JP2009287998A - 細胞電気生理センサとその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】測定精度の高い細胞電気生理センサの製造方法を提供する。
【解決手段】センサチップ14をガラス管13の端部に配置する工程と、このガラス管13を加熱しながら、その外方に配置された金型28で押圧成形し、このガラス管13を内側に曲げて前記センサチップ14とガラス溶着させる工程とを有するものとした。これにより、センサチップ14の外周を親水性の高いガラス管13で囲むことができ、結果として測定精度の高い細胞電気生理センサを製造することができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、細胞の薬理反応分析等に利用できる細胞電気生理センサとその製造方法に関するものである。
電気生理学におけるパッチクランプ法は、細胞膜に存在するイオンチャンネルを測定する方法として知られており、このパッチクランプ法によってイオンチャンネルの様々な機能が解明されてきた。そして、イオンチャンネルの働きは細胞学において重要な関心ごとであり、これは薬剤の開発にも応用されている。
しかし、一方でパッチクランプ法は測定技術に微細なマイクロピペットを1個の細胞に高い精度で挿入するという極めて高い能力を必要としているため、熟練作業者が必要であり、高いスループットで測定を必要とする場合には適切な方法でない。
このため、個々の細胞についてマイクロピペットの挿入を必要とせず、減圧を行うだけで自動的に細胞を固定・測定を行うことができる自動化システムの開発が進んでいる。
図12に示す従来の細胞電気生理センサは、樹脂からなる実装基板1と、この実装基板1の貫通孔2に挿入されたシリコンからなるセンサチップ3と、実装基板1の上方および下方にそれぞれ配置された電極4、5とを備えている。またセンサチップ3は、導通孔6を備えている。そして実装基板1の貫通孔2内および実装基板1上に配置された電解槽7と、下側に配置された電解槽8とは、共に電解液で満たされ、これらの電解槽7、8は実装基板1とセンサチップ3とで仕切られている。
そしてこの細胞電気生理センサは、電解槽7に細胞9を注入し、導通孔6の上方から加圧、あるいは下方から減圧することで細胞9を導通孔6の開口部に吸引し捕捉することができる。そして例えばこの細胞9の上から薬剤を投与し、電解槽7、8間の電位差を電極4、5で測定すれば、細胞9の薬理反応を判断することができる。
なお、上記従来例に類似する例は下記の特許文献1に記載されている。
特表2002−518678号公報
従来のセンサチップ3は、細胞電気生理センサの測定精度が低いという課題があった。
その理由は、センサチップ3の導通孔6近傍に気泡10が付着しやすいからである。
すなわち従来はセンサチップ3の外周が実装基板1の貫通孔2内壁で囲まれている。そしてこの実装基板1は疎水性のため、貫通孔2内は気泡が発生しやすく、この気泡がセンサチップ3の導通孔6近傍に付着すると、細胞9と導通孔6開口部との密着性が弱まり、あるいは細胞9の吸引が妨げられ、結果として細胞電気生理センサの測定精度が低下するのである。
そこで本発明は、測定精度の高い細胞電気生理センサを製造することを目的とする。
この目的を達成するため本発明は、細胞電気生理センサの製造方法が、センサチップをガラス管の端部に配置する工程と、このガラス管を加熱しながら、その外方に配置された金型で押圧成形し、このガラス管を内側に曲げて前記センサチップとガラス溶着させる工程とを有するものである。
これにより本発明は、測定精度の高い細胞電気生理センサを製造することができる。
すなわち本発明によれば、センサチップの外周を親水性の高いガラス管で囲むことができる。したがって、センサチップの周辺において、気泡が発生しにくい細胞電気生理センサを製造することができる。
そしてその結果、導通孔近傍に気泡が付着しにくく、測定精度の高い細胞電気生理センサを製造することができる。
(実施の形態1)
図1に示すように、本実施の形態における細胞電気生理センサは、実装基板11と、この実装基板11の貫通孔12内に挿入されたガラス管13と、このガラス管13の下端部に挿入されたセンサチップ14とを備えている。
そしてガラス管13内部および実装基板11の貫通孔12内は、電解液を導入する電解槽15として用いられる。また実装基板11の下方には流路基板16が当接され、この流路基板16と実装基板11との間の空間も、電解液が導入される電解槽17として用いられる。
またこれらの電解槽15、17内には、各電解槽15、17に注入される電解液と電気的に接続される電極18、19がそれぞれ配置されている。
さらにセンサチップ14は、細胞を捕捉するためのものであり、図2に示すように、円板状の薄板20と、この薄板20上に配置された円筒状の枠体21とからなる。
本実施の形態では、このセンサチップ14は二酸化シリコン層の両面をシリコン層で挟んだいわゆるSOI基板をドライエッチングすることにより形成される。
そして薄板20は前述のシリコン層と二酸化シリコン層との積層体であり、枠体21がシリコン層からなる。すなわち本実施の形態では、薄板20の細胞捕捉面22が二酸化シリコン層で構成されている。また薄板20にはドライエッチングにより導通孔23が形成され、この導通孔23により図1の電解槽15、17間が連通できる。
そして本実施の形態では、薄板20は厚み10μm〜100μm、導通孔23は開口径1μm〜3μmφとした。なお、この導通孔23の開口径は5μm以下が細胞を保持するために適した範囲である。
またガラス管13は、水との接触角が0度以上10度以下の親水性の高いガラスで形成されていることがのぞましい。この水との接触角とは、固体表面の上に純水などの液滴を乗せ、平衡になった状態で、液滴表面と固体表面のなす角度をいう。そして、その測定方法は一般的にθ/2法を用いることができる。その方法は液滴の左右端点と頂点を結ぶ直線の、固体表面に対する角度から接触角を求めることができる。または分度器などを用いて測ることも可能である。
またガラス管13としては、後述の押圧成形工程における生産性の観点から、軟化点は650度未満のガラスが好ましい。
したがって、例えばPbO−SiO2−B23、Bi23−SiO2−B23系ガラスなどの低融点ガラスなどが挙げられる。
さらに図2に示すように、本実施の形態で用いたガラス管13は、内径は、センサチップ14の外径よりも大きく、1400μmとした。またガラス管13の外径は、2000μmとした。またガラス管13の高さはセンサチップ14の高さよりも大きく、2000μmとした。そしてセンサチップ14は、薄板20の直径が1000μm、枠体21の高さが450μm、センサチップ14外側面とガラス管13の内壁との距離が200μmとした。ここで、ガラス管13の内壁とセンサチップ14外側面との距離は、5μmから400μm程度とすることが好ましい。このようにガラス管13とセンサチップ14との間に隙間を設けることにより、ガラス管13をセンサチップ14外周に配置する工程で、ガラス管13はセンサチップ14よりも径が大きいため、センサチップ14が損傷するのを抑制することができる。そしてこの隙間を400μm以内とすることによって、ガラス管に過剰な負荷をかけることなく、ガラス管13を湾曲させることができる。
また図1に示す実装基板11および流路基板16は、樹脂で構成しておくと成形しやすく、また組み立ても容易である。材料としてより好ましくは熱可塑性樹脂である。これにより、これらの材料は射出成型などの手段を用いることによって生産性良く、高均質な成形体を得ることができる。さらに好ましくは、これらの熱可塑性樹脂はポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE)、オレフィンポリマー、ポリメタクリル酸メチルアセテート(PMMA)のいずれか、またはこれらの組み合わせである。これらの材料からなる実装基板11は、紫外線硬化型の接着剤24を用いることによって、容易に親水性に優れたガラス管13と接合することができる。さらに好ましくは、これらの熱可塑性樹脂として、環状オレフィンポリマー、線状オレフィンポリマー、またはこれらが重合した環状オレフィンコポリマー、またはポリエチレン(PE)とすることが作業性、製造コストおよび材料の入手性の観点から好ましい。
特に、環状オレフィンコポリマーは透明性、アルカリ・酸などの無機系薬剤に対する耐性が強く、本発明の製造方法もしくは使用環境に適している。またこれらの材料は紫外線を透過させることができることから、紫外線硬化型の接着剤24を用いる時に効果を発揮する。
なお、本実施の形態のように、センサチップ14を実装基板11に実装する方法は、実装基板11全体をシリコン基板で形成し、実装基板11に導通孔(図2の23)を直接形成した場合と比較してコストも下がり、歩留まりも向上するとともに、一部に不良の導通孔23が存在した場合においてリペア性を有する。
次に本実施の形態における細胞電気生理センサの動作について説明する。
まず図1に示す実装基板11の貫通孔12内(ガラス管13内部を含む)の電解槽15に細胞外液を貯留し、細胞内液を下側の電解槽17内に充填する。ここで、細胞外液とは例えば哺乳類筋細胞の場合、代表的にはK+イオンが4mM程度、Na+イオンが145mM程度、Cl-イオンが123mM程度添加された電解液であって、細胞内液とは、K+イオンが155mM、Na+イオンが12mM程度、Cl-イオンが4.2mM程度添加された電解液である。
この状態で、細胞外液と電気的に接続された電極18と、細胞内液と電気的に接続された電極19との間で、100kΩ〜10MΩ程度の導通抵抗値を観測することができる。これは導通孔(図2の23)を介して細胞内液あるいは細胞外液が浸透し、二つの電極18、19間で電気回路が形成されるからである。
次に、上側の電解槽15へ細胞を投入する。
そしてその後、下側の電解槽17を減圧すると、細胞は導通孔(図2の23)開口部に引き付けられ、導通孔23開口部を塞ぐことによって、細胞外液と細胞内液との間の電気抵抗が1GΩ以上の十分に高い状態となる(ギガシールと呼ぶ)。このギガシール状態では、細胞の電気生理活動によって細胞内外の電位が変化すれば、わずかな電位差あるいは電流であっても高精度に測定できる。
次に本実施の形態における細胞電気生理センサの製造方法を説明する。
はじめに、図3のセンサチップ14を吸引し、ガラス管13の下端部に挿入し、センサチップ14とガラス管13の中心位置を合わせるよう、センタリングを行う。
次にこのガラス管13の上方の空間に、スペーサ25となる金型を挿入する。
本実施の形態では、スペーサ25の挿入部分は円柱形状となっている。このスペーサ25によって、ガラス管13を加熱しても、ガラス管13の内形を一定形状に維持することができる。特にガラス管13を側面から押圧する際は、このスペーサ25で形状を維持するのに有効である。なお、スペーサ25とガラス管13内壁との間には僅かに隙間26を空けておくことが好ましい。密着させていると、軟化したガラス管13がスペーサ25に溶着してしまうことがあるからである。またセンサチップ14とスペーサ25との間にも隙間27を空けておく方がよい。これによりセンサチップ14に付着したガラスがスペーサ25に付着しにくくなる。
また本実施の形態では、このスペーサ25は、ガラス管13の上端部、すなわちセンサチップ14が挿入されている端部と反対側の端部を押さえる平行板部分25Aを有している。この平行板部分25Aで、ガラス管13の上端の位置決めを行う。
その後チャンバー内において、このガラス管13を加熱しながら、その側面外方に配置された金型28をプレスシリンダー29でガラス管13に水平に押し当て、押圧成形する。
ここでこの金型28は、センサチップ14を外方から除々に押圧できるように、図4(a)(b)の上面図に示すように、分割されているものを用いる。分割数は、図4(a)の二分割、図4(b)の四分割以外でもよい。
そしてこの金型28は、本実施の形態では、その上方から下方に向けて、内径がd1からd2へと段階的に狭くなるように外方へ湾曲する湾曲面28Aが形成されているものを用いる。
なお、本実施の形態では、図3に示すように、この金型28の湾曲面28Aは、金型28内壁の全域にわたり形成するのではなく、金型28の下方の内壁、すなわちガラス管13をセンサチップ14へ押し当てる領域の内壁に、局所的に設けた。これにより、ガラス管13のセンサチップ14が挿入される側は先端が丸みを帯びる一方で、図2の外側面13Aに示すように、他方の端部は直線状となる。このようにガラス管13に直線状の部分を残すと、図1に示すように、実装基板11の貫通孔12が実装基板11に対して垂直に形成されている場合は、ガラス管13を貫通孔12に挿入しやすくなり、ガラス管13と貫通孔12内壁との密着性も高まる。
また図3に示す金型28の表面には、酸化防止膜(図示せず)を形成しておくことが好ましい。そしてこの酸化防止膜は、その耐熱温度がガラス管13のガラス軟化点よりも高いものを用いることが重要である。耐熱温度が低いと、加熱工程において酸化防止膜が剥離し、センサチップ14に付着して、細胞電気生理センサの測定誤差の要因となりうるからである。したがって、例えば、ガラス管13は軟化点が650度未満のものを用い、酸化防止膜は耐熱温度が700度程度のものを用いることが好ましい。
そしてこのガラス管13を押圧成形する工程では、金型28の酸化を防止するため、チャンバー内に約0.15〜0.2MPaの窒素ガスを導入し、正圧の窒素雰囲気下で行う。
また加熱温度は、ガラス管13とセンサチップ14とをイオン結合、あるいは共有結合によって強固にガラス溶着させる場合は、このガラス管のガラス軟化点以上とする必要があるが、高温になると金型28の酸化防止膜が剥離する場合がある。したがって、例えば酸化防止膜の耐熱温度が700度程度の場合は、加熱温度はその耐熱温度未満が好ましく、本実施の形態では、ガラス溶着工程における加熱温度を650度未満とした。
なお金型成形によってガラス管13とセンサチップ14とを完全に溶着させてもよいが、ガラス管13とセンサチップ14とを接合させ、仮止めした状態で金型28から外し、さらにこのガラス管13とセンサチップ14との一体物を真空炉などに入れ、ガラス管13とセンサチップ14とを加熱し、イオン結合、あるいは共有結合によってガラス溶着させることもできる。この場合、金型28を用いた押圧成形時の加熱温度は、ガラス管13のガラス転移点以上軟化点以下とし、真空炉ではガラス管13の軟化点以上で加工を行う。したがって、溶けたガラス成分が金型28に付着するのを抑制することができる。
ここで本実施の形態では、図3に示すように、ヒータ30を内蔵したプレスシリンダー29を例に挙げているが、図5に示すように、別途ヒータ30を用いても良い。なお、ヒータ30としては、ハロゲンヒータや高周波加熱ヒータ、セラミックシーズヒータなどが挙げられる。
また押圧する工程ではプレスシリンダー29を用いる。プレス条件は、例えば、プレス荷重が予圧時30〜50kgf、本圧時60〜100kgfで、予熱時間が30〜90秒、成形開始から成形終了までの時間は60〜90秒程度である。
上記のように押圧することによって、このガラス管13の下方が内側(センサチップ14側)に曲がり、センサチップ14と接合させることができる。
なお、このセンサチップ14とガラス管13との一体物に直接電極を形成して細胞電気生理センサを構成してもよいが、本実施の形態では、図1に示すように、このガラス管13を実装基板11の貫通孔12に挿入し、接着剤24等で接合して図1のような細胞電気生理センサとした。なお、本実施の形態では、貫通孔12内壁に突起31を設けているため、ガラス管13の位置決めが容易となる。また液漏れも抑制できる。
また上記のようにセンサチップ14をアレイ上に配置することにより、複数のサンプルを一度に測定することができ、測定が高速化できる。
なお、前述の、ガラス管13にスペーサ(図3の25)を挿入する工程では、別途装置を用いてセンサチップ14を吸引し、ガラス管13に挿入して、このガラス管13の中心と位置合わせ(センタリング)をした後、ガラス管13内にスペーサ25を挿入してもよいが、図6に示すように、スペーサ25に吸引口32を設け、この吸引口32でセンサチップ14を吸引し、センタリングを行った後、そのままこのスペーサ25をガラス管13内に挿入しても良い。この場合は、このスペーサ25の吸引機能を用いて押圧成形工程でも吸引を行うことができ、これによりセンサチップ14のガラス管13内における位置決めを高精度に行うことができる。またこのようにセンサチップ14をスペーサ25に吸引する場合は、スペーサ25のセンサチップ14に当接する面33の直径は、センサチップ14の外径よりも小さい方がより好ましい。これにより溶融したガラスがスペーサ25に付着するのを抑制することができる。
また本実施の形態では、図3に示すように、押圧成形時のガラス管13への応力付加をより均等に分散するため、内壁に湾曲面28Aが形成された金型28を用いた例を挙げたが、図7に示すように内壁に斜面28Bが形成された金型28を用いても良いものとする。斜面28Bを設けた場合も、センサチップ14より内径の大きいガラス管13を湾曲させながらセンサチップ14と接合させることができる。
以下本実施の形態における効果を説明する。
本実施の形態では測定精度の高い細胞電気生理センサを製造することができる。
すなわち図12に示すように、従来の細胞電気生理センサは、センサチップ3を実装基板1に直接挿入し、接着剤等で固定することにより製造されていた。ここで実装基板1は疎水性のため、実装基板1の貫通孔2内は気泡が発生しやすい。そして図12に示すように気泡10がセンサチップ3の導通孔6近傍に付着すると、細胞9と導通孔6開口部との密着性が弱まり、あるいは導通孔6の上下間で導通が阻害され、細胞電気生理センサの測定精度が低下するのであった。
これに対し本実施の形態における製造方法および製造装置を用いれば、測定度の高い細胞電気生理センサを製造することができる。
その理由は、本実施の形態ではセンサチップ14の導通孔23近傍に気泡の付着しにくいセンサチップ14を形成することができるからである。
すなわち、本実施の形態の製造方法および製造装置を用いれば、図1に示すように、センサチップ14の外周、すなわち本実施の形態においては実装基板11の貫通孔12とセンサチップ14との間に、親水性の高いガラス管13を介在させることができる。したがって、センサチップ14の周辺、すなわち貫通孔12内に発生する気泡を低減できる。よって、導通孔23開口部近傍に付着する気泡を低減することができ、結果として測定精度の高い細胞電気生理センサが製造できる。
また本実施の形態では、センサチップ14の上方の周りをガラス管13が囲っている。これによりセンサチップ14の上方を気泡が覆ってしまうのを抑制することができる。
すなわち図12のような従来の構成では、センサチップ3の周りを貫通孔2内壁が囲っている。そして従来は、センサチップ3も貫通孔2の内壁も疎水性の材料で構成されているため、電解液を充填する際、センサチップ3の上方から枠体内部全体を気泡が覆ってしまい、測定ができなくなることがあった。
これに対し本実施の形態で製造したセンサチップ14は、その上方の周りを親水性のガラス管13が囲っている為、気泡がセンサチップ14上方を覆うのを抑制することができる。
また本実施の形態では、微細なセンサチップ14の外周を、より外径の大きいガラス管13で密着固定することができ、このガラス管13ごと実装基板11に実装すればよいため、実装が容易となる。またシリコンからなるセンサチップ14の外径を大きくするよりも、安価なガラス管13を用いることで材料コストを低減できる。また外径の大きいガラス管13を用いることで、貫通孔(図1の12)の内径も大きくすることができ、気泡が発生しにくくなり、電解槽としての容量も大きくなる。
またガラス管13とセンサチップ14とはガラス溶着により接合されているため、接合強度が高く、気密性に優れている。したがって、ガラス管13とセンサチップ14との隙間に電解液が流れ込むのを抑制することができ、リーク電流の低減に寄与する。すなわち本実施の形態の製造方法および製造装置を用いれば、測定精度の高い細胞電気生理センサを製造することができる。
なお、センサチップ14やガラス管13は角柱形でもよいが、本実施の形態では、センサチップ14の枠体(図2の21)およびガラス管13は共に円筒型のため、加熱時の均熱性が高く、均一な溶着が可能である。また角部がないため、金型28からの応力が均一に分散し、ガラス管13およびセンサチップ14の破損を抑制することができる。
また本実施の形態によれば、金型を用いることによって、内径の大きいガラス管13を局所的に所定形状に湾曲させることができ、内側のセンサチップ14と強固に密着させることが出来る。
また金型成形では、燃焼炎を用いないため、窒素雰囲気下で加工することができ、金型の酸化を抑制できる。ここで装置内に酸化物が発生し、センサチップ14に付着すると、ダストとして細胞電気生理センサの測定誤差の要因となるが、本実施の形態では、このダストを低減することができ、結果として細胞電気生理センサの測定精度を向上させることができる。
また本実施の形態によれば、図2に示すように、ガラス管13下端部における内壁13Bも内側へ湾曲する。このように湾曲していれば、角部が形成される場合と比較して気泡が発生しにくくなる。
またガラス管13の下端部における外側面13Cも湾曲しており、下方から上方に向けて外方へ広がるように湾曲している。このようにガラス管13の先端が丸みを帯びると、このガラス管13を図1に示す実装基板11の貫通孔12に挿入しやすくなる。
なお本実施の形態では、センサチップ14はガラス管13の下端部に挿入したが、上端部に挿入してもよい。この場合は、センサチップ14の下方にガラス管13が存在することになり、ガラス管13内部を下側の電解槽として用いることができる。したがって導通孔23の出口近傍に気泡が付着するのを抑制することができる。よってたとえば下方の電解槽を減圧して細胞を吸引する際、気泡によって圧力が上側の電解槽に伝達されなくなるのを防ぐことができる。また導通孔23上下間において電気的導通が阻害されるのを抑制することができる。そしてその結果、細胞電気生理センサの測定精度が向上する。
なお、センサチップ14の向きは上下逆でもよいが、本実施の形態ではSOI基板を用いているため、二酸化シリコン層が細胞捕捉面(図2の22)となる向きに配置することがより好ましい。すなわち二酸化シリコン層はシリコン層と比較して高い絶縁性を有する為、センサチップ14を介するリーク電流を低減することができるからである。
(実施の形態2)
本実施の形態と実施の形態1との主な違いは、図8に示すように、ガラス管13の下方に配置された金型34でガラス管13を押圧成形している点である。
この金型34は、開口部に向けて内径が段階的に大きくなるように、上面に外方へ湾曲する湾曲面34Aで形成された凹部35が設けられている。この凹部35の底面は、水平な平面とすれば、センサチップ14を載置できる。
そして本実施の形態では、この凹部35に吸引口36が形成されており、この吸引口36でセンサチップ14を吸引し、位置決めすることができる。
また本実施の形態では、金型34の下方にヒータ30を配置し、このヒータ30で金型34を加熱している。
そして本実施の形態では、ガラス管13の上方にプレスシリンダー29を配置し、このプレスシリンダー29でガラス管13を金型34に対して垂直に押圧する。
また本実施の形態では、実施の形態1と同様に、ガラス管13内にはスペーサ25を配置し、ガラス管13の上方の開口部にはこのスペーサ25の平行板部分25Aを当接させている。そしてこの平行板部分25Aをプレスシリンダー29で押すものである。
これにより本実施の形態においても、ガラス管13の下端を内側へ湾曲するように変形させ、センサチップ14とガラス溶着させることが出来る。
なお、本実施の形態では、スペーサ25がセンサチップ14に接触しないように、スペーサ25のセンサチップ14との対向面には、溝37を設けている。これによりセンサチップ14の損傷を抑制することができる。
また本実施の形態では、ガラス管13内にスペーサ25を挿入したが、内部には挿入せず、平行板部分25Aのみでもよい。
以上のように本実施の形態では、金型34を用いてセンサチップ14を吸引しながら押圧成形を行ったが、図9に示すように、スペーサ25に吸引口32を設け、この吸引口32でセンサチップ14を吸引しながら押圧成形してもよい。
いずれの場合もセンサチップ14の位置決めを高精度に行うことができる。また図9に示すように、プレスシリンダー29は金型34の下方から押し当てても良く、プレスシリンダー29にヒータ30を内蔵してもよい。
(実施の形態3)
本実施の形態と実施の形態1との違いは、図10に示すように、ガラス管13の下方に配置された金型34でガラス管13を押圧成形している点と、スペーサ25の挿入部分が円錐台形である点である。
本実施の形態では、まずヒータ30でガラス管13全体を加熱しながら、スペーサ25をその先端側からガラス管13内に挿入し、ガラス管13の内径を一方の端部から他方の端部に向けて徐々に広がるように成形する。この時の加熱温度は、ガラス管13のガラス転移点以上とする。
そしてその後、ガラス管13の下方から金型34を押圧成形し、ガラス管13とセンサチップ14とを接合させ、ヒータ30でガラス管13の軟化点以上に加熱し、これらをガラス溶着させる。
本実施の形態における金型34には、開口部に向けて内径が段階的に大きくなるように、上面に凹部35が形成されている。この凹部35は、底面を水平な面とすれば、センサチップ14を安定して載置することができ、また金型34に吸引口36を設ければ、センサチップ14を定位置に保持しやすい。
そして本実施の形態では、スペーサ25を用いて、ガラス管13を、一方の端部から他方の端部に向けて内径が広がるように形成した後、先端を金型34で押圧成形するため、センサチップ14が溶着するガラス管13の先端の曲率を小さくすることができる。したがって、押圧成形時にガラス管13の先端に集中する応力を小さくすることができ、ガラス管13の損傷を抑制することができる。
また本実施の形態により製造された細胞電気生理センサは、図11に示すように、ガラス管の一方の端部は、先端の外側面13Cが丸みを帯びるように湾曲し、この端部から他方の端部(ガラス管13の開口部)に向けて内径が広がる構造となる。したがって本実施の形態では、ガラス管13開口部の内径が大きくなり、ガラス管13内に発生する気泡をより低減することができる。
なお、本実施の形態では、スペーサ25の挿入部分は円錐台形としたが、円錐形でもよく、ガラス管13の側面の角度によって適宜選択可能である。
その他実施の形態1、2と同様の構成および効果は説明を省略する。
以上のように、本発明にかかる細胞電気生理センサは、複数の細胞を一括して効率よく高精度に測定できるため、細胞の電気生理現象の測定に有用である。
本発明の実施の形態1における細胞電気生理センサの断面図 同細胞電気生理センサの要部拡大断面図 同細胞電気生理センサの製造方法を説明する断面図 (a)本発明の実施の形態1における金型の上面図、(b)本発明の実施の形態1における金型の上面図 本発明の実施の形態1における別の例の細胞電気生理センサの製造方法を説明する断面図 本発明の実施の形態1における別の例の細胞電気生理センサの製造方法を説明する断面図 本発明の実施の形態1における別の例の細胞電気生理センサの製造方法を説明する断面図 本発明の実施の形態2における細胞電気生理センサの製造方法を説明する断面図 本発明の実施の形態2における別の例の細胞電気生理センサの製造方法を説明する断面図 本発明の実施の形態3における細胞電気生理センサの製造方法を説明する断面図 本発明の実施の形態3における細胞電気生理センサの要部拡大断面図 従来の細胞電気生理センサの断面図
符号の説明
11 実装基板
12 貫通孔
13 ガラス管
13A 外側面
13B 内壁
13C 外側面
14 センサチップ
15 電解槽
16 流路基板
17 電解槽
18 電極
19 電極
20 薄板
21 枠体
22 細胞捕捉面
23 導通孔
24 接着剤
25 スペーサ
25A 平行板部分
26 隙間
27 隙間
28 金型
28A 湾曲面
28B 斜面
29 プレスシリンダー
30 ヒータ
31 突起
32 吸引口
33 面
34 金型
35 凹部
36 吸引口
37 溝

Claims (12)

  1. 導通孔を有する薄板と、この薄板上に配置された枠体とを有するセンサチップと、
    このセンサチップの外周に配置されたガラス管とを備えた細胞電気生理センサの製造方法であって、
    前記センサチップを前記ガラス管の端部に配置する工程と、
    このガラス管を加熱しながら、その外方に配置された金型で押圧成形し、このガラス管を内側に曲げて前記センサチップとガラス溶着する工程とを有する細胞電気生理センサの製造方法。
  2. 前記ガラス管を押圧成形する工程では、
    このガラス管の一方の端部にはセンサチップが挿入され、
    他方の端部は平行板で押さえられている請求項1に記載の細胞電気生理センサの製造方法。
  3. 前記ガラス管を押圧成形する工程では、
    前記ガラス管内の空間にスペーサが挿入されている請求項1に記載の細胞電気生理センサの製造方法。
  4. 前記スペーサは、円錐形あるいは円錐台形であり、
    その先端側から前記ガラス管内に挿入される請求項3に記載の細胞電気生理センサの製造方法。
  5. 吸引口を有する前記スペーサに前記センサチップを吸引し、またこのセンサチップおよび前記スペーサを前記ガラス管内に挿入し、
    その後このセンサチップとガラス管とをガラス溶着する請求項3に記載の細胞電気生理センサの製造方法。
  6. 前記ガラス管を押圧成形する工程では、
    内径が段階的に小さくなるようにその内壁に斜面または外方へ湾曲する湾曲面が形成された前記金型を、前記ガラス管の側面に押圧する請求項1から5のいずれか一つに記載の細胞電気生理センサの製造方法。
  7. 前記ガラス管を押圧成形する工程では、
    開口部に向けて内径が段階的に大きくなるように、上面に斜面または外方へ湾曲する湾曲面が形成された前記金型を、前記ガラス管の下面に押圧する請求項1から4のいずれか一つに記載の細胞電気生理センサの製造方法。
  8. 吸引口を有する前記金型にセンサチップを吸引し、
    その後このセンサチップがガラス管内に挿入されるように、このガラス管を上方から前記金型に押圧する請求項7に記載の細胞電気生理センサの製造方法。
  9. 前記ガラス管と前記センサチップと接合して金型を外し、
    その後さらに加熱して前記ガラス管とセンサチップとをガラス溶着させた請求項1から8のいずれか一つに記載の細胞電気生理センサの製造方法。
  10. 導通孔を有する薄板と、この薄板上に配置された枠体とを有するセンサチップと、
    このセンサチップが端部に挿入され、このセンサチップとガラス溶着されたガラス管とを備え、
    このガラス管の、前記センサチップが挿入された端部の側面は、内側に湾曲しているとともに、
    このガラスは、軟化点が650℃以下のガラスからなる細胞電気生理センサ。
  11. 前記ガラス管の一方の端部は、先端が丸みを帯びるように湾曲し、
    他方の端部は直線状である請求項10に記載の細胞電気生理センサ。
  12. 前記ガラス管の一方の端部は、先端が丸みを帯びるように湾曲し、
    この端部から他方の端部に向けて内径が広がる構造である請求項10に記載の細胞電気生理センサ。
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