JP2006275192A - オイルポンプ駆動機構の潤滑構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 オイルポンプの駆動軸等の支持用に、トルクコンバータ横のケーシングに設けられた凹状支持部に特別な切り欠き等を設けなくても、凹状支持部内の潤滑を容易に行う。
【解決手段】 トルクコンバータ横のケーシング4に突設された凹状支持部20中に、ベアリング21を介して支持された、オイルポンプ駆動用の駆動軸24を、駆動軸24のベアリング21横に、凹状支持部20を塞ぐように取り付けられた第1のスプロケット25と、潤滑油中を移動するチェーン27とを介して、トルクコンバータ側の第2のスプロケット26により回転させる場合に、凹状支持部20とベアリング21の内外面に係合し、ベアリング21を凹状支持部20内に位置決めする位置決め部材22用の操作用切り欠きBを、第1のスプロケット25の上部側においてチェーン27がこの第1のスプロケット25に噛み合い始める位置側に向くよう、凹状支持部20に形成した。
【選択図】 図2

Description

本発明は、一端が、トルクコンバータ横の自動変速装置用ケーシングに軸支されるオイルポンプの回転軸又はこの回転軸に回転力を伝える駆動軸に、チェーンとスプロケットを介して、トルクコンバータのポンプインペラ側の回転力を伝えるオイルポンプ駆動機構に関するものであり、特にその潤滑構造に関するものである。
図1で示されるように、トルクコンバータ2の反エンジン側横に配置される自動変速装置用本体ケーシング4の下部には、突状の凹状支持部20が形成され、この凹状支持部20に、例えば、オイルポンプに回転力を与える駆動軸24の一端側24aが、ベアリング21を介して回動自在に支持されている。そして、駆動軸24のベアリング21横には、凹状支持部20を覆うようにドリブンスプロケット25が取り付けられている。また、本体ケーシング4側に延びるトルクコンバータ2のポンプインペラ11側中空回転軸17には、ドライブスプロケット26が取り付けられ、ドライブスプロケット26とドリブンスプロケット25に掛け渡されたチェーン27を介して、ポンプインペラ11側の回転力が駆動軸24に伝達されるようになっている。
ここで、駆動軸24のベアリング21周りは、凹状支持部20とドリブンスプロケット25とで覆われるため、ベアリング21側に潤滑油が回り込みにくく、このため、例えば、特許文献1に記載されたオイルポンプ駆動機構では、図5で示されるように、凹状支持部20の一部に、オイル流入用の開口(孔又は切り欠き)100を設け、この開口100を介して、チェーン27を伝わった潤滑油を、ベアリング21側に導いていた。
特開2003−301929号公報
しかしながら、本体ケーシング4の凹状支持部20には、上記オイル流入用の開口100のほかに、ベアリング21を凹状支持部20に位置決めするスナップリングの操作用切り欠き120も設けられている。このため、かかるオイルポンプの駆動機構では、凹状支持部20の製作に手数がかかってしまうとともに、この凹状支持部20の強度も弱くなりやすいという問題があった。
なお、上記問題は、本体ケーシング4の凹状支持部20で、オイルポンプの回転軸を直接軸支する場合にも生じる。
この発明は、以上の点に鑑み、オイルポンプの回転軸又はこの回転軸に回転力を伝える駆動軸の一端側を支持するために、トルクコンバータ横のケーシングに設けられた凹状支持部に、特別な潤滑用切り欠き等を設けなくても、この凹状支持部内のベアリングの潤滑が容易に行えるオイルポンプ駆動機構の潤滑構造を提供することを目的とする。
この発明の請求項1記載の発明は、トルクコンバータ横のケーシングに突状に設けられた凹状支持部中に、一端側がベアリングを介して回動自在に支持された、オイルポンプの回転軸又はこの回転軸に回転力を伝える駆動軸を、前記回転軸又は駆動軸の前記ベアリング横に、前記凹状支持部を塞ぐように取り付けられた第1のスプロケットと、一部が潤滑油中を移動するチェーンとを介して、前記トルクコンバータのポンプインペラ側に取り付けられた第2のスプロケットにより回転させるオイルポンプ駆動機構の潤滑構造において、前記凹状支持部の内面側と前記ベアリングの外面側とに係合し、前記ベアリングを前記凹状支持部内に位置決めする位置決め部材を、前記凹状支持部内において弾性変形させるための、この凹状支持部の操作用切り欠きを、前記第1のスプロケットの上部側において前記チェーンがこの第1のスプロケットに噛み合い始める位置側に向くよう形成していることを特徴とする。
この発明では、例えば、オイルポンプの回転軸には、この回転軸に取り付けられた第1のスプロケットと、トルクコンバータのポンプインペラ側に取り付けられた第2スプロケットとに噛合するチェーンによって、トルクコンバータのポンプインペラ側の回転力が伝えられる。この場合、ベアリングを介して上記回転軸の一端側を支持するケーシングの凹状支持部は、ベアリングを着脱する開口部が、回転軸周りに取り付けられた第1スプロケットにより塞がれた状態になり、凹状支持部内のベアリングに潤滑油が行き渡りにくい状態となる。
一方、凹状支持部には、第1のスプロケットの上部側においてチェーンがこの第1のスプロケットに噛み合い始める位置に向くように、ベアリングの位置決めに用いられる位置決め部材の操作用切り欠きが設けられている。このため、チェーンに付着して掻き揚げられた潤滑油は、チェーンが第1のスプロケットに噛み合い始めると、第1のスプロケットの上部側から凹状支持部側に流下し、操作用切り欠きから凹状支持部内のベアリング側に流入する。
なお、ベアリングの凹状支持部内での位置決めは、例えば、位置決め部材を、凹状支持部の内面に設けた周溝とベアリングの外面に設けた外周溝とに係合させることにより行う。この場合、凹状支持部内へのベアリングの挿入は、操作用切り欠きを介して、凹状支持部内の位置決め部材を弾性力に抗しつつ拡径し、この位置決め部材を凹状支持部の周溝内に逃がすことにより行う。
この発明の請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の場合において、前記操作用切り欠きは、前記凹状支持部中の前記ベアリングの側面より、この凹状支持部の底面側に寄った位置まで形成されていることを特徴とする。
この発明の請求項1記載の発明によれば、凹状支持部のベアリング位置決め部材の操作用切り欠きを介して、凹状支持部内のベアリング側に、チェーンに付着するようにして掻き上げられた潤滑油を供給できるので、この凹状支持部に特別な潤滑油供給開口を設ける必要はない。このため、この発明では、凹状支持部に設けられる切り欠き等の数を減少でき、凹状支持部の強度の低下を防止できるとともに、ケーシングの凹状支持部側の製作の容易化を達成できる。
この発明の請求項2記載の発明によれば、操作用切り欠きが、凹状支持部中のベアリングの側面より、この凹状支持部の底面側に寄った位置まで形成されているので、潤滑油を凹状支持部の奥側まで充分に供給できる。このため、凹状支持部内のベアリングは、その手前側の側面からだけでなく、奥側の側面からも潤滑油が供給され、充分に潤滑される。
以下、この発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1はこの発明の一実施の形態に係るオイルポンプ駆動機構を備えた車両用自動変速装置の一部を示している。
自動変速装置は、図1で示されるように、エンジンのクランク軸の回転を伝えるドライブプレート1と、ドライブプレートの回転を受けるとともに、自動クラッチとして作用し、かつ、トルクの増加作用を行うトルクコンバータ2と、トルクコンバータ2からの回転を正逆方向に切り換える前後進切換装置3と、前後進切換装置3からの回転を受けて、この回転速度を無段階に変化させる無段変速装置(図示せず)と、車両の油圧制御機器等に所定圧のオイルを供給するオイルポンプ6と、トルクコンバータ2側の回転力をオイルポンプ6に伝えるオイルポンプ駆動機構7等とを有している。
ここで、トルクコンバータ2の反エンジン側横には、前後進切換装置3との間に、自動変速装置の本体ケーシング4の一部が配置されているとともに、本体ケーシング4と前後進切換装置3間には、本体ケーシング4にボルトB2で固定されるサポートセンタ5が配置されている。なお、本体ケーシング4は、前後進切換装置3や無段変速装置等の外方を覆うとともに、トルクコンバータ2側が凹状に形成されていて、この凹状部にトルクコンバータ2を配置している。
トルクコンバータ2は、エンジン側のトルコンケース10外周部がボルトB1によってドライブプレート1に連結されており、トルコンケース10の外周端にポンプインペラ11が取り付けられている。トルコンケース10とポンプインペラ11間には、ポンプインペラ11と対向するようにタービンランナ12が配置され、ポンプインペラ11とタービンランナ12間には、やや小径のステータ13が配置されている。
タービンランナ12の基部は、中央のトルコン出力軸14周りに、これと一体回転するように取り付けられた中空軸14の鍔部14aに固定されている。中空軸14横のトルコン出力軸15周りには、反エンジン側から中空軸14近くまで、サポートセンタ5の固定軸5aが延びている。この固定軸5aには、ステータ13がワンウェイクラッチ16を介して支持されているとともに、鍔部17aを介して、ポンプインペラ11の基部側と連結される、中空回転軸17が回動自在に支持されている。
エンジンの回転力がドライブプレート1を介してトルクコンバータ2のポンプインペラ11に伝えられると、内部の作動油の作用で、タービンランナ12が回転し、中空軸14を介してトルコン出力軸15を回転させる。この場合、ステータ13もワンウェイクラッチ16を介して僅かに回転し、タービンランナ12側の作動油をポンプインペラ11側に程よく循環させる。
前後進切換装置3は、トルコン出力軸15の反エンジン側端部周りに配置される遊星ギアユニット30と、遊星ギアユニット30からの回転出力を正逆方向に切り換えるフォワードクラッチ31及びリバースブレーキ32とを有している。前後進切換装置3は、フォワードクラッチ31とリバースブレーキ32とを、それぞれ締結、解放することにより、トルコン出力軸15側の回転を、無段変速装置側に伝えないニュートラル状態にしたり、トルコン出力軸15側の回転を正転又は逆転して無段変速機側に伝える、フォワードやバックの状態にする。なお、符号33は、前後進切換装置3の出力軸である。
無段変速機は、前後進切換装置3の出力軸33からの回転力を受けるプライマリプーリと、プライマリプーリ側の回転力をディファレンシャル装置側に伝えるセカンダリプーリと、これらのプーリに掛け渡されるベルト等から構成されている。この無段階変速機では、プライマリプーリとセカンダリプーリとのベルト係止部の径を無段階に変更することにより、前後進切換装置3を介した、トルコン出力軸15側の回転速度を無段階に変更する。
オイルポンプ駆動機構7は、オイルポンプ6にトルクコンバータ2のポンプインペラ11側の回転力を伝え、このオイルポンプ6を作動させるものである。
このオイルポンプ駆動機構7は、図1で示されるように、トルクコンバータ2と前後進切換装置3間の本体ケーシング4下部側に設けられた凹状支持部20と、凹状支持部20内にスナップリング22(図3参照)を介して位置決めされるベアリング21と、一端側24aがベアリング21を介して凹状支持部20に回動自在に支持され、他端側24bがベアリング23を介してオイルポンプ6のケーシング60に回動自在に支持される筒状の駆動軸24と、駆動軸24のベアリング21横に、凹状支持部20の開口A(図3参照)を塞ぐようにスプライン嵌合によって取り付けられる、第1のスプロケットとしてのドリブンスプロケット25と、トルクコンバータ2のポンプインペラ11側の中空回転軸17にスプライン嵌合によって取り付けられる第2のスプロケットとしてのドライブスプロケット26と、ドライブスプロケット26とドリブンスプロケット25とに掛け渡され、トルクコンバータ2側の回転力を駆動軸24側に伝えるチェーン27とから構成されている。
凹状支持部20は、図1及び図4で示されるように、本体ケーシング4の外面から、トルコン出力軸15と平行に前後進切換装置3側に向かって突出するように形成された、一端解放の中空周壁20a内に、円柱状の支持空間Kが形成されたものである。周壁20aには、端部の開口A側からみて左上部の位置(図2参照)に、スナップリング22の操作用切り欠きBが形成されているとともに、周壁20aの内周面にスナップリング22が嵌め合わされるリング状溝Cが形成されている。なお、支持空間Kの径は、ベアリング21の外形より僅かに大きく形成され、リング状溝Cの幅や深さは、スナップリング22の線径より僅かに大きく形成されている。
ベアリング21は、例えばボールベアリングからなるもので、図4で示されるように、両側面21b、21cで挟まれた外周面にスナップリング2が係合するリング溝21aが形成されている。このリング溝21aの深さは、スナップリング22の線径より充分小さく形成されている。
スナップリング22は、凹状支持部20のリング状溝Cとベアリング21のリング溝21aとに係合して、ベアリング21を凹状支持部20内に位置決めするものであり、弾性力を有する線材から形成されている。このスナップリング22は、図3で示されるように、円弧状のリング部22aと、リング部22aの両端から外方に延びる平行なつまみ部22b,22bとから形成されており、つまみ部22b,22bを引き離すように操作することにより、リング部22aが拡径するように弾性変形する。なお、リング部22aのリング径は、ベアリング21のリング溝21aのリング径よりやや小さく形成されている。
駆動軸24は、図1や図4で示されるように、一端側24aが、ベアリング21の内孔にキー部材等を介して差し込まれ、端面がベアリング21の側面21bと面一となるように位置決めされている。この駆動軸24のベアリング21横には、スプライン嵌合によって、ドリブンスプロケット25が取り付けられている。また、駆動軸24は、他端側24bが、外周面側に取り付けられたベアリング23を介して、オイルポンプ6のケーシング60に回動自在に支持されている。この駆動軸24の他端側24bの内周面には、オイルポンプ6の回転軸61が、スプライン嵌合を介して連結されていて、この駆動軸24によって、オイルポンプ6が回転駆動できるようになっている。
ドリブンスプロケット25は、図1や図2で示されるように、トランスミッション全長縮小の観点から、外周部が90度ずつ2度屈曲されて、外周端側の歯部25aが、凹状支持部20内のベアリング21を上下に囲むように位置決めされている。このドリブンスプロケット25の基部側には、凹状支持部20の操作用切り欠きBが見通せる位置(正確には、スナップリング22のつまみ部22b,22bが見通せる位置)に、3つの長孔25bが等間隔に形成されている。
ドライブスプロケット26は、本体ケーシング4とサポートセンタ5間の、トルクコンバータ2のポンプインペラ11側の中空回転軸17に取り付けられる。この位置は、駆動軸24の位置より上方にあるため、ドライブスプロケット26はドリブンスプロケット25より高い位置に配置される。
チェーン27は、一端側がドライブスプロケット26に掛け渡された後、本体ケーシング4とサポートセンタ5間の隙間を通って下方に延び、他端側がドリブンスプロケット25に掛け渡される。この場合、ドリブンスプロケット25に噛み合うチェーン27の下部側は、図2で示されるように、自動変速装置内の潤滑油溜まりLを通過する。また、凹状支持部20の操作用切り欠きBは、ドリブンスプロケット25の上部側で、このチェーン27が、ドリブンスプロケット25に噛み合い始める位置に向けて設けられている。
つぎに、スナップリング22を用いた、ベアリング21の凹状支持部20内への位置決め手順について図4を参照しつつ説明する。この場合、ベアリング21は、ドリブンスプロケット25と共に駆動軸24の一端側24aに取り付けられた状態になっているので、ベアリング21の横には、ドリブンスプロケット25が位置することとなる。
まず、図4の(a)で示されるように、凹状支持部20のリング状溝Cの位置に、リング部22aを縮径させて、スナップリング22を位置決めする。この場合、スナップリング22は、リング部22aの外周部の一部がリング状溝Cに入った状態で位置決めされ、つまみ部22b,22bが、図2で示されるように、操作用切り欠きB側に突出した状態となる。つづいて、図4の(b)で示されるように、駆動軸24に取り付けられたベアリング21を凹状支持部20の開口A側から支持空間K内に差し込んでいく。そして、ベアリング21の側面がスナップリング22の位置に近づくと、工具を、ドリブンスプロケット25の長孔25bを介して、凹状支持部20の操作用切り欠きB内に差し込み、スナップリング22のつまみ部22b,22bを互いに引き離すように弾性変形させる。このことにより、スナップリング22のリング部22aは、凹状支持部20のリング状溝C内に移動するので、ベアリング21は凹状支持部20支持空間Kの奥に差し込まれる。
つづいて、ベアリング21のリング溝21aがスナップリング22の位置までくると、図4の(c)で示されるように、つまみ部22b,22bから工具をはずし、スナップリング22のリング部22aを、縮径させて、これをベアリング21のリング溝21aに加圧係合させる。この場合、リング部22aの外周部は、凹状支持部20のリング状溝C内にも入り込んでいるので、ベアリング21は、スナップリング22を介して、凹状支持部20内に位置決め支持される。なお、凹状支持部20からベアリング21を取り外す場合には、上記と逆の手順で操作すればよい。
つぎに、オイルポンプ駆動機構7の作用効果について説明する。
トルクコンバータ2のポンプインペラ11の回転によって、ドライブスプロケット26が回転し、このドライブスプロケット26の回転によって、チェーン27及びドリブンスプロケット25を介して、駆動軸24が回転する。このことにより、オイルポンプ6の回転軸61が回転され、オイルポンプ6から、所定圧のオイルが、制御機器等に圧送される。この場合、チェーン27は、下部側(ドリブンスプロケット25側)が潤滑油溜まりL中を通過するので、潤滑油Gはこのチェーン27にかき揚げられて、このチェーン27と共に移動する。
一方、駆動軸24を凹状支持部20内で支持するベアリング21は、凹状支持部20の開口A側が、駆動軸24やドリブンスプロケット25により塞がれているが、この凹状支持部20には、ドリブンスプロケット25の上部側で、これにチェーン27が噛み合い始める位置に向いて、スナップリング22の操作用切り欠きBが設けられている。このため、チェーン27に付着した潤滑油Gは、チェーン27がドリブンスプロケット25に噛合すると、ドリブンスプロケット25側に流下し、凹状支持部20側に落下する。このことにより、チェーン27側の潤滑油Gは、操作用切り欠きBを介して、凹状支持部20内に流入し、ベアリング21を潤滑する。
この場合、凹状支持部20の底面K0と凹状支持部20内のベアリング21の奥側の側面21bとの間には、図4の(c)で示されるように、潤滑空間K1が設けられており、かつ、操作用切り欠きBは、ベアリング21の奥側の側面21bより凹状支持部20の底面K0に寄った位置まで形成されているので、操作用切り欠きBに入った潤滑油Gは、凹状支持部20中のベアリング21の両側面21b、21cに回り込んで、このベアリング21を充分に潤滑する。
このように、このオイルポンプ駆動機構7では、本体ケーシング4の凹状支持部20に設けられるスナップリング22の操作用切り欠きBを、この凹状支持部20の開口Aを塞ぐように配置されるドリブンスプロケット25の上部側で、これにチェーン27が噛み合い始める位置に向けて設けているので、この操作用切り欠きBを介して、チェーン27側の潤滑油Gが凹状支持部20内に容易に流れ込み、この凹状支持部20に特別な潤滑油流入開口を設ける必要はない。このため、このオイルポンプ駆動機構7では、凹状支持部20が強度的に弱くなるのを容易に防止できるとともに、凹状支持部20の製作の容易化を達成できる。
なお、駆動軸24を設けず、凹状支持部20内のベアリング21に、オイルポンプ6の回転軸61を直接支持させてもよい。この場合、回転軸61のベアリング21横には、ドリブンスプロケット25が取り付けられ、回転軸61は、ドリブンスプロケット25により直接回転駆動される。
この発明の一実施の形態に係るオイルポンプ駆動機構を有する車両用自動変速装置の一部を示す断面図である。 オイルポンプ駆動機構の一部を断面した側面図である。 オイルポンプ駆動機構周りの分解斜視図である。 凹状支持部にベアリングを位置決めする手順を示す図である。 従来技術の説明図である。
符号の説明
2 トルクコンバータ
4 本体ケーシング(ケーシング)
6 オイルポンプ
7 オイルポンプ駆動機構
20 凹状支持部
21 ベアリング
22 スナップリング(位置決め部材)
24 駆動軸
25 ドリブンスプロケット(第1のスプロケット)
26 ドライブスプロケット(第2のスプロケット)
27 チェーン
61 回転軸
B 操作用切り欠き
K0 底面

Claims (2)

  1. トルクコンバータ横のケーシングに突状に設けられた凹状支持部中に、一端側がベアリングを介して回動自在に支持された、オイルポンプの回転軸又はこの回転軸に回転力を伝える駆動軸を、前記回転軸又は駆動軸の前記ベアリング横に、前記凹状支持部を塞ぐように取り付けられた第1のスプロケットと、一部が潤滑油中を移動するチェーンとを介して、前記トルクコンバータのポンプインペラ側に取り付けられた第2のスプロケットにより回転させるオイルポンプ駆動機構の潤滑構造において、
    前記凹状支持部の内面側と前記ベアリングの外面側とに係合し、前記ベアリングを前記凹状支持部内に位置決めする位置決め部材を、前記凹状支持部内において弾性変形させるための、この凹状支持部の操作用切り欠きを、前記第1のスプロケットの上部側において前記チェーンがこの第1のスプロケットに噛み合い始める位置側に向くよう形成していることを特徴とするオイルポンプ駆動機構の潤滑構造。
  2. 前記操作用切り欠きは、前記凹状支持部内の前記ベアリングの側面より、この凹状支持部の底面側に寄った位置まで形成されていることを特徴とする請求項1記載のオイルポンプ駆動機構の潤滑構造。
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