JP2009031348A - 光スキャナ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】発生加速度を大きくすることなく、測定に用いる光を照射する時間の比率を高くし、無駄時間を少なくした光スキャナ装置を提供することである。
【解決手段】光学系駆動装置25は、レンズ34、35、36、38と、該レンズ34、38を備えたホルダ61と、該ホルダ61をレンズ34、38の光軸に垂直方向に移動可能に支持するワイヤバネ108と、前記ホルダ61をレンズ34、38の光軸に垂直方向に駆動する2軸アクチュエータ備えている。前記レンズ38は、その光軸に垂直な第1の方向に移動したときにレンズ38を通る光が該レンズ38の移動方向と同一に走査する。前記レンズ34は、前記第1の方向に移動したときにレンズ34を通る光が該レンズ34の移動方向と反対の向きに走査する。
【選択図】 図12
【解決手段】光学系駆動装置25は、レンズ34、35、36、38と、該レンズ34、38を備えたホルダ61と、該ホルダ61をレンズ34、38の光軸に垂直方向に移動可能に支持するワイヤバネ108と、前記ホルダ61をレンズ34、38の光軸に垂直方向に駆動する2軸アクチュエータ備えている。前記レンズ38は、その光軸に垂直な第1の方向に移動したときにレンズ38を通る光が該レンズ38の移動方向と同一に走査する。前記レンズ34は、前記第1の方向に移動したときにレンズ34を通る光が該レンズ34の移動方向と反対の向きに走査する。
【選択図】 図12
Description
本発明は、光学素子を動かす光スキャナ装置に関し、より詳細には、車載用測距装置等に設けられる光学素子を移動することによりレーザ光をスキャンする車両用光スキャナ装置に最適なものである。
近年、走行中の車両の前方を走査して障害物の存在をドライバに警告する赤外光スキャン方式の車載レーダ装置が実用化されている。
そして、下記特許文献1には、車載用レーダのレーザ光を走査するアクチュエータに於いて、走査用レンズを備えたレンズホルダを複数枚の板ばねで支持した装置が開示されている。走査用レンズを板ばねで支持することによって、装置を簡単にでき、低価格化を図ることができる。
図17は、この装置を簡略化して示した図である。
図17に於いて、走査用レンズ1を備えたレンズホルダ2を、板ばね3で支持している。板ばね3が、同図の左右に撓むことにより、レンズホルダ2及び走査用レンズ1は矢印Aのように移動する。走査用レンズ1には、レーザダイオード4より光5が入射し、走査レンズ1によって光6が照射される。走査用レンズ1が凸レンズのとき、走査用レンズ1が紙面向かって左側に移動すると、光は図示矢印61 の方向に照射され、右側に移動すると、光は図示矢印62 の方向に照射される。このようにして、走査用レンズ1を図示矢印Aのように移動することにより、走査用レンズ1から照射される光を、図示矢印7のように振り、走査することができる。
ところで、この装置では光の走査の仕方の詳細は記載されていない。この装置で、細かく走査する位置を制御できるようにしたとし、走査して照射する角度6aと、時間の関係を簡単に示すと、図18に示されるようになる。
図18に於いて参照番号8のように紙面左から右に走査し、参照番号9のように右から左に戻すという動作を繰り返す。このとき、実際にレーザダイオードを発光して光を照射するのは、左から右に移動する往路8のときのみで、右から左へ移動する復路9は、走査用レンズを起点に戻すための移動となる。このようにすることで、ある位置に光が照射される時間間隔は、T1、T2のように等間隔となり、照射した光の反射光によって得られた情報を処理するのが容易となる。
往復の動作8、9の両方で光を照射すると、光を照射する時間は長くなるが、ある位置に光が照射される時間間隔は、T3、T4のように等間隔にならず、位置によってこの間隔が異なることになる。時間間隔が等間隔でないと、反射光によって得られた情報を処理する際に、この時間差を考慮して補正をする必要がある。処理の演算は非常に多く、時間差の補正演算までは間に合わないので、往復での照射は行わない。
光の照射時間は、長いほど多くの情報を密に得ることができる。往復での照射は行わないことから、往路の時間T5を長くし、復路の時間T6を短くし、照射時間の割合を大きくすることが望ましい。
尚、図18では、振り角度の変化を鋸波状に往路と復路の変化点で角としているが、実際には変化させるときの加速度が有限なので、滑らかな曲線で往路から復路、復路から往路に変化する形となる。
特開2003−177348号公報
ところで、レンズホルダ2を駆動する駆動系は、最大発生加速度が決まっている。加えて、最大発生加速度により復路の時間T6は制限を受け、ある値以上小さくすることができないという問題がある。ここで、発生加速度を大きくできるようにすると、駆動系が大きくなってしまい、装置が大型化、高価になるという問題が生じる。
本発明は前記実情に鑑みてなされたものであり、発生加速度を大きくすることなく、測定に用いる光を照射する時間の比率を高くし、無駄時間を少なくした光スキャナ装置を提供することを目的とする。
すなわち請求項1に記載の発明は、光学素子と、該光学素子を備えたホルダと、該ホルダを前記光学素子の光軸に垂直な方向に移動可能に支持する支持手段と、該支持手段を前記光学素子の光軸に垂直な方向に移動させる駆動手段と、発光素子とを少なくとも備え、該発光素子からの光を前記光学素子に通し、該光学素子を移動することによって、光を走査し、照射する光スキャナ装置に於いて、前記光学素子は、その光軸に垂直な第1の方向に移動したときに前記光学素子を通る光が前記光学素子を移動する向きと同一の向きに走査される第1の光学素子と、前記第1の方向に移動したときに前記光学素子を通る光が光学素子を移動する向きと反対の向きに走査される第2の光学素子と、を有することを特徴とする。
そして、請求項1に記載の発明によれば、測定に用いる光を照射する時間の比率を高くして、無駄時間を少なくすることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明に於いて、前記第1の方向の片側を正の向き、反対側を負の向きとした場合に、前記支持手段を第1の方向の正の向きに移動させるときは前記発光素子からの光を前記第1の光学素子に透過させ、前記支持手段を第1の方向の負の向きに移動させるときは前記発光素子からの光を前記第2の光学素子に透過させて走査することを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、測定に用いる光を照射する時間の比率を高くして、無駄時間を少なくすることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1及び2の何れか1項に記載の発明に於いて、前記第1の光学素子と第2の光学素子は、前記第1及び第2の光学素子の光軸に垂直、且つ前記第1の方向に垂直な方向を第2の方向とした場合に、該第2の方向に並べて配置されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、測定に用いる光を照射する時間の比率を高くして、無駄時間を少なくすることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明に於いて、前記第1の光学素子を前記第2の方向に移動させたとき、前記第1の光学素子を通る光が当該光学素子を移動させる向きと同一の向きに走査され、前記第2の光学素子を前記第2の方向に移動させたとき、前記第2の光学素子を通る光が当該光学素子を移動させる向きと反対の向きに走査されることを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、低価格化を図ることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の発明に於いて、前記第1の光学素子及び第2の光学素子を前記第2の方向に移動させたときに当該光学素子を通る光が走査される向きと、前記第1の光学素子及び第2の光学素子の移動する向きの関係が、前記第1の光学素子と第2の光学素子で同一であることを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、制御を容易にすることができる。
請求項6に記載の発明は、請求項3乃至5の何れか1項に記載の発明に於いて、前記ホルダは、前記第1の方向及び第2の方向に移動可能であることを特徴とする。
請求項6に記載の発明によれば、低価格化を図ることができる。
請求項7に記載の発明は、請求項3乃至5の何れか1項に記載の発明に於いて、前記ホルダは前記第1の方向にのみ移動可能であり、前記ホルダの外部に前記発光素子からの光を前記第2の方向に移動させる手段を更に具備することを特徴とする。
請求項7に記載の発明によれば、高性能化を図ることができる。
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7の何れか1項に記載の発明に於いて、前記第1の光学素子と前記第2の光学素子は、一体に形成されていることを特徴とする。
請求項8に記載の発明によれば、低価格化を図ることができる。
請求項9に記載の発明は、請求項1乃至4及び6乃至8の何れか1項に記載の発明に於いて、前記第1の光学素子は凸レンズであり、前記第2の光学素子は凹レンズであることを特徴とする。
請求項9に記載の発明によれば、低価格化を図ることができる。
請求項10に記載の発明は、請求項8に記載の発明に於いて、前記第1の光学素子は凸レンズであり、前記第2の光学素子は前記第1の方向に於いては負のパワーを有する凹レンズ、前記第2の方向に於いては正のパワーを有する凸レンズの形状の複合レンズで構成されていることを特徴とする。
請求項10に記載の発明によれば、低価格化を図ることができる。
請求項11に記載の発明は、請求項1乃至10の何れか1項に記載の発明に於いて、前記光スキャナ装置は、車両に搭載され、前記第1の方向は、地面に水平な向きであることを特徴とする。
請求項11に記載の発明によれば、よりよく効果を享受することができる。
請求項12に記載の発明は、光を所定の範囲に渡り走査するスキャナ装置であって、対象物に向けて光を照射する発光素子と、前記発光素子からの光を走査させる光学素子と、前記光学素子を該光学素子の光軸と直交する方向に移動可能に支持する支持手段と、前記光学素子より照射された光の反射光を検知する受光素子と、を具備し、前記光学素子は第1の光学素子と第2の光学素子とを有し、前記支持手段は、前記第1の光学素子を、その光軸と直交する第1の方向に移動させたときに、該第1の光学素子を通る光を、当該第1の光学素子の移動方向と同一方向に移動させて走査し、前記第2の光学素子を、前記第1の方向に移動させたときに、該第2の光学素子を通る光を、当該第2の光学素子の移動する方向と反対方向に移動させて走査することを特徴とする。
請求項12に記載の発明によれば、測定に用いる光を照射する時間の比率を高くして、無駄時間を少なくすることができる。
請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の発明に於いて、前記第1の方向の片側を正の向き、反対側を負の向きとしたとき、前記支持手段は、前記光学素子を第1の方向の正の向きに移動させるときは前記発光素子からの光を前記第1の光学素子に透過させ、前記光学素子を第1の方向の負の向きに移動させるときは前記発光素子からの光を前記第2の光学素子に透過させて、光を走査することを特徴とする。
請求項13に記載の発明によれば、測定に用いる光を照射する時間の比率を高くして、無駄時間を少なくすることができる。
請求項14に記載の発明は、請求項12及び13の何れか1項に記載の発明に於いて、前記第1の光学素子と第2の光学素子は、前記第1及び第2の光学素子の光軸に直交し、且つ前記第1の方向に直交する方向を第2の方向とした場合に、第2の方向に並べて配置されていることを特徴とする。
請求項14に記載の発明によれば、測定に用いる光を照射する時間の比率を高くして、無駄時間を少なくすることができる。
請求項15に記載の発明は、請求項14に記載の発明に於いて、前記第1の光学素子を前記第2の方向に移動させたとき、前記第1の光学素子を通る光が当該光学素子を移動する向きと同一の向きに走査され、前記第2の光学素子を第2の方向に移動させたとき、前記第2の光学素子を通る光が当該光学素子を移動する向きと反対の向きに走査されることを特徴とする。
請求項15に記載の発明によれば、低価格化を図ることができる。
請求項16に記載の発明は、請求項14に記載の発明に於いて、前記第1の光学素子及び第2の光学素子を第2の方向に移動したときに、当該光学素子を通る光が走査される向きと、前記第1の光学素子及び第2の光学素子の移動する向きの関係が、第1の光学素子と第2の光学素子で同一方向であることを特徴とする。
請求項16に記載の発明によれば、制御を容易にすることができる。
請求項17に記載の発明は、請求項14乃至16の何れか1項に記載の発明に於いて、前記支持手段は、前記第1の方向及び第2の方向に移動可能であることを特徴とする。
請求項17に記載の発明によれば、低価格化を図ることができる。
請求項18に記載の発明は、請求項14乃至16の何れか1項に記載の発明に於いて、前記支持手段は前記第1の方向にのみ移動可能であり、前記支持手段の外部に前記発光素子からの光を前記第2の方向に移動させる移動手段を更に具備することを特徴とする。
請求項18に記載の発明によれば、高性能化を図ることができる。
請求項19に記載の発明は、請求項12乃至18の何れか1項に記載の発明に於いて、前記第1の光学素子と第2の光学素子は、一体に形成されていることを特徴とする。
請求項19に記載の発明によれば、低価格化を図ることができる。
請求項20に記載の発明は、請求項12乃至19の何れか1項に記載の発明に於いて、前記支持手段を少なくとも前記第1の方向に移動させるための移動手段を更に具備することを特徴とする。
請求項20に記載の発明によれば、装置を簡単化することができる。
請求項21に記載の発明は、請求項20に記載の発明に於いて、前記移動手段は、前記支持手段に固定された複数のコイルと、前記支持手段を少なくとも前記第1の方向に移動可能に支持する弾性支持部材と、を有して構成されることを特徴とする。
請求項21に記載の発明によれば、小型で給電部の抵抗値が小さい高性能な装置とすることができる。
請求項22に記載の発明は、請求項12乃至14及び16乃至19の何れか1項に記載の発明に於いて、前記第1の光学素子は凸レンズであり、前記第2の光学素子は凹レンズであることを特徴とする。
請求項22に記載の発明によれば、低価格化を図ることができる。
請求項23に記載の発明は、請求項19に記載の発明に於いて、前記第1の光学素子は凸レンズであり、前記第2の光学素子は前記第1の方向に於いては負のパワーを有する凹レンズ、前記第2の方向に於いては正のパワーを有する凸レンズの形状の複合レンズで構成されていることを特徴とする。
請求項23に記載の発明によれば、低価格化を図ることができる。
請求項24に記載の発明は、請求項12乃至23の何れか1項に記載の発明に於いて、前記光スキャナ装置は、車両に搭載され、前記第1の方向は、地面に水平な向きであることを特徴とする。
請求項24に記載の発明によれば、よりよく効果を享受することができる。
本発明によれば、発生加速度を大きくすることなく、測定に用いる光を照射する時間の比率を高くし、無駄時間を少なくした光スキャナ装置を提供することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
図1乃至図15は本発明の第1の実施形態を示すもので、図1は本実施形態の光スキャナ装置の斜視図、図2は図1と反対側から見た本実施形態の光スキャナ装置の斜視図、図3はレーザダイオードのレーザ光の光軸上Y−Z平面で切った光スキャナ装置の断面斜視図、図4は位置検出用発光ダイオードの光の光軸上Y−Z平面で切った光スキャナ装置の断面斜視図、図5はレーザダイオードのレーザ光の光軸上Z−X平面で切った光スキャナ装置の断面斜視図、図6は光スキャナ装置全体の一部分解斜視図、図7はヨークに固定されたレンズ部分の分解斜視図、図8は光スキャナ装置を構成する2軸アクチュエータのヨークを外した分解斜視図、図9は図8で外したヨークを除いた2軸アクチュエータの斜視図、図10は図9の2軸アクチュエータより、更にレンズホルダ部組を外した分解斜視図、図11はレンズホルダ部組の分解斜視図、図12は本光スキャナ装置を車両用光スキャン装置に用いた場合の使用例の説明図である。また、図13乃至図15は、第1の実施形態に於ける光スキャナ装置の動作を説明するための図である。
図1乃至図15は本発明の第1の実施形態を示すもので、図1は本実施形態の光スキャナ装置の斜視図、図2は図1と反対側から見た本実施形態の光スキャナ装置の斜視図、図3はレーザダイオードのレーザ光の光軸上Y−Z平面で切った光スキャナ装置の断面斜視図、図4は位置検出用発光ダイオードの光の光軸上Y−Z平面で切った光スキャナ装置の断面斜視図、図5はレーザダイオードのレーザ光の光軸上Z−X平面で切った光スキャナ装置の断面斜視図、図6は光スキャナ装置全体の一部分解斜視図、図7はヨークに固定されたレンズ部分の分解斜視図、図8は光スキャナ装置を構成する2軸アクチュエータのヨークを外した分解斜視図、図9は図8で外したヨークを除いた2軸アクチュエータの斜視図、図10は図9の2軸アクチュエータより、更にレンズホルダ部組を外した分解斜視図、図11はレンズホルダ部組の分解斜視図、図12は本光スキャナ装置を車両用光スキャン装置に用いた場合の使用例の説明図である。また、図13乃至図15は、第1の実施形態に於ける光スキャナ装置の動作を説明するための図である。
図1に示されるように、本実施形態の光スキャナ装置25は、その本体となるベース30に、バネ受け31と、ヨーク32及び33とから成る2軸アクチュエータ125と、レンズ36を有したホルダ37等が搭載されて構成されている。
先ず、図5及び図11を参照して、レンズホルダ部組60の構成について説明する。
ガラス入りのポリフェニレンサルファイド樹脂で製作されたレンズホルダ(支持手段)61の中央部には、開口62が形成されており、この開口62に設けられた段状部に、レンズ34、38が接着固定されている。第2の光学素子であるレンズ34は凹レンズ、第1の光学素子であるレンズ38は凸レンズであり、これらはY軸方向に並べて配置されている。
図11に於いて、前記レンズホルダ61の開口62の上下(Y軸)方向及び左側の端部には、複数の凸部63a〜63cが形成されている。このうち、凸部63a、63bは、銅クラッドアルミ線で巻線された空芯コイルのエレベーションコイル(駆動手段)81a、81bの内側の開口部が嵌挿されて接着固定されている。同様に、前記凸部63cには、銅クラッドアルミ線で巻線された空芯コイルのアジマスコイル(駆動手段)80の内側の開口部が嵌挿されて、接着固定されている。
更に、前記凸部63a及び63bの左右両側には、それぞれ後述するワイヤバネ108a〜108e、108f〜108j、108k〜108o、108p〜108tを通すための開口64a、64b、64c、64dが、それぞれ設けられている。また、開口62の周囲には、基板70を介してホルダ85を装着するための、円形断面を有する複数の柱部65a〜65dが設けられている。そして、図11に於いて、レンズホルダ61の右側、すなわち凸部63a〜63cが設けられていない側には、図5に示されるように溝140が設けられており、そこに真鍮製のバランサ67が接着固定されている。これは、X軸方向の一方側に配されたアジマスコイル80により、X軸方向の重心がずれるので、このバランサ67によりバランスを取っている。したがって、レンズホルダ部組60の重心は、X軸方向に於いてエレベーションコイル81a、81bの中心位置となるようにされている。
前記レンズホルダ61には、基板70も接着固定されている。レンズホルダ61に設けられている複数の柱部65a〜65dに、前記基板70に形成された穴72a〜72dが挿入されることにより、位置決めされている。但し、柱部65a〜65dと穴72a〜72dの全て大きさ、間隔を一致させるのは公差があり困難である。そこで、穴72cは柱部65cより僅かに大きな直径を有し、穴72bは穴72c、72bを結ぶ方向に平行な直線部を有する長穴とし、直線部の距離は柱部65bより僅かに大きくされ、この2箇所でX軸、Y軸方向に、基板70がレンズホルダ61に対して位置決めされている。穴72a、72dは位置決めには用いず、柱部65a、65dより大きめの穴となっている。基板70の中央部には、レンズ34、38を避けるために、開口71が設けられている。
前記基板70には、また、後述するワイヤバネ108a〜108e、108f〜108j、108k〜108o、108p〜108tを通すための複数の穴73a〜73e、73f〜73j、73k〜73o、73p〜73tが、それぞれ設けられている。更に、基板70には、発光ダイオード(LED)76a、76b及びサーミスタ77が半田付けによって固定されている。発光ダイオード76a、76bは、基板70に形成された開口74a、74bに発光部分が露出する状態で、基板70のレンズホルダ61側に固定されている。これら発光ダイオード76a、76bから照射された光は、図11に於いてホルダ85側に射出される。
また、サーミスタ77は、基板70のレンズホルダ61側に固定されている。図9に示されるように、レンズホルダ61の対応する部分に開口110が設けられており、サーミスタ77はレンズホルダ61周辺の温度を検出するようになっている。尚、図示されていないが、アジマスコイル80、エレベーションコイル81a、81の端末は、基板70に半田付けされている。
図11に於いて、基板70のレンズホルダ61と反対側には、カーボン繊維入りの液晶ポリマで製作されているホルダ85が接着固定されている。これらのレンズホルダ61及びホルダ85、基板70等から成る部組をレンズホルダ部組60と称する。ホルダ85の中央部には開口86が形成されており、更にこの開口86の周囲には複数の穴83a〜83dが設けられている。これらの穴83a〜83dは、レンズホルダ61に形成された柱部65a〜65dに通されている。穴83a〜83dと柱部65a〜65dの関係は、基板70の穴72a〜72dとの関係と同様で、この部分で、ホルダ85はレンズホルダ61に位置決めされている。レンズ34、38及び基板70は、レンズホルダ61に接着固定されるだけでなく、レンズホルダ61とホルダ85に挟まれる形態となり、より強固に固定される。
また、レンズホルダ61、ホルダ85、基板70とZ軸方向に距離をおいてX−Y平面に広がる面状の構造物が重なることで、レンズホルダ部組60の剛性を軽量ながら高めることができる。また、ホルダ61の柱部65a〜65dは、ホルダ85まで貫通しているので、この部分でホルダ85と接着固定することで、更に剛性を向上することができている。
ホルダ85には、基板70の発光ダイオード76a、76bに対応する位置に、スリット87a、87bが設けられており、それぞれの光を通すようになっている。スリット87a、87bの長手方向は、スリット87aはY軸方向に、スリット87bはX軸方向となっている。
ホルダ85の外縁部には、X軸方向にアジマス用凸部88a〜88dと、Y軸方向にエレベーション用凸部89a〜89dが形成されている。これらは、後述するヨークと共同して、レンズホルダ部組60の移動量ストッパを形成している。
次に、図2乃至図5及び図10を参照して、バネ受け部組41について説明する。
図4に示されるように、ガラス入りのポリフェニレンサルファイド樹脂で製作されたバネ受け31の穴部150aに、レンズ155、156が、そして穴部150bにレンズ157、158が、それぞれ接着固定されている。
図5、図10に示されるように、磁石92a、93a、93bが接着固定されたヨーク32も、バネ受け31に固定されている。ヨーク32は、図2に示されるネジ170a〜170dにより、間にバネ受け31を挟みこむ状態でネジ止めされている。ネジ170a〜170dは、ヨーク32のネジ穴95a〜95dにねじ込まれる形態となっている。ヨーク32は、ヨーク32に設けられた穴97と切り欠き99と、バネ受け31の凸部142a、142bによって位置決めされている。
ヨーク32を固定するときに、ヨーク32とバネ受け31に挟まれる形態で、ポリフェニレンサルファイド樹脂で製作されたフード101a、101bも固定されている。
バネ受け31には、図2に示されるように、基板171、175も、ネジ181a、181bによってネジ止めされている。ネジ181a、181bは、ヨーク32のネジ穴96a、96bにねじ込まれる形態となっている。雌ネジ部をバネ受け31に設けても良いが、バネ受け31は樹脂製のため、雌ネジ部の耐久性等、長期にわたる信頼性が金属に比べ劣ってしまう。金属性の雌ネジ部材をインサート成型等によって埋め込むという方法もあるが、バネ受けが高価になってしまう。
そこで、本実施形態のように、磁気回路を形成するために金属でなくてはならないヨークを利用することにより、安価に信頼性の高い構造とすることができる。基板171、175は、各々に設けられた穴172a、172b及び176a、176bと、バネ受け31の凸部173a、173b及び177a、177bで位置決めされている。
以上、バネ受け31及びヨーク32、基板171、175等から成る部組をバネ受け部組41と称される。
図10、図11に示されるように、基板70には、複数の穴73a〜73tが設けられている。これらの穴73a〜73tには、20本のベリリウム銅製(金属製)のワイヤバネ(移動手段)108a〜108tが挿入され、端部が半田付けされている(但し、半田は図示されていない)。半田付け作業は、レンズホルダ61に形成された穴64a〜64dより行われる。これにより、レンズホルダ部組60が完成してから、ワイヤバネ108a〜108tの半田付けを行うことができる。
ワイヤバネ108a〜108tは、基板70を介して、アジマスコイル80、エレベーションコイル81a、81b、発光ダイオード76a、76b、サーミスタ77と接続されている。エレベーションコイル81a、81bは基板70で直列接続されており、発光ダイオード76a、76bのカソードは2つまとめて共通に配線されるので、基板70から外部への配線は9本となる。
ワイヤバネ108a〜108tは20本存在するので、各配線に対しワイヤバネを2本ずつ対応させ、2本のワイヤバネを並列接続する形式としてワイヤバネの抵抗値を低くしている。また、2本×9=18本で2本余るが、電流値が大きいアジマスコイル80はワイヤバネ3本で配線し、更に、抵抗値が低くなるようにしている。ワイヤバネ108a〜108tのレンズホルダ部組60に半田付けした反対側は、ヨーク32の穴94a〜94dを通し、バネ受け31の穴105a〜105dに挿入されている。
ここで、バネ受け31の穴105a〜105dの内部を、穴105dで代表して、図4を参照して説明する。
穴105dは、基板175側に斜面152aが設けられて、穴152bのように細い形状となる。図示されていないが、更に基板175側でワイヤバネ108p〜108tより僅かに大きい径を有する細い5つの穴となっている。穴152b、105dの部分は、5本のワイヤバネ108p〜108tが挿入されているが、穴152b、105dは5本で1つとなっている。穴152bには、紫外線硬化形のシリコンゲルが充填されている。この充填は、バネ受け31が切り欠かれ、ヨーク32との間に形成された隙間152cから行われる。
尚、穴105c、105dの充填は、これらの隙間から行われるが、穴105a、105b側にはバネ受け31の切り欠き部がないので、穴105bでは、バネ受け31に設けられた穴152dから充填が行われる。穴105aについても、同様に穴が設けられている。
充填作業は、Z+側を上にして行われ、シリコンゲルは斜面152aで、穴152bに誘導される。そして、穴152bがいっぱいになって、斜面152aにはみ出てきたところで作業は終わりとなる。このとき、正確には、図示されていない穴152bの基板54側の細い5つの穴にもシリコンゲルが流れていくが、シリコンゲルは硬化前でも粘度が高く、狭い隙間には流れにくい。
そこで、手早く作業を行い、紫外線により硬化させることで、穴152bの基板54側の細い5つの穴へのシリコンゲルの流れ込みを防ぐことができる。このシリコンゲルにより、ワイヤバネ108a〜108jの振動のダンピングが取られている。ワイヤバネ108p〜108tは、図2に示されるように、Z−方向にバネ受け31より突出し、基板171、175の穴180p〜180tに挿入され、半田付けされている。基板171、175は、図2には示されない制御基板45に接続されている。
アジマスコイル80、エレベーションコイル81a、81b、発光ダイオード76a、76b、サーミスタ77は、ワイヤバネ108p〜108tを介して、制御基板45に接続されていることになる。レンズホルダ部組60は、ワイヤバネ108p〜108tによりX方向及びY方向に移動可能に支持されていることになる。ここで、レンズホルダ部組60を単純にX方向及びY方向に移動可能に支持するだけであれば、ワイヤバネは4本で十分である。本実施形態で20本となっているのは、前述したように、アジマスコイル80、エレベーションコイル81a、81b、発光ダイオード76a、76b、サーミスタ77の配線をするためである。更に、ワイヤバネ2本並列として、抵抗値を下げるために本数が多くなっている。
次に、図8に示されるように、磁石92b、93c、93dが接着された鉄製のヨーク33が、図7に示されるように、Z+方向からレンズホルダ部組60を覆うような形態で、バネ受け部組41に固定される。ヨーク33は、磁石92b、93c、93dの吸引力により、ヨーク32に吸い付くように付き、ヨーク33の面113a〜113dが、ヨーク32の凸部103a〜103dに当てつく形態となる。
また、図示されていないが、バネ受け31のベース30側の面には、X軸方向に離れた凸部が2つ設けられており、その間にヨーク33のベース30側の折り曲げ部114aが入る形態で位置決めされる。ヨーク33は、磁石92b、93c、93dの吸引力だけでもヨーク32に吸着されるが、振動等で外れることがないように、図8に示されるように、ネジ120a、120bによって、バネ受け31にネジ止めされている。ネジ120a、120bは、バネ受け31に設けられた穴に挿入され、ヨーク33に形成されたネジ穴117a、117bに締め付けられている。
ヨーク33には、また、折り曲げ部115a〜115dが設けられている。レンズホルダ部組60のX軸方向の動きをアジマス方向の動きと称する。アジマス方向に大きく移動したとき、ホルダ85に設けられたアジマス用凸部88a〜88dが、折り曲げ部115a〜115dと衝突する。それ以上はレンズホルダ部組60が移動できず、これらが、アジマス方向のストッパとなっている。
一方、レンズホルダ部組60のY軸方向の動きをエレベーション方向の動きと称する。エレベーション方向に大きく移動したとき、ホルダ85に設けられたエレベーション用凸部89a〜89dが折り曲げ部114a、114bと衝突する。それ以上はレンズホルダ部組60が移動できず、これらがエレベーション方向のストッパとなっている。
ヨーク33のアジマス方向のストッパ部分は、ストッパとしての役割のみを持つ折り曲げ部115a〜115であったが、エレベーション方向では、ヨーク32の折り曲げ部114a、114bは、ストッパとバネ受け部組41に固定するための構造部を兼ねている。
尚、ストッパまでの移動量は、アジマス方向の方がエレベーション方向より大きくなっている。これは、後述するように、レンズ34、38を動かすことで走査する光の主たる移動方向がアジマス方向であるためである。
以上のように構成されたレンズホルダ部組60を移動可能にバネ受け部組41に支持し、移動させるための駆動手段として、磁石92a、92b、93a〜93d等を備えた部組を、2軸アクチュエータ125と称する。
図4、図6に示されるように、バネ受け部組41には、基板56が、ネジ57a、57bによってネジ止めされている。ネジ57a、57bは、ヨーク32のネジ穴98a、98b(ネジ穴98aは陰になっているため図示されない)にねじ込まれている。基板56には、光の重心位置により出力電流が変化するポジションセンサ153a、153bが半田付けされている。図示されていないが、基板56は電線を介して制御基板45に接続されており、ポジションセンサ153a、153bは制御基板45に接続されている。
図4で明らかなように、発光ダイオード76aからの光は、スリット87aを通り、レンズ156、155を経て、ポジションセンサ153aに入射する。ポジションセンサ153aは、1方向の位置を検出する1次元のセンサであり、X軸方向の動きを検出するため、内部の長方形状の検出素子は長手方向がX軸方向となるように取り付けられている。
スリット87aからの光は、レンズホルダ部組60がアジマス方向に移動するとX軸方向に移動するが、レンズ156、155は、このX軸方向の移動量が小さくなるように縮小する役割を有している。Y軸方向については、レンズ作用は有していない。レンズホルダ部組60のアジマス方向の移動量は大きく、スリット87aからの光を直接ポジションセンサ153aに入射させると、検出範囲の長いポジションセンサが必要となる。ポジションセンサの価格は検出範囲の長さが長いほど高く、一般に長さに比例でなく、それ以上の割合で価格が上昇する。
レンズ156、155によって、移動量を小さくすることで、安価な検出範囲の短いポジションセンサを使用することが可能となる。
前述したように、検出範囲が長くなると価格は大きく上昇するので、レンズ156、155や固定部分を作成する費用が追加となっても、移動量を縮小する光学系を使ったほうが、低価格となる。発光ダイオード76bからの光は、スリット87bを通り、レンズ158、157を経てポジションセンサ153bに入射する。ポジションセンサ153bは、Y軸方向の動きを検出するため、内部の長方形状の検出素子は長手方向がY軸方向となるように取り付けられている。スリット87bからの光は、レンズホルダ部組60がエレベーション方向に移動するとY軸方向に移動し、ポジションセンサ153bで位置が検出される。
一方、レンズホルダ部組60がアジマス方向に移動すると、スリット87bからの光は、ポジションセンサ153bでX方向に移動する。ポジションセンサ153b内の検出素子は、X軸方向の長さは短い長方形状で、X軸方向に大きく動くと光が検出素子から外れ、位置が検出できなくなってしまう。
これを防ぐには、スリット87bのX方向の長さを長くすれば良いが、発光ダイオード76bからの光はある角度で広がる。したがって、スリット87bのX軸方向の長さを長くすると、発光ダイオード76bとスリット87bの距離を大きくしなくてはならず、レンズホルダ部組60が大型化してしまう。
そこで、レンズ158はスリット87bのX軸方向の位置にかかわらず、X軸方向にポジションセンサ153bの中心付近に集光する役割を有している。これによって、レンズホルダ部組60がアジマス方向に大きく移動しても、ポジションセンサ153bに光が当たるようになっている。Y軸方向については、レンズ作用は有していない。
ところで、このままではスリット87bを通した発光ダイオード76bが広がってしまい、ポジションセンサ153b部分では広がった光が移動するだけで、精度の良い位置検出ができなくなってしまう。そのため、レンズ157でY軸方向に広がった光を集光し、ポジションセンサ153bに適切なサイズのスリット87bの像が投影されるようにされている。レンズ157はY軸方向にのみレンズ作用を持ち、X軸方向についてはレンズ作用を有していない。
尚、レンズ156、158とスリット87a、87bの間にフード101a、101bが取り付けられているが、これらは、発光ダイオード76a、76bの光を、なるべく外に漏らさないようにするためと、逆にレーザダイオード55からの光等、発光ダイオード76a、76b以外の光をポジションセンサ153a、153bに入射させないためである。そのため、光路はバネ受け31に設けられた穴150a、150b、151を通し、外部の遮断も行っている。
また、スリット87a、87bの光が干渉しないように、途中、穴150aと150b、フード101aと101bと2つの光路も別空間としている。レンズホルダ部組60に搭載されるレンズ34、38を移動させることにより、レーザダイオード55からの光の照射位置を移動させるが、照射位置がレーザダイオード55の光軸に対して傾きが0度の位置になる等の所望の位置となったときに、ポジションセンサ153a、153bの出力が0位置を示す出力となるように、基板56はX−Y平面内での位置調整がなされ、固定されている。このため、基板56に於いてネジ57a、57bが通る部分は、調整代分を見て大きめとなっている。
図1、図3、図5及び図7に示されるように、ヨーク33には、レンズ35が接着されたガラス入りのポリフェニレンサルファイド樹脂で製作されたホルダ135が、ネジ136a、136bによって固定されている。ネジ136a、136bは、ホルダ135に形成された穴を通され、ヨーク33のネジ穴131a、131dにねじ込まれている。ホルダ135には、図5に示されるように、凸部141a、141bが設けられており、ヨーク33の穴132a、132bに嵌挿する形態で位置決めされている。
ヨーク33には、更に、レンズ34、38が接着されたガラス入りのポリフェニレンサルファイド樹脂で製作されたホルダ37が、ネジ138a、138bによって固定されている。ネジ138a、138bは、ホルダ37及びホルダ135に設けられた穴を通され、ヨーク33のネジ穴131b、131cにねじ込まれている。ホルダ37は、ホルダ135を挟んで、ヨーク33に固定する形態となっている。更に、ホルダ37には、図示されないが凸部が設けられており、ヨーク33の穴133a、133bに嵌挿される形態で位置決めされている。
図2、図3及び図6に示されるように、バネ受け部組41には、レーザ部組50がネジ53a、53bで固定されている。ネジ53a、53bは、ガラス入りのポリフェニレンサルファイド樹脂で製作されたホルダ52に形成された穴を通され、ヨーク33のネジ穴97a、97bにねじ込まれている。
次に、レーザ部組50について詳細に説明する。
レーザダイオード55は、アルミ製のホルダ51に軽圧入されて固定されている。ホルダ51には基板54も固定されており、レーザダイオード55が接続されている。尚、基板54は、ここでは模式化して外形が示されているだけであるが、実際は基板とその上に装着される部品から成っている。ホルダ51は、更にホルダ52に挿入されている。ホルダ51のネジ穴160には、ホルダ52の穴を介してネジ161がねじ込まれ、ホルダ51は、いわゆる引きビスでホルダ52に固定されている。
このホルダ52に形成された穴はZ軸方向に長穴形状となっていて、ホルダ51はホルダ52に対しZ軸方向にスライドし、レーザダイオード55はZ軸方向に位置調整可能となっている。また、レーザ部組50をバネ受け部組41に固定する際には、ホルダ52の穴が大きめとなっており、X−Y平面内で位置調整可能となっている。すなわち、レーザダイオード55は、XYZ軸に位置調整可能となっている。
レーザダイオード55のZ軸方向の位置を変えると、本装置より照射される光のスポットの大きさが変化する。そこで、ホルダ51をZ軸方向に移動させ、スポットの大きさが所定の大きさとなるように調整される。レーザダイオード55のX−Y平面内での位置調整は、レーザダイオード55とレンズ35、36の光軸が一致するようにして行われる。このとき、レンズ34、38は、調整機によって基準位置に機械的に移動される。レーザダイオード55の位置調整を行うのは、レーザダイオード55のパッケージの外形と内部の発光点の製造上のばらつきを吸収するためである。
図3及び図5に示されるように、レーザダイオード55から発射されたレーザ光は、レンズ34またはレンズ38と、レンズ35、レンズ36を通り、外部へ照射される。尚、レーザダイオード55の波長は870nmと赤外線であり、実際にはその光を目視することはできない。図6に於いてヨーク33の下側方向には、アルミダイカスト製のベース30が固定されている。ヨーク33とベース30は、該ベース30に形成された凸部30a、30bが、図8に示されるヨーク33の切り欠き122と穴123に嵌挿される形態で位置決めされる。
また、ヨーク33は、Z軸方向に、ベース30に設けられた3点の台座42a〜42cで接するようにされ、ベース30の精度を、これらの台座42a〜42c部分のみ出せばよいようにされている。更に、ヨーク33は、そのネジ穴118a〜118cにベース30の穴を介して、ネジ43a〜43cをねじ込むことによって、ベース30に固定されている。
ベース30の内部には、制御基板45がネジ46a〜46dによって固定されている。このとき、制御基板45の発熱の大きい電気素子は、熱伝導性の良いゲル状シートを介してベース30に接するようにされ、ベース30に放熱するようにされている。尚、ベース30には、本装置を取り付けるための穴44a〜44dが設けられている。
次に、以上のように構成された第1の実施形態の光スキャナ装置の動作について説明する。
図12は、本発明の第1の実施形態の光スキャナ装置を車両用光スキャン装置に用いた車両用測距装置を簡略に示した図である。
図12(a)に示されるように、レーザダイオード55より出射されたレーザ光は、ワイヤバネ(ここでは代表的に108として記す)108に支持されたレンズホルダ61のレンズ38が、図示左右方向に移動されることにより、左右方向に振られる。ここで、レンズ38は凸レンズであるので、レンズ38が図示矢印200のように右方向に移動されることにより、光も図示201のように、同じ向きの右方向に振られる。
更に、光はレンズ35、36によって振れ幅が図示矢印202のように拡大されて、照射される。照射された光203が障害物(対象物)205に当たって反射した光206は、受光レンズ207を介してフォトデイテクタ208に至り、図示されない電気回路により障害物205までの距離が計算される。
次に、図12(b)に示されるように、レンズ34に光が通された場合について説明する。レーザダイオード55より出射されたレーザ光は、ワイヤバネ108に支持されたレンズホルダ61のレンズ34が、図示左右方向に移動されることにより、左右方向に振られる。ここで、レンズ34は凹レンズであるので、レンズ34が図示矢印210のように左方向に移動されることにより、光は図示矢印211のように逆向きの右方向に振られる。
更に、光はレンズ35、36によって振れ幅が図示矢印212のように拡大されて、照射される。照射された光203が障害物に当たるところから先は、前述したレンズ38を通る光の場合と同じであるので説明は省略する。
尚、実際には、ホルダ61は左右方向だけではなく、上下方向にも振られ、光が上下方向にも振られたり、レンズ34、レンズ38の何れにレーザダイオード55より出射したレーザ光を通すかの選択が行われたりする。
ここで、レンズホルダ部組60を上下左右方向に移動させる仕組みについて、更に詳細に説明する。
図5に示されるように、アジマスコイル80は、ヨーク32に固定された磁石92aとヨーク33に固定された磁石92bに挟まれている。磁石92a、92bの極性は、図5に示される通りである。尚、磁極の境は分かりやすいように破線で示している。実際の磁石で境の部分は、幅0.2〜0.4mmの磁極の無いニュートラル領域となる。
アジマスコイル80の辺143a、143bには、図示矢印144a、144bの向きの磁界が及ぶ。図示矢印144aのように磁石92aから出た磁束は、磁石92bに入り、ヨーク33内を図示矢印145bのように進む。そして、再び磁石92bに入り、図示矢印144bのように磁石92bから出て、磁石92aに至る。更に、ヨーク32内を図示矢印145aのように進んで、磁石92aの元の部分に戻る。
アジマスコイル80の辺143a、143bに流れる電流の向きは逆であり、及ぶ磁界の向き144a、144bも逆であるので、発生する力の向きは同じである。力の向きは、電流の向きと磁界の向きに垂直なX軸方向となる。アジマスコイル80の残りの辺には、Y軸方向の力が発生するが、図示矢印144aと矢印144bの磁界から受ける力の向きが逆向きとなりキャンセルするので、Y軸方向に動くことはない。
以上のように、アジマスコイル80に電流を流すことで、レンズホルダ部組60及びそれに取り付けられたレンズ34、38をアジマス方向(X方向)に移動させることができる。
尚、エレベーションコイル81a、81bについては、Y方向の力が発生するように、カを発生する辺の方向が90度変わり、磁石93a〜93dの磁極も対応して90度変わっただけで、基本は同一である。エレベーションコイル81a、81bで発生するY方向の力が同じ向きになるように直列接続される。これにより、エレベーションコイル81a、81bに電流を流すことで、レンズホルダ部組60及びそれに取り付けられたレンズ34、38をエレベーション方向(Y方向)に移動させることができる。
レンズホルダ部組60の位置は、既に述べたように、レンズホルダ部組60のスリット87a、87bを通った光を、ポジションセンサ153a、153bで受光して検出される。そして、その検出された位置情報を基にして、レンズホルダ部組60の移動が行われる。
本装置を車両に搭載する際には、X方向(先の左右方向)が地面に対して水平方向、Y方向(先の上下方向)が地面に対して垂直方向になるように搭載する。このとき、主たる光の走査は、地面に対して水平なX方向となる。すなわち、X方向に光を走査するのを基本とし、1回X方向に光を走査して障害物の検出を行った後にY方向の位置を変え、そこで再びX方向に光を走査して障害物の検出を行う。Y方向の動作は、X方向の走査位置をずらすためであり、Y方向に光を走査して障害物を検出するような動作は行わない。X方向には広い範囲を検出する必要があるため、レンズ34、38もX方向に大きく移動できるようになっている。
本実施形態では、レンズ38は、図12(a)に於いてX軸方向で右側(X+方向)に移動することで光をX+向きに走査、レンズ34は、図12(b)に於いてX軸方向で左側(X−方向)に移動することで光をX+向きに走査することができる。そこで、レンズ34、38を備えたホルダ61は、図13に示されるように移動させる。
先ず、レンズ38に光を通し、図示215のようにX+方向に移動する。光はホルダ61の移動と同様に215のように走査される。次に、ホルダ61をY軸方向に移動し、レンズ34に光を通す。このとき、ホルダ61はX軸方向には移動しないので、図13に於いては、この移動は216のように表される。
次に、レンズ34に光が通った状態で、217のようにX−方向に移動する。光はホルダ61の動きと逆で、図示219のように走査される。走査が終わったら、ホルダ61をY軸方向に移動し(図示218)、レンズ34に光を通すようにし、X軸方向の動きは元に戻る。これが繰り返される。
光の動きは、図示215、219、220のように、ある角度に光が照射される時の間隔T11、T12を同じにすることができ、照射された光から得られる情報の処理に不都合が生じない。レンズ38とレンズ34に交互に光を通すことにより、X軸方向の往復動作両方で光を走査することができる。往路の時間T13と復路の時間T15を測定に用いる光を照射できる有効な時間とすることができ、光を照射できない無駄時間は、1往復で、レンズ38、レンズ34をY軸方向に移動するT14、T16だけとすることができる。
通常の往路だけで光を照射する場合、無駄時間を短くするには復路の時間を短くしなくてはならないが、X軸方向の移動量は大きいので、時間短縮には発生加速度を大きくする必要があり、装置も大型で高価なものとなる。一方、Y軸方向の移動量はX軸方向に比べて小さいため、そのようなことはなく、本実施形態では発生加速度を大きくすることなく、測定に用いる光を照射する時間の比率を高くし、無駄時間を少なくすることができる。加えて、装置の小型化、低価格化も図ることができる。
尚、図13では、振り角度の変化を変化点で角としているが、実際には変化させるときの加速度が有限なので、滑らかな曲線で変化する形となる。
次に、図14及び図15を参照して、レンズ34、38のY軸方向の移動について説明する。
図14は、レンズ34、38の中心をY−Z平面で切った断面図である。また、図15は走査される光を示したもので、図中235はレンズ34、38を移動させることで照射する光を移動させることができる範囲を示している。レンズ34、38が止まっているときに照射される光の大きさは236となる。
図13に示される動き215で、レンズ38によって、光を237より238まで、図示矢印242のように走査する。次に、光をレンズ34に通し、光を240より241まで図示矢印243のように走査する。これによって、図示244の範囲に光を走査することができる。
図示Y軸方向には、235の範囲のように、更に広く移動可能であるが、地面に水平なX軸方向は障害物検出のために広く走査する必要がある。地面に垂直なY軸方向は、車両が進んで行くことでもY軸方向に見る位置を変える効果があり、必要以上に広い範囲を見なくてよい。広い範囲に移動可能になっているのは、例えば車両の速度が変わった場合に、走査範囲の距離(車両からどの程度先を見るか)を変える等のときに、図示244から245や246等に走査範囲に変えるためである。尚、245や246の範囲内の光の走査方法は、前述した244と同じである。
前述したように、レンズ38は凸レンズであり、X軸方向だけでなく、Y軸方向についてもレンズ38を移動した向きと同じ向きに光は曲げられる。図14に示される中心223に光を通したときに対し、レンズ38を上側(Y+側)に動かし224に光を通すと、光は図14に於いて上側(Y+側)に、逆に225に光を通すと光は下側(Y−側)に曲がる。
レンズ34は凹レンズであり、X軸方向だけでなく、Y軸方向についてもレンズ34を移動した向きと逆向きに光は曲げられる。中心227に光を通したときに対し、レンズ34を下側(Y−側)に動かし229に光を通すと光は上側(Y+側)に、逆に228に光を通すと光は下側(Y−側)に曲がる。
レンズ38、34の中心223、227を光が通ったときに、光がY軸方向に曲がらずに直進するようにレンズ35、36が調整されているとき(通常はこのように調整される)、図15の244の範囲を走査している場合、図13に示される216、218でレンズ38、34をY軸方向に移動させるときの移動距離は、図14に示される231となる(正確には、往復でY軸方向の位置をずらしている247、248の分だけずれる)。
図15の246のようにY+側をX軸方向に光を走査している場合、移動距離は前述した231より短い232となる。245のようにY−側をX軸方向に光を走査している場合、移動距離は231より長い233となる。
本実施形態によると、走査するY軸方向の位置によって、レンズ34、38のY軸方向の移動量が変わるが、レンズ38、34が単純な凸レンズ、凹レンズで良く、レンズの製作性が良く、低価格化も図りやすい。また、Y+側を走査する場合に移動距離が小さくなることを生かして、通常、よく走査する側がY+側となるように、オフセットして装置を搭載したり、レンズをオフセットしてホルダに固定したりしても良い。
また、ここでは、Y軸方向の位置をずらしてX軸方向に2回光を走査するのを1組としているが、Y軸方向の位置をずらさずに同じ位置をX軸方向に走査したり、Y軸方向の位置を各々ずらしてX軸方向に3回走査したり、走査するパターンはいろいろ考えられる。X軸方向の振り幅を小さくして、Y軸方向のように中心の位置をずらすようなことも考えられる。それらでも、レンズ34、38のX軸方向往復の動きどちらでも光を走査することができ、前述したように、測定に用いる光を照射する時間の比率を高くし、無駄時間を少なくすることができる。
尚、X軸方向に良く走査するのがY軸方向のある位置付近のみで、その他のY軸方向の位置はあまり使用しない場合、レンズ38のY軸方向は大きいまま、レンズ34のY軸方向寸法を小さくし、レンズ35については、Y軸方向のある位置付近のみに対応する大きさとしても良い。
良く走査するY軸方向のある位置付近での場合は、レンズ34、38を用い、レンズ34、38のX軸方向往復の動きの両方で光を走査することで、測定に用いる光を照射する時間の比率を高くする。Y軸方向の位置を変えた場合は、レンズ34は小さくしたことで対応しないので、レンズ38のみで光をX軸方向に走査する。このときは、X軸方向の動きの片道のみで光を走査することになり、測定に用いる光を照射する時間の比率を低くなり性能は落ちる。あまり利用しない位置なので、性能劣化が許容できれば、レンズ34が小さくなる分、装置の小型化、低価格化ができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図16は本発明の第2の実施の形態を示すもので、図14に相当する要部説明図であって、(a)は図14と同様にレンズのY−Z平面での断面図、(b)はレンズの斜視図である。
尚、以下に述べる第2の実施形態に於いて、光スキャナ装置の基本的な構成については、前述した第1の実施形態と同じであるので、説明の重複を避けるため、同一の部分には同一の参照番号を付して、その図示及び説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
本第2の実施形態では、前述した第1の実施形態とはレンズホルダ61に搭載されたレンズ34が異なっている。第1の実施形態では第2の光学素子であるレンズ34は凹レンズであったが、本第2の実施形態ではレンズ34に替えてトーリックレンズ251で構成している。トーリックレンズ251は、図16(b)に示されるように、X軸方向に於いては負のパワーを有する凹レンズ、Y軸方向に於いては正のパワーを有する凸レンズの形状で構成されている。レンズ38は、前述した第1の実施形態と同じ凸レンズである。また、その他の構成も第1の実施形態と同じである。
X軸方向に於いては、レンズ38が凸レンズ、トーリックレンズ251が凹レンズで構成され、前述した第1の実施形態と同じで、X軸方向への移動の往復で光を走査する仕組みも同じである。
本第2の実施形態では、Y軸方向の移動が第1の実施形態と異なる。すなわち、第2の実施形態によれば、Y軸方向に於いては、レンズ38、トーリックレンズ251共に凸レンズとなっている。レンズ38では、移動した向きと同じ向きに光は曲がり、中心223に光を通したときに対し、224に光を通すと光はY+側に、225に光を通すと光はY−側に曲がる。トーリックレンズ251もY軸方向では凸レンズであり、中心227に光を通したときに対し、252に光を通すと光はY+側に、253に光を通すと光はY−側に曲がる。
レンズ38、トーリックレンズ251の中心223、227を光が通ったときに光がY軸方向に曲がらずに直進するようにレンズ35、36が調整されているとき(通常はこのように調整される)、第1の実施形態で示した図15の244の範囲を走査している場合、図13の216、218でレンズ38、トーリックレンズ251をY軸方向に移動させるときの移動距離は、図16に示される231のようになる(正確には、往復でY軸方向の位置をずらしている247、248分ずれる)。
図15に示される246のように、Y+側をX軸方向に光の走査をしている場合の移動距離は254となり、前述した231と同じである。一方、245のようにY−側をX軸方向に光の走査をしている場合も、移動距離は255となり、前述した231と同じである。
本実施形態によると、走査するY軸方向の位置によって、レンズ38、トーリックレンズ251のY軸方向の移動量が変わらないので、制御を容易に行うことができる。
以上、本発明は前述した実施形態に制限されることなく、種々変形が可能である。
例えば、レンズはレンズホルダに2つのレンズを固定していたが、合成樹脂で2つのレンズを一体化したレンズを製作し、固定するようにしても良い。これにより、組み立てを容易にし、低価格化を図ることができる。
また、光学素子はレンズとしたが、回折格子やフレネルレンズのようなものでも良い。これにより、一般的なレンズのように厚くならず、可動部分の軽量化を図ることができる。
更には、移動させる駆動機構や支持機構もさまざまなものが考えられる。磁石とコイルの配置は、前述した実施形態では、アジマスコイル、エレベーションコイルが磁石に挟まれる構成となっているが、片側のみに磁石を配し、反対側はヨークのみの構成としても良い。
レンズホルダ部組はワイヤバネで支持していたが、ワイヤバネでなく、軸と軸受で支持するような構成であっても良い。
また、レンズホルダ部組を板バネで支持し、X軸方向にのみ移動可能にし、レンズホルダ部組はX軸方向にのみ駆動して、レーザ部組をY軸方向に移動する機構に取り付け、これによって、レーザ光をY軸方向に移動させ、Y軸方向の位置を変えるようにしても良い。X軸方向とY軸方向の移動させる機構を独立させることで、設計の自由度が高まり、X軸方向の移動量を大きくする等、性能を高めることが容易となる。
一方、前述した実施形態のように、レンズホルダをX軸方向、Y軸方向の両方向に移動させるようにした場合は、低価格化を図ることができる。
第1の実施形態では、レンズ34、38については、各レンズの移動する向きと通る光の移動する向きの関係のみ異なるような特性となるような形状のレンズで構成され、レンズ35、36については、レンズ34、38を通る光に対して共通で用いる形となっている。
レーザ光をY軸方向に移動させる場合は、レンズ38を通る光とレンズ34を通る光が、レンズ35、36を通る部分を分けることが容易である。したがって、これを利用して、レンズ35、36についても、レンズ34、38に対応して各々2つのレンズに分け、最適化を図ることができる。レンズ34、38のみで、各レンズの移動する向きと通る光の移動する向きの関係のみ変え、他の特性を同じとするよりも、レンズの設計を容易にし、より良い特性とすることができる。
また、レンズ35、36は固定部に取り付けられているので、この部分で個別に位置の微調整を行い、レンズ34、38の取り付け誤差による特性のずれの補正も可能となる。
更に、光学系についても、前述した実施形態の構成に限ったことではなく、さまざまな光学系に適用が可能である。レンズから出射したレーザ光は、出射したレンズと異なる別のレンズで受光されるとしたが、再び同じレンズで受光し、受光した光を、例えば、光路分割素子で分離して検出するような光学系の光スキャナ装置と受光装置を兼ねた装置にも適用可能である。
尚、前述した実施形態では、スキャナ装置を車両に搭載する場合について述べたが、車両に限らず、光を走査するスキャナ装置全般に適応可能であることはいうまでもない。但し、車両に搭載するスキャナ装置で測定に用いる光を照射する時間の比率を高くする需要が多く、効果を享受しやすい。その場合、X軸方向を地面に水平な方向とすると良い。
更に、前述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適当な組合せにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成も発明として抽出され得る。
25…光学系駆動装置、30…ベース、31…バネ受け、32、33…ヨーク、34、35、36、38、155、156、157…レンズ、37、51、52、85、135…ホルダ、41…バネ受け部組、50…レーザ部組、54、56、70…基板、55…レーザダイオード、60…レンズホルダ部組、61…レンズホルダ、76a、76b…発光ダイオード(LED)、77…サーミスタ、80…アジマスコイル、81a、81b…エレベーションコイル、91a、91b、220、221…銅板、92a、92b…磁石、108、108a〜108t…ワイヤバネ、125…2軸アクチュエータ、153a、153b…ポジションセンサ、220a、221a、221b、221c、221d…折り曲げ部。
Claims (24)
- 光学素子と、該光学素子を備えたホルダと、該ホルダを前記光学素子の光軸に垂直な方向に移動可能に支持する支持手段と、該支持手段を前記光学素子の光軸に垂直な方向に移動させる駆動手段と、発光素子とを少なくとも備え、該発光素子からの光を前記光学素子に通し、該光学素子を移動することによって、光を走査し、照射する光スキャナ装置に於いて、
前記光学素子は、その光軸に垂直な第1の方向に移動したときに前記光学素子を通る光が前記光学素子を移動する向きと同一の向きに走査される第1の光学素子と、前記第1の方向に移動したときに前記光学素子を通る光が光学素子を移動する向きと反対の向きに走査される第2の光学素子と、を有することを特徴とする光スキャナ装置。 - 前記第1の方向の片側を正の向き、反対側を負の向きとした場合に、前記支持手段を第1の方向の正の向きに移動させるときは前記発光素子からの光を前記第1の光学素子に透過させ、前記支持手段を第1の方向の負の向きに移動させるときは前記発光素子からの光を前記第2の光学素子に透過させて走査することを特徴とする請求項1に記載の光スキャナ装置。
- 前記第1の光学素子と第2の光学素子は、前記第1及び第2の光学素子の光軸に垂直、且つ前記第1の方向に垂直な方向を第2の方向とした場合に、該第2の方向に並べて配置されていることを特徴とする請求項1及び2の何れか1項に記載の光スキャナ装置。
- 前記第1の光学素子を前記第2の方向に移動させたとき、前記第1の光学素子を通る光が当該光学素子を移動させる向きと同一の向きに走査され、前記第2の光学素子を前記第2の方向に移動させたとき、前記第2の光学素子を通る光が当該光学素子を移動させる向きと反対の向きに走査されることを特徴とする請求項3に記載の光スキャナ装置。
- 前記第1の光学素子及び第2の光学素子を前記第2の方向に移動させたときに当該光学素子を通る光が走査される向きと、前記第1の光学素子及び第2の光学素子の移動する向きの関係が、前記第1の光学素子と第2の光学素子で同一であることを特徴とする請求項3に記載の光スキャナ装置。
- 前記ホルダは、前記第1の方向及び第2の方向に移動可能であることを特徴とする請求項3乃至5の何れか1項に記載の光スキャナ装置。
- 前記ホルダは前記第1の方向にのみ移動可能であり、
前記ホルダの外部に前記発光素子からの光を前記第2の方向に移動させる手段を更に具備することを特徴とする請求項3乃至5の何れか1項に記載の光スキャナ装置。 - 前記第1の光学素子と前記第2の光学素子は、一体に形成されていることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の光スキャナ装置。
- 前記第1の光学素子は凸レンズであり、前記第2の光学素子は凹レンズであることを特徴とする請求項1乃至4及び6乃至8の何れか1項に記載の光スキャナ装置。
- 前記第1の光学素子は凸レンズであり、前記第2の光学素子は前記第1の方向に於いては負のパワーを有する凹レンズ、前記第2の方向に於いては正のパワーを有する凸レンズの形状の複合レンズで構成されていることを特徴とする請求項8に記載の光スキャナ装置。
- 前記光スキャナ装置は、車両に搭載され、前記第1の方向は、地面に水平な向きであることを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項に記載の光スキャナ装置。
- 光を所定の範囲に渡り走査するスキャナ装置であって、
対象物に向けて光を照射する発光素子と、
前記発光素子からの光を走査させる光学素子と、
前記光学素子を該光学素子の光軸と直交する方向に移動可能に支持する支持手段と、
前記光学素子より照射された光の反射光を検知する受光素子と、
を具備し、
前記光学素子は第1の光学素子と第2の光学素子とを有し、
前記支持手段は、前記第1の光学素子を、その光軸と直交する第1の方向に移動させたときに、該第1の光学素子を通る光を、当該第1の光学素子の移動方向と同一方向に移動させて走査し、前記第2の光学素子を、前記第1の方向に移動させたときに、該第2の光学素子を通る光を、当該第2の光学素子の移動する方向と反対方向に移動させて走査することを特徴とする光スキャナ装置。 - 前記第1の方向の片側を正の向き、反対側を負の向きとしたとき、前記支持手段は、前記光学素子を第1の方向の正の向きに移動させるときは前記発光素子からの光を前記第1の光学素子に透過させ、前記光学素子を第1の方向の負の向きに移動させるときは前記発光素子からの光を前記第2の光学素子に透過させて、光を走査することを特徴とする請求項12に記載の光スキャナ装置。
- 前記第1の光学素子と第2の光学素子は、前記第1及び第2の光学素子の光軸に直交し、且つ前記第1の方向に直交する方向を第2の方向とした場合に、第2の方向に並設されていることを特徴とする請求項12及び13の何れか1項に記載の光スキャナ装置。
- 前記第1の光学素子を前記第2の方向に移動させたとき、前記第1の光学素子を通る光が当該光学素子を移動する向きと同一の向きに走査され、前記第2の光学素子を第2の方向に移動させたとき、前記第2の光学素子を通る光が当該光学素子を移動する向きと反対の向きに走査されることを特徴とする請求項14に記載の光スキャナ装置。
- 前記第1の光学素子及び第2の光学素子を第2の方向に移動したときに、当該光学素子を通る光が走査される向きと、前記第1の光学素子及び第2の光学素子の移動する向きの関係が、第1の光学素子と第2の光学素子で同一方向であることを特徴とする請求項14に記載の光スキャナ装置。
- 前記支持手段は、前記第1の方向及び第2の方向に移動可能であることを特徴とする請求項14乃至16の何れか1項に記載の光スキャナ装置。
- 前記支持手段は前記第1の方向にのみ移動可能であり、
前記支持手段の外部に前記発光素子からの光を前記第2の方向に移動させる移動手段を更に具備することを特徴とする請求項14乃至16の何れか1項に記載の光スキャナ装置。 - 前記第1の光学素子と第2の光学素子は、一体に形成されていることを特徴とする請求項12乃至18の何れか1項に記載の光スキャナ装置。
- 前記支持手段を少なくとも前記第1の方向に移動させるための移動手段を更に具備することを特徴とする請求項12乃至19の何れか1項に記載の光スキャナ装置。
- 前記移動手段は、前記支持手段に固定された複数のコイルと、前記支持手段を少なくとも前記第1の方向に移動可能に支持する弾性支持部材と、を有して構成されることを特徴とする請求項20に記載の光スキャナ装置。
- 前記第1の光学素子は凸レンズであり、前記第2の光学素子は凹レンズであることを特徴とする請求項12乃至14及び16乃至19の何れか1項に記載の光スキャナ装置。
- 前記第1の光学素子は凸レンズであり、前記第2の光学素子は前記第1の方向に於いては負のパワーを有する凹レンズ、前記第2の方向に於いては正のパワーを有する凸レンズの形状の複合レンズで構成されていることを特徴とする請求項19に記載の光スキャナ装置。
- 前記光スキャナ装置は、車両に搭載され、前記第1の方向は、地面に水平な向きであることを特徴とする請求項12乃至23の何れか1項に記載の光スキャナ装置。
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