JP2011169430A - 動力伝達装置の軸支持構造 - Google Patents

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    • F16C2361/63Gears with belts and pulleys

Abstract

【課題】ケーシングの加工数を少なく抑えた簡単な構造でありながら、軸受の効果的な潤滑と取付工具による係止具の取り付けとの両方を可能とする。
【解決手段】TCケース11の外側面11aに形成した環状の突起からなる支持リブ51と、支持リブ51の内周に設置した軸受54と、軸受54で回転自在に支持されたポンプ駆動軸41と、ポンプ駆動軸41に固定されたスプロケット31と、支持リブ51の内周側に画成された油溜り55と、支持リブ51の上端に形成した切欠溝57とを備えた軸支持構造50であって、切欠溝57は、スプロケット31の回転に伴って掻き上げられた潤滑油を油溜り55に導く潤滑油導入路であると共に、支持リブ51の内周と軸受54の外周との間にサークリップ(係止具)59を取り付ける際、支持リブ51の内周側に取付工具60を挿入するための工具挿入部でもある。
【選択図】図4

Description

本発明は、変速機などの動力伝達装置が備える回転軸を支持するための軸支持構造に関し、詳細には、ケーシングに形成した支持部に取り付けた軸受に対して、スプロケットなど回転体の回転で掻き上げられた潤滑油を供給できるように構成した軸支持構造に関する。
車両用の動力伝達装置である変速機には、油圧制御回路の油圧源となる油圧ポンプが設置されている。このような油圧ポンプの回転軸(ポンプ駆動軸)として、ケーシングに対して軸受を介して回転自在に支持されたものがある。この場合、軸受は、ケーシングの側面に形成した環状の突起からなる支持リブ内に支持されている。そして、支持リブ内におけるケーシングの側面と軸受との隙間には、軸受を潤滑するための潤滑油の油溜りが画成されている場合がある。
従来、上記のような油溜りに潤滑油を導くための潤滑構造の例として、特許文献1、2に示す潤滑構造がある。特許文献1の潤滑構造は、油溜部に潤滑油を供給するリブと潤滑孔、及びそれらを接続する潤滑溝からなる潤滑構造を備えている。また、特許文献2の潤滑構造は、チェーンで掻き上げられた潤滑油がリブによってケーシングに設けた開口に導入され、該開口を介して軸受に隣接するオイルポケットに流下するように構成されている。
特開2004−324663号公報 特開平3−89063号公報
ところで、上記のように軸受をケーシングの支持リブ内に設置する軸支持構造では、支持リブに対する軸受の軸方向の移動を規制するための部材として、円環状の一部に切れ目を有する略C字型の係止具であるサークリップを取り付けている。サークリップは、支持リブの内周面と軸受の外周面との間に係合させて取り付けるようになっており、その取り付けは、専用の取付工具を用いて行う必要がある。そのため、ケーシングの支持リブには、サークリップの設置箇所へ取付工具を挿入するための加工を施しておく必要がある。
従来は、このようなケーシングに対する取付工具挿入用の加工として、支持リブに専用の穴や溝を形成することが行われていた。そのため、ケーシングには、潤滑油通路形成用の加工と、取付工具挿入用の加工との両方を施すことが必要であった。これにより、ケーシングの加工数が多くなり、変速機の製造に手間や時間を要したり、コスト増につながったりする原因となっていた。なお、特許文献1、2には、潤滑油通路を形成するための開口や溝などの構成が開示されているが、特許文献1、2には、それらを潤滑以外の用途に用いる旨の記載はされていない。また、ケーシングに対する取付工具挿入用の加工に関する記載もなされていない。
本発明は上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ケーシングの加工数を少なく抑えた簡単な構造でありながら、軸受の効果的な潤滑と取付工具による係止具の取り付けとの両方が可能となる動力伝達装置の軸支持構造を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明にかかる動力伝達装置の軸支持構造は、動力伝達装置(1)の構成部品を収容するためのケーシング(11,12)と、ケーシング(11)の側面(11a)に形成した環状の突起からなる支持部(51)と、支持部(51)の内周に設置した軸受(54)と、軸受(54)で回転自在に支持された回転軸(41)と、回転軸(41)に固定された回転体(31)と、支持部(51)の内周側におけるケーシング(11)の側面(11a)と軸受(54)との間に画成された油溜り(55)と、支持部(51)の内周と軸受(54)の外周との間に取り付けられて支持部(51)に対して軸受(54)を係止する係止具(59)と、を備えると共に、支持部(51)には、その一部を切り欠いて該支持部(51)の内外を連通させた切欠溝(57)が形成されていることを特徴とする。
本発明にかかる動力伝達装置の軸支持構造では、支持部の内周側におけるケーシングの側面と軸受との間に画成された油溜りと、支持部の内周と軸受の外周との間に取り付けられた係止具とを備えると共に、環状の突起からなる支持部の一部を切り欠いて該支持部の内外を連通させた切欠溝を設けたことで、当該切欠溝を、油溜りに潤滑油を導入するための潤滑油導入路として用いると共に、支持部内に係止具を取り付けるための取付工具を挿入する工具挿入部としても用いることができる。この構成によれば、支持部に形成する切欠溝は一つで足りるので、従来構造と比較して、ケーシングの加工数を少なく抑えることが可能となる。また、支持部に形成した切欠溝によって、回転体の回転に伴って掻き上げられた潤滑油を油溜りに導くことができるので、ケーシングの加工数を少なく抑えた簡単な構造でありながら、軸受の効果的な潤滑が行えるようになる。
また、この軸支持構造では、切欠溝(57)は、支持部(51)の上端側に形成されており、回転体(31)は、軸方向で支持部(51)に隣接して配置されており、該回転体(31)の外周部(31b)が軸方向における切欠溝(57)と同位置に延在しているとよい。この構成によれば、回転体の回転で掻き上げられた潤滑油が切欠溝(57)に入り易くなるので、油溜りに効率良く潤滑油を導くことができる。したがって、回転体の回転で軸受を効果的に潤滑できるので、回転軸のスムーズな動作が可能となる。また、切欠溝を支持部の上端側に形成したことで、係止具を取り付ける際、取付工具を支持部の上方から挿入することができるので、軸支持構造の組立を効率良く行うことができるようになる。
また、上記の軸支持構造では、回転体(31)は、回転軸(41)に固定された従動スプロケット(31)であり、動力伝達装置(1)の入力軸(2)に固定された駆動スプロケット(30)と、駆動スプロケット(30)と従動スプロケット(31)とに架け渡されたチェーン(32)とからなる駆動伝達機構(35)を備えると共に、駆動伝達機構(35)による回転軸(41)の回転で駆動される油圧ポンプ(40)を備えるとよい。この構成によれば、本発明にかかる軸支持構造によって、油圧ポンプの回転軸を支持する軸受を効果的に潤滑でき、油圧ポンプのスムーズな動作を確保できる。また、従動スプロケット及びそれに架けられたチェーンの回転で、切欠溝を介して油溜りに潤滑油を導入できるので、油圧ポンプの駆動軸が回転する際に軸受の潤滑を促進することができる。
また、上記の軸支持構造では、ケーシング(11,12)は、支持部(51)が形成された第1ケーシング(11)と、油圧ポンプ(40)を取り付けた第2ケーシング(12)とからなり、第1ケーシング(11)と第2ケーシング(12)とを軸方向に突き合わせて接合した構成であり、回転軸(41)は、油圧ポンプ(40)と共に第2ケーシング(12)側に取り付けられており、第1ケーシング(11)と第2ケーシング(12)との接合によって、回転軸(41)が支持部(51)に取り付けられている軸受(54)側に嵌合するように構成するとよい。これによれば、分割した第1、第2ケーシングのそれぞれに対して、油圧ポンプ及び回転軸と、該回転軸を支持するための構成部品とをモジュール化しておくことで、ケーシングの接合に伴い、油圧ポンプの回転軸を支持する支持構造の組立が行えるようになる。したがって、動力伝達装置の組立効率を向上させることができる。
なお、上記の括弧内の符号は、後述する実施形態における対応する構成要素の符号を本発明の一例として示したものである。
本発明にかかる動力伝達装置の軸支持構造によれば、ケーシングの加工数を少なく抑えた簡単な構造でありながら、軸受の効果的な潤滑と取付工具による係止具の取り付けとの両方が可能となる
本発明の一実施形態にかかる軸支持構造を備えた変速機の全体構成例を示す側断面図である。 トルクコンバータケースの外側面を示す概略図である。 軸支持構造の詳細構成を示す図で、図1のB部分の部分拡大図である。 軸支持構造の詳細構成を示す図で、図2のC部分に対応する部分拡大図である。 サークリップの取付手順を説明するための図である。 軸支持構造における潤滑油の流れを説明するための図である。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態にかかる軸支持構造を備えた動力伝達装置の全体構成例を示す側断面図である。また、図2は、後述するトルクコンバータケースの外側面を示す概略図である。図1に示す動力伝達装置1は、エンジン(図示せず)の駆動力を入力軸2に伝達するトルクコンバータ1Aと、入力軸2の回転を変速して出力するための変速機1Bとで構成されている。変速機1Bは、入力軸2の回転を増速して出力する増速用プラネタリ機構G1と、増速用プラネタリ機構G1からの増速回転を入力として変速回転を出力する変速用プラネタリ機構G2と、変速段設定用の摩擦係合要素であるクラッチC1,C2,C3及びブレーキB1,B2などで構成された変速機構3を備える自動変速機である。ここでは、変速機構3の詳細な構成及び動作の説明は省略する。なお、以下の説明で軸方向というときは、入力軸2の軸方向を示すものとする。
トルクコンバータ1Aは、トルクコンバータケース(以下、「TCケース」と記す。)11に収容されており、変速機構3は、トランスミッションケース(以下、「Mケース」と記す。)12に収容されている。Mケース12は、TCケース11の軸方向を向く外側面11aに対して軸方向に隣接して設置されている。Mケース12は、有底容器状に形成されており、開口端12aをTCケース11側に向けた状態で、該開口端12aがTCケース11の外側面11aに接合されている。すなわち、動力伝達装置1のケーシングは、トルクコンバータ1Aを収容したTCケース11と、変速機構3を収容したMケース12とからなり、これらTCケース11とMケース12を軸方向に突き合わせて接合した構成である。
トルクコンバータ1Aは、クランクシャフト5で駆動されるポンプインペラ21と、ポンプインペラ21に対向配置されて入力軸2に連結されたタービンランナ22と、ポンプインペラ21とタービンランナ22との間に設けたステータ23とを備えている。なお、タービンランナ22とエンジンドライブプレート25との間には、ダンパ付きのロックアップクラッチピストン26が配置されている。また、コンバータカバー27のクランクシャフト5と反対側の端部には、インペラシェル28が接続されており、インペラシェル28の内周側には、ポンプハブ20が接続されている。
ポンプハブ20は、トルクコンバータ1Aの中心から入力軸2に沿って変速機構3側に延びており、入力軸2の外側を囲む略円筒型に形成されている。ポンプハブ20の外周側には、油圧ポンプ40を駆動するための駆動スプロケット30が嵌合している。駆動スプロケット30は、TCケース11に対して軸受30aで回転自在に支持されている。
入力軸2に対して径方向の外側に離間した位置には、ギヤ式の油圧ポンプ40が設置されている。油圧ポンプ40は、ポンプ駆動軸(回転軸)41の回転で駆動するようになっている。ポンプ駆動軸41は、油圧ポンプ40から入力軸2と平行に延びており、その先端は、後述する軸支持構造50でTCケース11の外側面11aに対して回転自在に支持されている。なお、図1に示す構成の動力伝達装置1では、油圧ポンプ40は、ボルト42の締結でTCケース11に固定されている。
また、ポンプ駆動軸41の先端には、従動スプロケット31が取り付けられている。駆動スプロケット30と従動スプロケット31との間には、チェーン32が掛け渡されている。これら駆動スプロケット30及び従動スプロケット31とチェーン32とで、トルクコンバータ1A及び入力軸2からの駆動力を油圧ポンプ40に伝達するための駆動伝達機構35が構成されている。
図3及び図4は、ポンプ駆動軸41を支持する軸支持構造50の詳細構成を示す図で、図3は、図1のB部分の部分拡大図、図4は、図2のC部分に対応する部分拡大図である。なお、説明及び図示の都合上、図4では、従動スプロケット31を点線で示している。ポンプ駆動軸41を支持する軸支持構造50は、TCケース11の外側面11aに形成した環状の突起からなる支持リブ(支持部)51を備えている。支持リブ51の内周側には、ポンプ駆動軸41を回転自在に支持する軸受54が設置されている。軸受54は、外輪54aと内輪54bとの間をボール54cが転動する構成のボールベアリングである。外輪54aは、支持リブ51の内周面に固定されており、内輪54bは、ポンプ駆動軸41にスプライン嵌合された従動スプロケット31に固定されている。
従動スプロケット31は、略円形の平板状に形成された本体部31aと該本体部31aの外周側に配置した外周部31bとを有しており、外周部31bには、チェーン32を架けるための複数の歯36が配列形成されている。径方向における本体部31aと外周部31bの間には、段部31eが設けられており、外周部31bは、本体部31aに対して軸方向の一方にずれた位置にある。また、本体部31aの中心には、ポンプ駆動軸41をスプライン嵌合させるための開口部31cが形成されている。開口部31cの外周は、本体部31aの面から略直角に折り曲げられており、軸方向に向かって円筒状に突出する筒状部31dになっている。軸受54の内輪54bは、筒状部31dの外周面に嵌め込まれており、ポンプ駆動軸41の先端は、筒状部31dの内周面に嵌め込まれている。
また、図3に示すように、軸受54は、支持リブ51内でTCケース11の外側面11aに対して油圧ポンプ40側(図1参照)に若干離間した位置に取り付けられている。これにより、支持リブ51内のTCケース11の外側面11aと軸受54との隙間には、潤滑油が溜められる油溜り55が画成されている。そして、支持リブ51の上端側には、切欠溝57が形成されている。切欠溝57は、円環状の突起の一部を所定幅で帯状に切り欠いてなる部分であり、支持リブ51の内側と外側とをTCケース11の外側面11aの高さ位置(軸方向の高さ位置)で連通している。この切欠溝57は、油溜り55の真上位置に配置されている。
一方、軸受54の外周と支持リブ51の内周との間には、軸受54を係止するためのサークリップ(係止具)59が取り付けられている。サークリップ59は、弾性を有する金属材料からなり、円環状の一部に切れ目を有する略C字型に形成されている。このサークリップ59は、支持リブ51の内周面に形成した環状の係合溝51aと、それに対向する軸受54の外輪54aの外周面に形成した環状の係合溝54fとの両方に係合している。このサークリップ59によって、支持リブ51に対する軸受54の軸方向の移動が規制されている。
上記構成の軸支持構造50の組立手順について説明する。まず、あらかじめ従動スプロケット31に軸受54を取り付けておく。これには、従動スプロケット31の筒状部31dの外周面に軸受54の内輪54bを嵌め込む。この際、筒状部31dの外周面に形成した環状の溝部31fにCワッシャー33を取り付けることで、軸受54の抜け止めを施す。
その一方で、あらかじめ支持リブ51の内周面にサークリップ59を取り付けておく。図5は、サークリップ59の取付手順を説明するための図で、支持リブ51を軸方向の先端51c側から見た図である。同図に示すように、サークリップ59の取り付けには、専用の取付工具60を用いる。取付工具60は、サークリップ59の両端(切れ目59aの両側)59b,59bそれぞれを相対移動可能に保持する一対の保持片61,61を備えており、両端59b,59bの距離を調節することでサークリップ59の径寸法を調整可能な保持具である。この取付工具60でサークリップ59を保持し、両端59b,59bを接近させることで、径寸法を小さくする。その状態で、サークリップ59を支持リブ51内の係合溝51aに対応する位置に配置する。この際、取付工具60は、支持リブ51の切欠溝57に挿入する。その後、取付工具60を操作して、サークリップ59の両端59b,59bを接近させている力を弱めると、サークリップ59が弾性で元の径に復帰する。これにより、サークリップ59が支持リブ51の係合溝51aに係合する。
なお、図5に示す例では、サークリップ59は、その両端59b,59bが径方向の外側に向かって若干突出しており、当該突出する部分を取付工具60の保持片61,61で摘むようにしているが、取付工具60でサークリップ59の両端59b,59bの距離を調節するための構成としては、上記に示すものには限られず、他の構成であってもよい。例えば、図示は省略するが、取付工具60の保持片61,61を先尖形状とし、サークリップ59の両端59b,59b又はその近傍に保持片61,61の先端を挿入させる小孔を設けてもよい。このような構成でも、取付工具60の保持片61,61をサークリップ59の小孔に挿入して操作すれば、サークリップ59の両端59b,59bの距離を調節できる。
次に、従動スプロケット31に取り付けた軸受54を支持リブ51の内周側に設置する。これには、軸受54を支持リブ51の先端51c側からTCケース11の外側面11aに向かって移動させ、支持リブ51内に嵌め込む。この際、図3に示すように、サークリップ59は、係合溝51a内で外径側に若干の隙間を有しているので、軸受54を支持リブ51内に嵌め込む際、取付工具60でサークリップ59を拡径して、係合溝51a内に完全に退避させておく。その状態で軸受54を支持リブ51内に嵌め込んだ後、取付工具60でサークリップ59の両端59b,59bを広げている力を解除する。これにより、図3に示すように、サークリップ59が支持リブ51の係合溝51aと軸受54の係合溝と54fとの両方に係合して、軸受54の軸方向の移動が係止される。こうして、支持リブ51に対する軸受54の取り付けが完了する。
その後、図1に示すように、TCケース11に対してボルト42の締結で油圧ポンプ40を取り付ける。この際、TCケース11に油圧ポンプ40を取り付けることで、あらかじめ支持リブ51側に取り付けられた従動スプロケット31の開口部31c及び軸受54に対して、ポンプ駆動軸41の先端が嵌合(スプライン嵌合)する。こうして、ポンプ駆動軸41の軸支持構造50の組立が完了する。
図6は、上記構成の軸支持構造50における潤滑油の流れを説明するための図である。なお、図6に斜線で示した油溜り55の潤滑油は、実際には、軸受54の奥側に溜められている。駆動伝達機構35では、駆動スプロケット30の回転がチェーン32を介して従動スプロケット31に伝達されることで、従動スプロケット31が回転する。すると、従動スプロケット31及びチェーン32の回転で、図6の矢印Lに示すように、従動スプロケット31周辺の潤滑油が掻き上げられる。掻き上げられた潤滑油は、支持リブ51の上端に形成した切欠溝57を介して、支持リブ51内の油溜り55に導入される。これにより、油溜り55に潤滑油が溜まるので、軸受54の潤滑が行われる。このように、支持リブ51に形成した切欠溝57は、従動スプロケット31の回転に伴って掻き上げられる潤滑油を油溜り55に導く潤滑油導入路としての機能を備えている。なお、本実施形態の軸支持構造50では、図3に示すように、従動スプロケット31の外周部31bが本体部31aに対して軸方向の一方(支持リブ51側)にずれていることで、外周部31bの歯36が軸方向における切欠溝57と同位置に延在している。これにより、従動スプロケット31の回転で掻き上げられた潤滑油が切欠溝57に入り易くなるので、油溜り55に効率良く潤滑油を導くことができる。
以上説明したように、本実施形態の軸支持構造50では、TCケース11の支持リブ51に形成した切欠溝57は、支持リブ51内の油溜り55に潤滑油を導入するための潤滑油導入路であると共に、サークリップ59を取り付けるための取付工具60を支持リブ51の内側に挿入するための工具挿入部でもある。これにより、従来構造と比較して、TCケース11の加工数を少なく抑えることが可能となる。また、支持リブ51に形成した切欠溝57によって、従動スプロケット31の回転に伴って掻き上げられた潤滑油を油溜り55に効率良く導くことができる。したがって、TCケース11の加工数を少なく抑えた簡単な構造でありながら、軸受54の効果的な潤滑が行えるようになる。
また、この軸支持構造50では、図3に示すように、支持リブ51の切欠溝57は、支持リブ51の上端側に形成されており、従動スプロケット31の外周部31bが軸方向における切欠溝57と同位置に延在している。この構成によって、従動スプロケット31の回転で掻き上げられた潤滑油が切欠溝57に入り易くなるので、油溜り55に効率良く潤滑油を導くことができる。したがって、ポンプ駆動軸41及び従動スプロケット31の回転で、軸受54に対して潤滑油を効果的に供給でき、ポンプ駆動軸41のスムーズな回転が可能となる。また、切欠溝57を支持リブ51の上端側に形成したことで、サークリップ59を取り付ける際、取付工具60を支持リブ51の上方から挿入できるので、軸支持構造50の組立を効率良く行うことができる。
なお、図1に示す構成の動力伝達装置1では、油圧ポンプ40がTCケース11に固定されている場合を示したが、これ以外にも、図示は省略するが、油圧ポンプ40をMケース12に固定する構成を採用することも可能である。その場合は、Mケース12とTCケース11を接合する前に、あらかじめMケース12に油圧ポンプ40及びポンプ駆動軸41を取り付けておく。そして、Mケース12とTCケース11を接合することで、ポンプ駆動軸41の先端が支持リブ51に取り付けられている従動スプロケット31の開口部31c及び軸受54に嵌合するように構成するとよい。
このように、油圧ポンプ40をMケース12に固定する構成を採用すれば、Mケース12とTCケース11を接合するだけで、油圧ポンプ40のポンプ駆動軸41を支持リブ51に取り付けた従動スプロケット31及び軸受54に嵌合させることが可能となる。すなわち、Mケース12に対して油圧ポンプ40及びポンプ駆動軸41をモジュール化し、TCケース11に対してポンプ駆動軸41を支持するための構成部品(軸受54など)をモジュール化することで、TCケース11とMケース12の組立に伴って、油圧ポンプ40のポンプ駆動軸41を支持する軸支持構造50の組立が行えるようになる。これにより、動力伝達装置1の組立効率を向上させることができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。例えば、本発明にかかる軸支持構造を適用する動力伝達装置は、上記実施形態に示すトルクコンバータ1A及び変速機1Bからなる動力伝達装置1には限らず、差動装置や駆動力配分装置など他の構成の動力伝達装置であってもよい。また、本発明の軸支持構造で支持される回転軸は、上記実施形態に示すポンプ駆動軸41には限らず、変速機の入力軸や出力軸など、他の回転軸であってもよい。また、回転軸に固定する回転体は、スプロケット31には限らず、ギヤやプーリなど他の種類の回転体であってもよい。
1 動力伝達装置
1A トルクコンバータ
1B 変速機
2 入力軸
3 変速機構
11 TCケース(ケーシング)
11a 外側面
12 Mケース(ケーシング)
30 駆動スプロケット
31 従動スプロケット(回転体)
31a 本体部
31b 外周部
31c 開口部
31d 筒状部
31e 段部
31f 溝部
32 チェーン
35 駆動伝達機構
40 油圧ポンプ
41 ポンプ駆動軸(回転軸)
50 軸支持構造
51 支持リブ(支持部)
54 軸受
57 切欠溝(潤滑油導入路、工具挿入部)
59 サークリップ(係止具)
59a 切れ目
59b,59b 両端
60 取付工具

Claims (4)

  1. 動力伝達装置の構成部品を収容するためのケーシングと、
    前記ケーシングの側面に形成した環状の突起からなる支持部と、
    前記支持部の内周に設置した軸受と、
    前記軸受で回転自在に支持された回転軸と、
    前記回転軸に固定された回転体と、
    前記支持部の内周側における前記ケーシングの前記側面と前記軸受との間に画成された油溜りと、
    前記支持部の内周と前記軸受の外周との間に取り付けられて前記支持部に対して前記軸受を係止する係止具と、を備えると共に、
    前記支持部には、その一部を切り欠いて該支持部の内外を連通させた切欠溝が設けられている
    ことを特徴とする動力伝達装置の軸支持構造。
  2. 前記切欠溝は、前記支持部の上端側に形成されており、
    前記回転体は、軸方向で前記支持部に隣接して配置されており、該回転体の外周部が軸方向における前記切欠溝と同位置に延在している
    ことを特徴とする請求項1に記載の動力伝達装置の軸支持構造。
  3. 前記回転体は、前記回転軸に固定された従動スプロケットであり、
    前記動力伝達装置の入力軸に固定された駆動スプロケットと、
    前記駆動スプロケットと前記従動スプロケットとに架け渡されたチェーンとからなる駆動伝達機構を備えると共に、
    前記駆動伝達機構による前記回転軸の回転で駆動される油圧ポンプを備える
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の動力伝達装置の軸支持構造。
  4. 前記ケーシングは、前記支持部が形成された第1ケーシングと、前記油圧ポンプを取り付けた第2ケーシングとからなり、前記第1ケーシングと前記第2ケーシングとを軸方向に突き合わせて接合した構成であり、
    前記回転軸は、前記油圧ポンプと共に前記第2ケーシング側に取り付けられており、
    前記第1ケーシングと前記第2ケーシングとの接合によって、前記回転軸が前記支持部に取り付けられている前記軸受側に嵌合するように構成した
    ことを特徴とする請求項3に記載の動力伝達装置の軸支持構造。
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