JP2009036369A - 自動変速機の潤滑油供給装置 - Google Patents

自動変速機の潤滑油供給装置 Download PDF

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Abstract

【課題】自動変速機のコンパクト化を容易にし、クラッチヘの潤滑油の供給経路を潤滑油供給孔の穿設に頼ることのないこと。
【解決手段】自動変速機の内部に配設したクラッチ30に対して潤滑油を供給する自動変速機の潤滑油供給装置において、ピニオンシャフト4をキャリヤ3と共に取付ける略環状のキャリヤカバー41の壁部41a及びピニオンシャフト4の軸方向に延びたキャリヤカバー41の基部41b及びキャリヤカバー41の基部41bに連結したクラッチハブ33の一部の内方向の端部33aによって、キャリヤカバー41に潤滑油を受ける入力軸1の軸方向に開口する周方向の油受部40を形成したものである。
【選択図】図2

Description

本発明は、自動変速機を構成するプラネタリギヤ及びクラッチヘの潤滑油機構を備えた自動変速機の潤滑油供給装置に関し、特に、そのプラネタリギヤ及びクラッチに対し内周側から潤滑油を供給する自動変速機の潤滑油供給装置に関するものである。
従来の自動変速機の潤滑油供給装置としては、特許文献1で公知である。
特許文献1には、入力軸(12)(なお、ここで( )内の数字は特許文献1に記載の図面の構成部品を示すものである)の回転による遠心力で、潤滑油の一部が入力軸(12)に形成された油孔(12a)から、第1サンギヤ(22)の油孔(22a)に供給さ、第1サンギヤ(22)の回転により支持壁(44)に形成された内側径方向穴(50)へ供給され、次いで、ピニオンシャフト(32)、ピニオンシャフト(68)の径方向穴(52)から軸方向穴(54)へ供給され、そして、ピニオンシャフト(32)、ピニオンシャフト(68)の軸方向穴(54)から導入された潤滑油は、そのピニオンシャフト(32)、ピニオンシャフト(68)に形成されたピニオンシャフト(32)、ピニオンシャフト(68)の外周面に導かれる。また、支持壁(44)とリングギヤフランジ(88)との間からも潤滑油供給孔(86)に潤滑油が供給される。
このような構成によれば、潤滑油供給孔(86)に供給された潤滑油は、拡径部(86a)の形状に沿って広がりつつ外周側に供給されるので、クラッチピストン(84)側の内向摩擦板(82)やクラッチピストン(84)から離隔した内向摩擦板(82)にも潤滑油が供給されるものである。
特開2006−250253
ところが、特許文献1の技術は、潤滑油供給孔(86)を第1サンギヤ(22)の外周面に開口する拡径部(86a)と、その拡径部(86a)と第1サンギヤ(22)の内周面とを連通し、拡径部(86a)よりも小径の径方向穴(52)とから構成し、第1サンギヤ(22)の外周側の広い範囲に潤滑油が供給され、また、潤滑油供給孔(86)は拡径部(86a)以外は、それよりも小径とされていることから、自動変速機をコンパクト化しようとした場合、クラッチハブの内径側に、当該クラッチのキャンセル油室や当該クラッチのピストンを押し戻すリターンスプリング等を配置した場合、クラッチヘの潤滑油を供給する潤滑油供給経路を確保することは困難である。
そこで、この発明はかかる不具合を解決するためになされたもので、自動変速機のコンパクト化を容易にし、クラッチ等の機構部分ヘの潤滑油の供給経路を潤滑油供給孔の穿設に頼ることなく給油自在な自動変速機の潤滑油供給装置の提供を目的とするものである。
請求項1にかかる自動変速機の潤滑油供給装置は、自動変速機の内部に配設され、前記自動変速機における入力軸の軸長方向の移動を規制してなるワッシャに対して潤滑油を供給する自動変速機の潤滑油供給装置において、前記ワッシャが、前記自動変速機の入力軸の径方向から遠心力で飛ばされる潤滑油を受ける油受部と、前記油受部で受け取った潤滑油を前記ワッシャの前記軸方向の端面のスラスト面に導く案内路とを具備するものである。
ここで、上記ワッシャとは、環状または略環状を呈し、自動変速機の内部に配設され、前記自動変速機における特定の機構が入力軸の軸長方向に移動するのを規制するものであり、その接触側のスラスト面には潤滑油が供給されるものである。
また、上記油受部は、自動変速機の入力軸の径方向に遠心力で飛ばされる潤滑油を受けるものであり、案内路側を除き遠心力で飛ばされる潤滑油を受ける収容部分を形成するものである。そして、上記案内路は、油受部で受け取った潤滑油を前記ワッシャの前記軸方向の端面のスラスト面に導くものである。
請求項2にかかる自動変速機の潤滑油供給装置は、内部に配設したクラッチプレート及びクラッチディスクを有するクラッチに対して潤滑油を供給する自動変速機の入力軸の軸長方向に配設したプラネタリギヤのピニオンシャフトを取付ける略環状のキャリヤカバーの前記入力軸の径方向に形成した潤滑油を受ける油受部、及び前記油受けで受け取った潤滑油を前記軸方向の端面のスラスト面に導く案内路を有し、前記自動変速機における入力軸の軸長方向の移動を規制するワッシャを具備し、前記入力軸の周囲に配設したクラッチドラムの潤滑油孔から供給される潤滑油を、キャンセルプレートの潤滑油溝から前記油受部に対して、その途中の介在物を介すことなく供給するものである。
ここで、上記給油対象のクラッチは、自動変速機の内部に配設された1枚以上のクラッチプレート及びクラッチディスクからなるものであればよい。また、上記ピニオンシャフトとは、複数段の自動変速機の場合には、何れのプラネタリギヤのピニオンシャフトであっても適用できる。そして、上記ピニオンシャフトの径方向に延びたキャリヤカバーの壁部及び前記ピニオンシャフトの軸方向に延びた基部とは、キャリヤカバーの内周側の断面形状が略L字形状、略半U字形状(略J字形状)になればよい。
更に、上記ワッシャは、前記キャリヤカバーの前記入力軸の径方向に形成した潤滑油を受ける油受部と、前記油受けで受け取った潤滑油を前記軸方向の端面のスラスト面に導く案内路とを有し、前記自動変速機における入力軸の軸長方向の移動を規制するものである。
また、上記油受部は、自動変速機の入力軸の径方向に遠心力で飛ばされる潤滑油を受けるものであり、案内路側を除き遠心力で飛ばされる潤滑油を受ける収容部を形成するものであればよい。そして、上記案内路は、油受部で受け取った潤滑油を前記ワッシャの前記軸方向のスラスト面に導くものであればよい。
加えて、前記入力軸の周囲に配設したクラッチドラムの潤滑油孔から供給される潤滑油を、前記キャンセルプレートの潤滑油溝から前記油受部に対して、その途中の介在物を介すことなく供給するものであり、途中の介在物のないこととは、目詰まりを発生する等の部品の存在がないことを示すものである。
請求項3にかかる自動変速機の潤滑油供給装置の前記ワッシャには、前記径方向に延びる溝を形成してなるものである。
ここで、前記ワッシャの前記径方向に延びる溝とは、前記ワッシャで潤滑油の流れを遮断することなく、外周部位置にあるクラッチ等の機構部分に潤滑油を送るものである。
請求項4にかかる自動変速機の潤滑油供給装置における前記ワッシャの前記軸方向の端面に導く案内路には、前記径方向に延びる面に段差を設け、当該段差をオーバーフローした潤滑油のみが、前記ワッシャの前記軸方向端面のスラスト面に導かれるものである。
ここで、前記径方向に延びる面に段差をオーバーフローした潤滑油のみが、前記ワッシャの前記軸方向端面のスラスト面に導かれるとは、前記段差をオーバーフローするまでは、潤滑油の一部を除き、前記ワッシャの前記軸方向のスラスト面に潤滑油を導かないことであり、このときには、他の機構部分に潤滑油を供給するものである。
請求項5にかかる自動変速機の潤滑油供給装置の前記ワッシャの前記油受部は、前記油受部の反対側で前記クラッチのクラッチハブと係合するものである。
ここで、前記ワッシャの前記油受部の反対側で前記クラッチハブと係合するとは、前記油受部の反対側で前記クラッチハブの切り欠きまたは外周と係合し、容易に外れない状態を維持できればよい。
請求項6にかかる自動変速機の内部に配設したクラッチに対する潤滑油を供給する自動変速機の潤滑油供給装置は、自動変速機を構成するピニオンシャフトの両端を取付けるキャリヤ及びキャリヤカバーを有し、前記キャリヤカバーの壁部及び前記ピニオンシャフトの軸方向に延びた前記キャリヤカバーの基部及び前記基部に連結したクラッチハブの一部の内周面の端部によって、前記自動変速機の前記入力軸の軸長方向に、かつ、周方向に開口する油受部を形成したものである。そして、前記クラッチハブの内周面に前記油受部の前記潤滑油をクラッチ方向に供給する切り欠きを配設したものである。
ここで、上記給油対象のクラッチは、自動変速機の内部に配設された1枚以上のクラッチプレート及びクラッチディスクからなるものであればよい。また、上記ピニオンシャフトとは、複数段の自動変速機の場合には、何れのプラネタリギヤのピニオンシャフトであっても適用できる。そして、上記ピニオンシャフトの径方向に延びたキャリヤカバーの壁部及び前記ピニオンシャフトの軸方向に延びた基部とは、キャリヤカバーの内周側の断面形状が略L字形状、略半U字形状(略J字形状)になればよい。上記ピニオンシャフトの軸方向に延びた基部に連結したクラッチハブの一部の内周面の端部とは、クラッチハブの内周面側の一部を意味する。このクラッチハブの内周面側には、所定の切り欠きを設けてそこから集中的に潤滑油を供給できればよい。特に、所定の切り欠きを設けて、そこから潤滑油を供給する構造では、前記切り欠きから供給する潤滑油の供給量がまとまり、遠心力の影響を受け易くなるから、安定した潤滑油の供給が行われる。
更に、上記入力軸の軸長方向に開口する周方向の油受部とは、前記キャリヤカバーの壁部及び前記ピニオンシャフトの軸方向に延びた前記キャリヤカバーの基部及び前記基部に連結したクラッチハブの一部の内周面によって形成された油受部が、前記入力軸の軸長方向に開口する周方向の溝であることを特定するもので、油受部の深さは、キャリヤカバーの壁部及びクラッチハブの一部の内周面の端部によって決定され、その幅は前記ピニオンシャフトの軸方向に延びた基部によって決定される。また、前記クラッチハブの内周面には、前記潤滑油をクラッチ方向に供給する切り欠きを設けたものであるから、切り欠きの形状から供給する潤滑油の量が決定され、かつ、その遠心力の影響を受けやすくなるから、前記切り欠き形状によって潤滑油の供給特性を異にすることができる。
請求項7にかかる自動変速機の内部に配設したクラッチに対する潤滑油を供給する自動変速機の潤滑油供給装置は、前記自動変速機を構成するピニオンシャフトの両端を取付けるキャリヤ及び略環状のキャリヤカバーを有し、前記キャリヤカバーの壁部及び前記ピニオンシャフトの軸方向に延びた前記キャリヤカバーの基部及び前記基部に連結したクラッチハブの一部の内周面の端部によって、自動変速機の入力軸の軸長方向に、かつ、周方向に開口する油受部を形成したものである。そして、前記クラッチハブの内周面に前記油受部の前記潤滑油をクラッチ方向に供給する切り欠きを配設したものである。
ここで、上記給油対象のクラッチは、自動変速機の内部に配設された1枚以上のクラッチプレート及びクラッチディスクからなるものであればよい。また、上記ピニオンシャフトとは、複数段の自動変速機の場合には、何れのプラネタリギヤのピニオンシャフトであっても適用できる。そして、上記ピニオンシャフトの径方向に延びたキャリヤカバーの壁部及び前記ピニオンシャフトの軸方向に延びた基部とは、キャリヤカバーの内周側の断面形状が略L字形状、略半U字形状(略J字形状)になればよい。上記ピニオンシャフトの軸方向に延びた基部に連結したクラッチハブの一部の内周面の端部とは、クラッチハブの内周面側の一部を意味する。このクラッチハブの内周面側には、所定の切り欠きを設けてそこから集中的に潤滑油を供給できればよい。特に、所定の切り欠きを設けて、そこから潤滑油を供給する構造では、切り欠きから供給する潤滑油の供給量が纏り、遠心力の影響を受け易くなるから、安定した潤滑油の供給が行われる。
更に、上記入力軸の軸長方向に開口する周方向の油受部とは、前記キャリヤカバーの壁部及び前記ピニオンシャフトの軸方向に延びた前記キャリヤカバーの基部及び前記基部に連結したクラッチハブの一部の内周面によって形成された油受部が、前記入力軸の軸長方向に開口する周方向の溝であることを特定するもので、油受部の深さは、キャリヤカバーの壁部及びクラッチハブの一部の内周面の端部によって決定され、その幅は前記ピニオンシャフトの軸方向に延びた基部によって決定される。また、前記クラッチハブの内周面には、前記潤滑油をクラッチ方向に供給する切り欠きを設けたものであるから、切り欠きの形状から供給する潤滑油の量が決定され、かつ、その遠心力の影響を受けやすくなるから、前記切り欠きの形状によって潤滑油の供給特性が特定できる。
そして、前記入力軸の周囲に配設したドラム部材の潤滑油孔から供給される潤滑油を、前記キャンセルプレートの潤滑油溝から前記油受部に対して、その途中の介在物を介すことなく供給するものであり、途中の介在物のないこととは、目詰まりを発生する等の部品の存在がないことを示すものである。
請求項8にかかる自動変速機の潤滑油供給装置の前記クラッチハブの内周側に形成した切り欠きは、入力軸を中心とする半径が大きくなると小さくなる形状としたものである。
ここで、入力軸を中心とする径方向が大きくなるとその周方向の幅が狭くなる形状は、切り欠きから供給する潤滑油の量を多く変動させることにより、平衡点が発生するから、油受部の潤滑油の深さを一定にすることができる。具体的には、例えば、入力軸を中心とする側の長さを広くした三角形、台形、半円等とすることができる。このとき、通常、ピニオンシャフト側にも潤滑油を供給することから、そのバランスを特定の値に設定することができる。
請求項9にかかる自動変速機の潤滑油供給装置の前記クラッチハブと前記クラッチを制御するキャンセルプレートとの間には、入力軸を中心とする前記切り欠き位置より大きい外径方向の位置で、前記クラッチハブの軸方向の移動を規制し、かつ、前記径方向に延びる溝を形成したワッシャを配設している。
ここで、前記ワッシャは、前記クラッチハブの軸方向の移動があっても、潤滑油の流れをスムーズにするために、中心軸の径方向に延びる溝を形成したものである。また、前記ワッシャは、前記クラッチハブの軸方向の移動を規制するものであるものの、大きな外力が加わらないので合成樹脂としている。しかし、合成樹脂以外のものの使用を否定するものではない。
請求項10にかかる自動変速機の潤滑油供給装置の前記ワッシャに設けられた前記入力軸の径方向に延びる溝は、前記クラッチハブの前記切り欠きと円周方向の位相をずらせて配置したものである。
ここで、前記ワッシャに設けられた径方向に延びる溝と前記クラッチハブの前記切り欠きとは、円周方向の位相をずらせ、直接、遠心力が加わった潤滑油が前記ワッシャに邪魔されることがないので、前記ワッシャと前記キャンセルプレートの間の潤滑をし、仮に、回転によって潤滑油が回転方向に流されたとしても、位相がずれているので潤滑油をクラッチハブ側に供給することができる。
請求項11にかかる自動変速機の潤滑油供給装置の前記クラッチを制御するキャンセルプレートの支持壁部は、前記支持壁部の一方側に前記ワッシャが配設され、他方側にリターンスプリングを配設したものである。
ここで、前記キャンセルプレートと前記キャリヤとの間の狭いスペースに溝付のワッシャは、前記クラッチヘの潤滑油の供給を前記径方向に延びる溝で確保できればよい。
請求項12にかかる自動変速機の潤滑油供給装置の前記油受部に供給された潤滑油は、自動変速機を構成するピニオンシャフトに軸支されているピニオン及び前記ピニオンシャフトとピニオンとの間のニードルベアリングに、前記ピニオンシャフトの潤滑油孔を介して供給し、また、前記クラッチハブの内周面の端部に形成した切り欠きを介してクラッチに供給するものである。
ここで、ピニオンシャフトの潤滑油孔及びピニオンシャフトとピニオンとの間のニードルベアリングの潤滑油孔及び切り欠きの形状は、ピニオンシャフトの潤滑油及びニードルベアリングの潤滑油、前記クラッチ側に供給する潤滑油の量を決定するものである。
請求項13にかかる自動変速機の潤滑油供給装置の前記油受部は、前記キャリヤカバーの壁部及び前記ピニオンシャフトの軸方向に延びた前記キャリヤカバーの基部及び前記基部に連結したクラッチハブの内周面の端部によって形成され、前記キャリヤカバーの壁部よりもクラッチハブの内周面の端部を低くしたものである。即ち、前記入力軸の径方向に形成した壁部の径よりも前記キャリヤカバーの前記基部に連結したクラッチハブの内周面の端部の径が小さいものである。
請求項14にかかる自動変速機の潤滑油供給装置の前記ワッシャは環状とし、その前記油受部と径方向に延びる溝は、前記油受部の反対側の位置に形成したものである。
ここで、前記ワッシャは、環状のみでなく、C形等の略環状とすることもできるが、特に環状とするものであり、前記ワッシャの取付けの安定性及び潤滑油の流れをよくするものである。また、前記油受部の反対側の位置に形成した溝は、直接、潤滑油を軸方向の端面に導くと共に、他の機構部分に対しても潤滑油を供給するものである。
請求項15にかかる自動変速機の潤滑油供給装置の前記ワッシャは環状とし、その前記油受部と径方向に延びる溝は、前記環状のワッシャの周囲の前記油受部相互間の位置に形成したものであり、特に、径方向に延びる溝までは、潤滑油を軸方向の端面を冷却及び潤滑させ、そして他の機構部分に対しても潤滑油を供給するものである。
請求項1にかかる自動変速機における入力軸の軸長方向の移動を規制してなるワッシャに潤滑油を供給する自動変速機の潤滑油供給装置において、前記ワッシャは、前記自動変速機の入力軸の径方向に遠心力で飛ばされる潤滑油を受ける油受部と、前記油受部で受け取った潤滑油を前記ワッシャの前記軸方向の端面のスラスト面に導く案内路とを具備するものであるから、前記自動変速機における入力軸の軸長方向の移動を規制する際、その接触面となるスラスト面には前記油受部で受け案内路を介した前記潤滑油を前記ワッシャの冷却と潤滑に使用できるから、前記潤滑油を受ける油受部として特別のスペースを設定する必要がなくなり、前記ピニオンシャフトの径方向に延びたキャリヤカバーの両側に壁部とその間の軸方向に延びた基部によって油受部を形成した場合に比較して、前記入力軸の軸長方向にその幅を狭くすることができ、自動変速機全体をコンパクト化できる。
また、前記油受部は入力軸の軸長方向の内周側から潤滑油を供給するものであり、前記油受部の潤滑油を、前記ワッシャの冷却と潤滑に使用するだけでなく、例えば、クラッチ等の機構側に供給でき、自動変速機をコンパクトに構成した場合であっても、クラッチ等の他の機構部分に対して十分な潤滑油を確保することができ、任意に潤滑油を供給できる。
請求項2にかかる自動変速機の内部に配設したクラッチに潤滑油を供給する自動変速機の潤滑油供給装置にはワッシャを有し、前記ワッシャは、前記自動変速機の入力軸の軸長方向に配設した前記プラネタリギヤの前記ピニオンシャフトの両端を取付けるキャリヤ及び略環状のキャリヤカバーの前記入力軸の径方向に形成した潤滑油を受ける油受部と前記油受部で受け取った潤滑油を前記軸方向の端面のスラスト面に導く案内路とを有しているから、前記自動変速機における入力軸の軸長方向の移動を規制し、その際、接触面であるスラスト面には前記潤滑油により前記ワッシャの冷却と潤滑に使用し、かつ、前記入力軸の周囲に配設したクラッチドラムの潤滑油孔から供給される潤滑油を、キャンセルプレートの潤滑油溝から前記油受部に対して、その途中の介在物を介すことなく供給されるものである。
したがって、前記自動変速機における入力軸の軸長方向の移動を規制する際、その接触面には前記油受部で受け案内路を介した前記潤滑油を前記ワッシャの冷却と潤滑に使用できるから、前記潤滑油を受ける油受部として特別のスペースを設定する必要がなくなり、前記ピニオンシャフトの径方向に延びたキャリヤカバーの両側に壁部とその間の軸方向に延びた基部によって油受部を形成した場合に比較して、前記入力軸の軸長方向にその幅を狭くすることができ、自動変速機全体をコンパクト化できる。
また、前記油受部はキャリヤカバーの径方向内周側から潤滑油を供給するものであり、前記油受部の潤滑油を、クラッチ等の他の機構側とにも供給でき、自動変速機をコンパクトに構成した場合であっても、クラッチ等の他の機構ヘの十分な潤滑油を確保することができる。そして、前記クラッチハブの内周面には、前記潤滑油をクラッチ方向に供給する案内路を設けたものでは、潤滑油が案内路からクラッチ側に流れ、任意にクラッチ側に潤滑油を供給できる。また、前記案内路形状によって潤滑油の供給特性が設定できる。
更に、前記入力軸の周囲に配設したクラッチドラムの潤滑油孔から供給される潤滑油を、前記キャンセルプレートの潤滑油溝から前記油受部に対して、その途中の介在物を介すことなく供給するものであり、途中の介在物のないこととは、目詰まりを発生する等の部品の存在がないことから、安定した潤滑油の供給が可能であり、また、介在物による潤滑油の漏れがない。
請求項3にかかる自動変速機の内部に配設したクラッチに潤滑油を供給する自動変速機の潤滑油供給装置の前記ワッシャは、前記径方向に延びる溝を複数形成してなるものであるから、請求項1の効果に加えて、前記クラッチハブの内周面には、前記潤滑油をクラッチ方向に供給する案内路を設けたものであるから、潤滑油が径方向に延びる複数の溝からクラッチ側に流れ、クラッチ側に適量の潤滑油を供給できる。また、前記油受部及び案内路形状によって潤滑油の供給特性が設定できる。
請求項4にかかる自動変速機の潤滑油供給装置の前記ワッシャの前記軸方向の端面に導く案内路には、前記径方向に延びる面に段差を設け、当該段差をオーバーフローした潤滑油のみが、前記ワッシャの前記軸方向の端面に導かれるものであるから、請求項1または請求項2の効果に加えて、潤滑油が前記径方向に延びる複数の溝からクラッチ側に流れ、クラッチ側に適量の潤滑油を供給できる。また、前記油受部及び案内路形状によって潤滑油の供給特性が設定できる。
請求項5にかかる自動変速機の潤滑油供給装置の前記ワッシャの前記油受部は、前記油受部の反対側で前記クラッチを構成するクラッチハブと係合するものであるから、請求項1乃至請求項4の何れか1つに記載の効果に加えて、組み立てを簡単化できる。
請求項6にかかる自動変速機の内部に配設したクラッチに対して潤滑油を供給する自動変速機の潤滑油供給装置においては、前記ピニオンシャフトの径方向に延びたキャリヤカバーの壁部及び前記ピニオンシャフトの軸方向に延びた基部及び前記ピニオンシャフトの基部に連結したクラッチハブの一部の内周面の端部によって、キャリヤカバーに潤滑油を受ける入力軸の軸長方向に開口する周方向の油受部を形成したものであるから、前記ピニオンシャフトの径方向に延びたキャリヤカバーの両側に壁部とその間の軸方向に延びた基部によって油受部が形成されたものに比較して、前記入力軸の軸長方向にその幅を狭くすることができ、自動変速機全体をコンパクト化できる。また、前記油受部はキャリヤカバーの径方向内周側から潤滑油を供給するものであり、前記油受部の潤滑油を、ピニオンシャフト側とクラッチ側とに分配でき、自動変速機をコンパクトに構成した場合であっても、クラッチヘの十分な潤滑油を確保することができる。そして、前記クラッチハブの内周面には、前記潤滑油をクラッチ方向に供給する切り欠きを設けたものであるから、潤滑油がプラネタリギヤのピニオンシャフト側及び切り欠きからクラッチ側に流れ、任意にプラネタリギヤ側とクラッチ側とに潤滑油を分配できる。また、前記切り欠き形状によって潤滑油の供給特性が設定できる。
請求項7にかかる自動変速機の内部に配設したクラッチに対して潤滑油を供給する自動変速機の潤滑油供給装置においては、前記ピニオンシャフトの径方向に延びたキャリヤカバーの壁部及び前記ピニオンシャフトの軸方向に延びた基部及び前記ピニオンシャフトの基部に連結したクラッチハブの一部の内周面の端部によって、キャリヤカバーに潤滑油を受ける入力軸の軸長方向に開口する周方向の油受部を形成したものであるから、前記ピニオンシャフトの径方向に延びたキャリヤカバーの両側に壁部とその間の軸方向に延びた基部によって油受部が形成されたものに比較して、入力軸の軸長方向にその幅を狭くすることができ、自動変速機全体をコンパクト化できる。
また、前記油受部はキャリヤカバーの径方向内周側から潤滑油を供給するものであり、前記油受部の潤滑油を、ピニオンシャフト側とクラッチ側とに分配でき、自動変速機をコンパクトに構成した場合であっても、クラッチヘの十分な潤滑油を確保することができる。そして、前記クラッチハブの内周面には、前記潤滑油をクラッチ方向に供給する切り欠きを設けたものであるから、潤滑油がプラネタリギヤのピニオンシャフト側及び切り欠きからクラッチ側に流れ、任意にプラネタリギヤ側とクラッチ側とに潤滑油を分配できる。また、前記切り欠き形状によって潤滑油の供給特性が設定できる。
更に、前記入力軸の周囲に配設したクラッチドラムの潤滑油孔から供給される潤滑油を、前記キャンセルプレートの潤滑油溝から前記油受部に対して、その途中の介在物を介すことなく供給するものであり、途中の介在物のないこととは、目詰まりを発生する等の部品の存在がないことから、安定した潤滑油の供給が可能であり、また、介在物による潤滑油の漏れがない。
請求項8にかかる自動変速機の潤滑油供給装置の前記クラッチハブの内周側に形成した切り欠きは、入力軸を中心とする半径方向に大きくなると小さくなる形状としたものであるから、請求項6または請求項7に記載の効果に加えて、ピニオンシャフト側の潤滑油を確保しながら、前記切り欠きからクラッチ側に潤滑油を流すものであるから、前記油受部の油面が安定(平衡)し、安定したピニオンシャフト側及びクラッチ側の潤滑油の供給とすることができる。
請求項9にかかる自動変速機の潤滑油供給装置の前記クラッチハブと前記クラッチを制御するキャンセルプレートとの間には、入力軸の径方向の前記切り欠き位置よりも大きい外径方向の位置で、前記クラッチハブの軸方向の移動を規制し、かつ、前記径方向に延びる溝を形成したワッシャが配設されているものであるから、請求項6乃至請求項8の何れか1つに記載の効果に加えて、クラッチハブとキャンセルプレートとの間に、前記クラッチハブの軸方向の位置を規制するワッシャが配設され、しかも、前記ワッシャは前記切り欠きより径方向外側に配設され、更に、径方向に延びる溝が形成されているから、前記切り欠きから供給される潤滑油が、前記クラッチハブの回転によって前記ワッシャ側に流れ、更に、前記ワッシャの径方向に延びる溝を介してクラッチの複数のクラッチプレート及びクラッチディスクに供給され、自動変速機をコンパクトに構成しても潤滑油を十分に供給することができる。
請求項10にかかる自動変速機の潤滑油供給装置の前記ワッシャに設けられた前記径方向に延びる溝は、前記クラッチハブの切り欠きと円周方向の位相をずらせて配置したものであるから、請求項9に記載の効果に加えて、前記ワッシャの径方向に延びる溝は、前記クラッチハブ、前記ワッシャは回転しているから、前記切り欠きから供給される潤滑油は回転方向に流れるが、前記ワッシャの径方向に延びる溝が前記切り欠きとは位相をずらして配置されていることにより、前記ワッシャと前記キャンセルプレートの間の潤滑をし、仮に、回転によって潤滑油に遠心力が加わっても、位相がずれているので潤滑油が前記ワッシャに邪魔されることなく、クラッチハブ側に供給することができる。
請求項11にかかる自動変速機の潤滑油供給装置の前記ワッシャは、前記クラッチを制御するキャンセルプレートとの支持壁部を挟み、前記支持壁部の一方側に前記ワッシャが配設され、他方側にリターンスプリングが配設されたものであるから、請求項6乃至請求項10の何れか1つに記載の効果に加えて、キャンセルプレートとキャリヤとの間の狭いスペースに溝付のワッシャを配設し、そのスペースを確保しているので、クラッチヘの潤滑油の供給を確保し、自動変速機の全体をコンパクトに構成できる。
請求項12にかかる自動変速機の潤滑油供給装置の前記油受部に供給された潤滑油は、自動変速機を構成するピニオンシャフトに軸支されているピニオン及びその間のニードルベアリングに前記ピニオンシャフトの潤滑油孔を介して供給し、また、前記クラッチハブの内周面の端部に形成した切り欠きを介してクラッチに供給するものであるから、請求項6乃至請求項11の何れか1つに記載の効果に加えて、ピニオンシャフトに軸支されているピニオン及びその間のニードルベアリングの潤滑油、前記クラッチハブの内周面の端部からクラッチ側に供給する潤滑油の分配量を任意に決定することができる。
請求項13にかかる自動変速機の潤滑油供給装置の前記油受部は、前記キャリヤカバーの壁部及び前記ピニオンシャフトの軸方向に延びた前記キャリヤカバーの基部及び前記基部に連結したクラッチハブの内周面の端部によって形成され、前記キャリヤカバーの壁部よりもクラッチハブの内周面の端部を低くしたものであるから、請求項6乃至請求項12の何れか1つに記載の効果に加えて、前記油受部の潤滑油は、クラッチハブ側に流れざるを得なくなることから、安定してクラッチに潤滑油を供給することができる。
請求項14にかかる自動変速機の潤滑油供給装置の前記ワッシャは環状とし、その前記油受部と径方向に延びる溝は、前記油受部の反対側の位置に形成したものであるから、請求項1乃至請求項5、請求項9乃至請求項13の何れか1つに記載の効果に加えて、前記ワッシャは、環状とすると前記ワッシャの取付けの安定性及び潤滑油の流れがよくなり、また、前記油受部の反対側の位置に形成した溝は、直接、他の機構部分に対しても潤滑油を供給すると共に、前記環状のワッシャの軸方向端面に対する潤滑油を導くことができる。即ち、前記径方向に延びる溝によって他の機構部分に対する潤滑油の供給を優先し、次いで、前記環状のワッシャの軸方向端面に対する潤滑油を供給することができる。
請求項15にかかる自動変速機の潤滑油供給装置の前記ワッシャは環状とし、その前記油受部と径方向に延びる溝は、前記環状のワッシャの周囲の前記油受部相互間の位置に形成したものであるから、請求項1乃至請求項5、請求項9乃至請求項13の何れか1つに記載の効果に加えて、前記ワッシャは、環状とすると前記ワッシャの取付けの安定性及び潤滑油の流れがよくなり、また、前記油受部相互間の反対側の位置に形成した溝は、直接、潤滑油を軸方向の端面に導き、そして、他の機構部分に対しても潤滑油を供給することができる。即ち、前記環状のワッシャの軸方向端面に対する潤滑油の供給を優先とすることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。なお、実施の形態において、図中、実施の形態1と同一記号及び同一符号は、同一または相当する機能部分であるから、ここでは重複する説明を省略する。
[実施の形態1]
図1は本発明の実施の形態1にかかる自動変速機の潤滑油供給装置を示す要部断面図であり、図2は本発明の実施の形態1にかかる自動変速機の潤滑油供給装置を示す要部断面における潤滑油の流れを示す説明図である。また、図3は本発明の実施の形態1にかかる自動変速機の潤滑油供給装置を示す要部の側面図、図4は本発明の実施の形態1にかかる自動変速機の潤滑油供給装置を示す要部の断面図で、図3の切断線A−Aによる断面に相当するものである。そして、図5は本発明の実施の形態1にかかる自動変速機の潤滑油供給装置を示す要部の樹脂ワッシャ付きの側面図である。
図において、入力軸1はエンジンを駆動源とし、トルクコンバ−タからの回転が入力される軸で、その軸方向、即ち、軸長方向には各種機構部品にポンプから供給された必要な潤滑油を供給する潤滑油孔2が穿設されている。
入力軸1のフランジ1aには、略有底円筒状のキャリヤ3が一体に回転するように取付けられている。略有底円筒状のキャリヤ3の底に相当する支持壁部(以下、ここでは入力軸1の径方向、即ち、入力軸1を中心として径方向に延びた部分を「壁部」または「支持壁部」と、「壁」の概念で説明する)には、複数個のプラネタリギヤのピニオンシャフト4が取付けられており、プラネタリギヤには複数個のピニオン5がニードルベアリング7を介して回転自在に取付けられている。ピニオンシャフト4の中心軸には、潤滑油孔6が穿設され、更に、潤滑油孔6からその周方向(径方向)に潤滑油孔8が穿設されており、プラネタリギヤのピニオンシャフト4とピニオン5との間に配設されているニードルベアリング7に潤滑油が供給されるようになっている。
ピニオンシャフト4の一端を固定する略有底円筒のキャリヤ3に対して、ピニオンシャフト4の他端も別部材からなる略円環状のキャリヤカバー41に固着されている。この略円環状のキャリヤカバー41は略有底円筒のキャリヤ3の開口側に装着され、一体となり、堅固にピニオンシャフト4を固定するものである。
略円環状のキャリヤカバー41の内側、即ち、入力軸1を中心とする略円環状の内側は、入力軸1を中心とする径方向が小さくなるように延ばした壁部41aとしている。また、壁部41aに連続してピニオンシャフト4の軸方向に延びた基部41bを形成したものである。したがって、キャリヤカバー41の内周断面のシルエットラインは、略L字形状となっている。
なお、ピニオンシャフト4の周囲でピニオン5の両端には、金属ワッシャが配設されており、ピニオン5がキャリヤ3及びキャリヤカバー41との間の相対回転のために設けている。
更に、キャリヤカバー41の基部41bに連結したクラッチハブ33の一部の内側方向の端部33aによって、キャリヤカバー41に潤滑油を受ける入力軸1の軸方向に開口する周方向の油溜り溝としての油受部40を形成している。
このクラッチハブ33の内方向の端部33aは、油受部40からキャリヤカバー41の基部41bを基準としてみると、壁部41aの高さがクラッチハブ33の端部33aの高さよりも高く設定されている。即ち、油受部40に潤滑油が満たされたとき、クラッチハブ33の端部33aの高さを乗り越えて潤滑油が供給される構造となっている。言い換えると、このクラッチハブ33の内方向の端部33aは、入力軸1を中心とする半径からみると、壁部41aの内端の直径はクラッチハブ33の端部33aの直径よりも小さく設定されている。
また、本実施の形態では、クラッチハブ33の内周側に略半円状の切り欠き50を設け、油受部40に潤滑油が満たされてクラッチハブ33の端部33aの内周の高さを乗り越えて潤滑油がクラッチ30側に供給される前に、クラッチハブ33の切り欠き50からクラッチ30側に潤滑油を供給する構成となっている。即ち、クラッチハブ33の切り欠き50は、油受部40からキャリヤカバー41の基部41bを基準としてみると、壁部41aの高さがクラッチハブ33の切り欠き50のキャリヤカバー41の基部41bからの高さよりも高く設定されている。即ち、油受部40に潤滑油がキャリヤカバー41の基部41bから上昇すると、クラッチハブ33の切り欠き50からクラッチ30に潤滑油が供給される。言い換えると、このクラッチハブ33の切り欠き50は、入力軸1を中心とする径からみると、壁部41aの内端の径はクラッチハブ33の切り欠き50のキャリヤカバー41の基部41b側の直径よりも小さく設定されている。
ピニオン5は、サンギヤ10と噛み合っている。サンギヤ10は自動変速機のケースに固定されたステータシャフト11に連結され、回転不能に取付けられている。ステータシャフト11と入力軸1との間は、ニードルベアリング12を介して回転自在に取付けられている。サンギヤ10の入力軸1に装着されたボス部には、スリーブ部材21が装着されている。スリーブ部材21は、オイルポンプボディから延設され、ニードルベアリング13を介してクラッチドラム22のボス部22aが配設されている。このクラッチドラム22のボス部22aには潤滑油孔23が設けられていて、入力軸1の潤滑油孔2にオイルポンプで供給された潤滑油が、スリーブ部材21を介して、クラッチドラム22のボス部22aの潤滑油孔23から、スナップリング24で移動が制限されているキャンセルプレート25の端部の潤滑油溝25bに供給される。
クラッチドラム22の周囲には、ピストン部材26が摺動自在となっている。そして、ピストン部材26とキャンセルプレート25との間には、リターンスプリング27が配設されている。即ち、リターンスプリング27によってキャンセルプレート25とピストン部材26との間隔を拡大するように弾性力を付与している。
ドラム部材28は、ピストン部材26との間にサーボ油室26Aを形成し、図示しないコントロールバルブで制御された油圧をサーボ油室26Aに導入し、ピストン部材26によってクラッチプレート31及びクラッチディスク32からなるクラッチ30を断続させる。このクラッチ30は、入力軸1を中心とする径方向の内側位置がクラッチハブ33で支持され、その外周側は、ドラム部材28で支持されることによって構成されている。
また、クラッチハブ33とクラッチ30のキャンセルプレート25との間には、入力軸1を中心とする径方向が略半円状の切り欠き50の位置より大きい外径方向の位置であり、かつ、クラッチハブ33の軸方向の移動を規制する樹脂製の環状のワッシャ45が配設されている。この樹脂製のワッシャ45には、径方向に延びる溝46を形成している。径方向に延びる溝46は、切り欠き50から供給される潤滑油が、クラッチハブ33の回転によってワッシャ45側に流れ、ワッシャ45の径方向に延びる溝46を介してクラッチ30の複数のクラッチプレート31及びクラッチディスク32に供給され、自動変速機をコンパクトに構成しても潤滑油を十分にクラッチ30に供給することができる。ワッシャ45は、クラッチハブ33の装着孔33cに挿入される凸部45aを有しており、それによって周り止めされ、かつ、容易に離脱されないように係合し、安定した取付け状態を維持している。
このワッシャ45は、通常の金属等のワッシャとすることもできる。また、ワッシャ45はクラッチハブ33に穿設された取付孔に挿入して固定され、容易に離脱しない構造となっている。
油受部40の中央には、複数のピニオンシャフト4の各々に潤滑油孔6に連通する潤滑油孔47が穿設されている。したがって、油受部40に潤滑油が収集されると、潤滑油孔47を介して複数のピニオンシャフト4の各々の潤滑油孔6に給油される。潤滑油孔6に供給された潤滑油は、徐々に潤滑油孔8を介してニードルベアリング7に供給される。また、油受部40で収集された潤滑油は、切り欠き50の最外周位置に到達すると、切り欠き50を超えて潤滑油がクラッチ30側に遠心力で飛ばされ、クラッチ30に給油することができる。
また、キャンセルプレート25には、クラッチドラム22の入力軸1と同心に配設したボス部22aに嵌められた筒状部25c及びスナップリング24で移動を制限されるその端部の支持部25eを有し、かつ、筒状部25cにはキャンセルプレート25とピストン部材26で形成されるキャンセル油室25Aの潤滑油を排出する入力軸1の軸方向のドレン溝25dを形成し、前記支持部25eには入力軸1から径方向のドレン溝25bを形成したものであるから、キャンセルプレート25とピストン部材26で形成されるキャンセル油室25Aから漏れ出る潤滑油を効率的に使用できる。
キャンセルプレート25の端部の潤滑油溝25bから飛散された潤滑油は、入力軸1の軸方向に開口する油受部40で受け止められる。油受部40は、ピニオンシャフト4をキャリヤ3と共に取付ける略環状のキャリヤカバー41の壁部41a及びピニオンシャフト4の軸方向に延びたキャリヤカバー41の基部41b及びキャリヤカバー41の基部41bに連結したクラッチハブ33の内方向の端部33aによって形成されている。キャリヤカバー41の基部41bには、ピニオンシャフト4の潤滑油孔6に連通する潤滑油孔47が穿設されているから、油受部40に潤滑油が収集されると、潤滑油孔47を介してピニオンシャフト4の潤滑油孔6に給油される。潤滑油孔6に供給された潤滑油は、徐々に潤滑油孔8を介してニードルベアリング7に給油することができる。
このように構成された本実施の形態の自動変速機の潤滑油供給装置においては、次のように動作することができる。
図示しないオイルポンプで供給された潤滑油がオイルポンプボディのスリーブ部材21に設けられた潤滑油路に供給され潤滑油は、クラッチドラム22のボス部22aの潤滑油孔23を通過し、キャンセルプレート25の端部または端部に形成された潤滑油溝25bを通過して、キャンセルプレート25の端部または端部に形成された潤滑油溝25bから遠心力によって、自動変速機の入力軸の径方向に飛散される。
飛散された潤滑油は、入力軸1の軸方向に開口する油受部40で受け止められる。油受部40は、ピニオンシャフト4をキャリヤ3と共に取付ける略環状のキャリヤカバー41の壁部41a及びピニオンシャフト4の軸方向に延びたキャリヤカバー41の基部41b及びキャリヤカバー41の基部41bに連結したクラッチハブ33の一部の内方向の端部33aによって形成されている。キャリヤカバー41の基部41bには、ピニオンシャフト4の潤滑油孔6に連通する潤滑油孔47が穿設されているから、油受部40に潤滑油が収集されると、潤滑油孔47を介してプラネタリギヤのピニオンシャフト4の潤滑油孔6に給油される。潤滑油孔6に供給された潤滑油は、徐々に潤滑油孔8を介してプラネタリギヤのニードルベアリング7等に供給される。また、油受部40で収集された潤滑油は、切り欠き50の最外周位置の深さまで溜まると、切り欠き50を超えて潤滑油がクラッチ30側に遠心力で飛ばされ、クラッチ30に給油することができる。
このとき、油受部40の潤滑油を、ピニオンシャフト4側とクラッチ30側とに分配でき、また、油受部40の潤滑油がクラッチハブ33の内周面に切り欠き50を設けているから、潤滑油がピニオンシャフト4側及び切り欠き50からクラッチ30側に流れ、任意に潤滑油孔47、潤滑油孔4及び切り欠き50の形状及びサイズの設定により、ピニオンシャフト4のプラネタリギヤ側とクラッチ30側とに供給できる。
特に、例えば、切り欠き50の形状を、入力軸1を中心とする側の長さを広くした三角形、台形、半円等とすることができる。このとき、切り欠き50を越えて外部に出る潤滑油は、遠心力の影響を受ける潤滑油として、高効率でクラッチ30まで飛ばすことができる。
[実施の形態2,3,4]
図6は本発明の実施の形態2にかかる自動変速機の潤滑油供給装置を示す要部の断面図で、図7は本発明の実施の形態3にかかる自動変速機の潤滑油供給装置を示す要部の断面図で、図8は本発明の実施の形態4にかかる自動変速機の潤滑油供給装置を示す要部の断面図である。
図6は自動変速機の内部に配設したピニオンシャフト4及びピニオン5等からなるプラネタリギヤ及びクラッチプレート31及びクラッチディスク32を有するクラッチ30に対して潤滑油を供給する自動変速機の潤滑油供給装置において、自動変速機の入力軸1の軸方向と同軸方向に配設したプラネタリギヤのピニオンシャフト4の両端を取付けるキャリヤ3及び略環状のキャリヤカバー41と、キャリヤカバー41の入力軸1から径方向に形成した壁部41a及びピニオンシャフト4の軸方向に延びたキャリヤカバー41の基部41b及び基部41bに連結したクラッチハブ33の内周面の端部によって構成される入力軸1の軸方向に、かつ、周方向に開口する油受部40と、クラッチハブ33の内周面に形成した油受部40の潤滑油をクラッチ方向に供給する略三角状に切り欠いた切り欠き50Aとを具備し、入力軸1の周囲に配設したクラッチドラム22の潤滑油孔23から供給される潤滑油を、前記キャンセルプレート25の潤滑油溝25bから油受部40に対して、その途中の介在物を介すことなく供給するものである。
特に、図6(a)に示すように、クラッチハブ33の内周面に形成した油受部40の潤滑油をクラッチ30方向に供給する略三角状に切り欠いた切り欠き50Aは、クラッチハブ33の平面に対して略V字形状に打ち抜いたものである。クラッチハブ33の平面に対して略V字形状に打ち抜いた切り欠き50Aは、油受部40から潤滑油がクラッチ30側に送給されるとき、その供給位置合わせ、または供給油量によって、図6(b)に示すように、キャリヤカバー41の基部41b側の頂点をキャリヤカバー41の基部41bの反対側にプレス加工等によって突出させることにより、表面張力の影響を受けてクラッチ30方向に供給することもできる。クラッチハブ33の内周側に略半円状の切り欠き50についても同様である。
図7は自動変速機の入力軸1の軸方向と同軸方向に配設したプラネタリギヤのピニオンシャフト4の両端を取付けるキャリヤ3及び略環状のキャリヤカバー41と、キャリヤカバー41の入力軸1の径方向に形成した壁部41a及びピニオンシャフト4の軸方向に延びたキャリヤカバー41の基部41b及び基部41bに連結したクラッチハブ33の内周面の端部によって構成される入力軸1の軸方向に、かつ、周方向に開口する油受部40と、クラッチハブ33の内周面に形成した油受部40の潤滑油をクラッチ30方向に供給する略四角状に切り欠いた切り欠き50Bを具備し、入力軸1の周囲に配設したクラッチドラム22の潤滑油孔23から供給される潤滑油を、前記キャンセルプレート25の潤滑油溝25bから油受部40に対して、その途中の介在物を介すことなく供給するものである。
特に、図7(a)に示すように、クラッチハブ33の内周面に形成した油受部40の潤滑油をクラッチ30方向に供給する略四角状に切り欠いた切り欠き50Bは、クラッチハブ33の平面に対して略凹字形状に打ち抜いたものである。クラッチハブ33の平面に対して略凹字形状に打ち抜いた切り欠き50Bは、油受部40から潤滑油がクラッチ30側に送給されるとき、その供給位置合わせ、または供給油量によって、図7(b)に示すように、キャリヤカバー41の基部41b側の底辺をキャリヤカバー41の基部41bの反対側にプレス加工等によって突出させることにより、表面張力の影響を受けてクラッチ30方向に供給することができる。
また、図8はクラッチハブ33の内周面に形成した油受部40の潤滑油をクラッチ30方向に供給する略台形状に切り欠いた切り欠き50Cを具備し、入力軸1の周囲に配設したクラッチドラム22の潤滑油孔23から供給される潤滑油を、前記キャンセルプレート25の潤滑油溝25bから油受部40に対して、その途中の介在物を介すことなく供給するものである。
特に、図8(a)に示すように、クラッチハブ33の内周面に形成した油受部40の潤滑油をクラッチ30方向に供給する略台形状に切り欠いた切り欠き50Cは、クラッチハブ33の平面に対して略台形状に打ち抜いたものである。クラッチハブ33の平面に対して略台形状に打ち抜いた切り欠き50Cは、油受部40から潤滑油がクラッチ30側に送給されるとき、その供給位置合わせ、または供給油量によって、図8(b)に示すように、キャリヤカバー41の基部41b側の短辺側をキャリヤカバー41の基部41bの反対側にプレス加工等によって突出させることにより、表面張力の影響を受けてクラッチ30方向に供給することができる。
このように、切り欠き50,50A,50B,50Cはキャリヤカバー41の基部41b側をキャリヤカバー41の基部41bの反対側に突出させることによって、遠心力によってクラッチハブ33の平面を潤滑油が流れることなく、表面張力の影響を受けてクラッチ30方向に供給することができる。
以上のように、上記実施の形態の自動変速機の内部に配設したクラッチ30に対して潤滑油を供給する自動変速機の潤滑油供給装置においては、ピニオンシャフト4をキャリヤ3と共に取付ける略環状のキャリヤカバー41の壁部41a及びピニオンシャフト4の軸方向に延びたキャリヤカバー41の基部41b及びキャリヤカバー41の基部41bに連結したクラッチハブ33の一部の内方向の端部33aによって、キャリヤカバー41に潤滑油を受ける入力軸1の軸方向に開口する周方向の油受部40を形成したものである。
したがって、例えば、ピニオンシャフト4の径方向に延びたキャリヤカバー41の両壁部と、その間の軸方向に延びたキャリヤカバー41の基部41bによって油受部40が形成するものと比較すると、ピニオンシャフト4の径方向に延びたキャリヤカバー41の壁部41aとクラッチハブ33の端部33aと、その間の軸方向に延びたキャリヤカバー41の基部41bによって油受部40が形成されているから、入力軸1の軸方向にその幅を狭くすることができ、自動変速機の全体をコンパクト化できる。
また、油受部40はキャリヤカバー41の径方向内周側から潤滑油を供給するものであり、油受部40の潤滑油を、ピニオンシャフト4側とクラッチ30側とに分配でき、自動変速機をコンパクトに構成した場合であっても、クラッチ30ヘの十分な潤滑油を確保することができる。そして、油受部40の潤滑油がクラッチハブ33の内周面に切り欠き50,50A,50B,50Cを設けることにより、潤滑油がピニオンシャフト4側及び切り欠き50,50A,50B,50Cからクラッチ側に流れるので、任意に潤滑油孔47、潤滑油孔4及び切り欠き50,50A,50B,50Cの形状及びサイズの設定により、ピニオンシャフト4側とクラッチ30側とに分配できる。
本発明を実施する場合のクラッチ30は、自動変速機の内部に配設されたクラッチプレート31及びクラッチディスク32からなるものであるが、本発明を実施する場合、クラッチプレート31及びクラッチディスク32の枚数は制限されるものではない。
また、ピニオンシャフト4は、複数段の自動変速機の場合には、何れのプラネタリギヤのピニオンシャフト4であってもよく、本発明を実施する場合、特定の位置に配設されたピニオン5に限定されるものではない。
そして、ピニオンシャフト4の径方向に延びたキャリヤカバー41の壁部41a及びピニオンシャフト4の軸方向に延びたキャリヤカバー41の基部41bとは、基部41bが平坦なキャリヤカバー41の内周側の断面形状が略L字形状、基部41bが窪んだ略U字形状のキャリヤカバー41の内周側の断面形状が略J字形状になっておればよい。
更に、本実施の形態の入力軸1の軸方向に開口する周方向の油受部40とは、入力軸1の軸方向に開口する周方向の溝であることを特定するもので、油受部40の深さは、キャリヤカバー41の壁部41a及びクラッチハブ33の一部の面の切り欠き50,50A,50B,50Cによって決定され、その幅はピニオンシャフト4の軸方向に延びたキャリヤカバー41の基部41bによって決定されればよい。
更にまた、本実施の形態にかかる自動変速機の潤滑油供給装置は、クラッチハブ33の内周面には、潤滑油をクラッチ30方向に供給する切り欠き50,50A,50B,50Cを設けたものであるから、潤滑油がピニオンシャフト4側及び切り欠き50からクラッチ30側に流れ、任意にピニオンシャフト4側とクラッチ30側とに分配できる。また、切り欠き50の形状によって潤滑油の供給形態が特定できる。
そして、本実施の形態にかかる自動変速機の潤滑油供給装置は、クラッチハブ33の内周側に形成した切り欠き50,50A,50Cは、入力軸1を中心とする径が大きくなると小さくなる形状としたものであるから、ピニオンシャフト4側の潤滑油を確保しながら、切り欠き50,50A,50Cからクラッチ30側に潤滑油を流すものであり、油受部40の油面が安定し、安定したピニオンシャフト4側及びクラッチ30側の潤滑油の供給とすることができる。
加えて、本実施の形態にかかる自動変速機の潤滑油供給装置は、クラッチハブ33とクラッチ30のキャンセルプレート25との間には、入力軸1を中心とする切り欠き50,50A,50B,50Cの位置より大きい外径方向の位置で、クラッチハブ33の軸方向の移動を規制し、かつ、径方向に延びる油受部40を形成したワッシャ45が配設され、また、ワッシャ45は切り欠き50,50A,50B,50Cより径方向外側に配設され、更に、径方向に延びる溝46が形成されているから、切り欠き50,50A,50B,50Cから供給される潤滑油が、ワッシャ45側に流れ、そこにクラッチハブ33の遠心力が作用しても、ワッシャ45の径方向に延びる溝46を介してクラッチの複数のクラッチプレート31及びクラッチディスク32に供給されるから、自動変速機をコンパクトに構成しても潤滑油を十分に供給することができる。
また、本実施の形態にかかる自動変速機の潤滑油供給装置は、ワッシャ45に設けられた径方向に延びる溝46は、クラッチハブ33の切り欠き50,50A,50B,50Cと円周方向の位相をずらせて配置し、ワッシャ45に設けられた径方向の溝46は、クラッチハブ33、ワッシャ45が回転し、切り欠き50,50A,50B,50Cから供給される潤滑油が回転方向に流れても、ワッシャ45の径方向の溝46が切り欠き50,50A,50B,50Cとは位相をずらして配置されているから、潤滑油が回転方向に流されることに影響されず、クラッチハブ33に潤滑油を供給することができる。
そして、本実施の形態にかかる自動変速機の潤滑油供給装置のワッシャ45は、クラッチハブ33とクラッチ30のキャンセルプレート25の支持壁部25aに挟まれ、支持壁部の一方側にワッシャ45が配設され、他方側にリターンスプリング27を配設したものであるから、機械的強度に影響を与えることなく、かつ、クラッチ30の複数のクラッチプレート31及びクラッチディスク32ヘの潤滑油の供給を確保し、自動変速機をコンパクトに構成できる。
更に、本実施の形態にかかる自動変速機の内部に配設したクラッチ30に対して潤滑油を供給する自動変速機の潤滑油供給装置においては、ピニオンシャフト4をキャリヤ3と共に取付ける略環状のキャリヤカバー41の壁部41a及びピニオンシャフト4の軸方向に延びたキャリヤカバー41の基部41b及びキャリヤカバー41の基部41bに連結したクラッチハブ33の一部の内方向の端部33aによって、キャリヤカバー41に潤滑油を受ける入力軸1の軸方向に開口する周方向の油受部40を形成し、入力軸1の周囲に配設したクラッチハブ33の潤滑油孔23から供給される潤滑油が、キャンセルプレート25の支持壁部から油受部40に対して、その途中の介在物を介すことなく供給するものであるから、特別、クラッチハブ33の支持壁部の潤滑油孔23から油受部40までの潤滑油孔を形成することなくクラッチ30に潤滑油を供給することができる。
[実施の形態5,6]
図9は本発明の実施の形態5にかかる自動変速機の潤滑油供給装置を示す要部断面図、図10は本発明の実施の形態5にかかる自動変速機の潤滑油供給装置で使用するワッシャの正面図(a)及びその中央縦断面図(b)、要部拡大斜視図(c)を示すものであり、図11は本発明の実施の形態6にかかる自動変速機の潤滑油供給装置で使用するワッシャの正面図(a)及び要部拡大斜視図(b)を示すものである。
図9及び図10において、実施の形態5にかかる環状のワッシャ60は、合成樹脂製であり、キャリヤカバー41の基部41bに連結したクラッチハブ33の内周に係合させて取付けたものである。ワッシャ60は、上記実施の形態のクラッチハブ33の軸方向の移動を規制するワッシャ45と同等のものである。なお、環状のワッシャ60は、金属製とすることもできる。
ワッシャ60は、図10に示すように、全体が略環状を呈しており、その環状のスラスト部61に複数個所、全体のバランス及び潤滑油の供給を考慮すると、3個以上の箇所に、そのワッシャ60の軸の長さ方向に並行する入力軸1の径方向の遠心力で飛ばされる潤滑油を受ける入力軸1の径方向に開口する油受部65と、油受部65で受け取った潤滑油をワッシャ60の軸方向の端面であるスラスト面64に導く案内路66とを具備している。このワッシャ60としては、環状のみでなく、C形等の略環状とすることもできる。しかし、環状とすることによって、ワッシャ60の取付けの安定性及び潤滑油の流れをよくすることができる。
油受部65は、キャンセルプレート25の端部または端部に形成された潤滑油溝25bを通過して遠心力で飛ばされた潤滑油を受ける深さの容積の形態を有している。本実施の形態では、端部65aを起立させることによってその潤滑油の収容容積を形成している。
また、油受部65で受け取った潤滑油は、その潤滑油をワッシャ60の軸方向の端面、具体的には、スラスト面64に導くため、案内路66を起立させた端部65aによって案内路66を形成している。本実施の形態では、油受部65と案内路66の境界67に段差を形成しているが、本発明を実施する場合には、段差67の有無は関係ない。特に、段差67は、潤滑油の切れ間が生じないようにポテンシャルエネルギを与えるものであるが、斜面として形成することもできるし、潤滑油の表面張力による深さとすることもできる。
スラスト部61は、そのスラスト面64がキャンセルプレート25の支持壁部25aの面に直接機械的に接触しないよう、油受部65で受けた潤滑油を案内路66を介して潤滑油を導き、それをその表面に流して、スラスト面64と支持壁部25aの面とが潤滑油の接触とし、かつ、スラスト部61を含むワッシャ60全体の冷却を行うものである。
このように構成された本実施の形態の自動変速機の潤滑油供給装置においては、次のように動作することができる。
図示しないオイルポンプで供給された潤滑油がオイルポンプボディのスリーブ部材21に設けられた潤滑油路に供給され潤滑油は、クラッチドラム22のボス部22aの潤滑油孔23を通過し、キャンセルプレート25の端部または端部に形成された潤滑油溝25bを通過して、そこから遠心力によって、自動変速機の入力軸1の径方向に飛散される。
飛散された潤滑油は、入力軸1の軸方向に開口する油受部65で受け止められる。油受部65は、キャンセルプレート25の端部または端部に形成された潤滑油溝25bを通過して遠心力で飛ばされた潤滑油を受ける形態に形成されている。油受部65で収集された潤滑油は、案内路66を介して、スラスト部61の入力軸1の軸方向の端部面のスラスト面64に導かれる。ここで、キャンセルプレート25の支持壁部25aの面にスラスト部61のスラスト面64が直接機械的に接触しないように、油受部65で受けた潤滑油を案内路66を介して導き、それをその表面に流して、潤滑油の接触とし、かつ、スラスト部61を含むワッシャ60全体の冷却を行っている。更に、ワッシャ60は回転しているので、油受部65で受けた潤滑油を案内路66を介してその表面に流すと、径方向に延びる溝63によって流れが促進され、そこで潤滑油の油溜りが増大し、遠心力を受けて潤滑油の滴がクラッチ30側に飛ばされ、クラッチ30に給油することができる。
このとき、油受部65で受けた潤滑油を、スラスト部61を流れる潤滑油は、クラッチ30のクラッチハブ33の内周面側からも流すことができ、潤滑油はクラッチ30側に遠心力の影響を受けて、高効率で給油することができる。
図11に示す実施の形態6と実施の形態5との間は、径方向に延びる溝63の位置が相違している。
即ち、実施の形態5の自動変速機の潤滑油供給装置のワッシャ60は、環状とし、その油受部65と径方向に延びる溝63は、ワッシャ60の周囲の油受部65相互間の中央位置に形成したものである。本発明を実施する場合には、径方向に延びる溝63は、ワッシャ60の周囲の油受部65相互間の中間位置に限らず、何れかの方向に偏ったり、油受部65相互間に複数設けても良い。
したがって、特に、径方向に延びる溝63までは、潤滑油を軸方向の端面、即ち、スラスト面64を冷却及び潤滑させ、そして他の機構部分に対しても潤滑油を供給することができる。しかし、積極的に潤滑油をクラッチ30側に供給する場合には、実施の形態6のように構成するとよい。
環状のワッシャ60の径方向に延びる溝63は、油受部65から案内路66を形成し、それに連続して形成している。ここで、ワッシャ60は、油受部65に対応して形成した径方向に延びる溝63は、その段差68を超えることのない潤滑油であっても、直接、クラッチ30等の他の機構部分に対して潤滑油を供給することができる。また、段差68を超えた潤滑油は、その潤滑油を軸方向の端面であるスラスト面64に導くことができる。
即ち、油受部65で受けた潤滑油は、直接、径方向に延びる溝63から遠心力により、クラッチ30等の他の機構部分に対しても潤滑油を供給することができ、同時に、段差68を超えた潤滑油によってスラスト面64側にも潤滑油を流すことができる。
したがって、このときには、スラスト面64で使用する潤滑油よりも早期に、かつ、大量の潤滑油をクラッチ30等の他の機構部分で使用する場合に好適となる。
また、環状のワッシャ60の油受部65は、クラッチハブ33の端部33aに入力軸1の径方向の切り欠きを形成し、そこに係合させることによって、環状のワッシャ60の回転止めとすることができる。
以上のように、本実施の形態5,6の自動変速機の潤滑油供給装置は、自動変速機の内部に配設され、自動変速機における入力軸1の軸長方向の移動を規制してなる略円環状のワッシャ60を有し、略円環状のワッシャ60に対して潤滑油を供給する自動変速機の潤滑油供給装置において、略円環状のワッシャ60には、自動変速機の入力軸1の軸長方向の直角方向である径方向に遠心力で飛ばされる潤滑油を受ける油受部65と、油受部65で受け取った潤滑油を略円環状のワッシャ60の軸方向端面のスラスト面64に導く案内路66とを具備するものである。
したがって、自動変速機における入力軸1の軸方向の移動を規制する際、その接触面には油受部65で受け案内路66を介した潤滑油を略円環状のワッシャ60の冷却と潤滑に使用でき、しかも、キャリヤカバー41側の周囲に重複して油受部65を配設できるから、前記潤滑油を受ける油受部として特別のスペースを設定する必要がなくなり、ピニオンシャフト4の径方向に延びたキャリヤカバー41の両側に壁部41aとその間の軸方向に延びた基部41bによって油受部を形成した場合に比較して、入力軸1の軸方向にその幅を狭くすることができ、自動変速機全体をコンパクト化できる。
また、油受部65は入力軸1の軸方向の内周側から潤滑油を供給するものであり、油受部65の潤滑油を、例えば、クラッチ30側等の他の機構側に供給でき、自動変速機をコンパクトに構成した場合であっても、クラッチ30等の他の機構部分に対して十分な潤滑油を確保することができ、任意に潤滑油を決定できる。
また、本実施の形態5,6の自動変速機の潤滑油供給装置は、自動変速機の内部に配設したクラッチプレート31及びクラッチディスク32を有するクラッチ30に対して潤滑油を供給する自動変速機の潤滑油供給装置において、自動変速機の入力軸1の軸方向に配設したプラネタリギヤのピニオンシャフト4の両端を取付けるキャリヤ3及び略環状のキャリヤカバー41と、キャリヤカバー41の入力軸1の径方向に形成した潤滑油を受ける油受部65及び油受部65で受け取った潤滑油を前記軸方向の端面のスラスト面64に導く案内路66を有し、自動変速機における入力軸1の軸方向の移動を規制する略円環状のワッシャ60を具備し、入力軸1の周囲に配設したクラッチドラム22の潤滑油孔23から供給される潤滑油を、キャンセルプレート25の潤滑油溝25bから油受部65に対して、その途中の介在物を介すことなく直接供給するものである。
したがって、自動変速機における入力軸1の軸方向の移動を規制し、その際、接触面には潤滑油を受けて略円環状のワッシャ60の冷却と潤滑に使用し、かつ、入力軸1の周囲に配設したクラッチドラム22の潤滑油孔23から供給される潤滑油を、キャンセルプレート25の潤滑油溝25bから油受部65に対して、その途中の介在物を介すことなく供給されるものである。
故に、自動変速機における入力軸1の軸方向の移動を規制する際、そのスラスト面64の接触面には油受部65で受け案内路66を介した潤滑油を略円環状のワッシャ60の冷却と潤滑に使用でき、しかも、キャリヤカバー41側の周囲に重複して油受部65を配設できるから、潤滑油を受ける油受部65として特別のスペースを設定する必要がなくなり、ピニオンシャフト4の径方向に延びたキャリヤカバー41の両側に壁部41aとその間の軸方向に延びた基部41bによって油受部65を形成した場合に比較して、入力軸1の軸方向にその幅を狭くすることができ、自動変速機全体をコンパクト化できる。
また、油受部65はキャリヤカバー41の径方向内周側から潤滑油を供給するものであり、油受部65の潤滑油を、クラッチ30等の他の機構側に供給でき、自動変速機をコンパクトに構成した場合であっても、クラッチ30ヘの十分な潤滑油を確保することができる。そして、クラッチハブ33の内周面には、潤滑油をクラッチ30方向に供給する案内路66を設けたものでは、潤滑油がプラネタリギヤのピニオンシャフト4側及び案内路66からクラッチ30側に流れ、クラッチ30等の他の機構に潤滑油を供給できる。また、案内路66の形状によって潤滑油の供給特性が設定できる。
更に、入力軸1の周囲に配設したクラッチドラム22の潤滑油孔23から供給される潤滑油を、前記キャンセルプレート25の潤滑油溝25bから油受部65に対して、その途中の介在物を介すことなく供給するものであり、途中の介在物のないこととは、目詰まりを発生する等の部品の存在がないことから、安定した潤滑油の供給が可能であり、また、介在物による潤滑油の漏れがない。
そして、略円環状のワッシャ60には、前記径方向に延びる溝63を複数形成してなるものであるから、前記クラッチハブ33の内周面には、潤滑油をクラッチ30方向に供給する案内路66によって、潤滑油が径方向に延びる複数の溝63からクラッチ30側に流れ、クラッチ30側の潤滑油を任意に決定できる。また、油受部65及び案内路66形状によって潤滑油の供給特性が設定できる。
更に、略円環状のワッシャ60の軸方向の端面であるスラスト面64に導く案内路66には、径方向に延びる面に段差68を設け、当該段差38をオーバーフローした潤滑油のみが、略円環状のワッシャ60のスラスト面64に導かれるものであるから、潤滑油が径方向に延びる複数の溝63からクラッチ30側に流れ、任意にクラッチ側の潤滑油を決定できる。また、油受部65及び案内路66形状によって潤滑油の供給特性が設定できる。
更にまた、略円環状のワッシャ60の油受部65は、油受部65の反対側でクラッチ30のクラッチハブ33と係合するものであるから、組み立てを簡単化できる。
また、略円環状のワッシャ60は、その油受部65と径方向に延びる溝63は、略円環状のワッシャ60の周囲の油受部65の反対側の位置に形成したものであるから、略円環状のワッシャ60は、略円環状のワッシャ60の取付け安定性及び潤滑油の流れがよくなり、また、油受部65の反対側の位置に形成した溝63は、直接、他の機構部分に対しても潤滑油を供給すると共に、略円環状のワッシャ60の軸方向端面に対する潤滑油を導くことができる。即ち、径方向に延びる溝63によって他の機構部分に対する潤滑油の供給を優先し、次いで、略円環状のワッシャ60のスラスト面64に対する潤滑油を供給することができる。
そして、略円環状のワッシャ60の油受部65と径方向に延びる溝63は、略円環状のワッシャ60周囲の油受部65の相互間の位置に形成したものであるから、略円環状のワッシャ60は、環状とすると略円環状のワッシャ60の取付け安定性及び潤滑油の流れがよくなり、また、油受部65相互間の反対側の位置に形成した溝63は、直接、潤滑油を軸方向の端面のスラスト面64に導き、そして、他の機構部分に対しても潤滑油を供給することができる。即ち、略円環状のワッシャ60のスラスト面64に対する潤滑油の供給を優先とすることができる。
なお、本発明を実施する場合には、上記実施の形態の図9の断面図に示すように、実施の形態1乃至実施の形態6のうち、重複部分を省いた実施とすることができる。
図1は本発明の実施の形態1にかかる自動変速機の潤滑油供給装置を示す要部断面図である。 図2は本発明の実施の形態1にかかる自動変速機の潤滑油供給装置を示す要部断面における潤滑油の流れを示す説明図である。 図3は本発明の実施の形態1にかかる自動変速機の潤滑油供給装置を示す要部の側面図である。 図4は本発明の実施の形態1にかかる自動変速機の潤滑油供給装置を示す要部の断面図で、図3の切断線A−Aによる断面に相当するものである。 図5は本発明の実施の形態1にかかる自動変速機の潤滑油供給装置を示す要部の樹脂ワッシャ付きの側面図である。 図6は本発明の実施の形態2にかかる自動変速機の潤滑油供給装置を示す要部の断面図である。 図7は本発明の実施の形態3にかかる自動変速機の潤滑油供給装置を示す要部の断面図である。 図8は本発明の実施の形態4にかかる自動変速機の潤滑油供給装置を示す要部の断面図である。 図9は本発明の実施の形態5にかかる自動変速機の潤滑油供給装置を示す要部断面図である。 図10は本発明の実施の形態5にかかる自動変速機の潤滑油供給装置で使用するワッシャの正面図(a)及び縦断面図(b)、要部拡大斜視図(c)を示すものである。 図11は本発明の実施の形態6にかかる自動変速機の潤滑油供給装置で使用するワッシャの正面図(a)及び要部拡大斜視図(b)を示すものである。
符号の説明
1 入力軸
2 潤滑油孔
3 キャリヤ
4 ピニオンシャフト
5 ピニオン
25 キャンセルプレート
26 ピストン部材
27 リターンスプリング
30 クラッチ
33 クラッチハブ
33a 端部
40 油受部
41 キャリヤカバー
41a キャリヤカバーの壁部
41b キャリヤカバーの基部
50,50A,50B,50C 切り欠き
45,60 ワッシャ
61 スラスト部
63 径方向に延びる溝
64 スラスト面

Claims (15)

  1. 自動変速機の内部に配設され、前記自動変速機における入力軸の軸方向の移動を規制してなるワッシャを有し、前記ワッシャに対して潤滑油を供給する自動変速機の潤滑油供給装置において、
    前記ワッシャには、前記自動変速機の入力軸の径方向に遠心力で飛ばされる潤滑油を受ける油受部と、前記油受部で受け取った潤滑油を前記ワッシャの前記軸方向の端面のスラスト面に導く案内路と
    を具備することを特徴とする自動変速機の潤滑油供給装置。
  2. 自動変速機の内部に配設したクラッチプレート及びクラッチディスクを有するクラッチに対して潤滑油を供給する自動変速機の潤滑油供給装置において、
    前記自動変速機の入力軸の軸方向に配設した前記プラネタリギヤの前記ピニオンシャフトの両端を取付ける略環状のキャリヤカバーに対して、前記入力軸の径方向に形成した潤滑油を受ける油受部及び前記油受部で受け取った潤滑油を前記軸方向の端面のスラスト面に導く案内路を有し、前記自動変速機における入力軸の軸方向の移動を規制するワッシャとを具備し、
    前記入力軸の周囲に配設したクラッチドラムの潤滑油孔から供給される潤滑油を、キャンセルプレートの潤滑油溝から前記油受部に対して、その途中の介在物を介すことなく直接供給することを特徴とする自動変速機の潤滑油供給装置。
  3. 前記ワッシャには、前記径方向に延びる溝を形成してなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の自動変速機の潤滑油供給装置。
  4. 前記ワッシャの前記軸方向のスラスト面に導く案内路には、前記径方向に延びる面に段差を設け、当該段差をオーバーフローした潤滑油のみが、前記ワッシャの前記軸方向のスラスト面に導かれることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の自動変速機の潤滑油供給装置。
  5. 前記ワッシャの前記油受部は、前記油受部の反対側で前記クラッチのクラッチハブと係合することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1つに記載の自動変速機の潤滑油供給装置。
  6. 自動変速機の内部に配設したクラッチプレート及びクラッチディスクを有するクラッチに対して潤滑油を供給する自動変速機の潤滑油供給装置において、
    前記自動変速機の入力軸の軸方向に配設した前記プラネタリギヤの前記ピニオンシャフトの両端を取付けるキャリヤ及びキャリヤカバーと、
    前記キャリヤカバーの前記入力軸の径方向に形成した壁部及び前記ピニオンシャフトの前記軸方向に延びた前記キャリヤカバーの基部及び前記基部に連結したクラッチハブの内周面の端部によって構成される前記入力軸の軸方向に、かつ、周方向に開口する油受部と、
    前記クラッチハブの内周面に形成した前記油受部の前記潤滑油をクラッチ方向に供給する切り欠きと
    を具備することを特徴とする自動変速機の潤滑油供給装置。
  7. 自動変速機の内部に配設したクラッチプレート及びクラッチディスクを有するクラッチに対して潤滑油を供給する自動変速機の潤滑油供給装置において、
    前記自動変速機の入力軸の軸方向に配設した前記プラネタリギヤの前記ピニオンシャフトの両端を取付けるキャリヤ及び略環状のキャリヤカバーと、
    前記キャリヤカバーの前記入力軸の径方向に形成した壁部及び前記ピニオンシャフトの前記軸方向に延びた前記キャリヤカバーの基部及び前記基部に連結したクラッチハブの内周面の端部によって構成される前記入力軸の軸方向に、かつ、周方向に開口する油受部と、
    前記クラッチハブの内周面に形成した前記油受部の前記潤滑油をクラッチ方向に供給する切り欠きとを具備し、
    前記入力軸の周囲に配設したクラッチドラムの潤滑油孔から供給される潤滑油を、キャンセルプレートの潤滑油溝から前記油受部に対して、その途中の介在物を介すことなく供給することを特徴とする自動変速機の潤滑油供給装置。
  8. 前記クラッチハブの内周面に形成した切り欠きは、前記入力軸を中心とする径方向に大きくなると、その周方向の幅が狭くなる形状としたことを特徴とする請求項6または請求項7に記載の自動変速機の潤滑油供給装置。
  9. 前記クラッチハブと前記クラッチを制御するキャンセルプレートとの間には、前記入力軸を中心とする前記切り欠き位置より大きい外径方向の位置で、前記クラッチハブの軸方向の移動を規制し、かつ、前記径方向に延びる溝を形成したワッシャを配設したことを特徴とする請求項6乃至請求項8の何れか1つに記載の自動変速機の潤滑油供給装置。
  10. 前記ワッシャに設けられた前記入力軸を中心とする径方向に延びる溝は、前記クラッチハブの前記切り欠きと円周方向の位相をずらせて配設したことを特徴とする請求項9に記載の自動変速機の潤滑油供給装置。
  11. 前記クラッチの前記キャンセルプレートは、前記キャンセルプレートの支持壁部の一方側に前記ワッシャが配設され、他方側にリターンスプリングを配設したことを特徴とする請求項6乃至請求項10の何れか1つに記載の自動変速機の潤滑油供給装置。
  12. 前記油受部に供給された潤滑油は、前記自動変速機を構成する前記ピニオンシャフトに軸支されているピニオン及び前記ピニオンシャフトと前記ピニオンとの間のニードルベアリングに、前記ピニオンシャフトの潤滑油孔を介して供給し、また、前記クラッチハブの内周面の端部に形成した前記切り欠きを介して前記クラッチに供給することを特徴とする請求項6乃至請求項11の何れか1つに記載の自動変速機の潤滑油供給装置。
  13. 前記油受部は、前記キャリヤカバーの壁部よりも前記クラッチハブの内周面の端部を低くしたことを特徴とする請求項6乃至請求項12の何れか1つに記載の自動変速機の潤滑油供給装置。
  14. 前記ワッシャは環状とし、その前記油受部と径方向に延びる溝は、前記環状のワッシャの周囲のスラスト面側の位置に形成したことを特徴とする請求項1乃至請求項5、請求項9乃至請求項13の何れか1つに記載の自動変速機の潤滑油供給装置。
  15. 前記ワッシャは環状とし、その前記油受部と径方向に延びる溝は、前記環状のワッシャの周囲の前記油受部相互間のスラスト面側の位置に形成したことを特徴とする請求項1乃至請求項5、請求項9乃至請求項13の何れか1つに記載の自動変速機の潤滑油供給装置。
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