JP5237738B2 - 衛生薄葉紙収納箱 - Google Patents
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Description
ところで、このような一般的な収納箱を採用した製品では、環状のミシン目線を切り離すとフィルムシートを介して中身を見ることができるが、切り離し前には見ることはできない。よって、中身である衛生薄葉紙自体の外観に特徴のある製品の場合、例えば色や模様を印刷や、エンボス加工で付加したりした場合や、素材自体の質感に特徴のある製品の場合に、その外観を消費者に対する訴求手段として利用できず、箱外面に写真やキャッチコピーを印刷する他なかった。
このような問題点に対して、箱上面における、環状ミシン目線外に補強材付の中身視認用窓を設けることが提案されている(例えば、特許文献1等)。
しかし、この収納箱の場合、使用に際して取出口を形成した後においても、中身視認用窓が箱上面に単独で残るため、見栄えが悪いという問題点があった。
<請求項1記載の発明>
上面と底面とこれらに連接する側面とを有する箱本体と、前記上面に形成された環状の裂開用ミシン目線と、前記環状ミシン目線内範囲及びその周囲部を箱本体内側から覆う、透視可能なフィルムシートとを有し、
前記フィルムシートにおける少なくとも環状ミシン目線内範囲にスリットが形成され、前記環状ミシン目線に沿ってミシン目線に囲まれる範囲を引き剥がすことにより、取り出し口が形成されるとともに、この取り出し口内に、前記フィルムシート及びそれに形成されたスリットが露出され、このスリットを介して、箱内に収納された衛生薄葉紙が取り出し可能となる衛生薄葉紙収納箱であって、
前記上面に、前記環状ミシン目線内に収まるように、又は前記環状ミシン目線内及びその周囲部に跨り且つ前記フィルムシートと重なるように、中身視認用窓が開口されている、ことを特徴とする衛生薄葉紙収納箱。
本発明の特徴は、環状ミシン目線内に収まるように、又は環状ミシン目線内及びその周囲部に跨り且つ透視可能なフィルムシートと重なるように、中身視認用窓を開口したところにある。これにより、使用前においては中身視認用窓内に露出するフィルムシートを介して収納箱の中身を視認することができる。この中身視認用窓はその内側からスリットを有するフィルムシートにより覆われているため、中身視認用窓を介した異物混入を防止できる。そして、使用に際して、環状ミシン目線により囲まれる範囲を引き剥がすと、中身視認用窓が環状ミシン目線内に収まるように設けられている場合は、中身視認用窓が引き剥がし部分に伴って完全に消失し、中身視認用窓が環状ミシン目線内及びその周囲部に跨り且つフィルムシートと重なるように設けられている場合は、中身視認用窓のうち環状ミシン目線内に位置する部分が引き剥がし部分に伴って消失するとともに、環状ミシン目線外に位置する部分は取り出し口の一部なすように一体化する。よって、使用時の外観が従来に近く簡素であり、見栄えが良いものとなる。
しかも、中身視認用窓の少なくとも一部が環状ミシン目線内に収まる位置に開口していると、中身視認用窓を指掛け孔として利用し、環状ミシン目線により囲まれる範囲を引き剥がすことができる。よって、別途の指掛け手段を省略することができる。
さらに、中身視認用窓の少なくとも一部が環状ミシン目線内に収まる位置に開口しているため、フィルムシートの範囲を拡大することなく、又は拡大するとしてもより少ない面積で中身視認用窓を封止できる。よって、資材の追加を最小限に抑えることができる。また、本発明では、追加の加工も少なくて済むため、製造も容易である。
前記中身視認用窓は前記フィルムシートにおける前記スリットと重ならず、且つ前記中身視認用窓の周縁が、前記フィルムシートにおける前記スリットから10mm以上離間している、請求項1記載の衛生薄葉紙収納箱。
中身視認用窓の開口位置がフィルムシートのスリットと重なっていたり、近接したりしていると、中身視認用窓及びフィルムシートのスリットを介して異物が混入し易いため、上記のとおり、中身視認用窓の開口位置をフィルムシートのスリットと重ねず、且つ十分に離間させるのが好ましい。
前記フィルムシートにおけるスリットに代えてミシン目線が形成されており、このミシン目を切り離すことにより前記スリットが形成されるように構成されている、請求項1又は2記載の衛生薄葉紙収納箱。
本発明では、中身視認用窓の開口位置がフィルムシートと重なるため、中身視認用窓及びフィルムシートのスリットを介して異物が混入するおそれがある。よって、上記のようにフィルムシートのスリットに代えてミシン目線を採用すると、ミシン目線はスリットより異物混入し難いため好ましい。
前記中身視認用窓が前記ミシン目線上にある、請求項3記載の衛生薄葉紙収納箱。
このように中身視認用窓がスリットに代えたミシン目線上にあることにより、中身を視認できるだけでなく、商品が購入前に開封されたかどうか確認できる。
前記フィルムシートの厚みが70μm以上であり、且つ前記中身視認用窓を覆う補強部材を有しない、請求項1〜4の何れか1項に記載の衛生薄葉紙収納箱。
このように、フィルムシートの厚みを厚くすることにより、中身視認用窓を覆う補強部材が無くても、中身視認用窓が誤って又はいたずらにより破損するといった事態が起こり難い。
図1は、衛生薄葉紙収納箱X1の上面1U側からの斜視図であり、図2は衛生薄葉紙、例えばティシュペーパー取り出し時の状態を示す斜視図であり、図3は、本実施形態の衛生薄葉紙収納箱X1の上面を示す平面図である。
この衛生薄葉紙収納箱X1は所謂ボックステイシュを想定したものであり、上面1U及び底面1Bに裂開用ミシン目線11,40を有する紙箱1と、上面の裂開用ミシン目線内範囲11a及びその周囲部を内側から覆うフィルムシート2とを備える(以下、上面の裂開用ミシン目線11を上面裂開用ミシン目線11という)。
また、この種の一般的な収納箱の大きさは、概ね長手縁が110〜320mm、短手縁が70〜200mm、高さが40〜150mm程度であり、少なくとも本願発明はこの大きさの箱は対象となる。
上面裂開用ミシン目線11により囲まれる範囲11aの具体的形状については限定されず、従来既知の形状を採用できる。具体的には、図示例の如く、紙箱上面の長手方向に沿う方向を長辺とする略楕円形状が代表的に採用される。
フィルムシート2のスリット21は上面裂開用ミシン目線11により囲まれる範囲11aに位置されており、環状の上面裂開用ミシン目線11に沿ってこれにより囲まれる範囲11aを引き剥がすことにより、図2に示されるように、取り出し口12(以下、上面の取り出し口を上面取り出し口12という)が形成されるとともに、フィルムシート2及びそれに形成されたスリット21が上面取り出し口12を介して露出される。
フィルムシート2の紙箱1への接着に用いる接着剤の種類は特に限定されないが、リサイクルの点で水性接着剤が好ましい。
このような中身視認用窓30を設けることにより、使用前においては中身視認用窓30内に露出するフィルムシート2を介して収納箱1の中身を視認することができる。この際、中身視認用窓30はその内側からフィルムシート2により覆われているため、中身視認用窓30を介した異物混入は防止される。そして図2に示すように、使用に際して上面裂開用ミシン目線11により囲まれる範囲を引き剥がすと、中身視認用窓30のうち上面裂開用ミシン目線11内に位置する部分が引き剥がし部分11aに伴って消失するとともに、上面裂開用ミシン目線11外に位置する部分は取り出し口12の一部なすように一体化する。よって、使用時の外観が従来に近く簡素であり、見栄えが良いものとなる。
かかる衛生薄葉紙は、例えば、ティシュペーパー、キッチンペーパー。ワイプなどに応じて適宜既知の技術によりその物性、組成を変更することができる。
なお、衛生薄葉紙をティシュペーパーとするならば、その好適な坪量としては、例えば、10〜40g/m2(JIS P 8124)、1枚あたりの好適な紙厚25〜800μm、好適な乾燥引張強度は、2プライで縦方向;150〜800cN/幅25mm、横方向;50〜400cN/幅25(JIS P 8113)である。また、好適なソフトネスは0.5〜6.0g(JIS L1096)、MMD(カトーテック(株)粗さ付摩擦感テスターKES−SE)は3〜18、伸びは5〜40%の範囲である。
本発明においては、衛生薄葉紙束の高さや大きさ等は特に限定されるものではなく、収容する衛生薄葉紙収納箱の大きさに併せて適宜変更することができる。
本発明は、箱X1内に収納された衛生薄葉紙P自体が、箱X1外部から中身視認用窓30を介して視認できるものであるため、外観に特徴のある衛生薄葉紙製品、例えば色や模様が印刷やエンボス加工で付加された製品や、素材自体の質感に特徴のある製品に特に好適である。
Claims (5)
- 上面と底面とこれらに連接する側面とを有する箱本体と、前記上面に形成された環状の裂開用ミシン目線と、前記環状ミシン目線内範囲及びその周囲部を箱本体内側から覆う、透視可能なフィルムシートとを有し、
前記フィルムシートにおける少なくとも環状ミシン目線内範囲にスリットが形成され、前記環状ミシン目線に沿ってミシン目線に囲まれる範囲を引き剥がすことにより、取り出し口が形成されるとともに、この取り出し口内に、前記フィルムシート及びそれに形成されたスリットが露出され、このスリットを介して、箱内に収納された衛生薄葉紙が取り出し可能となる衛生薄葉紙収納箱であって、
前記上面に、前記環状ミシン目線内に収まるように、又は前記環状ミシン目線内及びその周囲部に跨り且つ前記フィルムシートと重なるように、中身視認用窓が開口されている、ことを特徴とする衛生薄葉紙収納箱。 - 前記中身視認用窓は前記フィルムシートにおける前記スリットと重ならず、且つ前記中身視認用窓の周縁が、前記フィルムシートにおける前記スリットから10mm以上離間している、請求項1記載の衛生薄葉紙収納箱。
- 前記フィルムシートにおけるスリットに代えてミシン目線が形成されており、このミシン目線を切り離すことにより前記スリットが形成されるように構成されている、請求項1記載の衛生薄葉紙収納箱。
- 前記中身視認用窓が前記ミシン目線上にある、請求項3記載の衛生薄葉紙収納箱。
- 前記フィルムシートの厚みが70μm以上であり、且つ前記中身視認用窓を覆う補強部材を有しない、請求項1〜4の何れか1項に記載の衛生薄葉紙収納箱。
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