JP2009019958A - 細胞電気生理センサ用デバイスおよびそれを用いた細胞電気生理センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】細胞電気生理センサの検出特性を向上させることを目的とする。
【解決手段】そしてこの目的を達成するため本発明は、センサチップ9と、このセンサチップ9の側面外周に配置されたチップ保持部10とを備え、センサチップ9は導通孔15を有する薄板と、この薄板上に形成された枠体とからなる細胞電気生理センサ用デバイスにおいて、センサチップ9の薄板は、第一のシリコン層11と、この第一のシリコン層11上において細胞捕捉面となる二酸化シリコン層12との積層体で形成され、センサチップの枠体は、第二のシリコン層13で形成されるとともに、チップ保持部10はガラスで形成され、このチップ保持部10と二酸化シリコン層12側面とはガラス溶着されているものとした。これにより本発明は、センサチップを介するリーク電流を低減することができ、細胞電気生理センサの検出特性を向上させることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は細胞電気生理センサ用デバイスおよびそれを用いた細胞電気生理センサに関する。
図8に示すように従来の細胞電気生理センサ用デバイスは、樹脂基板からなるチップ保持部1と、このチップ保持部1の孔に挿入されたシリコンからなるセンサチップ2とを備えている。そしてこのセンサチップ2は導通孔3を有する薄板2Aとこの薄板2A上に設けられた枠体2Bとからなる。またこのセンサチップ2は微小で全体に接着剤を塗布することは難しいため、薄板2A下端部とチップ保持部1とを接着剤4で接着している。
そして従来の細胞電気生理センサは、上記細胞電気生理センサ用デバイスと、センサチップの上方及び下方に配置された電解槽5A、5Bと、これらの電解槽5A、5B内に配置された電極6A、6Bとを備えている。
そしてこの細胞電気生理センサは、吸引等によって導通孔3の開口部に細胞7を捕捉することができ、電解槽5A、5B間の電位差を計測することによって、細胞7が活動する際の細胞7の内外における電位変化、あるいは細胞7の活動によって発生する物理化学的変化を測定することができる。
ここで図8に示すように、センサチップ2を成形後、表面を熱処理して熱酸化膜8を形成すれば、表面抵抗を向上させることができる。
なお、上記細胞電気生理センサと類似する例を開示するものとして下記の特許文献1が挙げられる。
特開2007−010430号公報
従来の細胞電気生理センサ用デバイスでは、細胞電気生理センサの検出特性が低下することがあった。
その理由は、センサチップ2を介するリーク電流が増大するからである。
すなわち、センサチップ2はシリコンで形成されているので、端部は僅かな衝撃でも劈開し易く、劈開と同時に表面の熱酸化膜8も欠損してしまう。そしてこの欠損部分は電解槽5Aに露出しているので、リーク電流が増大し、結果として細胞電気生理センサの検出特性が低下してしまうのであった。
そこで本発明は、細胞電気生理センサの検出特性を向上させることを目的とする。
そしてこの目的を達成するため本発明は、センサチップの薄板が、第一のシリコン層と、この第一のシリコン層上において細胞捕捉面となる二酸化シリコン層との積層体で形成され、センサチップの枠体は、第二のシリコン層で形成されるとともに、チップ保持部はガラスで形成され、このチップ保持部と二酸化シリコン層側面とはガラス溶着されているものとした。
これにより本発明は、細胞電気生理センサの検出特性を向上させることができる。
その理由は、センサチップを介するリーク電流を低減することができるからである。
すなわち本発明は、二酸化シリコン層が欠損したとしても、その欠損部分は側面としてチップ保持部とガラス溶着されるため、電解槽に露出することがない。したがって、センサチップを介するリーク電流を低減することができ、結果として細胞電気生理センサの検出特性を向上させることができる。
(実施の形態1)
図1の断面図に示すように本発明の一実施の形態における細胞電気生理センサ用デバイスは、センサチップ9と、このセンサチップ9の側面外周に配置されたチップ保持部10とを備えている。
そしてセンサチップ9は、シリコン層11と、このシリコン層11上に形成された二酸化シリコン層12と、この二酸化シリコン層12上に形成されたシリコン層13との積層体、すなわちいわゆるSOI基板で形成されている。
そして膜厚はそれぞれシリコン層11が約15μm、二酸化シリコン層12は約2.0μm、シリコン層13が約400μmである。
ここでシリコン層11には直径約20μmの半球形状の凹部14が形成されており、この凹部14の最深部からシリコン層11と二酸化シリコン層12との積層体を上下方向に貫く導通孔15が形成されている。
また本実施の形態では、シリコン層11の側面に相当する部分には、下面11A外周部分から上面(二酸化シリコン層12との接合面)に向けて内側に湾曲する湾曲面16を有し、二酸化シリコン層12の下面12Aが一部露出している。
そして導通孔15の深さは約7.0μmである。導通孔15は直径10μmから20μmの細胞17を捕捉するには、直径が1μm〜5μm、深さが1μm〜10μmが好ましいため、シリコン層11の厚みが大きい場合は本実施の形態のように、凹部14を設けて調整すればよい。
また本実施の形態のセンサチップ9は、後述の電解槽18A、18Bを仕切る薄板部分と、この薄板上に形成される中空の枠体とからなり、薄板部分はシリコン層11および二酸化シリコン層12の積層体で構成し、枠体部分はシリコン層13で形成している。そしてこのシリコン層11および二酸化シリコン層12(薄板部分)は円板状であり、シリコン層13(枠体部分)は円筒形をしている。このようにセンサチップ9の断面が円形の場合、方向性が無くなるため、チップ保持部10に挿入しやすくなる。
そして本実施の形態では、シリコン層11および二酸化シリコン層12はともに枠体となるシリコン層13よりも内側に形成されており、これらの水平方向における断面積は、それぞれシリコン層13の外径における断面積よりも小さいものである。そしてさらに二酸化シリコン層12の断面積はシリコン層11よりも大きいものである。
すなわち本実施の形態では、シリコン層11の直径よりも二酸化シリコン層12の直径の方が大きく、二酸化シリコン層12の直径よりもシリコン層13の外径の方が大きくなるように形成されている。
なお、本実施の形態では、シリコン層11の直径は最大部分で約680μm、二酸化シリコン層12の直径は690μm、シリコン層13の外径は700μmとした。
また本実施の形態では、二酸化シリコン層12の側面12aは、シリコン層13の側面13aよりも表面粗度が小さく、平滑に加工されている。一方で、シリコン層13の側面13aには微細な凹凸が形成されている。これにより、二酸化シリコン層12の側面12aとチップ保持部10との気密性を高めるとともに、センサチップ9とチップ保持部10との機械的接合強度を向上させることができる。
そしてチップ保持部10の材料としてはホウケイ酸ガラス(コーニング;#7052、#7056)、アルミノケイ酸塩ガラスまたはホウケイ酸鉛ガラス(コーニング;#8161)などのガラスが挙げられ、本実施の形態では、内径が750μm〜1400μm、外径が1500μm〜2000μm、厚みが375μmのホウケイ酸ガラスからなるガラス管を用いた。本実施の形態では、このガラス管からなるチップ保持部10の下端部にセンサチップ9が挿入されている。
そしてこのチップ保持部10内壁と二酸化シリコン層12の側面12aとはガラス溶着によって接合されている。またチップ保持部10のガラス成分は熱により溶融すると、シリコン層13(枠体)の側面13aにも付着するため、シリコン層13の側面13aとチップ保持部10との間もガラス溶着されている。さらに本実施の形態では、シリコン層11は二酸化シリコン層12よりも内側にあるため、二酸化シリコン層12の下面12A外周は露出しており、この露出した部分にもガラス成分が融着し、シリコン層11の側面の湾曲面16の一部にまで融着している。
さらに本実施の形態の細胞電気生理センサ用デバイスは、樹脂基板19に複数個孔を設け、この孔にそれぞれセンサチップ9と一体化されたチップ保持部10を挿入し、マルチプレート化されたものである。これにより大量の薬品スクリーニングにも対応できる。
また図1に示すように、本実施の形態の細胞電気生理センサは、上記細胞電気生理センサ用デバイスと、センサチップ9の上方および下方に配置された電解槽18A、18Bと、これらの電解槽18A、18Bに注入される液体と電気的に接続される電極20A、20Bとを備えている。
そして下方の電解槽18Bにはこの電解槽18Bを封止するようにシール材21を取り付け、電解槽18B内の液体を吸引する圧力伝達チューブ22を設置した。
なお、本実施の形態では、二酸化シリコン層12の膜厚は約2.0μmとしたが、二酸化シリコン層12における静電容量が厚み方向において10pF以下であればよい。また静電容量を小さくするため、二酸化シリコン層12の膜厚を大きくする必要がある場合も、本実施の形態のようにSOI基板を用いると、容易に膜厚を1.0μm以上とすることができる。
次に本実施の形態における細胞電気生理センサを用いて細胞17の電気生理活動を測定する方法について述べる。
まず図1に示す上方の電解槽18A内に細胞外液、下方の電解槽18B内に細胞内液を気泡が入らないよう充填し、細胞外液、細胞内液にそれぞれ電極20A、20Bを接触させる。
ここで細胞外液とはたとえば哺乳類筋細胞の場合、代表的にはK+イオンが155mM、Na+イオンが12mM程度、Cl-イオンが4.2mM程度添加された電解液であり、細胞内液とはK+イオンが4mM程度、Na+イオンが145mM程度、Cl-イオンが123mM程度添加された電解液である。
この状態において電極20A、20Bの間で100kΩ〜10MΩ程度の導通抵抗値を測定することができる。これは細胞外液あるいは細胞内液が導通孔15に浸透し、2つの電極20A、20Bが細胞外液と細胞内液とを介して導通するからである。
次に上方の電解槽18Aの上側から細胞17を投入し、圧力伝達チューブ22により減圧を行うと、細胞17は導通孔15に引き付けられ、導通孔15を塞ぎ、上下の電解槽18A、18B間の電気抵抗が十分に高い1GΩ以上の状態となる。この状態において細胞17の電気生理活動によって細胞17内外の電位が変化した場合には、わずかな電位差あるいは電流であっても測定が可能となる。ここでこの測定時においては、電解槽18A、18B間において、細胞17を介さない電気的パスを極力減らすことが、測定精度の向上に寄与する。
以下に本実施の形態の細胞電気生理センサ用デバイスの製造方法を説明する。
はじめに、図2に示すように、シリコン層11とシリコン層13との間に二酸化シリコン層12を挟んだいわゆるSOI基板を準備し、シリコン層11上にマスク23を配置する。SOI基板は、SIMOX(Separation by IMplantation of OXygen)方式あるいは張り合わせなどによって、予め膜厚1.0μm以上の厚い二酸化シリコン層12が形成されているものを用いた。
またマスク23には、導通孔15に相当する部分と、センサチップ9を個片化する部分にマスクホール24、25を形成しておく。この時、マスクホール25の大きさはマスクホール24の20倍以上にしておく。
次に図3に示すように、ドライエッチング方法によって、マスク23上方からエッチングガスを噴き付け、シリコン層11の中央に凹部14、そして外周部分に湾曲面16を形成する。
凹部14および湾曲面16を形成する際のガスとしてはシリコンを選択的にエッチングするガスを用いた。例えばSF6やXeF2、またはこれらの混合ガスなどが挙げられる。これらはシリコンのエッチングを深さ方向だけでなく、水平方向へのエッチングも促進する作用があるため、シリコン層11を半球形状の碗型にエッチングすることができる。
また、上記エッチングガスには、N2、Ar、He、H2などのキャリアガスを混合して用いた。またエッチングガスのキャリアガスに対するモル比は、2.0以下であることが望ましい。
この工程ではエッチングが等方的に進行するため、マスクホール25を大きく形成することによって、シリコン層11内側までエッチングされる。したがって、湾曲面16がより内側に形成される。本実施の形態では、湾曲面16を内側に形成することで、マスクホール25直下より内側まで二酸化シリコン層12が露出するよう、エッチングを行った。
次に、図4に示すようにICPプラズマを用いたドライエッチング方法によって、マスク23上方からシリコンのエッチングを促進するガス(以下促進ガスという)と抑制するガス(以下抑制ガスという)を交互に導入してシリコン層11に導通孔15を形成する。
抑制ガスとしては例えばC48、CHF3を用いることが好ましい。これにより、促進するガス導入時にはシリコン層11をエッチングし、抑制ガスの導入時にはエッチングした内壁に保護膜を形成することから、これらのエッチングガスの組み合わせを最適化することによって、エッチングはマスク23のマスクホール直下でのみ進行し、凹部14の最深部から導通孔15をほぼ垂直な形状にエッチング加工することができる。
なお、シリコン層11と二酸化シリコン層12とはエッチングレートが異なることから、二酸化シリコン層12はエッチングストップ層として機能し、所望深さの導通孔15を高精度に形成することができる。
その後、図5に示すようにマスク23をつけたまま、二酸化シリコンを選択的にエッチングするCF4とArとの混合ガスなどを噴き付け、二酸化シリコン層12を貫通する。この時、二酸化シリコン層12はマスクホール24、25とほぼ同形状にエッチングされる。
次に、図5に示すようにシリコン層13上にマスク26を配置する。このマスク26には、シリコン層13で形成する枠体部分以外に相当する箇所にマスクホールを形成しておく。
その後図6に示すように、マスク26上からエッチングを促進するガス(促進ガス)と抑制するガス(抑制ガス)とを交互に導入してシリコン層13をエッチングすると、薄板と枠体とからなるセンサチップ(図1の9)を形成することができる。
その後、センサチップ9を図1に示すチップ保持部10であるガラス管の中へ挿入し、チップ保持部10の外周面をガスバーナーなどの炎で加熱し、チップ保持部10のガラス成分を溶融させ、このチップ保持部10の内壁とセンサチップ9の外周面とを溶着させる。この時、少なくとも二酸化シリコン層12の側面にガラス成分が溶着するようにする。
ここでガスバーナーを使用するのは、局部的にチップ保持部10とセンサチップ9とを高温にでき融着させることができるためである。なおこの時の加熱温度は200℃〜1500℃程度が好ましい。
なお、図1に示すチップ保持部10は樹脂基板19の孔に挿入し、UV硬化性接着剤等によって接合することができる。チップ保持部10はセンサチップ9より大きいため、取り扱いも容易で、さらに親水性であるため、樹脂基板19との間に気泡が発生し難く、気密性に優れた接合となる。
本実施の形態における効果を以下に説明する。
本実施の形態の細胞電気生理センサ用デバイスは、細胞電気生理センサの検出特性を向上させることができる。
その理由は、センサチップ9を介するリーク電流を低減することができるからである。
すなわちセンサチップ9はシリコンで形成されているので、端部は僅かな障壁でも劈開し易い。そして従来は図8に示すように、センサチップ2表面に熱酸化膜8を形成していたため、センサチップ2の劈開と同時に表面の熱酸化膜8も欠損していた。そしてこの欠損部分は電解槽5Aに露出しているので、浮遊容量が生じてリーク電流が増大し、結果として細胞電気生理センサの検出特性が低下してしまうのであった。
これに対し図1に示す本実施の形態では、二酸化シリコン層12が欠損したとしても、その欠損部分が側面12aとしてチップ保持部とガラス溶着されるため、電解槽18Aあるいは18Bに露出することがない。
したがって、センサチップ9を介するリーク電流を低減することができ、結果として細胞電気生理センサの検出特性を向上させることができる。
また従来は図8に示すように、センサチップ2とチップ保持部1とは接着剤4で接合されており、微小なセンサチップ2側面に接着剤を均一に塗布するのは非常に困難で、センサチップ2側面とチップ保持部1との界面には、隙間が出来やすかった。
それに対し図1に示す本実施の形態では、二酸化シリコン層12の側面12aとチップ保持部内壁とがガラス溶着されているため、界面が無く気密性に優れ、センサチップ側面12aとチップ保持部10内壁との隙間を通るリーク電流を効果的に低減することができる。
また本実施の形態では、いわゆるSOI基板を用いているため、二酸化シリコン層12の厚みを容易に大きくすることができ、浮遊容量の低減に顕著な効果がある。
すなわち従来は、図8に示すように、センサチップ2成形後に表面を熱酸化処理して熱酸化膜8を形成していたため、厚膜形成には非常に時間がかかり、一般的には0.2μm〜0.3μm程度の薄い熱酸化膜8を形成していた。ここで浮遊容量は膜厚に比例するため、この薄い熱酸化膜8を介して大きな浮遊容量が生じてしまい、リーク電流が増大していた。
これに対し本実施の形態では、予めSIMOX法等により容易に二酸化シリコン層12が厚膜形成されたSOI基板を用いることができ、二酸化シリコン層12によって浮遊容量を10pF以下に減らすことができる。そしてその結果、センサチップ9を介するリーク電流を低減することができるのである。なお、本実施の形態では、二酸化シリコン層12の厚みとして1.0μm以上が浮遊容量低減に効果的であった。
ここで、チップ保持部10としては、ガラス板などを用いてもよいが、本実施の形態のようにガラス管を用いた方がリペア性に優れる。またチップ保持部10の外方から加熱しやすい。
またガラスはシリコンと比較して安価なため、チップ保持部10のサイズを大きくすることができ、センサチップ9のみを樹脂基板19にはめ込むよりも作業性が向上する。
また本実施の形態では、細胞捕捉面が二酸化シリコン層12であるため、親水性に優れ、細胞17との密着性が向上し、細胞電気生理センサの測定精度を向上させることができる。
また本実施の形態のようにセンサチップ9を薄板(シリコン層11、二酸化シリコン層12)と枠体(シリコン層13)とで形成すると、薄板が薄い場合においても、枠体が存在することにより取り扱いが容易で、さらにチップ保持部10との接合面積を増やすことができ、センサチップ9とチップ保持部10との接合強度を上げることができる。
さらに二酸化シリコン層12の細胞保持面側にシリコン層13からなる枠体を形成することによって、チップ保持部10のガラス成分が細胞保持面にまで拡散するのを防ぎ、表面を凹凸にしたり導通孔15を塞いだりするのを抑制することができる。なお、二酸化シリコン層12は親水性のため、ガラス成分がなじみやすいことから、上記シリコン層13により回り込みを抑制する構成は非常に有効である。
さらに本実施の形態では、シリコン層11および二酸化シリコン層12の断面積が、シリコン層13の外径における断面積より小さいため、厚みの薄いシリコン層11や二酸化シリコン層12がチップ保持部10からの応力を受けて割れるのを抑制することができる。
すなわち、シリコン層11の側面および二酸化シリコン層12の側面12aは、シリコン層13の側面13aと略面一にするか、あるいはより内側にすることが割れ防止に効果的である。
また本実施の形態では、二酸化シリコン層12の断面積は、シリコン層11の断面積以上としたことによって、二酸化シリコン層12の側面12aが露出するため、ガラス成分を溶着させやすくなる。
さらに二酸化シリコン層12の断面積を、シリコン層11の断面積より大きくすることによって、二酸化シリコン層12の下面12Aの一部が露出する。そしてこの露出した部分にもチップ保持部10のガラス成分を回り込ませ、溶着させることによって、接着強度を増大させることができる。
また二酸化シリコン層12の下面12Aにまでガラス成分が回り込んだかどうかは外部観察により判断しやすい。したがって、高精度に二酸化シリコン層12の側面12aとチップ保持部10とを接合することができる。
さらに本実施の形態では、二酸化シリコン層12の側面12aは、シリコン層13の側面13aよりも表面粗度が小さい。
すなわち、二酸化シリコン層12の側面12aを平滑にすることによって、チップ保持部10との気密性を高め、結果としてリーク電流を低減することができる。そしてシリコン層13の側面13aには、凹凸を形成しておくことによって、チップ保持部10のガラス成分が入り込み、接触面積を増やし、機械的接合強度を向上させることが出来る。
なお、シリコン層13の側面13aに形成された凹凸は、上記ドライエッチング工程において、エッチングを測定するガスと抑制するガスの比率等の条件を調整することによって形成することもできる。
さらに本実施の形態では、シリコン層11の側面を湾曲面16としたことによって、シリコン層11の側面に溶融・付着したガラス成分がシリコン層11の下面11A(凹部14、導通孔15近傍)にまで回り込むのを抑制することができる。
すなわち、湾曲面16でガラス成分の拡散を抑制するとともにこの湾曲面16にガラス成分を溜めることができるのである。これにより、例えば導通孔15がガラス成分によってふさがれたり、下面11Aにガラス成分による凹凸が形成されたりするのを抑制することができる。
また本実施の形態では、チップ保持部10の下端部にセンサチップ9を挿入したため、細胞17投入側の電解槽18Aにおける気泡の発生を抑制することができる。これは、チップ保持部10が親水性のガラスで形成されているためである。
なお本実施の形態では、チップ保持部10の下端部にセンサチップ9を挿入したが、チップ保持部10の中間部分や上端部に挿入してもよく、たとえば上端部に挿入すると、センサチップ9の下方にチップ保持部10からなる流路が形成され、電解液の吸引がしやすくなる。
(実施の形態2)
本実施の形態と実施の形態1との主な違いは、図7に示すように、シリコン層13の側面13aと二酸化シリコン層12の側面12aとを略面一とした点である。すなわち本実施の形態では、二酸化シリコン層12の水平方向における断面積は、シリコン層13の外径における断面積と略同じになるように形成している。
これによりシリコン層11からシリコン層13への沿面距離が長くなり、電解槽18A、18B間の電気的絶縁性を向上させることができ、結果としてリーク電流を低減することができ、細胞電気生理センサの検出特性を向上させることができる。
ここで、二酸化シリコン層12の水平方向における断面積とシリコン層13の外径における断面積とを略同じになるように形成するには、シリコン層13をドライエッチングした後、そのマスク(図5のマスク26)の個片化用のマスクホールを利用して二酸化シリコン層12をエッチングする等の方法がある。
なお、図7に示す本実施の形態のように、シリコン層11に凹部(図1の14)及び湾曲面(図1の16)は形成しなくてもよい。
本発明の細胞電気生理センサは、細胞電気生理測定を高精度に行うことにおいて有用である。
本発明の実施の形態1における細胞電気生理センサの断面図 本発明の実施の形態1における細胞電気生理センサ用デバイスの製造工程を示す断面図 同断面図 同断面図 同断面図 同断面図 本発明の実施の形態2における細胞電気生理センサの断面図 従来の細胞電気生理センサの断面図
符号の説明
9 センサチップ
10 チップ保持部
11 シリコン層
11A 下面
12 二酸化シリコン層
12a 側面
12A 下面
13 シリコン層
13a 側面
14 凹部
15 導通孔
16 湾曲面
17 細胞
18A、18B 電解槽
19 樹脂基板
20A、20B 電極
21 シール材
22 圧力伝達チューブ
23 マスク
24 マスクホール
25 マスクホール
26 マスク

Claims (6)

  1. センサチップと、このセンサチップの側面外周に配置されたチップ保持部とを備え、前記センサチップは導通孔を有する薄板と、この薄板上に形成された枠体とからなる細胞電気生理センサ用デバイスにおいて、
    前記センサチップの薄板は、
    第一のシリコン層と、この第一のシリコン層上において細胞捕捉面となる二酸化シリコン層との積層体で形成され、
    前記センサチップの枠体は、
    第二のシリコン層で形成されるとともに、
    前記チップ保持部はガラスで形成され、
    このチップ保持部と前記二酸化シリコン層側面とはガラス溶着されている細胞電気生理センサ用デバイス。
  2. 前記二酸化シリコン層の水平方向における断面積は、
    前記第一のシリコン層の水平方向における断面積以上であって、
    前記第二のシリコン層の外径における水平方向断面積以下とした請求項1に記載の細胞電気生理センサ用デバイス。
  3. 前記二酸化シリコン層の側面は、
    前記第二のシリコン層の外側面よりも表面粗度が小さい請求項1または2に記載の細胞電気生理センサ用デバイス。
  4. 前記二酸化シリコン層の静電容量は、10pF以下である請求項1から3のいずれか一つに記載の細胞電気生理センサ用デバイス。
  5. 前記チップ保持部のガラス成分は、
    前記二酸化シリコン層の下面の一部にも溶着している請求項1から4のいずれか一つに記載の細胞電気生理センサ用デバイス。
  6. 請求項1から5のいずれか一つに記載の細胞電気生理センサ用デバイスと、
    前記センサチップの上方および下方に配置された電解槽と、
    これらの電解槽に注入される液体と電気的に接続される電極とを備えた細胞電気生理センサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2010016193A1 (ja) * 2008-08-04 2010-02-11 パナソニック株式会社 細胞電気生理センサ用チップとこれを用いた細胞電気生理センサ、および細胞電気生理センサ用チップの製造方法

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