JP2009018292A - 水素貯蔵材料及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】水素の吸蔵・放出速度が高く、サイクル繰り返しに伴う速度低下が小さく、しかも材料全体の水素の吸蔵・放出量が多い水素貯蔵材料及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】金属アミドA(NH2)nと金属水素化物BHmとの混合体と、水素吸蔵合金とを含み、前記水素吸蔵合金は、前記混合体の水素吸蔵温度におけるプラトー圧力(P1A)に対する前記水素吸蔵温度と同一温度における前記水素吸蔵合金のプラトー圧力(P2A)の比(P2A/P1A)が0.01以上100以下であり、かつ、前記混合体の水素放出温度におけるプラトー圧力(P1D)に対する前記水素放出温度と同一温度における前記水素吸蔵合金のプラトー圧力(P2D)の比(P2D/P1D)が0.01以上100以下である水素貯蔵材料、及びその製造方法。但し、n、mは、それぞれ、金属A、Bの価数。
【選択図】図1

Description

本発明は、水素貯蔵材料及びその製造方法に関する。
近年、二酸化炭素の排出による地球の温暖化等の環境問題や、石油資源の枯渇等のエネルギー問題から、クリーンな代替エネルギーとして水素エネルギーが注目されている。水素エネルギーの実用化に向けて、水素を安全、かつ、効率的に貯蔵、輸送する技術の開発が重要となる。水素の貯蔵方法にはいくつかの候補があるが、中でも可逆的に水素を貯蔵・放出することのできる水素貯蔵材料を用いる方法は、最も安全に水素を貯蔵・輸送する手段と考えられており、燃料電池車に搭載する水素貯蔵媒体として期待されている。
水素貯蔵材料としては、活性炭、フラーレン、ナノチューブ等の炭素材料や、LaNi、TiFe等の水素吸蔵合金が知られている。これらの内、水素吸蔵合金は、炭素材料に比べて単位体積当たりの水素密度が高いので、水素を貯蔵・輸送するための水素貯蔵材料として有望視されている。
しかしながら、LaNi5、TiFe等の水素吸蔵合金は、La、Ni、Ti等の希少金属を含んでいるため、その資源確保が困難であり、コストも高いという問題がある。また、従来の水素吸蔵合金は、合金自体の重量が大きいために、単位重量当たりの水素密度が小さい、すなわち、大量の水素を貯蔵するためには極めて重い合金を必要とするという問題がある。
一方、水素貯蔵材料を軽量化するために、軽元素を含む水素貯蔵材料の開発も試みられている。これまでに開発されている軽元素を含む水素貯蔵材料としては、
(1) LiNH2、LiBH4等のリチウム(Li)を含む錯体水素化物(例えば、特許文献1、非特許文献1等参照)、
(2) NaAlH4等のナトリウム(Na)を含む錯体水素化物、
(3) Mg(NH2)2等のマグネシウム(Mg)を含む錯体水素化物、
などが知られている。
しかしながら、軽元素を用いた水素貯蔵材料は、一般に、水素放出ピーク温度が高いという問題がある。
そこでこの問題を解決するために、従来から種々の提案がなされている。
例えば、特許文献2には、金属水素化物と金属アミドの混合物に、B、C、Mn、Fe、Co、Ni、Pt、Pd、Rh、Na、Mg、K、Ir、Nb、Nd、La、Ca、V、Ti、Cr、Cu、Zn、Al、Si、Ru、Mo、Ta、Zr、Hf、及びAgから選ばれる1種以上の元素を含む化合物又は水素吸蔵合金を触媒として添加した水素貯蔵材料が開示されている。
同文献には、金属水素化物と金属アミドの混合物に触媒を添加することによって、水素吸蔵放出能が高くなる点が開示されている。
特表2002−526658号公報 P.Chen、他4名、"Interaction of hydrogen with metal nitrides and imides"、「Nature」、2002年、vol.420/21、p.302-304 特開2006−224021号公報
軽元素を含む錯体水素化物は、相対的に重量が軽く、資源確保も比較的容易であり、相対的に低コストである。しかしながら、従来知られている錯体水素化物は、熱的に過度に安定であり、水素を取り出しにくいという欠点をもつ。
一方、特許文献2には、水素吸蔵放出能を高める触媒として水素吸蔵合金が例示されている。しかしながら、同文献には具体的な実施例は記載されておらず、いかなる組成の水素吸蔵合金が触媒として機能するか否かは明らかではない。
また、水素吸蔵合金を添加したとしても、金属アミド−金属水素化物混合体と作動条件が異なると、混合体が水素の吸蔵放出を行う条件下において、水素吸蔵合金は水素を吸蔵せず、あるいは、水素を吸蔵したままの状態となる。そのため、材料全体の可逆的な水素吸蔵・放出量が低下する。また、水素の吸蔵・放出に伴う水素吸蔵合金の膨張・収縮や熱移動がなければ、水素吸蔵・放出速度の向上やサイクル繰り返しに伴う速度低下の抑制に対する効果は低下する。
本発明が解決しようとする課題は、水素の吸蔵・放出速度が高く、しかもサイクル繰り返しに伴う速度低下が小さい水素貯蔵材料及びその製造方法を提供することにある。
また、本発明が解決しようとする他の課題は、材料全体の水素の吸蔵・放出量が多い水素貯蔵材料及びその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係る水素貯蔵材料は、
金属アミドA(NH2)nと金属水素化物BHmとの混合体と、
水素吸蔵合金とを含み、
前記水素吸蔵合金は、前記混合体の水素吸蔵温度におけるプラトー圧力(P1A)に対する前記水素吸蔵温度と同一温度における前記水素吸蔵合金のプラトー圧力(P2A)の比(P2A/P1A)が0.01以上100以下であり、かつ、
前記混合体の水素放出温度におけるプラトー圧力(P1D)に対する前記水素放出温度と同一温度における前記水素吸蔵合金のプラトー圧力(P2D)の比(P2D/P1D)が0.01以上100以下である
ことを要旨とする。
但し、n、mは、それぞれ、金属A、Bの価数。
また、本発明に係る水素貯蔵材料の製造方法は、
金属アミドA(NH2)nと金属水素化物BHmとの混合体と、水素吸蔵合金とをメカニカルミリング法を用いて混合する混合工程を備え、
前記水素吸蔵合金は、前記混合体の水素吸蔵温度におけるプラトー圧力(P1A)に対する前記水素吸蔵温度と同一温度における前記水素吸蔵合金のプラトー圧力(P2A)の比(P2A/P1A)が0.01以上100以下であり、
前記混合体の水素放出温度におけるプラトー圧力(P1D)に対する前記水素放出温度と同一温度における前記水素吸蔵合金のプラトー圧力(P2D)の比(P2D/P1D)が0.01以上100以下である
ことを要旨とする。
但し、n、mは、それぞれ、金属A、Bの価数。
一般に、水素の吸蔵反応は、発熱反応である。また、一般に、水素吸蔵合金の水素の吸蔵・放出速度は、金属アミドと金属水素化物の混合体の吸蔵・放出速度より速い。そのため、金属アミドと金属水素化物の混合体に対し、プラトー圧力比が所定の範囲にある水素吸蔵合金を添加すると、まず水素吸蔵合金が水素を吸蔵することにより発熱し、その熱により混合体の水素吸蔵反応が促進される。また、水素吸蔵合金は、水素の吸蔵・放出に伴い膨張・収縮するので、混合体の焼結が抑制される。その結果、水素吸蔵・放出反応の速度が速くなり、しかもサイクル繰り返しに伴う反応速度の低下を抑制することができる。また、同一作動条件下で混合体と水素吸蔵合金の双方が水素を吸蔵放出するので、材料全体の吸蔵放出量も増加する。
以下、本発明の一実施の形態について詳細に説明する。
本発明に係る水素貯蔵材料は、金属アミドと金属水素化物の混合体と、水素吸蔵合金とを含む。
本発明において、「水素貯蔵材料」とは、貯蔵した水素を放出することができるものをいう。水素貯蔵材料は、水素を放出した後、水素を再吸蔵可能なものであっても良い。
[1. 混合体]
混合体は、金属アミドと金属水素化物とを含む。
金属アミドとは、一般式:A(NH2)n(nは、金属Aの価数)で表される化合物をいう。金属Aの種類は、特に限定されるものではないが、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素、Zn、Al、Pb、Sn、Ga、Si、B、Ge、In等が好ましい。また、金属Aは、特にMgが好ましい。
金属アミドに2種以上の金属Aが含まれる場合、金属アミドは、2種以上の化合物の混合体であっても良く、あるいは、固溶体であっても良い。また、金属アミドに2種以上の金属Aが含まれる場合、nは、金属Aの平均の価数を表す。
金属アミドとしては、具体的には、
(1) LiNH2、NaNH2などのアルカリ金属アミド、
(2) Mg(NH2)2、Ba(NH2)2、Ca(NH2)2、Sr(NH2)2、Be(NH2)2などのアルカリ土類金属アミド、
などがある。
金属水素化物とは、一般式:BHm(mは、金属Bの価数)で表される化合物をいう。金属Bの種類は、特に限定されるものではないが、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素、Al、及びBから選ばれる1種以上が好ましい。また、金属Bは、特にLiが好ましい。
金属水素化物に2種以上の金属Bが含まれる場合、金属水素化物は、2種以上の化合物の混合体であっても良く、あるいは、固溶体であっても良い。また、金属水素化物に2種以上の金属Bが含まれる場合、mは、金属Bの平均の価数を表す。
金属水素化物としては、具体的には、
(1) LiH、NaHなどのアルカリ金属水素化物、
(2) MgH2、CaH2などのアルカリ土類金属水素化物、
(3) LiAlH4、NaAlH4などのアラネート、
などがある。
金属アミドと金属水素化物の混合体の水素の吸蔵・放出反応は、理想的には、次の(a)式及び(b)式のように表せる。
A(NH2)n+(n/m)BHm ⇔ ABn/m(NH)n+nH2 ・・・(a)
A(NH2)n+(2n/m)BHm ⇔ ANn/3+B2n/m2n/3+2nH2 ・・・(b)
従って、金属アミドと金属水素化物とを化学量論比で混合すれば、最大の水素吸蔵・放出量が得られる。しかしながら、金属アミドと金属水素化物の混合比は、必ずしも化学量論比である必要はなく、化学量論比から多少ずれていても良い。但し、化学量論比からのずれが著しく大きくなると、材料全体の可逆的な水素吸蔵・放出量が低下する。従って、金属アミドと金属水素化物の混合比は、化学量論比に近いほど良い。
[2. 水素吸蔵合金]
混合体に添加する水素吸蔵合金は、プラトー圧力比が0.01以上100以下であるものを用いる。この点が、従来とは異なる。
ここで、プラトー圧力比とは、混合体の水素吸蔵温度におけるプラトー圧力(P1A)に対する、混合体の水素吸蔵温度と同一温度における水素吸蔵合金のプラトー圧力(P2A)の比(P2A/P1A)、及び、混合体の水素放出温度におけるプラトー圧力(P1D)に対する、混合体の水素放出温度におけるプラトー圧力(P2D)の比(P2D/P1D)をいう。
プラトー圧力比が0.0l未満である場合、及び100を超える場合のいずれも、水素吸蔵合金と混合体との作動条件が著しく異なるために、水素吸蔵・放出速度を向上させる効果に乏しい。プラトー圧力比は、さらに好ましくは、0.1以上10以下、さらに好ましくは、0.5以上5以下である。
水素吸蔵合金は、種々の結晶構造を有するものが知られている。本発明において使用される水素吸蔵合金の結晶構造は、特に限定されるものではないが、bcc、CsCl型、MgZn2型、MgCu2型、CaCu5型、又はCrB型の結晶構造が好ましい。これらの結晶構造を有する水素吸蔵合金は、一般に、水素吸蔵量が多く、しかも、吸蔵・放出時に相対的に大きな膨張・収縮を示すので、混合体に添加する水素吸蔵合金として特に好適である。
水素吸蔵合金は、Ti、Co、Zr、Fe、Mn、V、及びCrから選ばれるいずれか1以上の金属元素を含むものが好ましい。これらの金属元素のいずれか1以上を含み、かつプラトー圧力比が上述の条件を満たす水素吸蔵合金は、水素吸蔵量が多く、しかも、吸蔵・放出時に相対的に大きな膨張・収縮を示すので、混合体に添加する水素吸蔵合金として特に好適である。水素吸蔵合金は、特に、TiCo、ZrFe0.6Mn1.4、Ti0.5Zr0.5(Fe0.2Mn0.8)1.5、TiCr1.20.8、Ti0.8Zr0.2Mn1.50.5から選ばれるいずれか1種以上が好ましい。
本発明に係る水素貯蔵材料は、上述の条件を満たす1種類の水素吸蔵合金が含まれていても良く、あるいは、2種以上が含まれていても良い。
水素吸蔵合金の添加量が少な過ぎると、水素の吸蔵・放出速度の向上効果やサイクル繰り返しに伴う速度低下の抑制効果が得られなくなる。従って、混合体と水素吸蔵合金のモル比は、20:1以上が好ましい。混合体と水素吸蔵合金のモル比は、さらに好ましくは、15:1以上、さらに好ましくは、10:1以上である。
一方、水素吸蔵合金の添加量が多すぎると、水素の吸蔵・放出速度の向上効果やサイクル繰り返しに伴う速度低下の抑制効果が飽和し、実益がない。また、材料全体の総重量が増加し、単位重量当たりの水素吸蔵量が低下する。従って、混合体と水素吸蔵合金のモル比は、1:1以下が好ましい。混合体と水素吸蔵合金のモル比は、さらに好ましくは、3:1以下である。
次に、本発明に係る水素貯蔵材料の製造方法について説明する。
本発明に係る水素貯蔵材料は、金属アミドA(NH2)nと金属水素化物BHmとの混合体と、水素吸蔵合金とをメカニカルミリング法を用いて混合する混合工程を備えている。
水素吸蔵合金は、混合体の水素吸蔵温度におけるプラトー圧力(P1A)に対する、混合体の水素吸蔵温度と同一温度における水素吸蔵合金のプラトー圧力(P2A)の比(P2A/P1A)が0.01以上100以下であり、かつ、混合体の水素放出温度におけるプラトー圧力(P1D)に対する、混合体の水素放出温度と同一温度における水素吸蔵合金のプラトー圧力(P2D)の比(P2D/P1D)が0.01以上100以下であるものを用いる。
金属アミド、金属水素化物、及び水素吸蔵合金の詳細は、上述した通りであるので、説明を省略する。
メカニカルミリング法とは、遊星ボールミル、回転ミル、振動ミル等の粉砕機で原料粉末を混合粉砕する方法をいう。メカニカルミリング法は、相対的に短時間で配合物の混合粉砕を行うことができるので、処理方法として好適である。
混合粉砕は、出発原料の酸化を防ぐために、非酸化雰囲気下(例えば、アルゴン雰囲気下、水素雰囲気下など)で行うのが好ましい。
また、混合粉砕の処理時間は、出発原料の均一かつ微細な混合体が得られるように、又は、出発原料の反応が十分に進行するように、処理方法、出発原料の種類、形態等に応じて、最適な処理時間を選択する。一般に、処理時間が長くなるほど、出発原料が微細に粉砕されるので、粉砕された粉末が均一に分散した複合体、あるいは、未反応原料の少ない複合体が得られる。但し、必要以上の処理は、効果に差がなく、実益がない。例えば、遊星ボールミルを用いて混合粉砕する場合において、出発原料として粉末を用いる時には、処理時間は、1〜十数時間が好ましい。
このようにして得られた水素貯蔵材料は、粉末状態のまま使用しても良く、あるいは、これを適当な大きさに成形した圧粉体の状態で使用しても良い。また、粉末の表面を他の材料(例えば、銅などの熱伝導性の良い材料)からなる被膜で被覆し、これを成形して使用しても良い。この場合、被覆方法には、PVD法、CVD法などの物理的方法を用いるのが好ましい。
次に、本発明に係る水素貯蔵材料及びその製造方法の作用について説明する。
水素吸蔵合金は、一般に、金属アミドと金属水素化物の混合体に比べて、体積水素貯蔵密度が高い。特に、特定の結晶構造を持つ水素吸蔵合金は、高い体積水素貯蔵密度を持つ。そのため、混合体と作動条件がほぼ同一である水素吸蔵合金を混合体に添加することによって、材料全体の体積水素貯蔵密度を向上させることができる。
また、水素吸蔵合金は、一般に、金属アミドと金属水素化物との混合体よりも水素吸蔵速度が速い。また、水素吸蔵反応は、一般に、発熱反応である。そのため、プラトー圧力比が所定の条件を満たす水素吸蔵合金を混合体に添加すると、水素吸蔵合金の水素吸蔵反応時に放出される熱によって混合体が加熱される。その結果、混合体の水素吸蔵反応が促進される。
また、金属アミドと金属水素化物の混合体のみについて水素の吸蔵・放出を繰り返すと、混合体が焼結する。混合体が焼結すると、比表面積が低下するので、水素の吸蔵・放出の反応速度が低下する。これに対し、水素吸蔵合金は、一般に、金属アミドと金属水素化物の混合体の作動温度では焼結しにくく、かつ水素の吸蔵・放出に伴い膨張・収縮する。そのため、プラトー圧力比が所定条件を満たす適量の水素吸蔵合金を混合体に添加すると、その膨張・収縮によって混合体の焼結が抑制される。その結果、水素吸蔵・放出反応の速度が速くなり、しかもサイクル繰り返しに伴う反応速度の低下を抑制することができる。
さらに、水素吸蔵合金は、一般に金属アミドと金属水素化物の混合体より熱伝導度が高い。そのため、これを混合体に添加することによって材料全体の熱伝導性が向上し、水素吸蔵・放出反応の反応速度が向上する。
(実施例1、比較例1)
水素圧力下でメカニカルミリング処理したMg(NH2)2+4LiH混合体(材料A、比較例1)と、水素化させたZrFe0.6Mn1.4とを4:1のモル比で混合した(材料B、実施例1)。材料A、Bの熱伝導度を測定したところ、それぞれ、0.63W/mK、0.71W/mKであった。また、材料Bの200℃、水素圧力約0.1MPa下における水素放出速度を測定したところ、材料Aより速い水素放出速度を示した(図1参照)。
その後、200℃で吸蔵・放出サイクルを5回繰り返した。5サイクル後は、材料A、材料Bともに放出速度が初期と比べて低下した。しかしながら、材料Bの方が速度低下が抑制されていた(図2参照)。
なお、図1及び図2中、水素放出量(%)は、次式で表される値を言う。
水素放出量(%)=100×(経過時間における水素放出量)/(材料の最大水素放出量)
5サイクル測定後の材料Aを評価用容器から取り出したところ、焼結していることが確認された(図3参照)。
一方、粉末X線回折測定から、ZrFe0.6Mn1.4は、MgZn2型結晶構造を有し、水素吸蔵により体積が約25%膨張することが確認された。
(実施例2、比較例2)
水素圧力下でメカニカルミリング処理した3Mg(NH2)2+8LiH混合体(材料C、比較例2)と、水素化させたTi0.5Zr0.5(Fe0.2Mn0.8)1.5とを9:1のモル比で混合した(材料D、実施例2)。材料Dの150℃、水素圧力約0.1MPa下における水素放出速度を測定したところ、材料Cより速い水素放出速度を示した。
その後、150℃で吸蔵・放出サイクルを5回繰り返した。5サイクル後は、材料C、材料Dともに放出速度が初期と比べて低下した。しかしながら、材料Dの方が速度低下が抑制されていた。5サイクル測定後の材料Cを評価用容器から取り出したところ、焼結していることが確認された。
一方、粉末X線回折測定から、Ti0.5Zr0.5(Fe0.2Mn0.8)1.5は、MgZn2型結晶構造を有し、水素吸蔵により体積が約20%膨張することが確認された。
(実施例3、比較例3)
水素圧力下でメカニカルミリング処理したMg(NH2)2+2LiH混合体(材料E、比較例3)と、水素化させたTiCoを6:1のモル比で混合した(材料F、実施例3)。材料Fの170℃、水素圧力約0.1MPa下における水素放出速度を測定したところ、材料Eより速い水素放出速度を示した。
その後、170℃で吸蔵・放出サイクルを5回繰り返した。5サイクル後は、材料E、材料Fともに放出速度が初期と比べて低下した。しかしながら、材料Fの方が速度低下が抑制されていた。5サイクル測定後の材料Eを評価用容器から取り出したところ、焼結していることが確認された。
一方、粉末X線回折測定から、TiCoは、CsCl型結晶構造を有し、水素吸蔵により体積が約17%膨張することが確認された。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
本発明に係る水素貯蔵材料及びその製造方法は、燃料電池システム用の水素貯蔵手段、超高純度水素製造装置、ケミカル式ヒートポンプ、アクチュエータ、金属−水素蓄電池用の水素貯蔵体等に用いられる水素貯蔵材料及びその製造方法として使用することができる。
材料A(比較例1)及び材料B(実施例1)の1サイクル目の経過時間と水素放出量との関係を示す図である。 材料A(比較例1)及び材料B(実施例1)の5サイクル目の経過時間と水素放出量との関係を示す図である。 材料A(比較例1)の5サイクル後の外観を示す写真である。

Claims (7)

  1. 金属アミドA(NH2)nと金属水素化物BHmとの混合体と、
    水素吸蔵合金とを含み、
    前記水素吸蔵合金は、前記混合体の水素吸蔵温度におけるプラトー圧力(P1A)に対する前記水素吸蔵温度と同一温度における前記水素吸蔵合金のプラトー圧力(P2A)の比(P2A/P1A)が0.01以上100以下であり、かつ、
    前記混合体の水素放出温度におけるプラトー圧力(P1D)に対する前記水素放出温度と同一温度における前記水素吸蔵合金のプラトー圧力(P2D)の比(P2D/P1D)が0.01以上100以下である、
    水素貯蔵材料。
    但し、n、mは、それぞれ、金属A、Bの価数。
  2. 前記金属A、Bは、それぞれ、アルカリ金属元素、及びアルカリ土類金属元素から選ばれる1種以上の金属である請求項1に記載の水素貯蔵材料。
  3. 前記金属AはMgであり、前記金属BはLiである請求項1に記載の水素貯蔵材料。
  4. 前記水素吸蔵合金は、bcc、CsCl型、MgZn2型、MgCu2型、CaCu5型、又はCrB型の結晶構造を有するものからなる請求項1から3までのいずれかに記載の水素貯蔵材料。
  5. 前記水素吸蔵合金は、Ti、Co、Zr、Fe、Mn、V、及びCrから選ばれるいずれか1以上の金属元素を含む請求項1から4までのいずれかに記載の水素貯蔵材料。
  6. 前記水素吸蔵合金は、TiCo、ZrFe0.6Mn1.4、Ti0.5Zr0.5(Fe0.2Mn0.8)1.5、TiCr1.20.8、Ti0.8Zr0.2Mn1.50.5から選ばれるいずれか1種以上である請求項1から4までのいずれかに記載の水素貯蔵材料。
  7. 金属アミドA(NH2)nと金属水素化物BHmとの混合体と、水素吸蔵合金とをメカニカルミリング法を用いて混合する混合工程を備え、
    前記水素吸蔵合金は、前記混合体の水素吸蔵温度におけるプラトー圧力(P1A)に対する前記水素吸蔵温度と同一温度における前記水素吸蔵合金のプラトー圧力(P2A)の比(P2A/P1A)が0.01以上100以下であり、かつ、
    前記混合体の水素放出温度におけるプラトー圧力(P1D)に対する前記水素放出温度と同一温度における前記水素吸蔵合金のプラトー圧力(P2D)の比(P2D/P1D)が0.01以上100以下である、
    水素貯蔵材料の製造方法。
    但し、n、mは、それぞれ、金属A、Bの価数。
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