JP2009239841A - 差動伝送回路 - Google Patents

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Akira Matsubara
亮 松原
Koji Fusayasu
浩嗣 房安
Shinichi Tanimoto
真一 谷本
Seiji Hamada
清司 濱田
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Abstract

【課題】差動伝送回路の信号線及び引き出し線を等長かつ対称に構成し、不要輻射ノイズの少ない多重差動伝送を実現する。
【解決手段】差動ドライバIC側の引き出し線は互いに等長であり、等長構成を達成するために、少なくとも1つの差動ドライバ手段は他の差動ドライバ手段よりもレシーバ側に近づけて配置される。差動ドライバIC1aに接続された2つの引き出し線は少なくとも部分的に互いに対称に配置され、差動ドライバIC1bに接続された2つの引き出し線は少なくとも部分的に互いに対称に配置され、差動ドライバIC1bに接続された2つの引き出し線は少なくとも部分的に互いに対称に配置される。差動ドライバIC1bは、誘電体基板4において、差動ドライバIC1a,1cが設けられる面とは異なる面に設けられる。
【選択図】図1

Description

本発明は、プリント配線基板上の配線パターンやケーブルなどにより高速に信号を伝送する差動伝送回路に関し、特に、少ない本数の信号線を含む差動伝送線路により複数のデータビットの多重伝送を実現するための多重差動伝送回路に関するものである。
従来、高速信号の伝送には、電源電圧で論理振幅するシングルエンド信号が用いられてきたが、近年の高速データ転送の要求に伴う駆動周波数の高周波数化、バス幅の増大に対して、不要輻射ノイズ抑制と外来ノイズに対する耐性の観点から、低電圧差動信号伝送(Low Voltage Differential Signaling:LVDS)技術が利用されるケースが増えている。一般に、LVDSでは、差動信号が流れる2本の信号線間には逆相のディファレンシャルモード電流だけが流れるように差動ドライバICは設計されている。
図11は、従来技術に係る差動伝送回路の回路図であり、図12は、図11の差動伝送回路の概略構成を示す斜視図である。図11の差動伝送回路は、従来のLVDSインターフェースの構成の一例を示す。差動ドライバIC11と差動レシーバIC13とは、+側の信号線12a及び−側の信号線12bから構成された差動伝送線路12により接続され、差動ドライバIC11に入力されたビット情報信号は、差動伝送線路12を介して差動レシーバIC13に伝送されて出力される。差動ドライバIC11の+側の出力端子(図11では、点p1により表す。)は、信号線12aを介して、差動レシーバIC13の+側の入力端子に接続され、同様に、差動ドライバIC11の−側の出力端子(図11では、点p2により表す。)は、信号線12bを介して、差動レシーバIC13の−側の入力端子に接続される。差動伝送線路12を終端するために、信号線12a上において差動レシーバIC13に近接した点p3と、信号線12b上において差動レシーバIC13に近接した点p4とは、100Ωの終端抵抗Rにより接続される。差動伝送線路12は50Ωの奇モードインピーダンスを有する。差動伝送線路12の+側信号線12aと−側信号線12bの電気的特性は等しく、これらは平衡な伝送線路を形成しており、LVDSではこの2本の信号線12a,12bにより1つのビット情報信号の伝送を行う。差動ドライバIC11は、その入力端子から入力されたビット情報信号に基づいて、差動伝送線路12の+側と−側の間に電位差を生じるような差動信号を生成する。詳しくは、差動ドライバIC11は約3.5mAの電流を駆動し、100Ωの終端抵抗Rの両端点p3,p4間に約350mVの電圧を発生させる。差動レシーバIC13は、終端抵抗Rの両端点p3,p4間に生じる約350mVの差動信号を検出してCMOSレベルに変換し、変換後のビット情報信号を出力端子から出力する。
図11の差動伝送回路は、例えば図12に示すように、プリント配線基板14上に設けられる。差動伝送線路12は、プリント配線基板14の上面に形成された導体層(図示せず。)に対してエッチング等の処理を行うことにより形成されることが可能である。
LVDSでは、差動伝送線路12の+側の信号線12aと−側の信号線12bとをそれぞれ流れる信号電流Isが同じ大きさを有し、かつ互いに逆の向きを有するので、それぞれに流れる電流によって発生する磁界は互いに打ち消しあうことに加えて、その信号レベルが小さいことから、不要輻射ノイズや、クロストークノイズの発生を抑制する。また、外来のノイズに対しても、影響の受け方が差動伝送線路12の+側と−側とで相対的に同じであれば信号の論理値に影響しないので、LVDSはノイズ耐性にも優れている。しかしながら、LVDSに限らず、プリント配線基板、ケーブル等の差動伝送線路や終端回路等の差動インピーダンスのミスマッチや、差動伝送線路12の信号線12a,12b間のスキューなどによっても、差動伝送線路12にはわずかな同相のコモンモード電流が流れてしまう。図11の差動伝送線路12において、ディファレンシャルモード電流成分は、終端抵抗Rによって整合して終端されるものの、コモンモード電流成分については回路上流れる経路がなく、プリント配線基板14の持つ浮遊容量等を介してリターンする。そのため、差動伝送線路12に発生するコモンモード電流成分が、LVDS伝送系から放射される不要輻射ノイズの主な原因となっていた。この点を解決するために、図12に示すように、2本の信号線12a,12bを平行にかつ直近の位置関係にレイアウトし、差動インピーダンスのミスマッチを防いでいる(例えば、特許文献1を参照)。上述の方法では、2本の信号線12a,12bから構成された差動伝送線路12に流れるコモンモード電流が抑制され、伝送ノイズ及び不要輻射ノイズを抑制できる。
特開2001−267701号。 特開2008−011559号。
しかしながら、図11及び図12の差動伝送回路では、通常のシングルエンド伝送方式に比べて、上述したような高速伝送における多くのメリットを有するが、1つのデータビットを伝送するために2本の信号線12a,12bを必要とするので、多ビット伝送を実現するには信号線の数が多くなり、プリント配線基板14上の配線領域が大きくなる、などの問題点があった。
この問題を解決する1つの方法として、3本の信号線を3対の差動伝送線路として利用することにより、従来の差動伝送では6本の信号線が必要であった3つのデータビットの伝送を、3本の信号線で実現する方法が考えられている(例えば、特許文献2を参照)。
このような差動伝送方法を既存の汎用の差動ドライバIC及び差動レシーバICを用いて実現する場合、3つの差動ドライバICの出力信号を規則的に合成させて3つの信号を生成し、これら3つの信号を差動伝送線路の3つの信号線を介して伝送した後で規則的に分離し、3つの差動レシーバICに送る必要がある。このため、差動伝送線路の送信側には、差動信号を出力する一対の出力端子をそれぞれ備えた3つの差動ドライバICが設けられ、これらの差動ドライバICにおける合わせて6つの出力端子はそれぞれ引き出し線を介して3本の信号線に接続され、このとき、各信号線には、異なる2つの差動ドライバICからの2本の引き出し線が接続される。差動伝送線路の受信側においても同様に、3つの差動レシーバICにおける合わせて6つの入力端子はそれぞれ引き出し線を介して3本の信号線に接続され、このとき、各信号線には、異なる2つの差動レシーバICへの2本の引き出し線が接続される。
この際、同一の信号線に接続された差動ドライバIC側の2つの引き出し線の長さが異なっていたり、また、同一の信号線に接続された差動レシーバIC側の2つの引き出し線の長さが異なっていたりすると、3つの信号それぞれのタイミングにずれが生じるので、互いの電磁界を打ち消すことができず低輻射ノイズを実現できない。このため、低輻射ノイズを実現するためには、差動ドライバIC側の6本の引き出し線を等長に構成し、かつ差動レシーバIC側の6本の引き出し線をそれぞれ等長に構成しなければならない。
それと同時に、差動ドライバICのそれぞれにおいて、一対の出力端子に接続された引き出し線の差動インピーダンスは一定に保たれる必要があり、また、差動レシーバICのそれぞれにおいて、一対の入力端子に接続された引き出し線の差動インピーダンスは一定に保たれる必要がある。このため、各差動ドライバICの2つの出力端子に接続される引き出し線は対称に配置され、また各差動レシーバICに接続される2つの引き出し線は対称に配置されなければならない。
しかしながら、以上説明したような引き出し線の構成及び配置をプリント配線基板上で実現するには、必ず引き出し線間で交差させる必要があるなどの理由により、具体的実現は非常に困難である。
本発明は以上の課題を解決し、3本の信号線を備えた差動伝送線路を介して差動ドライバ回路から差動レシーバ回路へ複数の差動信号を多重伝送する差動伝送回路において、等長に構成されかつ対称に配置された信号線及び引き出し線を備えた差動伝送回路を提供することを目的とする。
本発明の態様に係る差動伝送回路は、
複数の導体層を含む多層配線基板に形成された互いに等長な第1乃至第3の信号線を備えた差動伝送線路を介して、それぞれ第1乃至第3の差動ドライバ手段から第1乃至第3のレシーバ手段へ複数の差動信号を多重伝送する差動伝送回路において、
上記第1の差動ドライバ手段は、伝送される第1のビット情報信号に対応する第1の出力信号及びその反転信号をそれぞれ出力する第1及び第2の出力端子を備え、
上記第2の差動ドライバ手段は、伝送される第2のビット情報信号に対応する第2の出力信号及びその反転信号をそれぞれ出力する第3及び第4の出力端子を備え、
上記第3の差動ドライバ手段は、伝送される第3のビット情報信号に対応する第3の出力信号及びその反転信号をそれぞれ出力する第5及び第6の出力端子を備え、
上記第1の信号線は、上記第1の信号線のドライバ側において、ドライバ側の第1の引き出し線を介して上記第1の出力端子に接続され、ドライバ側の第2の引き出し線を介して上記第6の出力端子に接続され、
上記第2の信号線は、上記第2の信号線のドライバ側において、ドライバ側の第3の引き出し線を介して上記第2の出力端子に接続され、ドライバ側の第4の引き出し線を介して上記第3の出力端子に接続され、
上記第3の信号線は、上記第3の信号線のドライバ側において、ドライバ側の第5の引き出し線を介して上記第4の出力端子に接続され、ドライバ側の第6の引き出し線を介して上記第5の出力端子に接続され、
上記第1の差動レシーバ手段は、上記第1及び第2の信号線のレシーバ側において、レシーバ側の第1及び第2の引き出し線を介して上記第1及び第2の信号線の間に接続された第1の終端抵抗に発生する終端電圧の極性を判定し、判定結果に対応する第1のビット情報信号を出力し、
上記第2の差動レシーバ手段は、上記第2及び第3の信号線のレシーバ側において、レシーバ側の第3及び第4の引き出し線を介して上記第2及び第3の信号線の間に接続された第2の終端抵抗に発生する終端電圧の極性を判定し、判定結果に対応する第2のビット情報信号を出力し、
上記第3の差動レシーバ手段は、上記第3及び第1の信号線のレシーバ側において、レシーバ側の第5及び第6の引き出し線を介して上記第3及び第1の信号線の間に接続された第3の終端抵抗に発生する終端電圧の極性を判定し、判定結果に対応する第3のビット情報信号を出力し、
上記差動伝送回路において、
上記ドライバ側の第1乃至第6の引き出し線は互いに等長であり、上記等長構成を達成するために、少なくとも1つの差動ドライバ手段は他の差動ドライバ手段よりもレシーバ側に近づけて配置され、
上記ドライバ側の第1及び第2の引き出し線は少なくとも部分的に互いに対称に配置され、
上記ドライバ側の第3及び第4の引き出し線は少なくとも部分的に互いに対称に配置され、
上記ドライバ側の第5及び第6の引き出し線は少なくとも部分的に互いに対称に配置され、
上記第1乃至第3の差動ドライバ手段のうちのいずれか1つは、上記多層配線基板において、他の差動ドライバ手段が設けられる導体層とは異なる導体層に設けられ、
上記レシーバ側の第1乃至第6の引き出し線は互いに等長であり、上記等長構成を達成するために、少なくとも1つの差動レシーバ手段は他の差動レシーバ手段よりもドライバ側に近づけて配置され、
上記レシーバ側の第1及び第2の引き出し線は少なくとも部分的に互いに対称に配置され、
上記レシーバ側の第3及び第4の引き出し線は少なくとも部分的に互いに対称に配置され、
上記レシーバ側の第5及び第6の引き出し線は少なくとも部分的に互いに対称に配置され、
上記第1乃至第3の差動レシーバ手段のうちのいずれか1つは、上記多層配線基板において、他の差動レシーバ手段が設けられる導体層とは異なる導体層に設けられることを特徴とする。
上記差動伝送回路の上記多層配線基板において、上記第1の差動ドライバ手段と上記第1の差動レシーバ手段とは互いに異なる導体層に設けられ、上記第2の差動ドライバ手段と上記第2の差動レシーバ手段とは互いに異なる導体層に設けられ、上記第3の差動ドライバ手段と上記第3の差動レシーバ手段とは互いに異なる導体層に設けられることを特徴とする。
本発明によれば、3本の信号線を備えた差動伝送線路を介して差動ドライバ回路から差動レシーバ回路へ複数の差動信号を多重伝送する差動伝送回路において、等長に構成されかつ対称に配置された信号線及び引き出し線を備えた差動伝送回路を提供することができる。従って、本発明によれば、既存の汎用の差動ドライバICを用いた多重差動伝送において、3つの差動ドライバICにより生成される3つの差動信号においてタイミングのずれが生じず、差動ドライバICから差動信号が合成される地点までの引き出し線の経路も等長かつ対称な構成及び配置になるので、信号線間の互いの電磁界を打ち消すことができ、低輻射ノイズ伝送を可能とする。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の各実施形態において、同様の構成要素については同一の符号を付している。
第1の実施形態.
図1は、本発明の第1の実施形態に係る差動伝送回路の構成を示す上面図である。図2は、図1のD1−D2線における断面図であり、図3(a)は、図1のE1−E2−E3−E4−E5−E6線の組み合わせ断面図の一部を示す断面図であり、図3(b)は図1のE7−E8−E9−E10−E11−E12−E13−E14線の組み合わせ断面図の一部を示す断面図であり、図3(c)は図1のE15−E16−E17−E10−E11−E18−E19−E20線の組み合わせ断面図の一部を示す断面図であり、図3(d)は図1のE21−E22−E23−E24−E25−E26線の組み合わせ断面図の一部を示す断面図であり、図3(e)は図1のE27−E28E23−E24−E29−E30線の組み合わせ断面図の一部を示す断面図であり、図3(f)は図1のE31−E32−E3−E4−E33−E34線の組み合わせ断面図の一部を示す断面図である。説明のために、図1及び図2に示すようなxyz座標を導入する。本実施形態の差動伝送回路では、3本の信号線2a,2b,2cから構成された差動伝送線路2を介して3つのビット情報信号をLVDSにより伝送する。
図1において、差動伝送回路は、誘電体基板4の所定位置に設けられた3つの差動ドライバIC1a,1b,1cと、誘電体基板4の別の所定位置(図1では、差動ドライバIC1a,1b,1cが設けられた位置に対して+x方向の位置)に設けられた3つの終端抵抗Ra,Rb,Rc及び3つの差動レシーバIC3a,3b,3cと、これらの位置の間に延在するように互いに平行に設けられた3つの信号線2a,2b,2cからなる差動伝送線路2とを備えて構成される。差動ドライバIC1a,1bは、誘電体基板4の上面において互いに所定距離だけ(図1ではy軸方向に)離隔するように設けられ、差動ドライバIC1cは、誘電体基板4の下面において、鉛直方向(すなわち図2のz軸方向)から見たときに差動ドライバIC1a,1bのほぼ中間に位置するように設けられる。差動レシーバIC3a,3bは、誘電体基板4の上面において互いに所定距離だけ(図1ではy軸方向に)離隔するように設けられ、差動レシーバIC3cは、誘電体基板4の下面において、鉛直方向から見たときに差動レシーバIC3a,3bのほぼ中間に位置するように設けられる。差動伝送線路2の信号線2a,2cは、誘電体基板4の下面において互いに所定距離だけ離隔するようにストリップ状のパターン導体としてそれぞれ形成され、差動伝送線路2の信号線2bは、誘電体基板4の上面において、鉛直方向から見たときに信号線2a,2cのほぼ中間に位置するようにストリップ状のパターン導体として形成される。信号線2a,2b,2cはそれぞれ同じ長さL2を有するように構成され、その端点は、図1のx軸方向に関して同じ位置になるように配置される。誘電体基板4は厚さL1を有し、例えばFR−4にてなる。
差動ドライバIC1aは、差動レシーバIC3aと対向する側に、一対の差動信号を出力する出力端子a1,a2を備え、+側の出力端子a1は、誘電体基板4の上面に形成されたストリップ状のパターン導体5a1と、誘電体基板4を鉛直方向に貫通するビア導体7aとを介して、信号線2aにおける差動ドライバIC側の端点(以下、接続点Pa1という。)に接続され、−側の出力端子a2は、誘電体基板4の上面に形成されたストリップ状のパターン導体5a2を介して、信号線2bにおける差動ドライバIC側の端点(以下、接続点Pb1という。)に接続される。差動ドライバIC1bは、差動レシーバIC3bと対向する側に、一対の差動信号を出力する出力端子b1,b2を備え、+側の出力端子b1は、誘電体基板4の上面に形成されたストリップ状のパターン導体5b1を介して信号線2bの接続点Pb1に接続され、−側の出力端子b2は、誘電体基板4の上面に形成されたストリップ状のパターン導体5b2と、誘電体基板4を鉛直方向に貫通するビア導体7bとを介して、信号線2cにおける差動ドライバIC側の端点(以下、接続点Pc1という。)に接続される。差動ドライバIC1cは、差動レシーバIC3cと対向する側に、一対の差動信号を出力する出力端子c1,c2を備え、+側の出力端子c1は、誘電体基板4の下面に形成されたストリップ状のパターン導体5c1を介して信号線2cの接続点Pc1に接続され、−側の出力端子c2は、誘電体基板4の下面に形成されたストリップ状のパターン導体5c2を介して信号線2aの接続点Pa1に接続される。
差動レシーバIC3aは、差動ドライバIC1aと対向する側に、終端抵抗Raの両端a3,a4にそれぞれ接続された一対の入力端子を備え、終端抵抗Raの一端a3は、誘電体基板4の上面に形成されたストリップ状のパターン導体6a1と、誘電体基板4を鉛直方向に貫通するビア導体7cとを介して、信号線2aにおける差動レシーバIC側の端点(以下、接続点Pa2という。)に接続され、終端抵抗Raの他端a4は、誘電体基板4の上面に形成されたストリップ状のパターン導体6a2を介して、信号線2bにおける差動レシーバIC側の端点(以下、接続点Pb2という。)に接続される。差動レシーバIC3bは、差動ドライバIC1bと対向する側に、終端抵抗Rbの両端b3,b4にそれぞれ接続された一対の入力端子を備え、終端抵抗Rbの一端b3は、誘電体基板4の上面に形成されたストリップ状のパターン導体6b1を介して信号線2bの接続点Pb2に接続され、終端抵抗Rbの他端b4は、誘電体基板4の上面に形成されたストリップ状のパターン導体6b2と、誘電体基板4を鉛直方向に貫通するビア導体7dとを介して、信号線2cにおける差動レシーバIC側の端点(以下、接続点Pb2という。)に接続される。差動レシーバIC3cは、差動ドライバIC1cと対向する側に、終端抵抗Rcの両端c3,c4にそれぞれ接続された一対の入力端子を備え、終端抵抗Rcの一端c3は、誘電体基板4の下面に形成されたストリップ状のパターン導体6c1を介して信号線2cの接続点Pc2に接続され、終端抵抗Rcの他端c4は、誘電体基板4の下面に形成されたストリップ状のパターン導体6c2を介して信号線2aの接続点Pa2に接続される。
差動伝送線路2の各信号線2a,2b,2cと、パターン導体5a1,5a2,5b1,5b2,5c1,5c2,6a1,6a2,6b1,6b2,6c1,6c2とは、例えば誘電体基板4の上面及び下面に形成された導体層(図示せず。)に対してエッチング等の処理を行うことにより形成される。
差動ドライバIC側において、パターン導体5a1及びビア導体7aは、差動ドライバIC1aの出力端子a1と信号線2aの接続点Pa1とを接続する引き出し線を構成し、パターン導体5a2は、差動ドライバIC1aの出力端子a2と信号線2bの接続点Pb1とを接続する引き出し線を構成する。同様に、パターン導体5b1は、差動ドライバIC1bの出力端子b1と信号線2bの接続点Pb1とを接続する引き出し線を構成し、パターン導体5b2及びビア導体7bは、差動ドライバIC1bの出力端子b2と信号線2cの接続点Pc1とを接続する引き出し線を構成する。また、パターン導体5c1は、差動ドライバIC1cの出力端子c1と信号線2cの接続点Pc1とを接続する引き出し線を構成し、パターン導体5c2は、差動ドライバIC1cの出力端子c2と信号線2aの接続点Pa1とを接続する引き出し線を構成する。差動レシーバIC側においても、パターン導体6a1及びビア導体7cは、終端抵抗Raの一端a3と信号線2aの接続点Pa2とを接続する引き出し線を構成し、パターン導体6a2は、終端抵抗Raの他端a4と信号線2bの接続点Pb2とを接続する引き出し線を構成する。同様に、パターン導体6b1は、終端抵抗Rbの一端b3と信号線2bの接続点Pb2とを接続する引き出し線を構成し、パターン導体6b2及びビア導体7dは、終端抵抗Rbの他端b4と信号線2cの接続点Pc2とを接続する引き出し線を構成する。また、パターン導体6c1は、終端抵抗Rcの一端c3と信号線2cの接続点Pc2とを接続する引き出し線を構成し、パターン導体6c2は、終端抵抗Rcの他端c4と信号線2aの接続点Pa2とを接続する引き出し線を構成する。
差動伝送線路2の信号線2a,2b,2cは、互いのバランスをとるために、図2に示すように各信号線2a,2b,2cが三角形の頂点に位置するように設けられる。信号線2a,2b,2cはさらに、誘電体基板4の誘電率ε及び信号電圧Vを考慮したとき、信号線2a,2b,2c間の電気的距離が等しくなるように設けられる。言い換えると、空気中に露出した信号線2a,2c間の距離L13は、誘電体で充填された信号線2a,2b間の距離L11及び信号線2b,2c間の距離L12よりも長くなる。すなわち、次式を満たす。
[数1]
L11/(V/√ε)=L12/(V/√ε)=L13/V
差動ドライバIC1aに接続された2つの引き出し線は、互いに等長に構成され、さらに、差動伝送線路2の長手方向に平行な所定の直線(図2ではA1−A2線)に対して、少なくとも部分的には互いに対称に配置される。このため、パターン導体5a2は、長さL3のパターン導体5a1と対称に構成された長さL3の第1の部分と、ビア導体7aと同じ長さ(すなわちL1)にわたって第1の部分から屈曲して配置された第2の部分とを備えて構成される。同様に、差動ドライバIC1bに接続された2つの引き出し線は、互いに等長に構成され、さらに、差動伝送線路2の長手方向に平行な所定の直線(図2ではB1−B2線)に対して、少なくとも部分的には互いに対称に配置される。このため、パターン導体5b1は、長さL3のパターン導体5b2と対称に構成された長さL3の第1の部分と、ビア導体7bと同じ長さ(すなわちL1)にわたって第1の部分から屈曲して配置された第2の部分とを備えて構成される。また、差動ドライバIC1cに接続された2つの引き出し線は、長さL1+L3を有して互いに等長に構成され、さらに、差動伝送線路2の長手方向に平行な所定の直線(図2ではC1−C2線)に対して互いに対称に配置される。さらに、差動レシーバIC3aに接続された2つの引き出し線は、互いに等長に構成され、さらに、差動伝送線路2の長手方向に平行な所定の直線(図2ではA1−A2線)に対して、少なくとも部分的には互いに対称に配置される。このため、パターン導体6a2は、長さL4のパターン導体6a1と対称に構成された長さL4の第1の部分と、ビア導体7cと同じ長さ(すなわちL1)にわたって第1の部分から屈曲して配置された第2の部分とを備えて構成される。同様に、差動レシーバIC3bに接続された2つの引き出し線は、互いに等長に構成され、さらに、差動伝送線路2の長手方向に平行な所定の直線(図2ではB1−B2線)に対して、少なくとも部分的には互いに対称に配置される。このため、パターン導体6b1は、長さL4のパターン導体6b2と対称に構成された長さL4の第1の部分と、ビア導体7dと同じ長さ(すなわちL1)にわたって第1の部分から屈曲して配置された第2の部分とを備えて構成される。また、差動レシーバIC3cに接続された2つの引き出し線は、長さL1+L4を有して互いに等長に構成され、さらに、差動伝送線路2の長手方向に平行な所定の直線(図2ではC1−C2線)に対して互いに対称に配置される。
従って、差動ドライバIC側の6つの引き出し線は互いに等長に構成され、同様に、差動レシーバIC側の6つの引き出し線は互いに等長に構成される。このような等長構成を実現するために、差動ドライバIC側では、図1に示すように、差動ドライバIC1cを差動ドライバIC1a,1bよりも差動レシーバIC側に近づけるように(すなわち+x方向にずらして)配置する。同様に、差動レシーバIC側では、図1に示すように、差動レシーバIC3cを差動レシーバIC3a,3bよりも差動ドライバIC側に近づけるように(すなわち−x方向にずらして)配置する。
本実施形態では、以上説明した構成を備えたことにより、各差動ドライバIC1a,1b,1cの出力端子a1,a2,b1,b2,c1,c2と、終端抵抗Ra,Rb,Rcの両端端子a3,a4,b3,b4,c3,c4とは、図3(a)乃至図3(f)に示すように、信号線2a,2b,2c及び各引き出し線により互いに等長になるようにそれぞれ接続される。
以下、図4乃至図8を参照して、差動伝送線路2を用いて3つのビット情報信号を伝送する方法について詳述する。図4は、図1の差動伝送回路の回路図である。差動ドライバIC1a,1b,1cに入力された3つのビット情報信号は、差動ドライバIC側の引き出し線、差動伝送線路2、及び差動レシーバIC側の引き出し線を介して、差動レシーバIC3a,3b,3cに伝送されて出力される。本実施形態において、差動レシーバIC側には、伝送された信号を復元するためにスイッチSW1,SW2とスイッチコントローラ3dとがさらに設けられるが、図1では図示の簡単化のために省略した。
差動ドライバIC1a,1b,1cはそれぞれ、外部の回路(図示せず。)から到来するビット情報信号に応答して電流を駆動し、差動信号を発生させる。詳しくは、差動ドライバIC1aは、到来する第1ビット情報信号に応答して、信号線2a,2b間に所定の電位差を生じるような差動信号(すなわち、所定振幅の信号と、その反転信号)を発生させる。例えば、ビット情報信号が「0」であるときには、差動ドライバIC1aは、+側の出力端子a1から負の電位の信号を出力し、−側の出力端子a2から正の電位の信号を出力する一方、ビット情報信号が「1」であるときには、差動ドライバIC1aは、+側の出力端子a1から正の電位の信号を出力し、−側の出力端子a2から負の電位の信号を出力する。同様に、差動ドライバIC1bは、到来する第2ビット情報信号に応答して、信号線2b,2c間に所定の電位差を生じるような差動信号を発生させ、差動ドライバIC1cは、到来する第3ビット情報信号に応答して、信号線2c,2a間に所定の電位差を生じるような差動信号を発生させる。ここで、3ビット(8状態)の情報の完全な伝送を目的として、差動ドライバIC1cによって発生される差動信号の信号レベルは、差動ドライバIC1a,1bによってそれぞれ発生される差動信号の信号レベルよりも高く設定されている。図7(a)は、伝送されるビット情報に対する差動ドライバIC1aの出力信号電位を示すグラフであり、図7(b)は、伝送されるビット情報に対する差動ドライバIC1bの出力信号電位を示すグラフであり、図7(c)は、伝送されるビット情報に対する差動ドライバIC1cの出力信号電位を示すグラフである。
差動伝送線路2は、各信号線2a,2b,2c間において、例えば50Ωの奇モードインピーダンスを有する。信号線2a,2b,2cの電気的特性は互いに等しく平衡な伝送線路を形成し、この3本の信号線2a,2b,2cにより3つのビット情報信号の伝送を行う。
また、差動レシーバIC側において、終端抵抗Ra,Rb,Rcは、例えば差動インピーダンスと等しい100Ωの抵抗値をそれぞれ有し、各終端抵抗Ra,Rb,Rcの両端には、差動伝送線路2の各信号線2a,2b,2c上を重畳されて伝送された差動信号によって所定の電位差が生じ、この電位差により、各終端抵抗Ra,Rb,Rcには正又は負の電流が流れる。差動レシーバIC3aは終端抵抗Ra上を流れる電圧の極性(又は電流の向き)を判定し、この判定結果に対応するビット情報信号をCMOSレベルで出力する。同様に、差動レシーバIC3bは終端抵抗Rb上を流れる電圧の極性(又は電流の向き)を判定して、判定結果に対応するビット情報信号をCMOSレベルで出力し、差動レシーバIC3cは終端抵抗Rc上を流れる電圧の極性(又は電流の向き)を判定して、判定結果に対応するビット情報信号をCMOSレベルで出力する。差動レシーバIC3cはさらに、終端抵抗Rcに印加される電圧の絶対値を測定し、測定結果をスイッチコントローラ3dに送る。スイッチコントローラ3dは、差動レシーバIC3a,3bの出力端子にそれぞれ接続されたスイッチSW1,SW2を制御し、終端抵抗Rcにおける電圧の絶対値が200mVより大きいときには、差動レシーバIC3a,3bからの出力信号をそのまま、復元された第1及び第2ビット情報信号として出力させる一方、終端抵抗Rcにおける電圧の絶対値が200mV以下であるときには、差動レシーバIC3cからの出力信号を、復元された第1及び第2ビット情報信号として出力させる。また、差動レシーバIC3cからの出力信号は常に、復元された第3ビット情報信号として出力される。
差動伝送線路2を介してビット情報信号が伝送されたとき、差動レシーバIC側では以下のように、伝送される前のビット情報信号を復元する。
図7に示す出力信号電位を有して各差動ドライバIC1a,1b,1cからそれぞれ出力された差動信号は、差動ドライバIC側の引き出し線と差動伝送線路2の各信号線2a,2b,2cとを介して伝送されることにより、図5及び図8に示すような終端電位をもたらす。図5は、伝送されるビット情報に対する、各信号線2a,2b,2cの接続点Pa2,Pb2,Pc2における電位(すなわち、各信号線2a,2b,2cの終端電位)と、各終端抵抗Ra,Rb,Rcの電圧とを示す表である。また、図8は、伝送されるビット情報に対する、各信号線2a,2b,2cの接続点Pa2,Pb2,Pc2における電位を示すグラフである。図8は、第1ビット情報、第2ビット情報及び第3ビット情報の組み合わせを、「000,001,010,011,100,101,110,111」の順序で逐次に変化させたときに、信号線2a,2b,2c上に重畳される信号の電位を示す。
ここで、各信号線2a,2b,2cの終端電位について説明する。1本の信号線には、ドライバ側において、2つの差動ドライバICによって発生された2つの電圧信号V,Vが重畳されて印加され、レシーバ側において、レシーバ全体のインピーダンスZが装荷される。信号線の内部抵抗をrとすると、信号線の終端電位Vは次式で表される。
Figure 2009239841
ここで、r≪Zとおくことができるので、近似的に次式で表される。
Figure 2009239841
図6は、伝送されるビット情報に対する、各終端抵抗Ra,Rb,Rcでの電流方向を示す表である。伝送されたビット情報を復元するためには、すべてのビット情報が同じであるとき(000又は111)、終端抵抗Rcでの電流方向のみが参照される一方、すべてのビット情報が同じではないとき(001,010,011,100,101又は110)、終端抵抗Ra,Rb,Rcのそれぞれにおける電流方向が個別に参照される。
このように、本実施形態の差動伝送回路によれば、1つの差動ドライバIC1cに係る信号電圧レベルのみを他の差動ドライバIC1a,IC2bに係る信号電圧レベルと異なる値とすることと、終端抵抗Rcにおける電圧の絶対値に基づきスイッチコントローラ3dがスイッチSW1,SW2を制御することとにより、全ビットが0の場合及び全ビットが1の場合も含めた全8状態のビット情報を復号することが可能である。また、図5及び図8からわかるように、差動伝送線路2の各信号線2a,2b,2cに加わる電圧は、いずれのビット情報信号を伝送する場合においてもトータルで0となり、各信号線2a,2b,2cから輻射されるノイズが互いに打ち消しあうため、ノイズの少ない伝送が可能である。
以上説明したように、本実施形態に係る差動伝送回路によれば、3本の信号線を容易に等長かつ対称に配置することができ、差動ドライバIC1a,1b,1cの出力端子から信号線2a,2b,2cの接続点までの差動インピーダンスを一定に保つことができ、信号電流で発生する電磁界を互いに打ち消しあうので、不要輻射ノイズの少ない多重差動伝送線路を実現することができる。
第2の実施形態.
第1の実施形態では、図3(a)乃至図3(d)に示すように、差動ドライバIC1aの出力端子a1と終端抵抗Raの一端a3とを接続する経路(図3(a)参照)は2つのビア導体7a,7cを含み、差動ドライバIC1bの出力端子b2と終端抵抗Rbの一端b4とを接続する経路(図3(d)参照)は2つのビア導体7b,7dを含み、他の経路はビア導体を含んでいない。このように経路がビア導体を含むか否か(すなわち、基板内の異なる導体層への移動をするか否か)の相違は、ビア導体の影響の受けない周波数成分の信号を伝送する際には無視してかまわないが、しかしながら、高周波成分を含む信号、例えば1GHz以上の周波数成分を含む信号を伝送する際には、ビア導体による信号間の伝送遅延差の影響によるバランスの崩れが発生する可能性がある。以下、第2の実施形態において、このようなビア導体の有無の影響を解消するための差動伝送回路の構成について説明する。
本発明の第2の実施形態に係る差動伝送回路について、図9及び図10を参照して説明する。図9は、本発明の第2の実施形態に係る差動伝送回路の構成を示す上面図である。図10(a)は図9のF1−F2−F3−F4−F5−F6−F7線の組み合わせ断面図の一部を示す断面図であり、図10(b)は図9のF8−F9−F10−F11−F12−F13−F14線の組み合わせ断面図の一部を示す断面図であり、図10(c)は図9のF15−F16−F17−F11−F12−F18−F19線の組み合わせ断面図の一部を示す断面図であり、図10(d)は図9のF20−F21−F22−F23−F24−F25−F26線の組み合わせ断面図の一部を示す断面図であり、図10(e)は図9のF27−F28−F22−F23−F29−F30線の組み合わせ断面図の一部を示す断面図であり、図10(f)は図9のF31−F32−F3−F4−F33−F34線の組み合わせ断面図の一部を示す断面図である。
本実施形態の差動伝送回路は、差動ドライバIC1aと差動レシーバIC3aとは互いに異なる面(すなわち導体層)に設けられ、差動ドライバIC1bと差動レシーバIC3bとは互いに異なる面に設けられ、差動ドライバIC1cと差動レシーバIC3cとは互いに異なる面に設けられることを特徴とする。
図9において、差動ドライバIC側の構成及び差動伝送線路2の構成は、図1の差動伝送回路の構成と同様である。
一方、差動レシーバIC側において、差動レシーバIC3a,3bは、誘電体基板4の下面において互いに所定距離だけ(図9ではy軸方向に)離隔するように設けられ、差動レシーバIC3cは、誘電体基板4の上面において、鉛直方向から見たときに差動レシーバIC3a,3bのほぼ中間に位置するように設けられる。従って、差動レシーバIC3aは、誘電体基板4において差動ドライバIC1aとは逆の面に配置され、差動レシーバIC3bは、誘電体基板4において差動ドライバIC1bとは逆の面に配置され、差動レシーバIC3cは、誘電体基板4において差動ドライバIC1cとは逆の面に配置される。
差動レシーバIC3aは、差動ドライバIC1aと対向する側に、終端抵抗Raの両端a3,a4にそれぞれ接続された一対の入力端子を備え、終端抵抗Raの一端a3は、誘電体基板4の下面に形成されたストリップ状のパターン導体6a1を介して信号線2aの接続点Pa2に接続され、終端抵抗Raの他端a4は、誘電体基板4の下面に形成されたストリップ状のパターン導体6a2と、誘電体基板4を鉛直方向に貫通するビア導体7eとを介して、信号線2bの接続点Pb2に接続される。差動レシーバIC3bは、差動ドライバIC1bと対向する側に、終端抵抗Rbの両端b3,b4にそれぞれ接続された一対の入力端子を備え、終端抵抗Rbの一端b3は、誘電体基板4の下面に形成されたストリップ状のパターン導体6b1と、ビア導体7eとを介して、信号線2bの接続点Pb2に接続され、終端抵抗Rbの他端b4は、誘電体基板4の下面に形成されたストリップ状のパターン導体6b2を介して信号線2cの接続点Pb2に接続される。差動レシーバIC3cは、差動ドライバIC1cと対向する側に、終端抵抗Rcの両端c3,c4にそれぞれ接続された一対の入力端子を備え、終端抵抗Rcの一端c3は、誘電体基板4の上面に形成されたストリップ状のパターン導体6c1と、ビア導体7dとを介して、信号線2cの接続点Pc2に接続され、終端抵抗Rcの他端c4は、誘電体基板4の上面に形成されたストリップ状のパターン導体6c2と、ビア導体7cとを介して、信号線2aの接続点Pa2に接続される。ここで、パターン導体6a1は、終端抵抗Raの一端a3と信号線2aの接続点Pa2とを接続する引き出し線を構成し、パターン導体6a2及びビア導体7eは、終端抵抗Raの他端a4と信号線2bの接続点Pb2とを接続する引き出し線を構成する。同様に、パターン導体6b1及びビア導体7eは、終端抵抗Rbの一端b3と信号線2bの接続点Pb2とを接続する引き出し線を構成し、パターン導体6b2は、終端抵抗Rbの他端b4と信号線2cの接続点Pc2とを接続する引き出し線を構成する。また、パターン導体6c1及びビア導体7dは、終端抵抗Rcの一端c3と信号線2cの接続点Pc2とを接続する引き出し線を構成し、パターン導体6c2及びビア導体7cは、終端抵抗Rcの他端c4と信号線2aの接続点Pa2とを接続する引き出し線を構成する。
差動ドライバIC1aに接続された2つの引き出し線は、第1の実施形態の場合と同様に、互いに等長に構成され、さらに、差動伝送線路2の長手方向に平行な所定の直線(図9ではA3−A4線)に対して、少なくとも部分的には互いに対称に配置される。同様に、差動ドライバIC1bに接続された2つの引き出し線は、第1の実施形態の場合と同様に、互いに等長に構成され、さらに、差動伝送線路2の長手方向に平行な所定の直線(図9ではB3−B4線)に対して、少なくとも部分的には互いに対称に配置される。また、差動ドライバIC1cに接続された2つの引き出し線は、第1の実施形態の場合と同様に、長さL1+L3を有して互いに等長に構成され、さらに、差動伝送線路2の長手方向に平行な所定の直線(図9ではC1−C2線)に対して互いに対称に配置される。さらに、差動レシーバIC3aに接続された2つの引き出し線は、互いに等長に構成され、さらに、差動伝送線路2の長手方向に平行な所定の直線(図9ではA5−A6線)に対して、少なくとも部分的には互いに対称に配置される。このため、パターン導体6a1は、長さL4のパターン導体6a2と対称に構成された長さL4の第1の部分と、ビア導体7eと同じ長さ(すなわちL1)にわたって第1の部分から屈曲して配置された第2の部分とを備えて構成される。同様に、差動レシーバIC3bに接続された2つの引き出し線は、互いに等長に構成され、さらに、差動伝送線路2の長手方向に平行な所定の直線(図9ではB5−B6線)に対して、少なくとも部分的には互いに対称に配置される。このため、パターン導体6b2は、長さL4のパターン導体6b1と対称に構成された長さL4の第1の部分と、ビア導体7eと同じ長さ(すなわちL1)にわたって第1の部分から屈曲して配置された第2の部分とを備えて構成される。また、差動レシーバIC3cに接続された2つの引き出し線は、互いに等長に構成され、さらに、差動伝送線路2の長手方向に平行な所定の直線(図9ではC1−C2線)に対して互いに対称に配置される。このため、パターン導体6c1,6c2はそれぞれ、長さL4を有して構成される。
従って、本実施形態においても、差動レシーバIC側の6つの引き出し線は、第1の実施形態の場合と同様に、互いに等長に構成される。このような等長構成を実現するために、差動レシーバIC側では、図9に示すように、差動レシーバIC3cを差動レシーバIC3a,3bよりも差動ドライバIC側に近づけるように(すなわち−x方向にずらして)配置する。
本実施形態では、以上説明した構成を備えたことにより、各差動ドライバIC1a,1b,1cの出力端子a1,a2,b1,b2,c1,c2と、終端抵抗Ra,Rb,Rcの両端端子a3,a4,b3,b4,c3,c4とは、図10(a)乃至図10(f)に示すように、信号線2a,2b,2c及び各引き出し線により互いに等長になるようにそれぞれ接続される。なお、本実施形態の構成では、図10(a)乃至図10(f)に示すように、差動信号が伝送される経路はすべて1つのビア導体を含むことになるので、信号間の遅延差が発生しない。従って、以上説明した構成及び配置を備えたことにより、高周波成分を含む信号の伝送においても差動インピーダンスを一定に保つことができ、信号電流で発生する電磁界を互いに打ち消しあうので、不要輻射ノイズの少ない多重差動伝送線路を実現することができる。
変形例.
説明した実施形態では、上面及び下面に導体層が形成された誘電体基板4(すなわち両面基板)を用いたが、より多くの導体層及び誘電体層を備えた多層基板を用いて本実施形態の差動伝送回路を構成してもよい。このとき、接地導体となる導体層を設けることにより、差動伝送線路2の信号線及び引き出し線をストリップ線路又はマイクロストリップ線路として構成してもよい。また、説明した実施形態では、FR−4にてなる誘電体基板4を用いたが、その他の層構成及び材料(例えばセラミック)を用いてもよい。また、説明した実施形態では、差動伝送線路2の奇モードインピーダンスを50Ωとし、その差動インピーダンスを100Ωとして説明したが、インピーダンスはその他の値をとってもよい。また、説明した実施形態では、LVDSを用いた多重差動信号伝送を例として説明したが、信号線間のバランスをとる必要がある他の差動伝送方式であっても、同様の効果を有する。
本発明の差動伝送回路によれば、3本の信号線を備えた差動伝送線路を介して差動ドライバ回路から差動レシーバ回路へ複数の差動信号を多重伝送する差動伝送回路において、等長に構成されかつ対称に配置された信号線及び引き出し線を備えた差動伝送回路を提供することができる。本発明の差動伝送回路は、3つの信号線を有する差動伝送線路において、各信号線間の距離及び断面形状を差動伝送線路全体にわたって一定に保つことで、不要輻射ノイズの少ない差動伝送線路として有用である。また、説明した実施形態によれば、3つのビット情報信号の差動伝送を3本の信号線で実現し、かつ3ビットすべての状態(8状態)を伝送することができる。
本発明の第1の実施形態に係る差動伝送回路の構成を示す上面図である。 図1のD1−D2線における断面図である。 (a)は図1のE1−E2−E3−E4−E5−E6線の組み合わせ断面図の一部を示す断面図であり、(b)は図1のE7−E8−E9−E10−E11−E12−E13−E14線の組み合わせ断面図の一部を示す断面図であり、(c)は図1のE15−E16−E17−E10−E11−E18−E19−E20線の組み合わせ断面図の一部を示す断面図であり、(d)は図1のE21−E22−E23−E24−E25−E26線の組み合わせ断面図の一部を示す断面図であり、(e)は図1のE27−E28E23−E24−E29−E30線の組み合わせ断面図の一部を示す断面図であり、(f)は図1のE31−E32−E3−E4−E33−E34線の組み合わせ断面図の一部を示す断面図である。 図1の差動伝送回路の回路図である。 伝送されるビット情報に対する、各接続点Pa2,Pb2,Pc2における電位と、各終端抵抗Ra,Rb,Rcの電圧とを示す表である。 伝送されるビット情報に対する、各終端抵抗Ra,Rb,Rcでの電流方向を示す表である。 (a)は、伝送されるビット情報に対する差動ドライバIC1aの出力信号電位を示すグラフであり、(b)は、伝送されるビット情報に対する差動ドライバIC1bの出力信号電位を示すグラフであり、(c)は、伝送されるビット情報に対する差動ドライバIC1cの出力信号電位を示すグラフである。 伝送されるビット情報に対する、各端子3Ea,3Eb,3Ecにおける電位を示すグラフである。 本発明の第2の実施形態に係る差動伝送回路の構成を示す上面図である。 (a)は図9のF1−F2−F3−F4−F5−F6−F7線の組み合わせ断面図の一部を示す断面図であり、(b)は図9のF8−F9−F10−F11−F12−F13−F14線の組み合わせ断面図の一部を示す断面図であり、(c)は図9のF15−F16−F17−F11−F12−F18−F19線の組み合わせ断面図の一部を示す断面図であり、(d)は図9のF20−F21−F22−F23−F24−F25−F26線の組み合わせ断面図の一部を示す断面図であり、(e)は図9のF27−F28−F22−F23−F29−F30線の組み合わせ断面図の一部を示す断面図であり、(f)は図9のF31−F32−F3−F4−F33−F34線の組み合わせ断面図の一部を示す断面図である。 従来技術に係る差動伝送回路の回路図である。 図11の差動伝送回路の概略構成を示す斜視図である。
符号の説明
1a,1b,1c…差動ドライバIC、
2…差動伝送線路、
2a,2b,2c…信号線、
3a,3b,3c…差動レシーバIC、
3d…スイッチコントローラ、
4…誘電体基板、
5a1,5a2,5b1,5b2,5c1,5c2,6a1,6a2,6b1,6b2,6c1,6c2…パターン導体、
7a,7b,7c,7d…ビア導体、
Pa1,Pa2,Pb1,Pb2,Pc1,Pc2…接続点、
Ra,Rb,Rc…終端抵抗、
SW1,SW2…スイッチ。

Claims (2)

  1. 複数の導体層を含む多層配線基板に形成された互いに等長な第1乃至第3の信号線を備えた差動伝送線路を介して、それぞれ第1乃至第3の差動ドライバ手段から第1乃至第3のレシーバ手段へ複数の差動信号を多重伝送する差動伝送回路において、
    上記第1の差動ドライバ手段は、伝送される第1のビット情報信号に対応する第1の出力信号及びその反転信号をそれぞれ出力する第1及び第2の出力端子を備え、
    上記第2の差動ドライバ手段は、伝送される第2のビット情報信号に対応する第2の出力信号及びその反転信号をそれぞれ出力する第3及び第4の出力端子を備え、
    上記第3の差動ドライバ手段は、伝送される第3のビット情報信号に対応する第3の出力信号及びその反転信号をそれぞれ出力する第5及び第6の出力端子を備え、
    上記第1の信号線は、上記第1の信号線のドライバ側において、ドライバ側の第1の引き出し線を介して上記第1の出力端子に接続され、ドライバ側の第2の引き出し線を介して上記第6の出力端子に接続され、
    上記第2の信号線は、上記第2の信号線のドライバ側において、ドライバ側の第3の引き出し線を介して上記第2の出力端子に接続され、ドライバ側の第4の引き出し線を介して上記第3の出力端子に接続され、
    上記第3の信号線は、上記第3の信号線のドライバ側において、ドライバ側の第5の引き出し線を介して上記第4の出力端子に接続され、ドライバ側の第6の引き出し線を介して上記第5の出力端子に接続され、
    上記第1の差動レシーバ手段は、上記第1及び第2の信号線のレシーバ側において、レシーバ側の第1及び第2の引き出し線を介して上記第1及び第2の信号線の間に接続された第1の終端抵抗に発生する終端電圧の極性を判定し、判定結果に対応する第1のビット情報信号を出力し、
    上記第2の差動レシーバ手段は、上記第2及び第3の信号線のレシーバ側において、レシーバ側の第3及び第4の引き出し線を介して上記第2及び第3の信号線の間に接続された第2の終端抵抗に発生する終端電圧の極性を判定し、判定結果に対応する第2のビット情報信号を出力し、
    上記第3の差動レシーバ手段は、上記第3及び第1の信号線のレシーバ側において、レシーバ側の第5及び第6の引き出し線を介して上記第3及び第1の信号線の間に接続された第3の終端抵抗に発生する終端電圧の極性を判定し、判定結果に対応する第3のビット情報信号を出力し、
    上記差動伝送回路において、
    上記ドライバ側の第1乃至第6の引き出し線は互いに等長であり、上記等長構成を達成するために、少なくとも1つの差動ドライバ手段は他の差動ドライバ手段よりもレシーバ側に近づけて配置され、
    上記ドライバ側の第1及び第2の引き出し線は少なくとも部分的に互いに対称に配置され、
    上記ドライバ側の第3及び第4の引き出し線は少なくとも部分的に互いに対称に配置され、
    上記ドライバ側の第5及び第6の引き出し線は少なくとも部分的に互いに対称に配置され、
    上記第1乃至第3の差動ドライバ手段のうちのいずれか1つは、上記多層配線基板において、他の差動ドライバ手段が設けられる導体層とは異なる導体層に設けられ、
    上記レシーバ側の第1乃至第6の引き出し線は互いに等長であり、上記等長構成を達成するために、少なくとも1つの差動レシーバ手段は他の差動レシーバ手段よりもドライバ側に近づけて配置され、
    上記レシーバ側の第1及び第2の引き出し線は少なくとも部分的に互いに対称に配置され、
    上記レシーバ側の第3及び第4の引き出し線は少なくとも部分的に互いに対称に配置され、
    上記レシーバ側の第5及び第6の引き出し線は少なくとも部分的に互いに対称に配置され、
    上記第1乃至第3の差動レシーバ手段のうちのいずれか1つは、上記多層配線基板において、他の差動レシーバ手段が設けられる導体層とは異なる導体層に設けられることを特徴とする差動伝送回路。
  2. 上記多層配線基板において、上記第1の差動ドライバ手段と上記第1の差動レシーバ手段とは互いに異なる導体層に設けられ、上記第2の差動ドライバ手段と上記第2の差動レシーバ手段とは互いに異なる導体層に設けられ、上記第3の差動ドライバ手段と上記第3の差動レシーバ手段とは互いに異なる導体層に設けられることを特徴とする請求項1記載の差動伝送回路。
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