JP2012127303A - エンジンのブリーザ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構造であって重量が軽く、且つブローバイガスを効率良く回収し、気液分離性能を向上させることができるエンジンのブリーザ装置を提供する。
【解決手段】エンジンケース内のブローバイガスを気液分離する回転式の気液分離器48と、気液分離後のブローバイガスが集められる集気室47とを有する。気液分離器48は板状部材をカップ形状に形成してなり、そのカップ形状の開口側を集気室47の開口端に対向するように配置する。集気室47の開口端は、カップ形状の開口よりも内方に配置される。
【選択図】図7

Description

本発明は、自動車もしくは自動二輪車等のエンジンに効果的に適用可能なブリーザ装置に関する。
従来、エンジンの燃焼室からクランク室又はシリンダヘッドの動弁室に吹き抜けたブローバイガスを吸気系へ還流させるためのブリーザ構造として、特許文献1のようにカムシャフトの端部にディスク状部材で形成された2つの気液分離室を設ける。そして、カムシャフトが回転すると、この気液分離室内で気液分離が成され、気体のみが吸気系へ還流されるように構成されたブローバイガスのオイル分離器が知られている。
特開平7−150924号公報
しかしながら、上記のブリーザ構造では、気液分離を行うために複数のディスクを結合して分離室を形成する必要があり、回転軸まわりの質量増加のため、その回転に要する駆動力の増加が問題となっていた。
本発明は上記の問題に鑑みて成されたものであり、簡易な構造であって重量が軽く、且つブローバイガスを効率良く回収し、気液分離性能を向上させることができるエンジンのブリーザ装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために本発明のエンジンのブリーザ装置は、エンジンケース内のブローバイガスを気液分離する回転式の気液分離器と、気液分離後のブローバイガスが集められる集気室とを有し、前記気液分離器は板状部材をカップ形状に形成してなり、そのカップ形状の開口側を前記集気室の開口端に対向するように配置したことを特徴とする。
また、本発明のエンジンのブリーザ装置において、前記集気室の開口端は、前記カップ形状の開口よりも内方に配置されたことを特徴とする。
また、本発明のエンジンのブリーザ装置において、前記気液分離器は、エンジン動力によって回転駆動されるギア部材を更に含み、前記カップ形状の外周端部が、前記ギア部材の凹部に嵌合するように構成されたことを特徴とする。
また、本発明のエンジンのブリーザ装置において、前記気液分離器はエンジンのクラッチ室内に配置され、エンジン側面視において前記気液分離器よりも下方に他の回転部材を備えたことを特徴とする。
また、本発明のエンジンのブリーザ装置において、前記気液分離器のカップ形状の内側面に、前記集気室の開口径方向に向けて溝部が形成されたことを特徴とする。
上記のように構成すれば、従来の構造と比較して簡易な構造であって且つ、カップ形状の開口側からブローバイガスを吸入できるため、ブローバイガスの回収効率を向上させることができる。
本発明の実施形態に係るエンジンのブリーザ装置を有する自動二輪車の左側面図である。 本発明の実施形態におけるエンジンの全体構成を示す側面図である。 本発明の実施形態におけるエンジンのクランクケースまわりの構成例を示す分解斜視図である。 本発明の実施形態におけるエンジンの全体構成を示す側面図である。 本発明に係るブリーザ装置が適用されたエンジンの右側面図である。 本発明の実施形態におけるエンジンの後面図である。 図5のI−I線に沿う断面図である。 本発明のブリーザ装置におけるブリーザギアの正面図及び断面図である。 本発明のブリーザ装置におけるブリーザカバーの正面図及び断面図である。
以下、図面に基づき、本発明におけるエンジンのブリーザ装置の好適な実施の形態を説明する。
図1は、本実施形態に係るエンジンのブリーザ装置を有する自動二輪車の左側面図である。先ず、図1を用いて自動二輪車100の全体構成について説明する。なお、以下の説明において図1を含めた各図で、必要に応じて車両の前方を矢印Frにより、車両の後方を矢印Rrによりそれぞれ示し、また、車両の側方右側を矢印Rにより、車両の側方左側を矢印Lによりそれぞれ示す。
図1の自動二輪車100は、典型的には所謂オフロード用であってよく、その車体前方上部にはステアリングヘッドパイプ101が配置されており、該ステアリングヘッドパイプ101内には不図示のステアリング軸が回動可能に挿通している。そして、このステアリング軸の上端にはハンドル102が結着されており、同ステアリング軸の下端にはフロントフォーク103が取り付けられ、該フロントフォーク103の下端には操向輪である前輪104が回転可能に軸支されている。
また、ステアリングヘッドパイプ101からは左右一対のメインフレーム105が、車体後方に向かって斜め下方に傾斜して延出すると共に、ダウンチューブ106が略垂直下方に延びている。そして、ダウンチューブ106は下部付近でロアフレーム106Aとして左右に分岐し、これら一対のロアフレーム106Aは下方に延びた後に、車体後方に向かって略直角に曲げられ、その後端部は左右一対のボディフレーム107を介してメインフレーム105の各後端部に連結されている。
左右一対のメインフレーム105とダウンチューブ106及びロアフレーム106Aとボディフレーム107とによって囲まれる空間には、駆動源である水冷式のエンジン10が搭載されている。エンジン10の上方には燃料タンク108が配され、その燃料供給口はキャップ109によって栓止されている。燃料タンク108の後方にはシート110が配されている。また、エンジン10の前方にはラジエータ111が配置されている。
車体の前後方向略中央の下部に設けられた左右一対のボディフレーム107には、リヤスイングアーム112の前端部がピボット軸113によって上下に揺動可能に支持されている。リヤスイングアーム112の後端部には駆動輪である後輪114が回転可能に軸支されている。リヤアーム112は、リンク機構115とこれに連結されたショックアブソーバ116(後輪懸架装置)を介して車体に懸架されている。
なお、燃料タンク108内には燃料ポンプユニットが配置され、この燃料ポンプユニットによってエンジン10に燃料を供給する。一方、ショックアブソーバ116の後側にはエアクリーナボックス117が配置され、エアクリーナボックス117とエンジン10の間が吸気通路を介して連結される。なお、図1においては図示を省略するが、吸気通路はエンジン10のシリンダヘッドに設けられたインテークポートに接続され、その途中で吸気通路の一部としてスロットルボディが配置される。このスロットルボディには燃料インジェクタが配設されており、この燃料インジェクタに対して燃料ポンプユニットから所定圧力の燃料が供給されるようになっている。
次に、エンジン10の構成について説明する。この例ではエンジン10は4サイクル単筒エンジンとする。図2は、本実施形態におけるエンジン10の全体構成を示している。エンジン10において、クランクシャフト12を回転可能に収容支持するクランクケース11と、ピストンを上下動可能に収容するシリンダ13と、動弁装置を収容するシリンダヘッド14と、シリンダヘッド14に蓋着するシリンダヘッドカバー15とが略上下方向に連接され、即ちシリンダブロックのシリンダ軸線がクランクシャフト12の軸線に対して実質的に鉛直方向に設定される。
更に、図2〜図4を参照して説明する。本実施形態においてクランクケース11は図3に示すように、割り面Pに沿って左右2つ割りに構成されている。クランクケース11内のクランク室のケース隔壁を隔てて後側には、ミッション室(もしくはケース)16が、その右側にクラッチ室17が、また左側にはマグネト室18がそれぞれ隣接配置される。ミッション室16にはクランクシャフト12の回転出力を減速して後輪114へと伝達するための複数のミッションギヤが列設されている。クラッチ室17にはクラッチ装置19(図6)が配置され、ハンドル102のクラッチレバー操作によりクランクシャフト12及びミッションギヤ間の動力伝達を接続/遮断制御するようになっている。マグネト室18には、ステータコイル及びマグネトロータを含むジェネレータが配置される。
更に、クランクケース11は、割り面Pに沿って右側クランクケース11aと左側クランクケース11bとの2つ割りで構成されている。クランクケース11内のクランク室20には、図3に示すクランクシャフト12及びクランクシャフト12と一体化して回転する左右一対のクランクウェブ21が回転自在に軸支されている。クランクウェブ21相互間には、クランクピンを介してコネクティングロッドが連結される。コネクティングロッドの先端(小端部)には図示しないピストンピンを介して、ピストンが揺動自在に取り付けられ、シリンダ内を上下に往復運動する。
また、右側クランクケース11aの右側には、クラッチカバー22を被着することでクラッチ室17が隣接して配置される。また、左側クランクケース11bの左側には、マグネトカバー23を被着することでマグネト室18が隣接して配置される。マグネト室18には図示しないジェネレータが配置される。
次に、エンジン10の吸排気系について説明する。まず、吸気側において、上述のようにエアクリーナボックス117とエンジン10のシリンダヘッド14の間に吸気通路が配置構成される。この吸気通路はエンジン10のシリンダヘッド14に設けられたインテークポート24(図2参照)に接続され、その途中に吸気通路の一部としてスロットルボディが配置される。このスロットルボディには燃料インジェクタが配設されており、この燃料インジェクタに対して燃料タンク108から所定圧力の燃料が供給されるようになっている。
また、吸排気系の排気側において、シリンダヘッド14に配設されたエキゾーストポート25(図2参照)にはエキゾーストパイプが接続され、エンジン10で生成された燃焼後の排気ガスがエキゾーストパイプを通って排気される。エキゾーストパイプは更に排気管としてエンジン10の後方へ延出してマフラ118に結合される。排気は最終的にマフラ118から排出される。
次に、エンジン10の冷却系について説明する。エンジン10の前方には、ラジエータ111が搭載されている。ラジエータ111によって冷却された冷却水は、図示を省略するが、ホースを通ってウォータポンプ26(図4参照)へと導かれる。ウォータポンプ26は、その冷却水をホースを介して、エンジン10のシリンダブロック等に形成されたウォータジャケットへと給送する。これによりエンジン10の冷却が行われる。
エンジン10の動弁系において、本実施形態のエンジン10は所謂DOHC型である。シリンダヘッド14には、吸気側及び排気側それぞれにカムシャフト27,28を有する(図2に示す破線を参照)。エンジン10の左側部位にてカムチェーン29が実質的に鉛直方向に装架され(図2に示す破線を参照)、このカムチェーン29を介してクランクシャフト12とカムシャフト27,28が連結される。
次に、エンジン10の潤滑系について説明する。図3に示されるようにマグネト室18の下部付近にスカベンジポンプ30(オイルポンプ)が配置され、該マグネト室18内に溜まったエンジンオイルを吸引口31から吸引する。スカベンジポンプ30は、マグネト室18から吸い上げたエンジンオイルを図示しない連通路を経由してミッション室16に供給する。ミッション室16にはスカベンジポンプ30と同心で、且つ同期回転する回転軸を有する図示しないフィードポンプ(オイルポンプ)が配置されている。図5を参照してフィードポンプ32は、その右側部位がクラッチ室17の下部付近に露呈するように配置され、図示しないオイル通路を介して動弁室、シリンダ13及びクランクケース11等、エンジン10の各部にエンジンオイルを供給するようになっている。
動弁室に供給されたエンジンオイルは、カムシャフト27,28を潤滑した後、主にマグネト室18の底部に落下して回収される。また、シリンダ13及びクランクケース11に供給されたエンジンオイルは、ピストンやクランクシャフト12等を潤滑した後、主にクランク室20の底部に流れ込む。クランク室20の底部に流れ込んだエンジンオイルはオイル貯留室、リードバルブ及びオイル通路を経由して、オイル貯留室に隣接するマグネト室18に移送される。マグネト室18に移送されたエンジンオイルは、再び上述したようにスカベンジポンプ30にて吸い上げられ、ミッション室16に供給される循環を繰り返す。
ここで、エンジン駆動力の伝達について説明する。図5は、本発明に係るブリーザ装置が適用されたエンジンの右側面図であって、クラッチ装置19及びクラッチカバー22を取り外し、クラッチ室を示した図である。本発明に係るエンジン10は、クランクケース11の前部に配置されたクランクシャフト12と、このクランクシャフト12の後方に配置されたカウンタシャフト33とを備える。クランクシャフト12は、その一端がクラッチ室17内に突出して設けられており、この端部にプライマリドライブギア34が装着される。またカウンタシャフト33は、クランクケース11後部に収容された変速装置(トランスミッション)の一部を構成しており、クラッチ室17側に突出した端部にクラッチアセンブリ、即ちクラッチ装置19が備えられる。
クラッチ装置19は、ハウジング35と、プレッシャプレート36と、プレッシャプレート36との間に収容された複数のクラッチ板37とで構成される。また、クラッチ装置19の左方には、リングギア38とキックドリブンギア39とがカウンタシャフト33上に順に配設される。これらのリングギア38及びキックドリブンギア39は、カウンタシャフト33と相対回転可能に装着される。
クランクシャフト12は、エンジン10が始動すると回転を始め、その端部に装着されたプライマリドライブギア34も一体に回転する。プライマリドライブギア34は、カウンタシャフト33に装着されたリングギア38と歯合しており、クランクシャフト12の駆動力がクラッチ装置19に伝達されるように構成される。クラッチ装置19は上述したように、複数のクラッチ板37を備えた多板式のクラッチであり、運転者の操作により、互いのクラッチ板37の圧接又は離間を選択的に決定できるように構成されており、クラッチ板37が圧接したときにクランクシャフト12の駆動力がカウンタシャフト33へ伝達されるようになっている。
次に、キック始動による動力の伝達について説明する。本発明に係るエンジン10は、これに備えたキックレバーを蹴り下ろすことによって、クランクシャフト12を回転させる所謂、キック式の始動装置が備えている。このキック式始動装置は、カウンタシャフト12上に配置されたキックドリブンギア39と、このキックドリブンギア39の後方に配置されたキックアイドルギア40と、キックアイドルギア40の上方に配置されたキックドライブギア41と、キックドライブギア41の回転軸と連結され、エンジン10の右方に延設されたキックレバー42とで構成される。
なお、キックドライブギア41は、半割り部分がそれぞれ右側クランクケース11a及びクラッチカバー22と一体的に形成されてなるギアケース43内に収容される。また、キックレバー42の支軸44のまわりにはキックレバー42のリターンスプリング45が装着されており、このリターンスプリング45によりキック後のキックレバー42を原位置に復帰させる。
キックアイドルギア40は、キックドライブギア41とキックドリブンギア39とにそれぞれ歯合している。キック式にエンジン10を始動させる際、運転者がキックレバー42を蹴り下ろすと、先ずキックドライブギア41が回転し、その後キックアイドルギア40、キックドリブンギア39、プライマリドライブギア34の順に駆動力が伝達され、クランクシャフト12が回転することになる。
さて次に、本発明のブリーザ装置について説明する。図5においてカウンタシャフト33の略後斜め上方に本発明のブリーザ装置46が配置される。図7は、ブリーザ装置46の断面構成を示している。ブリーザ装置46は、クラッチ室17の後側上部であって、クランクケース11に形成された集気室47と、この集気室47の開口部47aと対向する位置に配置された気液分離器48とで構成される。集気室47は、エンジンケースの一部を構成するクランクケース11の側壁に形成された凹没部49と、この凹没部49に固定された中空管形状のブリーザシャフト50とで構成される。また、気液分離器48は、ブリーザシャフト50に回転可能に装着されたブリーザギア51と、ブリーザギア51の片面側に嵌合したブリーザカバー52とで構成される。
詳述すれば、集気室47はクランクケース11の側壁を凹没して形成され、この集気室47にブリーザホース53の一端が接続される。ブリーザホース53の他端は、吸気系(例えばエアクリーナ)に接続されており、クラッチ室17内のブローバイガスを吸気側へ還流するように構成される。
ブリーザシャフト50は、金属又は樹脂材料等により中空管形状に形成され、その管の一端を集気室47に差し込まれて固着される。また、ブリーザシャフト50の他端には、ブリーザギア51がベアリング54を介して回転可能に装着される。図8はブリーザギア51単体の構成例を示すが、図5のように側面視においてその後方に配置されたキックドライブギア41と歯合する。そして、エンジンが始動し上述のキックドリブンギア39が回転を始めると、キックアイドルギア40、キックドライブギア41、ブリーザギア51の順に駆動力が伝達され、回転駆動されることになる。また、ブリーザギア51は図8のように、一側面に円形の内径Dの凹部55が設けられ、この凹部55をブリーザシャフト50とは反対側へ向けて配置される。凹部55の底面対応部位には、円周方向に沿って複数の開孔56が形成される。
ブリーザカバー52は図9に示されるように、板状部材を円形のカップ形状もしくは皿状に形成し、そのカップ形状の開口側をブリーザシャフト50側へ指向させて、ブリーザギア51の凹部55を閉塞するように嵌合される。また、この嵌合状態においてブリーザカバー52は、ブリーザシャフト50の開口端、即ち開口部47aと隙間gを開けて配置される。隙間gは、ブリーザシャフト50の開口端が、ブリーザギア51の凹部55からブリーザカバー52側へ突出するように設けられ、ブリーザカバー52とブリーザシャフト50との間に僅かに隙間を形成したものである。より好ましくは、ブリーザシャフト50の開口端が、ブリーザカバー52のカップ形状の内空間の内側まで突出する程度近接すれば、後述する気液分離後の気体を効率良く回収することが可能となり好ましい。
また、ブリーザカバー52のカップ形状の底部は実質的に平坦に形成されるが、カップ形状の内周側面は凹凸状に形成され、即ちブリーザシャフト50の径方向に沿って複数の溝部57が形成される。これらの溝部57は、ブリーザカバー52の開孔56と対応配置される。
上記の場合、ブリーザギア51はサークリップ58により位置決め固定され、また、ブリーザカバー52はサークリップ59により位置決め固定される。
上記構成において、この種のエンジン10では幾分のブローバイガスが発生し、ブローバイガスの具体的な侵入経路として先ず、エンジン10が始動するとシリンダ13の燃焼室から、ピストンとの間を通過してクランクケース11へ浸入する。次に、リード弁を通過してクランクケース11左側のマグネト室18へ至り、次いでマグネト室18からスカベンジポンプ30を介してミッション室16へ浸入する。更に、ミッション室16から連通孔58(図5参照)を通ってクラッチ室17へ侵入する。
本発明のエンジン10において、ブローバイガスが浸入するクラッチ室17にはブリーザ装置46が配置されている。図7に示されるようにクラッチ室17内に溜まるオイル(もしくはオイルミスト)とブローバイガスとの混成物(矢印X)は、集気室47内に引き込まれる際に、ブリーザカバー52の主に溝部57の凹凸状の作用によって有効に捕獲されるため効率良く遠心分離される。このように分離されたうちオイル分(矢印Y)はブリーザギア51を伝って、最終的に下方へ滴下され、一方、分離後のブローバイガスは集気室47へ引き込まれ(矢印Z)。また、上記のようにブリーザカバー52とブリーザシャフト50との隙間gを狭く設定することで、ブローバイガスを確実にブリーザカバー52の溝部57に接触させることで、気液分離の性能を向上させることができる。
更に、本発明の特徴的な作用効果について説明すると先ず、気液分離器48と気液分離後のブローバイガスが集められる集気室47とを有し、この場合、気液分離器48は板状部材をカップ形状に形成してなり、そのカップ形状の開口側を集気室47の開口端47aに対向するよう配置する。
これにより、従来の構造と比較して簡易な構造であって且つ、カップ形状の開口側からブローバイガスを吸入できるため、ブローバイガスの回収効率を大幅に向上させることができる。
また、集気室47の開口端47aは、カップ形状の開口よりも内方に配置される。
これにより、気液分離器48と開口端47aとを近接して設けることができるため、ブローバイガスを確実に気液分離器48と接触させることができ、性能向上を図ることができる。また、気液分離後の気体が再度エンジンケース内に戻ることを抑制できるため、効率良く気体を回収することができる。
また、気液分離器48は、エンジン動力によって回転駆動されるギア部材であるブリーザギア51を更に含み、カップ形状の外周端部が、ブリーザギア51の凹部55に嵌合するように構成される。
これにより、気液分離器48は、エンジンの作動中、遠心力によって変形を起こす。この変形は、エンジン始動初期状態であれば、エンジン10の停止と共に元来の形状に戻るが、エンジン10の使用を繰り返すことにより形状が崩れ、元来の性能を損なうことがある。そこで、上記構造のように構成すれば、部材が遠心力によって変形することを防止できる。また、部材をより軟らかい材質、例えば樹脂等によって形成することで軽量化を図ることもできる。
また、気液分離器48はエンジン10のクラッチ室17内に配置され、エンジン側面視において気液分離器48よりも下方に他の回転部材、例えばキックドリブンギア39やキックアイドルギア40等を備える。
これにより、気液分離器48よりも下方に回転軸を備えることにより、気液分離器48によって分離されたエンジンオイルが、その回転軸の摺動部又は回転軸に備えられた歯車等に滴下され、有効に潤滑がなされる。
以上、本発明を種々の実施形態と共に説明したが、本発明はこれらの実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で変更等が可能である。
ブリーザギア51をキックドライブギア41に噛合させる例を説明したが、機能的にはキックドリブンギア39に噛合させることも可能である。
また、ブリーザギア51の位置決め(スラスト押え)は、プライマリドリブンギアアセンブリにスラスト押え構造を付加することでも実現可能であり、あるいは単独でブリーザギア51の押え部材をクランクケースに設けてもよい。
10 エンジン、11 クランクケース、11a 右側クランクケース、11b 左側クランクケース、12 クランクシャフト、13 シリンダ、14 シリンダヘッド、16 ミッション室、17 クラッチ室、18 マグネト室、19 クラッチ装置、20 クランク室、21 クランクウェブ、22 クラッチカバー、23 マグネトカバー、24 インテークポート、25 エキゾーストポート、26 ウォータポンプ、27,28 カムシャフト、29 カムチェーン、30 スカベンジポンプ、31 吸引口、32 フィードポンプ、33 カウンタシャフト、34 プライマリドライブギア、35 ハウジング、36 プレッシャプレート、37 クラッチ板、38 リングギア、39 キックドリブンギア、40 キックアイドルギア、41 キックドライブギア、42 キックレバー、44 支軸、45 リターンスプリング、46 ブリーザ装置、47 集気室、48 気液分離器、50 ブリーザシャフト、51 ブリーザギア、52 ブリーザカバー、53 ブリーザホース、53 ブリーザホース、54 ベアリング、55 凹部、56 開孔、57 溝部、100 自動二輪車。

Claims (5)

  1. エンジンケース内のブローバイガスを気液分離する回転式の気液分離器と、気液分離後のブローバイガスが集められる集気室とを有し、
    前記気液分離器は板状部材をカップ形状に形成してなり、そのカップ形状の開口側を前記集気室の開口端に対向するように配置したことを特徴とするエンジンのブリーザ装置。
  2. 前記集気室の開口端は、前記カップ形状の開口よりも内方に配置されたことを特徴とする請求項1記載のエンジンのブリーザ装置。
  3. 前記気液分離器は、エンジン動力によって回転駆動されるギア部材を更に含み、前記カップ形状の外周端部が、前記ギア部材の凹部に嵌合するように構成されたことを特徴とする請求項1記載のエンジンのブリーザ装置。
  4. 前記気液分離器はエンジンのクラッチ室内に配置され、エンジン側面視において前記気液分離器よりも下方に他の回転部材を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載のエンジンのブリーザ装置。
  5. 前記気液分離器のカップ形状の内側面に、前記集気室の開口径方向に向けて溝部が形成されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のエンジンのブリーザ装置。
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