JP2009030776A - 油圧緩衝器 - Google Patents
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Abstract
【課題】 減衰力発生装置を内蔵していない油圧緩衝器において、気体ばねのばね反力を確保すること。
【解決手段】 アウタチューブ11にインナチューブ12を摺動自在に挿入し、両チューブ11、12の内部空間により気体室40を形成し、この気体室40に閉じ込められた気体反力に起因する気体ばねによって衝撃力を吸収し、この衝撃力の吸収に伴う両チューブ11、12の伸縮振動を抑制するための減衰力発生装置は内蔵していない油圧緩衝器10において、両チューブ11、12の少なくとも一方に設けられ、両チューブ11、12の内部空間に挿入されて該内部空間を気体室40とともに占める中空密閉体50、60を有するもの。
【選択図】 図2
【解決手段】 アウタチューブ11にインナチューブ12を摺動自在に挿入し、両チューブ11、12の内部空間により気体室40を形成し、この気体室40に閉じ込められた気体反力に起因する気体ばねによって衝撃力を吸収し、この衝撃力の吸収に伴う両チューブ11、12の伸縮振動を抑制するための減衰力発生装置は内蔵していない油圧緩衝器10において、両チューブ11、12の少なくとも一方に設けられ、両チューブ11、12の内部空間に挿入されて該内部空間を気体室40とともに占める中空密閉体50、60を有するもの。
【選択図】 図2
Description
本発明は自動二輪車、自転車等に用いられて好適な油圧緩衝器に関する。
自動二輪車、自転車等に用いられる、左右のフロントフォークからなるフロントフォーク装置において、特許文献1に記載の如く、一方のフロントフォークとして、車両が路面から受ける衝撃力を吸収する懸架スプリングと気体ばねを内蔵する油圧緩衝器を用い、他方のフロントフォークとして、それらの懸架スプリングや気体ばねの伸縮振動を制振する減衰力発生装置を内蔵する油圧緩衝器を用いるものがある。
即ち、上述の一方のフロントフォークとして用いられる油圧緩衝器は、車体側のアウタチューブと車軸側のインナチューブを摺動自在に挿入し、両チューブの内部空間により気体室を形成し、この気体室に閉じ込められた気体反力に起因する気体ばねによって衝撃力を吸収し、この衝撃力の吸収に伴う両チューブの伸縮振動を抑制するための減衰力発生装置は内蔵していない。また、この油圧緩衝器では、アウタチューブとインナチューブの間に介装される懸架スプリングをそれらのチューブの内部空間に設け、インナチューブの内周により懸架スプリングの外径をガイドして懸架スプリングの胴曲がりを防止している。
特開2004-316725
特許文献1に記載の一方のフロントフォークとして用いられる油圧緩衝器には以下の問題点がある。
(1)アウタチューブとインナチューブの内部空間に懸架ばねと気体ばねを内蔵するものの、減衰力発生装置を内蔵していないから、両チューブの内部空間の全容積に占める気体室の容積が過大になる。一方のフロントフォークの懸架スプリングと気体ばねだけで、衝撃力を緩衝すべく、一定の気体ばねのばね反力を確保するためには、両チューブの内部空間に装填してある潤滑用オイルの油面レベルを上げることにより、アウタチューブとインナチューブの最収縮状態における気体室の容積を低減し、結果として両チューブの伸縮における気体室の圧縮比を拡大させる必要がある。オイル量が過大になって重量増、コスト増になる。
尚、気体ばねのばね反力を確保する代わりに、懸架スプリングのばね定数を上げる場合には、懸架スプリングの素線径が太くなって重量増、コスト増になる。
(2)インナチューブの内周により懸架スプリングの外径をガイドしているから、インナチューブの上端が懸架スプリングの上端より下方に位置することとなった最伸長状態からの反転圧縮時に、インナチューブの上端と懸架スプリングの外径がせり、圧縮ストロークの抵抗が大きくなって異音を生じ、スプリング破損のおそれもある。
本発明の課題は、減衰力発生装置を内蔵していない油圧緩衝器において、気体ばねのばね反力を確保することにある。
本発明の他の課題は、圧縮ストロークの抵抗を小さくすることにある。
請求項1の発明は、アウタチューブにインナチューブを摺動自在に挿入し、両チューブの内部空間により気体室を形成し、この気体室に閉じ込められた気体反力に起因する気体ばねによって衝撃力を吸収し、この衝撃力の吸収に伴う両チューブの伸縮振動を抑制するための減衰力発生装置は内蔵していない油圧緩衝器において、両チューブの少なくとも一方に設けられ、両チューブの内部空間に挿入されて該内部空間を気体室とともに占める中空密閉体を有するようにしたものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において更に、前記アウタチューブとインナチューブの最収縮状態で、両チューブの内部空間の全容積の概ね70%の容積を中空密閉体により占めるようにしたものである。
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において更に、前記アウタチューブとインナチューブの間に介装される懸架スプリングをそれら両チューブの内部空間に設け、中空密閉体が懸架スプリングの内径をガイドするガイド部を備えるようにしたものである。
請求項4の発明は、請求項3の発明において更に、前記中空密閉体のガイド部が樹脂からなるようにしたものである。
請求項5の発明は、左右のフロントフォークからなるフロントフォーク装置において、一方のフロントフォークとして請求項1〜4のいずれかに記載の油圧緩衝器を用い、他方のフロントフォークとして減衰力発生装置を内蔵する油圧緩衝器を用いるようにしたものである。
(請求項1)
(a)油圧緩衝器において、アウタチューブとインナチューブの内部空間を気体室とともに占める中空密閉体を設けた。従って、アウタチューブとインナチューブの最収縮状態における気体室の容積を低減し、両チューブの伸縮における気体室の圧縮比が大きくなり、一定の気体ばねのばね反力を確保できる。両チューブの内部空間に装填される潤滑用オイルの油面レベルを上げる必要がないから、軽量化、コスト低減できる。
(a)油圧緩衝器において、アウタチューブとインナチューブの内部空間を気体室とともに占める中空密閉体を設けた。従って、アウタチューブとインナチューブの最収縮状態における気体室の容積を低減し、両チューブの伸縮における気体室の圧縮比が大きくなり、一定の気体ばねのばね反力を確保できる。両チューブの内部空間に装填される潤滑用オイルの油面レベルを上げる必要がないから、軽量化、コスト低減できる。
油圧緩衝器が懸架スプリングを伴うときには、気体ばねのばね反力を確保できる分、懸架スプリングのばね定数を下げることができ、懸架スプリングの素線径を太くする必要がなくなり、軽量化、コスト低減できる。
(請求項2)
(b)アウタチューブとインナチューブの最収縮状態で、両チューブの内部空間の全容積の概ね70%の容積を中空密閉体により占めるものとすることにより、アウタチューブとインナチューブの最収縮状態における気体室の容積を確実に低減できる。
(b)アウタチューブとインナチューブの最収縮状態で、両チューブの内部空間の全容積の概ね70%の容積を中空密閉体により占めるものとすることにより、アウタチューブとインナチューブの最収縮状態における気体室の容積を確実に低減できる。
(請求項3)
(c)アウタチューブとインナチューブの間に介装される懸架スプリングをそれら両チューブの内部空間に設け、中空密閉体が懸架スプリングの内径をガイドするガイド部を備えるものとすることにより、圧縮ストロークの抵抗を小さくできる。即ち、インナチューブの上端が懸架スプリングの上端より下方に位置することとなった最伸長状態からの反転圧縮時に、懸架スプリングは中空密閉体のガイド部により内径ガイドされているから、懸架スプリングの外径がインナチューブの上端とせることがなく、圧縮ストロークの抵抗は小さくなり、異音を生ずることもなくなり、スプリング破損のおそれもない。
(c)アウタチューブとインナチューブの間に介装される懸架スプリングをそれら両チューブの内部空間に設け、中空密閉体が懸架スプリングの内径をガイドするガイド部を備えるものとすることにより、圧縮ストロークの抵抗を小さくできる。即ち、インナチューブの上端が懸架スプリングの上端より下方に位置することとなった最伸長状態からの反転圧縮時に、懸架スプリングは中空密閉体のガイド部により内径ガイドされているから、懸架スプリングの外径がインナチューブの上端とせることがなく、圧縮ストロークの抵抗は小さくなり、異音を生ずることもなくなり、スプリング破損のおそれもない。
(請求項4)
(d)中空密閉体のガイド部が樹脂からなる。従って、鋼材からなる懸架スプリングと樹脂からなるガイド部の摩擦係数は小さく、伸縮ストロークの抵抗を一層小さくできる。
(d)中空密閉体のガイド部が樹脂からなる。従って、鋼材からなる懸架スプリングと樹脂からなるガイド部の摩擦係数は小さく、伸縮ストロークの抵抗を一層小さくできる。
(請求項5)
(e)左右のフロントフォークからなるフロントフォーク装置において、一方のフロントフォークとして上述(a)〜(d)の油圧緩衝器を用い、他方のフロントフォークとして減衰力発生装置を内蔵する油圧緩衝器を用いるとき、他方のフロントフォークの油圧緩衝器が懸架スプリングや気体ばねを内蔵していなくても、一方のフロントフォークの油圧緩衝器が内蔵する懸架スプリングや気体ばねだけで一定のばね反力を確保して衝撃力を緩衝できる。
(e)左右のフロントフォークからなるフロントフォーク装置において、一方のフロントフォークとして上述(a)〜(d)の油圧緩衝器を用い、他方のフロントフォークとして減衰力発生装置を内蔵する油圧緩衝器を用いるとき、他方のフロントフォークの油圧緩衝器が懸架スプリングや気体ばねを内蔵していなくても、一方のフロントフォークの油圧緩衝器が内蔵する懸架スプリングや気体ばねだけで一定のばね反力を確保して衝撃力を緩衝できる。
図1は油圧緩衝器の最伸長状態を示す全体断面図、図2は油圧緩衝器の最圧縮状態を示す全体断面図、図3は図2の下部断面図、図4は図2の中間部断面図、図5は図2の上部断面図である。
本発明の油圧緩衝器10が適用されるフロントフォーク装置は、例えば特開2004-316725号公報に記載の如くの、自動二輪車、自転車等の車両の左右両側に設けられる左右のフロントフォークからなる。一方のフロントフォークは車両が路面から受ける衝撃力を吸収する懸架スプリング20と気体室40が形成する気体ばねを内蔵する油圧緩衝器10を用いて構成される。他方のフロントフォークは、油圧緩衝器10の懸架スプリング20と気体ばねの伸縮振動を制振する減衰力発生装置を内蔵する油圧緩衝器を用いて構成される。尚、他方のフロントフォークを構成する油圧緩衝器は、減衰力発生装置とともに、必要によっては懸架スプリングや気体ばねを併せ内蔵しても良い。
油圧緩衝器10は、図1〜図5に示す如く、車体側に支持されるアウタチューブ11に、車軸に結合されるインナチューブ12を摺動自在に挿入する。インナチューブ12の下端部には車軸ブラケット13が挿着されて固定される。
アウタチューブ11の下端内周にはインナチューブ12の外周に摺接するブッシュ11Aが、インナチューブ12の上端外周にはアウタチューブ11の内周に摺接するブッシュ12Aが設けられる。アウタチューブ11の下端内周には、インナチューブ12の外周に摺接するオイルシール14、ダストシール15も設けられる。インナチューブ12の上端側には、アウタチューブ11とインナチューブ12の環状間隙であって上下のブッシュ11A、12Aに挟まれる空間の容積を補償するための孔16が設けられている。
油圧緩衝器10は、アウタチューブ11とインナチューブ12の間に介装される懸架スプリング20をそれら両チューブ11、12の内部空間に設けている。
アウタチューブ11の上端開口部には有天カップ状をなすキャップ21の上端側大径外周部が螺着され、Oリングを介して密封状に固定される。キャップ21の下端側にて段差状をなす小径外周部には、円筒状のスプリングカラー22の上端側の内径部がOリングを介して密封状に挿着され、スプリングカラー22の下端側の内径部には段付円筒状の上ばね受23の上端側の大径外周部がOリングを介して密封状に挿着され、上ばね受23の中間鍔面にはスラストワッシャ24、スプリングシート25を介して懸架スプリング20の上端部が支持される。スプリングシート25は上ばね受23の下端側の小径外周部に嵌合する筒部25Aを備え、この筒部25Aの一端フランジ部25Bにてスプリングシート面を形成する。
他方、インナチューブ12の下端開口部及び車軸ブラケット13の底部にはボトムホルダ31がOリングを介して密封状に固定される(ボトムホルダ31の下端側の外周拡径部をインナチューブ12の下端面と車軸ブラケット13の底面との間に挟圧固定している)。ボトムホルダ31の内周には下ばね受32の外周部が螺着され、下ばね受32の上面にはスプリングシート33を介して懸架スプリング20の下端部が支持される。
尚、車軸ブラケット13の外界に臨む中心孔にはセンターボルト34が螺着され、Oリングを介して密封状に挿着されるとともに、センターボルト34の外周フランジ部34Aが車軸ブラケット13の段差面に衝合して固定されており、このセンターボルト34の中心孔に下ばね受32の回転操作部32AがOリングを介して密封状に挿着されて回転操作可能に設けられている。回転操作部32Aの外界に臨む六角孔32Bに係合せしめられる工具により下ばね受32を回転操作すると、下ばね受32はボトムホルダ31に対して螺動して上下動し、懸架スプリング20のばね荷重を調整可能にする。下ばね受32の下降限は下ばね受32の上端フランジ部32Cの下面がボトムホルダ31の上端面に衝合して規制され、下ばね受32の上昇限は下ばね受32の回転操作部32Aの外周であってセンターボルト34の中心孔よりボトムホルダ31寄りに位置する外周に係着されている止め輪32Dがボトムホルダ31の下端面に衝合して規制される。センターボルト34は中心孔に突出するディテントボール35をリング状スプリング36により保持されて備え、ディテントボール35が下ばね受32の回転操作部32Aの周方向複数位置に設けてある縦溝37に係合することにより、回転操作部32Aの回転操作角の設定に対し一定の節度感を与える。
油圧緩衝器10は、アウタチューブ11とインナチューブ12の内部空間により気体室(本実施例では空気室)40を形成し、この気体室40に閉じ込められた気体反力に起因する気体ばねによって、車両が路面から受ける衝撃力を吸収する。本実施例の油圧緩衝器10にあっては、気体室40の気体ばねと懸架スプリング20の両者により上述の衝撃力を吸収するものになる。このとき、油圧緩衝器10は、気体室40の気体ばねと懸架スプリング20の衝撃力の吸収に伴う伸縮振動を抑制するための減衰力発生装置を内蔵していない。
アウタチューブ11とインナチューブ12は気体室40を形成するためにその内部空間を密閉しており、オイルシール14等を介してその内部空間に侵入した空気圧による気体室40の内圧変動を調整するため、その内部空間に連通するキャップ21の通路41に内圧調整用ねじ42を螺着し、気体室40の内圧を調整することとしている。
尚、油圧緩衝器10は、アウタチューブ11とインナチューブ12の内部空間に、上下のブッシュ11A、12A、オイルシール14等を潤滑するための潤滑用オイルが収容された油室43を設けている。油室43は気体室40の下方に設けられ、その油面レベルはLで示される(図1、図2)。
しかるに、油圧緩衝器10にあっては、アウタチューブ11の側に上中空密閉体50を、インナチューブ12の側に下中空密閉体60を設けてある。両中空密閉体50、60は両チューブ11、12の内部空間に挿入されて該内部空間を気体室40とともに占める。
上中空密閉体50は、キャップ21の下端側に連結した前述のスプリングカラー22、上ばね受23、及び上ばね受23の下端側の小径外周部の先端にOリングを介して密封状に取着した有底円筒体51とからなる。円筒体51は上ばね受23の小径外周部に設けた環状溝23Aに装填したOリングに密封状に挿着されるとともに、先端爪部52を上ばね受23の小径外周部に設けた環状係止部23Bに係止して抜け止めされる。円筒体51の先端面は上ばね受23の小径外周部に係着した止め輪53に衝合する。円筒体51は先端爪部52が環状係止部23Bに係止し、先端面が止め輪53に衝合することにより、上ばね受23と軸方向に固定化される。
下中空密閉体60は、前述の下ばね受32の上面凹部32Eの内周にOリングを介して密封状に挿着された有天円筒体61からなる。尚、前述のスプリングシート33は下ばね受32の上面凹部32Eの内周にOリングを介して密封状に嵌合する筒部33Aを備え、この筒部33Aの一端フランジ部33Bにてスプリングシート面を形成する。円筒体61は、上面凹部32Eの内周に挿着された該円筒体61の外周拡径部を上面凹部32Eの底面と筒部33Aの先端面との間に挟持される。
油圧緩衝器10は、アウタチューブ11とインナチューブ12の最収縮状態で、両チューブ11、12の内部空間の全容積のうちの適宜の大容積、例えば全容積の概ね70%の容積を中空密閉体50、60により占めるように設定し、油室43の油面レベルLを上げることなく、一定のばね荷重特性を確保する。油圧緩衝器10は、中空密閉体50、60により、アウタチューブ11とインナチューブ12の最伸長状態における気体室40の容積Vaに対し、最収縮状態における気体室40の容積Vbを低減し、両チューブ11、12の伸縮における気体室40の圧縮比Va/Vbを大きくし、一定の気体ばねのばね反力を確保する。
油圧緩衝器10は、上中空密閉体50の有底円筒体51の外周と下中空密閉体60の有天円筒体61の外周が、懸架スプリング20の内径をガイドするガイド部51A、61Aとして機能するものとする。懸架スプリング20はインナチューブ12の内周に干渉しない。尚、円筒体51のガイド部51Aに続く底面寄りの外周は先細部51Bとされ、円筒体61のガイド部61Aに続く天面寄りの外周は先細部61Bとされ、円筒体51の底面と円筒体61の天面が懸架スプリング20とせることのないようにしている。このとき、円筒体51、61は樹脂からなるものとするとき、鋼製懸架スプリング20との摩擦係数が小さくなる故に好適である。
本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)油圧緩衝器10において、アウタチューブ11とインナチューブ12の内部空間を気体室40とともに占める中空密閉体50、60を設けた。従って、アウタチューブ11とインナチューブ12の最収縮状態における気体室40の容積を低減し、両チューブ11、12の伸縮における気体室40の圧縮比が大きくなり、一定の気体ばねのばね反力を確保できる。両チューブ11、12の内部空間に装填される潤滑用オイルの油面レベルを上げる必要がないから、軽量化、コスト低減できる。
(a)油圧緩衝器10において、アウタチューブ11とインナチューブ12の内部空間を気体室40とともに占める中空密閉体50、60を設けた。従って、アウタチューブ11とインナチューブ12の最収縮状態における気体室40の容積を低減し、両チューブ11、12の伸縮における気体室40の圧縮比が大きくなり、一定の気体ばねのばね反力を確保できる。両チューブ11、12の内部空間に装填される潤滑用オイルの油面レベルを上げる必要がないから、軽量化、コスト低減できる。
油圧緩衝器10が懸架スプリング20を伴うときには、気体ばねのばね反力を確保できる分、懸架スプリング20のばね定数を下げることができ、懸架スプリング20の素線径を太くする必要がなくなり、軽量化、コスト低減できる。
(b)アウタチューブ11とインナチューブ12の最収縮状態で、両チューブ11、12の内部空間の全容積の概ね70%の容積を中空密閉体50、60により占めるものとすることにより、アウタチューブ11とインナチューブ12の最収縮状態における気体室40の容積を確実に低減できる。
(c)アウタチューブ11とインナチューブ12の間に介装される懸架スプリング20をそれら両チューブ11、12の内部空間に設け、中空密閉体50、60が懸架スプリング20の内径をガイドするガイド部51A、61Aを備えるものとすることにより、圧縮ストロークの抵抗を小さくできる。即ち、インナチューブ12の上端が懸架スプリング20の上端より下方に位置することとなった最伸長状態からの反転圧縮時に、懸架スプリング20は中空密閉体50、60のガイド部51A、61Aにより内径ガイドされているから、懸架スプリング20の外径がインナチューブ12の上端とせることがなく、圧縮ストロークの抵抗は小さくなり、異音を生ずることもなくなり、スプリング破損のおそれもない。
(d)中空密閉体50、60のガイド部51A、61Aが樹脂からなる。従って、鋼材からなる懸架スプリング20と樹脂からなるガイド部51A、61Aの摩擦係数は小さく、伸縮ストロークの抵抗を一層小さくできる。
(e)左右のフロントフォークからなるフロントフォーク装置において、一方のフロントフォークとして上述(a)〜(d)の油圧緩衝器10を用い、他方のフロントフォークとして減衰力発生装置を内蔵する油圧緩衝器10を用いるとき、他方のフロントフォークの油圧緩衝器10が懸架スプリング20や気体ばねを内蔵していなくても、一方のフロントフォークの油圧緩衝器10が内蔵する懸架スプリング20や気体ばねだけで一定のばね反力を確保して衝撃力を緩衝できる。
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。例えば、本発明の油圧緩衝器は、気体室が構成する気体ばねを有するものであれば、懸架スプリングを内蔵することを必須としない。
10 油圧緩衝器
11 アウタチューブ
12 インナチューブ
20 懸架スプリング
40 気体室
50、60 中空密閉体
51A、61A ガイド部
11 アウタチューブ
12 インナチューブ
20 懸架スプリング
40 気体室
50、60 中空密閉体
51A、61A ガイド部
Claims (5)
- アウタチューブにインナチューブを摺動自在に挿入し、両チューブの内部空間により気体室を形成し、この気体室に閉じ込められた気体反力に起因する気体ばねによって衝撃力を吸収し、この衝撃力の吸収に伴う両チューブの伸縮振動を抑制するための減衰力発生装置は内蔵していない油圧緩衝器において、
両チューブの少なくとも一方に設けられ、両チューブの内部空間に挿入されて該内部空間を気体室とともに占める中空密閉体を有することを特徴とする油圧緩衝器。 - 前記アウタチューブとインナチューブの最収縮状態で、両チューブの内部空間の全容積の概ね70%の容積を中空密閉体により占める請求項1に記載の油圧緩衝器。
- 前記アウタチューブとインナチューブの間に介装される懸架スプリングをそれら両チューブの内部空間に設け、
中空密閉体が懸架スプリングの内径をガイドするガイド部を備える請求項1又は2に記載の油圧緩衝器。 - 前記中空密閉体のガイド部が樹脂からなる請求項3に記載の油圧緩衝器。
- 左右のフロントフォークからなるフロントフォーク装置において、
一方のフロントフォークとして請求項1〜4のいずれかに記載の油圧緩衝器を用い、他方のフロントフォークとして減衰力発生装置を内蔵する油圧緩衝器を用いることを特徴とするフロントフォーク装置。
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