JP2009029509A - 衛生薄葉紙収納箱及び衛生薄葉紙製品 - Google Patents
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Abstract
【課題】上面取り出し口の意匠性を向上させる。
【解決手段】
前記環状ミシン目に沿ってミシン目に囲まれる範囲を引き剥がすことにより、取り出し口が形成されるとともに、前記樹脂製フィルム及びそれに形成されたスリットが取り出し口から露出されるティッシュカートンにおいて、前記樹脂製フィルムを、有色不透明であるか又は有色不透明の地に模様が付されているものとすることにより解決される。
【選択図】図2
【解決手段】
前記環状ミシン目に沿ってミシン目に囲まれる範囲を引き剥がすことにより、取り出し口が形成されるとともに、前記樹脂製フィルム及びそれに形成されたスリットが取り出し口から露出されるティッシュカートンにおいて、前記樹脂製フィルムを、有色不透明であるか又は有色不透明の地に模様が付されているものとすることにより解決される。
【選択図】図2
Description
本発明は、ティシュペーパー、ペーパータオル、キッチンペーパー等の製品を収納する衛生薄葉紙収納箱及び、この衛生薄葉紙収納箱に衛生薄葉紙束を収納した衛生薄葉紙製品に関する。
例えば、衛生薄葉紙の一つであるティシュペーパーが複数枚、重層されたティシュペーパー束を、収納箱たるティシュカートンに収納めたティシュペーパー製品は良く知られる。
この製品の多くは、上面に環状のミシン目を有する紙箱の内面に、前記環状ミシン目を被覆するようにして、スリットを有する無色透明の樹脂性フィルムを貼付した構造の衛生薄葉紙収納箱を採用する。
使用に際しては、前記環状のミシン目を切り剥がすことで、カートン上面に取り出し口が形成されるとともに、その取り出し口内に樹脂製フィルムによるスリットが露出され、このスリットを介して内部に収められているティシュペーパーを一枚一枚、摘み出して使用する。
他方、この種のティシュペーパー製品は、常用的に室内に置いて使用することが多いため、需要者が製品を選択する際にそのデザイン性を重要視する。このため衛生薄葉紙収納箱の紙箱外面には、種々の模様等の印刷が施される。
特開2003−327280
特開2005−225563
特開2003−170976
この製品の多くは、上面に環状のミシン目を有する紙箱の内面に、前記環状ミシン目を被覆するようにして、スリットを有する無色透明の樹脂性フィルムを貼付した構造の衛生薄葉紙収納箱を採用する。
使用に際しては、前記環状のミシン目を切り剥がすことで、カートン上面に取り出し口が形成されるとともに、その取り出し口内に樹脂製フィルムによるスリットが露出され、このスリットを介して内部に収められているティシュペーパーを一枚一枚、摘み出して使用する。
他方、この種のティシュペーパー製品は、常用的に室内に置いて使用することが多いため、需要者が製品を選択する際にそのデザイン性を重要視する。このため衛生薄葉紙収納箱の紙箱外面には、種々の模様等の印刷が施される。
しかし、従来ティシュペーパー製品は、環状ミシン目を切り剥がした際に露出される樹脂製フィルムの露出部分が、紙箱外面に付した模様と調和せずに意匠性を低下させていた。
特に、箱内のティシュ残量が少なくなると、樹脂製フィルムを通して非印刷の箱内面が視認されるようになり、意匠性の悪いものとなる。
特許文献3に開示される技術は、取り出し口を形成するにあたって、環状ミシン目線の一部を残して取り出し口に蓋を設けることができる。蓋を閉めた状態であれば、箱外面に付した模様と調和し意匠性の低下は防げるが、使用時は蓋を開けるため、使用時の意匠性の低下は防げない。
さらに、スリットを介して取り出す際に発生した紙粉がフィルムに付着した場合に、付着した紙粉がしっかりと視認できるため見た目の清潔感も低下する。
そこで、本発明の主たる課題は、樹脂製フィルムが露出される開口部におけるデザイン性を向上させるとともに、フィルムに付着する紙粉が目立たない、衛生薄葉紙製品及び衛生薄葉紙収納箱を提供することにある。
特に、箱内のティシュ残量が少なくなると、樹脂製フィルムを通して非印刷の箱内面が視認されるようになり、意匠性の悪いものとなる。
特許文献3に開示される技術は、取り出し口を形成するにあたって、環状ミシン目線の一部を残して取り出し口に蓋を設けることができる。蓋を閉めた状態であれば、箱外面に付した模様と調和し意匠性の低下は防げるが、使用時は蓋を開けるため、使用時の意匠性の低下は防げない。
さらに、スリットを介して取り出す際に発生した紙粉がフィルムに付着した場合に、付着した紙粉がしっかりと視認できるため見た目の清潔感も低下する。
そこで、本発明の主たる課題は、樹脂製フィルムが露出される開口部におけるデザイン性を向上させるとともに、フィルムに付着する紙粉が目立たない、衛生薄葉紙製品及び衛生薄葉紙収納箱を提供することにある。
上記課題を解決した本発明は、上面に環状のミシン目を有する紙箱と、前記ミシン目内範囲を内側から覆う樹脂製フィルムとを有し、
前記スリットがミシン目内範囲に位置され、
前記環状ミシン目に沿ってミシン目に囲まれる範囲を引き剥がすことにより、取り出し口が形成されるとともに、前記樹脂製フィルム及びそれに形成されたスリットが取り出し口から露出される衛生薄葉紙収納箱であって、
前記樹脂製フィルムが、有色不透明であるか、又は、有色不透明の地の部分を有する模様が配されているものである、ことを特徴とする衛生薄葉紙収納箱である。
樹脂製フィルムは、少なくとも地の部分のJIS P 8148(2001)に基づく不透明度が40%以上であるのが望ましい。
また、樹脂製フィルムの地色のL*a*b*表色系におけるL値が50以上あるのが望ましく、樹脂製フィルムの地色と紙箱外面の地色との色差は、L*a*b*表色系で±10以内であるのがよい。
また、紙箱外面と樹脂製フィルムとを実質的に同一の模様とすると紙箱外面と樹脂製フィルムとの一体感が得られるので望ましい。
上記衛生薄葉紙収納箱内に、複数のティシュを重層したされたティシュペーパー束が収納され、前記環状のミシン目を切り剥がして形成される取り出し口に露出される樹脂製フィルムのスリットから、前記ティシュを取り出すように構成されているティシュ製品もまた本発明である。
さらに、樹脂製フィルムの地の部分が透明であっても、上面に環状のミシン目を有する紙箱と、前記ミシン目内範囲を内側から覆う樹脂製フィルムとを有し、
前記スリットがミシン目内範囲に位置され、
前記環状ミシン目に沿ってミシン目に囲まれる範囲を引き剥がすことにより、取り出し口が形成されるとともに、前記樹脂製フィルム及びそれに形成されたスリットが取り出し口から露出される衛生薄葉紙収納箱であって、
前記樹脂製フィルムは、透明の地の部分を有する模様が配され、
樹脂製フィルムの前記取り出し口から露出される部分は、透明の地の部分の割合が50%未満であることを特徴とする衛生薄葉紙収納箱であれば本課題は解決できる。
前記スリットがミシン目内範囲に位置され、
前記環状ミシン目に沿ってミシン目に囲まれる範囲を引き剥がすことにより、取り出し口が形成されるとともに、前記樹脂製フィルム及びそれに形成されたスリットが取り出し口から露出される衛生薄葉紙収納箱であって、
前記樹脂製フィルムが、有色不透明であるか、又は、有色不透明の地の部分を有する模様が配されているものである、ことを特徴とする衛生薄葉紙収納箱である。
樹脂製フィルムは、少なくとも地の部分のJIS P 8148(2001)に基づく不透明度が40%以上であるのが望ましい。
また、樹脂製フィルムの地色のL*a*b*表色系におけるL値が50以上あるのが望ましく、樹脂製フィルムの地色と紙箱外面の地色との色差は、L*a*b*表色系で±10以内であるのがよい。
また、紙箱外面と樹脂製フィルムとを実質的に同一の模様とすると紙箱外面と樹脂製フィルムとの一体感が得られるので望ましい。
上記衛生薄葉紙収納箱内に、複数のティシュを重層したされたティシュペーパー束が収納され、前記環状のミシン目を切り剥がして形成される取り出し口に露出される樹脂製フィルムのスリットから、前記ティシュを取り出すように構成されているティシュ製品もまた本発明である。
さらに、樹脂製フィルムの地の部分が透明であっても、上面に環状のミシン目を有する紙箱と、前記ミシン目内範囲を内側から覆う樹脂製フィルムとを有し、
前記スリットがミシン目内範囲に位置され、
前記環状ミシン目に沿ってミシン目に囲まれる範囲を引き剥がすことにより、取り出し口が形成されるとともに、前記樹脂製フィルム及びそれに形成されたスリットが取り出し口から露出される衛生薄葉紙収納箱であって、
前記樹脂製フィルムは、透明の地の部分を有する模様が配され、
樹脂製フィルムの前記取り出し口から露出される部分は、透明の地の部分の割合が50%未満であることを特徴とする衛生薄葉紙収納箱であれば本課題は解決できる。
以上のとおり、本発明によれば、樹脂製フィルムが露出される取り出し口におけるデザイン性に優れ、しかもフィルムに付着する紙粉が目立たない、衛生薄葉紙製品及び衛生薄葉紙収納箱が提供される。
次いで、本発明の実施の形態を図面を参照しながら以下に詳述する。
<第1の実施の形態>
図1は、本形態の衛生薄葉紙収納箱の斜視図である。
本形態の衛生薄葉紙収納箱X1は、上面に環状のミシン目11を有する紙箱1と、前記ミシン目11により囲まれる範囲11aを内側から覆う樹脂製フィルム2とを有する。
<第1の実施の形態>
図1は、本形態の衛生薄葉紙収納箱の斜視図である。
本形態の衛生薄葉紙収納箱X1は、上面に環状のミシン目11を有する紙箱1と、前記ミシン目11により囲まれる範囲11aを内側から覆う樹脂製フィルム2とを有する。
紙箱1は、衛生薄葉紙収納箱X1の外形をなす紙製の箱体であり、その大きさ、形状、展開形状等は既知のカートンの紙箱の構成を採用できる。
例えば、底面、上面及びこれらを連接する側面と、各面の長手方向両側縁に連接された底面側端面片、側面端面片、上面側端面片とを有し、前記側面端面片を箱内面側に折り返した後、これに重ねて上面側端面片と底面側端面片とを折り曲げ、各片の当接部分をホットメルト接着材等により接着して構成される構造のものが代表的である。
例えば、底面、上面及びこれらを連接する側面と、各面の長手方向両側縁に連接された底面側端面片、側面端面片、上面側端面片とを有し、前記側面端面片を箱内面側に折り返した後、これに重ねて上面側端面片と底面側端面片とを折り曲げ、各片の当接部分をホットメルト接着材等により接着して構成される構造のものが代表的である。
他方、本形態の紙箱1は、好適な例として、その外面に適宜の模様が印刷により形成されている。図示例では、複数の花の絵1b,1b…を点在するように配した花柄模様が配されているが、模様は、この花柄に限定されることなく、螺旋模様、波模様、ドット模様、亀甲模様、星模様、十字模様、幾何学模様など適宜の文字・図形・絵・記号の単体又はこれらの組み合わせにより構成される適宜の模様を採用することができる。
模様を配する範囲は、紙箱外面の全体に配されているのが望ましいが、上面1Uのみであってもよい。なお、本発明においては模様を構成する文字・図形以外の部分を地と称する。図示例でいえば、花の図形以外の部分全体が地1aである。
紙箱外面に対する模様の付与は、グラビア印刷等の既知の印刷方法により行うことができる。
模様を配する範囲は、紙箱外面の全体に配されているのが望ましいが、上面1Uのみであってもよい。なお、本発明においては模様を構成する文字・図形以外の部分を地と称する。図示例でいえば、花の図形以外の部分全体が地1aである。
紙箱外面に対する模様の付与は、グラビア印刷等の既知の印刷方法により行うことができる。
他方、紙箱1の上面1Uに形成される環状のミシン目11は、既知の方法により形成され、これにより囲まれる範囲11aの具体的形状についても限定されない。従来既知の形状を採用できる。具体的には、図示例の如く、紙箱上面の長手方向に沿う方向を長辺とする略楕円形状が代表的に採用される。
他方、樹脂製フィルム2は、取り出し口2(ミシン目により囲まれる範囲11a)のサイズより大きく、例えば、方形であり紙箱1上面の内面面側に接着剤により接着されている。
他方、樹脂製フィルム2は、取り出し口2(ミシン目により囲まれる範囲11a)のサイズより大きく、例えば、方形であり紙箱1上面の内面面側に接着剤により接着されている。
前記樹脂製フィルム2のスリット21はミシン目により囲まれる範囲11aに位置されており、前記環状ミシン目11に沿ってミシン目により囲まれる範囲11aを引き剥がすことにより、図2に示されるように、取り出し口12が形成されるとともに、前記樹脂製フィルム2及びそれに形成されたスリット21が取り出し口12を介して露出される。
紙箱1への接着に用いる接着剤の種類は特に限定されない。好適には、リサイクルの点で水性接着剤が好ましい。
スリット21の長さは、取り出し口12の長手方向全長より短くすることが望ましいが、取り出し口12の長手方向全長と同じ長さにすることもでき、さらに、フィルム2の長手方向長さより短い条件の下で、取り出し口12の長手方向全長より長くすることもできる。
紙箱1への接着に用いる接着剤の種類は特に限定されない。好適には、リサイクルの点で水性接着剤が好ましい。
スリット21の長さは、取り出し口12の長手方向全長より短くすることが望ましいが、取り出し口12の長手方向全長と同じ長さにすることもでき、さらに、フィルム2の長手方向長さより短い条件の下で、取り出し口12の長手方向全長より長くすることもできる。
紙箱1と樹脂製フィルム2との接着力(剥離強度)は特に限定されない。従来製品における紙箱1と樹脂製フィルム2との接着力と同程度でよい。
樹脂性フィルム2の好適な素材は、ポリエチレンフィルムであるが、ポリプロピレン、ポリエステルなども例示できる。
樹脂製フィルム2の厚みは、30〜200μmが適する。30μm未満では、強度的に不足し、ティシュペーパーの取り出し時において裂けあるいは破断の確率が高くなる。逆に、200μmを超えると、強度の問題はないものの、取り出し難くなり、またコスト高となる。
樹脂性フィルム2の好適な素材は、ポリエチレンフィルムであるが、ポリプロピレン、ポリエステルなども例示できる。
樹脂製フィルム2の厚みは、30〜200μmが適する。30μm未満では、強度的に不足し、ティシュペーパーの取り出し時において裂けあるいは破断の確率が高くなる。逆に、200μmを超えると、強度の問題はないものの、取り出し難くなり、またコスト高となる。
ここで、本第1の形態の樹脂製フィルム2は特徴的に、有色不透明の無模様であるか、又は、有色不透明の地の部分を有する模様が配されているものである。
このように有色不透明とすることで、樹脂製フィルム2を通して非印刷の箱内面が視認されるようになることに起因する意匠性の低下は防止される。
樹脂製フィルム2の色又は地の部分の色を有色不透明にするには、例えば、樹脂製フィルムの原料となる樹脂に予め適宜の着色料を混合し、これを押し出し延伸によりフィルムとする方法や、フィルム状にした後に適宜の印刷技術によりベタ印刷する方法等を採用できる。
このように有色不透明とすることで、樹脂製フィルム2を通して非印刷の箱内面が視認されるようになることに起因する意匠性の低下は防止される。
樹脂製フィルム2の色又は地の部分の色を有色不透明にするには、例えば、樹脂製フィルムの原料となる樹脂に予め適宜の着色料を混合し、これを押し出し延伸によりフィルムとする方法や、フィルム状にした後に適宜の印刷技術によりベタ印刷する方法等を採用できる。
図示例では、有色不透明のフィルム2に複数の花の絵2bが点在された花柄模様とし、有色不透明の地を有する模様を配している。ただし、模様は、この花柄に限定されることなく、螺旋模様、波模様、ドット模様、亀甲模様、星模様、十字模様、幾何学模様など適宜の文字・図形・絵・記号の単体又はこれらの組み合わせにより構成される適宜の模様を採用することができる。
模様を配するには、既知のフィルムへの印刷技術やフィルム製造の押し出し延伸時に付与する技術が採用できる。
模様を配するには、既知のフィルムへの印刷技術やフィルム製造の押し出し延伸時に付与する技術が採用できる。
なお、図示例は、特に好適な例であり、紙箱外面と樹脂製フィルム2とに実質的に同一の模様が配されており、両者が一体的となった美観を有している。
また、紙箱外面と樹脂製フィルム2の地の色が同一色又は同系色であるのがよりよい。
かかる構成により、樹脂製フィルム2の存在が視覚的に意識されなくなり、取り出し口形成によるデザイン性の低下が感じられなくなる。
また、紙箱外面と樹脂製フィルム2の地の色が同一色又は同系色であるのがよりよい。
かかる構成により、樹脂製フィルム2の存在が視覚的に意識されなくなり、取り出し口形成によるデザイン性の低下が感じられなくなる。
樹脂製フィルムの具体的な色又は地色は限定されるものではないが、L*a*b*表色系におけるL値が50以上、特に70以上、彩度Cが10以下の乳白色が望ましい。L値が50以上あるとフィルムに付着する紙粉が目立たなくなる。
また、樹脂製フィルムの少なくとも地の部分は、JIS P 8148(2001)に基づく不透明度が40%以上であるのが望ましい。不透明度が40m未満であると、箱内のティシュ残量が少なくなった時に、樹脂製フィルムを通して非印刷の箱内面が視認されるようになり、意匠性の悪いものとなる。
また、特に好ましく、樹脂製フィルムの地色は、前記紙箱外面の地色(図形・文字・模様が配されていない領域部分)とのL*a*b*表色系における色差が10以内であるのが望ましい。視覚的に確実に一体的に視認できるようになる。
また、樹脂製フィルムの少なくとも地の部分は、JIS P 8148(2001)に基づく不透明度が40%以上であるのが望ましい。不透明度が40m未満であると、箱内のティシュ残量が少なくなった時に、樹脂製フィルムを通して非印刷の箱内面が視認されるようになり、意匠性の悪いものとなる。
また、特に好ましく、樹脂製フィルムの地色は、前記紙箱外面の地色(図形・文字・模様が配されていない領域部分)とのL*a*b*表色系における色差が10以内であるのが望ましい。視覚的に確実に一体的に視認できるようになる。
以上説明の衛生薄葉紙収納箱X1は、特に複数のティシュペーパーを所謂ポップアップ式に重畳してなるティシュペーパー束を内部に収容することで、図3に示されるように、スリット21からティシュペーパーPを一枚一枚取り出して使用する種のティシュペーパー製品の一部を構成する。
ティシュペーパーP自体の大きさ、紙厚、プライ数及び組成は本発明では限定されない。また、ティシュペーパーPは既知の薄様紙の抄紙技術にしたがって製造することができる。
抄紙には、例えば、抄紙原料を実質的に湿紙に形成するワイヤーパート、湿紙を脱水するプレスパート、脱水された湿紙を乾燥するドライヤーパートの少なくとも3つのパートから成る、公知種々の抄紙機を用いることができる。
抄紙には、例えば、抄紙原料を実質的に湿紙に形成するワイヤーパート、湿紙を脱水するプレスパート、脱水された湿紙を乾燥するドライヤーパートの少なくとも3つのパートから成る、公知種々の抄紙機を用いることができる。
ティシュペーパーの好適な坪量としては、例えば、10〜40g/m2(JIS P 8124)、1枚あたりの好適な紙厚25〜800μm、好適な乾燥引張強度は、縦方向;150〜800cN/幅15mm×250mm、横方向;50〜400cN/幅15mm×250mm(JIS P 8113)である。また、好適なソフトネスは0.5〜6.0g(JIS L 1096)、MMDは3〜18、伸びは5〜40mの範囲である。摩擦係数の平均偏差MMDは、JIS P 8111に規定される条件下にてカトーテック株式会社製「摩擦感テスター KESSE」を用いて測定した。MMD値が大きいほど滑らかさに劣る又はざらざらしていることを意味する。
ティシュペーパー束の製造は、既知のインターホルダーによりティシュペーパー原紙を折り畳んだ後に、所定の大きさに切断する既知の方法を採用できる。
なお、本発明においては、ティシュペーパー束の高さや大きさ等は特に限定されるものではなく、収容する衛生薄葉紙収納箱の大きさに併せて適宜変更することができる。
なお、本発明においては、ティシュペーパー束の高さや大きさ等は特に限定されるものではなく、収容する衛生薄葉紙収納箱の大きさに併せて適宜変更することができる。
<第2の実施の形態>
次いで、本発明の第2の実施形態を以下に示す。紙箱の構成、紙箱と樹脂製フィルムとの関係については、第1の実施の形態と同様である。
本形態は、特徴的に樹脂製フィルムは模様を有するものの地の部分が透明となっている。透明であれば有色であるか無色であるかは問わない。
模様は例えば第1の実施の形態と同様に種々の模様を採用できる。例えば、無色透明の樹脂製フィルムに有色不透明の複数の花の絵が点在された花柄模様や、螺旋模様、波模様、ドット模様、亀甲模様、星模様、十字模様、幾何学模様など適宜の文字・図形・絵・記号の単体又はこれらの組み合わせにより構成される適宜の模様を採用することができる。
模様を配するには、既知のフィルムへの印刷技術やフィルム製造の押し出し延伸時に付与する技術が採用できる。なお、模様を構成する地の部分以外の部分については有色不透明であるのがよいが有色透明でもよい。もちろん、この場合には地の部分の色と相違するようにする。
地の部分以外の部分(図案部分ともいう)を不透明にする場合、その不透明度は、JIS P 8148(2001)に基づく不透明度で40%以上あるのがよい。
さらに、本形態では、ミシン目線の裂開によって形成される取り出し口に露出される樹脂製フィルムの一部における、その透明な地の部分の面積率が50%未満となっている。すなわち、その他の部分は図案部分となっている。この透明な地の部分が50%以上、反対には図案部分が50%未満となると、紙粉が目立ちやすくなるとともに、内部のティシュペーパーが減ったときに箱内面がフィルム越しにはっきりと見えるようになり、美観の低下が感じられるようになる。
<実施例>
次いで、本発明の実施例と比較例とについて、デザイン性と樹脂製フィルムに付着した紙粉が目視にて目立って認識されるか否かとについて評価した。
実施例及び比較例は、図示例と同様の花柄のティシュカートンとした。
各例の樹脂性フィルムの模様の有無、地色の有無、地に部分の透明・不透明、模様部分・地の部分等におけるL*a*b*表色系におけるL*値、a*値、b*値及び不透明度、評価結果は表1中に示されるとおりである。
なお、L*値、a*値、b*値は、PF‐10(日本電色工業社製)を用いて測定した。
次いで、本発明の第2の実施形態を以下に示す。紙箱の構成、紙箱と樹脂製フィルムとの関係については、第1の実施の形態と同様である。
本形態は、特徴的に樹脂製フィルムは模様を有するものの地の部分が透明となっている。透明であれば有色であるか無色であるかは問わない。
模様は例えば第1の実施の形態と同様に種々の模様を採用できる。例えば、無色透明の樹脂製フィルムに有色不透明の複数の花の絵が点在された花柄模様や、螺旋模様、波模様、ドット模様、亀甲模様、星模様、十字模様、幾何学模様など適宜の文字・図形・絵・記号の単体又はこれらの組み合わせにより構成される適宜の模様を採用することができる。
模様を配するには、既知のフィルムへの印刷技術やフィルム製造の押し出し延伸時に付与する技術が採用できる。なお、模様を構成する地の部分以外の部分については有色不透明であるのがよいが有色透明でもよい。もちろん、この場合には地の部分の色と相違するようにする。
地の部分以外の部分(図案部分ともいう)を不透明にする場合、その不透明度は、JIS P 8148(2001)に基づく不透明度で40%以上あるのがよい。
さらに、本形態では、ミシン目線の裂開によって形成される取り出し口に露出される樹脂製フィルムの一部における、その透明な地の部分の面積率が50%未満となっている。すなわち、その他の部分は図案部分となっている。この透明な地の部分が50%以上、反対には図案部分が50%未満となると、紙粉が目立ちやすくなるとともに、内部のティシュペーパーが減ったときに箱内面がフィルム越しにはっきりと見えるようになり、美観の低下が感じられるようになる。
<実施例>
次いで、本発明の実施例と比較例とについて、デザイン性と樹脂製フィルムに付着した紙粉が目視にて目立って認識されるか否かとについて評価した。
実施例及び比較例は、図示例と同様の花柄のティシュカートンとした。
各例の樹脂性フィルムの模様の有無、地色の有無、地に部分の透明・不透明、模様部分・地の部分等におけるL*a*b*表色系におけるL*値、a*値、b*値及び不透明度、評価結果は表1中に示されるとおりである。
なお、L*値、a*値、b*値は、PF‐10(日本電色工業社製)を用いて測定した。
なお、評価方法は、紙粉が目立つか否かについては、下記の評価1及び評価2により行った。
評価1:100枚のティッシュを取り出した際の樹脂製フィルムの状態を100人の被験者に目視にて確認してもらい、「紙粉が目立つ」、「紙粉が目立たない」の二択で評価してもらうこととした。表中の○は80名以上が目立たないと評価したものであり、△は80名に満たなかったものである。◎は90名以上が目立たないと評価したものであり、○は80〜89名が目立たないと評価したものであり、△は目立たないと評価した被験者が80名に満たなかったものである。
評価2:寸法253mm×342mmのフィルムに一定量の紙粉を満遍なく散らす。次いで、被験者に袋を見てもらい、「紙粉が目立つ」又は「紙粉が目立たない」の2択にて評価してもらう。その結果、0.03g(0.346g/m2)以上の紙粉の付着により「紙粉が目立つ」という評価が得られた。この時の透明樹脂製フィルムに紙粉付着時と付着前のL*値の差を測定したところ0.9であった。このことからL*値の上昇値が0.9未満であると特に紙粉が目立たないといえる。
デザイン性については、樹脂製フィルムと紙箱との一体性を主たる判断基準として、ティシュカートンの意匠性について、100人の被験者に目視にて判断してもらうこととした。判断は、「意匠性がよい」、「意匠性が悪い」の二択で行ってもらうこととした。表中の◎は90名以上が意匠性がよいと評価したものであり、○は80〜89名が意匠性がよいと評価したものであり、△は意匠性がよいと評価した被験者が80名に満たなかったものである。
以上の評価結果により、本発明の衛生薄葉紙収納箱では、樹脂製フィルムが露出される取り出し口におけるデザイン性に優れ、しかもフィルムに付着する紙粉が目立たないことが示された。
評価1:100枚のティッシュを取り出した際の樹脂製フィルムの状態を100人の被験者に目視にて確認してもらい、「紙粉が目立つ」、「紙粉が目立たない」の二択で評価してもらうこととした。表中の○は80名以上が目立たないと評価したものであり、△は80名に満たなかったものである。◎は90名以上が目立たないと評価したものであり、○は80〜89名が目立たないと評価したものであり、△は目立たないと評価した被験者が80名に満たなかったものである。
評価2:寸法253mm×342mmのフィルムに一定量の紙粉を満遍なく散らす。次いで、被験者に袋を見てもらい、「紙粉が目立つ」又は「紙粉が目立たない」の2択にて評価してもらう。その結果、0.03g(0.346g/m2)以上の紙粉の付着により「紙粉が目立つ」という評価が得られた。この時の透明樹脂製フィルムに紙粉付着時と付着前のL*値の差を測定したところ0.9であった。このことからL*値の上昇値が0.9未満であると特に紙粉が目立たないといえる。
デザイン性については、樹脂製フィルムと紙箱との一体性を主たる判断基準として、ティシュカートンの意匠性について、100人の被験者に目視にて判断してもらうこととした。判断は、「意匠性がよい」、「意匠性が悪い」の二択で行ってもらうこととした。表中の◎は90名以上が意匠性がよいと評価したものであり、○は80〜89名が意匠性がよいと評価したものであり、△は意匠性がよいと評価した被験者が80名に満たなかったものである。
以上の評価結果により、本発明の衛生薄葉紙収納箱では、樹脂製フィルムが露出される取り出し口におけるデザイン性に優れ、しかもフィルムに付着する紙粉が目立たないことが示された。
本発明は、衛生薄葉紙収納箱及びティシュ製品に利用可能である。
1…紙箱、1U…紙箱上面、1a…紙箱外面の地の部分、1b…紙箱外面の模様を構成する図(花の絵)、2…樹脂製フィルム、2a…樹脂製フィルムの地の部分、2b…樹脂製フィルムの模様を構成する図(花の絵)、11…ミシン目、11a…ミシン目により囲まれる範囲、12…取り出し口、21…スリット、P…ティシュペーパー、X1…衛生薄葉紙収納箱。
Claims (7)
- 上面に環状のミシン目を有する紙箱と、前記ミシン目内範囲を内側から覆う樹脂製フィルムとを有し、
前記スリットがミシン目内範囲に位置され、
前記環状ミシン目に沿ってミシン目に囲まれる範囲を引き剥がすことにより、取り出し口が形成されるとともに、前記樹脂製フィルム及びそれに形成されたスリットが取り出し口から露出される衛生薄葉紙収納箱であって、
前記樹脂製フィルムが、有色不透明であるか、又は、有色不透明の地の部分を有する模様が配されているものである、ことを特徴とする衛生薄葉紙収納箱。 - 樹脂製フィルムは、少なくとも地の部分のJIS P 8148(2001)に基づく不透明度が40%以上である請求項1記載の衛生薄葉紙収納箱。
- 樹脂製フィルムの地色のL*a*b*表色系におけるL値が50以上ある請求項1又は2記載の衛生薄葉紙収納箱。
- 前記紙箱外面に模様が付されている請求項1〜3の何れか1項に記載の衛生薄葉紙収納箱。
- 紙箱外面と樹脂製フィルムとが実質的に同一の模様を有する請求項1〜4の何れか1項に記載の衛生薄葉紙収納箱。
- 請求項1〜5の何れか1項に記載の衛生薄葉紙収納箱内に、複数の衛生薄葉紙を重層した衛生薄葉紙束が収納され、前記環状のミシン目を切り剥がして形成される取り出し口に露出される樹脂製フィルムのスリットから、前記衛生薄葉紙を取り出すように構成されている、ことを特徴とする衛生薄葉紙製品。
- 上面に環状のミシン目を有する紙箱と、前記ミシン目内範囲を内側から覆う樹脂製フィルムとを有し、
前記スリットがミシン目内範囲に位置され、
前記環状ミシン目に沿ってミシン目に囲まれる範囲を引き剥がすことにより、取り出し口が形成されるとともに、前記樹脂製フィルム及びそれに形成されたスリットが取り出し口から露出される衛生薄葉紙収納箱であって、
前記樹脂製フィルムは、透明の地の部分を有する模様が配され、
樹脂製フィルムの前記取り出し口から露出される部分は、透明の地の部分の割合が50%未満であることを特徴とする衛生薄葉紙収納箱。
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