JP6474118B2 - 鉄筋コンクリートの耐震補強構造及び方法 - Google Patents

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本発明は、橋脚などの鉄筋コンクリート構造物を耐震補強する際に適用される鉄筋コンクリートの耐震補強構造及び方法に関する。
鉄筋コンクリートからなる構造物の耐震性能が十分でない場合、耐震補強によって曲げ耐力やせん断耐力あるいは靭性を高めることが可能であり、その工法としては、既存RC部材の周囲に鉄筋コンクリートや鋼板を巻き立てる、同じく既存RC部材の周囲に炭素繊維シートを巻回するといった工法が知られている。
これらのうち、RC巻立て工法は、鉄筋コンクリート断面を増厚することで耐震性能の向上を図るものであり、比較的低コストでの施工が可能であることから、従来から広く採用されている。
かかるRC巻立て工法においては、あらたに巻き立てられる鉄筋コンクリートを既存RC部材に一体化させることが重要であり、特に、RC部材の曲げ耐力を高める上では、新旧コンクリートにおける曲げ変形時のズレせん断に対して十分な抵抗力を持たせることが不可欠となる。
新旧コンクリートのズレせん断に対する抵抗力を高めるには、チッピングやウォータージェットによって既存RC部材の表面を予め目荒らししておく方法が知られているが、騒音振動が大きい、施工可能な場所に制約がある、施工に時間を要する、廃棄物が生じるために環境への負荷が大きいなどの問題があるほか、作業員の熟練の程度によってばらつきが生じるため、品質管理が難しいという問題がある。
一方、ジベル筋あるいはアンカージベル鉄筋とも称されるアンカー筋を既存RC部材に予め立設しておく方法が知られており、かかる方法によれば、アンカー筋がズレせん断に対する抵抗要素として新旧コンクリートの一体化に寄与するため、既存RC部材の曲げ耐力を確実に向上させることができる。
特開2011−89275号公報 特開2011−99201号公報
しかしながら、アンカー筋を用いた耐震補強工法においては、新旧コンクリートのズレせん断に伴ってアンカー筋に引抜き力が作用するため、該引抜き力に抵抗できるよう、アンカー筋を十分な定着強度をもって既存RC部材に立設しなければならない。
そのため、アンカー筋を立設する際には、アンカー筋を長く形成したり基端側に拡幅部を設けたりすることで定着強度を高めることが必要となり、その結果、既存RC部材の鉄筋が損傷を受けるという問題や、それを回避しようとすると、アンカー筋の取付けに時間を要するという問題を生じていた。
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、既存RC部材の鉄筋に損傷を与えることなく、新旧コンクリートのズレせん断に対して十分な抵抗機能を発揮させることが可能な鉄筋コンクリートの耐震補強構造及び方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る鉄筋コンクリートの耐震補強構造は請求項1に記載したように、既存RC部材の周囲にあらたな鉄筋コンクリートを巻き立ててなる鉄筋コンクリートの耐震補強構造において、
前記あらたな鉄筋コンクリートが当接する前記既存RC部材の当接面に開口が円形で内面の一部又は全部が球面状の凹部を互いに離間配置されるように複数形成した状態で該あらたな鉄筋コンクリートを打設形成することにより該凹部に嵌合する凸部を前記あらたな鉄筋コンクリートに設けてシヤキーとするとともに、前記あらたな鉄筋コンクリートを前記既存RC部材に向けて押圧する載荷手段を該あらたな鉄筋コンクリートの周囲又は内部に配置してなり、該載荷手段は、前記凸部が前記凹部の開口縁部に乗り上げるようにして前記既存RC部材と前記あらたな鉄筋コンクリートとの間にズレせん断が発生しようとしたとき(前記凸部又は前記凹部が破壊する場合を除く)、前記あらたな鉄筋コンクリートが外側に膨らんでその膨らみ変形の反力が押圧力として生じるとともに、該押圧力によって、前記ズレせん断に起因する前記凹部からの前記凸部の抜け出しを抑制するようになっているものである。
また、本発明に係る鉄筋コンクリートの耐震補強構造は、前記載荷手段を前記あらたな鉄筋コンクリートの周囲に巻き立てられる鋼板又は該あらたな鉄筋コンクリートの周囲に巻回される繊維補強シートその他の巻回部材で構成したものである。
また、本発明に係る鉄筋コンクリートの耐震補強構造は、前記載荷手段を前記あらたな鉄筋コンクリートの内部に貫通される引張抵抗材で構成したものである。
また、本発明に係る鉄筋コンクリートの耐震補強構造は、前記載荷手段を前記あらたな鉄筋コンクリートの周囲に拡がる地盤で構成したものである。
また、本発明に係る鉄筋コンクリートの耐震補強方法は請求項に記載したように、請求項1乃至請求項のいずれか一記載の鉄筋コンクリートの耐震補強構造を構築する方法であって、前記凹部をコアビットを用いて形成するものである。
本発明に係る鉄筋コンクリートの耐震補強構造においては、既存RC部材の周囲にあらたな鉄筋コンクリートを巻き立てるにあたり、あらたな鉄筋コンクリートが当接する既存RC部材の当接面に予め凹部を形成し、かかる状態であらたな鉄筋コンクリートを打設形成することにより、該凹部に嵌合する凸部をあらたな鉄筋コンクリートに設けるとともに、あらたな鉄筋コンクリートを既存RC部材に向けて押圧する載荷手段を該あらたな鉄筋コンクリートの周囲又は内部に配置してある。
このようにすると、既存RC部材とあらたな鉄筋コンクリートとの界面に沿って相対変形、いうなればズレせん断が生じるとともにそれに起因してあらたな鉄筋コンクリートに設けられた凸部が既存RC部材に形成された凹部から抜け出そうとしたとき、その動きは、あらたな鉄筋コンクリートを介して作用する載荷手段からの押圧力で抑制される。
そのため、ズレせん断に伴う既存RC部材の凹部からのあらたな鉄筋コンクリートの凸部の抜け出しが防止されることとなり、かくしてあらたな鉄筋コンクリートの凸部及び既存RC部材の凹部からなる嵌合は、シヤキーとしての本来の機能を十分に発揮して既存RC部材とあらたな鉄筋コンクリートとを強固に一体化する。
また、既存RC部材に形成された凹部とあらたな鉄筋コンクリートの凸部との嵌合が載荷手段によって保持されることにより、既存RC部材とあらたな鉄筋コンクリートとのズレせん断が防止されるため、従来のようにアンカー筋を用いてズレせん断を防止する必要がなくなり、アンカー筋が既存RC部材の鉄筋を損傷させるリスクも皆無となる。
なお、上述した押圧力は、既存RC部材を周囲から拘束する作用を発揮するため、結果として、既存RC部材をせん断補強しあるいは靭性補強することにもなる。
既存RC部材は、曲げ変形を生じるすべてのRC部材が包摂されるものであり、曲げ圧縮材である橋脚等の柱部材をはじめ、曲げ材である梁などが既存RC部材に該当する。
複数の凹部は、互いに離間形成されかつ開口がそれぞれ円形となるように形成する。このようにすれば、凹部の内径、深さ及び内面形状並びに配置ピッチを管理することで、ズレせん断の耐力を適切に評価することが可能となり、かくして信頼性の高い耐震補強を行うことができる。
凹部をその開口が円形となるように形成する場合における該凹部の内面形状は内面の一部又は全部を球面状としたものとする。このようにすれば、ズレせん断に応答してあらたな鉄筋コンクリートが外方に膨らんだとき、その変形に対する反力が載荷手段に発生するとともに該反力が押圧力の一部としてあらたな鉄筋コンクリートを既存RC部材に向けて押し戻すため、シヤキーとしての機能がいっそう保持されるとともに、その結果、既存RC部材とあらたな鉄筋コンクリートとのズレせん断がさらに確実に防止される。
載荷手段は、あらたな鉄筋コンクリートを既存RC部材に向けて押圧する、換言すれば既存RC部材とあらたな鉄筋コンクリートとの界面に対してほぼ垂直にあらたな鉄筋コンクリートを押圧することで、あらたな鉄筋コンクリートが既存RC部材から離間しようとする変形を拘束ないしは抑制することができる限り、その具体的な構成は任意であり、例えば、あらたな鉄筋コンクリートの周囲に鋼板を巻き立て、あるいはその周囲に繊維補強シートその他の巻回部材を巻回するといった構成や、あらたな鉄筋コンクリートの内部に引張抵抗材を貫通配置するといった構成が可能である。
ちなみに、上述した鋼板、巻回部材あるいは引張抵抗材においては、それらの面内方向あるいは材軸方向に生じる引張力の作用方向があらたな鉄筋コンクリートの周面に沿った位置あるいはその内側を通る断面内の位置によって変化し、その変化によって生じる曲率中心への力が既存RC部材に向かう押圧力となる。
ここで、載荷手段は、既存RC部材とあらたな鉄筋コンクリートとの間にズレせん断が発生しようとしたとき、そのズレせん断の発生に応答する形で押圧力を発生させる構成としてある
上述した例で言えば、鋼板や巻回部材あるいは引張抵抗材に引張力を初期導入しない構成であって、既存RC部材やあらたな鉄筋コンクリートが地震時水平力で曲げ変形するとともに、該地震時水平力によってそれらに生じる膨張変形に応答する形で押圧力を発生させる構成となる
一方、載荷手段は、鋼板や巻回部材あるいは引張抵抗材による引張力で押圧力を生じさせる構成に限定されるものではなく、例えばあらたな鉄筋コンクリートの周囲に拡がる地盤で構成し、該地盤から作用する土圧を押圧力とすることが可能である。
上述した凹部をどのような方法で形成するかは任意であるが、該凹部をコアビットを用いて形成するようにしたならば、騒音振動が大きく環境への負荷も大きいというチッピングによる問題を解決することが可能となる。なお、コアビットは、円筒体の先端側周縁に刃先が設けられたコアビット(コアドリル)とする。
本実施形態に係る鉄筋コンクリートの耐震補強構造1の全体断面図。 本実施形態に係る鉄筋コンクリートの耐震補強構造1の詳細図であり、(a)はA−A線に沿う詳細断面図、(b)はB−B線に沿う詳細断面図。 本実施形態に係る鉄筋コンクリートの耐震補強構造1における構築状況を示した図。 本実施形態に係る鉄筋コンクリートの耐震補強構造1の作用を示した説明図であり、(a)は水平断面図、(b)はC−C線に沿う鉛直断面図。 変形例に係る凹部を示した詳細断面図。 変形例に係る鉄筋コンクリートの耐震補強構造の図であり、(a)は水平断面図、(b)はD−D線に沿う鉛直断面図。 変形例に係る鉄筋コンクリートの耐震補強構造の図であり、(a)は配置図、(b)はE−E線に沿う水平断面図。
以下、本発明に係る鉄筋コンクリートの耐震補強構造及び方法の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る鉄筋コンクリートの耐震補強構造を示した全体断面図、図2は同じく詳細断面図である。これらの図でわかるように、本実施形態に係る鉄筋コンクリートの耐震補強構造1は、既存RC部材としての橋脚2の周囲にあらたな鉄筋コンクリート3を巻き立てるにあたり、あらたな鉄筋コンクリート3が当接する橋脚2の当接面に凹部11を予め形成し、かかる状態であらたな鉄筋コンクリート3を打設形成することにより、凹部11に嵌合する凸部12をあらたな鉄筋コンクリート3に設けるとともに、該あらたな鉄筋コンクリートの周囲に鋼板4を巻き立てて構成してある。
凹部11は図2(b)でよくわかるように、互いに離間形成されるように、本実施形態では特に水平鉛直2方向、同図では上下左右2方向に沿って列状に配置することで格子状に配置してあるとともに、開口がそれぞれ円形となるように形成してある。
鋼板4は、橋脚2やあらたな鉄筋コンクリート3がそれらの曲げ変形に起因して互いの界面に沿った方向に相対変形しようとしたとき、橋脚2やあらたな鉄筋コンクリート3の膨張変形の反力として該鋼板の周方向に生じる引張力により、あらたな鉄筋コンクリート3を橋脚2に向けて押圧する載荷手段として機能する。
本実施形態に係る鉄筋コンクリートの耐震補強構造1を構築するには、まず、図3に示すように、開口が円形の複数の凹部11をそれらが格子状に配置されるように橋脚2の表面13に形成する。凹部11は、例えば円筒体の先端側周縁に刃先が設けられたコアビット(コアドリル)を用いて形成することが可能である。
凹部11を穿孔するにあたっては、その深さD2が橋脚2の鉄筋21のかぶり厚さD1未満となるように設定する。
次に、橋脚2の周囲に配筋を施すとともに該橋脚の表面13から離間するように鋼板4を建て込み、次いで、鋼板4を型枠材としてその内側にフレッシュコンクリートを打設することにより、橋脚2と鋼板4との間にあらたな鉄筋コンクリート3を構築するとともに、該フレッシュコンクリートを橋脚2の凹部11に流入させることで、該凹部に嵌合する凸部12をあらたな鉄筋コンクリート3に突設する。
このように突設形成された凸部12は、該凸部が嵌合される凹部11との協働作用によってシヤキーとして機能し、橋脚2とあらたな鉄筋コンクリート3との一体化に寄与する。
本実施形態に係る鉄筋コンクリートの耐震補強構造1においては、橋脚2の周囲にあらたな鉄筋コンクリート3を巻き立てるにあたり、あらたな鉄筋コンクリート3を橋脚2に向けて押圧する載荷手段としての鋼板4を該あらたな鉄筋コンクリートの周囲に巻き立ててある。
このようにすると、橋脚2やあらたな鉄筋コンクリート3が、交番荷重である地震時水平力を繰り返し受けることで外側にはらみ出しながら曲げ変形するとともに該曲げ変形に起因してそれらの界面に沿った方向に相対変形しようとする際、鋼板4には図4に示すように、橋脚2やあらたな鉄筋コンクリート3の膨張変形の反力として周方向の引張力が発生し、該引張力が押圧力としてあらたな鉄筋コンクリート3を橋脚2に向けて押圧する。
そのため、図4(b)に示すように、橋脚2とあらたな鉄筋コンクリート3とのズレせん断に起因して凸部12が凹部11から外れようとしても、その動きは、あらたな鉄筋コンクリート3を介して作用する鋼板4からの押圧力で抑制される。
以上説明したように、本実施形態に係る鉄筋コンクリートの耐震補強構造1によれば、橋脚2の周囲にあらたな鉄筋コンクリート3を巻き立てるにあたり、あらたな鉄筋コンクリート3を橋脚2に向けて押圧する載荷手段としての鋼板4を該あらたな鉄筋コンクリートの周囲に巻き立てるようにしたので、凹部11からの凸部12の抜け出しは、上述したように、あらたな鉄筋コンクリート3を介して作用する鋼板4からの押圧力によって防止されることとなり、かくして凸部12は凹部11とともに、シヤキーとしての本来の機能を十分に発揮し、橋脚2とあらたな鉄筋コンクリート3とを強固に一体化する。
また、上述したように、凸部12及び凹部11によるシヤキーとしての機能が鋼板4からの押圧力によって保持されるため、アンカー筋を用いる必要がなくなるとともに、凹部11の深さD2を橋脚2の鉄筋かぶり厚さD1未満としたので、凹部11の穿孔作業における作業能率を何ら低下させることなく、橋脚2に埋設された鉄筋21への損傷リスクを皆無にすることができる。
また、本実施形態に係る鉄筋コンクリートの耐震補強構造1によれば、鋼板4の押圧力が、橋脚2の膨張変形を周囲から拘束する作用も果たすため、橋脚2のせん断補強及び靭性補強も可能となる。
また、本実施形態に係る鉄筋コンクリートの耐震補強構造1によれば、凹部11を、互いに離間形成されかつ開口がそれぞれ円形となるように複数の凹部として形成したので、凹部11の内径、深さ及び内面形状並びに配置ピッチを管理することで、ズレせん断の耐力を適切に評価することが可能となり、かくして信頼性の高い耐震補強を行うことができる。
また、本実施形態に係る鉄筋コンクリートの耐震補強方法によれば、凹部11を、円筒体の先端側周縁に刃先が設けられたコアビット(コアドリル)を用いて形成するようにしたので、騒音振動が大きく環境への負荷も大きいというチッピングによる問題を解決すること可能となる。
本実施形態では、図2乃至図4に示したように、凹部11を、側部が円筒状で底部が平坦となるように構成したが、これに代えて、図5(a)に示すように側部が円筒状で底部が球面状となるように形成された凹部11aを採用してもよいし、同図(b)に示すように全体が球面状となるように形成された凹部11bを採用してもよい。
これらの構成、特に凹部11bによれば、図5(c)に示すように、あらたな鉄筋コンクリート3の凸部12bが橋脚2の凹部11bの開口縁部に乗り上げるようにしてズレせん断が生じようとしたとき、あらたな鉄筋コンクリート3が外側に膨らみ、その膨らみ変形の反力が鋼板4に生じてその反力が鋼板4からの押圧力の一部となってあらたな鉄筋コンクリート3を橋脚2に向けて押し戻すため、凸部12b及び凹部11bが割れ等の損傷を生じることなく、それらによるシヤキーとしての機能が確実に保持されるとともに、それによって橋脚2とあらたな鉄筋コンクリート3とのズレせん断もより確実に抑制される。
また、本実施形態では、載荷手段として鋼板4を採用したが、これに代えて、巻回部材としての繊維補強シートをあらたな鉄筋コンクリート3の周囲に巻回するようにしてもよいし、図6に示すように、PCストランドとして用いられる引張抵抗材51をあらたな鉄筋コンクリート3の断面内に貫通配置するようにしてもよい。
かかる構成においても上述の実施形態と同様、あらたな鉄筋コンクリート3を介して作用する引張抵抗材51からの押圧力により、凹部11からの凸部12の抜け出しが防止される。
また、本実施形態及びその変形例では、引張力を初期導入しない形で鋼板4をあらたな鉄筋コンクリート3の周囲に巻き立てるようにし、あるいは繊維補強シートや引張抵抗材51をあらたな鉄筋コンクリート3の周囲に巻回し、あるいはその断面内に貫通配置するようにしたが、これらに代えて、繊維補強シートや引張抵抗材51を所定の緊張力であらたな鉄筋コンクリート3の周囲に巻回し、あるいはその断面内に貫通配置するようにしてもかまわない。
このようにすれば、橋脚2に向かう押圧力が常時、あらたな鉄筋コンクリート3に作用するため、凹部11からの凸部12の抜け出しをより確実に防止することが可能となる。
また、本実施形態及びその変形例では、鋼板4や巻回部材あるいは引張抵抗材51による引張力で押圧力を生じさせる構成としたが、これに代えて図7に示すように、フーチング62に立設された橋脚2をその立ち上がり箇所で耐震補強する必要がある場合において、該立ち上がり箇所近傍で十分な大きさの土圧を期待できる場合には、橋脚2の立ち上がり箇所を適宜開削してあらたな鉄筋コンクリート3を巻き立て、しかる後、開削箇所を埋め戻して十分に締め固めることにより、あらたな鉄筋コンクリート3の周囲に拡がる地盤61からの土圧を押圧力として該あらたな鉄筋コンクリートに作用させる構成を採用することができる。
1 鉄筋コンクリートの耐震補強構造
2 橋脚(既存RC部材)
3 あらたな鉄筋コンクリート
4 鋼板(載荷手段)
11 凹部
12 凸部
51 引張抵抗材
61 地盤

Claims (5)

  1. 既存RC部材の周囲にあらたな鉄筋コンクリートを巻き立ててなる鉄筋コンクリートの耐震補強構造において、
    前記あらたな鉄筋コンクリートが当接する前記既存RC部材の当接面に開口が円形で内面の一部又は全部が球面状の凹部を互いに離間配置されるように複数形成した状態で該あらたな鉄筋コンクリートを打設形成することにより該凹部に嵌合する凸部を前記あらたな鉄筋コンクリートに設けてシヤキーとするとともに、前記あらたな鉄筋コンクリートを前記既存RC部材に向けて押圧する載荷手段を該あらたな鉄筋コンクリートの周囲又は内部に配置してなり、該載荷手段は、前記凸部が前記凹部の開口縁部に乗り上げるようにして前記既存RC部材と前記あらたな鉄筋コンクリートとの間にズレせん断が発生しようとしたとき(前記凸部又は前記凹部が破壊する場合を除く)、前記あらたな鉄筋コンクリートが外側に膨らんでその膨らみ変形の反力が押圧力として生じるとともに、該押圧力によって、前記ズレせん断に起因する前記凹部からの前記凸部の抜け出しを抑制するようになっていることを特徴とする鉄筋コンクリートの耐震補強構造。
  2. 前記載荷手段を前記あらたな鉄筋コンクリートの周囲に巻き立てられる鋼板又は該あらたな鉄筋コンクリートの周囲に巻回される繊維補強シートその他の巻回部材で構成した請求項1記載の鉄筋コンクリートの耐震補強構造。
  3. 前記載荷手段を前記あらたな鉄筋コンクリートの内部に貫通される引張抵抗材で構成した請求項1記載の鉄筋コンクリートの耐震補強構造。
  4. 前記載荷手段を前記あらたな鉄筋コンクリートの周囲に拡がる地盤で構成した請求項1記載の鉄筋コンクリートの耐震補強構造。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか一記載の鉄筋コンクリートの耐震補強構造を構築する方法であって、前記凹部をコアビットを用いて形成することを特徴とする鉄筋コンクリートの耐震補強方法。
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