JP2009035261A - ヒンジキャップ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】頂板部及びスカート部から成り、頂板部中央には注出用ノズルが形成され、注出用ノズルよりも内側に破断可能な弱化線により区画された開口予定部が形成された容器口部に嵌合固定されるキャップ本体と、天面と天面外周縁から垂下する周状壁から成り、天面内面に、注出用ノズル内面と密着するインナーリングが形成された上蓋とから成り、上蓋がキャップ本体にヒンジ連結されたヒンジキャップにおいて、注出用ノズル内面及びインナーリング外面が上蓋の閉蓋状態において互いに下部で密着することによりシール部を形成すると共に、少なくとも上蓋の閉蓋時にインナーリング外面先端が注出用ノズル内面と最初に接触する位置からシール部を形成する部分よりも上方の注出用ノズル内面に、溝又は凸部が形成されていることを特徴とする。
【選択図】図6
Description
一方、高温充填される内容物に使用されるヒンジキャップにおいては、90℃程度に加熱された内容物を充填した直後に、上蓋がキャップ本体に固定された状態で容器口部に打栓され、更にその後容器の洗浄、冷却のために60℃程度の温水シャワーがかけられる。
このため、高温の内容液や温水シャワーにより、前記キャップ内空間内の圧縮空気が膨張するため、キャップ内空間の圧力が上昇して、上蓋が開いてしまう場合があった。
従って本発明の目的は、内容物の高温充填に伴う上蓋の開蓋が有効に防止されたヒンジキャップを提供することである。
本発明の他の目的は、ヒンジキャップの搬送・保管工程等において高温に曝された場合にも上蓋の開蓋が有効に防止され、上蓋が閉じられた状態を維持して打栓工程に付することが可能なヒンジキャップを提供することである。
1.溝又は凸部が、少なくともヒンジ部の対称位置に形成されていること、
2.溝又は凸部が、前記シール部を形成する部分の上端から上方に向かって縦方向に延びる溝又は凸部であること、
が好適である。
また本発明のヒンジキャップにおいては、閉蓋の際(上蓋をキャップ本体に最初に固定する際)にキャップ内空間の空気を有効に逃がすことが可能であるため、ヒンジキャップの容器口部に打栓する前の搬送・保管工程等において高温状態に曝された場合でも、上蓋が開くことがなく、上蓋が閉じた状態を製造から打栓までのすべての工程で維持することが可能となる。
更に本発明のヒンジキャップは、簡単な加工で有効に上蓋開きを防止することができ、成形性にも優れている。
本発明においては、かかる基本構造を有するヒンジキャップにおいて、上蓋を閉じる際に、インナーリングと注出用ノズル内面及びインナーリング外面が上蓋の閉蓋状態において互いに下部で密着することによりシール部を形成して、開口形成後の液密性が確保されていると共に、少なくとも上蓋を閉蓋する際にインナーリング外面先端が注出用ノズル内面と最初に接触する位置からシール部を形成する部分よりも上方の注出用ノズル内面に、溝又は凸部が形成されていることが重要な特徴であり、これにより、閉蓋の際にインナーリング外面先端が注出用ノズル内面と接触移動している際に、注出用ノズル及び注出用ノズルで区画された開口予定部が形成されたキャップ本体頂板部並びに上蓋天面により形成される空間(以下、単に「キャップ内空間」という)からの空気の流通路が形成されることになり、インナーリング外面先端及び注出用ノズル内面が密着してシール部が形成される前に、キャップ内空間の空気が陽圧状態にならないように、キャップ内空間の空気を外部に効率的に逃すことができ、高温充填或いは温水シャワーの熱等に起因するキャップ内空間の空気の膨張を有効に抑制することが可能となって、結果として上蓋の開きを防止することが可能となる。
図1は、本発明のヒンジキャップの一例が、上蓋が開いた状態(成形直後の状態)を示す側断面図であり、図2は、図1に示したヒンジキャップの上蓋を閉じる過程において、インナーリングが注出用ノズルに最初に接触したときの状態を示す側断面図であり、図3は、図1に示したヒンジキャップの上蓋が完全に閉じられた状態を示す側断面図であり、図4は、キャップ本体の頂板部の一部拡大平面図である。
また図5乃至図7は、(A)はインナーリングが注出用ノズルに最初に接触した状態、(B)は上蓋が完全に閉じた状態、における注出用ノズル及びインナーリングの部分を拡大して示す一部拡大断面図であり、図5は従来のヒンジキャップ、図6及び図7は本発明のヒンジキャップの一例、をそれぞれ示す。
また、周状壁22の内側下端には、上述したキャップ本体の環状係合突起9と係合する環状係合部24が形成されている。また上蓋20は、キャップ本体1の注出方向(図5の矢印)と対称位置でキャップ本体1にヒンジ30により一体的に形成されており、上蓋20の周状壁22の外側下端の注出方向には、上蓋を開けるための突出部25が形成されている。
従来のヒンジキャップにおいては、図5に示すように、閉蓋に際して、最初にインナーリング23の外面先端23aが注出用ノズル8の内面8aに接触してから、両者は密着しながら隙間を生じることなく、インナーリング23は下方に移動していくため、最初にインナーリング外面先端23aが注出用ノズル8の内面8aに接触した時点で、キャップ内空間Rの空気は外部に流出することができず、上蓋20の下方への移動に伴ってキャップ内空間の容積は減少するので、キャップ内空間Rに存在する空気は圧縮された状態(陽圧状態)となってしまうのである。
その結果、上述したように、高温充填による内容物の熱或いは温水シャワーによる熱によってキャップ内空間Rの圧縮空気が膨張して、上蓋20及びキャップ本体1の環状係合部24と環状係合突起9の係合が解除されて上蓋20が開いてしまうのである。
例えば、図6及び図7に示した縦方向に延びる溝又は凸部は、インナーリング外面先端が注出用ノズル内面に最初に接触する位置よりも上部から形成されているが、最初に接触する位置から閉蓋状態におけるシール部の上端の間に形成されていれば、本発明の目的を達成することができる。またこれらの溝又は凸部は複数形成されていてもよい。
また溝又は凸部の形成位置は、図4に示すようにヒンジと対称位置(ヒンジの反対側)であることが、上蓋がヒンジを軸に閉蓋することからキャップ内空間の空気を最も効率的に逃すことができるので望ましいが、上蓋の閉蓋途中にキャップ内空間の空気を逃がすことができる限り、この位置には限定されない。
更に凸部は、図7に示したような縦方向に延びる凸部以外にも、半球状の小突起を複数個形成してもよいし、或いは多数の微小突起が形成された粗面に形成しても本発明の目的を達成することができる。
更に、注出用ノズルの内面にキャップの成形と同時、或いは簡単な後加工により形成することができるため、成形性、生産性にも優れている。
11 凸部、20 上蓋、21 天面、22 周状壁、23 インナーリング、
24 環状係合部、25 突出部。
Claims (3)
- 頂板部及びスカート部から成り、該頂板部中央には注出用ノズルが形成され、該注出用ノズルよりも内側に破断可能な弱化線により区画された開口予定部が形成されて成る、容器口部に嵌合固定されるキャップ本体と、天面と該天面外周縁から垂下する周状壁から成り、該天面内面に、前記注出用ノズル内面と密着して、開口形成後の液密性を確保するインナーリングが形成されて成る上蓋とから成り、前記上蓋がキャップ本体にヒンジ連結されて成るヒンジキャップにおいて、
前記注出用ノズル内面及びインナーリング外面が上蓋の閉蓋状態において互いに下部で密着することによりシール部を形成すると共に、少なくとも上蓋の閉蓋時にインナーリング外面先端が注出用ノズル内面と最初に接触する位置からシール部を形成する部分よりも上方の注出用ノズル内面に、溝又は凸部が形成されていることを特徴とするヒンジキャップ。 - 前記溝又は凸部が、少なくともヒンジ部の対称位置に形成されている請求項1記載のヒンジキャップ。
- 前記溝又は凸部が、前記シール部を形成する部分の上端から上方に向かって縦方向に延びる溝又は凸部である請求項1又は2記載のヒンジキャップ。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2015199533A (ja) * | 2014-04-10 | 2015-11-12 | 三笠産業株式会社 | 合成樹脂製キャップ |
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2007
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