JP2009016119A - X線発生装置の波長変更装置および方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電子ビームとレーザ光の正面衝突ができ、これにより、衝突確率が高くX線の発生出力を高めることができ、高周波の調整や電子ビーム軌道の変化が少なく、かつレーザ本体およびレーザ光路を追加することなく発生するX線のエネルギーおよびその波長を変化させることができるX線発生装置の波長変更装置および方法を提供する。
【解決手段】電子ビーム1とレーザ光3の所定の衝突点2aにおける衝突角θを調整する衝突角調整装置30,40を備える。衝突角調整装置30は、レーザ導入ミラー32、レーザ導出ミラー34、導入ミラー制御装置36および導出ミラー制御装置38を備える。衝突角調整装置40は、入射偏向磁石42、出射偏向磁石44、入射偏向磁石制御装置46および出射偏向磁石制御装置48を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、逆コンプトン散乱による発生するX線のエネルギーおよびその波長を変化させるX線発生装置の波長変更装置および方法に関する。
小型の装置でX線を発生させる手段として、電子ビームとレーザ光の衝突によって逆コンプトン散乱に起因する準単色X線を得る手段が知られている(例えば、非特許文献1)。
また、逆コンプトン散乱によるX線発生において、波長を変更又は切り替えることができるX線発生装置が、特許文献1、2に既に提案されている。
非特許文献1の「小型X線発生装置」は、図6に示すように、小型の加速器61(Xバンド加速管)で加速された電子ビーム62をレーザ63と衝突させてX線64を発生させるものである。RF(Radio Frequency)電子銃65(熱RFガン)で生成された電子ビーム62はXバンド加速管61で加速され、パルスレーザ光63と衝突し、コンプトン散乱により、時間幅10nsの硬X線64が生成される。
この装置は、一般に線形加速器で用いられるSバンド(2.856GHz)の4倍の周波数にあたるXバンド(11.424GHz)をRFとして用いて小型化を図っており、例えばX線強度(光子数):約1×10photons/s、パルス幅:約10psの強力な硬X線の発生が予測されている。
特許文献1の「レーザ逆コンプトン光生成装置」は、逆コンプトン散乱効果を利用してX線またはγ線等の短波長光を生成することを目的とする。
そのため、この発明の装置は、図7に示すように、反応部73の別々の位置にレーザ逆コンプトン光ポート72と、レーザ光ポート71とを設置したものである。
特許文献2の「多色X線発生装置」は、複数(2種または3種以上)の単色硬X線を、血管が動いていないとみなせる程度の短い時間間隔で順次切り換えて発生することができ、かつ血管造影等に適用可能な強力なX線を発生させることを目的とする。
そのため、この発明の装置は、図8に示すように、電子ビームを加速してパルス電子ビーム81を発生し所定の直線軌道82を通過させる電子ビーム発生装置85と、波長の異なる複数のパルスレーザ光83a,83bを順次発生する複合レーザ発生装置86と、複数のパルスレーザ光を直線軌道82上にパルス電子ビーム81に対向して導入するレーザ光導入装置87とを備え、複数のパルスレーザ光83a,83bを直線軌道82上でパルス電子ビーム81に順次正面衝突させ、2種以上の単色硬X線84(84a,84b)を発生させるものである。
土橋克広、他、「Xバンドリニアックを用いた小型硬X線源の開発」、第27回リニアック技術研究会、2002
特開2001−345503号公報、「レーザ逆コンプトン光生成装置」 特開2006−318746号公報、「多色X線発生装置」
非特許文献1の手段は、特定のエネルギーをもつ電子ビームと特定の波長のレーザを特定の部分で衝突させることで、特定の波長をもつ単色X線を発生させるシステムであるため、強力な単色硬X線を効率よく発生させることができるが、発生するX線のエネルギーおよびその波長を変化させることは困難である。
すなわち、電子ビームのエネルギーを可変とする場合、エネルギーを調整するための高周波の調整や電子ビーム軌道が変わることによる電磁石等の磁場調整が必要であった。
特許文献1の手段は、衝突する電子ビームとレーザ光が常に交叉角を有しているので、発生するX線のエネルギーおよびその波長を変化させることはできるが、電子ビームとレーザ光が正面衝突できない。また衝突点が変化するため衝突点に電子ビームとレーザ光を集束(集光)させることも困難である。そのため、この手段は、衝突確率が低く、X線の発生出力が低い問題点がある。
特許文献2の手段は、異なる波長をもつ複数台のレーザ装置を用いるため、レーザ本体およびレーザ光路を複数用意する必要があり、低コスト化、システムの小型化が困難であった。
本発明は、上述した問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、電子ビームとレーザ光の正面衝突ができ、これにより、衝突確率が高くX線の発生出力を高めることができ、高周波の調整や電子ビーム軌道の変化が少なく、かつレーザ本体およびレーザ光路を追加することなく発生するX線のエネルギーおよびその波長を変化させることができるX線発生装置の波長変更装置および方法を提供することにある。
本発明によれば、電子ビームとレーザ光とを衝突させて逆コンプトン散乱によりX線を発生させるX線発生装置の波長変更装置であって、
電子ビームとレーザ光の所定の衝突点における衝突角を調整する衝突角調整装置を備えた、ことを特徴とするX線発生装置の波長変更装置が提供される。
本発明の好ましい実施形態によれば、前記衝突角調整装置は、レーザ光を所定の衝突点に向けて反射するレーザ導入ミラーと、電子ビームとレーザの所望の衝突角に応じて前記衝突点を維持するように前記レーザ導入ミラーの位置及び向きを制御する導入ミラー制御装置とを備える。
また前記衝突角調整装置は、さらに、所定の衝突点を通過したレーザ光を衝突軌道外に向けて反射するレーザ導出ミラーと、電子ビームとレーザの所望の衝突角に応じてレーザ光の反射光路を維持するように前記レーザ導出ミラーの位置及び向きを制御する導出ミラー制御装置とを備える。
また本発明の好ましい別の実施形態によれば、前記衝突角調整装置は、電子ビームを所定の衝突点に向けて偏向させる入射偏向磁石と、電子ビームとレーザの所望の衝突角に応じて前記衝突点を維持するように前記入射偏向磁石を制御する入射偏向磁石制御装置とを備える。
また前記衝突角調整装置は、さらに、所定の衝突点を通過した電子ビームを衝突軌道外に向けて偏向させる出射偏向磁石と、電子ビームとレーザの所望の衝突角に応じて電子ビームの出射軌道を維持するように前記導出ミラー調整装置を制御する出射偏向磁石制御装置とを備える。
また本発明によれば、電子ビームとレーザ光とを衝突させて逆コンプトン散乱によりX線を発生させるX線発生装置の波長変更方法であって、
電子ビームとレーザ光の所定の衝突点における衝突角を調整する、ことを特徴とするX線発生装置の波長変更方法が提供される。
上記本発明の装置および方法によれば、衝突角調整装置により、電子ビームとレーザ光の所定の衝突点における衝突角を調整するので、発生する単色硬X線の波長を任意に調整できる。
また、電子ビームとレーザ光の正面衝突ができるので、衝突確率が高くX線の発生出力を高めることができる。
また、本発明の好ましい実施形態によれば、衝突角調整装置は、レーザ導入ミラーと導入ミラー制御装置で構成され、或いは入射偏向磁石と入射偏向磁石制御装置で構成されるため、高周波の調整や電子ビーム軌道の変化が少なく、かつレーザ本体およびレーザ光路を追加することなく発生するX線のエネルギーおよびその波長を変化させることができる。
従って、本発明は、電子ビームとレーザ光の衝突軌道において電子ビームとレーザ光の衝突角を調整することによって発生する単色硬X線の波長を任意に調整できるため、低コスト、システムの小型化が期待できる。
また、本発明により複数のレーザ装置やレーザ光路の準備や、ビームエネルギーを調整することなく、単色硬X線の波長を調整することができる。
以下、本発明の好ましい実施形態を図面を参照して説明する。なお各図において、共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
図1は、本発明による波長変更装置を備えたX線発生装置の全体構成図である。このX線発生装置は、電子ビーム発生装置10、レーザ光周回装置20およびレーザ発生装置29を備え、電子ビーム1とパルスレーザ光3とを衝突させて逆コンプトン散乱によりX線4を発生させる装置である。
電子ビーム発生装置10は、電子ビームを加速してパルス電子ビーム1を発生し所定の直線軌道2を通過させる機能を有する。
この例において、電子ビーム発生装置10は、RF電子銃11、α‐磁石12、加速管13、ベンディング磁石14、Q−磁石15、減速管16、およびビームダンプ17を備える。
RF電子銃11と加速管13は、Xバンド(11.424GHz)の高周波電源18により駆動される。RF電子銃11から引き出された電子ビームは、α‐磁石12により軌道を変えて加速管13に入射する。加速管13は、小型のXバンド加速管であり、電子ビームを加速し、好ましくは約50MeV前後の高エネルギーの電子ビームを形成する。この電子ビームは、例えば約1μs前後のパルス電子ビーム1である。
ベンディング磁石14は、パルス電子ビーム1の軌道を磁場で曲げて所定の直線軌道2を通過させ、通過後のパルス電子ビーム1をビームダンプ17まで導く。Q−磁石15はパルス電子ビーム1の収束具合を調整する。減速管16は、パルス電子ビーム1を減速する。ビームダンプ17は、直線軌道2を通過した後のパルス電子ビーム1を捕捉して、放射線の漏洩を防止する。
同期装置19は、電子ビーム発生装置10とレーザ発生装置29の同期をとり、パルス電子ビーム1のタイミングとパルスレーザ光3とのタイミングを合わせ、パルス電子ビーム1とパルスレーザ光3が所定の直線軌道2上の衝突点2aで衝突するように制御する。
上述した電子ビーム発生装置10により、例えば、約50MeV前後、約1μs前後のパルス電子ビーム1を発生し、これを所定の直線軌道2を通過させることができる。
レーザ光周回装置20は、パルスレーザ光3(p偏光)を外部のレーザ発生装置29から偏光ビームスプリッタ22を介して周回路5内に導入し、このパルスレーザ光3を周回する周回路5内に閉じ込めて、周回路内の衝突点2aを繰り返し通過させるようになっている。
この図において、レーザ光周回装置20は、偏光ビームスプリッタ22、複数(この図で3枚)の反射ミラー24、ポッケルスセル26、および制御装置(図示せず)を備える。
偏光ビームスプリッタ22は、第1直線偏光3a(p偏光)をそのまま通し、これに直交する第2直線偏光3b(S偏光)を直角に反射する。
3枚の反射ミラー24は、偏光ビームスプリッタ22を出たパルスレーザ光3を複数回(この例では3回)反射して、偏光ビームスプリッタ22に周回させ周回路5を構成する。
ポッケルスセル26は、周回路5内の偏光ビームスプリッタ22の下流側に位置し、電圧の印加時に通過する偏光の偏光方向を90度回転する。ポッケルスセルは、光ビームの偏光方向を素早くスイッチングできる非線形光学結晶である。
制御装置(図示せず)は、偏光ビームスプリッタ22に周回して入るパルスレーザ光3が常に第2直線偏光3b(S偏光)となるようにポッケルスセル24を制御する。
図2は、本発明の波長変更装置の第1実施形態図である。
本発明の波長変更装置は、電子ビーム1とレーザ光3とを衝突させて逆コンプトン散乱によりX線4を発生させる上述したX線発生装置の波長変更装置である。
この図において、本発明の波長変更装置は、電子ビーム1とレーザ光3の所定の衝突点2aにおける衝突角θを調整する衝突角調整装置30を備える。ここで衝突角θは、電子ビーム1とレーザ光3が正面衝突する場合を0°とする。
この例において、衝突角調整装置30は、レーザ導入ミラー32、レーザ導出ミラー34、導入ミラー制御装置36および導出ミラー制御装置38を備える。
レーザ導入ミラー32は、レーザ光3を所定の衝突点2aに向けて反射する。また、図示しない集光レンズにより、レーザ光3を所定の衝突点2aに集光させるようになっている。
レーザ導出ミラー34は、所定の衝突点2aを通過したレーザ光3を衝突軌道外に向けて反射する。
導入ミラー制御装置36は、電子ビーム1とレーザ光3の所望の衝突角θに応じて衝突点2の位置を維持するようにレーザ導入ミラー32の位置(X,Y,Z)及び向き(α、β)を制御する。ここで、X,Y,Zは直交座標上の変位であり、Xは衝突軌道上の変位、Yはこれに直交する周回路上の変位、Zは紙面に直交する周回路上の変位である。また、αはZ軸まわりの回転、βはX軸まわりの回転である。
導出ミラー制御装置38は、電子ビーム1とレーザ光3の所望の衝突角θに応じてレーザ光3の反射光路(偏光ビームスプリッタ22に向かう光路)を維持するようにレーザ導出ミラー34の位置(X,Y,Z)及び向き(α、β)を制御する。
なお、導入ミラー制御装置36と導出ミラー制御装置38は、一体の制御装置であってもよく、或いは別の制御装置であって相互にデータを交信してもよい。
上述した構成により、レーザ光周回装置20により、パルスレーザ光3を周回する周回路5内に閉じ込めて、周回路内の衝突点2aを繰り返し通過させながら、衝突角調整装置30により、電子ビーム1とレーザ光3の所定の衝突点2aにおける衝突角θを任意に調整して、発生する単色硬X線の波長を任意に調整できる。
また、衝突角θを0°に設定することにより、電子ビーム1とレーザ光3の正面衝突が実現できるので、衝突確率が高くX線の発生出力を高めることができる。
なお、本発明において、レーザ光周回装置20によるパルスレーザ光3の周回は必須ではなく、レーザ導出ミラー34と導出ミラー制御装置38を省略することもできる。
図3は、本発明の波長変更装置の第2実施形態図である。
この図において、本発明の波長変更装置は、電子ビーム1とレーザ光3の所定の衝突点2aにおける衝突角を調整する衝突角調整装置40を備える。
この例において、衝突角調整装置40は、入射偏向磁石42、出射偏向磁石44、入射偏向磁石制御装置46および出射偏向磁石制御装置48を備える。
入射偏向磁石42は、電子ビーム1を所定の衝突点2aに向けて偏向させる。また、図示しないQ−磁石により、電子ビーム1を所定の衝突点2aに集束させるようになっている。
出射偏向磁石44は、所定の衝突点2aを通過した電子ビーム1を衝突軌道外に向けて偏向させる。
入射偏向磁石制御装置46は、電子ビーム1とレーザ光3の所望の衝突角に応じて衝突点2aの位置を維持するように入射偏向磁石42を制御する。
出射偏向磁石制御装置48は、電子ビームとレーザ光の所望の衝突角θに応じて電子ビーム1の出射軌道を維持するように出射偏向磁石44を制御する。
なお、入射偏向磁石制御装置46と出射偏向磁石制御装置48は、一体の制御装置であってもよく、或いは別の制御装置であって相互にデータを交信してもよい。
この例において、レーザ発生装置29から出たレーザ光3は、反射ミラー24とレーザ導入ミラー32により、所定の衝突点2aに向けて入射する。また、図示しない集光レンズにより、レーザ光3を所定の衝突点2aに集光させるようになっている。
なお、本発明はこの構成に限定されず、図2と同様にレーザ光周回装置20および衝突角調整装置30を備えてもよい。
上述した構成により、衝突角調整装置40により、電子ビーム1とレーザ光3の所定の衝突点2aにおける衝突角θを任意に調整して、発生する単色硬X線の波長を任意に調整できる。
また、衝突角θを0°に設定することにより、電子ビーム1とレーザ光3の正面衝突が実現できるので、衝突確率が高くX線の発生出力を高めることができる。
本発明の波長変更方法は、電子ビーム1とレーザ光3とを衝突させて逆コンプトン散乱によりX線4を発生させるX線発生装置の波長変更方法である。
上述した装置を用い、本発明の方法では、電子ビーム1とレーザ光3の所定の衝突点2aにおける衝突角θを調整する。
図4は本発明の原理図である。以下、この図を用いてコンプトン散乱における電子ビームとレーザ光の衝突角度とX線エネルギー(波長)の関係を説明する。
コンプトンは、この図のように、入射したX線が「粒子」として電子に衝突し散乱されると考える。入射X線の「粒子」のエネルギーをhν、運動量をhν/cとし、散乱角θの方向に散乱されたX線の「粒子」のエネルギーをhν’、運動量をhν’/cとし、衝突された電子(質量m)(反跳電子)も跳ね飛ばされるため、その運動量をmvとする。
図4Aはコンプトン散乱におけるエネルギーと運動量の関係図である。また図4Bはそのときの運動量保存則を表す図である。
運動量保存則(図4B)から数1の式(1)が成り立つことがわかる。ここで、ν ≒ν’であるため、式(2)が成り立ち、これを式(1)に代入すると、式(3)となる。
一方,エネルギー保存則から、式(4)が成り立つ。従って、角度θの方向に散乱される波長λ’と入射X線の波長λとの差Δλは式(5)となる。
Figure 2009016119
式(5)から、散乱角θが大きくなるに従って、散乱X線の波長は長くなることになる。X線の波長とエネルギーの関係はE[keV]≒1.24/λ[mm]である。
従って、散乱角θが大きくなるに従って散乱X線のエネルギーは低くなる。
図5は上述した原理に基づく衝突角度θとX線エネルギー(波長)の関係図である。この図において、横軸は入射光子のエネルギー、縦軸は散乱光子のエネルギー、図中の各曲線は衝突角度θ(θ=0〜180°)に対応する。
この図から、例えば入射光子のエネルギーを50MeVに維持した場合でも、衝突角度θをθ=0〜15°の範囲で変化させることで、散乱光子のエネルギーは約10〜50MeVの範囲で連続的に変化することがわかる。
上述したように、本発明の装置および方法によれば、衝突角調整装置30,40により、電子ビーム1とレーザ光3の所定の衝突点2aにおける衝突角θを調整するので、発生する単色硬X線の波長を任意に調整できる。
また、電子ビーム1とレーザ光3の正面衝突ができるので、衝突確率が高くX線の発生出力を高めることができる。
また、本発明の好ましい実施形態によれば、衝突角調整装置30,40は、レーザ導入ミラー32と導入ミラー制御装置36で構成され、或いは入射偏向磁石42と入射偏向磁石制御装置46で構成されるため、高周波の調整や電子ビーム軌道の変化が少なく、かつレーザ本体およびレーザ光路を追加することなく発生するX線のエネルギーおよびその波長を変化させることができる。
従って、本発明は、電子ビーム1とレーザ光3の衝突軌道において電子ビームとレーザ光の衝突角θを調整することによって発生する単色硬X線の波長を任意に調整できるため、低コスト、システムの小型化が期待できる。
また、本発明により複数のレーザ装置やレーザ光路の準備や、ビームエネルギーを調整することなく、単色硬X線の波長を調整することができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々に変更することができることは勿論である。
本発明による波長変更装置を備えたX線発生装置の全体構成図である。 本発明の波長変更装置の第1実施形態図である。 本発明の波長変更装置の第2実施形態図である。 本発明の原理図である。 衝突角度θとX線エネルギー(波長)の関係図である。 非特許文献1の「小型X線発生装置」の構成図である。 特許文献1の「レーザ逆コンプトン光生成装置」の構成図である。 特許文献2の「多色X線発生装置」の構成図である。
符号の説明
1 パルス電子ビーム、2 直線軌道、2a 衝突点、
3 パルスレーザ光、4 X線、5 周回路、
10 電子ビーム発生装置、11 RF電子銃、
12 α‐磁石、13 加速管、14 ベンディング磁石、
15 Q−磁石、16 減速管、17 ビームダンプ、
20 レーザ光周回装置、22 偏光ビームスプリッタ、
24 反射ミラー、26 ポッケルスセル、
29 レーザ発生装置、
30 衝突角調整装置、
32 レーザ導入ミラー、34 レーザ導出ミラー、
36 導入ミラー制御装置、38 導出ミラー制御装置、
40 衝突角調整装置、
42 入射偏向磁石、44 出射偏向磁石、
46 入射偏向磁石制御装置、48 出射偏向磁石制御装置

Claims (6)

  1. 電子ビームとレーザ光とを衝突させて逆コンプトン散乱によりX線を発生させるX線発生装置の波長変更装置であって、
    電子ビームとレーザ光の所定の衝突点における衝突角を調整する衝突角調整装置を備えた、ことを特徴とするX線発生装置の波長変更装置。
  2. 前記衝突角調整装置は、レーザ光を所定の衝突点に向けて反射するレーザ導入ミラーと、電子ビームとレーザの所望の衝突角に応じて前記衝突点を維持するように前記レーザ導入ミラーの位置及び向きを制御する導入ミラー制御装置とを備える、ことを特徴とする請求項1に記載のX線発生装置の波長変更装置。
  3. 前記衝突角調整装置は、所定の衝突点を通過したレーザ光を衝突軌道外に向けて反射するレーザ導出ミラーと、電子ビームとレーザ光の所望の衝突角に応じてレーザ光の反射光路を維持するように前記レーザ導出ミラーの位置及び向きを制御する導出ミラー制御装置とを備える、ことを特徴とする請求項2に記載のX線発生装置の波長変更装置。
  4. 前記衝突角調整装置は、電子ビームを所定の衝突点に向けて偏向させる入射偏向磁石と、電子ビームとレーザ光の所望の衝突角に応じて前記衝突点を維持するように前記入射偏向磁石を制御する入射偏向磁石制御装置とを備える、ことを特徴とする請求項1に記載のX線発生装置の波長変更装置。
  5. 前記衝突角調整装置は、所定の衝突点を通過した電子ビームを衝突軌道外に向けて偏向させる出射偏向磁石と、電子ビームとレーザ光の所望の衝突角に応じて電子ビームの出射軌道を維持するように前記出射偏向磁石を制御する出射偏向磁石制御装置とを備える、ことを特徴とする請求項4に記載のX線発生装置の波長変更装置。
  6. 電子ビームとレーザ光とを衝突させて逆コンプトン散乱によりX線を発生させるX線発生装置の波長変更方法であって、
    電子ビームとレーザ光の所定の衝突点における衝突角を調整する、ことを特徴とするX線発生装置の波長変更方法。
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