JP2012078359A - X線計測装置及びx線計測方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】X線検出データのうち、衝突点9においてX線4が発生している時に対応する検出データを有効化し、その他のデータを無効化して、X線波形を生成する。例えば、レーザ光3がパルスレーザ光であり、電子ビーム1が連続状又はパルスレーザ光のパルス幅と同じかそれより長いパルス幅をもつパルス状の電子ビームである場合は、レーザ光3を検出し、X線検出データとレーザ光検出データとを、衝突点9に関して時間軸を一致させて乗算して、X線波形を生成する。
【選択図】図1
Description
このようなX線発生装置の一例として、下記特許文献1に開示されたものを図6に示す。図6に示すX線発生装置は、パルス電子ビーム51を加速して所定の直線軌道50を通過させる電子ビーム発生装置52と、パルスレーザ光66を発生するレーザ発生装置53と、電子ビーム発生装置52とレーザ発生装置53の同期をとる同期装置54と、パルスレーザ光66を直線軌道50上にパルス電子ビーム51に対向して導入するレーザ光導入装置55とを備えている。電子ビーム発生装置52は、RF電子銃56、α‐磁石57、加速管58、偏向磁石59、減速管60、およびビームダンプ61を有する。レーザ発生装置53は、レーザ制御装置62とパルスレーザ装置63を有する。レーザ導入装置55は、第1ミラー64と第2ミラー65を有する。このように構成されたX線発生装置においては、電子ビーム51とレーザ光66を衝突点67で衝突させることにより単色硬X線68を発生させる。
上述したX線発生装置においては、逆コンプトン散乱により発生したX線68のほか、制動放射により発生したX線74や電子ビーム51がダクト57に衝突した際に発生したX線などがノイズとして存在し、これらのノイズを除去するためにX線検出器71の周囲にコリメータ75や遮蔽体76を設置していた。このようなノイズX線を遮蔽するための遮蔽体76は大きくせざるを得ないため、X線検出器71の周辺の小型化が困難であり、結果として装置全体が大型化するという問題がある。また、コリメータ75や遮蔽体76によっても、逆コンプトン散乱によって発生したX線68と同じ向きでX線検出器に入射するノイズX線は除去できないため、S/N比が悪化するという問題がある。
本発明は、電子ビームとレーザ光を所定の衝突点で衝突させて逆コンプトン散乱により発生させたX線を計測するX線計測装置であって、X線を検出するX線検出器と、該X線検出器からのX線検出データに基づいてX線波形を生成するX線計測器とを備え、前記X線計測器は、前記X線検出器からのX線検出データのうち、衝突点においてX線が発生している時に対応する検出データを有効化し、その他のデータを無効化して、X線波形を生成する、ことを特徴とする。
また、本発明は、電子ビームとレーザ光を所定の衝突点で衝突させて逆コンプトン散乱により発生させたX線を計測するX線計測方法であって、X線を検出し、得られたX線検出データのうち、衝突点においてX線が発生している時に対応する検出データを有効化し、その他のデータを無効化して、X線波形を生成する、ことを特徴とする。
また、上記のX線計測方法において、前記レーザ光はパルスレーザ光であり、前記電子ビームは連続状又はパルスレーザ光のパルス幅と同じかそれより長いパルス幅をもつパルス状の電子ビームであり、前記レーザ光を検出し、前記X線検出データとレーザ光検出データとを、衝突点に関して時間軸を一致させて乗算して、X線波形を生成する。
また、上記のX線計測方法において、前記レーザ光はパルスレーザ光であり、前記電子ビームは連続状又はパルスレーザ光のパルス幅と同じかそれより長いパルス幅をもつパルス状の電子ビームであり、前記X線検出器からのX線検出データのうち、前記レーザ光が衝突点を通過している時の検出データ以外の検出データを除去してX線波形を生成する。
また、上記のX線計測方法において、前記電子ビームはパルス状の電子ビームであり、前記レーザ光は連続レーザ光又は電子ビームのパルス幅と同じかそれより長いパルス幅をもつパルスレーザ光であり、前記電子ビームの通過を検出し、前記X線検出データとビーム検出データとを、衝突点に関して時間軸を一致させて乗算して、X線波形を生成する。
また、上記のX線計測方法において、前記電子ビームはパルス状の電子ビームであり、前記レーザ光は連続レーザ光又は電子ビームのパルス幅と同じかそれより長いパルス幅をもつパルスレーザ光であり、前記X線検出器からのX線検出データのうち、前記電子ビームが衝突点を通過している時の検出データ以外の検出データを除去してX線波形を生成する。
また、本発明は、電子ビームとレーザ光を所定の衝突点で衝突させて逆コンプトン散乱により発生させたX線を計測するX線計測方法であって、前記衝突点で発生したX線がX線検出器に入射している時のみX線を検出し、得られたX線検出データに基づいてX線波形を生成する。
図1は、本発明の第1実施形態にかかるX線計測装置を備えたX線発生装置の全体構成図である。このX線発生装置は、電子ビーム発生装置10、レーザ光周回装置20、レーザ発生装置28、同期装置29及びX線計測装置30を備え、電子ビーム1とパルスレーザ光3とを衝突させて逆コンプトン散乱によりX線4を発生させ、発生させたX線をX線計測装置30で計測する装置である。
この例において、電子ビーム発生装置10は、RF電子銃11、α‐磁石12、加速管13、偏向磁石14、Q−磁石15、減速管16、およびビームダンプ17を備える。
なお、電子ビーム1とレーザ光3が共にパルス状である場合は、両者のパルス幅は同じであってもよい。
3枚の反射ミラー24a,24b,24cは、偏光ビームスプリッタ22を出たパルスレーザ光3を複数回(この例では3回)反射して、偏光ビームスプリッタ22に周回させ周回路5を構成する。
制御装置(図示せず)は、偏光ビームスプリッタ22に周回して入るパルスレーザ光3が常に第2直線偏光(S偏光)となるようにポッケルスセル24を制御する。
なお、本発明において、上述したレーザ光周回装置20は不可欠ではなく、これを省略し、パルスレーザ光3をワンスルーで用いてもよい。
X線計測器36は、X線検出器34からのX線検出データのうち、衝突点9においてX線4が発生している時に対応する検出データを有効化し、その他のデータを無効化して、X線波形を生成する。
以下、本発明のX線計測装置30について、より具体的に説明する。
図2に示すように本実施形態のX線計測装置30は、さらに、レーザ光3を検出するレーザ光検出器35を備えている。レーザ光検出器35としては、バイプラナ光電管などを用いることができる。レーザ光検出器35は、図2に示すように、例えば反射ミラー24cの背面側に設置され、反射ミラー24cに入射したレーザ光3のうち反射されずに透過したレーザ光3を検出する。レーザ光検出器35からの山形の信号は、ディスクリミネータ37によってある閾値を基準に矩形信号に変換されてX線計測器36に入力される。
図4は、本発明の第2実施形態にかかるX線計測装置30の構成図である。
本実施形態のX線計測装置30を備えるX線発生装置は、第1実施形態において説明した構成と基本的には同様であるが、本実施形態のX線計測装置30を備えるX線発生装置では、電子ビーム1はパルス状の電子ビーム1であり、レーザ光3は連続レーザ光又は電子ビーム1のパルス幅と同じかそれよりも長いパルス幅をもつパルスレーザ光である。
ビーム検出器38からの山形の信号は、ディスクリミネータ37によってある閾値を基準に矩形信号に変換されてX線計測器36に入力される。
図5は、本発明の第3実施形態にかかるX線計測装置30の構成図である。
本実施形態のX線計測装置30は、X線を検出するX線検出器34と、X線検出器34からのX線検出データに基づいてX線波形を生成するX線計測器36と、X線検出器34を制御する検出器制御装置39と、を備える。
検出器制御装置39は、衝突点9で発生したX線4がX線検出器34に入射する時のみX線4を検出するようにX線検出器34を制御する。
本実施形態において、レーザ光3と電子ビーム1は、パルス状、連続状のいずれでもよい。
検出器制御装置39には上記の同期信号dが入力されるようになっており、この同期信号dに基づいて、衝突点9で発生したX線4がX線検出器34に入射する時を演算し、衝突点9で発生したX線4がX線検出器34に入射する時のみX線4を検出するようにX線検出器34を制御する。
検出器制御装置39には上記の同期信号dが入力されるようになっており、この同期信号に基づいて、衝突点9で発生したX線4がX線検出器34に入射する時を演算し、衝突点9で発生したX線4がX線検出器34に入射する時のみX線4を検出するようにX線検出器34を制御する。
したがって、本実施形態によれば、遮蔽体を少なくする、または無くしても、良いS/N比でX線4を計測することができる。また、遮蔽体を少なくすることで、X線検出器34の周辺をコンパクトに設計でき、装置全体の小型化が可能となる。
参考例は、電子ビームとレーザ光を所定の衝突点で衝突させて逆コンプトン散乱により発生させたX線を計測するX線計測装置であって、X線を検出するX線検出器と、該X線検出器からのX線検出データに基づいてX線波形を生成するX線計測器とを備え、前記X線計測器は、前記X線検出器からのX線検出データのうち、衝突点においてX線が発生している時に対応する検出データを有効化し、その他のデータを無効化して、X線波形を生成する、ことを特徴とする。
また、参考例は、電子ビームとレーザ光を所定の衝突点で衝突させて逆コンプトン散乱により発生させたX線を計測するX線計測方法であって、X線を検出し、得られたX線検出データのうち、衝突点においてX線が発生している時に対応する検出データを有効化し、その他のデータを無効化して、X線波形を生成する、ことを特徴とする。
図1は、第1の参考例にかかるX線計測装置を備えたX線発生装置の全体構成図である。このX線発生装置は、電子ビーム発生装置10、レーザ光周回装置20、レーザ発生装置28、同期装置29及びX線計測装置30を備え、電子ビーム1とパルスレーザ光3とを衝突させて逆コンプトン散乱によりX線4を発生させ、発生させたX線をX線計測装置30で計測する装置である。
なお、上述したレーザ光周回装置20は不可欠ではなく、これを省略し、パルスレーザ光3をワンスルーで用いてもよい。
以下、X線計測装置30について、より具体的に説明する。
図2に示すように本参考例のX線計測装置30は、さらに、レーザ光3を検出するレーザ光検出器35を備えている。レーザ光検出器35としては、バイプラナ光電管などを用いることができる。レーザ光検出器35は、図2に示すように、例えば反射ミラー24cの背面側に設置され、反射ミラー24cに入射したレーザ光3のうち反射されずに透過したレーザ光3を検出する。レーザ光検出器35からの山形の信号は、ディスクリミネータ37によってある閾値を基準に矩形信号に変換されてX線計測器36に入力される。
図4は、第2の参考例にかかるX線計測装置30の構成図である。
本参考例のX線計測装置30を備えるX線発生装置は、第1の参考例において説明した構成と基本的には同様であるが、本参考例のX線計測装置30を備えるX線発生装置では、電子ビーム1はパルス状の電子ビーム1であり、レーザ光3は連続レーザ光又は電子ビーム1のパルス幅と同じかそれよりも長いパルス幅をもつパルスレーザ光である。
ビーム検出器38からの山形の信号は、ディスクリミネータ37によってある閾値を基準に矩形信号に変換されてX線計測器36に入力される。
図5は、本発明の実施形態にかかるX線計測装置30の構成図である。
本実施形態のX線計測装置30は、X線を検出するX線検出器34と、X線検出器34からのX線検出データに基づいてX線波形を生成するX線計測器36と、X線検出器34を制御する検出器制御装置39と、を備える。
検出器制御装置39は、衝突点9で発生したX線4がX線検出器34に入射する時のみX線4を検出するようにX線検出器34を制御する。
本実施形態において、レーザ光3と電子ビーム1は、パルス状、連続状のいずれでもよい。
Claims (12)
- 電子ビームとレーザ光を所定の衝突点で衝突させて逆コンプトン散乱により発生させたX線を計測するX線計測装置であって、
X線を検出するX線検出器と、該X線検出器からのX線検出データに基づいてX線波形を生成するX線計測器とを備え、
前記X線計測器は、前記X線検出器からのX線検出データのうち、衝突点においてX線が発生している時に対応する検出データを有効化し、その他のデータを無効化して、X線波形を生成する、ことを特徴とするX線計測装置。 - 前記レーザ光はパルスレーザ光であり、前記電子ビームは連続状又はパルスレーザ光のパルス幅と同じかそれより長いパルス幅をもつパルス状の電子ビームであり、
前記レーザ光を検出するレーザ光検出器を備え、
前記X線計測器は、前記X線検出器からのX線検出データと前記レーザ光検出器からのレーザ光検出データとを、衝突点に関して時間軸を一致させて乗算して、X線波形を生成する、請求項1記載のX線計測装置。 - 前記レーザ光はパルスレーザ光であり、前記電子ビームは連続状又はパルスレーザ光のパルス幅と同じかそれより長いパルス幅をもつパルス状の電子ビームであり、
前記X線計測器は、前記X線検出器からのX線検出データのうち、前記レーザ光が衝突点を通過している時に対応する検出データ以外の検出データを除去してX線波形を生成する、請求項1記載のX線計測装置。 - 前記電子ビームはパルス状の電子ビームであり、前記レーザ光は連続レーザ光又は電子ビームのパルス幅と同じかそれより長いパルス幅をもつパルスレーザ光であり、
前記電子ビームの通過を検出するビーム検出器を備え、
前記X線計測器は、前記X線検出器からのX線検出データと前記ビーム検出器からのビーム検出データとを、衝突点に関して時間軸を一致させて乗算して、X線波形を生成する、請求項1記載のX線計測装置。 - 前記電子ビームはパルス状の電子ビームであり、前記レーザ光は連続レーザ光又は電子ビームのパルス幅と同じかそれより長いパルス幅をもつパルスレーザ光であり、
前記X線計測器は、前記X線検出器からのX線検出データのうち、前記電子ビームが衝突点を通過している時に対応する検出データ以外の検出データを除去してX線波形を生成する、請求項1記載のX線計測装置。 - 電子ビームとレーザ光を所定の衝突点で衝突させて逆コンプトン散乱により発生させたX線を計測するX線計測装置であって、
X線を検出するX線検出器と、該X線検出器からのX線検出データに基づいてX線波形を生成するX線計測器と、前記X線検出器を制御する検出器制御装置と、を備え、
前記検出器制御装置は、衝突点で発生したX線が前記X線検出器に入射する時のみX線を検出するように前記X線検出器を制御する、ことを特徴とするX線計測装置。 - 電子ビームとレーザ光を所定の衝突点で衝突させて逆コンプトン散乱により発生させたX線を計測するX線計測方法であって、
X線を検出し、得られたX線検出データのうち、衝突点においてX線が発生している時に対応する検出データを有効化し、その他のデータを無効化して、X線波形を生成する、ことを特徴とするX線計測方法。 - 前記レーザ光はパルスレーザ光であり、前記電子ビームは連続状又はパルスレーザ光のパルス幅と同じかそれより長いパルス幅をもつパルス状の電子ビームであり、
前記レーザ光を検出し、前記X線検出データとレーザ光検出データとを、衝突点に関して時間軸を一致させて乗算して、X線波形を生成する、請求項7記載のX線計測方法。 - 前記レーザ光はパルスレーザ光であり、前記電子ビームは連続状又はパルスレーザ光のパルス幅と同じかそれより長いパルス幅をもつパルス状の電子ビームであり、
前記X線検出器からのX線検出データのうち、前記レーザ光が衝突点を通過している時の検出データ以外の検出データを除去してX線波形を生成する、請求項7記載のX線計測方法。 - 前記電子ビームはパルス状の電子ビームであり、前記レーザ光は連続レーザ光又は電子ビームのパルス幅と同じかそれより長いパルス幅をもつパルスレーザ光であり、
前記電子ビームの通過を検出し、前記X線検出データとビーム検出データとを、衝突点に関して時間軸を一致させて乗算して、X線波形を生成する、請求項7記載のX線計測方法。 - 前記電子ビームはパルス状の電子ビームであり、前記レーザ光は連続レーザ光又は電子ビームのパルス幅と同じかそれより長いパルス幅をもつパルスレーザ光であり、
前記X線検出器からのX線検出データのうち、前記電子ビームが衝突点を通過している時の検出データ以外の検出データを除去してX線波形を生成する、請求項7記載のX線計測方法。 - 電子ビームとレーザ光を所定の衝突点で衝突させて逆コンプトン散乱により発生させたX線を計測するX線計測方法であって、
前記衝突点で発生したX線がX線検出器に入射している時のみX線を検出し、得られたX線検出データに基づいてX線波形を生成する、ことを特徴とするX線計測方法。
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