しかしながら、上記従来の方法では、以下の課題が残されている。
即ち、特許文献1に記載された方法では、電極から得られる電気信号は抵抗の大きなシリコン基板から形成されるフィードスルーを介して外部に取り出されるため、フィードスルーで電気信号の損失が生じるため、S/N比が小さくなり、感度が低下する不都合があった。
また、シリコン基板からなるフィードスルーに光などの電磁波が入射したり、熱が加えられたりするとフィードスルー内に電荷が励起されるため、ノイズが生じてS/N比が小さくなり、感度が低下する不都合があった。
本発明は、このような事情に考慮してなされたもので、その目的は、フィードスルーの抵抗による電気信号の損失を防ぎ、光などの電磁波の入射や熱によるノイズの発生を防いでS/N比が大きい三次元配線、三次元配線の製造方法、該三次元配線を用いた力学量センサ、及び力学量センサの製造方法を提供することである。
本発明は、前記課題を解決するために以下の方法を提供する。
本発明の三次元配線は、絶縁物からなり、貫通穴を有する第一の絶縁基板と、絶縁物からなる第二の絶縁基板と、前記第一の絶縁基板及び前記第二の絶縁基板によって挟み込まれて接合された半導体基板からなるフレームと、前記第一の絶縁基板及び前記第二の絶縁基板によって挟み込まれて保持される、前記貫通穴に相対して設けられたフィードスルーと、前記第二の絶縁基板上に設けられて前記フィードスルーに電気的に接続された導電性材料からなる下部電極と、外観通穴の少なくとも内周面を多い前記フィードスルーに電気的に接続された導電性材料からなる外部電極と、を有し、前記フィードスルーは前記フレームとは電気的に絶縁されるように設けられ、前記フレームよりも電気抵抗率の小さい導電性材料からなることを特徴とする三次元配線である。
この発明に係る三次元配線においては、前記フィードスルーは前記フレームよりも電気抵抗が小さい材料から形成されるのが望ましく、好適には金属から形成されるのがよい。このように構成された三次元配線では、前記下部電極への電気信号は前記外部電極から抵抗の小さな前記フィードスルーを介して印加される。そのため、電気信号がフィードスルーを通る際の電気損失が小さく、S/N比を大きくすることができるとともに省電力化を図ることができる。
また、本発明の三次元配線は、上記本発明の三次元配線であって、前記フィードスルーの側面は前記フレームによって覆われ、該フィードスルー及び該フレームは絶縁薄膜によって電気的に絶縁されていることを特徴とする三次元配線である。
この発明に係る三次元配線においては、前記フィードスルーを前記フレームに埋め込むことができるのでデバイスの小型化を図ることができる。
また、前記フィードスルーは前記フレームで支持され、前記フィードスルーと前記第一の絶縁基板及び前記第二の絶縁基板とを強固に接合することができるので、デバイスの信頼性を向上させることができる。
また、前記フィードスルーは前記フレームによって覆われて静電遮蔽されているので、外部から電磁波が入射しても該フィードスルーを通る電気信号にノイズが生じず、S/N比を向上させることができる。
また、本発明の三次元配線は、上記本発明の三次元配線であって、前記フィードスルーの側面のうち一部のみが前記フレームに覆われていることを特徴とする三次元配線である。
この発明に係る三次元配線においては、前記フィードスルーを前記フレームに埋め込むことができるのでデバイスの小型化を図ることができる。
また、前記フィードスルーは前記フレームで支持され、前記フィードスルーと前記第一の絶縁基板及び前記第二の絶縁基板とを強固に接合することができるので、デバイスの信頼性を向上させることができる。
さらに、前記下部電極は前記フレームに接することなく前記フィードスルーに接続されるので、該下部電極と該フレームとの間に絶縁性の薄膜を設けて両者を絶縁する必要がなく、生産性を向上させることができる。
また、前記フィードスルーは前記フレームによって覆われて静電遮蔽されているので、外部から電磁波が入射しても該フィードスルーを通る電気信号にノイズが生じず、S/N比を向上させることができる。
また、本発明の三次元配線は、上記本発明の三次元配線であって、前記フィードスルーはアルミニウム、チタン、クロム、鉄、コバルト、ニッケル、カドミウム、錫、インジウム、銅、亜鉛、タングステンのうち少なくとも一種類以上を含む金属からなり、前記第一の絶縁基板及び前記第二の絶縁基板はアルカリ金属のうち少なくとも一種類以上を含むガラスからなることを特徴とする三次元配線である。
この発明に係る三次元配線においては、前記フィードスルーを陽極とし、前記第一の絶縁基板及び前記第二の絶縁基板を陰極として電圧を印加すると陽極接合により前記フィードスルーと前記第一の絶縁基板及び前記第二の絶縁基板を強固に接合することができるので、生産性の向上を図るとともにデバイスの信頼性を向上させることができる。
また、本発明の三次元配線は、上基本発明の三次元配線であって、前記フィードスルーに相対するように、前記第一の絶縁基板及び前記第二の絶縁基板に配置されたフィードスルー接合部を備え、前記フィードスルー及び前記フィードスルー接合部はともにアルミニウムを含む金属からなることを特徴とする三次元配線である。
この発明に係る三次元配線においては、前記フィードスルーを陽極とし、前記フィードスルー接合部を陰極として電圧を印加すると、陽極接合により前記フィードスルーと前記前記フィードスルー接合部とを強固に接合することができるので、生産性の向上を図るとともにデバイスの信頼性を向上させることができる。
また、本発明の三次元配線は、上記本発明の三次元配線であって、前記フィードスルーはニッケル、クロム、コバルト、鉄、錫、金、銀、銅、ロジウム、ルテニウムのうち少なくとも一種類以上含む金属からなることを特徴とする三次元配線である。
この発明に係る三次元配線においては、前記フィードスルーを電鋳法または無電解めっき法によって形成することができるので、生産性の向上を図るとともにデバイスの信頼性を向上させることができる。
また、本発明の三次元配線は、上記本発明の三次元配線であって、前記フィードスルーはチタン、ジルコニウム、アルミニウム、モリブデン、タンタル、タングステン、ハフニウム、バナジウム、鉄、ニッケルのうち少なくとも一種類以上を含む金属からなることを特徴とする三次元配線である。
この発明に係る三次元配線においては、前記フィードスルーが酸素あるいは水と容易に化学反応して吸収するので、前記フレームと前記第一の絶縁基板及び前記第二の絶縁基板によって囲まれた領域を大気圧以下に保持する必要がある場合に、前記フィードスルーの側面が前記領域に含まれる酸素あるいは水を吸収し、ゲッターポンプとして働くのでデバイスの性能を向上させることができるとともにデバイスの信頼性を向上させることができる。
また、本発明の三次元配線の製造方法は、半導体基板にフィードスルー形成用穴を形成し、該フィードスルー形成用穴の内部に導電性材料を充填してフィードスルーを形成するフィードスルー充填工程と、絶縁物からなる第一の絶縁基板に前記フィードスルーに相対するように貫通穴を設ける第一の絶縁基板形成工程と、絶縁物からなる第二の絶縁基板に前記フィードスルーに電気的に接続される導電性材料からなる下部電極を設ける第二の絶縁基板形成工程と、前記フィードスルー充填工程及び前記第一の絶縁基板形成工程の後に前記半導体基板と前記第一の絶縁基板とを接合する第一の絶縁基板接合工程と、該第一の絶縁基板接合工程の後に前記半導体基板をフレーム及び前記フィードスルーを残して除去する半導体基板加工工程と、該半導体基板加工工程及び前記第二の絶縁基板形成工程の後に前記半導体基板と前記第二の絶縁基板とを接合する第二の絶縁基板接合工程と、該第二の絶縁基板接合工程の後に前記貫通穴の少なくとも内周面を覆い前記フィードスルーに電気的に接続されるように導電体材料からなる外部電極を形成する外部電極形成工程とを備える三次元配線の製造方法である。
本発明に係る三次元配線の製造方法においては、まずフィードスルー充填工程により、半導体基板にフィードスルー形成用穴をドライエッチングあるいはウェットエッチングによって形成したのち、該フィードスルー形成用穴の内部に導電体材料を充填してフィードスルーを形成する。
また、第一の絶縁基板形成工程により、絶縁物からなる第一の絶縁基板に前記フィードスルーに相対するようにサンドブラスト法、ドライエッチング法あるいはウェットエッチング法により貫通穴を形成する。
また、第二の絶縁基板形成工程により、絶縁物からなる第二の絶縁基板に導電体材料からなる下部電極を形成する。
これらフィードスルー充填工程、第一の絶縁基板形成工程及び第二の絶縁基板形成工程はどの工程から行ってもよい。
次に、前記フィードスルー充填工程及び前記第一の絶縁基板形成工程の後に、第一の絶縁基板接合工程により、前記半導体基板と前記第一の絶縁基板とを接合する。
次に、前記第一の絶縁基板接合工程の後に、半導体基板加工工程により、前記半導体基板をフレーム及び前記フィードスルーを残して除去する。
次に、前記第二の絶縁基板形成工程及び前記半導体基板加工工程の後に、第二の絶縁基板接合工程により、前記半導体基板と前記第二の絶縁基板とを接合する。
なお、第二の絶縁基板接合工程の後に半導体基板加工工程を行い、第一の絶縁基板接合工程を行っても構わない。
次に、これら各工程が終了した後に、外部電極形成工程により、前記貫通穴の少なくとも内周面を覆い前記フィードスルーに電気的に接続するように導電体材料からなる外部電極を形成する。
このように製造された三次元配線では、下部電極には、外部電極及びフィードスルーを通して電気信号を印加することができる。フィードスルーは金属からなるので、フィードスルーがシリコンからなる場合に比べて電気抵抗が小さく、電気信号を損失なく伝達することができ、S/N比を向上させることができるとともに省電力化を図ることができる。また、フィードスルーに熱が印加され、あるいは光や電磁波が入射しても電気的な特性が変化しないので、S/N比を向上させることができるとともにデバイスの信頼性を向上させることができる。
また、本発明の三次元配線の製造方法は、上記本発明の三次元配線の製造方法であって、前記フィードスルー充填工程において前記フィードスルー形成用穴を形成した後に該フィードスルー形成用穴の側面に絶縁性の薄膜を形成し、さらにその後、該フィードスルー形成用穴に導電性材料を充填して前記フィードスルーを形成し、前記半導体基板加工工程において前記フレームは前記フィードスルーを覆うように形成し、該フィードスルー及び該フレームは前記絶縁性の薄膜によって互いに絶縁されることを特徴とする三次元配線の製造方法である。
この発明に係る三次元配線の製造方法においては、前記フィードスルーと前記半導体基板とが電気的に絶縁されるため、該半導体基板を陽極とし、前記第一の絶縁基板または前記第二の絶縁基板を陰極として陽極接合を行うと、印加された電流は前記フィードスルーへ流出せず、前記半導体基板から直接前記第一の絶縁基板または前記第二の絶縁基板へ流れ、前記半導体基板と前記第一の絶縁基板または前記第二の絶縁基板とを強固に接合することができる。また、別途前記フィードスルーを陽極とし、前記第一の絶縁基板または前記第二の絶縁基板を陰極として電流を流すと、前記フィードスルーと前記第一の絶縁基板及び前記第二の絶縁基板も強固に陽極接合される。そのため、デバイスの信頼性を向上させることができる。
また、前記フィードスルーと前記フレームとが前記絶縁性の薄膜によって互いに絶縁されるので、該フィードスルーは該フレーム内に埋め込むことができ、該フィードスルーが強固に保持されるため、デバイスの信頼性を向上させることができるとともにデバイスの小型化を図ることができる。
また、本発明の三次元配線の製造方法は、上記本発明の三次元配線の製造方法であって、前記半導体基板加工工程において前記フレームは前記フィードスルーの側面のうち一部のみを覆い、該フィードスルー及び該フレームは前記絶縁性の薄膜によって互いに絶縁されることを特徴とする三次元配線の製造方法である。
この発明に係る三次元配線の製造方法においては、前記フィードスルーと前記半導体基板とが電気的に絶縁されるため、該半導体基板を陽極とし、前記第一の絶縁基板または前記第二の絶縁基板を陰極として陽極接合を行うと、印加された電流は前記フィードスルーへ流出せず、前記半導体基板から直接前記第一の絶縁基板または前記第二の絶縁基板へ流れ、前記半導体基板と前記第一の絶縁基板または前記第二の絶縁基板とを強固に接合することができる。また、別途前記フィードスルーを陽極とし、前記第一の絶縁基板または前記第二の絶縁基板を陰極として電流を流すと、前記フィードスルーと前記第一の絶縁基板及び前記第二の絶縁基板も強固に陽極接合される。そのため、デバイスの信頼性を向上させることができる。
また、前記フィードスルーと前記フレームとが前記絶縁性の薄膜によって互いに絶縁されるので、該フィードスルーは該フレーム内に埋め込むことができ、該フィードスルーが強固に保持されるため、デバイスの信頼性を向上させることができるとともにデバイスの小型化を図ることができる。
さらに、前記フィードスルーの側面のうち一部のみが前記フレームに覆われるため、前記下部電極は直接前記フィードスルーに接続することができ、工程の簡便化を図ることができる。
また、本発明の三次元配線の製造方法は、上記本発明の三次元配線の製造方法であって、前記フィードスルー充填工程においてフィードスルー形成用穴にアルミニウム、チタン、クロム、鉄、コバルト、ニッケル、カドミウム、錫、インジウム、銅、亜鉛、タングステンのうち少なくとも一種類以上を含む金属を充填して前記フィードスルーを形成し、前記第一の絶縁基板形成工程及び前記第二の絶縁基板形成工程において前記第一の絶縁基板及び前記第二の絶縁基板としてアルカリ金属を含むガラスを用いることを特徴とする三次元配線の製造方法である。
この発明に係る三次元配線の製造方法においては、前記フィードスルーを陽極とし、前記第一の絶縁基板及び前記第二の絶縁基板を陰極として電圧を印加すると陽極接合により前記フィードスルーと前記第一の絶縁基板及び前記第二の絶縁基板を強固に接合することができるので、生産性の向上を図るとともにデバイスの信頼性を向上させることができる。
また、本発明の三次元配線の製造方法は、上記本発明の三次元配線の製造方法であって、前記フィードスルーに相対するように、前記第一の絶縁基板及び前記第二の絶縁基板に配置されたフィードスルー接合部を備え、前記フィードスルー及び前記フィードスルー接合部はともにアルミニウムを含む金属からなり、前記第一の絶縁基板接合工程及び前記第二の絶縁基板接合工程において、前記フィードスルーを陽極とし、前記フィードスルー接合部を陰極として、該フィードスルーと該フィードスルー接合部とを陽極接合することを特徴とする三次元配線の製造方法である。
この発明に係る三次元配線の製造方法においては、前記フィードスルーを陽極とし、前記フィードスルー接合部を陰極として電圧を印加すると、陽極接合により前記フィードスルーと前記前記フィードスルー接合部とを強固に接合することができるので、生産性の向上を図るとともにデバイスの信頼性を向上させることができる。
また、本発明の三次元配線の製造方法は、上記本発明の三次元配線の製造方法であって、前記フィードスルー充填工程においてフィードスルー形成用穴にニッケル、クロム、コバルト、鉄、錫、金、銀、銅、ロジウム、ルテニウムのうち少なくとも一種類以上を含む金属を充填して前記フィードスルーを形成することを特徴とする三次元配線の製造方法である。
この発明に係る三次元配線の製造方法においては、前記フィードスルーを電鋳法または無電解めっき法によって形成することができるので、生産性の向上を図るとともにデバイスの信頼性を向上させることができる。
また、本発明の三次元配線の製造方法は、上記本発明の三次元配線の製造方法であって、前記フィードスルー充填工程においてフィードスルー形成用穴にチタン、ジルコニウム、アルミニウム、モリブデン、タンタル、タングステン、ハフニウム、バナジウム、鉄、ニッケルのうち少なくとも一種類以上を含む金属を充填して前記フィードスルーを形成することを特徴とする三次元配線の製造方法である。
この発明に係る三次元配線の製造方法においては、前記フィードスルーが酸素あるいは水と容易に化学反応して吸収するので、前記フレームと前記第一の絶縁基板及び前記第二の絶縁基板によって囲まれた領域を大気圧以下に保持する必要がある場合に、前記フィードスルーの側面が前記領域に含まれる酸素あるいは水を吸収し、ゲッターポンプとして働くのでデバイスの性能を向上させることができるとともにデバイスの信頼性を向上させることができる。
また、本発明の力学量センサは、絶縁物からなり、貫通穴を有する第一の絶縁基板と、絶縁物からなる第二の絶縁基板と、前記第一の絶縁基板及び前記第二の絶縁基板によって挟み込まれて接合された半導体基板と、該半導体基板からなるフレームと、前記第一の絶縁基板及び前記第二の絶縁基板ならびに前記フレームとに囲まれて形成されるキャビティと、該キャビティに収容されて前記半導体材料からなり前記第一の絶縁基板及び前記第二の絶縁基板と所定の間隔を空けて配置された錘と、一端を前記フレームに接続され他端を前記錘に接続されて該錘を揺動自在に保持する梁と、前記第一の絶縁基板上に設けられて前記錘に対向するように配置された上部電極と、前記第二の絶縁基板上に設けられて前記錘に対向するように配置された下部電極と、前記第一の絶縁基板及び前記第二の絶縁基板によって挟み込まれて保持され前記上部電極と電気的に接続された導電性材料からなり、貫通穴にと相対するように設けられた上部フィードスルーと、前記第一の絶縁基板及び前記第二の絶縁基板によって挟み込まれて保持され前記下部電極と電気的に接続された導電性材料からなり、前記貫通穴にと相対するように設けられた下部フィードスルーと、該貫通穴の少なくとも内周面を覆い前記上部フィードスルー及び前記下部フィードスルーに電気的に接続された導電性材料からなる外部電極とを備える加速度センサであって、前記上部フィードスルー及び前記下部フィードスルーは前記フレームとは電気的に絶縁されるように設けられて該フレームとは異なる材料からなることを特徴とする力学量センサである。
この発明に係る力学量センサにおいては、前記上部フィードスルー及び前記下部フィードスルーは前記フレームよりも電気抵抗が小さい材料から形成されるのが望ましく、好適には金属から形成されるのがよい。このように構成された力学量センサでは、前記下部電極からの電気信号は抵抗の小さな前記下部フィードスルーを介して前記外部電極より取り出される。そのため、電気信号が下部フィードスルーを通る際の電気損失が小さく、S/N比を大きくすることができるとともに省電力化を図ることができる。
また、本発明の力学量センサは、上記本発明の力学量センサであって、前記上部フィードスルー及び前記下部フィードスルーの側面は前記フレームによって覆われ、
該上部フィードスルー及び該下部フィードスルーならびに該フレームは絶縁薄膜によって電気的に絶縁されていることを特徴とする力学量センサである。
この発明に係る力学量センサにおいては、前記上部フィードスルー及び前記下部フィードスルーを前記フレームに埋め込むことができるのでデバイスの小型化を図ることができる。
また、前記上部フィードスルー及び前記下部フィードスルーは前記フレームで支持され、前記上部フィードスルー及び前記下部フィードスルーと前記第一の絶縁基板及び前記第二の絶縁基板とを強固に接合することができるので、デバイスの信頼性を向上させることができる。
また、前記上部フィードスルー及び前記下部フィードスルーは前記フレームによって覆われて静電遮蔽されているので、外部から電磁波が入射しても該上部フィードスルー及び該下部フィードスルーを通る電気信号にノイズが生じず、S/N比を向上させることができる。
また、本発明の力学量センサは、上記本発明の力学量センサであって、前記上部フィードスルー及び前記下部フィードスルーの側面のうち一部のみが前記フレームに覆われていることを特徴とする力学量センサである。
この発明に係る力学量センサにおいては、前記上部フィードスルー及び前記下部フィードスルーを前記フレームに埋め込むことができるのでデバイスの小型化を図ることができる。
また、前記上部フィードスルー及び前記下部フィードスルーは前記フレームで支持され、前記上部フィードスルー及び前記下部フィードスルーと前記第一の絶縁基板及び前記第二の絶縁基板とを強固に接合することができるので、デバイスの信頼性を向上させることができる。
さらに、前記上部電極及び前記下部電極は前記フレームに接することなく前記上部フィードスルー及び前記下部フィードスルーに接続されるので、該上部電極及び該下部電極と該フレームとの間に絶縁性の薄膜を設けて両者を絶縁する必要がなく、生産性を向上させることができる。
また、前記上部フィードスルー及び前記下部フィードスルーは前記フレームによって覆われて静電遮蔽されているので、外部から電磁波が入射しても該上部フィードスルー及び前記下部フィードスルーを通る電気信号にノイズが生じず、S/N比を向上させることができる。
また、本発明の力学量センサは、上記本発明の力学量センサであって、前記上部フィードスルー及び前記下部フィードスルーはアルミニウム、チタン、クロム、鉄、コバルト、ニッケル、カドミウム、錫、インジウム、銅、亜鉛、タングステンのうち少なくとも一種類以上を含む金属からなり、前記第一の絶縁基板及び前記第二の絶縁基板はアルカリ金属のうち少なくとも一種類以上を含むガラスからなることを特徴とする力学量センサである。
この発明に係る力学量センサにおいては、前記上部フィードスルー及び前記下部フィードスルーを陽極とし、前記第一の絶縁基板及び前記第二の絶縁基板を陰極として電圧を印加すると陽極接合により前記上部フィードスルー及び前記下部フィードスルーと前記第一の絶縁基板及び前記第二の絶縁基板を強固に接合することができるので、生産性の向上を図るとともにデバイスの信頼性を向上させることができる。
また、本発明の力学量センサは、上記本発明の力学量センサであって、前記フィードスルーに相対するように、前記第一の絶縁基板及び前記第二の絶縁基板に配置されたフィードスルー接合部を備え、前記フィードスルー及び前記フィードスルー接合部はともにアルミニウムを含む金属からなることを特徴とする力学量センサである。
この発明に係る力学量センサにおいては、前記上部フィードスルー及び前記下部フィードスルーを陽極とし、前記第一の絶縁基板及び前記第二の絶縁基板を陰極として電圧を印加すると陽極接合により前記上部フィードスルー及び前記下部フィードスルーと前記第一の絶縁基板及び前記第二の絶縁基板を強固に接合することができるので、生産性の向上を図るとともにデバイスの信頼性を向上させることができる。
また、本発明の力学量センサは、上記本発明の力学量センサであって、前記上部フィードスルー及び前記下部フィードスルーはニッケル、クロム、コバルト、鉄、錫、金、銀、銅、ロジウム、ルテニウムのうち少なくとも一種類以上含む金属からなることを特徴とする力学量センサである。
この発明に係る力学量センサにおいては、前記上部フィードスルー及び前記下部フィードスルーを電鋳法または無電解めっき法によって形成することができるので、生産性の向上を図るとともにデバイスの信頼性を向上させることができる。
また、本発明の力学量センサは、上記本発明の力学量センサであって、前記上部フィードスルー及び前記下部フィードスルーはチタン、ジルコニウム、アルミニウム、モリブデン、タンタル、タングステン、ハフニウム、バナジウム、鉄、ニッケルのうち少なくとも一種類以上を含む金属からなることを特徴とする力学量センサである。
この発明に係る力学量センサにおいては、前記上部フィードスルー及び前記下部フィードスルーが酸素あるいは水と容易に化学反応して吸収するので、前記キャビティを大気圧以下に保持する必要がある場合に、前記上部フィードスルー及び前記下部フィードスルーの側面が前記領域に含まれる酸素あるいは水を吸収し、ゲッターポンプとして働くのでデバイスの性能を向上させることができるとともにデバイスの信頼性を向上させることができる。
また、本発明の力学量センサは、上記本発明の力学量センサであって、測定する力学量は加速度であることを特徴とする力学量センサである。
この発明に係る力学量センサにおいては、該力学量センサに外部から加速度が印加されると、印加された加速度の大きさ及び方向に応じた電気信号が前記上部電極及び前記下部電極から抵抗の小さい前記上部フィードスルー及び前記下部フィードスルーを介して前記外部電極に取り出されるので、S/N比の向上を図るとともに省電力化を図り、感度を向上させることができる。
また、外部から光などの電磁波が入射したり熱が印加されたりしてもノイズを生じず、S/N比の向上を図ることができる。
また、本発明の力学量センサは、上記本発明の力学量センサであって、測定する力学量は角速度であることを特徴とする力学量センサである。
この発明に係る力学量センサにおいては、該力学量センサに外部から角速度が印加されると、印加された角速度の大きさ及び方向に応じた電気信号が前記上部電極及び前記下部電極から前記上部フィードスルー及び前記下部フィードスルーを介して前記外部電極に取り出されるので、S/N比の向上を図るとともに省電力化を図り、感度を向上させることができる。
また、外部から光などの電磁波が入射したり熱が印加されたりしてもノイズを生じず、S/N比の向上を図ることができる。
また、本発明の力学量センサの製造方法は、半導体基板にフィードスルー形成用穴を形成し、該フィードスルー形成用穴の内部に導電性材料を充填して上部フィードスルー及び下部フィードスルーを形成するフィードスルー充填工程と、該フィードスルー充填工程の後に前記半導体基板にセンサギャップを設け、フレーム及び錘の上面ならびに梁を形成する梁形成工程と、絶縁物からなる第一の絶縁基板に前記錘に対向し前記上部フィードスルーに電気的に接続されるように導電性材料からなる上部電極を設け前記上部フィードスルー及び前記下部フィードスルーに相対するように貫通穴を設ける第一の絶縁基板形成工程と、絶縁物からなる第二の絶縁基板に前記錘に対向し前記下部フィードスルーに電気的に接続されるように導電性材料からなる下部電極を設ける第二の絶縁基板形成工程と、前記梁形成工程及び前記第一の絶縁基板形成工程の後に前記半導体基板と前記第一の絶縁基板とを接合する第一の絶縁基板接合工程と、該第一の絶縁基板接合工程の後に前記フレーム、前記上部フィードスルー、前記下部フィードスルー及び前記錘を残して前記半導体基板を除去する錘形成工程と、該錘形成の後に前記半導体基板と前記第二の絶縁基板とを接合する第二の絶縁基板接合工程と、該第二の絶縁基板接合工程の後に前記貫通穴の少なくとも内周面を覆い前記上部フィードスルー及び前記下部フィードスルーに電気的に接続されるように導電体材料を成膜して外部電極を形成する外部電極形成工程とを備える力学量センサの製造工程である。
上記本発明の力学量センサの製造方法においては、まずフィードスルー充填工程により、前記半導体基板にフィードスルー形成用穴を形成し、該フィードスルー形成用穴の内部に導電性材料を充填して上部フィードスルー及び下部フィードスルーを形成する。
次に、該フィードスルー充填工程の後に、梁形成工程により、前記半導体基板の両面にセンサギャップを設け、前記フレーム及び前記錘の上面ならびに前記梁を形成する。
また、第一の絶縁基板形成工程により、前記第一の絶縁基板に、前記上部フィードスルー及び前記下部フィードスルーと相対するように貫通穴を形成し、前記上部フィードスルーに接続するように導電性材料からなる前記上部電極を形成する。
また、第二の絶縁基板形成工程により、前記下部フィードスルーに接続するように導電性材料からなる前記下部電極を形成する。
なお、前記梁形成工程及び前記第一の絶縁基板形成工程ならびに前記第二の絶縁基板形成工程はどの工程から行っても構わない。
次に、前記梁形成工程及び前記第一の絶縁基板形成工程の後に、第一の絶縁基板接合工程により、前記半導体基板及び前記第一の絶縁基板を接合する。
次に、前記第一の絶縁基板接合工程の後に、錘形成工程により、前記フレーム、前記錘、前記上部フィードスルー及び前記下部フィードスルーを残して前記半導体基板を選択的に除去する。
次に、前記第二の絶縁基板形成工程及び前記錘形成工程の後に、第二の絶縁基板接合工程により、前記半導体基板と前記第二の絶縁基板を接合する。
なお、第二の絶縁基板接合工程の後に錘形成工程を行い、第一の絶縁基板接合工程を行ってもよい。
次に、前記第二の絶縁基板接合工程の後に、前記貫通穴の少なくとも内周面を覆い、前記上部フィードスルー及び前記下部フィードスルーに電気的に接続するように導電性材料からなる前記外部電極を形成する。
この発明に係る力学量センサの製造方法においては、前記上部フィードスルー及び前記下部フィードスルーは前記フレームよりも電気抵抗が小さい材料から形成されるのが望ましく、好適には金属から形成されるのがよい。このように構成された力学量センサでは、前記下部電極からの電気信号は抵抗の小さな前記下部フィードスルーを介して前記外部電極より取り出される。そのため、電気信号が下部フィードスルーを通る際の電気損失が小さく、S/N比を大きくすることができる。
また、本発明の力学量センサの製造方法は、上記本発明の力学量センサの製造方法であって、前記フィードスルー充填工程において前記フィードスルー形成用穴を形成した後に該フィードスルー形成用穴の側面に絶縁性の薄膜を形成し、さらにその後、該フィードスルー形成用穴に導電性材料を充填して前記上部フィードスルー及び前記下部フィードスルーを形成し、前記梁形成工程及び前記錘形成工程において前記フレームは前記上部フィードスルー及び前記下部フィードスルーを覆うように形成し、該上部フィードスルー及び該下部フィードスルーと該フレームとは前記絶縁性の薄膜によって互いに絶縁されることを特徴とする力学量センサの製造方法である。
この発明に係る力学量センサの製造方法においては、前記上部フィードスルー及び前記下部フィードスルーと前記半導体基板とが電気的に絶縁されるため、該半導体基板を陽極とし、前記第一の絶縁基板または前記第二の絶縁基板を陰極として陽極接合を行うと、印加された電流は前記上部フィードスルー及び前記下部フィードスルーへ流出せず、前記半導体基板から直接前記第一の絶縁基板または前記第二の絶縁基板へ流れ、前記半導体基板と前記第一の絶縁基板または前記第二の絶縁基板とを強固に接合することができる。また、別途前記上部フィードスルー及び前記下部フィードスルーを陽極とし、前記第一の絶縁基板または前記第二の絶縁基板を陰極として電流を流すと、前記上部フィードスルー及び前記下部フィードスルーと前記第一の絶縁基板及び前記第二の絶縁基板も強固に陽極接合される。そのため、デバイスの信頼性を向上させることができる。
また、前記上部フィードスルー及び前記下部フィードスルーと前記フレームとが前記絶縁性の薄膜によって互いに絶縁されるので、該上部フィードスルー及び該下部フィードスルーは該フレーム内に埋め込むことができ、該上部フィードスルー及び該下部フィードスルーが強固に保持されるため、デバイスの信頼性を向上させることができるとともにデバイスの小型化を図ることができる。
また、本発明の力学量センサの製造方法は、上記本発明の力学量センサの製造方法であって、前記梁形成工程及び前記錘形成工程において前記フレームは前記上部フィードスルー及び前記下部フィードスルーの側面のうち一部のみを覆い、該上部フィードスルー及び該下部フィードスルーと該フレームとは前記絶縁性の薄膜によって互いに絶縁されることを特徴とする力学量センサの製造方法である。
この発明に係る力学量センサの製造方法においては、前記上部フィードスルー及び前記下部フィードスルーと前記半導体基板とが電気的に絶縁されるため、該半導体基板を陽極とし、前記第一の絶縁基板または前記第二の絶縁基板を陰極として陽極接合を行うと、印加された電流は前記上部フィードスルー及び前記下部フィードスルーへ流出せず、前記半導体基板から直接前記第一の絶縁基板または前記第二の絶縁基板へ流れ、前記半導体基板と前記第一の絶縁基板または前記第二の絶縁基板とを強固に接合することができる。また、別途前記上部フィードスルー及び前記下部フィードスルーを陽極とし、前記第一の絶縁基板または前記第二の絶縁基板を陰極として電流を流すと、前記上部フィードスルー及び前記下部フィードスルーと前記第一の絶縁基板及び前記第二の絶縁基板も強固に陽極接合される。そのため、デバイスの信頼性を向上させることができる。
また、前記上部フィードスルー及び前記下部フィードスルーと前記フレームとが前記絶縁性の薄膜によって互いに絶縁されるので、該上部フィードスルー及び該下部フィードスルーは該フレーム内に埋め込むことができ、該上部フィードスルー及び該下部フィードスルーが強固に保持されるため、デバイスの信頼性を向上させることができるとともにデバイスの小型化を図ることができる。
さらに、前記上部フィードスルー及び前記下部フィードスルーの側面のうち一部のみが前記フレームに覆われるため、前記下部電極は直接前記上部フィードスルー及び前記下部フィードスルーに接続することができ、工程の簡便化を図ることができる。
また、本発明の力学量センサの製造方法は、上記本発明の力学量センサの製造方法であって、前記フィードスルー充填工程においてフィードスルー形成用穴にアルミニウム、チタン、クロム、鉄、コバルト、ニッケル、カドミウム、錫、インジウム、銅、亜鉛、タングステンのうち少なくとも一種類以上を含む金属を充填して前記上部フィードスルー及び前記下部フィードスルーを形成し、前記第一の絶縁基板形成工程及び前記第二の絶縁基板形成工程において前記第一の絶縁基板及び前記第二の絶縁基板としてアルカリ金属を含むガラスを用いることを特徴とする力学量センサの製造方法である。
この発明に係る力学量センサの製造方法においては、前記上部フィードスルー及び前記下部フィードスルーを陽極とし、前記第一の絶縁基板及び前記第二の絶縁基板を陰極として電圧を印加すると陽極接合により前記上部フィードスルー及び前記下部フィードスルーと前記第一の絶縁基板及び前記第二の絶縁基板を強固に接合することができるので、生産性の向上を図るとともにデバイスの信頼性を向上させることができる。
また、本発明の力学量センサの製造方法は、上記本発明の力学量センサの製造方法であって、前記フィードスルーに相対するように、前記第一の絶縁基板及び前記第二の絶縁基板に配置されたフィードスルー接合部を備え、前記フィードスルー及び前記フィードスルー接合部はともにアルミニウムを含む金属からなり、前記第一の絶縁基板接合工程及び前記第二の絶縁基板接合工程において、前記フィードスルーを陽極とし、前記フィードスルー接合部を陰極として、該フィードスルーと該フィードスルー接合部とを陽極接合することを特徴とする力学量センサの製造方法である。
この発明に係る力学量センサの製造方法においては、前記フィードスルーを陽極とし、前記フィードスルー接合部を陰極として電圧を印加すると、陽極接合により前記フィードスルーと前記前記フィードスルー接合部とを強固に接合することができるので、生産性の向上を図るとともにデバイスの信頼性を向上させることができる。
また、本発明の力学量センサの製造方法は、上記本発明の力学量センサの製造方法であって、前記フィードスルー充填工程においてフィードスルー形成用穴にニッケル、クロム、コバルト、鉄、錫、金、銀、銅、ロジウム、ルテニウムのうち少なくとも一種類以上を含む金属を充填して前記上部フィードスルー及び前記下部フィードスルーを形成することを特徴とする力学量センサの製造方法である。
この発明に係る力学量センサの製造方法においては、前記上部フィードスルー及び前記下部フィードスルーを電鋳法または無電解めっき法によって形成することができるので、生産性の向上を図るとともにデバイスの信頼性を向上させることができる。
また、本発明の力学量センサの製造方法においては、上記本発明の力学量センサの製造方法であって、前記フィードスルー充填工程においてフィードスルー形成用穴にチタン、ジルコニウム、アルミニウム、モリブデン、タンタル、タングステン、ハフニウム、バナジウム、鉄、ニッケルのうち少なくとも一種類以上を含む金属を充填して前記上部フィードスルー及び前記下部フィードスルーを形成することを特徴とする力学量センサの製造方法である。
この発明に係る力学量センサの製造方法においては、前記上部フィードスルー及び前記下部フィードスルーが酸素あるいは水と容易に化学反応して吸収するので、前記キャビティを大気圧以下に保持する必要がある場合に、前記上部フィードスルー及び前記下部フィードスルーの側面が前記領域に含まれる酸素あるいは水を吸収し、ゲッターポンプとして働くのでデバイスの性能を向上させることができるとともにデバイスの信頼性を向上させることができる。
本発明に係る三次元配線及び三次元配線の製造方法によれば、電気信号が通るフィードスルーをシリコン基板より抵抗の小さい導電性材料で形成することが出来るので、フィードスルーの抵抗による電気信号の損失を防ぎ、光などの電磁波の入射や熱によるノイズの発生を防いでS/N比の向上を図り、感度を向上させることができるとともに、省電力化を図ることができる。
また、本発明に係る力学量センサ及び力学量センサの製造方法によれば、電気信号が通るフィードスルーをシリコン基板より抵抗の小さい導電性材料で形成することができるので、フィードスルーの抵抗による電気信号の損失を防ぎ、光などの電磁波の入射や熱によるノイズの発生を防いでS/N比を向上させることができる。
〔第1実施形態〕
以下、本発明に係る三次元配線の第1実施形態を、図1を参照して説明する。
図1は三次元配線を示す断面図である。三次元配線1は、シリコン基板100からなるフレーム101と、絶縁物からなる第一の絶縁基板200と、絶縁物からなる第二の絶縁基板300と、導電性材料からなるフィードスルー50とを備えている。フィードスルー50はフレーム101よりも電気抵抗率の小さな材料から形成されることが好ましく、好適には金属から形成されるのが好ましい。
シリコン基板の電気抵抗率は、添加される不純物の濃度によって異なるが、通常0.01Ω・cmから100Ω・cm程度であるので、これよりも小さな電気抵抗率を持つような材料であれば良い。例えば、金の電気抵抗率は2.05×10-6Ω・cmであり、アルミニウムの電気抵抗率は2.50×10-6Ω・cmであるので、金やアルミニウムはフィードスルーの材料として好適である。
フィードスルー50は、シリコン基板100とは電気的に絶縁されるように孤立して設けられ、第二の絶縁基板300上に形成された金属薄膜(たとえば、厚さ0.1〜2μm)からなる下部電極301が接続されている。第一の絶縁基板200には、フィードスルー50に相対するように貫通穴204が設けられ、該貫通穴204の少なくとも内周面を覆いフィードスルー50に電気的に接続するように形成された金属薄膜(たとえば、厚さ0.5〜10μm)からなる外部電極205が形成されている。
下部電極301には、外部電極205及びフィードスルー50を通して電気信号を印加することができる。フィードスルー50は金属からなるので、フィードスルー50がシリコンからなる場合に比べて電気抵抗が小さく、電気信号を損失なく伝達することができ、S/N比を向上させることができるとともに省電力化を図ることができる。また、フィードスルー50が金属からなるので、フィードスルー50に熱が印加され、あるいは光や電磁波が入射しても電気的な特性が変化しないため、S/N比を向上させることができるとともにデバイスの信頼性を向上させることができる。
また、フィードスルー50を形成する金属として、アルミニウム、チタン、クロム、鉄、コバルト、ニッケル、カドミウム、錫、インジウム、銅、亜鉛、タングステンを少なくとも一種類以上含む金属を用いる。さらに第一の絶縁基板200または第二の絶縁基板300をホウ珪酸ガラスなどのアルカリ金属を含有するガラスを用いる。それらの材料を用いた場合に、陽極接合法によってフィードスルー50と第一の絶縁基板100または第二の絶縁基板200とを400℃以下の低温で強固に接合することができるので、生産性の向上を図るとともにデバイスの信頼性を向上させることができる。
また、フィードスルー50を形成する金属として、ニッケル、クロム、コバルト、鉄、錫、金、銀、銅、ロジウム、ルテニウムのうち少なくとも一種類以上含む金属を用いる。これらの金属を用いると、電鋳法もしくは無電解めっき法を用いてフィードスルー50を形成することができるため、生産性の向上が図れるとともにデバイスの信頼性を向上させることができる。
また、フィードスルー50を形成する金属として、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、モリブデン、タンタル、タングステン、ハフニウム、バナジウム、鉄、ニッケルのうち少なくとも一種類以上含む金属を用いる。これらの金属材料は、酸素または水と反応してそれらを吸収する材料である。フィードスルー50にこれらの金属材料を用いることにより、フィードスルー50は、フレーム101及び第一の絶縁基板100並びに第二の絶縁基板200によって囲まれる領域を密閉し大気圧以下に保つ必要がある場合にゲッターポンプとして働き、酸素または水を吸収する。このため、デバイスの性能を向上させることができるとともに信頼性を向上させることができる。
次に、このように構成された三次元配線1の製造方法について、図2から図4を参照して説明する。
本実施形態の三次元配線1の製造方法は、シリコン基板100にフィードスルー形成用穴51を形成し、該フィードスルー形成用穴51の内部に金属を充填してフィードスルー50を形成するフィードスルー充填工程と、絶縁物からなる第一の絶縁基板200にフィードスルー形成用穴51に相対するように貫通穴204を設ける第一の絶縁基板形成工程と、絶縁物からなる第二の絶縁基板300に金属薄膜からなる下部電極301を設ける第二の絶縁基板形成工程と、フィードスルー充填工程及び第一の絶縁基板形成工程の後にシリコン基板100と第一の絶縁基板200とを接合する第一の絶縁基板接合工程と、該第一の絶縁基板接合工程の後にシリコン基板100をフレーム101及びフィードスルー50を残して除去する半導体基板加工工程と、該半導体基板加工工程の後にシリコン基板100と第二の絶縁基板300とを接合する第二の絶縁基板接合工程と、該第二の絶縁基板接合工程の後に貫通穴204の少なくとも内周面を覆い、フィードスルー50に電気的に接続されるように金属薄膜を成膜して外部電極205を形成する外部電極形成工程とを備えている。これら各工程について図2から図4を参照しながら以下に詳細に説明する。
フィードスルー充填工程においては、まず図2(a)に示すシリコン基板100上に図示しないフォトレジスト膜を成膜した後フォトリソグラフィ技術によってフィードスルー形成用穴51以外の領域にパターニングする。そして、フォトレジスト膜をマスクとして、反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)やDeep RIE(Deep Reactive Ion Etching)を行って、マスクされていないシリコン基板100を選択的に除去して貫通し、図2(b)に示すようにフィードスルー形成用穴51を形成する。マスクとしてフォトレジスト膜の替わりに酸化シリコン(SiO2)膜を用いると、より精度よくフィードスルー形成用穴51を形成することができる。
なお、上述した方法に限らず、水酸化カリウム(KOH)やテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)などのアルカリ性エッチャントを用いたウェットエッチングによりシリコン基板100を除去してもかまわない。この場合には、フォトレジスト膜が上述のアルカリ性エッチャントによって損傷するので、マスクとしてフォトレジスト膜の替わりにSiO2膜を用いるほうが望ましい。
次に、図2(c)に示すように、フィードスルー形成用穴51の内部に、金属を充填してフィードスルー50を形成する。
このとき、フィードスルー形成用穴51の内部に充填し、フィードスルー50を形成する金属として、アルミニウム、チタン、クロム、鉄、コバルト、ニッケル、カドミウム、錫、インジウム、銅、亜鉛、タングステンを少なくとも一種類以上含む金属を用い、さらに第一の絶縁基板200または第二の絶縁基板300をホウ珪酸ガラスなどアルカリ金属を含有するガラスを用いる。これらの金属やガラスを用いることにより、フィードスルー50と第一の絶縁基板100または第二の絶縁基板200とを、陽極接合法によって400℃以下の低温で強固に接合することができる。従って、工程の簡便化が図れるとともにデバイスの信頼性を向上させることができる。
また、第一の絶縁基板接合工程及び第二の絶縁基板接合工程において、シリコン基板100及びフィードスルー50と、第一の絶縁基板200または第二の絶縁基板300とを接合する際において、両者の表面にイオンビームなどを衝撃し、表面の化学状態を活性化させてシリコン基板100及びフィードスルー50と、第一の絶縁基板200または第二の絶縁基板300とを密着させ、接合させてもよい。この方法によると、陽極接合の場合とは異なり、シリコン基板100、フィードスルー50、第一の絶縁基板200及び第二の絶縁基板300の材料の組み合わせにかかわらず接合することができる。また、常温で接合できるため、熱による応力が生じず、基板の反りを防ぐことができる。
また、フィードスルー形成用穴51の内部に充填し、フィードスルー50を形成する金属として、ニッケル、クロム、コバルト、鉄、錫、金、銀、銅、ロジウム、ルテニウムのうち少なくとも一種類以上含む金属を用いると、電鋳法もしくは無電解めっき法を用いてフィードスルー形成用穴51の内部に充填することができるので、工程の簡便化を図るとともにデバイスの信頼性を向上させることができる。
また、フィードスルー形成用穴51の内部に充填し、フィードスルー50を形成する金属として、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、モリブデン、タンタル、タングステン、ハフニウム、バナジウム、鉄、ニッケルのうち少なくとも一種類以上含む金属を用いると、フィードスルー50は酸素または水を吸収する材料からなるので、フレーム101及び第一の絶縁基板100並びに第二の絶縁基板200によって囲まれる領域を密閉し大気圧以下に保つ必要がある場合に、フィードスルー50が酸素または水と反応して吸収し、ゲッターポンプとして働くので、デバイスの性能を向上させることができるとともに信頼性を向上させることができる。
次に、第一の絶縁基板形成工程においては、図3(a)に示す絶縁物からなる第一の絶縁基板200に、サンドブラスト法またはウェットエッチング法あるいはドライエッチング法によって、図3(b)に示すようにフィードスルー50と相対する位置に貫通穴204を形成する。
なお、第一の絶縁基板200の材料として、ソーダガラスやホウ珪酸ガラスなど、ナトリウムやリチウムなどのアルカリ金属を含有するガラスを使用すると、第一の絶縁基板200とシリコン基板100及びフィードスルー50とを陽極接合法によって低温で強固に接合することができるので、工程の簡便化を図るとともにデバイスの信頼性を向上させることができる。
次に、第二の絶縁基板形成工程においては、図3(c)に示す絶縁物からなる第二の絶縁基板300の上面に金属薄膜を成膜し、金属薄膜の上面に図示しないフォトレジスト膜を成膜し、フォトリソグラフィ技術を用いて下部電極301の領域をマスクする。そののちドライエッチングまたはウェットエッチングにより金属薄膜のうちフォトレジスト膜によりマスクされていない部分を除去し、下部電極301を形成し、フォトレジスト膜を除去する。
なお、第二の絶縁基板300の材料として、ソーダガラスやホウ珪酸ガラスなど、ナトリウムやリチウムなどのアルカリ金属を含有するガラスを使用すると、第二の絶縁基板300とシリコン基板100及びフィードスルー50とを陽極接合法によって低温で強固に接合することができるので、工程の簡便化を図るとともにデバイスの信頼性を向上させることができる。
また、下部電極301を形成するための金属薄膜として、アルミニウム、金、白金、ニッケル、クロム、チタンのうちいずれか一種類以上を含む金属を用いると、容易に下部電極301以外の部分を除去できるので、工程の簡便化を図ることができる。
また、金属薄膜の厚さを0.05μm以上とすると、下部電極301に効率よく電気信号を印加することができるので、デバイスの信頼性を向上させることができる。また、金属薄膜の厚さを0.1〜3.0μmとすると、容易に下部電極301以外の部分を除去できるので、工程の簡便化を図るとともに歩留まりを向上させることができる。
次に、第一の絶縁基板接合工程においては、フィードスルー充填工程及び第一の絶縁基板形成工程ののちに、図4(a)に示すように、シリコン基板100と第一の絶縁基板200とを、フィードスルー50と貫通孔204とが相対するように接合する。このとき、シリコン基板100及びフィードスルー50の上面はともに第一の絶縁基板200と接する必要がある。フィードスルー充填工程においてフィードスルー形成用穴51の内部に金属を充填してフィードスルー50を形成した後に、シリコン基板100の上面とフィードスルー50の上面とを研磨などの方法により略同一平面をなすように形成すると、容易に第一の絶縁基板200と接触させることができるので、強固に接合することができるとともに、接合不良なく接合することができ、デバイスの信頼性を向上させることができる。
また、第一の絶縁基板200をソーダガラスやホウ珪酸ガラスなど、ナトリウムやリチウムなどのアルカリ金属を含有するガラスを用い、シリコン基板100と第一の絶縁基板200とを接触させて250℃から450℃に加熱し、シリコン基板100を陽極、第一の絶縁基板200を陰極として電圧を印加させると、シリコン基板100と第一の絶縁基板200とを陽極接合法によって低温で強固に接合することができるので、工程を簡便化できるとともにデバイスの信頼性を向上させることができる。
また、シリコン基板100と第一の絶縁基板200とを陽極接合する場合には、フィードスルー50とシリコン基板100とが電気的に接続された状態では、シリコン基板100を陽極として陽極接合を行っても、ほとんどの電流が電気抵抗の小さいフィードスルー50を介して陰極である第一の絶縁基板200へ流れるので、シリコン基板100と第一の絶縁基板200の界面を通過する電荷量が十分ではなく、強固な接合が得られにくい。
そこで、フィードスルー充填工程において、フィードスルー形成用穴51を形成した後に、熱酸化法などの方法によってフィードスルー形成用穴51の内面にSiO2膜などの絶縁性の膜を形成し、その後金属を充填してフィードスルー50を形成するのが望ましい。
このように構成すると、フィードスルー50とシリコン基板100とが電気的に絶縁されるため、シリコン基板100を陽極として陽極接合を行うと、印加された電流はフィードスルー50へ流出せず、シリコン基板100から直接第一の絶縁基板200へ流れ、シリコン基板100と第一の絶縁基板200を強固に接合することができる。また、別途フィードスルー50を陽極とし、第一の絶縁基板200を陰極として電流を流すと、フィードスルー50と第一の絶縁基板200も強固に陽極接合される。そのため、デバイスの信頼性を向上させることができる。
また、シリコン基板100と、第一の絶縁基板200及びフィードスルー50とを接合する場合において、接合前に該シリコン基板100及び第一の絶縁基板200並びにフィードスルー50の表面にイオンビームまたはプラズマを照射したのちに、シリコン基板100と、第一の絶縁基板200及びフィードスルー50とを接触させて接合させる表面活性化接合法を用いると、シリコン基板100及び第一の絶縁基板200並びにフィードスルー50の材料に関係なく強固な接合を得ることができる。また加熱することなく接合工程を行うことができるので、シリコン基板100や第一の絶縁基板200に金属配線が形成されている場合に、該金属配線を損傷させることなく接合工程を行うことができる。
なお、イオンビームまたはプラズマを照射した後に、シリコン基板100と第一の絶縁基板200及びフィードスルー50とを接触させる場合に、真空中で接触を行うと、表面の活性化状態を保ったまま接合することができるので、強固な接合を得ることができる。
また、第一の絶縁基板200及びフィードスルー50とを接触させ、荷重を加えて圧接すると、シリコン基板100や第一の絶縁基板200が反っているような場合にも確実に両者を接触させ、接合を行うことができる。
また、第一の絶縁基板200及びフィードスルー50とを接触させ、400℃程度以下の温度に保つと、表面の活性化状態を保ったまま接合することができるので、強固な接合を得ることができる。
フィードスルー50と第一の絶縁基板200との接合はシリコン基板100と第一の絶縁基板200とを接合する前後どちらでもかまわないが、シリコン基板100とフィードスルー50を同時に陽極として陽極接合を行うと、工程を短縮することができる。
次に、半導体基板加工工程においては、第一の絶縁基板接合工程の後に、シリコン基板100の第一の絶縁基板200を接合されていない面に図示しないフォトレジスト膜を成膜してフォトリソグラフィ技術によりフレーム101及びフィードスルー50の領域をマスクした後、図4(b)に示すように、RIEやDeep RIEなどの方法によりシリコン基板100を除去する。
なお、フォトレジスト膜の替わりにマスクとしてSiO2膜を用いれば、より精度よくシリコン基板100を除去することができる。
また、上述した方法以外に、KOHやTMAHなどのアルカリ性エッチャントを用いたウェットエッチングによってシリコン基板100を除去してもよい。その場合にはフォトレジスト膜はアルカリ性エッチャントによって損傷するので、マスク材としてフォトレジスト膜の替わりにSiO2膜を用いるのが望ましい。
次に、下部絶縁基板接合工程においては、半導体基板加工工程及び下部絶縁基板形成工程の後に、シリコン基板100と下部絶縁基板300とを、下部電極301がフィードスルー50に接続するように図4(c)に示すように接合する。このとき、シリコン基板100及びフィードスルー50の下面はともに下部絶縁基板300と接する必要がある。フィードスルー充填工程においてフィードスルー形成用穴51の内部に金属を充填してフィードスルー50を形成した後に、シリコン基板100の下面とフィードスルー50の下面とを研磨などの方法により略同一平面をなすように形成すると、容易に下部絶縁基板300と接触させることができるので、強固に接合することができるとともに、接合不良なく接合することができ、デバイスの信頼性を向上させることができる。
また、シリコン基板100と下部絶縁基板300とを陽極接合する場合には、フィードスルー50とシリコン基板100とが電気的に接続された状態では、シリコン基板100を陽極として陽極接合を行っても、ほとんどの電流が電気抵抗の小さいフィードスルー50を介して陰極である第二の絶縁基板300へ流れるので、シリコン基板100と第二の絶縁基板300の界面を通過する電荷量が十分ではなく、強固な接合が得られにくい。
そこで、フィードスルー充填工程において、フィードスルー形成用穴51を形成した後に、熱酸化法などの方法によってフィードスルー形成用穴51の内面にSiO2膜などの絶縁性の膜を形成し、その後金属を充填してフィードスルー50を形成するのが望ましい。
このように構成すると、フィードスルー50とシリコン基板100とが電気的に絶縁されるため、シリコン基板100を陽極として陽極接合を行うと、印加された電流はフィードスルー50へ流出せず、シリコン基板100から直接第二の絶縁基板300へ流れ、シリコン基板100と第二の絶縁基板300を強固に接合することができる。また、別途フィードスルー50を陽極とし、第二の絶縁基板300を陰極として電流を流すと、フィードスルー50と第二の絶縁基板300も強固に陽極接合される。そのため、デバイスの信頼性を向上させることができる。
また、シリコン基板100と、第二の絶縁基板300及びフィードスルー50とを接合する場合において、接合前に該シリコン基板100及び第二の絶縁基板300並びにフィードスルー50の表面にイオンビームまたはプラズマを照射したのちに、シリコン基板100と、第二の絶縁基板300及びフィードスルー50とを接触させて接合させる表面活性化接合法を用いると、シリコン基板100及び第二の絶縁基板300並びにフィードスルー50の材料に関係なく強固な接合を得ることができる。また加熱することなく接合工程を行うことができるので、シリコン基板100や第二の絶縁基板300に金属配線が形成されている場合に、該金属配線を損傷させることなく接合工程を行うことができる。
なお、イオンビームまたはプラズマを照射した後に、シリコン基板100と第二の絶縁基板300及びフィードスルー50とを接触させる場合に、真空中で接触を行うと、表面の活性化状態を保ったまま接合することができるので、強固な接合を得ることができる。
また、第二の絶縁基板300及びフィードスルー50とを接触させ、荷重を加えて圧接すると、シリコン基板100や第二の絶縁基板300が反っているような場合にも確実に両者を接触させ、接合を行うことができる。
また、第二の絶縁基板300及びフィードスルー50とを接触させ、400℃程度以下の温度に保つと、表面の活性化状態を保ったまま接合することができるので、強固な接合を得ることができる。
フィードスルー50と第二の絶縁基板300との接合はシリコン基板100と第二の絶縁基板300とを接合する前後どちらでもかまわないが、シリコン基板100とフィードスルー50を同時に陽極として陽極接合を行うと、工程を短縮することができる。
次に、外部電極形成工程においては、第二の絶縁基板接合工程の後に、第一の絶縁基板200に形成された貫通穴204の少なくとも内周面及びフィードスルー50の上面に金属膜を成膜し、図4(d)に示すように外部電極205を形成する。
外部電極205のパターニングの方法として、図示しないメタルマスクを用いて外部電極205を形成する以外の領域をマスクしてスパッタ、蒸着などの方法を用いて金属膜を成膜し、外部電極205を形成すると、工程を簡便化することができる。
また、外部電極のパターニングの方法として、第一の絶縁基板200の上面、貫通穴204の内周面及びフィードスルー50の上面に一括してスパッタ、蒸着などの方法を用いて金属膜を成膜し、その金属膜の上面にフォトレジスト膜を成膜し、フォトリソグラフィ技術を用いて外部電極205を形成する領域以外の部分のフォトレジスト膜を除去し、ウェットエッチングまたはドライエッチングを用いてフォトレジスト膜をマスクとして金属膜を除去し、外部電極205を形成してもよい。この場合には、フォトリソグラフィ技術を用いるので、精度よく外部電極を形成することができ、デバイスの信頼性を向上させることができる。
また、外部電極のパターニングの方法として、貫通穴204の内部にはんだペーストのような導電性の材料を注入してもよい。この場合には、貫通穴204の内周面が強くあれているような場合でも断線を生じることなくフィードスルー50に接続することができるので、デバイスの信頼性を向上させることができる。
上述したように、本実施形態の三次元配線1および三次元配線1の製造方法によれば、下部電極301には、外部電極205及びフィードスルー50を通して電気信号を印加することができる。フィードスルー50は金属からなるので、フィードスルー50がシリコンからなる場合に比べて電気抵抗が小さく、電気信号を損失なく伝達することができ、S/N比を向上させることができるとともに省電力化を図ることができる。また、フィードスルー50に熱が印加され、あるいは光や電磁波が入射しても電気的な特性が変化しないので、S/N比を向上させることができるとともにデバイスの信頼性を向上させることができる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明にかかる三次元配線の第2実施形態について、図5及び図6を参照しながら説明する。
図5は本実施形態の三次元配線1の平面図であり、図6は図5のAA線における断面図である。なお、図5は簡単のため、第一の絶縁基板200、貫通穴204、外部電極205を省略した。
三次元配線1は、シリコン基板100からなるフレーム101と、絶縁物からなる第一の絶縁基板200と、絶縁物からなる第二の絶縁基板300と、金属からなるフィードスルー50とを備えている。フィードスルー50には第二の絶縁基板300上に形成された金属薄膜(たとえば、厚さ0.1〜2μm)からなる下部電極301が接続されている。第一の絶縁基板200には、フィードスルー50に相対するように貫通穴204が設けられ、該貫通穴204の少なくとも内周面を覆いフィードスルー50に電気的に接続するように形成された金属薄膜(たとえば、厚さ0.5〜10μm)からなる外部電極205が形成されている。
フィードスルー50はシリコン基板100とは電気的に絶縁される必要がある。しかし、第1実施形態のようにフィードスルー50をシリコン基板100から孤立した構造とするためには、フィードスルー50を第一の絶縁基板200及び第二の絶縁基板300と接合可能な材料で形成しなければならず、材料に制約を受ける。また、シリコン基板100から孤立しているので不安定であり、第一の絶縁基板200及び第二の絶縁基板300と接合する際に強固な接合ができない可能性がある。
そこで、図5に示すように、フィードスルー50をフレーム101に埋めこみ、フィードスルー50とフレーム101との間に、好適にはSiO2膜からなる絶縁膜52を設けることにより、フィードスルー50を強固に支持することができ、デバイスの信頼性を向上させることができる。
また、フィードスルー50はフレーム101によって強固に支持されているので、フィードスルー50の上面がフレーム101の上面と略同一面あるいはフレーム101よりも突出していなくても、フィードスルー50は脱落しない。この場合には、フィードスルー50は下部電極301と接触していればよい。
また、フィードスルー50はフレーム101によって強固に支持されているので、フィードスルー50の上面がフレーム101の上面と略同一面あるいはフレーム101よりも突出していなくても、フィードスルー50は脱落しない。この場合には、フィードスルー50はフレーム101から突出していないので、フレーム101と第一の絶縁基板200及び第二の絶縁基板300とが密着し、強固に接合することができ、デバイスの信頼性を向上させることができる。
また、フィードスルー50がフレーム101に埋め込まれるので、デバイスを小型化することができる。
また、フィードスルー50がフレーム101に埋め込まれるので、外部から入射する電磁波などのノイズがフレーム101によって静電遮蔽され、フィードスルー50を通る信号のノイズを低減し、S/N比を向上させることができる。
なお、このように構成した場合には、図6に示すように、下部電極301がフレーム101と電気的に接続するのを防ぐために、下部電極301とフレーム部101との間にも好適にはSiO2膜からなる絶縁膜53を設ける必要がある。
上述したように、本実施形態の三次元配線1によれば、フィードスルー50がフレーム101によって強固に支持されているので、フィードスルー50と第一の絶縁基板200及び第二の絶縁基板300とを強固に接合することができ、デバイスの信頼性を向上させることができる。
また、フィードスルー50がフレーム101に埋め込まれるので、デバイスを小型化することができる。
〔第3実施形態〕
次に、本発明にかかる三次元配線の第3実施形態について、図7及び図8を参照しながら説明する。
図7は本実施形態の三次元配線1の平面図であり、図8は図7のBB線における断面図である。なお、図7は簡単のため、第一の絶縁基板200、貫通穴204、外部電極205を省略した。
三次元配線1は、シリコン基板100からなるフレーム101と、絶縁物からなる第一の絶縁基板200と、絶縁物からなる第二の絶縁基板300と、金属からなるフィードスルー50とを備えている。フィードスルー50には第二の絶縁基板300上に形成された金属薄膜(たとえば、厚さ0.1〜2μm)からなる下部電極301が接続されている。第一の絶縁基板200には、フィードスルー50に相対するように貫通穴204が設けられ、該貫通穴204の少なくとも内周面を覆いフィードスルー50に電気的に接続するように形成された金属薄膜(たとえば、厚さ0.5〜10μm)からなる外部電極205が形成されている。
フィードスルー50を支持するために、図5及び図6に示すようにフィードスルー50の側面全てをフレーム101によって覆うと、フィードスルー50に接続する下部電極301とフレーム101とを絶縁膜53によって絶縁しなければならず、工程が長くなり、構造が複雑になる。
また、下部電極301がフレーム101と第二の絶縁基板300との間にはさみこまれるので、フレーム101と第二の絶縁基板300とを接合する際に接合不良が生じやすくなる。
そこで、図7に示すように、フィードスルー50の側面のうち少なくとも一部のみをフレーム101によって覆われるように構成し、下部電極301をフィードスルー50の側面のうちフレーム101によって覆われていない部分に接続すると、下部電極301とフレーム101は絶縁されるので、図5に示すような絶縁膜53を設ける必要が無くなり、工程及び構造の簡便化を図ることができる。
また、下部電極301がフレーム101と第二の絶縁基板300との間に挟まれないので、フレーム101と第二の絶縁基板300とを強固に接合することができ、デバイスの信頼性を向上させることができる。
また、フィードスルー50の少なくとも一部がフレーム101に埋め込まれるので、外部から入射する電磁波などのノイズがフレーム101によって静電遮蔽され、フィードスルー50を通る信号のノイズを低減し、S/N比を向上させることができる。
〔第4実施形態〕
次に、本発明にかかる第4実施形態として、上述した三次元配線を力学量センサの一種である加速度センサに適用した場合について図9及び図10を参照しながら説明する。
図9は本実施形態の加速度センサの平面図であり、図10は図9のCC線における断面図である。
なお、図9は簡単のため、第一の絶縁基板200、貫通穴204及び外部電極205を省略して示している。
本実施形態の加速度センサ2は、シリコン基板100からなるフレーム101と、シリコン基板100からなる錘102と、シリコン基板100からなりフレーム101に一端を接続され錘102に他端を接続されて該錘102を揺動自在に支持する梁103と、絶縁物からなる第一の絶縁基板200と、該第一の絶縁基板200に設けられた導電性材料からなる上部電極201と、第一の絶縁基板に設けられた貫通穴204と、該貫通穴204の少なくとも内周面上に形成された導電性材料からなる外部電極205と、絶縁物からなる第二の絶縁基板300と、該第二の絶縁基板300に設けられた下部電極301と、第一の絶縁基板200及び第二の絶縁基板300とに両端を接合された金属からなるフィードスルー50と、フレーム101及び第一の絶縁基板200ならびに第二の絶縁基板300とに囲まれて形成されるキャビティ53とを備える加速度センサであって、第一の絶縁基板200及び第二の絶縁基板300はフレーム101を挟み込んで接合され、上部電極201及び下部電極301は錘102と所定の間隔を隔てて配置され、フィードスルー50のうち上部フィードスルー54の一端は上部電極201の一端に接続され、フィードスルー50のうち下部フィードスルー55の一端は下部電極301の一端に接続され、貫通穴204は上部フィードスルー54及び下部フィードスルー55の一端の上面に相対するように設けられ、外部電極205は上部フィードスルー54及び下部フィードスルー55と電気的に接続されていることを特徴とするものである。
本実施形態の加速度センサ2に外部から力学量である加速度が印加されると、梁103によって揺動自在に支持された錘102に慣性力が作用して変位する。このとき、上部電極201及び下部電極301と錘102との間隔が変化し、上部電極201及び下部電極301と錘102との間の静電容量が変化する。これを出力信号として上部フィードスルー54及び下部フィードスルー55を介して外部電極205から取り出すことにより、錘の変位を測定することができる。このとき、印加された加速度に応じて錘が傾くので、各上部電極201及び各下部電極301の出力信号の大きさが異なり、これらを比較演算することにより該加速度センサ2に印加された加速度の向き及び大きさを測定することができる。
なお、本実施形態の加速度センサ2ではシリコン基板100として活性層105、BOX(Buried Oxide)層106、支持層107からなるSOI(Silicon On Insulator)基板104を用いた例を示す。SOI基板を用いると、BOX層106をエッチングストップとすることができるので、梁103の厚さを精度よく形成することができる。
本実施形態の加速度センサ2においては、上部フィードスルー54及び下部フィードスルー55が金属からなるので、上部フィードスルー54及び下部フィードスルー55がシリコンからなる場合に比べて電気抵抗が小さく、出力信号の損失を小さくすることができ、S/N比を向上させることができるとともに省電力化を図ることができる。
また、上部フィードスルー54及び下部フィードスルー55に熱が印加され、あるいは光や電磁波が入射しても電気的な特性が変化しないので、S/N比を向上させることができるとともにデバイスの信頼性を向上させることができる。
また、上部フィードスルー54及び下部フィードスルー55を形成する金属として、アルミニウム、チタン、クロム、鉄、コバルト、ニッケル、カドミウム、錫、インジウム、銅、亜鉛、タングステンを少なくとも一種類以上含む金属を用いると、第一の絶縁基板200または第二の絶縁基板300をホウ珪酸ガラスなどアルカリ金属を含有するガラスを用いた場合に、陽極接合法によって上部フィードスルー54及び下部フィードスルー55と第一の絶縁基板100または第二の絶縁基板200とを400℃以下の低温で強固に接合することができるので、工程の簡便化を図るとともにデバイスの信頼性を向上させることができる。
また、上部フィードスルー54及び下部フィードスルー55を形成する金属として、ニッケル、クロム、コバルト、鉄、錫、金、銀、銅、ロジウム、ルテニウムのうち少なくとも一種類以上含む金属を用いると、電鋳法もしくは無電解めっき法を用いて上部フィードスルー54及び下部フィードスルー55を形成することができるので、工程の簡便化を図るとともにデバイスの信頼性を向上させることができる。
また、上部フィードスルー54及び下部フィードスルー55を形成する金属として、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、モリブデン、タンタル、タングステン、ハフニウム、バナジウム、鉄、ニッケルのうち少なくとも一種類以上含む金属を用いると、上部フィードスルー54及び下部フィードスルー55は酸素または水と反応して吸収する材料からなるので、フレーム101及び第一の絶縁基板100並びに第二の絶縁基板200によって囲まれる領域を密閉し大気圧以下に保つ必要がある場合に、上部フィードスルー54及び下部フィードスルー55の側面が酸素または水を吸収し、ゲッターポンプとして働くので、デバイスの性能を向上させることができるとともに信頼性を向上させることができる。
次に、このように構成された加速度センサ2の製造方法について、図11から図13を参照して説明する。
本実施形態の加速度センサ2の製造方法は、シリコン基板100にフィードスルー形成用穴51を形成し、該フィードスルー形成用穴51の内部に金属を充填して上部フィードスルー54及び下部フィードスルー55を形成するフィードスルー充填工程と、該フィードスルー充填工程の後にシリコン基板100にセンサギャップ108を設け、錘102の上面及び梁103を形成する梁形成工程と、絶縁物からなる第一の絶縁基板200に金属薄膜からなる上部電極201を設け上部フィードスルー54及び下部フィードスルー55に相対するように貫通穴204を設ける第一の絶縁基板形成工程と、絶縁物からなる第二の絶縁基板300に金属薄膜からなる下部電極301を設ける第二の絶縁基板形成工程と、梁形成工程及び第一の絶縁基板形成工程の後にシリコン基板100と第一の絶縁基板200とを接合する第一の絶縁基板接合工程と、該第一の絶縁基板接合工程の後にシリコン基板100をフレーム101、上部フィードスルー54、下部フィードスルー55ならびに錘102の下部を残して除去する錘形成工程と、該錘形成工程の後にシリコン基板100と第二の絶縁基板300とを接合する第二の絶縁基板接合工程と、該第二の絶縁基板接合工程の後に貫通穴204の少なくとも内周面を覆いフィードスルー50に電気的に接続されるように金属薄膜を成膜して外部電極205を形成する外部電極形成工程とを備えている。
なお、本実施形態の加速度センサ2の製造方法では、シリコン基板100として活性層105、BOX層106、支持層107からなるSOI基板104を用いた例を示す。SOI基板を用いると、BOX層106をエッチングストップとすることができるので、後述する錘形成工程において梁103の厚さを精度よく形成することができる。
これら各工程について図11〜図13を参照しながら以下に詳細に説明する。
フィードスルー充填工程においては、まず図11(a)に示すようなSOI基板104の活性層105上に、図示しないフォトレジスト膜を成膜した後フォトリソグラフィ技術によってフィードスルー形成用穴51以外の領域にパターニングする。そして、フォトレジスト膜をマスクとして、反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)やDeep RIE(Deep Reactive Ion Etching)を行って、マスクされていない活性層105を選択的に除去して貫通し、図11(b)に示すようにフィードスルー形成用穴51の活性層側の部分を形成する。
次に、図11(c)に示すようにフィードスルー形成用穴51の活性層側の部分の底部に露出したBOX層106をウェットエッチングまたはドライエッチングにより除去する。
次に、支持層107上に、図示しないフォトレジスト膜を成膜した後フォトリソグラフィ技術によってフィードスルー形成用穴51以外の領域にパターニングする。そして、フォトレジスト膜をマスクして、RIEやDeep RIEを行って、マスクされていない支持層107を選択的に除去して貫通し、図11(d)に示すようにフィードスルー形成用穴51を形成する。
このとき、活性層105及び支持層107を選択的に除去する際、マスクとしてフォトレジスト膜の替わりにSiO2膜を用いると、より精度よくフィードスルー形成用穴51を形成することができる。
なお、上述した方法に限らず、KOHやTMAHなどのアルカリ性エッチャントによるウェットエッチングにより活性層105及び支持層107を除去してもかまわない。この場合には、フォトレジスト膜が上述のアルカリ性エッチャントによって損傷するので、マスクとしてフォトレジスト膜の替わりにSiO2膜を用いるほうが望ましい。
また、本実施の形態ではまず活性層105を除去した後に支持層107を除去してフィードスルー形成用穴51を形成する例を説明したが、支持層107を先に除去した後に活性層105を除去してフィードスルー形成用穴51を形成してもよい。
次に、図11(e)に示すように、フィードスルー形成用穴51の内部に、金属を充填して上部フィードスルー54及び下部フィードスルー55を形成する。
このとき、フィードスルー形成用穴51の内部に充填し、上部フィードスルー54及び下部フィードスルー55を形成する金属として、アルミニウム、チタン、クロム、鉄、コバルト、ニッケル、カドミウム、錫、インジウム、銅、亜鉛、タングステンを少なくとも一種類以上含む金属を用い、さらに第一の絶縁基板200または第二の絶縁基板300をホウ珪酸ガラスなどアルカリ金属を含有するガラスを用いると、陽極接合法によって上部フィードスルー54及び下部フィードスルー55と第一の絶縁基板100または第二の絶縁基板200とを400℃以下の低温で強固に接合することができるので、工程の簡便化を図るとともにデバイスの信頼性を向上させることができる。
また、第一の絶縁基板接合工程及び第二の絶縁基板接合工程において、シリコン基板100及び上部フィードスルー54並びに下部フィードスルー55と、第一の絶縁基板200または第二の絶縁基板300とを接合する際において、両者の表面にイオンビームなどを衝撃し、表面の化学状態を活性化させてシリコン基板100及び上部フィードスルー54並びに下部フィードスルー55と、第一の絶縁基板200または第二の絶縁基板300とを密着させ、接合させてもよい。この方法によると、陽極接合の場合とは異なり、シリコン基板100、上部フィードスルー54、下部フィードスルー55、第一の絶縁基板200及び第二の絶縁基板300の材料の組み合わせにかかわらず接合することができる。また、常温で接合できるため、熱による応力が生じず、基板の反りを防ぐことができる。
また、フィードスルー形成用穴51の内部に充填し、上部フィードスルー54及び下部フィードスルー55を形成する金属として、ニッケル、クロム、コバルト、鉄、錫、金、銀、銅、ロジウム、ルテニウムのうち少なくとも一種類以上含む金属を用いると、電鋳法もしくは無電解めっき法を用いてフィードスルー形成用穴51の内部に充填することができるので、工程の簡便化を図るとともにデバイスの信頼性を向上させることができる。
また、フィードスルー形成用穴51の内部に充填し、上部フィードスルー54及び下部フィードスルー55を形成する金属として、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、モリブデン、タンタル、タングステン、ハフニウム、バナジウム、鉄、ニッケルのうち少なくとも一種類以上含む金属を用いると、上部フィードスルー54及び下部フィードスルー55は酸素または水を吸収する材料からなるので、フレーム101及び第一の絶縁基板100並びに第二の絶縁基板200によって囲まれる領域を密閉し大気圧以下に保つ必要がある場合に、上部フィードスルー54及び下部フィードスルー55が酸素または水と反応して吸収し、ゲッターポンプとして働くので、デバイスの性能を向上させることができるとともに信頼性を向上させることができる。
梁形成工程においては、まずフィードスルー充填工程を終えたSOI基板104の活性層105の表面に図示しないフォトレジスト膜を成膜した後フォトリソグラフィ技術によってパターニングし、フレーム101及び上部フィードスルー54ならびに下部フィードスルー55の領域をマスクする。次に活性層105のマスクされていない領域をRIEまたはDeep RIEなどのドライエッチングを用いて所定の深さだけ除去し、図11(f)に示すようにセンサギャップ108を形成する。
次に、SOI基板104の支持層107の表面に図示しないフォトレジスト膜を成膜した後フォトリソグラフィ技術によってパターニングし、フレーム101及び上部フィードスルー54ならびに下部フィードスルー55の領域をマスクする。次に、支持層107のマスクされていない領域をRIEまたはDeep RIEなどのドライエッチングを用いて所定の深さだけ除去し、図11(g)に示すようにセンサギャップ108を形成する。
なお、マスク材としてフォトレジスト膜の替わりにSiO2膜を用いればより精度よくセンサギャップ108を形成することが出来る。
また、マスク材としてフォトレジスト膜の替わりにSiO2膜を用いればドライエッチングの替わりにKOHやTMAHなどを用いてウェットエッチングを行い、センサギャップ108を形成することが出来る。この場合には、ドライエッチングの場合と比較して一度に多くの基板を加工することが出来るので生産性が向上するとともに、ドライエッチングに特徴的なマイクロローディング効果がないので基板面内で均一な精度の大きさ及び深さのセンサギャップ108を形成することができる。
また、本実施形態においては活性層105を除去してセンサギャップ108を形成した後に支持層107を除去してセンサギャップ108を形成する例を説明したが、先に支持層107を除去した後に活性層105を除去してセンサギャップ108を形成してもよい。
次に、活性層105の表面にフォトレジスト膜を成膜した後フォトリソグラフィ技術によってパターニングし、フレーム101、上部フィードスルー54、下部フィードスルー55、錘102及び梁103の領域をマスクする。次に、活性層105のマスクされていない領域をRIEまたはDeep RIEを用いてBOX層106をエッチングストップとして選択的に除去し、図11(h)に示すように錘102の活性層側及び梁103を形成する。
なお、マスク材としてフォトレジスト膜の替わりにSiO2膜を用いればより精度よく錘102の活性層側および梁103を形成することが出来る。
また、マスク材としてフォトレジスト膜の替わりにSiO2膜を用いればドライエッチングの替わりにKOHやTMAHなどを用いてウェットエッチングを行い、錘102の活性層側および梁103を形成することが出来る。この場合には、ドライエッチングの場合と比較して一度に多くの基板を加工することが出来るので生産性が向上するとともに、ドライエッチングに特徴的なマイクロローディング効果がないので基板面内で均一な精度の錘102の活性層側および梁103を形成することができる。
次に、第一の絶縁基板形成工程においては、図12(a)に示す絶縁物からなる第一の絶縁基板200に、サンドブラスト法またはウェットエッチング法あるいはドライエッチング法によって、図12(b)に示すように上部フィードスルー54及び下部フィードスルー55と相対するように貫通穴204を形成する。
なお、貫通穴204の断面はどのような形状でも良いが、図12(b)に示すようにSOI基板104と接合される側の面に形成された貫通穴204の開口部の方が他方の面の開口部よりも小さくなるように形成すると、後述する外部電極205を形成する際に貫通穴204の内周面に外部電極205を容易に成膜することができる。
なお、第一の絶縁基板200の材料として、ソーダガラスやホウ珪酸ガラスなど、ナトリウムやリチウムなどのアルカリ金属を含有するガラスを使用すると、第一の絶縁基板200とSOI基板104及び上部フィードスルー54ならびに下部フィードスルー55とを陽極接合法によって低温で強固に接合することができるので、工程の簡便化を図るとともにデバイスの信頼性を向上させることができる。
次に、第一の絶縁基板200のSOI基板104と接合される側の面に金属薄膜を成膜し、図示しないフォトレジスト膜を金属薄膜面上に成膜してフォトリソグラフィ技術によりパターニングし、上部電極201の領域をマスクする。その後、ドライエッチング法またはウェットエッチング法により金属薄膜のマスクされていない領域を選択的に除去し、図12(c)に示すように上部電極201を形成する。
このとき、上部電極201を形成するための金属薄膜として、アルミニウム、金、白金、ニッケル、クロム、チタンのうちいずれか一種類以上を含む金属を用いると、容易に上部電極201以外の部分を除去できるので、工程の簡便化を図ることができる。
また、金属薄膜の厚さを0.05μm以上とすると、上部電極201に効率よく電気信号を印加することができるので、デバイスの信頼性を向上させることができる。また、金属薄膜の厚さを0.1〜3.0μmとすると、容易に上部電極201以外の部分を除去できるので、工程の簡便化を図るとともに歩留まりを向上させることができる。
次に、第二の絶縁基板形成工程においては、図3(c)に示す絶縁物からなる第二の絶縁基板300の上面に金属薄膜を成膜し、金属薄膜の上面に図示しないフォトレジスト膜を成膜し、フォトリソグラフィ技術を用いて下部電極301の領域をマスクする。そののちドライエッチングまたはウェットエッチングにより金属薄膜のうちフォトレジスト膜によりマスクされていない部分を除去し、下部電極301を形成し、フォトレジスト膜を除去する。
なお、第二の絶縁基板300の材料として、ソーダガラスやホウ珪酸ガラスなど、ナトリウムやリチウムなどのアルカリ金属を含有するガラスを使用すると、第二の絶縁基板300とSOI基板104及び上部フィードスルー54ならびに下部フィードスルー55とを陽極接合法によって低温で強固に接合することができるので、工程の簡便化を図るとともにデバイスの信頼性を向上させることができる。
また、下部電極301を形成するための金属薄膜として、アルミニウム、金、白金、ニッケル、クロム、チタンのうちいずれか一種類以上を含む金属を用いると、容易に下部電極301以外の部分を除去できるので、工程の簡便化を図ることができる。
また、金属薄膜の厚さを0.05μm以上とすると、下部電極301に効率よく電気信号を印加することができるので、デバイスの信頼性を向上させることができる。また、金属薄膜の厚さを0.1〜3.0μmとすると、容易に下部電極301以外の部分を除去できるので、工程の簡便化を図るとともに歩留まりを向上させることができる。
次に、第一の絶縁基板接合工程においては、梁形成工程及び第一の絶縁基板形成工程ののちに、図13(a)に示すように、活性層105と第一の絶縁基板200とを、上部フィードスルー54及び下部フィードスルー55と貫通孔204とが相対し、上部電極200と上部フィードスルー54が接続するように接合する。このとき、上部フィードスルー54及び下部フィードスルー55の上面と活性層105とはともに第一の絶縁基板200と接する必要がある。フィードスルー充填工程においてフィードスルー形成用穴51の内部に金属を充填して上部フィードスルー54及び下部フィードスルー55を形成した後に、活性層105の上面と上部フィードスルー54及び下部フィードスルー55の上面とを研磨などの方法により略同一平面をなすように形成すると、容易に第一の絶縁基板200と接触させることができるので、強固に接合することができるとともに、接合不良なく接合することができ、デバイスの信頼性を向上させることができる。
また、第一の絶縁基板200をソーダガラスやホウ珪酸ガラスなど、ナトリウムやリチウムなどのアルカリ金属を含有するガラスを用い、活性層105と第一の絶縁基板200とを接触させて250℃から450℃に加熱し、活性層105を陽極、第一の絶縁基板200を陰極として電圧を印加させると、活性層105と第一の絶縁基板200とを陽極接合法によって低温で強固に接合することができるので、工程を簡便化できるとともにデバイスの信頼性を向上させることができる。
また、活性層105と第一の絶縁基板200とを陽極接合する場合には、上部フィードスルー54及び下部フィードスルー55と活性層105とが電気的に接続された状態では、活性層105を陽極として陽極接合を行っても、ほとんどの電流が電気抵抗の小さい上部フィードスルー54及び下部フィードスルー55を介して陰極である第一の絶縁基板200へ流れるので、活性層105と第一の絶縁基板200の界面を通過する電荷量が十分ではなく、強固な接合が得られにくい。
そこで、フィードスルー充填工程において、フィードスルー形成用穴51を形成した後に、熱酸化法などの方法によってフィードスルー形成用穴51の内面にSiO2膜などの絶縁性の膜を形成し、その後金属を充填して上部フィードスルー54及び下部フィードスルー55を形成するのが望ましい。
このように構成すると、上部フィードスルー54及び下部フィードスルー55と活性層105とが電気的に絶縁されるため、活性層105を陽極として陽極接合を行うと、印加された電流は上部フィードスルー54及び下部フィードスルー55へ流出せず、活性層105から直接第一の絶縁基板200へ流れ、活性層105と第一の絶縁基板200を強固に接合することができる。また、別途上部フィードスルー54及び下部フィードスルー55を陽極とし、第一の絶縁基板200を陰極として電流を流すと、上部フィードスルー54及び下部フィードスルー55と第一の絶縁基板200も強固に陽極接合される。そのため、デバイスの信頼性を向上させることができる。
また、活性層105と、第一の絶縁基板200及び上部フィードスルー54とを接合する場合において、接合前に該活性層105及び第一の絶縁基板200並びに上部フィードスルー54の表面にイオンビームまたはプラズマを照射したのちに、活性層105と、第一の絶縁基板200及び上部フィードスルー54とを接触させて接合させる表面活性化接合法を用いると、活性層105及び第一の絶縁基板200並びに上部フィードスルー54の材料に関係なく強固な接合を得ることができる。また加熱することなく接合工程を行うことができるので、活性層105や第一の絶縁基板200に金属配線が形成されている場合に、該金属配線を損傷させることなく接合工程を行うことができる。
なお、イオンビームまたはプラズマを照射した後に、活性層105と第一の絶縁基板200及び上部フィードスルー54とを接触させる場合に、真空中で接触を行うと、表面の活性化状態を保ったまま接合することができるので、強固な接合を得ることができる。
また、第一の絶縁基板200及び上部フィードスルー54とを接触させ、荷重を加えて圧接すると、活性層105や第一の絶縁基板200が反っているような場合にも確実に両者を接触させ、接合を行うことができる。
また、第一の絶縁基板200及び上部フィードスルー54とを接触させ、400℃程度以下の温度に保つと、表面の活性化状態を保ったまま接合することができるので、強固な接合を得ることができる。
上部フィードスルー54及び下部フィードスルー55と第一の絶縁基板200との接合は活性層105と第一の絶縁基板200とを接合する前後どちらでもかまわないが、活性層105と上部フィードスルー54及び下部フィードスルー55を同時に陽極として陽極接合を行うと、工程を短縮することができる。
次に、錘形成工程においては、第一の絶縁基板接合工程の後に、SOI基板104の支持層107上に図示しないフォトレジスト膜を成膜してフォトリソグラフィ技術によりフレーム101、錘102、上部フィードスルー54及び下部フィードスルー55の領域をマスクした後、図13(b)に示すように、RIEやDeep RIEなどの方法により支持層107のマスクされていない領域を、BOX層106をエッチングストップとして選択的に除去する。
なお、フォトレジスト膜の替わりにマスクとしてSiO2膜を用いれば、より精度よく支持層107を除去することができる。
また、上述した方法以外に、KOHやTMAHなどのアルカリ性エッチャントを用いたウェットエッチングによって支持層107を除去してもよい。その場合にはフォトレジスト膜はアルカリ性エッチャントによって損傷するので、マスク材としてフォトレジスト膜の替わりにSiO 2 膜を用いるのが望ましい。
梁103に残ったBOX層106は必ずしも除去しなくとも構わないが、BOX層106を除去しない場合はBOX層106の応力により梁103が反ったり共振特性が変化したりする。そこで、ウェットエッチングまたはドライエッチングなどにより図13(c)に示すように梁103に残ったBOX層106を除去するのが望ましい。
次に、第二の絶縁基板接合工程においては、錘形成工程及び第二の絶縁基板形成工程の後に、支持層107と第二の絶縁基板300とを、下部電極301が下部フィードスルー55に接続するように図13(d)に示すように接合する。このとき、上部フィードスルー54及び下部フィードスルー55の下面と支持層107とはともに第二の絶縁基板300と接する必要がある。フィードスルー充填工程においてフィードスルー形成用穴51の内部に金属を充填してフィードスルー50を形成した後に、支持層107の下面と上部フィードスルー54及び下部フィードスルー55の下面とを研磨などの方法により略同一平面をなすように形成すると、容易に第二の絶縁基板300と接触させることができるので、強固に接合することができるとともに、接合不良なく接合することができ、デバイスの信頼性を向上させることができる。
また、支持層107と第二の絶縁基板300とを陽極接合する場合には、上部フィードスルー54及び下部フィードスルー55と支持層107とが電気的に接続された状態では、支持層107を陽極として陽極接合を行っても、ほとんどの電流が電気抵抗の小さい上部フィードスルー54及び下部フィードスルー55を介して陰極である第二の絶縁基板300へ流れるので、支持層107と第二の絶縁基板300の界面を通過する電荷量が十分ではなく、強固な接合が得られにくい。
そこで、フィードスルー充填工程において、フィードスルー形成用穴51を形成した後に、熱酸化法などの方法によってフィードスルー形成用穴51の内面にSiO2膜などの絶縁性の膜を形成し、その後金属を充填して上部フィードスルー54及び下部フィードスルー55を形成するのが望ましい。
このように構成すると、上部フィードスルー54及び下部フィードスルー55と支持層107とが電気的に絶縁されるため、支持層107を陽極として陽極接合を行うと、印加された電流は上部フィードスルー54及び下部フィードスルー55へ流出せず、支持層107から直接第二の絶縁基板300へ流れ、支持層107と第二の絶縁基板300を強固に接合することができる。また、別途上部フィードスルー54及び下部フィードスルー55を陽極とし、第二の絶縁基板300を陰極として電流を流すと、上部フィードスルー54及び下部フィードスルー55と第二の絶縁基板300も強固に陽極接合される。そのため、デバイスの信頼性を向上させることができる。
また、支持層107と、第二の絶縁基板300及び下部フィードスルー55とを接合する場合において、接合前に該支持層107及び第二の絶縁基板300並びに下部フィードスルー55の表面にイオンビームまたはプラズマを照射したのちに、支持層107と、第二の絶縁基板300及び下部フィードスルー55とを接触させて接合させる表面活性化接合法を用いると、支持層107及び第二の絶縁基板300並びに下部フィードスルー55の材料に関係なく強固な接合を得ることができる。また加熱することなく接合工程を行うことができるので、支持層107や第二の絶縁基板300に金属配線が形成されている場合に、該金属配線を損傷させることなく接合工程を行うことができる。
なお、イオンビームまたはプラズマを照射した後に、支持層107と第二の絶縁基板300及び下部フィードスルー55とを接触させる場合に、真空中で接触を行うと、表面の活性化状態を保ったまま接合することができるので、強固な接合を得ることができる。
また、第二の絶縁基板300及び下部フィードスルー55とを接触させ、荷重を加えて圧接すると、支持層107や第二の絶縁基板300が反っているような場合にも確実に両者を接触させ、接合を行うことができる。
また、第二の絶縁基板300及び下部フィードスルー55とを接触させ、400℃程度以下の温度に保つと、表面の活性化状態を保ったまま接合することができるので、強固な接合を得ることができる。
上部フィードスルー54及び下部フィードスルー55と第二の絶縁基板300との接合は支持層107と第二の絶縁基板300とを接合する前後どちらでもかまわないが、支持層107と上部フィードスルー54及び下部フィードスルー55を同時に陽極として陽極接合を行うと、工程を短縮することができる。
次に、外部電極形成工程においては、第二の絶縁基板接合工程の後に、第一の絶縁基板200に形成された貫通穴204の少なくとも内周面及び上部フィードスルー54ならびに下部フィードスルー55の上面に金属膜を成膜し、図13(e)に示すように外部電極205を形成する。
外部電極205のパターニングの方法として、図示しないメタルマスクを用いて外部電極205を形成する以外の領域をマスクしてスパッタ、蒸着などの方法を用いて金属膜を成膜し、外部電極205を形成すると、工程を簡便化することができる。
また、外部電極のパターニングの方法として、第一の絶縁基板200の上面、貫通穴204の内周面及び上部フィードスルー54ならびに下部フィードスルー55の上面に一括してスパッタ、蒸着などの方法を用いて金属膜を成膜し、その金属膜の上面にフォトレジスト膜を成膜し、フォトリソグラフィ技術を用いて外部電極205を形成する領域以外の部分のフォトレジスト膜を除去し、ウェットエッチングまたはドライエッチングを用いてフォトレジスト膜をマスクとして金属膜を除去し、外部電極205を形成してもよい。この場合には、フォトリソグラフィ技術を用いるので、精度よく外部電極を形成することができ、デバイスの信頼性を向上させることができる。
また、外部電極のパターニングの方法として、貫通穴204の内部にはんだペーストのような導電性の材料を注入してもよい。この場合には、貫通穴204の内周面が強くあれているような場合でも断線を生じることなく上部フィードスルー54及び下部フィードスルー55に接続することができるので、デバイスの信頼性を向上させることができる。
上述したように、本実施形態の加速度センサ2および加速度センサ2の製造方法によれば、上部電極201からは外部電極205及び上部フィードスルー54を介して電気信号を取り出すことができる。また、下部電極301からは外部電極205及び下部フィードスルー55を介して電気信号を取り出すことができる。上部フィードスルー54及び下部フィードスルー55は金属からなるので、上部フィードスルー54及び下部フィードスルー55がシリコンからなる場合に比べて電気抵抗が小さく、電気信号を損失なく伝達することができ、S/N比を向上させることができるとともに省電力化を図ることができる。また、フィードスルー50に熱が印加され、あるいは光や電磁波が入射しても電気的な特性が変化しないので、S/N比を向上させることができるとともにデバイスの信頼性を向上させることができる。
〔第5実施形態〕
次に、本発明にかかる第5実施形態として、上述した三次元配線を力学量センサの一種である角速度センサに適用した場合について図14及び図15を参照しながら説明する。
図14は本実施形態の加速度センサの平面図であり、図15は図14のDD線における断面図である。
なお、図14は簡単のため、第一の絶縁基板200、貫通穴204及び外部電極205を省略して示している。
本実施形態の角速度センサ3は、シリコン基板100からなるフレーム101と、シリコン基板100からなる錘102と、シリコン基板100からなりフレーム101に一端を接続され錘102に他端を接続されて該錘102を揺動自在に支持する梁103と、絶縁物からなる第一の絶縁基板200と、該第一の絶縁基板200に設けられた導電性材料からなる上部入力電極202と、第一の絶縁基板200に設けられた導電性材料からなる上部出力電極203と、第一の絶縁基板に設けられた貫通穴204と、該貫通穴204の少なくとも内周面上に形成された導電性材料からなる外部電極205と、絶縁物からなる第二の絶縁基板300と、該第二の絶縁基板300に設けられた下部入力電極302と、第二の絶縁基板300に設けられた下部出力電極303と、第一の絶縁基板200及び第二の絶縁基板300とに両端を接合された金属からなるフィードスルー50と、フレーム101及び第一の絶縁基板200ならびに第二の絶縁基板300とに囲まれて錘102、梁103、上部入力電極202、上部出力電力203形成されるキャビティ53とを備える角速度センサである。
そして、この角度センサ3は、第一の絶縁基板200及び第二の絶縁基板300はフレーム101を挟み込んで接合され、上部入力電極202、上部出力電極203、下部入力電極302及び下部出力電極303は錘102と所定の間隔を隔てて配置され、フィードスルー50のうち上部入力フィードスルー56の一端は上部入力電極202の一端に接続され、フィードスルー50能地上部出力フィードスルー57の一端は上部出力電極203の一端に接続され、フィードスルー50のうち下部入力フィードスルー58の一端は下部入力電極302の一端に接続され、フィードスルー50のうち下部出力フィードスルー59の一端は下部出力電極303の一端に接続され、貫通穴204は上部入力フィードスルー56、上部出力フィードスルー57、下部入力フィードスルー58及び下部フィードスルー59の一端の上面に相対するように設けられ、外部電極205のうち外部上部入力電極206と上部入力フィードスルー56、外部電極205のうち外部上部出力電極207と上部出力フィードスルー57、外部電極205のうち外部下部入力電極208と下部入力フィードスルー58、外部電極205のうち外部下部出力電極209と下部出力フィードスルー59とはそれぞれ互いに電気的に接続されていることを特徴とするものである。
本実施形態の角速度センサ3においては、外部上部入力電極206及び外部下部入力電極208に例えば100Hzから50kHzの所定の波形で互いに逆位相の電気信号を入力すると、それぞれ上部入力フィードスルー56、下部入力フィードスルー58を介して上部入力電極202及び下部入力電極302に入力電気信号が到達し、上部入力電極202及び下部入力電極302から、所定の間隔をあけて支持された錘102に静電引力が、入力された電気信号の波形に従って作用し、錘102が振動する。
このとき、錘102が収容されたキャビティ53が大気圧よりも減圧された状態に保たれているのが望ましい。このように構成すると、錘102と上部入力電極202及び下部入力電極302との間の気体による減衰作用が小さくなり、錘102の振幅を大きくすることができるので、S/N比を向上させることができ、センサの感度を向上させることができる。
錘102を振動させた状態で角速度センサ3に外部から角速度を印加すると、錘102に慣性力であるコリオリ力が作用し、印加された角速度の方向及び大きさに応じて錘102の振動方向が変化する。このとき、上部出力電極203及び下部出力電極303と錘102との間隔が変化するので、上部出力電極203及び下部出力電極303と錘102との間の静電容量が変化する。これを出力信号として上部出力フィードスルー57及び下部出力フィードスルー59を介して外部上部出力電極207及び外部下部出力電極209から取り出し、角速度センサ3に印加された角速度の方向及び大きさを測定する。
なお、本実施形態の角速度センサ3ではシリコン基板100として活性層105、BOX(Buried Oxide)層106、支持層107からなるSOI(Silicon On Insulator)基板104を用いた例を示す。SOI基板を用いると、BOX層106をエッチングストップとすることができるので、梁103の厚さを精度よく形成することができる。
本実施形態の角速度センサ3においては、上部入力フィードスルー56、上部出力フィードスルー57、下部入力フィードスルー58及び下部出力フィードスルー59が金属からなるので、上部入力フィードスルー56、上部出力フィードスルー57、下部入力フィードスルー58及び下部出力フィードスルー59がシリコンからなる場合に比べて電気抵抗が小さく、出力信号の損失を小さくすることができ、S/N比を向上させることができるとともに省電力化を図ることができる。
また、上部入力フィードスルー56、上部出力フィードスルー57、下部入力フィードスルー58及び下部出力フィードスルー59に熱が印加され、あるいは光や電磁波が入射しても電気的な特性が変化しないので、S/N比を向上させることができるとともにデバイスの信頼性を向上させることができる。
また、上部入力フィードスルー56、上部出力フィードスルー57、下部入力フィードスルー58及び下部出力フィードスルー59を形成する金属として、アルミニウム、チタン、クロム、鉄、コバルト、ニッケル、カドミウム、錫、インジウム、銅、亜鉛、タングステンを少なくとも一種類以上含む金属を用い、さらに第一の絶縁基板200または第二の絶縁基板300をホウ珪酸ガラスなどアルカリ金属を含有するガラスを用いると、陽極接合法によって上部入力フィードスルー56、上部出力フィードスルー57、下部入力フィードスルー58及び下部出力フィードスルー59と第一の絶縁基板100または第二の絶縁基板200とを400℃以下の低温で強固に接合することができるので、工程の簡便化を図るとともにデバイスの信頼性を向上させることができる。
また、上部入力フィードスルー56、上部出力フィードスルー57、下部入力フィードスルー58及び下部出力フィードスルー59を形成する金属として、ニッケル、クロム、コバルト、鉄、錫、金、銀、銅、ロジウム、ルテニウムのうち少なくとも一種類以上含む金属を用いると、電鋳法もしくは無電解めっき法を用いて上部入力フィードスルー56、上部出力フィードスルー57、下部入力フィードスルー58及び下部出力フィードスルー59を形成することができるので、工程の簡便化を図るとともにデバイスの信頼性を向上させることができる。
また、上部入力フィードスルー56、上部出力フィードスルー57、下部入力フィードスルー58及び下部出力フィードスルー59を形成する金属として、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、モリブデン、タンタル、タングステン、ハフニウム、バナジウム、鉄、ニッケルのうち少なくとも一種類以上含む金属を用いると、上部入力フィードスルー56、上部出力フィードスルー57、下部入力フィードスルー58及び下部出力フィードスルー59は酸素または水と反応して吸収する材料からなるので、キャビティ53を密閉し大気圧以下に保つ必要がある場合に、上部入力フィードスルー56、上部出力フィードスルー57、下部入力フィードスルー58及び下部出力フィードスルー59の側面が酸素または水を吸収し、ゲッターポンプとして働くので、デバイスの性能を向上させることができるとともに信頼性を向上させることができる。
〔第6実施形態〕
次に、本発明にかかる第6実施形態について、図16を参照しながら説明する。
図16は本実施形態の三次元配線1の断面図である。三次元配線1は、シリコン基板100からなるフレーム101と、絶縁物からなる第一の絶縁基板200と、絶縁物からなる第二の絶縁基板300と、導電性材料からなるフィードスルー50とを備えている。フィードスルー50はフレーム101よりも電気抵抗の小さな材料から形成されることが好ましく、好適には金属から形成されるのが好ましい。
フィードスルー50はシリコン基板100とは電気的に絶縁されるように孤立して設けられ、第二の絶縁基板300上に形成された金属薄膜(たとえば、厚さ0.1〜2μm)からなる下部電極301が接続されている。第一の絶縁基板200には、フィードスルー50に相対するように貫通穴204が設けられ、該貫通穴204の少なくとも内周面を覆いフィードスルー50に電気的に接続するように形成された金属薄膜(たとえば、厚さ0.5〜10μm)からなる外部電極205が形成されている。
フィードスルー50は、該フィードスルー50に相対するように第一の絶縁基板200及び第二の絶縁基板300上に設けられたフィードスルー接合部60に接続されている。該フィードスルー接合部60はフィードスルー50を形成する金属と陽極接合によって接合されるような金属からなり、好適にはフィードスルー50とフィードスルー接合部60はともにアルミニウムを含む金属からなる。さらに第一の絶縁基板200または第二の絶縁基板300をホウ珪酸ガラスなどアルカリ金属を含有するガラスを用いると、陽極接合法によってフィードスルー50と第一の絶縁基板100または第二の絶縁基板200とを400℃以下の低温で強固に接合することができる。
このように構成することにより、フィードスルー50を第一の絶縁基板200及び第二の絶縁基板300に直接陽極接合する場合に比べて接合強度が向上するので、デバイスの信頼性を向上させることができる。
次に、このように構成された三次元配線1の製造方法について、図17から図19を参照して説明する。
本実施形態の三次元配線1の製造方法は、シリコン基板100にフィードスルー形成用穴51を形成し、該フィードスルー形成用穴51の内部に金属を充填してフィードスルー50を形成するフィードスルー充填工程と、絶縁物からなる第一の絶縁基板200にフィードスルー形成用穴51に相対するように貫通穴204を設ける第一の絶縁基板形成工程と、絶縁物からなる第二の絶縁基板300に金属薄膜からなる下部電極301を設ける第二の絶縁基板形成工程と、フィードスルー充填工程及び第一の絶縁基板形成工程の後にシリコン基板100と第一の絶縁基板200とを接合する第一の絶縁基板接合工程と、該第一の絶縁基板接合工程の後にシリコン基板100をフレーム101及びフィードスルー50を残して除去する半導体基板加工工程と、該半導体基板加工工程の後にシリコン基板100と第二の絶縁基板300とを接合する第二の絶縁基板接合工程と、該第二の絶縁基板接合工程の後に貫通穴204の少なくとも内周面を覆いフィードスルー50に電気的に接続されるように金属薄膜を成膜して外部電極205を形成する外部電極形成工程とを備えている。これら各工程について図17から図19を参照しながら以下に詳細に説明する。
フィードスルー充填工程においては、まず図17(a)に示すシリコン基板100上に図示しないフォトレジスト膜を成膜した後フォトリソグラフィ技術によってフィードスルー形成用穴51以外の領域にパターニングする。そして、フォトレジスト膜をマスクとして、反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)やDeep RIE(Deep Reactive Ion Etching)を行って、マスクされていないシリコン基板100を選択的に除去して貫通し、図17(b)に示すようにフィードスルー形成用穴51を形成する。マスクとしてフォトレジスト膜の替わりに酸化シリコン(SiO2)膜を用いると、より精度よくフィードスルー形成用穴51を形成することができる。
なお、上述した方法に限らず、水酸化カリウム(KOH)やテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)などのアルカリ性エッチャントを用いたウェットエッチングによりシリコン基板100を除去してもかまわない。この場合には、フォトレジスト膜が上述のアルカリ性エッチャントによって損傷するので、マスクとしてフォトレジスト膜の替わりにSiO2膜を用いるほうが望ましい。
次に、図17(c)に示すように、フィードスルー形成用穴51の内部に、金属を充填してフィードスルー50を形成する。
次に、第一の絶縁基板形成工程においては、図18(a)に示す絶縁物からなる第一の絶縁基板200に、ウェットエッチング法あるいはドライエッチング法によって、図18(b)に示すように、フィードスルー50と相対する位置にフィードスルー接合用ギャップ61を形成する。
次に、サンドブラスト法またはウェットエッチング法あるいはドライエッチング法によって、図18(c)に示すようにフィードスルー50と相対する位置に貫通穴204を形成する。 次に、図18(d)に示すようにフィードスルー接合用ギャップ61の内部に、フィードスルー50を形成する金属と陽極接合するような金属からなるフィードスルー接合部60を第一の絶縁基板200と略同一面になるような厚さで成膜し形成する。好適にはフィードスルー50とフィードスルー接合部60はともにアルミニウムを含む金属で形成する。
なお、第一の絶縁基板200の材料として、ソーダガラスやホウ珪酸ガラスなど、ナトリウムやリチウムなどのアルカリ金属を含有するガラスを使用すると、第一の絶縁基板200とシリコン基板100及びフィードスルー50とを陽極接合法によって低温で強固に接合することができるので、工程の簡便化を図るとともにデバイスの信頼性を向上させることができる。
次に、第二の絶縁基板形成工程においては、図18(e)に示す絶縁物からなる第二の絶縁基板300の上面にウェットエッチング法あるいはドライエッチング法によって、図18(f)に示すように、フィードスルー50と相対する位置にフィードスルー接合用ギャップ61を形成する。
次に、図18(g)に示すようにフィードスルー接合用ギャップ61の内部に、フィードスルー50を形成する金属と陽極接合するような金属からなるフィードスルー接合部60を第一の絶縁基板200と略同一面になるような厚さで成膜し形成する。好適にはフィードスルー50とフィードスルー接合部60はともにアルミニウムを含む金属で形成する。
次に、図18(h)に示すように絶縁物からなる第二の絶縁基板300の上面に金属薄膜を成膜し、金属薄膜の上面に図示しないフォトレジスト膜を成膜し、フォトリソグラフィ技術を用いて下部電極301の領域をマスクする。そののちドライエッチングまたはウェットエッチングにより金属薄膜のうちフォトレジスト膜によりマスクされていない部分を除去し、下部電極301を形成し、フォトレジスト膜を除去する。
なお、第二の絶縁基板300の材料として、ソーダガラスやホウ珪酸ガラスなど、ナトリウムやリチウムなどのアルカリ金属を含有するガラスを使用すると、第二の絶縁基板300とシリコン基板100及びフィードスルー50とを陽極接合法によって低温で強固に接合することができるので、工程の簡便化を図るとともにデバイスの信頼性を向上させることができる。
また、下部電極301を形成するための金属薄膜として、アルミニウム、金、白金、ニッケル、クロム、チタンのうちいずれか一種類以上を含む金属を用いると、容易に下部電極301以外の部分を除去できるので、工程の簡便化を図ることができる。
また、金属薄膜の厚さを0.05μm以上とすると、下部電極301に効率よく電気信号を印加することができるので、デバイスの信頼性を向上させることができる。また、金属薄膜の厚さを0.1〜3.0μmとすると、容易に下部電極301以外の部分を除去できるので、工程の簡便化を図るとともに歩留まりを向上させることができる。
次に、第一の絶縁基板接合工程においては、フィードスルー充填工程及び第一の絶縁基板形成工程ののちに、図20(a)に示すように、シリコン基板100と第一の絶縁基板200とを、フィードスルー50とフィードスルー接合部60とが相対するように接触させ、シリコン基板100及びフィードスルー50を陽極接合する。フィードスルー充填工程においてフィードスルー形成用穴51の内部に金属を充填してフィードスルー50を形成した後に、シリコン基板100の上面とフィードスルー50の上面とを研磨などの方法により略同一平面をなすように形成すると、容易に第一の絶縁基板200と接触させることができるので、強固に接合することができるとともに、接合不良なく接合することができ、デバイスの信頼性を向上させることができる。
フィードスルー50と第一の絶縁基板200との接合はシリコン基板100と第一の絶縁基板200とを接合する前後どちらでもかまわないが、シリコン基板100とフィードスルー50を同時に陽極として陽極接合を行うと、工程を短縮することができる。
次に、半導体基板加工工程においては、第一の絶縁基板接合工程の後に、シリコン基板100の第一の絶縁基板200を接合されていない面に図示しないフォトレジスト膜を成膜してフォトリソグラフィ技術によりフレーム101及びフィードスルー50の領域をマスクした後、図4(b)に示すように、RIEやDeep RIEなどの方法によりシリコン基板100を除去する。
なお、フォトレジスト膜の替わりにマスクとしてSiO2膜を用いれば、より精度よくシリコン基板100を除去することができる。
また、上述した方法以外に、KOHやTMAHなどのアルカリ性エッチャントを用いたウェットエッチングによってシリコン基板100を除去してもよい。その場合にはフォトレジスト膜はアルカリ性エッチャントによって損傷するので、マスク材としてフォトレジスト膜の替わりにSiO2膜を用いるのが望ましい。
次に、下部絶縁基板接合工程においては、半導体基板加工工程及び下部絶縁基板形成工程の後に、シリコン基板100と下部絶縁基板300とを、下部電極301がフィードスルー50に接続するように図20(c)に示すように接合する。このとき、シリコン基板100は株絶縁基板300と接する必要があり、フィードスルー50の下面はフィードスルー接合部60と接する必要がある。フィードスルー充填工程においてフィードスルー形成用穴51の内部に金属を充填してフィードスルー50を形成した後に、シリコン基板100の下面とフィードスルー50の下面とを研磨などの方法により略同一平面をなすように形成すると、下部絶縁基板300とSi基板100並びにフィードスルー50とフィードスルー接合部60とを容易に接触させることができるので、強固に接合することができるとともに、接合不良なく接合することができ、デバイスの信頼性を向上させることができる。
このように構成すると、フィードスルー50とシリコン基板100とが電気的に絶縁されるため、シリコン基板100を陽極として陽極接合を行うと、印加された電流はフィードスルー50へ流出せず、シリコン基板100から直接第二の絶縁基板300へ流れ、シリコン基板100と第二の絶縁基板300を強固に接合することができる。また、別途フィードスルー50を陽極とし、第二の絶縁基板300を陰極として電流を流すと、フィードスルー50と第二の絶縁基板300も強固に陽極接合される。そのため、デバイスの信頼性を向上させることができる。
フィードスルー50と第二の絶縁基板300との接合はシリコン基板100と第二の絶縁基板300とを接合する前後どちらでもかまわないが、シリコン基板100とフィードスルー50を同時に陽極として陽極接合を行うと、工程を短縮することができる。
次に、外部電極形成工程においては、第二の絶縁基板接合工程の後に、第一の絶縁基板200に形成された貫通穴204の少なくとも内周面及びフィードスルー50の上面に金属膜を成膜し、図20(d)に示すように外部電極205を形成する。
外部電極205のパターニングの方法として、図示しないメタルマスクを用いて外部電極205を形成する以外の領域をマスクしてスパッタ、蒸着などの方法を用いて金属膜を成膜し、外部電極205を形成すると、工程を簡便化することができる。
また、外部電極のパターニングの方法として、第一の絶縁基板200の上面、貫通穴204の内周面及びフィードスルー50の上面に一括してスパッタ、蒸着などの方法を用いて金属膜を成膜し、その金属膜の上面にフォトレジスト膜を成膜し、フォトリソグラフィ技術を用いて外部電極205を形成する領域以外の部分のフォトレジスト膜を除去し、ウェットエッチングまたはドライエッチングを用いてフォトレジスト膜をマスクとして金属膜を除去し、外部電極205を形成してもよい。この場合には、フォトリソグラフィ技術を用いるので、精度よく外部電極を形成することができ、デバイスの信頼性を向上させることができる。
また、外部電極のパターニングの方法として、貫通穴204の内部にはんだペーストのような導電性の材料を注入してもよい。この場合には、貫通穴204の内周面が強くあれているような場合でも断線を生じることなくフィードスルー50に接続することができるので、デバイスの信頼性を向上させることができる。
上述したように、本実施形態の三次元配線1および三次元配線1の製造方法によれば、第一の絶縁基板接合工程及び第二の絶縁基板接合工程において、フィードスルー50をフィードスルー接合部60に接合させることができるので、該フィードスルー50を直接第一の絶縁基板200及び第二の絶縁基板300と陽極接合させる場合と比べて接合強度が向上するので、デバイスの信頼性を向上させることができる。
なお、これら上記の実施形態に説明した部材、配置等は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の改変を行うことができる。