記レジストに転写する工程と、
を備えたことを特徴とするインプリント方法。 - 前記スタンパの先端部が前記レジストに触れてから、5nm/sec以下の降下速度で前記スタンパを押圧することを特徴とする請求項1記載のインプリント方法。
- 前記スタンパの先端部が前記レジストに触れてから、3ton/sec以下の加圧速度で前記スタンパを押圧することを特徴とする請求項1または2記載のインプリント方法。
- Tsを前記スタンパの凹凸高さ、Tを前記レジストの膜厚、Trをインプリント後の前記レジストの残渣の高さ、aを前記スタンパの凸部の幅、bを前記スタンパの凹部の幅とするとき、
Ts≦[(a+b)/a]x(T−Tr)
の条件を満たしていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のインプリント方法。 - 前記基板と前記レジストとの間に記録用磁性層が設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のインプリント方法。
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2007
- 2007-08-02 JP JP2007201664A patent/JP2009037696A/ja active Pending
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