JP2009024430A - コンクリート充填鋼管杭頭構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】地震による曲げモーメントへの抵抗性が強いコンクリート充填鋼管杭頭構造を提供する。
【解決手段】鋼管杭に生じる曲げモーメントが大きくなる適宜な部位にコンクリートを充填する際、コンクリートを充填する部位を杭頭より2D(Dは鋼管杭径)とし、好ましくは管内壁の、杭頭よりコンクリートを充填する部位の深さの1/2となる位置に、ズレ止めリングを取り付け、鋼管杭は好ましくは中掘り式またはプレボ−リング式で貫入する。必要に応じてコンクリートを充填する際、中籠筋を挿入する。
【選択図】図1
【解決手段】鋼管杭に生じる曲げモーメントが大きくなる適宜な部位にコンクリートを充填する際、コンクリートを充填する部位を杭頭より2D(Dは鋼管杭径)とし、好ましくは管内壁の、杭頭よりコンクリートを充填する部位の深さの1/2となる位置に、ズレ止めリングを取り付け、鋼管杭は好ましくは中掘り式またはプレボ−リング式で貫入する。必要に応じてコンクリートを充填する際、中籠筋を挿入する。
【選択図】図1
Description
本発明は、鋼管杭のコンクリート充填鋼管杭頭構造に関し、地震による曲げモーメントへの抵抗性が強く、経済性に優れるものに関する。
鋼管杭の杭体は、鉛直力と水平力に対して、安全性が確保できるように板厚や杭径が設計される。杭体に対する、鉛直力は押込み・引き抜きの際に作用し、水平力は地震時に作用する力である。
鋼管杭の杭体に作用する水平力に対しては種々の設計方法が提案され、例えば、特許文献1には、従来技術として、1.モーメントの大きな上杭の板厚を厚くする方法。2.上杭の負担する軸力とモーメントに併せて杭径を決定し、下杭は同じ杭径で、板厚を上杭と同厚か薄くする方法。3.上杭は負担する軸力とモーメントに併せて杭径を決定し、下杭の杭径を小さくする方法などのあることが記載されている。
そして、特許文献1記載の発明は、上杭に合わせて下杭の杭径を決定した場合、下杭は過剰な性能で、経済性に劣る設計となり、拡頭杭とした場合は杭の貫入抵抗が大きくなり施工性が低下することを解決するため、鋼管杭に生じる曲げモーメントが大きくなる適宜な部位にコンクリートを充填することを特徴とする。
図4は特許文献1記載の発明に係る鋼管杭の杭頭構造を示し、鋼管杭1の杭頭の曲げモーメントの大きい範囲Aにコンクリート2を充填し、杭頭曲げモーメントに対して抵抗させる。
止め板5として、コンクリート打設前に杭内に雨水が溜まらないように隙間などを有するものを使い、止め板5は止め爪6で杭内部に保持される。
このような構成とすることにより、杭頭部のモーメント最大箇所で鋼管の局部座屈を拘束し、鋼管の健全な耐力発現が可能で杭頭の曲げモーメントが大きい範囲にコンクリートを充填することにより、鋼管とコンクリートの両方で水平力(モーメント)に抵抗できるので、鋼管の板厚を低減できる。
あるいは、鋼管だけの場合と比べて杭径を大きくする必要がなくなる。また、コンクリートを充填してあることで、板厚の薄い鋼管を用いても局部座屈を生じることがなくなる。従って鋼管杭の設計で通常考慮する、鋼材強度の幅厚比低減が不要となり、経済的な設計が可能となる。また、コンクリート層は材料そのものが安価であり、高精度な施工技術や施工時間を要せずに形成できるものであり、全体として安価に高品質のものを実現できるものである。
特開2002−180460号公報
ところで、近年、構造物に対しては、地震による水平荷重に対する終局時性能を問われることが多々ある。一般的に、地震力下の杭は杭頭部の応力が最も厳しく、杭頭に水平力を加えた場合、杭頭部の水平移動とともに同部位の応力が上昇し同部位が損傷する。このことから、杭頭部の変形追随性がよく、損傷しにくい構造は、即ち、地震力に対する終局時の抵抗性能も高いと考えられる。
特許文献1記載の発明では、コンクリート充填部と中空鋼管部は止め板によって区切られており、杭に作用する力は、止め板とこれを支える止め爪を介して伝達される。この場合、杭の応力状態に着目すると、充填部ではコンクリートに伝達されていた応力が、止め板と止め爪を介して、鋼管へと急激に伝達されるため、同部位の応力状態が厳しくなる。
また、これに加え、同部位はコンクリートが充填されていないため、座屈しやすい状態にあり、その結果、杭頭部は早期に損傷しやすい構造となる。
そこで、本発明は、杭頭部の水平抵抗力が高く、且つ、杭頭部に健全な塑性変形を実現することが可能なコンクリート充填鋼管杭頭構造を提供することを目的とする。
本発明の課題は以下の手段で達成可能である。
1.鋼管杭に生じる曲げモーメントが大きくなる、管内の適宜な部位にコンクリートを充填するコンクリート充填鋼管杭頭構造であって、コンクリートを充填する部位が杭頭より2D(Dは鋼管杭径)の深さまでの区間であることを特徴とするコンクリート充填鋼管杭頭構造。
2.杭頭よりコンクリートを充填する部位の深さの1/2となる位置に、ズレ止めリングを取り付けたことを特徴とする1記載のコンクリート充填鋼管杭頭構造。
3.前記鋼管杭が中掘り式またはプレボ−リング式の鋼管杭であることを特徴とする1または2記載のコンクリート充填鋼管杭頭構造。
4.コンクリートを充填する際、中籠筋を挿入することを特徴とする1乃至3のいずれか一つに記載のコンクリート充填鋼管杭頭構造。
1.鋼管杭に生じる曲げモーメントが大きくなる、管内の適宜な部位にコンクリートを充填するコンクリート充填鋼管杭頭構造であって、コンクリートを充填する部位が杭頭より2D(Dは鋼管杭径)の深さまでの区間であることを特徴とするコンクリート充填鋼管杭頭構造。
2.杭頭よりコンクリートを充填する部位の深さの1/2となる位置に、ズレ止めリングを取り付けたことを特徴とする1記載のコンクリート充填鋼管杭頭構造。
3.前記鋼管杭が中掘り式またはプレボ−リング式の鋼管杭であることを特徴とする1または2記載のコンクリート充填鋼管杭頭構造。
4.コンクリートを充填する際、中籠筋を挿入することを特徴とする1乃至3のいずれか一つに記載のコンクリート充填鋼管杭頭構造。
本発明によれば、杭頭部に作用する水平力に対する抵抗性、且つ経済性に優れたコンクリート充填鋼管杭頭構造が得られ産業上極めて有用である。
本発明は、杭頭に作用する曲げモーメントに対して適宜の位置にコンクリートを充填するコンクリート充填鋼管杭頭構造において、コンクリートの充填深さを鋼管径に応じて規定し、コンクリートが充填する鋼管内にズレ止めリングを取り付けることを特徴とする。
地震による曲げモーメントは、地盤条件、地震力すなわち杭頭に作用する水平力、杭仕様などにより計算することが可能でコンクリート充填部分を杭頭よりせん断スパンの25%程度とした場合、杭耐力を有効に増強するとともに、杭頭部での健全な塑性変形を実現することが可能である。
地盤N値1〜10程度の地盤と杭径80〜120cmの鋼管杭の組合せでは、弾性評価で算定されるせん断スパンは、鋼管杭径をDとすると、およそ、3〜6D程度で、地盤塑性化時の剛性を1/4と仮定した場合は、5〜9D程度となる。
従って、コンクリート充填区間を25%のせん断スパンとして設定すると、コンクリート充填区間は0.75〜2Dと算定できる。
尚、上述したように、コンクリート充填範囲は、最大でも2Dあれば十分な塑性変形を担保できることとなるため、本発明では、杭頭部のコンクリート充填範囲は好ましくは2Dとする.
更に、本発明では、曲げ圧縮耐力を向上させる場合、コンクリート充填区間の中間にズレ止めリングを配置する。
更に、本発明では、曲げ圧縮耐力を向上させる場合、コンクリート充填区間の中間にズレ止めリングを配置する。
図1に、コンクリート充填区間の中間にズレ止めリングを配置したコンクリート充填鋼管杭頭を説明する軸方向断面図を、図2に斜視外観図を,図3に図1に示すコンクリート充填鋼管杭頭における圧縮応力の伝達経路を示す。
これらの図において1は鋼管杭、2はコンクリート、3はズレ止めリング、Dは鋼管杭径、lはコンクリート充填深さ(=2D)、Pは圧縮応力を示す。
鋼管杭1の杭頭部において、ズレ止めリング3は、管内壁の、杭頭よりコンクリートを充填する深さlの1/2となる位置に、取り付ける。ズレ止めリング3の水平方向の中心位置から杭頭までの距離l2とコンクリート充填部の下端までの距離l3が等しくなるようにズレ止めリング3を取り付ける。
ズレ止めリング3より上方の部位は鋼管コンクリートの合成構造となるため、曲げ圧縮耐力向上の効果がある。
また、杭頭に作用する圧縮応力Pのうち、コンクリート2に作用するものは、ズレ止めリング3を経て鋼管に流入するので鋼管コンクリートの合成構造におけるコンクリート2と鋼管の一体化が促進される。ズレ止めリング3の内径d1はコンクリート2の打設作業が阻害されない程度の大きさであれば良く、小さいほど、一体化が促進される。
ズレ止めリング3より下方の部位については、1D分の充填されたコンクリート2が鋼管に対し局部座屈拘束の効果を有するため、健全に塑性ヒンジを形成させることが可能となる。
本発明に係るコンクリート充填鋼管杭頭構造では、杭頭に作用する曲げモーメントに対して座屈拘束に必要な区間に限定して精度良くコンクリートを充填することが必要なため、鋼管杭の打設方法を上下方向(鉛直方向)の施工誤差の少ない中掘り式あるいはプレボーリング式とすることが好ましい。
コンクリートを充填する際、中籠筋を挿入すると、充填されたコンクリートが中籠筋によって強い一体性を保持することができるため、コンクリート充填区間が大きく変形した場合にも、上記効果を保持し続けることが可能である。
尚、コンクリート2の下端には必要に応じて、コンクリート2が落下しないように止め板を配置する。
尚、コンクリート2の下端には必要に応じて、コンクリート2が落下しないように止め板を配置する。
1 鋼管杭
2 コンクリート
3 ズレ止めリング
5 止め板
6 止め爪
P 圧縮応力
2 コンクリート
3 ズレ止めリング
5 止め板
6 止め爪
P 圧縮応力
Claims (4)
- 鋼管杭に生じる曲げモーメントが大きくなる、管内の適宜な部位にコンクリートを充填するコンクリート充填鋼管杭頭構造であって、コンクリートを充填する部位が杭頭より2D(Dは鋼管杭径)の深さまでの区間であることを特徴とするコンクリート充填鋼管杭頭構造。
- 杭頭よりコンクリートを充填する部位の深さの1/2となる位置に、ズレ止めリングを取り付けたことを特徴とする請求項1記載のコンクリート充填鋼管杭頭構造。
- 前記鋼管杭が中掘り式またはプレボ−リング式の鋼管杭であることを特徴とする請求項1または2記載のコンクリート充填鋼管杭頭構造。
- コンクリートを充填する際、中籠筋を挿入することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載のコンクリート充填鋼管杭頭構造。
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JP2007190271A JP2009024430A (ja) | 2007-07-23 | 2007-07-23 | コンクリート充填鋼管杭頭構造 |
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---|---|---|---|---|
JP2012007325A (ja) * | 2010-06-23 | 2012-01-12 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 鋼管矢板壁構造 |
CN110306535A (zh) * | 2019-05-29 | 2019-10-08 | 中国建筑西南勘察设计研究院有限公司 | 弯矩增强型混合配筋管桩 |
CN113529812A (zh) * | 2021-06-29 | 2021-10-22 | 深圳市工勘岩土集团有限公司 | 基坑逆作法灌注桩声测管吊装定位施工方法 |
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2007
- 2007-07-23 JP JP2007190271A patent/JP2009024430A/ja active Pending
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