JP2006191551A - 差動伝送路の輻射ノイズ抑制回路 - Google Patents

差動伝送路の輻射ノイズ抑制回路 Download PDF

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清司 濱田
Koji Fusayasu
浩嗣 房安
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真一 谷本
Ryo Matsubara
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Abstract

【課題】近年の差動伝送方式による高速伝送において、2次コモンモード電流がノイズ要因となっている。
【解決手段】差動信号の+側信号配線4a及び−側信号配線4bを有し、差動ドライバ1と差動レシーバ2との間を接続する差動伝送線路と、差動ドライバ1に一端が接続され、差動伝送線路に沿ってその外側に配線されるシグナルGND配線5と、+側信号配線4a、−側信号配線4b、シグナルGND配線5が、いずれも同一巻方向で巻回されているコイル部6と、コイル部6よりも差動レシーバ2側で+側信号配線4a及び−側信号配線4b間に直列に接続され、同一のインピーダンス値を有する第1のインピーダンス素子7a及び第2のインピーダンス素子7bと、第1のインピーダンス素子7a及び第2のインピーダンス素子7bが接続された接続点に一端が接続され、他の一端がシグナルGND配線5の他の一端に接続される第3のインピーダンス素子8とを備えた。
【選択図】図1

Description

本発明は、高速信号伝送方式の1つである差動伝送線路における、輻射ノイズ抑制回路に関する。
近年、液晶テレビやプラズマテレビに代表されるフラットパネルディスプレイにおいて、VGA(VideoGraphics Array)からXGA(eXtendedGraphics Array)へと高画質となるに従い、画像情報を転送する信号速度の高速化が進んでいる。そこで、高速デジタル・データ伝送の方法として、低振幅の差動伝送方式が用いられるようになった。
この伝送方式は、互いに逆相で振幅の等しい+側信号と−側信号からなる差動信号を、送信する差動ドライバと受信する差動レシーバ間で、1対の平衡ケーブル、またはプリント基板上に形成された2本の配線パターンを通じて伝送する方式である。特徴としては、低ノイズ、低電圧振幅、高速データ伝送などがあり、高速伝送の手法として、ディスプレイの分野において導入が進んでいる。
図7は、一般的な差動伝送方式の一つであるLVDS(Low Voltage Differential Signaling)方式の差動伝送路の一例を示した構成図である。
図7において、差動ドライバ1と差動レシーバ2の間は、差動インピーダンスが100Ωの+側信号配線4aと−側信号配線4bにより結ばれており、差動レシーバ2の入力端付近において100Ωの終端抵抗3で終端されている。2つの信号配線4a、4bには、同振幅で逆位相の信号がそれぞれ印加されるので、それぞれの信号配線4a、4bから発生する磁界が打ち消しあう形となり、放射ノイズはほとんど発生しない。
しかし、実際の差動伝送においては、差動ドライバ1から出力される信号にはスキュー、すなわち立ち上がり立下り時間の差が存在することにより、2つの信号配線4a、4bを往路、シグナルグランド15を帰路とするコモンモード電流が発生し、放射ノイズの要因となっている。ここで、図7に示すシグナルグランド15とは、例えば、プリント基板上に形成されたGNDプレーンなどのことである。
この、コモンモード電流に起因する放射ノイズを対策する手段として、図8に示すようにコモンモードチョーク10を使用する方法がある。
コモンモードチョーク10は、2つの信号配線4a、4bを同一コアに同方向に巻きつける構成となっているため、互いに逆向きに流れる信号成分の電流に関しては磁界が打ち消し合うようになりそれらの信号成分の電流を通過させるが、同方向に流れるコモンモードノイズ成分に関しては磁界が足し合わされて強め合うので、インピーダンス性を持ち、コモンモード電流を流れにくくするという性質を持つ。
しかし、コモンモードチョーク10を使用する場合、信号配線4a、4bの途中に挿入すると、その挿入位置で、信号配線4a、4bの特性インピーダンスが異なったものとなる。そうなると、信号配線4a、4bを伝わる信号がコモンモードチョーク10で反射して、伝送信号波形に乱れが生じてしまう。このコモンモードチョーク10の挿入位置における反射を抑制して、伝送信号波形の乱れを防止するコモンモードチョークコイルも提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図9(a)は、特許文献1に開示されているコモンモードチョークコイルの外観を示す斜視図を、図9(b)は、そのコモンモードチョークコイルの分解斜視図を、それぞれ示している。
このコモンモードチョークコイルは、コイル導体22a、22bが、フェライトからなるリング状のトロイダルコア20にバイファイラ巻装されており、このトロイダルコア20が、蓋部16およびケース部21からなる外装ケースに収容されて構成されている。
ケース部21は、円筒形状の内周壁21aと外周壁21bが底壁21cで結合されており、内部にトロイダルコア20を収容するためのリング状の収容部21dを有している。蓋部16は、円板形であり、ケース部21の収容部21dを閉塞する。そして、蓋部16の周縁部からは、ケース部21の外周壁21bの外側面に沿って、4本の爪16bが等間隔で引き出されている。
ケース部21の外周壁21bの外側面、底壁21cの外面および蓋部16の外面には、クロームめっき膜等からなるグランド導体17が形成されている。ケース部21の外周壁21bおよび底壁21cのグランド導体17上には、絶縁性を有する樹脂等からなる絶縁膜18が等間隔で4箇所形成されている。絶縁膜18の上には、燐青銅等の金属材料からなる端子板19がそれぞれ装着されている。これら4つの端子板19には、コイル導体22a、22bの端部がそれぞれ半田付けされる。
蓋部16は、その爪16bをケース部21の底壁21cに係止させることにより、ケース部21に固定される。
このように構成されたコモンモードチョークコイルを、信号配線4a、4bをそれぞれ端子板19に接続して図8のコモンモードチョーク10として使用すると、接地されたグランド導体17が、蓋部16およびケース部21からなる外装ケースを間にして、コイル導体22a、22bと対向するので、これらの間に、外装ケースを誘電体とする静電容量(分布容量)が形成される。この静電容量とコイル導体22a、22bが有しているインダクタにより、コイル導体22a、22bの各々とグランドとの間にLCの分布定数回路が形成される。外装ケースを構成している樹脂の誘電率、グランド導体17とコイル導体22a、22bとの対向面積および距離によって、この静電容量が決まるので、これらの値を適切に選択することにより、コイル導体22a、22bの各々とグランドとの間の特性インピーダンスを、信号配線4a、4bの各々とグランドとの間の特性インピーダンスに合致させることができる。このようにして、コモンモードチョーク10における信号の反射を抑制することができる。
特開2000−58343号公報
しかしながら、近年の高速伝送においては、従来のようにコモンモードチョーク10を用いても十分なノイズ低減効果が得られなくなってきている。
その要因として、2つの信号配線4a、4bを往路、シグナルグランド15を帰路とするコモンモード電流だけでなく、2つの信号配線4a、4bとシグナルグランド15上を同方向に流れる2次コモンモード電流がノイズ要因であることが分かってきた。この2次コモンモード電流に起因するノイズに関しては、従来のコモンモードチョーク10では十分な低減効果が得られない。
図10を用いて、2次コモンモード電流について説明する。図10(a)は、コモンモード電流を説明する図であり、図10(b)は、2次コモンモード電流を説明する図である。ここでは、例として、差動伝送路を形成する2本の信号配線4a、4bがプリント基板上に形成されている場合について説明する。なお、図7と同じ構成部分には同じ符号を用いている。
図10(a)は、差動伝送におけるディファレンシャルモード電流とコモンモード電流の流れを示した図である。2本の信号配線4a、4b間を逆方向に流れるのがディファレンシャルモード電流であり、各信号配線4a、4bがシグナルグランド15に対して完全に平衡(シグナルグランド15からの距離が等しい、2本の信号配線4a、4bの幅が同じ、等)である場合には、コモンモード電流は発生しない。
しかし、2つの信号配線4a、4b間に何らかの不平衡(幅の違い、長さの違い、など)が存在する場合には、図10(a)に示すように2本の信号配線4a、4b間を同方向に流れるコモンモード電流が発生する。
図10(b)は、シグナルグランド15の不連続に起因する2次コモンモード電流の発生を示した図である。基準グランド23は、シグナルグランド15の基準電位を与えるものであり、ここでは、筐体がプリント基板のグランド(シグナルグランド15)の基準電位を与えるものとする。
図10(a)の差動伝送における2本の信号配線4a、4bと同様に考えると、2本の信号配線4a、4bを往路、シグナルグランド15を帰路とした電流がコモンモード電流である。そして、それらに不平衡(シグナルグランド15の幅が不連続、など)が存在すると、次のモードとして、図10(b)に示すような2本の信号配線4a、4bとシグナルグランド15を同方向に流れる2次のコモンモード電流が流れる。
本発明は、上述した従来の課題を解決するもので、従来の1次コモンモード電流の低減効果を悪化させず、2次コモンモード電流を低減できる、差動伝送路の輻射ノイズ抑制回路を提供することを目的とする。
上述した課題は、以下の輻射ノイズ抑制回路によって解決される。
差動信号の+側信号が印加される+側信号配線および前記差動信号の−側信号が印加される−側信号配線を有し、差動ドライバと差動レシーバとの間を接続する差動伝送線路と、
前記差動ドライバに一端が接続され、前記差動伝送線路に沿って前記差動伝送線路の外側に配線されるシグナルGND配線と、
前記+側信号配線、前記−側信号配線、前記シグナルGND配線が、いずれも同一巻方向で巻回されているコイル部と、
前記コイル部よりも差動レシーバ側で、前記+側信号配線および前記−側信号配線間に直列に接続され、実質上同一のインピーダンス値を有する第1のインピーダンス素子および第2のインピーダンス素子と、
前記コイル部よりも差動レシーバ側で、前記第1のインピーダンス素子および前記第2のインピーダンス素子が互いに接続された接続点に一端が接続され、他の一端が前記シグナルGND配線の他の一端に接続される第3のインピーダンス素子とを備えた、差動伝送路の輻射ノイズ抑制回路である。
本発明により、従来の1次コモンモード電流の低減効果を悪化させず、2次コモンモード電流を低減できる、差動伝送路の輻射ノイズ抑制回路を提供できる。
以下に、本発明の実施の形態について図を用いて説明する。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1を図1に基づいて説明する。図1は、本実施の形態1の差動伝送路の輻射ノイズ抑制回路の構成図を示している。なお、図7と同じ構成部分には同じ符号を用いている。
図1において、差動ドライバ1から差動レシーバ2へ、+側信号配線4aおよび−側信号配線4bにより信号が伝送される。+側信号配線4aと−側信号配線4bとは、電気的特性が等しく、平衡伝送路が形成され、その差動インピーダンス(+側信号配線4aと−側信号配線4bとの間のインピーダンス)は100Ωとなっている。また差動レシーバ2の入力端近傍には、差動インピーダンスにマッチングした100Ωの終端抵抗3が+側信号配線4aおよび−側信号配線4bに接続されている。
5は配線化されたシグナルGNDであり、+側信号配線4aおよび−側信号配線4bの外側に配線されている。+側信号配線4a、−側信号配線4b、およびシグナルGND配線5から決まる同相インピーダンス(+側信号配線4aと−側信号配線4bが接続されるときに、信号配線4aおよび4bを形成している2本の導体とシグナルGND配線5の間のインピーダンス)は100Ωである。
また、差動ドライバ1の出力端の近傍に、図2(a)に示すような、同一コア11に同方向に3線が巻かれた3線用チョークコイル6を備えており、+側信号配線4a、−側信号配線4bおよびシグナルGND配線5が接続されている。
また、3線用チョークコイル6の出力端近傍において、+側信号配線4aと−側信号配線4bの間には、差動インピーダンス100Ωの1/2である50Ωの抵抗値をそれぞれ有する、差動インピーダンスマッチング用抵抗7aおよび7bが直列に接続されている。
また、シグナルGND配線5は、3線用チョークコイル6の出力端近傍で、バイパスコンデンサとなる0.01μFのコンデンサ部品8を介して、差動インピーダンスマッチング用抵抗7aと7bとの接続点に接続されていることで、センタータップ終端が構成されている。
図2(a)は、3線用チョークコイル6の構成を示している。3線用チョークコイル6は、円形状のコア11を有しており、+側信号配線4a、−側信号配線4b、およびシグナルGND配線5が同方向に巻きつけられている。
なお、3線用チョークコイル6が、本発明のコイル部の一例である。また、差動インピーダンスマッチング用抵抗7aおよび7bが、本発明の、第1のインピーダンス素子および第2のインピーダンス素子の一例である。また、コンデンサ部品8が、本発明の第3のインピーダンス素子の一例である。
これらの構成により、+側信号配線4a、−側信号配線4bおよびシグナルGND配線5を同方向に流れる2次コモンモード電流を、3線用チョークコイル6によって除去することができ、ノイズ抑制効果が得られる。
また、図2(b)は、棒形状のコア11を有する3線用チョークコイル6の構成を示している。このように、コアの形状に関わらず、同方向に3線が巻かれている構成であればよい。例えば、図2(a)では、3線を円形状のコア11の2つの側に分けて巻きつけているが、一方側だけに3線を巻きつけるような構成であってもよい。
なお、本実施の形態1の輻射ノイズ抑制回路では、ノイズ抑制のために3線用チョークコイル6を用いたが、コアが無い構成であってもよい。
図3(a)は、本発明のコイル部の他の一例である3線コイル部の構成を示した斜視図である。図1に示す3線用チョークコイル6を、図3(a)に示す3線コイル部の構成に置き換えても同様のノイズ抑制効果が得られる。
図3(a)の3線コイル部は、多層基板の配線パターンにより実現するものである。多層基板の異なる層に、+側信号配線4a、−側信号配線4b、シグナルGND配線5のそれぞれに対応するコイル形状パターンを、それらが上下に重なるように配置している。そして、+側信号配線4a、−側信号配線4b、シグナルGND配線5と、それぞれに対応するコイル形状パターンとを、基板層間接続ビア12で接続させている。
また、図3(b)は、図3(a)の断面図である。多層基板は導体層30と絶縁体層31を交互に積層することによって成っており、通常は導体として銅、絶縁体としてFR4などの誘電体が用いられる。本構成によれば、図1に示す3線用チョークコイル6と同様の効果を示す。
さらに、3線コイル部の構成において、絶縁体として磁性体を用いることで、磁界の結合が強くなり、より好ましい。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2を図4に基づいて説明する。図4は、本実施の形態2の差動伝送路の輻射ノイズ抑制回路の構成図を示している。なお、図1と同じ構成部分には同じ符号を用いている。
本実施の形態2の輻射ノイズ抑制回路は、第3のインピーダンス素子として、実施の形態1では容量素子(コンデンサ部品8)のみを用いたのに対し、容量素子と抵抗素子を直列接続させて用いる点で、実施の形態1とは異なる。
図4において、差動ドライバ1から差動レシーバ2へ、+側信号配線4aおよび−側信号配線4bにより信号が伝送される。+側信号配線4aと−側信号配線4bとは、電気的特性が等しく、平衡伝送路が形成され、その差動インピーダンス(+側信号配線4aと−側信号配線4bとの間のインピーダンス)は100Ωとなっている。また差動レシーバ2の入力端近傍には、差動インピーダンスにマッチングした100Ωの終端抵抗3が+側信号配線4aおよび−側信号配線4bに接続されている。
5は配線化されたシグナルGNDであり、+側信号配線4aおよび−側信号配線4bの外側に配線されている。+側信号配線4aと−側信号配線4b、およびシグナルGND配線5から決まる同相インピーダンス(+側信号配線4aと−側信号配線4bが接続されるときに、信号配線4aおよび4bを形成している2本の導体とシグナルGND配線5の間のインピーダンス)は100Ωである。
また、差動ドライバ1の出力端の近傍に、同一コアに同方向に3線を巻いた、3線用チョークコイル6を備えており、+側信号配線4a、−側信号配線4bおよびシグナルGND配線5が接続されている。なお、3線用チョークコイル6は、実施の形態1と同様に、図2(a)または(b)に示すような構成をしている。
また、3線用チョークコイル6の出力端近傍において、+側信号配線4aと−側信号配線4bの間には、差動インピーダンス100Ωの1/2である50Ωの抵抗値をそれぞれ有する、差動インピーダンスマッチング用抵抗7a、7bが直列に接続されている。
また、シグナルGND配線5は、3線用チョークコイル6の出力端近傍で、バイパスコンデンサとなる0.01μFのコンデンサ部品28と、値が50Ωの同相インピーダンスマッチング用抵抗9を介して、差動インピーダンスマッチング用抵抗7aと7bとの接続点に接続されている。
このような構成とすることで、高周波領域でコンデンサ部品28がほぼ低インピーダンスに見えることを考えると、7a+9や7b+9の合成抵抗値が、同相インピーダンス100Ωに一致し、コモンモード電流成分に対して整合をとることができ、さらにノイズ抑制効果を増すことが可能となる。
なお、3線用チョークコイル6が、本発明のコイル部の一例である。また、差動インピーダンスマッチング用抵抗7aおよび7bが、本発明の、第1のインピーダンス素子および第2のインピーダンス素子の一例である。また、コンデンサ部品28と同相インピーダンスマッチング用抵抗9を直列に接続した構成が、本発明の第3のインピーダンス素子の一例である。
これらの構成により、+側信号配線4a、−側信号配線4bおよびシグナルGND配線5を同方向に流れる2次コモンモード電流を、3線用チョークコイル6によって除去することができる。
なお、本実施の形態2では、ノイズ抑制のために3線用チョークコイル6を用いたが、コア11の無い構成でもよく、実施の形態1と同様に、3線用チョークコイル6の代わりに図3に示すような構成の3線コイル部としてもよい。
以上に説明したように、各実施の形態の輻射ノイズ抑制回路は、シグナルグランドを配線化し、2本の信号配線と合わせて3線をチョークコイルに巻きつけることで、2本の信
号線路とシグナルグランド上を同方向に流れる2次コモンモード電流に対してインピーダンス性を持たせることができる。
また、チョークコイルを通った直後でシグナルグランド配線と2本の信号線間の電気的中点をつなぐことで、シグナルグランド配線を引き回す必要がなくなり、配線の平衡度が悪化することによる1次コモンモード電流による放射ノイズの悪化を防ぐことができる。
また、第1のインピーダンス素子および第2のインピーダンス素子を、それぞれ、値が差動伝送路の差動インピーダンス値の1/2である抵抗素子としたことで、差動インピーダンスにマッチングした形の構成で、電気的中点を取り出すことができる。
また、シグナルGND配線を差動伝送線路の外側に設けたことにより、差動伝送線路同士の結合が弱まって波形が乱れたり、差動インピーダンスが変化することで反射が起こったり、さらにこれらによってノイズが増加したりすることを防ぐことができる。
さらに、実施の形態2の輻射ノイズ抑制回路は、第3のインピーダンス素子を抵抗素子と容量素子を直列接続した構成とし、その抵抗素子と容量素子のインピーダンス値を、差動伝送路の同相インピーダンス値から第1のインピーダンス素子の値を差し引いた値としたことで、コモンモードに対してインピーダンスマッチングをとる構成となり、1次コモンモード電流の反射を防ぎ、放射ノイズを抑制することができる。
なお、本発明の輻射ノイズ抑制回路を発明するに際し、本発明者らは、差動伝送方式の1つであるTMDS(Transition Minimized Differential Signaling)用にシグナルグ
ランドを含めた3本線をコイルに巻きつけたTMDS用コモンモードフィルタを、LVDSに用いる方法についても検討した。
TMDS方式は原理上、1つの信号配線とシグナルグランド配線間、もう1つの信号配線とシグナルグランド配線間に交互に信号を流す擬似的な差動伝送方式のため、2つの信号線間にシグナルグランド配線を配しても問題はない。
これらの検討内容を、比較例として以下に説明する。
(比較例1)
図5は、信号配線間にシグナルGNDを配した場合の差導伝送回路の構成図を示している。なお、図7と同じ構成部分には同じ符号を用いている。
図5に示すように、差動ドライバ1と差動レシーバ2間において、2本の信号配線4a、4b間に、配線化されたシグナルGND25を配した。そして、差動ドライバ1の出力端の近傍に3線用チョークコイル26を備え、2本の信号配線4a、4bおよびシグナルGND配線25の3本線を同方向に巻きつける構成とした。ここで、3線用チョークコイル26には、図2(a)で示すような本発明で使用した3線用チョークコイル6と同じ構成のチョークコイルを使用した。
このように、2本の信号配線4a、4b間にシグナルGND配線25を配した場合には、信号配線4a、4b同士の結合が弱まり波形が乱れたり、差動インピーダンスが変化するので反射が起こりノイズが増加したりする、という新たな課題を発見した。
(比較例2)
図6は、シグナルGNDを2つの信号配線の外側に配した場合の差導伝送回路の構成図を示している。なお、図5と同じ構成部分には同じ符号を用いている。
比較例1では、2本の信号配線4a、4b間にシグナルGND配線25を配したのに対し、比較例2では、2本の信号配線4a、4bの外側にシグナルGND配線25を配する構成とした。
このようにシグナルGND配線25を2つの信号配線4a、4bの外側に配した場合には、各信号配線4a、4bとシグナルGND配線25とのそれぞれの距離が異なるため、配線の平衡度が悪化して1次コモンモード電流による放射ノイズが悪化する、という新たな課題を発見した。
これに対し、本発明の輻射ノイズ抑制回路では、図1および図4に示すようにシグナルGND配線5が3線用チョークコイル6の出力端近傍で終端されるので、図6に示すようなシグナルGND配線25を2つの信号配線4a、4bの外側に配した構成の場合に起こる配線の平衡度の悪化も起こらないので、1次コモンモード電流による放射ノイズが悪化することもない。
比較例1および比較例2に示したように、TMDS用コモンモードフィルタをそのままLVDSに適用した場合には、2次コモンモード電流によるノイズ放射は低減されるが、新たに1次コモンモード電流によるノイズ放射が悪化するという課題が発生した。
これらの比較例に対し、本発明の輻射ノイズ抑制回路は、1次コモンモード電流によるノイズ放射を悪化させることなく、2次コモンモード電流によるノイズ放射を低減させることができる。
以上に説明したように、本発明の差動伝送路の輻射ノイズ抑制回路によれば、高速信号伝送方式の1つである差動伝送線路において、従来のコモンモードチョークでは低減することができなかった、信号線とGND線を同方向に流れる2次コモンモード電流を低減することができ、かつ従来の1次コモンモード電流の低減効果の悪化を防ぐことができるため、輻射ノイズを抑えた信号伝送を実現することが可能となる。
本発明の差動伝送路の輻射抑制回路は、高速信号伝送方式の1つである差動伝送方式において、放射ノイズを出しにくい差動伝送路設計を行う上で有用である。
本発明の実施の形態1における差動伝送路の輻射ノイズ抑制回路の構成図 (a)本発明の実施の形態1における、円形状の3線用チョークコイルの構成図、(b)本発明の実施の形態1における、棒形状の3線用チョークコイルの構成図 (a)本発明の実施の形態1における、ノイズ抑制部分の一例である3線コイル部の構成を示す斜視図、(b)本発明の実施の形態1における、ノイズ抑制部分の一例である3線コイル部の断面図 本発明の実施の形態2における差動伝送路の輻射ノイズ抑制回路の構成図 TMDS用コモンモードフィルタをLVDSに適用した、比較例1の差動伝送回路の構成図 TMDS用コモンモードフィルタをLVDSに適用した、比較例2の差動伝送回路の構成図 従来の、LVDS方式の差動伝送路の構成図 従来の、コモンモードチョークを使用したLVDS方式の差動伝送路の構成図 (a)特許文献1のコモンモードチョークの外観を示す斜視図、(b)特許文献1のコモンモードチョークの分解斜視図 (a)コモンモード電流の説明図、(b)2次コモンモード電流の説明図
符号の説明
1 差動ドライバ
2 差動レシーバ
3 終端抵抗
4a +側信号配線
4b −側信号配線
5 シグナルGND配線
6 3線用チョークコイル
7a 差動インピーダンスマッチング用抵抗
7b 差動インピーダンスマッチング用抵抗
8 コンデンサ部品
9 同相インピーダンスマッチング用抵抗
10 コモンモードチョーク
11 コア
12 層間接続ビア
15 シグナルグランド
28 コンデンサ部品
30 導体層
31 絶縁体層

Claims (6)

  1. 差動信号の+側信号が印加される+側信号配線および前記差動信号の−側信号が印加される−側信号配線を有し、差動ドライバと差動レシーバとの間を接続する差動伝送線路と、
    前記差動ドライバに一端が接続され、前記差動伝送線路に沿って前記差動伝送線路の外側に配線されるシグナルGND配線と、
    前記+側信号配線、前記−側信号配線、前記シグナルGND配線が、いずれも同一巻方向で巻回されているコイル部と、
    前記コイル部よりも差動レシーバ側で、前記+側信号配線および前記−側信号配線間に直列に接続され、実質上同一のインピーダンス値を有する第1のインピーダンス素子および第2のインピーダンス素子と、
    前記コイル部よりも差動レシーバ側で、前記第1のインピーダンス素子および前記第2のインピーダンス素子が互いに接続された接続点に一端が接続され、他の一端が前記シグナルGND配線の他の一端に接続される第3のインピーダンス素子とを備えた、差動伝送路の輻射ノイズ抑制回路。
  2. 前記コイル部は、前記+側信号配線、前記−側信号配線、前記シグナルGND配線のそれぞれが、その途中にコイル形状を有しており、それらのコイル形状の部分が同一巻方向で重ねられた部分である、請求項1に記載の差動伝送路の輻射ノイズ抑制回路。
  3. 前記コイル形状の部分は、前記+側信号配線、前記−側信号配線、前記シグナルGND配線毎に、多層基板の異なる層上に形成されたコイル形状の配線パターンである、請求項2に記載の差動伝送路の輻射ノイズ抑制回路。
  4. 前記コイル部は、3線チョークコイルであり、
    前記3線チョークコイルの同一のコアに、前記+側信号配線、前記−側信号配線、前記シグナルGND配線が、いずれも同方向に巻きつけられている、請求項1に記載の差動伝送路の輻射ノイズ抑制回路。
  5. 前記第1のインピーダンス素子は、前記差動伝送線路の差動インピーダンス値の1/2のインピーダンス値を有する抵抗素子である、請求項1に記載の差動伝送路の輻射ノイズ抑制回路。
  6. 前記第3のインピーダンス素子は、抵抗素子と容量素子が直列に接続された構成であり、
    前記抵抗素子と前記容量素子の合計インピーダンス値は、前記差動伝送線路の同相インピーダンス値から前記第1のインピーダンス素子のインピーダンス値を差し引いた値である、請求項1に記載の差動伝送路の輻射ノイズ抑制回路。
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