JP2009072130A - 細胞電気生理センサ用デバイスおよびそれを用いた細胞電気生理センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】細胞電気生理センサの測定精度を向上させることを目的とする。
【解決手段】そしてこの目的を達成するため本発明は、保持プレート11と、この保持プレート11の上方に設けられた貯留槽12と、保持プレート11の下方に設けられた流路13と、保持プレート11の貫通孔14に挿入された筒状のチップ保持部15と、このチップ保持部15の下端に挿入されたセンサチップ16とを備え、このセンサチップ16は、導通孔20が形成された細胞保持板17を有し、この細胞保持板の下面17Aは保持プレートの下面11Aより下方に位置するものとした。これにより本発明は流路13側において、導通孔20近傍に気泡が付着しても、液流によって気泡を押し流すことが出来、結果として細胞電気生理センサの測定精度を向上させることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は細胞電気生理センサ用デバイスおよびそれを用いた細胞電気生理センサに関する。
図9に示すように従来の細胞電気生理センサ用デバイスは、保持プレート1と、この保持プレート1の上方に設けられた貯留槽2と、保持プレート1の下方に設けられた流路3と、保持プレート1の貫通孔4に挿入されたセンサチップ5とを備え、このセンサチップ5は、貯留槽2と流路3とを繋ぐ導通孔6を有している。
そしてこの貯留槽2および流路3にそれぞれ電極7、8を配置すると、細胞電気生理センサとして用いることができる。
この細胞電気生理センサは、貯留槽2および流路3にそれぞれ電解液を満たし、貯留槽2側に細胞9を注入し、流路3側を吸引するなどして、導通孔6の開口部に細胞9を捕捉することができる。そして電極7、8間の電位差を計測することによって、細胞9が活動する際の細胞9の内外における電位変化、あるいは細胞9の活動によって発生する物理化学的変化を測定することができる。
なお、上記細胞電気生理センサと類似する例を開示するものとして下記の特許文献1が挙げられる。
特開2005−265758号公報
従来の細胞電気生理センサ用デバイスでは、細胞電気生理センサの測定精度が低いという課題があった。
その理由は、流路3側において、導通孔6近傍に気泡10が付着するからである。
そしてこの気泡10によって、細胞9を吸引する際の圧力が伝わらず、あるいは導通孔6の上下で導通がとれなくなり、結果として細胞電気生理センサの測定精度が低下するのであった。
そこで本発明は、細胞電気生理センサの測定精度を向上させることを目的とする。
そしてこの目的を達成するため本発明は、保持プレートと、この保持プレートの上方に設けられた貯留槽と、保持プレートの下方に設けられた流路と、保持プレートの貫通孔に挿入された筒状のチップ保持部と、このチップ保持部の下端に挿入されたセンサチップとを備え、このセンサチップは、導通孔が形成された細胞保持板を有し、この細胞保持板の下面は保持プレートの下面より下方に位置するものとした。
これにより本発明は、細胞電気生理センサの測定精度を向上させることができる。
その理由は、流路側において導通孔近傍に気泡が付着しても、液流によって気泡を押し流すことが出来るからである。
すなわち本発明は、細胞保持板の下方において、流路の幅が狭くなり、流路内の導通孔付近に流れる流体の速度が大きくなる。したがって、液流によって気泡を押し流すことが出来、結果として、細胞電気生理センサの測定精度を向上させることができる。
(実施の形態1)
図1の断面図に示すように本発明の一実施の形態における細胞電気生理センサ用デバイスは、保持プレート11と、この保持プレート11の上方に設けられた貯留槽12と、保持プレート11の下方に設けられた流路13と、保持プレート11の貫通孔14に挿入された筒状のチップ保持部15と、このチップ保持部15の下端に挿入され、このチップ保持部15の内壁15aに外側面を支持されたセンサチップ16とを備えている。
そしてセンサチップ16は、図2に示すように、円板状の細胞保持板17(直径約700μm)と、この細胞保持板17上に配置された円筒状の枠体18(外径約700μm)とを有している。
また細胞保持板17の下面17Aには直径約20μmの半球形状の凹部19が形成され、この凹部19の最深部から細胞保持板17の上面17Bに向けて直径1〜3μm、深さ5〜7μm程度の導通孔20が形成されている。
ここでこのセンサチップ16は二酸化シリコン層をシリコン層で挟んだ積層体、いわゆるSOI基板で形成されている。すなわち本実施の形態の細胞保持板17は、底面を構成するシリコン層21(厚み約15μm)と、このシリコン層21上面に形成され、細胞捕捉面となる二酸化シリコン層22(厚み約2μm)とからなり、また枠体18は二酸化シリコン層22上に形成されたシリコン層23(厚み約400μm)で形成されている。
なお、前述のように、二酸化シリコン層22の厚みを約2μmとした理由は、センサチップ16を介するリーク電流を低減することにある。すなわち本実施の形態では、二酸化シリコン層22の厚みを2μmと厚くすることによって、二酸化シリコン層22の厚み方向における静電容量が10pF以下となり、センサチップ16を介するリーク電流を低減できる。なお二酸化シリコン層22の厚みは、細胞保持板17のシリコン層21の表面積によって、所望の静電容量を得られるよう変えればよい。
また静電容量を小さくするため、二酸化シリコン層22の膜厚を大きくする必要がある場合も、本実施の形態のようにSOI基板を用いると、容易に膜厚を1μm以上とすることができる。
また、直径10μmから20μmの細胞を捕捉するには、導通孔20は直径が1μm〜5μm、深さが1μm〜10μmが好ましい。ここでシリコン層21の厚みが大きい場合は本実施の形態のように、凹部19を設けて調整すれば、導通孔20のアスペクト比を小さくでき、加工が容易になる。
また本実施の形態では、図1に示すように、チップ保持部15の下方先端とセンサチップ16の細胞保持板17の下面17Aとは段差なく一連となっており、チップ保持部15の下端および細胞保持板の下面17Aは下方の流路13側へと突出している。すなわち本実施の形態では、細胞保持板17の下面17Aは、チップ保持部15の下端部とともに保持プレート11の下面11Aより下方の流路13側に位置するものである。
またチップ保持部15の材料としては、例えばホウケイ酸ガラス(コーニング;#7052、#7056)、アルミノケイ酸塩ガラスまたはホウケイ酸鉛ガラス(コーニング;#8161)などの絶縁性かつ親水性の高いガラスが挙げられ、本実施の形態では、内径が750μm〜1400μm、外径が1500μm〜2000μm、厚みが300μmのホウケイ酸ガラスからなるガラス管を用いた。
そして本実施の形態では、図2に示すチップ保持部15の内壁15aとセンサチップ16の外側面16Aとは熱溶着(ガラス溶着)されている。
さらに本実施の形態では、図2に示すように、細胞保持板17の二酸化シリコン層22の外側面22Aがチップ保持部15の内壁15aと接着している。ここで二酸化シリコン層22は絶縁体のため、センサチップ16を介するリーク電流を低減できる。
そして本実施の形態におけるチップ保持部15は、その下端部分における外側面15Aが湾曲し、先端が丸みを帯びた筒状である。
なお、本実施の形態では、図2に示すように、センサチップ16の外側面16A全体をチップ保持部15の内壁と接着することで、気密性および接着強度を向上させているが、接着領域はこの例に拘泥されず、図3に示すようにチップ保持部15の内壁15aでセンサチップ16の枠体18をつまむような構成でもよい。すなわち、少なくとも貯留槽12と流路13との間の液漏れが防げればよい。
また図4に示すように、本実施の形態の細胞電気生理センサは、上記センサチップ16が複数個整列したマルチプレート形であり、一列に並んだ複数のセンサチップ16が一の流路13を共有するように形成されている。なお、本実施の形態では、貯留槽12は一のセンサチップ16毎に配置した。
そしてこの細胞電気生理センサは、貯留槽12および流路13の内部にそれぞれ電極24、25を備えている。
なお、電極24、25は本実施の形態のように保持プレート11表面に形成してもよいが、この形態に拘泥されず、貯留槽12および流路13にそれぞれ充填される電解液(後述の細胞内液、細胞外液など)と電気的に接続できればよい。
次に本実施の形態における細胞電気生理センサを用いて細胞の電気生理活動を測定する方法について述べる。
まず図1に示す上方の貯留槽12内に細胞外液、下方の流路13内に細胞内液を充填し、細胞外液、細胞内液にそれぞれ電極24、25を接触させる。
ここで細胞外液とはたとえば哺乳類筋細胞の場合、代表的にはK+イオンが155mM、Na+イオンが12mM程度、Cl-イオンが4.2mM程度添加された電解液であり、細胞内液とはK+イオンが4mM程度、Na+イオンが145mM程度、Cl-イオンが123mM程度添加された電解液である。
この状態において電極24、25の間で100kΩ〜10MΩ程度の導通抵抗値を測定することができる。これは細胞外液あるいは細胞内液が導通孔20に浸透し、2つの電極24、25が細胞外液と細胞内液とを介して導通するからである。
次に上方の貯留槽12の上側から細胞26を投入し、下方の流路13側を減圧すると、細胞26は導通孔20に引き付けられ、導通孔20開口部を塞ぎ、電気抵抗が十分に高い1GΩ以上の状態となる(ギガシール)。
そしてその後、細胞26を導通孔20開口部に捕捉した状態で、流路13側にナイスタチンなどの抗生物質を投与する。するとこの抗生物質が流路13内に拡散し、導通孔20を伝って捕捉した細胞26に到達し、導通孔20開口部と接していた細胞膜に穴が開いた状態となる(ホールセル)。
次に貯留槽12側に薬液を注入する、あるいはその他細胞26に物理化学的刺激を印加する。そして電極24、25で微小な電位変化、あるいは電流の変化を測定することによって、物理化学的刺激による細胞内外の電位変化を検出できる。ここでこの測定時においては、貯留槽12、流路13間において、細胞26を介さない電気的パスを極力減らすことが、測定精度の向上に寄与する。
以下に本実施の形態の細胞電気生理センサ用デバイスの製造方法を説明する。
はじめに、図5(a)に示すように、単結晶のシリコン層21、23との間に二酸化シリコン層22を挟んだいわゆるSOI基板を準備する。SOI基板は、SIMOX(Separation by IMplantation of OXygen)方式あるいは張り合わせなどによって、予め膜厚1.0μm以上の厚い二酸化シリコン層22が形成されているものを用いた。
そしてシリコン層21表面の導通孔20に相当する部分をパターニングしたマスク27で覆う。
次に、マスク27上方からドライエッチングを行う。この時、エッチングガスとしては、例えばSF6やXeF2、またはこれらの混合ガスなどが挙げられる。これらはシリコンのエッチングを深さ方向だけでなく、水平方向へのエッチングも促進する作用があるため、図5(b)に示すように、シリコン層21を半球形状の碗型にエッチングすることができ、凹部19が形成される。
次に、図5(c)に示すように、ICPプラズマを用いたドライエッチング方法によって、マスク27上方からシリコンのエッチングを促進するガス(以下促進ガスという)と抑制するガス(以下抑制ガスという)を交互に導入してシリコン層21に導通孔20を形成する。この導通孔20は、基材が単結晶シリコンの為、微細な形状であっても高精度に形成できる。
なお、上記抑制ガスとしては例えばC48、CHF3を用いることが好ましい。これにより、促進ガス導入時にはシリコン層21をエッチングし、抑制ガスの導入時にはエッチングした内壁に保護膜を形成することから、導通孔20は凹部19の最深部からシリコン層21を垂直に形成される。
なお、シリコン層21と二酸化シリコン層22とはエッチングレートが異なることから、二酸化シリコン層22はエッチングストップ層として機能し、所望深さの導通孔20を高精度に形成することができる。
その後、マスクをつけたまま、二酸化シリコンを選択的にエッチングするCF4とArとの混合ガスなどを噴き付け、二酸化シリコン層22を貫通する。
次に、図5(d)に示すように、枠体(図1の18)となるシリコン層23表面をマスキングし、同様にICPプラズマを用いたドライエッチング方法によって、エッチングを促進するガス(促進ガス)と抑制するガス(抑制ガス)とを交互に導入してシリコン層23をエッチングすると、図1の薄板と枠体18とからなるセンサチップ16を形成することができる。
その後、センサチップ16を図1に示すチップ保持部15であるガラス管の下端へ挿入し、チップ保持部15の外周面をガスバーナーなどの炎で加熱し、チップ保持部15のガラス成分を溶融させ、図2に示すように、チップ保持部15の内壁15aとセンサチップ16の外側面16Aとを溶着させる。
この時、二酸化シリコン層22の外側面22Aにガラス成分が溶着するようにすると、気密性が向上し、前述のように、センサチップ16を介するリーク電流をより低減できる。
ここで上記の溶着工程でガスバーナーを使用するのは、局部的にチップ保持部15とセンサチップ16とを高温にでき融着させることができるためである。なおこの時の加熱温度は200℃〜1500℃程度が好ましい。
そしてこのように高温でチップ保持部15の下端部を加熱すると、チップ保持部15の外側面15Aが溶融して湾曲し、丸みを帯びた形状となる。
そして次に図1に示すように、センサチップ16が挿入されたチップ保持部15を、保持プレート11の貫通孔14に挿入し、UV硬化性接着剤等によって接合する。
なお、チップ保持部15はセンサチップ16より大きいため、取り扱いも容易で、さらにチップ保持部15は親水性のガラスからなるため、保持プレート11との間に気泡が発生し難く、気密性に優れた接合となる。
本実施の形態における効果を以下に説明する。
本実施の形態の細胞電気生理センサ用デバイスは、細胞電気生理センサの測定精度を向上させることができる。
すなわち従来は、図9に示すように、流路3側において、導通孔6近傍に気泡10が付着し、停滞するという課題があった。そしてこのように気泡10が停滞していると、流路3側を減圧して細胞9を吸引する際、気泡10が膨張し、導通孔6に圧力が伝わらず、細胞9を導通孔6へ引き寄せることができないことがあった。また導通孔6近傍に気泡10が停滞すると、導通孔6の上下で導通がとれなくなり、結果として細胞電気生理センサの測定精度が低下するのであった。
これに対し本実施の形態では、図1に示すようにセンサチップ16を下方の流路13側へ突出させている。すなわち本実施の形態は、センサチップ16の細胞保持板17の下面17Aが流路13の内側に位置するものである。
したがって細胞保持板17の下方、すなわち導通孔20の下方では流路13の幅が狭くなる。よって、導通孔20下方近傍では流体の速度が大きくなり、その液流によって、気泡を押し流すことができる。
また流路13内では、流路13の中央ほど流速が大きくなるため、センサチップ16を流路13側へと突出させることにより、流路13側において、気泡を効率よく押し流すことができ、結果として細胞電気生理センサの測定精度を向上させることができる。
また本実施の形態では、チップ保持部15の下端部分における外側面15Aが湾曲し、丸みを帯びている。したがって、流路13断面積変化が緩やかになり、流路13内における流体のエネルギー損失を抑制し、圧力エネルギーを無駄なく速度エネルギーに変換することができる。そしてその結果、液流によって気泡を移動させることができる。
また本実施の形態では、チップ保持部15は絶縁性の高いガラスで形成されているため、このチップ保持部15の内壁15aとセンサチップ16の外側面(図2の16A)とを接着することにより、流路13内で露出するセンサチップ16の表面積を減らすことができる。したがって、流路13と貯留槽12間では、センサチップ16の外側面16Aを介する電気的リークパスを低減し、細胞電気生理センサの測定精度を向上することができる。
また本実施の形態では、センサチップ16をチップ保持部15で支持しているため、チップ保持部15を上下に移動させるだけで、センサチップ16の位置を調整することができる。
また図2に示すように、本実施の形態の細胞保持板17は、下面17A(底面)は半導体であるシリコン層21で構成されるが、上面17Bである細胞捕捉面は絶縁体である二酸化シリコン層22で形成されている。さらに本実施の形態では、センサチップ16はSOI基板を用いて形成しているため、この二酸化シリコン層22は厚みが2μmと厚く、静電容量は、10pF以下である。したがって、この二酸化シリコン層22を細胞捕捉面(上面17B)とすることによって、図1に示す流路13と貯留槽12間では、センサチップ16を介して流れるリーク電流を低減することができる。
またこのリーク電流は、図2に示すように、細胞保持板17の二酸化シリコン層22の外側面22Aと絶縁体であるチップ保持部15とを接着することによって、センサチップ16側面におけるリーク電流も低減することができ、細胞電気生理センサの測定精度を向上することができる。
また本実施の形態では、チップ保持部15の内壁15aとセンサチップ16の外側面16Aとをガラス溶着により接着しているため、接着剤による接着と比較して密着性が向上し、電気的リークパスをより低減することができる。
なお、図6に示すように、枠体18を細胞保持板17よりも外方に形成してもよい。この場合、細胞保持板17と枠体18との間には段差ができ、この段差部分では、二酸化シリコン層22が形成されない。しかし本実施の形態のように、チップ保持部15の成分を一旦溶融することによって、チップ保持部15の溶融成分がこの段差部分にも回り込み、段差部分が絶縁体で被覆され、図6の構成においてもリーク電流を低減することができる。
また本実施の形態では、図2に示すように、細胞保持板17の下面17A(底面)となるシリコン層21は疎水性であるが、上面17B(細胞捕捉面)となる二酸化シリコン層22は親水性のため、貯留槽12側では導通孔20近傍に気泡が付着しにくくなる。
なお、上記実施の形態では、チップ保持部15はガラスで形成したが、樹脂で形成してもよい。そして上記実施の形態では、チップ保持部15とセンサチップ16とをガラス溶着したが、接着剤で接着してもよく、またチップ保持部15が熱可塑性樹脂の場合は熱溶着や超音波溶着などを行ってもよい。
また本実施の形態のようにセンサチップ16を細胞保持板17(シリコン層21、二酸化シリコン層22)と枠体18(シリコン層23)とで形成すると、細胞保持板17が薄い場合においても、枠体18が存在することによりセンサチップ16の実装等の取り扱いが容易で、さらにチップ保持部15との接合面積を増やすことができ、センサチップ16とチップ保持部15との接合強度を上げることができる。
さらに二酸化シリコン層22の細胞保持面(上面17B)側にシリコン層23からなる枠体18を形成することによって、チップ保持部15のガラス成分が溶融する際、細胞保持面(上面17B)にまで流れ込むのを防ぎ、表面を凹凸にしたり導通孔20を塞いだりするのを抑制することができる。
なお、二酸化シリコン層22は親水性のため、ガラス成分がなじみやすいことから、上記シリコン層23により回り込みを抑制する構成は非常に有効である。
(実施の形態2)
本実施の形態1と実施の形態2との違いは、図7に示すように、センサチップ16およびチップ保持部15を斜めに傾けた点である。
このとき、センサチップ16の細胞保持板17の下面17Aが、流路13内における流体の流れ28に対向する方向にθ度傾ける。
これにより細胞保持板17の下面17Aは流体からの抵抗を受け易く、流路13側において導通孔20近傍に付着した気泡を押し流すことができる。
また流体の流れ28に対向するよう導通孔20を傾けたことにより、導通孔20内に薬液が回り込みやすくなる。
したがって、上述の捕捉した細胞26の細胞膜に穴を開ける工程(ホールセル工程)において、抗生物質等が細胞26に到達しやすくなり、細胞電気生理センサの測定精度を向上させることができる。
さらに本実施の形態では、センサチップ16の枠体18内部における気泡の発生を抑制することができる。
すなわちセンサチップ16は非常に微小な為、貯留槽12側から液体(細胞外液)を充填する際、センサチップ16の枠体18内部の空気が抜けきらず、気泡が発生することがある。そしてこのように枠体18内部に気泡が残存すると、その後にセンサチップ16に細胞26を捕捉する事が出来ず、測定が出来なくなる。
これに対し本実施の形態では、枠体18が傾いているため、貯留槽12側から注入する液体(細胞外液など)は、枠体18の全体ではなく、まずは、枠体18の、より上方に位置する部分に接触する。そして液体は、表面張力によって枠体18内壁を濡らしながら徐々に枠体18内部に充填され、枠体18内部の空気を追い出し、最終的に枠体18内部全体に充填される。
したがって本実施の形態では、センサチップ16の枠体18内部における気泡の発生を抑制することができ、結果として細胞電気生理センサの測定精度を向上させることが出来る。
なお、本実施の形態では、チップ保持部15ごとセンサチップ16を傾けたが、図8に示すように、センサチップ16のみを傾けてもよい。この場合、チップ保持部15は垂直方向に実装されているため、チップ保持部15に分注器等を注入しやすく、例えば細胞26や細胞26に付与する薬剤等の注入が容易となる。
なお、本実施の形態のようにチップ保持部15を熱溶融させれば、傾いたセンサチップ16の側面に合わせてチップ保持部15の内壁15aが変形し、センサチップ16の側面を保持することが出来る。
その他実施の形態1と同様の構成および効果については説明を省略する。
本発明の細胞電気生理センサ用デバイスは、細胞電気生理測定を高精度に行うことにおいて有用である。
本発明の実施の形態1における細胞電気生理センサの断面図 図1の要部拡大断面図 本発明の実施の形態1における別の例の細胞電気生理センサの断面図 本発明の実施の形態1における細胞電気生理センサの断面図 (a)〜(d)本発明の実施の形態1におけるセンサチップの製造工程を示す図 本発明の実施の形態1における別の例の細胞電気生理センサの断面図 本発明の実施の形態2における細胞電気生理センサの断面図 本発明の実施の形態2における別の例の細胞電気生理センサの断面図 従来の細胞電気生理センサの断面図
符号の説明
11 保持プレート
11A 下面
12 貯留槽
13 流路
14 貫通孔
15 チップ保持部
15a 内壁
15A 外側面
16 センサチップ
16A 外側面
17 細胞保持板
17A 下面
17B 上面
18 枠体
19 凹部
20 導通孔
21 シリコン層
22 二酸化シリコン層
22A 外側面
23 シリコン層
24 電極
25 電極
26 細胞
27 マスク
28 流れ

Claims (8)

  1. 保持プレートと、この保持プレートの上方に設けられた貯留槽と、前記保持プレートの下方に設けられた流路と、前記保持プレートの貫通孔に挿入された筒状のチップ保持部と、このチップ保持部の下端に挿入されたセンサチップとを備え、
    このセンサチップは、導通孔が形成された細胞保持板を有し、
    この細胞保持板の下面は、前記保持プレートの下面より下方に位置する細胞電気生理センサ用デバイス。
  2. 前記チップ保持部は、その下端部分における外側面が湾曲し、丸みを帯びている請求項1に記載の細胞電気生理センサ用デバイス。
  3. 前記チップ保持部は絶縁体からなる請求項1または2に記載の細胞電気生理センサ用デバイス。
  4. 前記細胞保持板は、
    シリコン層と、
    このシリコン層上において、細胞捕捉面となる二酸化シリコン層とからなる請求項1から3のいずれか一つに記載の細胞電気生理センサ用デバイス。
  5. 前記細胞保持板は、シリコン層と、このシリコン層上において、細胞捕捉面となる二酸化シリコン層とからなり、
    この二酸化シリコン層の外側面と、
    前記チップ保持部内壁とは接着されている請求項1から3のいずれか一つに記載の細胞電気生理センサ用デバイス。
  6. 前記細胞保持板は、シリコン層と、このシリコン層上において、細胞捕捉面となる二酸化シリコン層とからなり、
    この二酸化シリコン層の静電容量は、10pF以下である請求項1から3のいずれか一つに記載の細胞電気生理センサ用デバイス。
  7. 前記センサチップは斜めに傾き、
    このセンサチップの前記細胞保持板の下面は、前記流路に注入される電解液の流れと対向する請求項1から6のいずれか一つに記載の細胞電気生理センサ用デバイス。
  8. 請求項1から7のいずれか一つに記載の細胞電気生理センサ用デバイスと、
    前記貯留槽および流路に注入される電解液とそれぞれ電気的に接続される電極とを備えた細胞電気生理センサ。
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