JP2009017867A - 難消化性デキストリン含有インスタント茶の製造法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 粉末化基材として難消化性デキストリンを使用することで茶類の良好な香気を保持し、水や湯に対する溶解性に優れたインスタント茶を提供する。
【解決手段】
茶類の抽出時あるいは噴霧乾燥前に、難消化性デキストリンを茶類由来固形分1重量部に対して0.05重量部以上20重量部以下を添加して茶類抽出液を調整する。得られた茶類抽出液に炭酸ガスを0.25W/W%以上2.5W/W%以下の範囲で溶解し噴霧乾燥することにより、溶解性に優れ風味が良好なインスタント茶が得られる。
【選択図】なし

Description

本発明は、緑茶、ほうじ茶、紅茶、ウーロン茶等の茶類の良好な風味を保持した、水や湯に対する溶解性に優れたインスタント茶の製造法に関するものである。
従来、インスタント茶を製造する工程(抽出、濃縮、乾燥)において、香気成分を保持するために、サイクロデキストリン約1.5〜6.0%含有液で抽出した後、抽出液をデキストリン存在下にて乾燥するという方法が開示されている(特許文献1)。これは、サイクロデキストリンによって、抽出、濃縮、乾燥中の香気成分の安定性を高めたものであり、また、その際、抽出液中の総サイクロデキストリン重量に対するα、β−サイクロデキストリンの重量和の割合を60%〜90%、かつ、β−サイクロデキストリンの重量の割合を30%〜70%、かつα−サイクロデキストリンの重量の割合を10%以上とすることで香気成分を保持する方法も開示されている(特許文献2)。また茶エキスとDE値が10〜25のデキストリンまたはDE値が10〜25のデキストリンとサイクロデキストリンよりなる水溶液を噴霧乾燥することにより得られる優れた風味と溶解性を有するインスタント茶類の製造方法が開示されている(特許文献3)。また、DE値が5〜10の分枝デキストリンからなる水溶液をその固形分濃度が5〜50W/W%でかつ固形分中に占める分枝デキストリンの割合が30〜70W/W%になるように調整して噴霧乾燥する方法も開示されている(特許文献4)。このように、良好な風味を有したインスタント茶を得るためにマルトデキストリンやサイクロデキストリン、分枝デキストリン等の各種澱粉分解物が粉末化基材として利用されてきた。しかしながら、インスタント茶を製造する際の粉末化基材として、難消化性デキストリンを使用した場合の検討は行われていなかった。
難消化性デキストリンに関しては、食品に広範囲に利用できる食品素材として開示されており、その一つとして茶飲料が例示されている(特許文献5、6、7)。これは、難消化性デキストリンをインスタント茶に混合するもの、ペットボトルのような茶飲料に溶解したもの、茶葉と混合してティーバッグとして使用するもの等に分類される(特許文献8)。難消化性デキストリンを使用した食品は多数存在するが、これらは食物繊維としての生理機能を利用する上でのもので、良好な風味の茶飲料を得ることを期待するものでも示唆するものでもない。また、難消化性デキストリンをインスタント茶に混合した製品の場合、嵩比重や粒子径の違いにより均質に混合しにくく、水や湯に対する溶解性が悪いため、特に少量の水や湯に添加した場合に継粉を形成しやすいという問題がある。
従来、溶解性を改善するために、押出造粒や流動層造粒が行われている。しかしながら、このような造粒方法では造粒後の乾燥工程での加熱により、風味が劣化するという問題がある。そこで、風味を損なわずに溶解性の良い顆粒のインスタント茶を得る方法として、デキストリンを溶解させた濃厚な茶エキス水溶液に炭酸ガスを溶解させ、加圧ノズル型噴霧機を用いて噴霧する方法が開示されている(特許文献3、4)。しかしながら、難消化性デキストリンを粉末化基材として使用した場合の検討は行われていなかった。
特許第1497091号 特許第3023503号 特許第1670325号 特許第3285381号 特許第3053997号 特許第2692450号 特許第2840634号 特開2003−289804号公報
本発明は、粉末化基材として難消化性デキストリンを使用することで茶類の良好な香気を保持し、水や湯に対する溶解性に優れたインスタント茶を提供することを目的としたものである。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究した結果、従来食物繊維としての生理機能を期待した利用が一般的であった難消化性デキストリンを粉末化基材として茶類の抽出時または噴霧乾燥前に添加した液に、炭酸ガスを溶解させて加圧ノズル型噴霧機を用いて噴霧乾燥することにより、香気が良好で、溶解性に優れたインスタント茶が得られることを見出した。また、この方法により得られたインスタント茶は、粉末化基材としてマルトデキストリンやサイクロデキストリン、分枝デキストリン、その他の公知の高分子物質等を使用したインスタント茶より、溶解したときの香気が良好で嗜好性に優れたインスタント茶ができることを見出した。
すなわち、本発明は、インスタント茶を製造するに際し、茶類由来固形分1重量部に対して難消化性デキストリンを0.05重量部以上20重量部以下、好ましくは0.1重量部以上5重量部以下の範囲になるように添加した茶類抽出液に炭酸ガスを0.25W/W以上2.5W/W%以下の範囲で溶解させ、噴霧乾燥することを要旨とするものである。
本発明では、茶類の抽出工程、濃縮工程、乾燥工程、造粒工程により得られた茶類由来固形分を含む粉末を「インスタント茶」と称する。また、濃縮工程や造粒工程を省いたものも含む。また、場合によっては抹茶に代表される原料茶類の粉砕物を含んでもよい。
本発明を使用すれば、茶類の良好な香気を保持し、水や湯に対する溶解性に優れたインスタント茶を提供することが可能である。
以下、本発明を詳細に説明する。
茶とは、葉を飲料とするツバキ科の常緑樹(学名:Camellia sinensis)である。茶樹より摘採した葉であればその品種、産地、摘採時期、摘採方法などを限定するものではなく、いかなるものも使用することができる。茶葉は、荒茶や仕上げ茶として加工したものを使用しても良いし、また、生茶葉を乾燥させたものや生茶葉の搾汁液を使用してもよい。その際、火入れ乾燥するようにしても良い。また、不発酵茶(例えば緑茶)、半発酵茶(例えば烏龍茶)、発酵茶(例えば紅茶)、後発酵茶(例えばプーアール茶)のいずれも使用することができる。また、茶樹から摘採した葉以外であっても茶として飲用可能なものについても利用することができ、麦、はと麦、玄米、大豆、そばなどの穀物茶類、カモミール、ハイビスカス、ラベンダー、ミント、ローズヒップなどのハーブ類、どくだみ、霊芝、ギムネマ、バナバ、イチョウ葉、モロヘイヤ、ラカンカ、アルファルファ、よもぎ、マテ、ギャバロン、朝鮮人参、杜仲、ルイボス、アロエ、桜葉等が例示される。また、これらの茶類は単独で使用しても良いし、2種以上の混合物として使用しても良い。
難消化性デキストリンとは、「澱粉科学の事典」(朝倉書店)によると、澱粉粉体に酸を添加して加熱調整される焙焼デキストリンの転移・解重合によりできる難消化性画分を水溶性食物繊維として利用するもので、酸やα−アミラーゼの処理の後、グルコアミラーゼで消化性のデキストリンをグルコースに変換し膜やクロマトグラフィーで食物繊維成分だけを取り出す方法と、エクストルーダーで澱粉を直接難消化にする方法が工業化されている。このようにして調整される難消化性デキストリンは平均重合度が約2000で分岐に富んだ構造をしており、α−1,4結合、1,6結合以外に1,2、1,3グルコシド結合を有するとともに、還元末端が分子内脱水したレボグルコサンも含有しているのが特徴である。市販の難消化性デキストリンとして、ファイバーソル2(松谷化学工業(株)製)などがある。
抽出工程とは、茶類に水性溶媒を加えて粕分離し抽出液を得る工程である。水性溶媒としては、水道水、脱イオン水、蒸留水、脱酸素水など公知の水を使用することができ、酸化防止剤、乳化剤、pH調整剤等の添加剤を単独、あるいは併用して配合しても良い。また水性溶媒を使用せず、公知の方法により茶類を圧搾して得られる搾汁液を、抽出液の代わりに、あるいは抽出液に添加して使用しても構わない。以下においては、茶葉の搾汁液そのものや抽出液に茶葉搾汁液を添加したものについても、抽出液に含めることとする。抽出温度は、特に限定するものではないが、15℃以上100℃以下が好ましい。抽出温度が15℃未満では抽出効率が著しく低下し、また、100℃を越えた温度では、不要な成分が過剰に抽出され、かつ好ましい香気成分の変性が起こりやすくなる。抽出方法及び抽出条件等を特に限定するものではないが、例えば茶葉1重量部に対し、水性溶媒を4〜30重量部程度添加し浸漬、循環あるいは攪拌して抽出を行い、抽出後は粕分離し、抽出液を得ることができる。抽出液は、必要に応じてセライト濾過、遠心分離機等を用い清澄化を行うこともできる。
難消化性デキストリンは、噴霧乾燥前であればどの段階で添加してもよいが、水性溶媒に難消化性デキストリンを添加して抽出や濃縮を行う方が、工程中での香気成分の変性や損失を防止できるため好ましい。
添加する難消化性デキストリンの量については、粉末中の茶類由来固形分1重量部に対して、0.05重量部以上20重量部以下、好ましくは、0.1重量部以上5重量部以下の範囲になるように添加するのが良い。難消化性デキストリン添加量が上記範囲より少ない場合は、難消化性デキストリンの添加効果が現れ難く、上記範囲より多い場合には、粉末中の茶類由来固形分含有量が少なくなるため風味が著しく弱くなり、かつ、難消化性デキストリン自体の甘味が目立つようになるため好ましくない。茶類由来固形分の重量に対する難消化性デキストリン重量部の割合を求めるには、公知の方法が使用できるが、例えば、茶葉の使用量や茶葉からの可溶性固形分溶出量などを考慮して、算出する方法が簡便である。
濃縮工程は、必要に応じて行えば良いが、抽出液を予め濃縮することで、乾燥工程において効率よく乾燥することができ好ましい。減圧濃縮、凍結濃縮、逆浸透膜濃縮などの公知の方法により濃縮を行うことができるが、香気成分の揮散、変性が少ない逆浸透膜濃縮、凍結濃縮が好ましい。
乾燥工程は、乾燥中の香気成分の損失が少ない噴霧乾燥法が好ましい。噴霧乾燥に供する液に炭酸ガスを、0.25W/W%以上2.5W/W%以下の範囲で溶解させ、加圧ノズル型噴霧機を用いて噴霧乾燥することにより、水への溶解性のよいインスタント茶を得ることができる。炭酸ガス溶解量が0.25W/W%より少ない場合は水への溶解性が悪く、2.5W/W%より多いと噴霧乾燥時に粒子に割れが生じ、水への溶解性が悪くなる。必要に応じて噴霧乾燥前に、公知の方法で殺菌や酵素処理を行うことも可能である。
以下、試験例及び実施例により本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内での種々の応用が可能である。
(試験例1)
難消化性デキストリン(商品名:ファイバーソル2、松谷化学工業(株)製)900gを60℃の温水20kgに溶解後、緑茶葉1.5kgを加え、60℃で10分間抽出した。粕分離し、ブリックス7度の抽出液16kgを得た。得られた抽出液を、遠心分離機で清澄化後、逆浸透膜濃縮を行った。プレート式熱交換器を用いて80℃で30秒間加熱殺菌し、ブリックス25度の濃縮液4.5kgを得た。得られた濃縮殺菌液に炭酸ガスを2.5W/W%溶解し、加圧ノズル型噴霧機を用い噴霧乾燥を行い、インスタント茶Aを得た(約1.1kg)。茶由来固形分1重量部に対する難消化性デキストリン重量の割合は4であった。
(比較例1)
各種の澱粉分解物900gを60℃の温水20kgに溶解後、緑茶葉1.5kgを加え、60℃で10分間抽出した。粕分離し、ブリックス7度の抽出液16kgを得た。得られた抽出液を、遠心分離機で清澄化後、逆浸透膜濃縮を行った。プレート式熱交換器を用いて80℃で30秒間加熱殺菌し、ブリックス25度の濃縮液4.5kgを得た。得られた濃縮殺菌液に炭酸ガスを2.5W/W%溶解し、加圧ノズル型噴霧機を用い噴霧乾燥を行い、インスタント茶B〜Vを得た(約1.1kg)。茶由来固形分1重量部に対する澱粉分解物の割合は4であった。
使用した澱粉分解物は、サイクロデキストリン、分岐サイクロデキストリン、高度分岐環状デキストリン、マルトデキストリン、粉飴である。なお、マルトデキストリンと粉飴はどちらも粉末状の水飴を指し、明確な区別はないが、澱粉糖技術部会(1991)の分類により、DE値20以下のものをマルトデキストリン、DE値20〜35のものを粉飴とした。使用したサイクロデキストリンは、α−サイクロデキストリン((株)シクロケム製、商品名:CAVAMAX(R)W6)、β−サイクロデキストリン((株)シクロケム製、商品名:CAVAMAX(R)W7)、γ−サイクロデキストリン((株)シクロケム製、商品名:CAVAMAX(R)W8)、α−、β−、γ−、サイクロデキストリンの混合物であるデキシーパールSD−20およびデキシーパールK−50(共に塩水港精糖(株)製)、分岐サイクロデキストリン(商品名:イソエリートP、塩水港精糖(株)製)である。使用した高度分岐環状デキストリンはクラスターデキストリン(DE値5未満、日本食品化工(株)製)である。使用したマルトデキストリンは、パインデックス#100(DE値3、松谷化学工業(株)製)、FSD−703(DE値3〜5、フタムラ化学(株)製)、NSD#100(DE値7〜8、(株)ニッシ製)、マックス1000(DE値9、松谷化学工業(株)製)、グリスターP(DE値15、松谷化学工業(株)製)、FSD−615(DE値15、フタムラ化学(株)製)、NSD#700(DE値19、(株)ニッシ製)、サンデック#180(DE値19、三和澱粉工業(株)製)である。使用した粉飴は、サンデック#300(DE値28、三和澱粉工業(株)製)、SPD(DE値30、昭和産業(株)製)である。インスタント茶B〜Vにおける使用した澱粉分解物、茶類由来固形分以外の固形分重量に対するサイクロデキストリンの割合、サイクロデキストリン中のα−、β−、γ−サイクロデキストリンの割合、DE値を表1に示した。
Figure 2009017867
試験例1および比較例1で得られたインスタント茶A〜Vについて、各々0.6gを湯飲みに入れ、70℃90mlの湯で溶解し、その風味を10名のパネラーによって表2、3に示す評価基準に基づいて官能評価を行った。評価人数の多かった点数を評価点数とした。なお、評価人数が同数の場合は、その評価の中間点を評価点数として採用した。その結果を表4に示す。
Figure 2009017867
Figure 2009017867
Figure 2009017867
表4に示したとおり、難消化性デキストリンを使用したインスタント茶Aは、サイクロデキストリン、分岐サイクロデキストリン、高度分岐環状デキストリン、マルトデキストリン、粉飴を粉末化基材として使用したインスタント茶より良好な香りを保持していた。
(試験例2)
難消化性デキストリン(商品名:ファイバーソル2、松谷化学工業(株)製)を茶由来固形分1重量部に対して、0.025、0.05、0.1、1、2.5、5、7.5、10、15、20、25重量部になる量を80℃の温水20kgに溶解し、緑茶葉1kgを加え、80℃で10分間抽出した。粕分離し、抽出液16kgを得た。遠心分離機で清澄化後、逆浸透膜濃縮を行った。プレート式熱交換器を用いて80℃で30秒間加熱殺菌し、濃縮殺菌液を得た。得られた濃縮殺菌液に炭酸ガスを2.5W/W%溶解し、加圧ノズル型噴霧機を用い噴霧乾燥を行い、インスタント茶を得た。
試験例2で得られたインスタント茶について、各々茶類由来固形分が0.15gとなるように湯飲みに入れ、70℃90mlの湯で溶解し、その風味を10名のパネラーによって表3に示す評価基準に基づいて官能評価を行った。評価人数の多かった点数を評価点数とした。なお、評価人数が同数の場合は、その評価の中間点を評価点数として採用した。その結果を表5に示す。
Figure 2009017867
表5に示した通り、茶由来固形分1重量部に対して難消化性デキストリンを0.05重量部以上20重量部以下添加したインスタント茶は良好な風味であった。特に、茶由来固形分1重量部に対して難消化性デキストリンを0.1重量部以上5重量部以下添加したものは、非常に良好な風味であった。茶由来固形分1重量部に対し難消化性デキストリンが0.025重量部添加したものは風味があまり優れておらず、また25重量部添加したものは風味力価が弱く、難消化性デキストリン自体の甘味が目立ちよくなかった。
(試験例3)
難消化性デキストリン(商品名:ファイバーソル2、松谷化学工業(株)製)900gを60℃の温水20kgに溶解後、緑茶葉1.5kgを加え、60℃で10分間抽出した。粕分離し、ブリックス7度の抽出液16kgを得た。得られた抽出液を、遠心分離機で清澄化後、逆浸透膜濃縮を行った。プレート式熱交換器を用いて80℃で30秒間加熱殺菌し、ブリックス25度の濃縮液4.5kgを得た。得られた濃縮殺菌液中に炭酸ガスを0、0.23、0.25、1、2、2.5、2.75W/W%溶解し、加圧ノズル型噴霧機を用い噴霧乾燥を行い、インスタント茶を得た。
試験例3で得られた粉末について、平均粒子径および嵩比重を測定した。また、試験例3で得られたインスタント茶各々1gを撹拌子の回転数が200rpmで回転している5℃の冷水100mlに加え、完全に溶解するまでの時間を測定して表6に示す評価基準に基づいて評価した。平均粒子径、嵩比重、冷水溶解性の評価を表7に示す。
Figure 2009017867
Figure 2009017867
表7に示した通り、濃縮殺菌液に対し炭酸ガスを0.25W/W%以上2.5W/W%以下の範囲で溶解させて噴霧乾燥したインスタント茶は、平均粒子径が大きく、溶解性が良かった。炭酸ガスを溶解させないインスタント茶は、平均粒子径が小さくなり、冷水に加えた際、継粉となり溶解に時間がかかった。炭酸ガスを2.75W/W%溶解させたものは、溶解性が良くなかった。
(実施例1)
80℃の温水20kgに緑茶葉1kgを加え、80℃で15分間抽出した。粕分離し、ブリックス2.5度の抽出液16kgを得た。得られた抽出液を、遠心分離機で清澄化後、膜濃縮に供した。得られた濃縮液に難消化性デキストリン(商品名:ファイバーソル2、松谷化学工業(株)製)300gを添加し、プレート式熱交換器を用いて80℃で30秒間加熱殺菌した液に炭酸ガスを2.5W/W%溶解し、加圧ノズル型噴霧機を用い噴霧乾燥を行い、平均粒子径212μmの顆粒状のインスタント茶を得た。茶類由来固形分1重量部に対する難消化性デキストリン重量の割合は、0.7であった。得られた粉末は良好な香気を保持しており、溶解性に優れていた。
(実施例2)
難消化性デキストリン(商品名:ファイバーソル2、松谷化学工業(株)製)600gを80℃の温水20kgに溶解後、紅茶葉1.5kgを加え、80℃で15分間抽出した。粕分離し、ブリックス5.5度の抽出液16kgを得た。得られた抽出液を、遠心分離機で清澄化後、膜濃縮に供し、プレート式熱交換器を用いて80℃で30秒間加熱殺菌した。得られた濃縮殺菌液に炭酸ガスを1.0W/W%溶解し、加圧ノズル型噴霧機を用い噴霧乾燥を行い、平均粒子径194μmの顆粒状のインスタント茶を得た。茶類由来固形分1重量部に対する難消化性デキストリン重量の割合は、1.5であった。得られた粉末は良好な香気を保持しており、溶解性に優れていた。
(実施例3)
難消化性デキストリン(商品名:ファイバーソル2、松谷化学工業(株)製)300gを80℃の温水20kgに溶解後、ほうじ茶葉1.5kgを加え、80℃で15分間抽出した。粕分離し、ブリックス3.5度の抽出液16kgを得た。得られた抽出液を、遠心分離機で清澄化後、膜濃縮に供し、プレート式熱交換器を用いて80℃で30秒間加熱殺菌した。得られた濃縮殺菌液に炭酸ガスを2.5W/W%溶解し、加圧ノズル型噴霧機を用い噴霧乾燥を行い、平均粒子径227μmの顆粒状のインスタント茶を得た。茶類由来固形分1重量部に対する難消化性デキストリン重量の割合は、0.8であった。得られた粉末は良好な香気を保持しており、溶解性に優れていた。
(実施例4)
難消化性デキストリン(商品名:ファイバーソル2、松谷化学工業(株)製)500gを90℃の温水20kgに溶解後、ウーロン茶葉1kgを加え、90℃で15分間抽出した。粕分離し、ブリックス5度の抽出液16kgを得た。得られた抽出液を、遠心分離機で清澄化後、膜濃縮に供し、プレート式熱交換器を用いて80℃で30秒間加熱殺菌した。得られた濃縮殺菌液に炭酸ガスを2.5W/W%溶解し、加圧ノズル型噴霧機を用い噴霧乾燥を行い、平均粒子径205μmの顆粒状のインスタント茶を得た。茶類由来固形分1重量部に対する難消化性デキストリン重量の割合は、1.2であった。得られた粉末は良好な香気を保持しており、溶解性に優れていた。
(実施例5)
難消化性デキストリン(商品名:ファイバーソル2、松谷化学工業(株)製)300gを80℃の温水20kgに溶解後、麦茶1kgを加え、80℃で15分間抽出した。粕分離し、ブリックス3.3度の抽出液16kgを得た。得られた抽出液を、遠心分離機で清澄化後、膜濃縮に供し、プレート式熱交換器を用いて80℃で30秒間加熱殺菌した。得られた濃縮殺菌液に炭酸ガスを2.5W/W%溶解し、加圧ノズル型噴霧機を用い噴霧乾燥を行い、平均粒子径293μmの顆粒状のインスタント茶を得た。茶類由来固形分1重量部に対する難消化性デキストリン重量の割合は、1.0であった。得られた粉末は良好な香気を保持しており、溶解性に優れていた。
(実施例6)
難消化性デキストリン(商品名:ファイバーソル2、松谷化学工業(株)製)300gを80℃の温水20kgに溶解後、どくだみ茶1kgを加え、80℃で15分間抽出した。粕分離し、ブリックス3.5度の抽出液16kgを得た。得られた抽出液を、遠心分離機で清澄化後、膜濃縮に供し、プレート式熱交換器を用いて80℃で30秒間加熱殺菌した。得られた濃縮殺菌液に炭酸ガスを2.5W/W%溶解し、加圧ノズル型噴霧機を用い噴霧乾燥を行い、平均粒子径262μmの顆粒状のインスタント茶を得た。茶類由来固形分1重量部に対する難消化性デキストリン重量の割合は、1.0であった。得られた粉末は良好な香気を保持しており、溶解性に優れていた。

Claims (4)

  1. 難消化性デキストリンを粉末化基材として使用することを特徴とする、香気が良好で溶解性に優れたインスタント茶の製造法。
  2. 請求項1に記載のインスタント茶の製造法で、難消化性デキストリンを抽出時あるいは噴霧乾燥前に、該抽出液中の茶類由来固形分1重量部に対して0.05重量部以上20重量部以下添加することを特徴とするインスタント茶の製造法。
  3. 請求項1〜2に記載のインスタント茶の製造法で、茶類抽出液に炭酸ガスを0.25W/W%以上2.5W/W%以下の範囲で溶解させて、加圧ノズル型噴霧機を用いて噴霧乾燥することを特徴とするインスタント茶の製造法。
  4. 請求項1〜3に記載の方法により製造されるインスタント茶。
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