JP2009021978A - 伝送ケーブル - Google Patents

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亮 松原
Koji Fusayasu
浩嗣 房安
Shinichi Tanimoto
真一 谷本
Seiji Hamada
清司 濱田
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Abstract

【課題】3本の信号線を有する伝送ケーブルであって、不要輻射ノイズの少ない伝送ケーブルを提供する。
【解決手段】差動伝送ケーブル2の長手方向に垂直な断面において、信号線2a,2b,2cのうちの任意の一対の信号線間の距離は所定値に等しい。差動伝送ケーブル2Aは、当該差動伝送ケーブル2Aの長手方向にわたってツイストされている。差動伝送ケーブル2Bは、誘電体芯線2dをさらに備え、信号線2a,2b,2cは誘電体芯線2dの表面上に形成される。差動伝送ケーブル2Cにおいて、信号線2a,2b,2cは、誘電体芯線2dの長手方向に沿って螺線状に形成される。
【選択図】図7

Description

本発明は、複数の信号を伝送するための伝送ケーブルに関し、特に、高速信号伝送方式の1つである差動伝送において、複数のデータビットの伝送を少ない本数の信号線を備えた差動伝送線路で実現する多重差動伝送を行うための伝送ケーブルに関するものである。
従来、高速信号の伝送には、電源電圧で論理振幅するシングルエンド信号が用いられてきたが、近年の高速データ転送の要求に伴う駆動周波数の高周波数化、バス幅の増大に対して、不要輻射ノイズ抑制と外来ノイズに対する耐性の観点から、低電圧差動信号伝送(Low Voltage Differential Signaling:LVDS)技術が利用されるケースが増えている。一般に、LVDSでは、差動信号が流れる2本の伝送線路間には逆相のディファレンシャルモード電流だけが流れるように差動ドライバICは設計されている。
図25は、第1の従来技術に係る差動伝送回路の回路図であり、図26は、図25の差動伝送回路の概略構成を示す斜視図である。図25の差動伝送回路は、従来のLVDSインターフェースの構成の一例を示す。図26に示すように、差動ドライバIC911はプリント配線基板914a上に設けられ、差動レシーバIC913は、プリント配線基板914aから遠隔した他のプリント配線基板914b上に設けられ、差動ドライバIC911と差動レシーバIC913とは、+側の信号線912a及び−側の信号線912bを備えた差動伝送線路として構成された差動伝送ケーブル912により接続される(プリント配線基板914a,914b上の他の回路要素については、図示を省略する。)。これにより、差動ドライバIC911に入力されたビット情報信号は、差動伝送ケーブル912を介して差動レシーバIC913に伝送されて出力される。
図25において、差動ドライバIC911の+側の出力端子(図25では、点p1により表す。)は、信号線912aを介して、差動レシーバIC913の+側の入力端子に接続され、同様に、差動ドライバIC911の−側の出力端子(図25では、点p2により表す。)は、信号線912bを介して、差動レシーバIC913の−側の入力端子に接続される。差動伝送ケーブル912を終端するために、信号線912a上において差動レシーバIC913に近接した点p3と、信号線912b上において差動レシーバIC913に近接した点p4とは、100Ωの終端抵抗Rにより接続される。差動伝送ケーブル912は50Ωの奇モードインピーダンスを有する。差動伝送ケーブル912の+側信号線912aと−側信号線912bの電気的特性は等しく、これらは平衡な伝送線路を形成しており、LVDSではこの2本の信号線912a,912bにより1つのビット情報信号の伝送を行う。差動ドライバIC911は、その入力端子から入力されたビット情報信号に基づいて、差動伝送ケーブル912の+側と−側の間に電位差を生じるような差動信号を生成する。詳しくは、差動ドライバIC911は約3.5mAの電流を駆動し、100Ωの終端抵抗Rの両端点p3,p4間に約350mVの電圧を発生させる。差動レシーバIC913は、終端抵抗Rの両端点p3,p4間に生じる約350mVの差動信号を検出してCMOSレベル(電源電圧の20〜40%程度の電圧レベル。以下同様。)に変換し、変換後のビット情報信号を出力端子から出力する。
LVDSでは、差動伝送ケーブル912の+側の信号線912aと−側の信号線912bとをそれぞれ流れる信号電流Isが同じ大きさを有し、かつ互いに逆の向きを有するので、それぞれに流れる電流によって発生する磁界は互いに打ち消しあうことに加えて、その信号レベルが小さいことから、不要輻射ノイズや、クロストークノイズの発生を抑制する。また、外来のノイズに対しても、影響の受け方が差動伝送ケーブル912の+側と−側とで相対的に同じであれば信号の論理値に影響しないので、LVDSはノイズ耐性にも優れている。しかしながら、LVDSに限らず、プリント配線基板、伝送ケーブル等の差動伝送線路や終端回路等の差動インピーダンスのミスマッチや、差動伝送ケーブル912の信号線912a,912b間のスキューなどによっても、差動伝送ケーブル912にはわずかな同相のコモンモード電流が流れてしまう。図25の差動伝送ケーブル912において、ディファレンシャルモード電流成分は、終端抵抗Rによって整合して終端されるものの、コモンモード電流成分については回路上流れる経路がなく、プリント配線基板914a,914bの持つ浮遊容量等を介してリターンする。そのため、差動伝送ケーブル912に発生するコモンモード電流成分が、LVDS伝送系から放射される不要輻射ノイズの主な原因となっていた。この点を解決するために、図26に示すように、2本の信号線912a,912bを平行にかつ直近の位置関係にレイアウトし、差動インピーダンスのミスマッチを防いでいる(例えば、特許文献1を参照)。上述の方法では、2本の信号線912a,912bから構成された差動伝送ケーブル912に流れるコモンモード電流が抑制され、伝送ノイズ及び不要輻射ノイズを抑制できる。
しかしながら、図25及び図26の差動伝送回路では、通常のシングルエンド伝送方式に比べて、上述したような高速伝送における多くのメリットを有するが、1つのデータビットを伝送するために2本の信号線912a,912bを必要とするので、多ビット伝送を実現するには信号線の数が多くなり、差動伝送ケーブル912が太くなること、また、プリント配線基板914a,914b上の配線領域が大きくなることなどの問題点があった。この問題を解決する1つの方法として、3本の信号線を用いてその中の1つの信号線を相補データ線として利用することで、従来の差動伝送では4本の信号線が必要であった2つのデータビットの伝送を、3本の信号線で実現する方法が考えられている(例えば、特許文献2を参照)。
図27は、第2の従来技術に係る差動伝送回路の概略構成を示す斜視図であり、図28は、図27の差動伝送ケーブル912Aの横断面図である。差動ドライバIC911Aと差動レシーバIC913Aとは、3本の信号線912a,912b,912cから構成された差動伝送ケーブル912Aにより接続される。差動ドライバIC911Aに入力された第1のビット情報信号は、信号線912a,912bを介して差動レシーバIC913Aに伝送され、同様に、差動ドライバIC911Aに入力された第2のビット情報信号は、信号線912b,912cを介して差動レシーバIC913Aに伝送される。信号線912a,912bを終端するための終端抵抗と、信号線912b,912cを終端するための終端抵抗とが、差動レシーバIC913A内に設けられる。差動伝送ケーブル912Aの3本の信号線912a,912b,912cを図28に示すように配置した場合、互いに近接する2本の信号線912a,912b間及び912b,912c間と、両サイドの信号線912a,912c間とでは、距離が異なり(L1≠L3、L2≠L3)、差動インピーダンスを一定に保つことができないので互いの電磁界を打ち消すことができず、不要輻射ノイズを削減することができないという新しい課題が生じた。
特開2001−267701号。 特許第3507687号。
本発明は以上の課題を解決し、3本の信号線を備えて複数の信号を伝送するための伝送ケーブルであって、不要輻射ノイズの少ない伝送ケーブルを提供することを目的とする。
第1の発明は、多重差動伝送システムに用いられ、3組の差動信号を多重伝送する伝送ケーブルであって、3本の信号線を備える伝送ケーブルである。伝送ケーブルの長手方向に垂直な断面において、3本の信号線のうちの任意の一対の信号線間の距離は、所定値に等しい。
そして、多重差動伝送システムは、信号送信機と、信号受信機と、を備える。信号送信機は、第1、第2及び第3の信号線を有する差動伝送路に接続され、第1の差動ドライバと、第2の差動ドライバと、第3の差動ドライバと、を備える。第1の差動ドライバは、第1のビット情報信号に応答して、第1出力信号と、第1出力信号の位相反転信号である反転第1出力信号とを送信する。第2の差動ドライバは、第2のビット情報信号に応答して、第2出力信号と、第2出力信号の位相反転信号である反転第2出力信号とを送信する。第3の差動ドライバは、第3のビット情報信号に応答して、第3出力信号と、第3出力信号の位相反転信号である反転第3出力信号とを送信する。
そして、信号送信機は、第1出力信号と反転第3出力信号とを合成して第1の信号線に送信し、第2出力信号と反転第1出力信号とを合成して第2の信号線に送信し、第3出力信号と反転第2出力信号とを合成して第3の信号線に送信する。第1出力信号の2値信号電圧の絶対値と第2出力信号の2値信号電圧の絶対値とは同一であり、第3出力信号の2値信号電圧の絶対値と第1出力信号の2値信号電圧の絶対値は異なるものである。
信号受信機は、第1、第2及び第3の信号線を有する差動伝送路に接続され、第1の差動レシーバと、第2の差動レシーバと、第3の差動レシーバと、比較手段と、制御手段と、を備える。
第1の差動レシーバは、第1の信号線と第2の信号線との間に接続された第1の終端抵抗に発生する終端電圧の極性を検出して、当該検出結果を第1のビット情報信号として出力する。第2の差動レシーバは、第2の信号線と第3の信号線との間に接続された第2の終端抵抗に発生する終端電圧の極性を検出して、当該検出結果を第2のビット情報信号として出力する。第3の差動レシーバは、第3の信号線と第1の信号線との間に接続された第3の終端抵抗に発生する終端電圧の極性を検出して、当該検出結果を第3のビット情報信号として出力する。比較手段は、第3の終端抵抗に発生する第3の終端電圧の絶対値が所定のしきい値電圧を超えるか否かを判断する。制御手段は、第3の終端電圧の絶対値が所定のしきい値電圧を超えるとき、第1、第2及び第3の差動レシーバからそれぞれ出力される第1、第2及び第3のビット情報信号を出力する一方、第3の終端電圧の絶対値が所定のしきい値電圧を超えないとき、第3の差動レシーバから出力される第3のビット情報信号に基づいて第1、第2及び第3のすべてのビット情報信号を0または1として出力する。
そして、信号受信機において、しきい値電圧は、第1出力信号の2値信号電圧の絶対値と第3出力信号の2値信号電圧の絶対値との差の絶対値よりも大きくなるように設定される。
第2の発明は、第1の発明であって、3本の信号線は、3本の信号線の長手方向に互いにツイストされている。
第3の発明は、誘電体にてなる芯線と、芯線の表面上に形成された3本の信号線と、を備えた伝送ケーブルであって、伝送ケーブルの長手方向に垂直な断面において、3本の信号線のうちの任意の一対の信号線間の距離は、所定値に等しい。
第4の発明は、第3の発明であって、多重差動伝送システムに用いられ、3組の差動信号を多重伝送する、伝送ケーブルである。多重差動伝送システムは、信号送信機と、信号受信機と、を備える。
信号送信機は、第1、第2及び第3の信号線を有する差動伝送路に接続され、第1の差動ドライバと、第2の差動ドライバと、第3の差動ドライバと、を備える。第1の差動ドライバは、第1のビット情報信号に応答して、第1出力信号と、第1出力信号の位相反転信号である反転第1出力信号とを送信する。第2の差動ドライバは、第2のビット情報信号に応答して、第2出力信号と、第2出力信号の位相反転信号である反転第2出力信号とを送信する。第3の差動ドライバは、第3のビット情報信号に応答して、第3出力信号と、第3出力信号の位相反転信号である反転第3出力信号とを送信する。
そして、信号送信機は、第1出力信号と反転第3出力信号とを合成して第1の信号線に送信し、第2出力信号と反転第1出力信号とを合成して第2の信号線に送信し、第3出力信号と反転第2出力信号とを合成して第3の信号線に送信する。第1出力信号の2値信号電圧の絶対値と第2出力信号の2値信号電圧の絶対値とは同一であり、第3出力信号の2値信号電圧の絶対値と第1出力信号の2値信号電圧の絶対値は異なるものである。
信号受信機は、第1、第2及び第3の信号線を有する差動伝送路に接続され、第1の差動レシーバと、第2の差動レシーバと、第3の差動レシーバと、比較手段と、制御手段と、を備える。第1の差動レシーバは、第1の信号線と第2の信号線との間に接続された第1の終端抵抗に発生する終端電圧の極性を検出して、当該検出結果を第1のビット情報信号として出力する。第2の差動レシーバは、第2の信号線と第3の信号線との間に接続された第2の終端抵抗に発生する終端電圧の極性を検出して、当該検出結果を第2のビット情報信号として出力する。第3の差動レシーバは、第3の信号線と第1の信号線との間に接続された第3の終端抵抗に発生する終端電圧の極性を検出して、当該検出結果を第3のビット情報信号として出力する。比較手段は、第3の終端抵抗に発生する第3の終端電圧の絶対値が所定のしきい値電圧を超えるか否かを判断する。制御手段は、第3の終端電圧の絶対値が所定のしきい値電圧を超えるとき、第1、第2及び第3の差動レシーバからそれぞれ出力される第1、第2及び第3のビット情報信号を出力する一方、第3の終端電圧の絶対値が所定のしきい値電圧を超えないとき、第3の差動レシーバから出力される第3のビット情報信号に基づいて第1、第2及び第3のすべてのビット情報信号を0または1として出力する。そして、しきい値電圧は、第1出力信号の2値信号電圧の絶対値と第3出力信号の2値信号電圧の絶対値との差の絶対値よりも大きくなるように設定される。
第5の発明は、第3または第4の発明であって、3本の信号線は、芯線の表面上に印刷された導体パターンとして形成されている。
第6の発明は、第3または第4の発明であって、3本の信号線は、芯線の表面上に形成された導体層をエッチングすることにより形成されたことを特徴とする。
第7の発明は、第3から第6のいずれかの発明であって、3本の信号線は、芯線の長手方向に沿って螺線状に形成されている。
第8の発明は、第1から第7のいずれかの発明であって、3本の信号線は、伝送ケーブルの長手方向に垂直な断面において、伝送ケーブルの中心に関して120度の回転対称性を有する。
第9の発明は、第1から第7のいずれかの発明であって、伝送ケーブルは、当該伝送ケーブルの長手方向に垂直な断面において、当該伝送ケーブルの中心に関して120度の回転対称性を有する。
本発明によれば、3本の信号線を有する伝送ケーブルにおいて、各信号線間の距離と差動インピーダンスを一定に保つことができるので、伝送される信号間の互いの電磁界を打ち消し、不要輻射ノイズの少ない多重差動伝送ケーブルを提供することができる。
特に、多重差動伝送システムにおいて、本発明の多重差動伝送ケーブルを用いることで、その効果は顕著となる。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の各実施形態において、同様の構成要素については同一の符号を付している。
[第1の実施形態]
<1.1:差動伝送ケーブル>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る差動伝送回路の回路図であり、図2は、図1の差動伝送ケーブル2の構成を一部破断により示した斜視図であり、図3は、図1の差動伝送ケーブル2の横断面図である。本実施形態の差動伝送回路では、3本の信号線2a,2b,2cから構成された差動伝送ケーブル2を介して、3つのビット情報信号をLVDSにより差動伝送する。
図1において、差動ドライバIC1と差動レシーバIC3とは、3本の信号線2a,2b,2cを備えて差動伝送線路として構成された差動伝送ケーブル2により接続され、差動ドライバIC1に入力された3つのビット情報信号は、差動伝送ケーブル2を介して差動レシーバIC3に伝送されて出力される。差動ドライバIC1及び差動レシーバIC3の内部の詳細構成と、信号伝送の詳細とについては後述する。図2及び図3を参照すると、信号線2a,2b,2cは、ゴム又はビニル等の絶縁被覆2aa,2ba,2caをそれぞれ備えた導線として構成され、また、互いに同じ断面形状を有するように構成される。信号線2a,2b,2cはさらに、その横断面を見たときに、信号線2a,2bの中心O1,O2間の距離L1と、信号線2b,2cの中心O2,O3間の距離L2と、信号線2c,2aの中心O3,O1間の距離L3とが互いに等しくなるように配置される。従って、信号線2a,2b,2cのうちの任意の一対の信号線間の距離は所定値に等しく、さらに、図3に示すように、信号線2a,2b,2cから構成される差動伝送ケーブル2は、横断面において120度の回転対称性を有する。本実施形態の差動伝送ケーブル2は、上記の形状を備えたことにより、その効果として、3本の信号線2a,2b,2cを容易に等間隔に維持できるので、差動インピーダンスを一定に保つことができるとともに、信号電流で発生する電磁界を互いに打ち消すことができ、従って、不要輻射ノイズの少ない多重差動伝送ケーブル実現することができる。
以下、差動伝送ケーブル2を用いて3つのビット情報信号を伝送する方法について詳述する。図1の差動伝送回路において、差動ドライバIC1は差動ドライバ回路1a,1b,1cを備えて構成され、差動レシーバIC3は、差動増幅器である差動レシーバ回路3a,3b,3cと終端抵抗R1,Rb,Rcとを備えて構成される。差動ドライバIC1及び差動レシーバIC3は、図26及び図27の差動伝送回路と同様に、別個のプリント配線基板(図示せず。)上にそれぞれ設けられる。
差動ドライバIC1において、差動ドライバ回路1aの+側の出力端子a1は信号線2aに接続され、その−側の出力端子a2は信号線2bに接続され、差動ドライバ回路1bの+側の出力端子b1は信号線2bに接続され、その−側の出力端子b2は信号線2cに接続され、差動ドライバ回路1cの+側の出力端子c1は信号線2cに接続され、その−側の出力端子c2は信号線2aに接続される。差動ドライバ回路1a,1b,1cはそれぞれ約3.5mAの電流を駆動し、差動ドライバIC1に到来するビット情報信号に応答して差動信号を発生させる。詳しくは、差動ドライバ回路1aは、差動ドライバIC1に到来する第1ビット情報信号に応答して、信号線2a,2b間に電位差を生じるような差動信号(すなわち、所定振幅の信号と、その反転信号)を発生させる。例えば、ビット情報信号が「0」であるときには、差動ドライバ回路1aは、+側の出力端子a1から負の電位の信号を出力し、−側の出力端子a2から正の電位の信号を出力する一方、ビット情報信号が「1」であるときには、差動ドライバ回路1aは、+側の出力端子a1から正の電位の信号を出力し、−側の出力端子a2から負の電位の信号を出力する。同様に、差動ドライバ回路1bは、差動ドライバIC1に到来する第2ビット情報信号に応答して、信号線2b,2c間に電位差を生じるような差動信号を発生させ、差動ドライバ回路1cは、差動ドライバIC1に到来する第3ビット情報信号に応答して、信号線2c,2a間に電位差を生じるような差動信号を発生させる。差動伝送ケーブル2は、各信号線2a,2b,2c間において、例えば50Ωの奇モードインピーダンスを有する。信号線2a,2b,2cの電気的特性は互いに等しく平衡な伝送線路を形成し、この3本の信号線2a,2b,2cにより3つのビット情報信号の伝送を行う。また、差動レシーバIC3において、信号線2a,2bの対を終端するように終端抵抗Raが設けられ、信号線2b,2cの対を終端するように終端抵抗Rbが設けられ、信号線2c,2aの対を終端するように終端抵抗Rcが設けられる。終端抵抗Ra,Rb,Rcは、例えば差動インピーダンスと等しい100Ωの抵抗値をそれぞれ有し、各終端抵抗Ra,Rb,Rcの両端には、差動ドライバ回路1a,1b,1cが駆動した約3.5mAの電流の電流方向に従って、約+350mV又は約−350mVの電圧が発生する。差動レシーバ回路3aは、終端抵抗Raの両端点間に生じる正又は負の電位を検出することにより、伝送された第1ビット情報信号を復元し、復元された第1ビット情報信号をCMOSレベルに変換して出力する。同様に、差動レシーバ回路3bは、終端抵抗Rbの両端点間に生じる正又は負の電位を検出することにより、伝送された第2ビット情報信号を復元し、復元された第2ビット情報信号をCMOSレベルに変換して出力し、差動レシーバ回路3cは、終端抵抗Rcの両端点間に生じる正又は負の電位を検出することにより、伝送された第2ビット情報信号を復元し、復元された第2ビット情報信号をCMOSレベルに変換して出力する。
差動伝送ケーブル2を介してビット情報信号が伝送されたとき、差動レシーバIC3は以下のように、伝送される前のビット情報信号を復元する。
表1は、伝送されるビット情報信号と、信号線2a,2b,2cのそれぞれにおける差動レシーバ回路3a,3b,3c側の端部における電位(終端電位)との関係を示したビット割り当て表である。終端電位の値は、説明の簡単化のために正規化してある。
ここで、各信号線2a,2b,2cの終端電位について説明する。1本の信号線には、ドライバ側において、2つの差動ドライバ回路によって発生された2つの電圧信号V,Vが重畳されて印加され、レシーバ側において、レシーバ全体のインピーダンスZが装荷される。信号線の内部抵抗をrとすると、信号線の終端電位Vは次式で表される。
ここで、r≪Zとおくことができるので、近似的に次式で表される。
表2は、各終端抵抗Ra,Rb,Rcにおける電流方向を示した表である。
このように、差動伝送ケーブル2の各信号線2a,2b,2cに加わる電圧は、いずれのビット情報信号を伝送する場合においてもトータルで0となり、各信号線2a,2b,2cから輻射されるノイズが互いに打ち消しあうため、ノイズの少ない伝送が可能である。
<1.2:差動伝送線路(差動伝送ケーブル)を含む多重差動伝送システム>
ここで、より具体的に、本発明の実施形態に係る差動伝送線路(差動伝送ケーブル)を含む多重差動伝送システムについて説明する。
(1.2.1:第1の多重差動伝送システム)
図8は、本発明の実施形態に係る差動伝送線路(差動伝送ケーブル)を含む第1の多重差動伝送システムの構成を示すブロック図である。図8において、第1の多重差動伝送システムは、信号送信機(差動ドライバIC)1と信号受信機(差動レシーバIC)3とが信号伝送路(差動伝送線路(差動伝送ケーブル))2を介して接続されて構成される。信号送信機1は、(a)ハイレベル又はローレベルを有するビット情報信号B1に応答して、第1出力信号S11aとその位相反転信号である反転第1出力信号S11bを出力する差動ドライバ1aと、
(b)ハイレベル又はローレベルを有するビット情報信号B2に応答して、第2出力信号S12aとその位相反転信号である反転第2出力信号S12bを出力する差動ドライバ1bと、
(c)ハイレベル又はローレベルを有するビット情報信号B3に応答して、第3出力信号S13aとその位相反転信号である反転第3出力信号S13bを出力する差動ドライバ1cとを備える。それぞれ出力信号の2値電圧レベルは±1[V]で互いに等しく、差動ドライバ1a,1b,1cはクロックCLKの立ち上がりタイミングで各出力信号を送信するように動作する。
信号伝送路(差動伝送線路(差動伝送ケーブル))2は信号線2a,2b,2cにより構成される。ここで、差動ドライバ1aからの第1出力信号S11aと、差動ドライバ1cからの反転第3出力信号S13bとが合成された後、信号線2aに送出される。また、差動ドライバ1bからの第2出力信号S12aと、差動ドライバ1aからの反転第1出力信号S11bとが合成された後、信号線2bに送出される。さらに、差動ドライバ1cからの第3出力信号S13aと、差動ドライバ1bからの反転第2出力信号S12bとが合成された後、信号線2cに送出される。
信号受信機3は、それぞれビット情報判定器(図14を参照して後述するように、終端電圧V1,V2,V3が負であるか否かを判断するコンパレータで構成される。)である3個の差動レシーバ3a,3b,3cと、クロック再生回路24と、3個の終端抵抗41,42,43とを備えて構成される。信号線2aと信号線2bの間に終端抵抗41が接続され、当該終端抵抗41に流れる電流の方向又は終端抵抗41に発生する終端電圧V1の極性は差動レシーバ3aにより検出される。また、信号線2bと信号線2cの間に終端抵抗42が接続され、当該終端抵抗42に流れる電流の方向又は終端抵抗42に発生する終端電圧V2の極性は差動レシーバ3bにより検出される。さらに、信号線2cと信号線2aの間に終端抵抗43が接続され、当該終端抵抗43に流れる電流の方向又は終端抵抗43に発生する終端電圧V3の極性は差動レシーバ3cにより検出される。クロック再生回路24は、立ち上がり検出回路及びPLL回路を含み構成され、3本の信号線2a,2b,2cに伝送される伝送信号の立ち上がりエッジを検出することにより所定の周期を有するクロックCLKを再生して各差動レシーバ3a,3b,3cに出力する。各差動レシーバ3a,3b,3cは、入力されるクロックCLKの立ち上がりで後述するようにビット情報の判定を実行して、それぞれビット情報信号B1,B2,B3を出力する。
図9は、図8の各差動ドライバ1a,1b,1cの出力信号S11a,S11b,S12a,S12b,S13a,S13bの信号波形と、電流方向又は信号電圧の極性の定義と、割り当てられるビット情報の関係を示す波形図であり、図10は図8の信号伝送路(差動伝送線路(差動伝送ケーブル))2の信号線2a,2b,2cを介して伝送する伝送信号の信号電圧Vs1,Vs2,Vs3の信号波形と割り当てられるビット情報の関係を示す波形図である。各差動レシーバ3a,3b,3cは、入力されるビット情報信号に応じて、図9に示される出力信号を出力し、このとき、入力される3ビットのビット情報信号に応じて、信号伝送路(差動伝送線路(差動伝送ケーブル))2の信号線2a,2b,2cを介して伝送する伝送信号の信号電圧Vs1,Vs2,Vs3は図11に示すようになる。
図11は図8の多重差動伝送システムにおいて伝送されるビット情報と、信号伝送路(差動伝送線路(差動伝送ケーブル))2の各信号線2a,2b,2cを伝送する伝送信号の信号電圧Vs1,Vs2,Vs3との関係を示す図であり、図12は図8の信号線2a,2b,2cの信号電圧Vs1,Vs2,Vs3を説明するための信号送信機1と各信号線2a,2b,2cとの等価回路を示す回路図である。ここで、各信号線2a,2b,2cの信号電圧Vs1,Vs2,Vs3について、図11及び図12を参照して説明する。
各信号線2a,2b,2cには2つの差動ドライバ(1a,1b;1b,1c;1c,1a)からの信号電圧Vi1,Vi2が重畳される。各差動ドライバ1a,1b,1cの内部抵抗をrとし、信号受信機3の終端抵抗41,42,43のインピーダンスをZとする(差動レシーバ3a,3b,3cの入力インピーダンスは無限大(理想値)とする。)と、各信号線2a,2b,2cに発生する信号電圧Vsは、次式で表される。
ここで、r≪Zとおくことができるので、近似的に次式で表される。
図13は図8の多重差動伝送システムにおいて伝送されるビット情報と、信号受信機3の各終端抵抗41,42,43の終端電圧V1,V2,V3の極性との関係を示す図である。
図13から明らかなように、3つの信号線2a,2b,2cに重畳したときに隣接する1対の信号線間に生じる電位差(終端抵抗41,42,43の終端電圧)により、その電流の方向又はその終端電圧の極性を判定することで、全ビットが0及び全ビットが1の場合以外の6状態において各差動ドライバ1a,1b,1cが出力したビット情報信号を復号することが可能である。また、信号伝送路(差動伝送線路(差動伝送ケーブル))2の各信号線2a,2b,2cに印加される信号電圧は、いずれのビット情報信号を伝送する場合においてもトータルで0となり、各信号線2a,2b,2cから輻射されるノイズが互いに打ち消しあうため、通常の差動伝送方法と同様にノイズの少ない伝送が可能である。
図14は、図8の信号受信機3の各差動レシーバ3a,3b,3cによって実行されるビット情報判定処理を示すフローチャートである。
図14において、まず、ステップS1において各差動レシーバ3a,3b,3cによって、各終端抵抗41,42,43に流れる電流方向が負であるか否か、又は各終端抵抗41,42,43の終端電圧Vi(i=1,2,3)が負であるか否かを判定する。YESのときはステップS2に進み、ビット情報Biに0を設定する一方、NOのときはステップS3に進みビット情報Biに1を設定する。そして、当該ビット情報判定処理を終了する。
(1.2.2:第2の多重差動伝送システム)
図15は、本発明の実施形態に係る差動伝送線路(差動伝送ケーブル)を含む第2の多重差動伝送システムの構成を示すブロック図である。図15において、第2の多重差動伝送システムは、信号送信機(差動ドライバIC)1Aと信号受信機(差動レシーバIC)3Aとが信号伝送路(差動伝送線路(差動伝送ケーブル))2を介して接続されて構成される。信号送信機1Aは、第1の多重差動伝送システムと同様に、3個の差動ドライバ1a,1b,13Aを備え、差動ドライバ1a,1b,13Aと信号線2a,2b,2cとの接続方法は第1の多重差動伝送システムと同様であり、差動ドライバ1aと差動ドライバ1bの出力信号の2値電圧レベルは±1[V]で等しいが、差動ドライバ13Aの出力信号の2値電圧レベルは±1.5[V]であって、その絶対値は差動ドライバ1a,1bに比較して高く設定されている。
信号受信機3Aは、第1の多重伝送システムの信号受信機3に比較して、しきい値電圧源44を有する比較器25と、比較器25からの出力信号により連動して切り替え制御される切替スイッチ26,27と、絶対値演算器28とをさらに備えたことを特徴としている。第2の多重伝送システムにおいて、絶対値演算器28は終端抵抗43の終端電圧V3を検出した後、その絶対値|V3|を演算して、それを示す電圧信号を比較器25の非反転入力端子に出力する。比較器25は終端電圧V3の絶対値|V3|をしきい値電圧源44からのしきい値電圧Vthと比較して、|V3|>|Vth|のときハイレベルの制御信号を切替スイッチ26,27に出力することにより、切替スイッチ26,27を接点a側に切り替える一方、|V3|≦|Vth|のときローレベルの制御信号を切替スイッチ26,27に出力することにより、切替スイッチ26,27を接点b側に切り替える。各差動レシーバ3a,3b,3cは、入力されるクロックCLKの立ち上がりで後述するようにビット情報の判定を実行して、それぞれビット情報信号B1,B2,B3を出力する。ここで、切替スイッチ26,27が接点a側に切り替えられているとき(図19のステップS11でYESのときでステップS21−S23の処理が実行される。)差動レシーバ3aからのビット情報信号B1は切替スイッチ26の接点a側を介して出力され、差動レシーバ3bからのビット情報信号B2は切替スイッチ27の接点a側を介して出力され、差動レシーバ3cからのビット情報信号B3はそのまま出力される。一方、切替スイッチ26,27が接点b側に切り替えられているとき(図19のステップS11でNOのときでステップS12−S14の処理が実行される。)差動レシーバ3cからのビット情報信号B3の判定結果(000又は111)を有するビット情報信号がビット情報信号B1,B2,B3として出力される。
差動ドライバ1a,1b,13Aの各出力信号の2値信号電圧の絶対値をVd1,Vd2,Vd3とすると、第2の多重差動伝送システムにおける設定条件(Vd3>Vd1(例えば、Vd1=Vd2=1.0[V];Vd3=1.5[V]のとき))においては、ビット情報信号000、111とその他全部のビット情報信号を区別する方法であって、以下の条件のもとで実行できる。
(1)|Vd1|=|Vd2|
(2)|Vd3|≠|Vd1|:Vd3=Vd1のとき、ビット情報信号000,111を送ると各信号線間電位差が0になり判定不可となるため。
(3)|Vd3|≠|3Vd1|:Vd3=3Vd1のとき、ビット情報信号010〜101を送ると各信号線間電位差に0が発生し判定不可となるため。
(4)|Vd3|>|Vd1|/2:しきい値|Vth|が0以下になり判定不可となるため。
(5)|Vd1−Vd3|<|Vth|:しきい値条件である。これにより、比較器25及び絶対値演算器28でのみ判断可能となる。
当該第1の設定例において、しきい値Vthは0.5[V]<Vth<1.0[V]となるように設定され、例えば、Vth=0.8[V]である。
図16は、図15の各差動ドライバ1a,1b,13Aの出力信号S11a,S11b,S12a,S12b,S13a,S13bの信号波形を示す信号波形図である。また、図17は、図15の信号伝送路(差動伝送線路(差動伝送ケーブル))2の信号線2a,2b,2cを介して伝送する伝送信号の信号電圧Vs1,Vs2,Vs3の信号波形と割り当てられるビット情報の関係を示す波形図である。さらに、図18は図15の多重差動伝送システムにおいて伝送されるビット情報と、各信号線2a,2b,2cを伝送する伝送信号の信号電圧Vs1,Vs2,Vs3と、信号受信機3Aの各終端抵抗41,42,43の終端電圧V1,V2,V3とその極性との関係を示す図である。
以上説明したように、1つの差動ドライバ13Aのみの信号電圧レベルを他の差動ドライバ1a,1bの信号電圧レベルと異なる値とし、全ビット補償回路を形成する回路素子25−28を具備することで、全ビットが0及び全ビットが1の場合も含めた全8状態のビット情報信号を復号することが可能である。また、信号伝送路(差動伝送線路(差動伝送ケーブル))2の各信号線2a,2b,2cに印加される信号電圧は、いずれのビット情報信号を伝送する場合においてもトータルで0となり、各信号線2a,2b,2cから輻射されるノイズが互いに打ち消しあうため、通常の差動伝送方法と同様にノイズの少ない伝送が可能である。
図19は、図15の多重差動伝送システムにおいて信号受信機3Aの各差動レシーバ3a,3b,3c及び比較器25によって実行されるビット情報判定処理の第1の実施例を示すフローチャートである。
図19において、まず、ステップS11において比較器25により終端抵抗43の終端電圧V3の絶対値|V3|がしきい値Vthを超えるか否かを判断する。なお、本多重伝送システムでは、|V1−V3|<|Vth|は上述のしきい値条件(|Vd1−Vd3|<|Vth|)で予め設定されている。ステップS11でNOのときはステップS12に進み一方、YESのときはステップS21に進み、各差動レシーバ3a,3b,3cによって各終端抵抗41,42,43の終端電圧Vi(i=1,2,3)の極性が負であるか否かが判断され、YESのときはステップS22に進みビット情報信号Biに0を設定する一方、NOのときはステップS23に進みビット情報信号Biに1を設定する。そして、当該ビット情報判定処理を終了する。ステップS12において終端抵抗43の終端電圧V3が負であるか否かが判断され、YESのときはステップS13に進み全ビット情報信号B1,B2,B3に0を設定する一方、NOのときはステップS14に進み全ビット情報信号B1,B2,B3に1を設定する。そして、当該ビット情報判定処理を終了する。
≪変形例≫
図20は、第2の多重差動伝送システムの変形例に係る多重差動伝送システムの構成を示すブロック図である。本変形例の多重差動伝送システムは、図15の第2の多重差動伝送システムに比較して、図20に示すように、信号受信機3Aに代えて、信号受信機3Bを備え、信号受信機3Bにおいて、切替スイッチ26,27に代えて、プログラムメモリ50aを有して図21のビット情報判定処理(プログラムメモリ50aに予め格納される。)を実行する復号処理器50を備えたことを特徴としている。なお、絶対値演算器28は、終端抵抗42の終端電圧V2を検出してその絶対値|V2|=|V1+V3|を演算してその演算結果を示す信号を比較器25の非反転入力端子に出力する。
本変形例に係る多重差動伝送システムにおいては、ビット情報信号000及び110と、111及び000とを区別する方法であって、以下の条件のもとで実行できる。
(1)|Vd1|=|Vd2|
(2)|Vd3|≠|Vd1|:Vd3=Vd1のとき、ビット情報000,111を送ると各信号線間電位差が0になり判定不可となるため。
(3)|Vd3|≠|3Vd1|:Vd3=3Vd1のとき、ビット情報010〜101を送ると各信号線間電位差に0が発生し判定不可となるため。
(4)|Vd1−Vd3|<|Vth|:しきい値条件である。これにより、比較器25及び絶対値演算器28でのみ判断可能となる。なお、図20において、絶対値演算器28は終端電圧V2の絶対値|V2|を演算して比較器25に出力する。
図20において、復号処理器50は例えばCPU又はDSPで構成され、クロック再生回路24からのクロックに同期して、差動レシーバ3a,3b,3c及び比較器25からの各信号に基づいて、プログラムメモリ50aに格納された図21のビット情報判定処理を実行することにより、復号処理を実行してビット情報信号B1,B2,B3を発生して出力する。
図21は、図20の多重差動伝送システムにおいて信号受信機3Bの復号処理器50によって実行されるビット情報判定処理の第2の実施例を示すフローチャートである。図21において、ステップS21−S23は差動レシーバ3a,3b,3cにより実行される処理であり、ステップS24は復号処理器50単独で実行される処理であり、ステップS11−S14は差動レシーバ3c及び比較器25により実行される処理である。
図21において、まず、各差動レシーバ3a,3b,3cによって各終端抵抗41,42,43の終端電圧Vi(i=1,2,3)の極性が負であるか否かが判断され、YESのときはステップS22に進みビット情報信号Biに0を設定する一方、NOのときはステップS23に進みビット情報信号Biに1を設定した後、ステップS24に進む。ステップS24では、ビット情報信号B1,B2,B3が000、001、110又は111であるか否かが判断され、YESのときはステップS11に進む一方、NOのときは当該ビット情報判定処理を終了する。ステップS11において比較器25により終端抵抗43の終端電圧V2の絶対値|V2|=|V1+V3|がしきい値Vthを超えるか否かを判断する。なお、本変形例では、|V1−V3|<|Vth|は上述のしきい値条件(|Vd1−Vd3|<|Vth|)で予め設定されている。ステップS11でNOのときはステップS12に進み一方、YESのときは当該ビット情報判定処理を終了する。ステップS12において終端抵抗43の終端電圧V3が負であるか否かが判断され、YESのときはステップS13に進み全ビット情報信号B1,B2,B3に0を設定する一方、NOのときはステップS14に進み全ビット情報信号B1,B2,B3に1を設定する。
(1.2.3:第3の多重差動伝送システム)
図22は、本発明の実施形態に係る差動伝送線路(差動伝送ケーブル)を含む第3の多重差動伝送システム(図15の構成を用いて設定条件のみ異なる。)において伝送されるビット情報と、各信号線2a,2b,2cを伝送する伝送信号の各信号電圧Vs1,Vs2,Vs3と、信号受信機3(または3A)の各終端抵抗41,42,43の終端電圧V1,V2,V3とその極性との関係を示す図である。第3の多重差動伝送システムは、第2の多重差動伝送システムに比較して設定条件のみが異なり、Vd3<Vd1(例えば、Vd1=Vd2=1.0[V];Vd3=0.8[V]のとき)と設定されることを特徴としている。なお、装置構成は図15の多重差動伝送システムを用いる。
図23は、第3の多重差動伝送システムにおいて、信号受信機3Aの各差動レシーバ3a,3b,3c及び比較器25によって実行されるビット情報判定処理の第3の実施例を示すフローチャートである。図23のビット情報判定処理は、図19のビット情報判定処理に比較して、ステップS13の処理と、ステップS14の処理が入れ替わるのみである。以上のように構成された第3の多重差動伝送システムは、第2の多重差動伝送システムと同様の作用効果を有する。
≪変形例≫
図24は、第3の多重差動伝送システムの変形例に係る多重差動伝送システム(図20の構成を用いて設定条件のみ異なる。)において信号受信機3Bの復号処理器50によって実行されるビット情報判定処理の本変形例を示すフローチャートである。ここで、装置構成は図20の多重差動伝送システムを用いる。図24のビット情報判定処理は、図21のビット情報判定処理に比較して、ステップS13の処理と、ステップS14の処理が入れ替わるのみである。以上のように構成された第3の多重差動伝送システムの変形例の多重差動伝送システムは、第2の多重差動伝送システムの変形例の多重差動伝送システムと同様の作用効果を有する。
以上説明したように、本実施形態の差動伝送ケーブル2は、3本の信号線2a,2b,2cを容易に等間隔に維持できるので、差動インピーダンスを一定に保つことができるとともに、信号電流で発生する電磁界を互いに打ち消すことができ、従って、不要輻射ノイズの少ない多重差動伝送ケーブル実現することができる。
≪第1の実施形態の変形例≫
図4は、本発明の第1の実施形態の変形例に係る差動伝送ケーブル2Aの構成を一部破断により示した斜視図である。図4の差動伝送ケーブル2Aは、図2及び図3に示す差動伝送ケーブル2を、当該ケーブルの長手方向にわたって、長さL4を周期(又はピッチ)として1回転するようにツイストさせた構成を有する。差動伝送ケーブル2Aを構成する信号線2a,2b,2cのうちで、対になる信号線2a,2bの各位置は、1つのピッチの半分の区間毎に互いに反転し、この反転の前後で電磁界が互いに打ち消し合う。信号線2b,2cの対及び信号線2c,2aの対においても同様に、電磁界の打ち消しが生じる。また、図2及び図3に示す差動伝送ケーブル2と同様に、信号線2a,2b,2cは、その横断面を見たときに、信号線2a,2b,2cのうちの任意の一対の信号線間の距離が所定値に等しくなるように配置され、従って、信号線2a,2b,2cから構成される差動伝送ケーブル2Aは、横断面において120度の回転対称性を有する。本変形例の差動伝送ケーブル2Aは、上記の形状を備えたことにより、図2及び図3の差動伝送ケーブル2の効果に加えて、3本の信号線2a,2b,2cを容易に等長に維持するとともにツイストさせた構成を維持できるので、信号電流で発生する電磁界はピッチの半分の区間毎に反転して互いに打ち消しあい、従って、不要輻射ノイズの少ない多重差動伝送ケーブルを実現することができる。
[第2の実施形態]
図5は、本発明の第2の実施形態に係る差動伝送ケーブル2Bの構成を一部破断により示した斜視図であり、図6は、図5の差動伝送ケーブル2Bの横断面図である。図5及び図6を参照すると、ガラスエポキシ等の誘電体によって形成された誘電体芯線2dの表面上において、所定幅を有する導体にてなる信号線2a,2b,2cが、誘電体芯線2dの長手方向に沿って形成される。信号線2a,2b,2cは、第1の実施形態の場合と同様に、その横断面を見たときに、信号線2a,2bの中心O1,O2間の距離L1と、信号線2b,2cの中心O2,O3間の距離L2と、信号線2c,2aの中心O3,O1間の距離L3とが互いに等しくなるように形成される。従って、信号線2a,2b,2cのうちの任意の一対の信号線間の距離は所定値に等しくなるように形成され、さらに、図6に示すように、信号線2a,2b,2cから構成される差動伝送ケーブル2Bは、横断面において120度の回転対称性を有する。信号線2a,2b,2cは、例えば、誘電体芯線2dの表面全体に形成された導体層(例えば銅箔)をエッチングすることにより導体パターンとして形成することができる。また、それに代わって、信号線2a,2b,2cは、誘電体芯線2dに対して導体パターンを印刷することによって形成してもよく、又は、導線である信号線2a,2b,2cを誘電体芯線2dに接着してもよい。
図5及び図6では、誘電体芯線2dは円形の横断面形状を有するものとして示したが、多角形などの他の横断面形状を有してもよい。また、誘電体芯線2dは、ガラスエポキシに代えて、可撓性の誘電歪材料にて構成されてもよい。なお、好ましくは、差動伝送ケーブル2Bの周囲に、ゴム又はビニル等の絶縁被覆をさらに形成することができるが、図示の簡単化のために省略した。
本実施形態に係る差動伝送ケーブル2Bによれば、第1の実施形態に係る差動伝送ケーブル2,2Aと同様に、その効果として、3本の信号線2a,2b,2cを容易に等間隔に維持できるので、差動インピーダンスを一定に保つことができるとともに、信号電流で発生する電磁界を互いに打ち消すことができ、従って、不要輻射ノイズの少ない多重差動伝送ケーブル実現することができる。
≪第2の実施形態の変形例≫
図7は、本発明の第2の実施形態の変形例に係る差動伝送ケーブル2Cの構成を一部破断により示した斜視図である。図4を参照して説明した差動伝送ケーブル2Aの場合、被覆付きの導線である信号線2a,2b,2cをツイストさせるので、ピッチ間にばらつきが生じる可能性があるという問題点がある。本変形例は、この問題点を解決するものである。
図7を参照すると、信号線2a,2b,2cは、誘電体芯線2dの表面上において、信号線2a,2b,2cのうちの任意の一対の信号線間の距離が所定値に等しくなるように形成されるとともに、誘電体芯線2dの長手方向に沿って螺旋状に形成される。従って、図7の差動伝送ケーブル2Cは、図5及び図6に示す差動伝送ケーブル2Bの信号線2a,2b,2cを、誘電体芯線2dの表面上において長さL4を周期(又はピッチ)として1回転するようにツイストさせた構成を有し、これにより、図4の差動伝送ケーブル2Aと同様に、信号電流で発生する電磁界の打ち消しを達成することができる。また、図5及び図6に示す差動伝送ケーブル2Bと同様に、信号線2a,2b,2cは、その横断面を見たときに、信号線2a,2b,2cのうちの任意の一対の信号線間の距離が所定値に等しくなるように配置され、従って、信号線2a,2b,2cから構成される差動伝送ケーブル2Cは、横断面において120度の回転対称性を有する。
信号線2a,2b,2cは、図5及び図6の差動伝送ケーブル2Bの場合と同様に、導体パターンとして形成してもよく、それに代わって、導線である信号線2a,2b,2cを誘電体芯線2dに接着してもよい。例えば、誘電体芯線2dに対して導体パターンの信号線2a,2b,2cを印刷して形成する場合には、誘電体芯線2dを回転させながら信号線2a,2b,2cを印刷してもよく、又は、固定された誘電体芯線2dに対して、導体パターン用の印刷ヘッドを回転させながら信号線2a,2b,2cを印刷してもよい。
本変形例の差動伝送ケーブル2Cは、上記の形状を備えたことにより、図5及び図6の差動伝送ケーブル2Bの効果に加えて、3本の信号線2a,2b,2cを容易に等長かつ等間隔に維持するとともにツイストさせた構成を維持できるので、信号電流で発生する電磁界はピッチの半分の区間毎に反転して互いに打ち消しあい、また、信号線2a,2b,2cを導体パターンとして形成するので、ピッチ間のばらつきも発生しない。従って、本変形例の差動伝送ケーブル2Cによれば、不要輻射ノイズの少ない多重差動伝送ケーブルを実現することができる。
≪変形例≫
図1を参照して説明した実施形態では、差動伝送ケーブル2の奇モードインピーダンスを50Ωとし、その差動インピーダンスを100Ωとして説明したが、インピーダンスはその他の値をとってもよい。また、説明した実施形態では、差動ドライバIC1の中に3つの差動ドライバ回路1a,1b,1cが形成され、差動レシーバIC3の中に3つの終端抵抗Ra,Rb,Rcと3つの差動レシーバ回路3a,3b,3cが形成された場合を例として説明したが、1つのICに1つの回路が形成されたICを複数個プリント配線基板上に実装することによっても、同様の効果を有する。また、説明した実施形態では、差動レシーバIC3の中に終端抵抗Ra,Rb,Rcが形成された場合を例として説明したが、終端抵抗Ra,Rb,Rcを外付け部品としてプリント配線基板上に実装することによっても、同様の効果を有する。
また、説明した実施形態では、LVDSを例として説明したが、その他の差動伝送方式であっても、同様の効果を有する。また、説明した実施形態では多重差動伝送方式の例を示したが、3本の信号線を用いた他の差動伝送方式又は他の信号伝送方式にも関しても、同様の効果を有する。
第1又は第2の実施形態に係る差動伝送ケーブル2,2A,2B,2Cを導電性材料によりシールドすることにより、さらに不要輻射ノイズを低減することができる。
[付記]
本発明は、次のように表現することも可能である。
(付記8)
3本の信号線を備え、3組の差動信号を多重伝送する伝送ケーブルにおいて、
当該伝送ケーブルの長手方向に垂直な断面において、上記3本の信号線のうちの任意の一対の信号線間の距離は所定値に等しいことを特徴とする、
伝送ケーブル。
(付記9)
上記伝送ケーブルは、当該伝送ケーブルの長手方向にわたってツイストされていることを特徴とする、
付記1記載の伝送ケーブル。
(付記10)
上記伝送ケーブルは、誘電体にてなる芯線をさらに備え、
上記3本の信号線は上記芯線の表面上に形成されたことを特徴とする、
付記1記載の伝送ケーブル。
(付記11)
誘電体にてなる芯線と、
上記芯線の表面上に形成された3本の信号線と、を備えた伝送ケーブルであって、
当該伝送ケーブルの長手方向に垂直な断面において、上記3本の信号線のうちの任意の一対の信号線間の距離は所定値に等しいことを特徴とする、
伝送ケーブル。
(付記12)
上記3本の信号線は、上記芯線の表面上に印刷された導体パターンとして形成されたことを特徴とする、
付記3又は4記載の伝送ケーブル。
(付記13)
上記3本の信号線は、上記芯線の表面上に形成された導体層をエッチングすることにより形成されたことを特徴とする、
付記3又は4記載の伝送ケーブル。
(付記14)
上記3本の信号線は、上記芯線の長手方向に沿って螺線状に形成されたことを特徴とする、
付記3乃至6のうちのいずれか1つに記載の伝送ケーブル。
(付記15)
上記3本の信号線は、上記伝送ケーブルの長手方向に垂直な断面において、上記伝送ケーブルの中心に関して120度の回転対称性を有することを特徴とする、
付記1乃至7のうちのいずれか1つに記載の伝送ケーブル。
(付記16)
上記伝送ケーブルは、当該伝送ケーブルの長手方向に垂直な断面において、当該伝送ケーブルの中心に関して120度の回転対称性を有することを特徴とする、
付記1乃至7のうちのいずれか1つに記載の伝送ケーブル。
本発明の伝送ケーブルは、3本の信号線を有する伝送ケーブルの長手方向の全体にわたって、各信号線間の距離及び横断面形状を一定に保つことができ、さらに3本の信号線をツイストさせた構成を維持することができるので、不要輻射ノイズの少ない多重差動伝送ケーブルとして有用である。
本発明の第1の実施形態に係る差動伝送回路の回路図である。 図1の差動伝送ケーブル2の構成を一部破断により示した斜視図である。 図1の差動伝送ケーブル2の横断面図である。 本発明の第1の実施形態の変形例に係る差動伝送ケーブル2Aの構成を一部破断により示した斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係る差動伝送ケーブル2Bの構成を一部破断により示した斜視図である。 図5の差動伝送ケーブル2Bの横断面図である。 本発明の第2の実施形態の変形例に係る差動伝送ケーブル2Cの構成を一部破断により示した斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る差動伝送線路(差動伝送ケーブル)を含む第1の多重差動伝送システムの構成を示すブロック図である。 図8の各差動ドライバ1a,1b,1cの出力信号S11a,S11b,S12a,S12b,S13a,S13bの信号波形と、電流方向又は信号電圧の極性の定義と、割り当てられるビット情報の関係を示す波形図である。 図8の信号伝送路(差動伝送線路(差動伝送ケーブル))2の信号線2a,2b,2cを介して伝送する伝送信号の信号電圧Vs1,Vs2,Vs3の信号波形と割り当てられるビット情報の関係を示す波形図である。 図8の多重差動伝送システムにおいて伝送されるビット情報と、信号伝送路(差動伝送線路)2の各信号線2a,2b,2cの各信号電圧Vs1,Vs2,Vs3との関係を示す図である。 図8の信号線2a,2b,2cの各信号電圧Vs1,Vs2,Vs3を説明するための信号送信機1と各信号線2a,2b,2cとの等価回路を示す回路図である。 図8の多重差動伝送システムにおいて伝送されるビット情報と、信号受信機3の各終端抵抗41,42,43の終端電圧V1,V2,V3の極性との関係を示す図である。 図8の信号受信機3の各差動レシーバ3a,3b,3cによって実行されるビット情報判定処理を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態に係る差動伝送線路(差動伝送ケーブル)を含む第2の多重差動伝送システムの構成を示すブロック図である。 図15の各差動ドライバ1a,1b,13Aの出力信号S11a,S11b,S12a,S12b,S13a,S13bの信号波形を示す信号波形図である。 図15の信号伝送路(差動伝送線路(差動伝送ケーブル))2の信号線2a,2b,2cを介して伝送する伝送信号の信号電圧Vs1,Vs2,Vs3の信号波形と割り当てられるビット情報の関係を示す波形図である。 図15の多重差動伝送システムにおいて伝送されるビット情報と、各信号線2a,2b,2cを伝送する伝送信号の信号電圧Vs1,Vs2,Vs3と、信号受信機3Aの各終端抵抗41,42,43の終端電圧V1,V2,V3とその極性との関係を示す図である。 図15の多重差動伝送システムにおいて信号受信機3Aの各差動レシーバ3a,3b,3c及び比較器25によって実行されるビット情報判定処理の第1の実施例を示すフローチャートである。 第2の多重差動伝送システムの変形例に係る多重差動伝送システムの構成を示すブロック図である。 図20の多重差動伝送システムにおいて信号受信機3Bの復号処理器50によって実行されるビット情報判定処理の第2の実施例を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態に係る差動伝送線路(差動伝送ケーブル)を含む第3の多重差動伝送システム(図15の構成を用いて設定条件のみ異なる。)において伝送されるビット情報と、各信号線2a,2b,2cを伝送する伝送信号の各信号電圧Vs1,Vs2,Vs3と、信号受信機3Bの各終端抵抗41,42,43の終端電圧V1,V2,V3とその極性との関係を示す図である。 第3の多重差動伝送システムにおいて信号受信機3Bの各差動レシーバ3a,3b,3c及び比較器25によって実行されるビット情報判定処理の第3の実施例を示すフローチャートである。 第3の多重差動伝送システムの変形例に係る多重差動伝送システム(図20の構成を用いて設定条件のみ異なる。)において信号受信機3Bの復号処理器50によって実行されるビット情報判定処理の第4の実施例を示すフローチャートである。 第1の従来技術に係る差動伝送回路の回路図である。 図25の差動伝送回路の概略構成を示す斜視図である。 第2の従来技術に係る差動伝送回路の概略構成を示す斜視図である。 図27の差動伝送ケーブル912Aの横断面図である。
符号の説明
1,1A…差動ドライバIC、
1a,1b,1c…差動ドライバ回路、
2,2A,2B,2C…差動伝送ケーブル、
2a,2b,2c…信号線、
2aa,2ba,2ca…絶縁被覆、
2d…誘電体芯線、
3,3A,3B…差動レシーバIC、
3a,3b,3c…差動レシーバ回路、
Ra,Rb,Rc…終端抵抗。

Claims (9)

  1. 信号送信機と、信号受信機と、を備え、
    前記信号送信機は、
    第1、第2及び第3の信号線を有する前記差動伝送路に接続され、
    第1のビット情報信号に応答して、第1出力信号と、上記第1出力信号の位相反転信号である反転第1出力信号とを送信する第1の差動ドライバと、
    第2のビット情報信号に応答して、第2出力信号と、上記第2出力信号の位相反転信号である反転第2出力信号とを送信する第2の差動ドライバと、
    第3のビット情報信号に応答して、第3出力信号と、上記第3出力信号の位相反転信号である反転第3出力信号とを送信する第3の差動ドライバと、
    を備え、
    上記第1出力信号と上記反転第3出力信号とを合成して第1の信号線に送信し、上記第2出力信号と上記反転第1出力信号とを合成して第2の信号線に送信し、上記第3出力信号と上記反転第2出力信号とを合成して第3の信号線に送信し、
    上記第1出力信号の2値信号電圧の絶対値と上記第2出力信号の2値信号電圧の絶対値とは同一であり、上記第3出力信号の2値信号電圧の絶対値と上記第1出力信号の2値信号電圧の絶対値は異なるものであり、
    前記信号受信機は、
    前記第1、第2及び第3の信号線を有する前記差動伝送路に接続され、
    上記第1の信号線と上記第2の信号線との間に接続された第1の終端抵抗に発生する終端電圧の極性を検出して、当該検出結果を第1のビット情報信号として出力する第1の差動レシーバと、
    上記第2の信号線と上記第3の信号線との間に接続された第2の終端抵抗に発生する終端電圧の極性を検出して、当該検出結果を第2のビット情報信号として出力する第2の差動レシーバと、
    上記第3の信号線と上記第1の信号線との間に接続された第3の終端抵抗に発生する終端電圧の極性を検出して、当該検出結果を第3のビット情報信号として出力する第3の差動レシーバと、
    上記第3の終端抵抗に発生する第3の終端電圧の絶対値が所定のしきい値電圧を超えるか否かを判断する比較手段と、
    上記第3の終端電圧の絶対値が所定のしきい値電圧を超えるとき、上記第1、第2及び第3の差動レシーバからそれぞれ出力される第1、第2及び第3のビット情報信号を出力する一方、上記第3の終端電圧の絶対値が所定のしきい値電圧を超えないとき、上記第3の差動レシーバから出力される第3のビット情報信号に基づいて第1、第2及び第3のすべてのビット情報信号を0または1として出力する制御手段と、
    を備え、
    上記しきい値電圧は、上記第1出力信号の2値信号電圧の絶対値と上記第3出力信号の2値信号電圧の絶対値との差の絶対値よりも大きくなるように設定される、
    多重差動伝送システムに用いられ、3組の差動信号を多重伝送する伝送ケーブルであって、
    3本の信号線を備え、
    前記伝送ケーブルの長手方向に垂直な断面において、前記3本の信号線のうちの任意の一対の信号線間の距離は、所定値に等しい、
    伝送ケーブル。
  2. 前記3本の信号線は、前記3本の信号線の長手方向に互いにツイストされている、
    請求項1記載の伝送ケーブル。
  3. 誘電体にてなる芯線と、
    前記芯線の表面上に形成された3本の信号線と、
    を備えた伝送ケーブルであって、
    前記伝送ケーブルの長手方向に垂直な断面において、前記3本の信号線のうちの任意の一対の信号線間の距離は、所定値に等しい、
    伝送ケーブル。
  4. 信号送信機と、信号受信機と、を備え、
    前記信号送信機は、
    第1、第2及び第3の信号線を有する前記差動伝送路に接続され、
    第1のビット情報信号に応答して、第1出力信号と、上記第1出力信号の位相反転信号である反転第1出力信号とを送信する第1の差動ドライバと、
    第2のビット情報信号に応答して、第2出力信号と、上記第2出力信号の位相反転信号である反転第2出力信号とを送信する第2の差動ドライバと、
    第3のビット情報信号に応答して、第3出力信号と、上記第3出力信号の位相反転信号である反転第3出力信号とを送信する第3の差動ドライバと、
    を備え、
    上記第1出力信号と上記反転第3出力信号とを合成して第1の信号線に送信し、上記第2出力信号と上記反転第1出力信号とを合成して第2の信号線に送信し、上記第3出力信号と上記反転第2出力信号とを合成して第3の信号線に送信し、
    上記第1出力信号の2値信号電圧の絶対値と上記第2出力信号の2値信号電圧の絶対値とは同一であり、上記第3出力信号の2値信号電圧の絶対値と上記第1出力信号の2値信号電圧の絶対値は異なるものであり、
    前記信号受信機は、
    前記第1、第2及び第3の信号線を有する前記差動伝送路に接続され、
    上記第1の信号線と上記第2の信号線との間に接続された第1の終端抵抗に発生する終端電圧の極性を検出して、当該検出結果を第1のビット情報信号として出力する第1の差動レシーバと、
    上記第2の信号線と上記第3の信号線との間に接続された第2の終端抵抗に発生する終端電圧の極性を検出して、当該検出結果を第2のビット情報信号として出力する第2の差動レシーバと、
    上記第3の信号線と上記第1の信号線との間に接続された第3の終端抵抗に発生する終端電圧の極性を検出して、当該検出結果を第3のビット情報信号として出力する第3の差動レシーバと、
    上記第3の終端抵抗に発生する第3の終端電圧の絶対値が所定のしきい値電圧を超えるか否かを判断する比較手段と、
    上記第3の終端電圧の絶対値が所定のしきい値電圧を超えるとき、上記第1、第2及び第3の差動レシーバからそれぞれ出力される第1、第2及び第3のビット情報信号を出力する一方、上記第3の終端電圧の絶対値が所定のしきい値電圧を超えないとき、上記第3の差動レシーバから出力される第3のビット情報信号に基づいて第1、第2及び第3のすべてのビット情報信号を0または1として出力する制御手段と、
    を備え、
    上記しきい値電圧は、上記第1出力信号の2値信号電圧の絶対値と上記第3出力信号の2値信号電圧の絶対値との差の絶対値よりも大きくなるように設定される、
    多重差動伝送システムに用いられ、3組の差動信号を多重伝送する、
    請求項3に記載の伝送ケーブル。
  5. 前記3本の信号線は、前記芯線の表面上に印刷された導体パターンとして形成されている、
    請求項3又は4記載の伝送ケーブル。
  6. 上記3本の信号線は、上記芯線の表面上に形成された導体層をエッチングすることにより形成されたことを特徴とする、
    請求項3又は4記載の伝送ケーブル。
  7. 上記3本の信号線は、上記芯線の長手方向に沿って螺線状に形成されている、
    請求項3乃至6のうちのいずれか1つに記載の伝送ケーブル。
  8. 上記3本の信号線は、上記伝送ケーブルの長手方向に垂直な断面において、上記伝送ケーブルの中心に関して120度の回転対称性を有する、
    請求項1乃至7のうちのいずれか1つに記載の伝送ケーブル。
  9. 上記伝送ケーブルは、当該伝送ケーブルの長手方向に垂直な断面において、当該伝送ケーブルの中心に関して120度の回転対称性を有する、
    請求項1乃至7のうちのいずれか1つに記載の伝送ケーブル。
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