JP2009030580A - エンジンのブリーザ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構造で生産性に優れると共に、ブローバイガスに含まれるオイルミストを確実に除去し得るエンジンのブリーザ装置を提供する。
【解決手段】エンジンEのタイミングギヤ室22内に配置され、エンジン内部のブローバイガスを、同ブローバイガス中に混入しているオイルミストを除去した後にエンジンの吸気系60へ還流させるブリーザ装置50であって、タイミングギヤ室内に配置され、カム軸36と共に回転するオイルセパレータ51と、このオイルセパレータと協働してオイルミストを除去するブリーザハウジング55とを備え、オイルセパレータが、カム軸の軸線を中心として環状に一定間隔を置いて配列されカム軸の軸線に沿ってカム軸から離反する方向へ延伸している複数のフィンを備えており、ブリーザハウジングが周壁に開口56を有する筒状体として形成されオイルセパレータの環状フィン列を包囲する。
【選択図】図2

Description

本発明は、オイルミストを含むブローバイガスからオイルミストを分離し、オイルミストを分離除去されたブローバイガスを吸気系に環流させるエンジンのブリーザ装置に関する。
4サイクルのエンジンにおいては、燃焼室からシリンダとピストンリングとの隙間を通ってクランク室内に漏入するブローバイガスを吸気系に環流して再燃焼させるようにしている。しかし、クランク室内に漏入したブローバイガスには、クランク室内の潤滑オイルがミスト状、即ちオイルミストとなって含まれており、ブローバイガスと共にオイルミストが吸気系に運ばれて潤滑オイルの消費量が増大すると共にエンジン性能に影響する。
この対策として、クランク室内のオイルミストを含むブローバイガスからオイルミストを分離し、オイルミストを分離除去されたブローバイガスを吸気系に供給するブリーザ装置が種々提案されている。
この種のブリーザ装置の一例として、特許文献1のブリーザ装置を図13に示す要部断面図により説明する。
エンジンのシリンダヘッド1101は、ヘッドカバー1102とサイドカバー1103とから構成され、シリンダヘッド1101の内部に図示しないクランク室と連通するタイミングギヤ室1104が形成されている。タイミングギヤ室1104はサイドカバー1103に設けられたブリーザパイプ1105を介して吸気系のエアクリーナに連通している。シリンダヘッド1101内に回転自在に支持されたカム軸1106の一端がタイミングギヤ室1104内に突出し、カム軸のこの突出端にスプロケット1107が取り付けられている。カム軸1106は、スプロケット1107と図示しないクランク軸に設けられたスプロケットとに掛け渡されたカムチエーン1108を介してクランク軸によって回転駆動される。
一方、ブリーザ装置1110は、カム軸1106の一端にスプロケット1107よりサイドカバー1103側に位置して取り付けられた大径の回転円板1111と、サイドカバー1103の内面に取り付けられた吐出口部材1112とによって構成されている。サイドカバー1103の内面に配設されている吐出口部材1112は、タイミングギヤ室1104側とブリーザパイプ1105側とを区画形成する遮蔽板1113を備えている。遮蔽板1113の中央部には、タイミングギヤ室1104側とブリーザパイプ1105側を連通する吐出口1113aが形成される。また、吐出口部材1112は、吐出口1113aに回転円板1111側に向かって突出して設けられた円筒状の吐出口体1114を備えている。吐出口体1114の先端部には、回転円板1111の側面と対向するフランジ部1114aが形成されている。
このように構成されたブリーザ装置1110によると、回転円板1111がカム軸1106と共に回転しているエンジンの運転中において、クランク室に発生したブローバイガスがブリーザ装置1110に達する。そして、ブローバイガスはタイミングギヤ室1104から回転円板1111と吐出口体1114のフランジ部1114aとの間の間隙1115を通って吐出口1113a内を経てブリーザパイプ1105からエアクリーナに供給される。ここで、ブローバイガスに含まれるオイルミストは、間隙1115を通過する間にオイルミスト自体の粘性によって回転円板1111及びフランジ部1114aの側面に付着してブローバイガスから除去される。回転円板1111及びフランジ部1114aに付着したオイルミストは回転円板1111の回転によって作用する遠心力を受けて飛散する。この飛散したオイルミストはタイミングギヤ室1104の壁面1104aを伝わって滴下してクランク室に戻される。
また、特許文献2に示されるブリーザ装置を図14を参照して説明する。
シリンダヘッド1120内において、回転自在に支持されたカム軸1125の一端に形成されたフランジ1126にスプロケット1127が取付ボルト1128により固定される。また、タイミングギヤ室1122に隣接してシリンダヘッド1120に突設されたリング状フランジ1123によってブリーザ室1121が形成される。
このスプロケット1127に多数の孔1132aが穿孔された、いわゆる多孔板からなる円筒状のオイルセパレータ1132を取付ボルト1133により取り付ける。更に、オイルセパレータ1132内に先端が入り込むブリーザパイプ1129が取り付けられたブリーザキャップ1135をリング状フランジ1123の外端面1123aに図示しない取付ボルトによって取り付けてブリーザ装置1130を構成する。
このように構成されたブリーザ装置1130によると、オイルセパレータ1132がカム軸1125と共に回転しているエンジンの運転中において、クランク室に発生したブローバイガスが、タイミングギヤ室1122からブリーザ室1121を通ってブリーザパイプ1129から排出される。ここで、ブローバイガスに含まれるオイルミストは、オイルセパレータ1132に付着してブローバイガスから除去される。オイルセパレータ1132に付着したオイルミストはオイルセパレータ1132の回転によって作用する遠心力を受けて飛散し、タイミングギヤ室1122の壁面1122aを伝わってクランク室に回収される。
特公昭63−15450号公報 特開2006−37884号公報
上記特許文献1によると、クランク室に発生したブローバイガスが、タイミングギヤ室1104から回転円板1111と吐出口体1114のフランジ部1114aとの間隙1115を通ってブリーザパイプ1105からエアクリーナに導入される。その一方で、ブローバイガスに含まれるオイルミストは間隙1115を形成する回転円板1111及びフランジ部1114aの側面に付着し、ブローバイガスから除去される。
しかし、カム軸1106に取り付けられる回転円板1111が比較的大径でかつ吐出口部材1112が大きく、ブリーザ装置1110の占有スペースの増大を招くことになる。また、遮蔽板1113、吐出口部材1112及び回転円板1111を有するブリーザ装置1110は構成が複雑であり、かつ構成部品の増大に伴い製造コストの増大を誘発することが懸念される。
一方、特許文献2によると、クランク室に発生したブローバイガスが、タイミングギヤ室1122からブリーザ室1121を通ってブリーザパイプ1129から排出される。ブローバイガスに含まれるオイルミストは、オイルセパレータ1132に付着してブローバイガス中から除去される。
しかし、比較的大きく形状が複雑なシリンダヘッド1120に突設されたリング状フランジ1123によってブリーザ室1121を形成することから、シリンダヘッド1120の設計の自由度が制限される。更に、オイルセパレータ1132は多孔板によって円筒状に形成されることから、回転するオイルセパレータ1132に付着したオイルミストは、回転するオイルセパレータ1132の表面を移動して良好な遠心力の作用が得られない。そのため、孔1132aからブローバイガスと共にオイルミストがオイルセパレータ1132内に入り込んでブリーザパイプ1126からブローバイガスと共にオイルミストが排出されるおそれがある。また、オイルセパレータ1132の先端とブリーザキャップ1135との間からオイルセパレータ1132内に流入するブローバイガスの流速が大きく、ブローバイガスと共に多くのオイルミストが排出されることが懸念される。
従って、かかる点に鑑みなされた本発明の目的は、簡単な構造で生産性に優れると共に、ブローバイガスに含まれるオイルミストを確実に除去し得るエンジンのブリーザ装置を提供することにある。
上記目的を達成する請求項1に記載のエンジンのブリーザ装置の発明は、カム軸の一端部に取り付けるベース部と該ベース部からカム軸と離反する方向に突出して互いに離間する複数のフィンとを有するオイルセパレータと、タイミングギヤ室の側部に従動側回転体の側面と対向して開口するサイドカバー取付部に着脱可能に取り付けるカバー本体とカバー本体からタイミングギヤ室内に突出してカム軸の方向に開設する筒状部からなるブリーザハウジングとを有するサイドカバーと、カバー本体に配設してオイルセパレータ内部のブローバイガスを吸気系に還流させるブリーザパイプとを備え、ブリーザハウジングは、筒状部に開口部が複数形成されるとともに、オイルセパレータを回動可能に覆うことを特徴とする。
この発明によると、ブリーザハウジング内にフィンを有するオイルセパレータを取り付ける簡単な構成のブリーザ装置によって、ブローバイガスから効率的にオイルミストが除去される。よって、吸気系にオイルミストがブローバイガスと共に持ち出されることがなく、潤滑オイルの消費が抑制できると共に、エンジン性能の向上が確保できる。
また、カム軸にオイルセパレータを装着し、タイミングギヤ室の側部に取り付けカム軸を保持するサイドカバーにブリーザハウジングを形成することにより、コンパクトな生産性に優れたブリーザ装置を構成できる。さらに、サイドカバー及びカム軸に装着されるオイルセパレータの脱着によって、容易にブリーザ装置を脱着させることができ、その保守及び点検等のメンテナンス作業が円滑かつ容易に行うことができる。
請求項2に記載の発明は、エンジンのクランク軸の回転をカム軸に伝達する調時伝動機構を収容する収容室をエンジンの一側に設け、エンジンのクランク室から前記収容室に導入されたブローバイガス中のオイルミストを除去して吸気系に還流するエンジンのブリーザ装置において、前記カム軸の一端側から前記収容室内に突出し前記カム軸の軸線を中心に環状に間隔を置いて配設される複数のフィンからなる環状フィン列を備えるオイルセパレータと、前記収容室の一側に着脱可能に取り付けられるサイドカバーと、前記サイドカバーから前記収容室内に突出して前記オイルセパレータの少なくとも一部を収容する筒状のブリーザハウジングと、前記ブリーザハウジング内に連通するように前記サイドカバーに取り付けられ、前記オイルセパレータによりオイルミストを除去されたブローバイガスを前記吸気系に還流させるブリーザパイプとを備えることを特徴とする。
この発明によると、フィンを有するオイルセパレータを少なくとも一部をブリーザハウジング内に収容して取り付ける簡単な構成のブリーザ装置によって、ブローバイガスから効率的にオイルミストが除去される。よって、吸気系にオイルミストがブローバイガスと共に持ち出されることがなく、潤滑オイルの消費が抑制できると共に、エンジン性能の向上が確保できる。
請求項3に記載の発明は、請求項2のエンジンのブリーザ装置において、前記オイルセパレータは、前記環状フィン列を複数段備えることを特徴とする。また、請求項4の発明は、請求項3のエンジンのブリーザ装置において、前記ブリーザハウジングは前記複数段の環状フィン列の間に配置され、一部の環状フィン列を内側に収容するよう構成されていることを特徴とする。
オイルセパレータは環状フィン列を複数段有する構造であるため、単一の環状フィン列しか有さないオイルセパレータの場合と比較し、ブローバイガスの環状フィン列への衝突をさらに促進することができる。したがって、ブローバイガスからより効率的にオイルミストを除去することができ、気液分離効果を向上させることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項2〜4のいずれか1項のエンジンのブリーザ装置において、フィンは矩形板状に形成され、前記カム軸の回転方向で見て前記フィンの前端縁側が前記フィンの後端縁側に対して前記カム軸の軸線に接近するように傾斜が付されていることを特徴とする。
この発明によると、回転するオイルセパレータの各フィンが回転方向となる前端縁側に対し後端縁側が軸線から離れるように傾斜することにより、ブリーザハウジングの開口部からブローバイガスと共にブリーザハウジングの内側に流入したオイルミストがフィンの外面に接触して付着すると、このフィンの外面に付着したオイルミストにはオイルセパレータの回転による遠心力及び風圧が作用してフィンの外面を伝わって後端縁側に流動し、この後端部において油滴状になったオイルミストに大きな遠心力が作用して効率的に飛散してブローバイガスからオイルミストを分離させることができる。
請求項6に記載の発明は、請求項2〜5のいずれか1項のエンジンのブリーザ装置において、ブリーザパイプにおけるブローバイガスの導入口が前記カム軸の軸線上に開口することを特徴とする。
この発明によると、オイルセパレータの内側に流入したブローバイガスにはオイルセパレータの回転により旋回が付与され、このブローバイガスの旋回により相対的に比重の大きいオイルミストが外方側に移動し、比重の小さいブローバイガスがセパレータ内の中心部側に保持される。この中心部分のオイルミストの残存が極めて少ないブローバイガスがブリーザパイプの導入口からエンジンの吸気系に送出される。
請求項7に記載の発明は、請求項2〜6のいずれか1項のエンジンのブリーザ装置において、前記ブリーザハウジングは、前記ブリーザハウジングの先端側が開放され前記カム軸の軸線に沿って両側縁が延び、かつ該両側縁の端部が奥端縁によって連結された略U字状の開口部を複数備えることを特徴とする。
この発明によると、ブリーザハウジングの先端側から開口部を設けることにより、開口面積を比較的大きく設定することができるため、ブローバイガスのオイルセパレータへの流入速度が抑制される。
請求項8に記載の発明は、請求項7のエンジンのブリーザ装置において、フィンの上記カム軸の軸方向に形成される先端縁が、ブリーザハウジングの開口部に形成される奥端縁よりカバー本体側に位置することを特徴とする。
この発明によると、オイルセパレータに形成されたフィンの先端縁がブリーザハウジングに形成された開口部の奥端縁よりもサイドカバーのカバー本体側まで延在することにより、ブリーザハウジングの開口部からブリーザハウジング内に流入したブローバイガスがオイルセパレータのフィンの先端縁側を迂回して直接的にオイルセパレータの内側に流入することが抑制されて、オイルセパレータによるオイルミストの除去が効率的に行える。
請求項9に記載の発明は、請求項2〜8のいずれか1項のエンジンのブリーザ装置において、ブリーザハウジングの前記カム軸の軸方向先端が前記調時伝動機構の側面に当接することを特徴とする。
この発明によると、ブリーザハウジングの先端が調時伝動機構の側面に当接することから、カム軸の軸方向の移動が規制され、円滑なカム軸の回転が確保できる。
請求項10に記載の発明は、請求項2〜9のいずれか1項のエンジンのブリーザ装置において、前記オイルセパレータと前記調時伝動機構とを取付ボルトにより共締めして固設することを特徴とする。
この発明によると、単一の取付ボルトにより容易にカム軸に対する調時伝動機構及びオイルセパレータの組付け及び取り外しが可能になり、優れた組立作業性が確保できる。
請求項11に記載の発明は、エンジンのクランク軸の回転をカム軸に伝達する調時伝動機構を収容する収容室内へ流入したブローバイガス中のオイルミストを前記カム軸の一端部に取り付けたオイルセパレータにより除去して吸気系に還流するエンジンのブリーザ装置において、前記オイルセパレータは、前記カム軸の一端部から突出し、前記カム軸の軸線を中心に環状に間隔を置いて配設される複数のフィンをもつ環状フィン列を複数段備えて構成されることを特徴とする。
この発明によると、オイルセパレータは環状フィン列を複数段有する構造であるため、単一の環状フィン列しか有さないオイルセパレータの場合と比較し、ブローバイガスの環状フィン列への衝突をさらに促進することができる。したがって、ブローバイガスからより効率的にオイルミストを除去することができ、気液分離効果を向上させることができる。
請求項12に記載の発明は、請求項11のエンジンのブリーザ装置において、各環状フィン列のフィンの数は、内外で隣り合う環状フィン列間で互いに相違し、内側の環状フィン列のフィン間の間隙に、少なくとも外側の環状フィン列のフィンの一部が重なるように配置されていることを特徴とする。
この発明によると、環状フィン列が如何なる取付角度であっても、ブローバイガスが通過する内側環状フィン列の間隙を、外側環状フィン列のフィンの一部が重なる構成となるため、環状フィン列の取付角度における気液分離効果にばらつきがなくなり、効果の均一化を図ることができる。また、環状フィン列の取付角度に特別の注意を払うことなく任意に取り付けることができ、作業性が向上する。
請求項13に記載の発明は、請求項11又は12のエンジンのブリーザ装置において、前記カム軸の回転方向で見て前記フィンの前端縁側が前記フィンの後端縁側に対して前記カム軸の軸線に接近するように傾斜が付されていることを特徴とする。
この発明によると、フィンの外面にオイルミストが付着し易く、付着したオイルミストはオイルセパレータの回転による遠心力及び風圧によってフィンの外面を伝わって後方側へ流動し、フィンの後端部において油滴状になったオイルミストは大きな遠心力を受けて飛散するので、ブローバイガスからのオイルミストの分離効果が向上する。
請求項14に記載の発明は、請求項11〜13の何れかのエンジンのブリーザ装置において、前記収容室の一側に着脱可能に取り付けるカバー本体と、該カバー本体から前記収容室内に突出して前記カム軸に向かって開口する筒状のブリーザハウジングとから構成されるサイドカバーを備え、前記ブリーザハウジングは、その周囲に複数の開口部が形成されるとともに、前記オイルセパレータの内側環状フィン列と外側環状フィン列との間に所定の間隔をもって配置されることを特徴とする。
この発明によると、外側環状フィン列を通過したブローバイガスがブリーザハウジングの開口部を通って内側環状フィン列へ流れるとき、上記ブリーザハウジングがブローバイガスの流れに対して、いわゆるラビリンス効果をもたらすため、ブローバイガスが流下していく間の気液分離効果がさらに高められ、オイルミストをより効率的に分離することができる。
本発明によると、カム軸に取り付けたフィンを備えたオイルセパレータを回転する簡単な構成のブリーザ装置によって、ブローバイガスから効率的にオイルミストが除去され、吸気系にブローバイガスと共に持ち出されるオイルミストの量が僅少化され、潤滑オイルの逸失を抑制できると共に、エンジン性能を良好に維持することができる。
以下、本発明に係るエンジンのブリーザ装置の実施の形態を、図を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
図1〜図6は本発明の第1実施形態を示している。図1は本発明のブリーザ装置を有するエンジンを示す断面図であり、図2は図1のII部の拡大図、図3は図2のIII−III線断面図、図4は本第1実施形態によるブリーザ装置の主要部を示す分解斜視図、図5はオイルセパレータの斜視図、図6はブリーザハウジングを有するサイドカバーの斜視図である。
このエンジンEは、単気筒のOHC式4サイクルエンジンである。図1に示すように、エンジンEのエンジン本体10は、左右一対のケース半体11a、11bをボルトにより接合してなるクランクケース11と、クランクケース11にボルトにより接合されたシリンダブロック15と、シリンダブロック15の頂部にボルトにより接合されたシリンダヘッド20とを有している。
ケース半体11a、11bからなるクランクケース11は、軸線L1を中心に回転するクランク軸31を支承するクランク室13とクランク室13の下方の油溜室14とに仕切壁部12によって区画されている。
このクランク軸31のクランクピン31aにコンロッド32及びピストンピン33を介してピストン34が連接している。ピストン34は、シリンダブロック15に形成されたシリンダ16に図示しないピストンリングを介して摺動自在に嵌装される。また、クランク軸31にはスプロケット46が設けられている。更にシリンダブロック15にはシリンダ16に沿って下端がクランク室13に連通する連通路17が形成されている。
シリンダヘッド20には、燃焼室19と図示しない気化器及び排気マフラにそれぞれ連なる吸気ポート及び排気ポートが形成されると共に、これら吸気ポート及び排気ポートを開閉する吸気弁、排気弁が設けられる。また、シリンダヘッド20には、これら吸気弁及び排気弁を駆動するカム軸36、ロッカー軸37、排気用ロッカーアーム38a及び吸気用ロッカーアーム38b等の動弁機構35が配置される。このエンジンEは、ピストン34の往復動方向が天地方向に対し傾斜した、いわゆる傾斜式エンジンとなっている。
シリンダヘッド20は、図2及び図3に示されているように、シリンダヘッド本体21と、シリンダヘッド本体21に取付ボルトによって取り付けられるロッカーカバー26とサイドカバー28とから構成される。
シリンダヘッド本体21には、シリンダブロック15に形成された連通路17を介してクランク室13と連通するタイミングギヤ室22が形成されている。更に、シリンダヘッド本体21にカム軸36を嵌装支持するため、第1カム軸穴23a及び第1カム軸穴23aより小径である第2カム軸穴24aが形成されている。第1カム軸穴23aは、第1カム軸支承部23において、一端がタイミングギヤ室22に開放されて貫通形成されている。また、第2カム軸穴24aは、第2カム軸支承部24において底部24bによって一端が閉じた有底円筒状に穿設されている。
カム軸36は、第1カム軸穴23aに回転自在に嵌合する第1軸嵌合部36a、吸気用カム36b、排気用カム36c、第2カム軸穴24aに回転自在に嵌合する第2軸嵌合部36dが順に軸線L2に沿って配設されている。第1カム軸穴23aからタイミングギヤ室22に突出しているカム軸36の一方端に段部36eを介してスプロケット取付部36fが同軸上に突設されている。
カム軸36のこの一方端には、スプロケット取付部36fの端面からカム軸36の他方端へ向けて軸線L2上を延びる取付ネジ孔36gが穿設されている。また、カム軸36には、オイルポンプから供給される潤滑オイルを、第1軸嵌合部36a及び第2軸嵌合部36d等の摺動部へ直接的に或いは飛散させて供給するためのオイル孔36hが穿設されている。
第1カム軸支承部23及び第2カム軸支承部24にロッカー軸37の各端部37a、37bを支承する第1ロッカー軸支穴23d及び第2ロッカー軸支穴24dが形成されている。ロッカー軸37には排気用ロッカーアーム38aと吸気用ロッカーアーム38bが軸支されている。排気用ロッカーアーム38aの一方端は排気バルブの頭頂部と当接し、他方端は排気用カム36bに当接している。同様に、吸気用ロッカーアーム38bの一方端は吸気バルブの頭頂部と当接し他方端は吸気用カム36cに当接している。これにより、排気用ロッカーアーム38a及び吸気用ロッカーアーム38bはカム軸36の回転によって揺動し、この揺動によって排気バルブ及び吸気バルブを押動して排気ポート及び吸気ポートを開閉する。
ロッカーカバー26は、図1及び図2に示すようにシリンダヘッド本体21の上部に装着されてタイミングギヤ室22の上方を覆うと共にロッカー軸37の上方を覆い動弁室27を形成している。
タイミングギヤ室22が形成されているシリンダヘッド本体21の側部であって、カム軸36と直交する面に、タイミングギヤ室22の壁面22aに連続する内周面25a及び外端面25bを有する環状のサイドカバー取付部25が形成されている。
図1及び図2に示すように、タイミングギヤ室22内には、スプロケット41とブリーザ装置50が配設してある。
スプロケット41にはカム軸36のスプロケット取付部36fに嵌合する軸孔41aが穿設され、またスプロケット41はスプロケット取付部36fの長さより若干大きな厚さを有している。このように形成されたスプロケット41は、第1カム軸支承部23からタイミングギヤ室22内に突出するカム軸36の一方端に軸線L2と同軸的に取り付けられている。
ブリーザ装置50はオイルセパレータ51とブリーザハウジング55を有している。
オイルセパレータ51は、図4及び図5に示すように、中央部に取付孔52aが穿設された板状で外周に複数の直線状の周縁部52bを有する多角形、本実施の形態では五角形のベース部52を備えている。オイルセパレータ51には、ベース部52の各周縁部52bから軸線L2の延在方向に沿ってカム軸36から離れる方向に略直角に折曲形成された矩形平板状のフィン53が環状に一定間隔置きに形成され、環状フィン列が構成されている。これら各フィン53は、図3に示すようにカム軸36の回転方向Rとなる前端縁53a側が後端縁53b側に対して軸線L2に接近するように、即ち前端縁53aに対し後端縁53bが軸線L2から離れるように傾斜している。また、各隣接するフィン53の前端縁53aと後端縁53bの間に軸線L2方向に沿って延在する間隙部54が形成されている。
スプロケット41及びオイルセパレータ51とカム軸36との結合は、図2及び図4に示すように、まず、カム軸36のスプロケット取付部36fに軸孔41aを嵌合させてスプロケット41をカム軸36に装着する。そして、ボルト挿通孔42aが穿設されスプロケット41の軸孔41aより大径の円板状に形成されているスペーサ42を介在させて、オイルセパレータ51のベース部52をスプロケット41の側面41bに当接させて位置決めする。このように位置決めした状態で、取付ボルト45をオイルセパレータ51の取付孔52aから挿入し、スペーサ42のボルト挿通孔42aを貫通させ、カム軸36の取付ネジ孔36gに螺合する。これによってスプロケット41及びオイルセパレータ51が共にカム軸36に固設される。この構成により、スプロケット41及びオイルセパレータ51は、単一の取付ボルト45により容易にカム軸36への組付け及び取り外しが可能になり、優れた組立作業性が確保できる。
カム軸36に固設されたスプロケット41は、シリンダブロック15に形成された連通路17内を貫通するカムチエーン47によって、クランク軸31に設けられたスプロケット46と連動して回転駆動する。したがって、クランク軸31の回転によって、スプロケット46、カムチエーン47及びスプロケット41から構成される調時伝動機構を介してカム軸36及びオイルセパレータ51が回転駆動される。なお、連通路17およびそれに連続するタイミングギヤ室22は、調時伝動機構を収容する収容室を構成している。
サイドカバー28は、図2及び図6に示すように、外周内面29bがサイドカバー取付部25の外端面25bに接合してタイミングギヤ室22の側方を覆うカバー本体29を有し、取付ボルト59(図4)によってシリンダヘッド本体21に取り付けられる。
カバー本体29には、このカバー本体29の内面29aに基端55aが接続され、軸線L2に沿って突出する内周面55c及び外周面55dを備えた円筒状のブリーザハウジング55が突設されている。ブリーザハウジング55は、その内径がオイルセパレータ51より大径であり、外周面55dとサイドカバー取付部25の内周面25aとの間に間隙を有してオイルセパレータ51を回転可能に覆っている。このブリーザハウジング55の先端55bは、スプロケット41の側面41bと対向し、当接してカム軸36の軸方向の移動を規制して、カムシャフト36を予め設定された位置に保持する。
ブリーザハウジング55には、その周囲に先端55b側が開放されて軸線L2に沿って両側縁56aが延び、かつ両側縁56aの基端55a側の端部が奥端縁56bによって連結された略U字状の開口部56が複数形成されている。本実施の形態では、ブリーザハウジング55に4個の開口部56が等間隔で放射状に形成されている。各開口部56の奥端縁56bはオイルセパレータ51の各フィン53の先端縁53cよりもカム軸36側になるように設定されている。なお、サイドカバー28をシリンダヘッド本体21のサイドカバー取付部25に取り付けた状態で、ブリーザハウジング55に形成されたいずれか1つの開口部56が下方位置となることが好ましい。これらのU字状の開口部56は先端55b側から切削加工する機械加工等によって容易に形成できる。
更に、サイドカバー28のカバー本体29には軸線L2と同軸上にブリーザハウジング55内と外部とを連通するブリーザパイプ取付孔29cが穿設されている。このブリーザパイプ取付孔29cにブリーザパイプ58が貫通して装着されている。ブリーザパイプ58は、その導入口58aがカバー本体29の内面29aからブリーザハウジング55内に突出し、送出口58bが吸気系、例えばエアクリーナ60(図2)に連通している。
このように構成されたブリーザ装置50において、エンジンEの運転時にカム軸36の回転に伴ってブリーザハウジング55内でオイルセパレータ51が回転する。エンジン運転時に発生し、タイミングギヤ室22内へ流入するブローバイガスは、タイミングギヤ室22から開口部56を経てブリーザハウジング55内へ流入し、更に回転するオイルセパレータ51の隙間部54を通ってオイルセパレータ51の内側へ流入し、ブリーザパイプ58を通ってエアクリーナ60へ排出される。
ブローバイガスと共にブリーザハウジング55内に流入したオイルミストは、オイルミスト自体の粘性によってオイルセパレータ51のフィン53に付着し、ブローバイガスから除去される。そして、オイルミストが取り除かれたブローバイガスがエアクリーナ60に供給される。オイルセパレータ51の各フィン53に付着したオイルミストはオイルセパレータ51の回転による遠心力の作用を受けて放射状に飛散し、ブリーザハウジング55によって受け止められる。ブリーザハウジング55に受け止められたオイルミストは、ブリーザハウジング55の開口部56から流下してタイミングギヤ室22の壁面22a及び連通路17の壁面17aを伝わって滴下してクランク室13に戻される。ブリーザ装置50の作用詳細については更に後述する。
エンジンEの潤滑は、エンジンEの運転時に図示しないオイルポンプが駆動され、油溜室14内の潤滑オイルがクランク室13内の各潤滑部やシリンダヘッド20に配置された動弁機構35等の潤滑部に供給される。各潤滑部を潤滑した潤滑オイルはクランク室13内に回収される。例えば、動弁機構35等を潤滑した潤滑オイルはミスト状、即ちオイルミストとなりタイミングギヤ室22の壁面22a及び連通路17の壁面17aを伝わって滴下してクランク室13内に回収される。クランク室13に回収された潤滑オイルは、クランク室13の圧力変動に伴うクランク室13と油溜室14との差圧によって開閉する仕切壁部12に配置された図示しないバルブ孔から油溜室14に戻される。
次に、ブリーザ装置50の作用について説明する。エンジンEの運転時には、燃焼室19からシリンダブロック15のシリンダ16とピストン34及びピストンリングの隙間を通ってクランク室13にブローバイガスが漏入する。クランク室13内に漏入したブローバイガスは、クランク室13内の圧力変動によって、調時伝動機構の収容室すなわち連通路17及びタイミングギヤ室22を経て、ブリーザハウジング55の開口部56からブリーザハウジング55内に導入される。そして、ブリーザハウジング55に導入されたブローバイガスは、ブリーザパイプ58を通ってエアクリーナ60に供給される。
一方、クランク室13内には、回転するクランク軸31等からオイルミストが飛散し、また各潤滑部を潤滑するオイルミストや、各潤滑部を潤滑して回収されたオイルミストが飛散している。
動弁室27内においても回転するカム軸36等から潤滑オイルが飛散し、一部がオイルミストとなって浮遊する。動弁室27内で飛散した潤滑オイル及びオイルミストは動弁室27からタイミングギヤ室22へ流れ、タイミングギヤ室22の壁面22a及び連通路17の壁面17aを伝わり流下してクランク室13内に回収される。また、クランク軸31の回転に伴ってスプロケット46及びカム軸36に設けられたスプロケット41が回転すると、スプロケット41、46及びカムチエーン47に付着した潤滑オイルが連通路17やタイミングギヤ室22内に飛散する。
オイルミストが飛散しているクランク室13内や連通路17及びタイミングギヤ室22内を通るブローバイガスには多くのオイルミストが含まれることになる。このオイルミストを含むブローバイガスの流れを図2及び図3に実線Aで模式的に示す。
ブローバイガスは、ブリーザハウジング55内へ開口部56から流入すると、回転するオイルセパレータ51のフィン53に接触する。このとき、ブローバイガスに含まれたオイルミストは、そのオイルミスト自体の粘性によってフィン53に付着してブローバイガスから分離される。このオイルセパレータ51によってオイルミストが除去されたブローバイガスは、オイルセパレータ51の各間隙部54からオイルセパレータ51の内側に流入し、ブリーザパイプ58を介してエアクリーナ60に供給される。オイルミストが除去されたブローバイガスの流れを図2に破線Bで模式的に示す。
一方、オイルセパレータ51のフィン53に付着したオイルミストは、回転するオイルセパレータ51による遠心力の作用を受けて放射状に飛散される。飛散されたオイルミストは、ブリーザハウジング55の内周面55cによって受け止められ、ブリーザハウジング55に開口する開口部56からサイドカバー取付部25の内周面25aに滴下する。更に、オイルミストはタイミングギヤ室22の壁面22aを伝わって滴下し、シリンダブロック15に形成された連通路17の壁面17aを伝わってクランク室13内に回収される。このオイルミストの流れを図2及び図3に点Cで模式的に示す。
より具体的に説明すると、オイルセパレータ51の各フィン53が前端縁53a側に対し後端縁53b側が軸線L2から離れるように傾斜した構造を有している。オイルミストは、フィン53の外面53dに接触して付着すると、オイルセパレータ51の回転による遠心力及び風圧が作用してフィン53の後端縁53b側に外面53dを伝わって流動する。そして、後端縁53bにおいて、オイルミストは比較的大きな油滴状になる。この油滴状になったオイルミストには大きな遠心力が作用して、効率的に放射状に飛散してブローバイガスからオイルミストを分離させることができる。
オイルミストが除去されて、オイルセパレータ51の内側へ流入したブローバイガスにはオイルセパレータ51の回転により旋回が付与される。このブローバイガスの旋回により、比重の小さいブローバイガスはオイルセパレータ51内の中心部分、即ちオイルセパレータ51内部の軸線L2付近に保持される。一方、ブローバイガス内に残存するオイルミストは、比較的比重が大きいため、遠心力によって外方に流動してフィン53の内面53eに付着してブローバイガスから分離される。そして、オイルミストの残存が極めて少ない中心部分のブローバイガスが軸線L2と同軸上に導入口58aが開口するブリーザパイプ58からエアクリーナ60に送出される。
また、オイルセパレータ51に形成されたフィン53の先端縁53cが、ブリーザハウジング55に形成された開口部56の奥端縁56bよりもサイドカバー28のカバー本体29側まで延在している。これにより、ブリーザハウジング55内に流入したブローバイガスがオイルセパレータ51のフィン53の先端縁53c側を迂回して直接的にオイルセパレータ51の内側に流入することが抑制される。したがって、オイルセパレータ51によるオイルミストの除去が効率的に行える。
更に、ブリーザハウジング55の開口部56の開口面積及びオイルセパレータ51の間隙部54の開口面積を比較的大きく設定することができる。このとき、開口部56及び間隙部54を通過してオイルセパレータ51の内側に流入するブローバイガスは、流入口の面積拡大により、その流速の増大が抑制される。これにより、ブローバイガスと共にオイルセパレータ51の内側にオイルミストが流入することが抑制される。
本第1実施形態によると、ブリーザハウジング55内にフィン53を有するオイルセパレータ51を取り付ける簡単な構成のブリーザ装置50によって、ブローバイガスから効率的にオイルミストが除去される。よって、吸気系にオイルミストがブローバイガスと共に持ち出されることがなく、潤滑オイルの消費が抑制できると共に、エンジン性能が良好に維持される。
カム軸36にオイルセパレータ51を装着すると共に、サイドカバー28にブリーザハウジング55を設けることにより、コンパクトな生産性に優れたブリーザ装置50を構成できる。また、サイドカバー28及びカム軸36に装着されるオイルセパレータ51の脱着によって、ブリーザ装置50の脱着を容易に行うことができ、従ってブリーザ装置50の保守及び点検等のメンテナンス作業を円滑かつ容易に行うことができる。
また、ブリーザ装置50はカム軸36に装着されるオイルセパレータ51とサイドカバー28に装着されたブリーザハウジング55からなる簡単な構成である。したがって、ブリーザ装置を有しない既存のエンジンにも、カム軸にオイルセパレータを装着し、サイドカバーをブリーザハウジングを備えたものに代えるという極めて簡単な変更で、ブリーザ装置を設けることができる。
[第2の実施の形態]
図7〜図12は本発明の第2実施形態を示している。図7はブリーザ装置を有するエンジンを示す断面図であり、図8は図7中のVIII部の拡大図、図9は図8中のIX−IX線断面図、図10はシリンダヘッドの分解斜視図、図11はブリーザ装置とカム軸の関係を示す斜視図、図12は2重に設けられた内外の環状フィン列に設けてあるフィンの相互関係を示す図である。
第2実施形態において、第1実施形態で説明したエンジンと同様の構成、機能の部品、部材及び部分については、共通の符号を附し詳細な説明は省略する。
図7において、Eはエンジン、10はエンジン本体、13はクランク室、15はシリンダブロック、16はシリンダ、17はクランク室13とタイミングギヤ室22を連通する連通路、27は動弁室、31はクランク軸、31aはクランクピン、32はコンロッド、33はピストンピン、34はピストン、36はカム軸、37はロッカー軸、46はスプロケット、47はカムチエーンである。
図7及び図8に示すように、タイミングギヤ室22内には第2実施形態によるブリーザ装置150が配置されている。第2実施形態では、ブリーザ装置150は、第1実施形態で説明したカム軸より動弁構造が更に複雑化したカム軸、例えば4バルブのツインロッカーシャフト用のカム軸を採用したエンジンに対応したものとなっている。
動弁構造が複雑化したカム軸は、第1実施形態で説明したようなシリンダヘッドに穿設したカム軸穴に嵌装する方法では、シリンダヘッドに取り付けることが難しい。そこで、図10に示すように、シリンダヘッドをカム軸の軸線L2を通る面で上下に分割し、分割した箇所でカム軸を挟んでシリンダヘッドへ装着する手法が採られる。即ち、図10に示すように、シリンダヘッド120はシリンダヘッド本体121とロッカーカバー127とに分割され、両者の取付面においてカム軸穴が上半部及び下半部に分割される。よって、シリンダヘッド本体121とロッカーカバー127を各取付面で接合したときにカム軸36を回転可能に支持するカム軸穴が完成するようになされている。シリンダヘッド本体121とロッカーカバー127とは接続ボルト180(図8に示す)を用いて一体化されるようになされている。
シリンダヘッド120には、ロッカーカバー127に覆われて動弁室27が形成されている。この動弁室には、ロッカー軸37、排気用ロッカーアーム、吸気用ロッカーアーム等から成る動弁機構が配置されている。
シリンダヘッド本体121とロッカーカバー127を合体させたときに、第1実施形態と同様に、上記カム軸穴の側方に、スプロケット41及び上記ブリーザ装置150を収納するタイミングギヤ室22が形成される。スプロケット41とブリーザ装置150のオイルセパレータ151とは共にカム軸36の一端部に取り付けられて上記タイミングギヤ室22に保持されている。そして、第1実施形態と同様に、クランク軸31の回転により、スプロケット46、カムチエーン47、スプロケット41から構成される調時伝達機構を介してカム軸36およびオイルセパレータ151が回転駆動される。なお、調時伝達機構は、連通路17およびこれに連通するタイミングギヤ室22で構成される収容室内に配設されている。
また、第2実施形態は、第1実施形態と同様に、ブリーザ装置150を構成するブリーザハウジング155を保持し上記タイミングギヤ室22の側方を閉鎖するサイドカバー128をロッカーカバー127に取り付けることになる。このとき、シリンダヘッド120をカム軸36の軸線L2を通る面でシリンダヘッド本体121とロッカーカバー127とに上下に分割して構成したため、シリンダヘッド本体121とロッカーカバー127との合せ面を跨って上記サイドカバー128用の取付け面を有効に設けることは難しい。また、かかる取付面を設け得るとしても複雑で高価なものとなる。
このような問題を解消するために、エンジンEのロッカーカバー127は特別な構成を有している。即ち、図10に示すように、シリンダヘッド120のロッカーカバー127の一側に、スプロケット41と向かい合う位置にサイドカバー取付部127aが一体的に設けられている。
このサイドカバー取付部127aは、ロッカーカバー127から軸線L2に沿って突出した状態で円環状に形成されたサイドカバー取付用フランジ127bを有している。このサイドカバー取付用フランジ127bの中央部には、ブリーザハウジング155をタイミングギヤ室22内へ差込むためのブリーザハウジング差込孔127cが形成されている。シリンダヘッド120のロッカーカバー127がカム軸36を挟んでシリンダヘッド本体121へ取り付けられたときに、カム軸36の軸線L2がブリーザハウジング差込孔127cの中心を通るようになされている。
サイドカバー取付用フランジ127bは、その下半分がロッカーカバー127のシリンダヘッド本体121との取付面より下方へ突き出た形状となっている。このサイドカバー取付用フランジ127bにおける下方に突出した部分には、シリンダヘッド本体121に対向する半円状端面127dが設けてある。一方、シリンダヘッド本体121には、半円状端面127dの着座部としての半円状着座面121aが設けてある。この半円状着座面121aは、シール部材130を半円状着座面121aと半円状端面127dとの間に介装するため、上記半円状端面127dよりもシール材130間挿分だけ僅かに大径に形成されている。
ロッカーカバー127とシリンダヘッド本体121との間に介装されるシール材130は、全体が環状に連続する一体物であり、その一部は半円状着座面121aに沿う形状に形成されている。そして、ロッカーカバー127とシリンダヘッド本体121とが合体せしめられるとき、両者の取付面の間にシール材130が介装されるため(図9)、シリンダヘッド120の内部を外部に対して気密的に封鎖することができる。
上述のように設けたサイドカバー取付部127aに対するサイドカバー128の取付けについて説明する。まず、ブリーザハウジング155を上記ブリーザハウジング差込孔127cへ差し込む。その後、サイドカバー128のカバー本体129に設けたボルト挿通孔129dに取付ボルト159を挿通する。そして、これら取付ボルト159をサイドカバー取付用フランジ127bに形成されたボルト穴127eへそれぞれ螺合させ、締め込む。その際、サイドカバー取付用フランジ127bとサイドカバー128のカバー本体129との間にはシールリング170が介装され、サイドカバー取付用フランジ127bとカバー本体129の間を気密的に封鎖する。
次に、上述のようにカム軸36の軸線L2を通る面で上下に分割したシリンダヘッド120にサイドカバー128を容易に取り付け得るようにした第2実施形態によるブリーザ装置150について詳細に説明する。
このブリーザ装置150は、図7〜図12に示すように、オイルセパレータ151が、2つの径の異なる環状フィン列、即ち内側環状フィン列151Aと外側環状フィン列151Bとからなる二重構造を有している。
内側環状フィン列151Aおよび外側環状フィン列151Bは、第1実施形態におけるオイルセパレータ51と実質的に同様の構成を有している。内側環状フィン列151Aは、図11に示すように、中央部に取付孔152Aaが穿設された五角形の板状のベース部152Aを備えている。そして、ベース部152Aには、その周縁部152Abを基端として軸線L2(図7、図8)の延在方向に沿ってカム軸36から離れる方向に伸びる複数のフィン153Aが形成されている。フィン153Aは、矩形平板形状であり、環状に一定間隔置きに形成されている。これら各フィン153Aには、図9に示すように、カム軸36の回転方向Rにおいて、前方側である前端縁153Aa側が後方側である後端縁153Ab側に対して軸線L2に接近し、後端縁153Ab側が前端縁153Aa側に対して軸線L2から離れるように傾斜が付されている。また、隣り合う2つのフィン153Aの間には、軸線L2方向に沿って延在する間隙部154Aが形成されている。
一方、外側環状フィン列151Bも、内側環状フィン列151Aと同様に、中央部に取付孔152Baが穿設された六角形の板状のベース部152Bを備えている。そして、ベース部152Bには、その周縁部152Bbを基端として軸線L2(図7、図8)の延在方向に沿ってカム軸36から離れる方向に伸びる複数のフィン153Bが形成されている。フィン153Bは、矩形平板形状であり、環状に一定間隔置きに形成されている。これら各フィン153Bには、図9に示すように、カム軸36の回転方向Rにおいて、前方側である前端縁153Ba側が後方側である後端縁153Bb側に対して軸線L2に接近し、後端縁153Bb側が前端縁153Ba側に対して軸線L2から離れるように傾斜が付されている。また、隣り合う2つのフィン153Bの間に、軸線L2方向に沿って延在する間隙部154Bが形成されている。
上述のように構成された内側環状フィン列151A及び外側環状フィン列151Bは、図8に示すように、内側環状フィン列151Aのベース部152Aと外側環状フィン列151Bのベース部152Bとが互いに重ね合わされる。更に、それらに穿設された取付孔152Aa及び152Bb(図11)が整合された状態で、スプロケット41と共に取付ボルト45によってカム軸36の一端部に同軸的に装着される。
一方、図11に示すように、上記サイドカバー128のカバー本体129に設けられたブリーザハウジング155は円筒形状に形成されており、その周囲には周方向ヘ並ぶ5つの開口部156(図9参照)が設けてある。この開口部156はブリーザハウジング155の先端155b側が開放され、軸線L2に沿って両側縁156aが延び、かつ両端縁156aのカバー本体129側端部が奥端縁156bによって連結され、全体的に略U字状を成している。これらU字状の開口部156は、先端155b側から切削加工する機械加工等によって容易に形成できる。開口部156は、ブリーザハウジング155がタイミングギヤ室22に取り付けられた際、内側環状フィン列151Aの外面153Adと外側環状フィン列151Bの内面153Beに対面した状態になる。
図8に示すように、上記ブリーザハウジング155は、サイドカバー128が上記サイドカバー取付用フランジ127bへ取り付けられると、内側環状フィン列151Aと外側環状フィン列151Bとの間に、これら環状フィン列から所定の間隔を隔てて配置される。この状態において、各開口部156の奥端縁156bは、内側環状フィン列151Aの各フィン153Aの先端縁153Acよりもカム軸36側になるよう設定されていることが好ましい。また、ブリーザハウジング155に形成されたいずれか1つの開口部156が、エンジンEの下方に向けて開口する位置となることが好ましい。
サイドカバー128のカバー本体129には軸線L2と同軸上にブリーザパイプ取付孔129c(図11)が穿設されており、このブリーザパイプ取付孔129cにブリーザパイプ158が貫通して装着されている。ブリーザパイプ158は、その送出口158bがエンジンの吸気系、例えば図2に示すようなエアクリーナ60に連通している。
上述のように、オイルセパレータ151が取付ボルト45によってカム軸36の一端部に装着されると、内側環状フィン列151Aは、外側環状フィン列151Bに対し所定の間隔を置いて配列された状態になる。このとき、カム軸36の軸線L2から半径方向外方に見たときに、少なくとも内側環状フィン列151Aの間隙部154Aと外側環状フィン列151Bのフィン153Bの一部とが重なるような配置状態となっている。
図12は、間隙部154Aとフィン153Bとが重なるような配置状態が、内側環状フィン列151Aのフィン153Aの数と外側環状フィン列151Bのフィン153Bの数とを互いに異ならせることにより、容易にもたらされることを示している。この例示では、内側環状フィン列151Aのフィン153Aの数が5枚、外側環状フィン列151Bのフィン153Bの数が6枚となっている。
図12の(A)〜(F)は、内側環状フィン列151Aを基準にし、これに対し外側環状フィン列151Bを角度的に次々に変化させたときの6つの取付角度位置での相対的な関係を示している。すなわち、(A)は基準位置、(B)はこの基準位置から外側環状フィン列151Bを時計回りに約15°回転させたときの取付角度位置、以下同様に(C)は約20°、(D)は約30°、(E)は約45°、(F)は約55°回転させたときの取付角度位置となっており、いずれの取付角度位置においても、内側環状フィン列151Aの間隙部154Aと外側環状フィン列151Bのフィン153Bの一部とが重なる状態となる。
このようにフィンの数が異なる内側及び外側環状フィン列153A,151Bを上記カム軸36へ取り付ける場合には、相互の取付角度位置を何等考慮する必要はなく、単に両者を重ね合わせスプロケット41と共にカム軸36へネジ止めするだけで、上記のような重なる状態とすることができる。そのため、オイルセパレータの取付作業が極めて簡単になり、また、両オイルセパレータ間に位置決めの措置を施す必要がないので、それだけ構造が簡単になり、オイルセパレータ製作コストを抑えることができる。
次に、第2の実施形態によるブリーザ装置150の作用について説明する。
調時伝動機構を収容する収容室の一部をなすタイミングギヤ室22に流入したブローバイガスは、回転する外側環状フィン列151Bに接触する。このとき、ブローバイガスに含まれたオイルミストは、そのオイルミスト自体の粘性によってフィン153Bに付着してブローバイガスから分離される。外側環状フィン列151Bによってオイルミストの一部が除去されたブローバイガスは、ブリーザハウジング155の開口部156を抜けてブリーザハウジング155Bの内側に流入する。このとき、かかるブローバイガスは内側環状フィン列151Aに接触し、ブローバイガス中に残留しているオイルミストはフィン153Aに付着してブローバイガスから分離される。オイルミストを除去されたブローバイガスは内側環状フィン列151Aの内側に開口するブリーザパイプ158を介してエアクリーナ(図2の60)へ供給される。
外側環状フィン列151Bのフィン153Bに付着したオイルミストは、回転する外側環状フィン列151Bによる遠心力の作用を受けて飛散し、タイミングギヤ室22の壁面に付着し、同壁面22aを伝いクランク室13へ流下する。内側環状フィン列151Aによって飛散したオイルミストは、ブリーザハウジング155の内周面155cによって受け止められ、開口部156から流れ出す。そして、その一部は、外側環状フィン列151Bのフィン間の間隙部154Bを抜けてタイミングギヤ室22の壁面22aへ滴下し、一部は外側環状フィン列151Bのフィン153Bの内面153Beへ滴下する。フィン153Bの内面153Beに付着したオイルは、外側環状フィン列151Bの回転による遠心力及び風圧が作用して、同フィンの後端縁153Bbへ流し寄せられ、そこから間隙部154Bを通りタイミングギヤ室22の壁面22aへ向けて飛散し、壁面22aに付着する。壁面22aに付着した何れのオイルも壁面22aを伝いクランク室13へ流下する。
内側及び外側環状フィン列151A,151Bの各フィン153A,153Bが傾斜した構造を有していることによる作用及び効果は第1実施形態の場合と同様である。
オイルミストが除去され、内側環状フィン列151A内に流入したブローバイガスのうち比重の小さい、オイルミストの残存が極めて少ない中心部分のブローバイガスがブリーザパイプ158から送出されることについても第1実施形態の場合と同様である。
また、内側環状フィン列151Aに形成されたフィン153Aの先端縁153Aaがブリーザハウジング155に形成された開口部156の奥端縁156bよりもサイドカバー128側へ延出していることによる作用及び効果についても第1実施形態の場合と同様である。
第2実施形態によると、オイルセパレータは環状フィン列を複数段有する構造であるため、単一の環状フィン列のオイルセパレータの場合と比較して、ブローバイガスからより効率的にオイルミストを除去することができ、気液分離効果を向上させることができる。
また、特に内側及び外側の環状フィン列のフィンの数を変更した場合には、いかなる取付角度であっても、ブローバイガスが何れのフィンにも当らない状況が減少する。そのため、オイルセパレータの取付角度による気液分離効果にばらつきがなくなり、本発明の効果を均一化することができる。さらに、オイルセパレータをカム軸に取り付ける作業が、位置合わせ用の特別な措置をオイルセパレータに講ずることなく、簡単に行うことができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることなく発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、オイルセパレータのフィンの数や、ブリーザハウジングに設ける開口部の数を適宜変更することができる。また、ブリーザハウジングの開口部はU字形状であったが、これに限らず、円形状、長方形状であってもよい。
オイルセパレータは3つ以上の環状フィン列の多重段構造であってもよく、その場合、ブリーザハウジングを2つ以上用い、1つ又は2つ以上のオイルセパレータの外周側に1つのブリーザハウジングを配置するようにすることができる。
調時伝動機構として、カムチエーンに代えて歯付きベルト、即ちタイミングベルトをクランク軸及びカム軸のタイミングプーリに巻き掛け使用することができる。
本発明の第1実施形態によるブリーザ装置を有するエンジンを示す断面図である。 図1のII部拡大断面図である。 図2のIII−III線断面図である。 図1に示すブリーザ装置の要部を示す分解斜視図である。 図1に示すブリーザ装置のオイルセパレータを構成するインペラーの斜視図である。 図1に示すブリーザ装置のサイドカバーを示す斜視図である。 本発明の第2実施形態によるブリーザ装置を有するエンジンを示す断面図である。 図7のVIII部拡大断面図である。 図8のIX−IX線断面図である。 図7に示すブリーザ装置及びこれを備えるエンジンのシリンダヘッドの分解斜視図である。 図7に示すブリーザ装置の分解斜視図である。 2つの同軸的オイルセパレータを6つの異なる角度的関係位置(A)〜(F)で示す図である。 従来のブリーザ装置の断面図である。 従来の他のブリーザ装置の断面図である。
符号の説明
E エンジン
10 エンジン本体
13 クランク室
15 シリンダブロック
16 シリンダ
17 連通路
20,120 シリンダヘッド
22 タイミングギヤ室(収容室)
27 動弁室
28,128 サイドカバー
31 クランク軸
36 カム軸
41 スプロケット(調時伝動機構)
46 スプロケット(調時伝動機構)
50,150 ブリーザ装置
51,151 オイルセパレータ
151A 内側環状フィン列
151B 外側環状フィン列
52,152A,152B ベース部
53,153A,153B フィン
53a,153Aa,153Ba 前端縁
53b,153Ab,153Bb 後端縁
53c,153Ac,153Bc 先端縁
53d,153Ad,153Bd 外面
53e,153Ae,153Be 内面
54,154A,154B 間隙部
55,155 ブリーザハウジング
56,156 開口部
58,158 ブリーザパイプ
R カム軸の回転方向
L1、L2 軸線

Claims (14)

  1. 回転自在に支持するカム軸の一端部に固設されたカムスプロケットを収納するとともにクランク室に連通するタイミングギヤ室をシリンダヘッドに設け、前記クランク室内に軸支されたクランク軸に連動して前記カムスプロケットが回転し、エンジン内のブローバイガスからオイルミストを除去して吸気系に還流させるエンジンのブリーザ装置であって、
    前記カム軸の一端部に取り付けるベース部と該ベース部から前記カム軸と離反する方向に突出して互いに離間する複数のフィンとを有するオイルセパレータと、
    前記タイミングギヤ室の側部に上記カムスプロケットの側面と対向して開口するサイドカバー取付部に着脱可能に取り付けるカバー本体と前記カバー本体から前記タイミングギヤ室内に突出して前記カム軸の方向に開設する筒状部からなるブリーザハウジングとを有するサイドカバーと、
    前記カバー本体に配設して前記オイルセパレータ内部のブローバイガスを前記吸気系に還流させるブリーザパイプとを備え、
    前記ブリーザハウジングは、前記筒状部に開口部が複数形成されるとともに、前記オイルセパレータを回動可能に覆うことを特徴とするエンジンのブリーザ装置。
  2. エンジンのクランク軸の回転をカム軸に伝達する調時伝動機構を収容する収容室に流入したブローバイガス中のオイルミストを除去して吸気系に還流するエンジンのブリーザ装置において、
    前記カム軸の一端側から前記収容室内に突出し前記カム軸の軸線を中心に環状に間隔を置いて配設される複数のフィンからなる環状フィン列を備えるオイルセパレータと、
    前記収容室の一側に着脱可能に取り付けられるサイドカバーと、
    前記サイドカバーから前記収容室内に突出して前記オイルセパレータの少なくとも一部を収容する筒状のブリーザハウジングと、
    前記ブリーザハウジング内に連通するように前記サイドカバーに取り付けられ、前記オイルセパレータによりオイルミストを除去されたブローバイガスを前記吸気系に還流させるブリーザパイプとを備えることを特徴とするエンジンのブリーザ装置。
  3. 前記オイルセパレータは、前記環状フィン列を複数段備えることを特徴とする請求項2に記載のエンジンのブリーザ装置。
  4. 前記ブリーザハウジングは、前記複数段の環状フィン列の間に配置され、一部の環状フィン列を内側に収容するよう構成されていることを特徴とする請求項3に記載のエンジンのブリーザ装置。
  5. 前記フィンは、矩形板状に形成され、前記カム軸の回転方向で見て前記フィンの前端縁側が前記フィンの後端縁側に対して前記カム軸の軸線に接近するように傾斜が付されていることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載のエンジンのブリーザ装置。
  6. 前記ブリーザパイプにおけるブローバイガスの導入口が前記カム軸の軸線上に開口することを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載のエンジンのブリーザ装置。
  7. 前記ブリーザハウジングは、前記ブリーザハウジングの先端側が開放され前記カム軸の軸線に沿って両側縁が延び、かつ該両側縁の端部が奥端縁によって連結された略U字状の開口部を複数備えることを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載のエンジンのブリーザ装置。
  8. 前記フィンの前記カム軸の軸方向に形成される先端縁が、前記ブリーザハウジングの前記開口部に形成される前記奥端縁より前記カバー本体側に位置することを特徴とする請求項7に記載のエンジンのブリーザ装置。
  9. 前記ブリーザハウジングの前記カム軸の軸方向先端が前記調時伝動機構の側面に当接することを特徴とする請求項2〜8のいずれか1項に記載のエンジンのブリーザ装置。
  10. 前記収容室内に突出する前記カム軸の一端部に、前記オイルセパレータと前記調時伝動機構とを取付ボルトにより共締めして固設することを特徴とする請求項2〜9のいずれか1項に記載のエンジンのブリーザ装置。
  11. エンジンのクランク軸の回転をカム軸に伝達する調時伝動機構を収容する収容室内へ流入したブローバイガス中のオイルミストを前記カム軸の一端部に取り付けたオイルセパレータにより除去して吸気系に還流するエンジンのブリーザ装置において、
    前記オイルセパレータは、前記カム軸の一端部から突出し、前記カム軸の軸線を中心に環状に間隔を置いて配設される複数のフィンをもつ環状フィン列を複数段備えて構成されることを特徴とするエンジンのブリーザ装置。
  12. 前記各環状フィン列のフィンの数は、内外で隣り合う環状フィン列間で互いに相違し、内側の環状フィン列のフィン間の間隙に、少なくとも外側の環状フィン列のフィンの一部が重なるように配置されていることを特徴とする請求項11に記載のエンジンのブリーザ装置。
  13. 前記フィンは、前記カム軸の回転方向で見て前記フィンの前端縁側が前記フィンの後端縁側に対して前記カム軸の軸線に接近するように傾斜が付されていることを特徴とする請求項11又は12に記載のエンジンのブリーザ装置。
  14. 前記収容室の一側に着脱可能に取り付けるカバー本体と、該カバー本体から前記収容室内に突出して前記カム軸に向かって開口する筒状のブリーザハウジングとから構成されるサイドカバーを備え、
    前記ブリーザハウジングは、その周囲に複数の開口部が形成されるとともに、前記オイルセパレータの内側環状フィン列と外側環状フィン列との間に所定の間隔をもって配置されることを特徴とする請求項11〜13のいずれか1項に記載のエンジンのブリーザ装置。
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