JP5454837B2 - 硬x線ビーム走査装置および方法 - Google Patents

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Description

本発明は、逆コンプトン散乱により発生する硬X線ビームの出射方向を変化させる硬X線ビーム走査装置および方法に関する。
小型の装置でX線を発生させる手段として、電子ビームとレーザ光の衝突によって逆コンプトン散乱に起因する準単色X線を得る手段が知られている(例えば、非特許文献1)。
また、逆コンプトン散乱によらない通常のX線発生装置において、X線の出射方向を変化させる手段として、例えば特許文献1〜5が既に提案されている。
非特許文献1の「小型X線発生装置」は、図5に示すように、小型の加速器61(Xバンド加速管)で加速された電子ビーム62をレーザ63と衝突させてX線64を発生させるものである。RF(Radio Frequency)電子銃65(熱RFガン)で生成された電子ビーム62はXバンド加速管61で加速され、パルスレーザ光63と衝突し、コンプトン散乱により、時間幅10nsの硬X線64が生成される。
この装置は、一般に線形加速器で用いられるSバンド(2.856GHz)の4倍の周波数にあたるXバンド(11.424GHz)をRFとして用いて小型化を図っており、例えばX線強度(光子数):約1×10photons/s、パルス幅:約10psの強力な硬X線の発生が予測されている。
特許文献1の「走査ビーム型X線画像システム」は、電子ビームを制動物質に照射して発生する制動放射X線を用いたX線発生装置である。この装置では、電子ビームで制動物質上を走査し、制動放射X線の発生点を変える。各照射点で発生する制動放射X線は、ほぼ等方的に発散するX線であるが、各照射点後方に所定の出射方向のX線のみ通過できるコリメータを設置することにより各点でのX線出射方向を規定する。
特許文献2の「X線検査装置」は、電子ビームを制動物質に照射して発生する制動放射X線を用いたX線発生装置である。発生点でのX線は、ほぼ等方的に発散するX線であるが、線源後方にピンホールあるいは線状のスリットを配置し、ペンシルビームあるいはファンビームを形成し、このスリットを機械的に走査する事で、所定の方向に出射するX線ビームを得る。
特許文献3の「微細X線ビーム走査装置」は、斜入射X線に対して高反射率を持つ物質で微細なX線導光路を形成し、この微細導光路を圧電効果素子を用いて外部からの電圧調整で変形させ、X線の走査を行う。
X線は物質表面に極めて浅い入射角度で入射すれば、ほぼ全反射される。従ってこの装置では、一回の反射では大きな偏向角度を取れないが、極浅い角度(全反射臨界角度以下での反射)を多数回行うことで、一定の偏向角度を得ることができる。
特許文献4の「X線走査装置」は、多層膜をX線ミラーとして使用し、この多層膜ミラーの角度を変えることで反射X線の出射方向を走査する。
高効率のX線ミラー(多層膜ミラー)が実現可能な軟X線領域では、この装置により、偏向・走査が可能である。
特許文献5の「マイクロビーム走査方法および走査装置」は、マイクロビーム(X線、レーザー光等)の集光点を走査する方法及び装置である。マイクロビームを集光する集光系をマイクロビームの光軸に対して、垂直な方向に駆動することにより、集光点を走査する。
X線の集光系が実現可能な軟X線領域では、可視光の偏向・走査と同様に、この手段により偏向・走査が可能である。
土橋克広、他、「Xバンドリニアックを用いた小型硬X線源の開発」、第27回リニアック技術研究会、2002
特表平11−502357号公報、「走査ビーム型X線画像システム」 特開平8−114560号公報、「X線検査装置」 特開平7−104099号公報、「微細X線ビーム走査装置」 特開平5−273400号公報、「X線走査装置」 特開平5−164987号公報、「マイクロビーム走査方法および走査装置」
本発明は、逆コンプトン散乱により発生する硬X線ビームを対象とする。
電子ビームとレーザ光の衝突相互作用(逆コンプトン散乱)を用いて発生させる硬X線ビームは、その特長として高指向性、短パルス性、準単色性等の優れた特長を有し、硬X線ビームを用いた遠隔透視の実現可能性を持っている。
しかし、その高指向性のため、発生した硬X線ビームの出射方向を変化させること、すなわち硬X線ビームの偏向・走査が困難である問題点がある。そのため、広いエリアでのX線照射を必要とする応用分野への適用が困難であった。
例えば、上述した特許文献1〜5の従来技術には以下の理由により、硬X線ビームには適用できなかった。
1 特許文献1〜5は、発生するX線の指向性が低いX線を対象としており、指向性の高い硬X線ビームには適用できない。
2 コリメータ(ピンホールあるいは線状のスリット)を使用する手段は、X線の利用効率が極めて低い。
3 特許文献3の手段は、透過性の強い硬X線ビームを高効率に反射する反射鏡を必要とし、かつ実用的な偏向角度(±数deg以上)を得るには、数十回以上の多段反射が必要となり、単一反射鏡としては高効率といえども総合効率は極めて低いものとなる。
また、偏向系サイズも巨大な物となり、X線天体望遠鏡等の大型機器には応用できても、一般産業用には適用が困難である。
4 特許文献5の手段は、現時点では硬X線ビームを対象とする高効率の光学系は存在しないため適用できない。
本発明は、上述した問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、逆コンプトン散乱により発生する硬X線ビームの出射方向を、その特性(高指向性、準単色性等)を損なうことなく変化させることができる硬X線ビーム走査装置および方法を提供することにある。
本発明によれば、電子ビームとレーザ光とを衝突させて発生する硬X線ビームの出射方向を変化させる硬X線ビーム走査装置であって、
電子ビームとレーザ光の所定の衝突点に入射する電子ビームの入射角度を変化させるビーム入射角制御装置を備える、ことを特徴とする硬X線ビーム走査装置が提供される。
本発明の好ましい実施形態によれば、前記衝突点に入射するレーザ光の入射角度を変化させるレーザ入射角制御装置と、
電子ビームとレーザ光が正面衝突するように、前記ビーム入射角制御装置とレーザ入射角制御装置を同期させて制御する衝突制御装置とを備える。
前記電子ビームはパルス電子ビームであり、前記レーザ光はパルスレーザ光である、ことが好ましい。
さらに、前記パルス電子ビームのパルス運転と同期して移動するコリメータを備える、ことが好ましい。
また、本発明によれば、電子ビームとレーザ光とを衝突させて発生する硬X線ビームの出射方向を変化させる硬X線ビーム走査方法であって、
電子ビームとレーザ光の所定の衝突点に入射する電子ビームの入射角度を変化させる、ことを特徴とする硬X線ビーム走査方法が提供される。
本発明の好ましい実施形態によれば、前記衝突点に入射するレーザ光の入射角度を変化させ、
電子ビームとレーザ光が正面衝突するように、前記ビーム入射角制御装置とレーザ入射角制御装置を同期させて制御する。
上記本発明の装置および方法によれば、ビーム入射角制御装置により、電子ビームとレーザ光の所定の衝突点に入射する電子ビームの入射角度を変化させることにより、硬X線ビームの発生方向を変化させることができる。
すなわち、電子ビームとレーザ光の衝突相互作用を用いて硬X線ビームを発生させる場合、硬X線ビームの発生方向は、ほぼ電子ビームの進行方向と一致する。従ってこの特性を利用し、ビーム入射角制御装置により、電子ビームとレーザ光の所定の衝突点に入射する電子ビームの入射角度を任意に変化させ、所望の方向に硬X線ビームを発生させることができる。
また、好ましい実施形態によれば、衝突制御装置により、ビーム入射角制御装置とレーザ入射角制御装置を同期させて制御するので、電子ビームとレーザ光の正面衝突を維持したまま、電子ビームとレーザ光の入射角度を変化させることができ、正面衝突により発生する硬X線ビームの出射方向を、その特性を損なうことなく変化させることができる。
すなわち、ビーム入射角制御装置により、所定の衝突点に入射する電子ビームの入射角度を任意に変化させ、これと同期させて、レーザ入射角制御装置により、前記衝突点に入射するレーザ光の入射角度を変化させ、衝突制御装置により、電子ビームとレーザ光の正面衝突を維持することによって、所望の方向に硬X線ビームを発生させることができる。
電子ビームとしてパルス電子ビームを用い、レーザ光としてパルスレーザ光を用い、これらのパルス運転に合わせて電子ビーム入射角度を電磁石により変えることにより、発生するパルス硬X線ビームの出射方向をパルス毎に変えることができる。
また、これらのパルス運転と同期して移動するコリメータの設置により、所望のビームサイズの短パルス、高指向性、硬X線ビームが得られる。
本発明により、所望の方向に高指向性の硬X線ビームを偏向・走査することが可能な硬X線発生装置が実現できる。
本発明により実現される走査可能な硬X線ビームは、後方散乱X線を用いた遠隔透視装置等に適用できる。
以下、本発明の好ましい実施形態を図面を参照して説明する。なお各図において、共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
図1は、本発明による第1実施形態の硬X線ビーム走査装置を備えたX線発生装置の全体構成図である。このX線発生装置は、電子ビーム発生装置10、レーザ光発生装置20および硬X線ビーム走査装置30を備え、電子ビーム1とレーザ光3とを衝突させて逆コンプトン散乱により硬X線ビーム4を発生させる装置である。
電子ビーム発生装置10は、電子ビーム1を発生し加速して、所定の直線軌道2を通過させる機能を有する。
この例において、電子ビーム発生装置10は、電子銃11、線形加速管12、入射偏向磁石13、出射偏向磁石14、真空容器15、電子ビームダンプ16、およびX線取出し窓17を備える。
電子銃11と線形加速管12は、例えばXバンド(11.424GHz)の高周波電源(図示せず)により駆動される。電子銃11は、電子ビームを発生させる装置であり、発生した電子ビーム1は、線形加速管12に入射する。
線形加速管12は、電子銃11から発生した電子ビーム1を高エネルギーに加速する装置である。この電子ビームは、例えばパルス電子ビーム1であるのが好ましい。
入射偏向磁石13と出射偏向磁石14は、電子ビーム1の軌道を磁場で曲げて所定の直線軌道2を通過させ、通過後の電子ビーム1を電子ビームダンプ16まで導く。
入射偏向磁石13は、線形加速管12から出る高エネルギー電子ビームの収束&偏向を行い、電子ビーム1とレーザ光3の衝突点5に電子ビーム1を導く装置である。
出射偏向磁石14は、所定の衝突点5を通過した電子ビーム1を衝突軌道外の電子ビームダンプ16に向けて偏向させる。
真空容器15は、電子ビーム1の通過経路全体を囲み、内部を真空に保持する。
電子ビームダンプ16は、直線軌道2を通過した後の電子ビーム1を捕捉して、放射線の漏洩を防止する。
X線取出し窓17は、X線を真空部から大気部に取り出す窓である。X線取出し窓17は、真空容器15の端部(この図で上端)に設けられ、X線の透過率の高い材料、例えばプラスチック、ガラスや透過率の高い金属(ベリリウムなど)で構成されている。
上述した電子ビーム発生装置10により、例えば、約50MeV前後、約1μs前後のパルス電子ビーム1を発生し、これを所定の直線軌道2を通過させることができる。この直線軌道2の中間位置に電子ビーム1とレーザ光3の衝突点5が設定されている。
レーザ光発生装置20は、レーザ装置21、及びレーザ反射ミラー22,23を備える。
レーザ装置21は、レーザ光3(好ましくはパルスレーザ光)を発生する。
レーザ反射ミラー22,23は、レーザ装置21で発生したレーザ光3を複数回(この例では2回)反射して、上述した所定の直線軌道2を通過させるようになっている。
また、この例でレーザ反射ミラー23は、発生した硬X線ビーム4が透過しやすいように、X線の透過率の高い材料、例えばプラスチック、ガラスや透過率の高い金属(アルミニウムなど)で構成されている。
上述したレーザ光発生装置20により、例えば、パルスレーザ光を発生し、これを所定の直線軌道2を電子ビーム1と反対向きに通過させ、衝突点5で電子ビーム1とレーザ光3を衝突させて硬X線ビーム4を発生させることができる。
硬X線ビーム走査装置30は、この例において、ビーム入射角制御装置32、ビーム出射角制御装置33、およびコリメータ34を備える。
ビーム入射角制御装置32は、電子ビーム1の所望の入射角度αに応じて衝突点5を維持するように上述した入射偏向磁石13を制御する。
ビーム出射角制御装置33は、衝突点5を通過した電子ビーム1が衝突軌道外の電子ビームダンプ16に向かうように上述した出射偏向磁石14を制御する。
コリメータ34は、X線の透過率の低い材料、例えば厚い金属板で構成され、その一部にX線の通過する穴又はスリットを有し、パルス電子ビーム1のパルス運転と同期して移動するようになっている。
上述した装置を用い、本発明の硬X線ビーム走査方法では、電子ビーム1とレーザ光3の所定の衝突点5に入射する電子ビームの入射角度αを変化させる。
上述した本発明の装置および方法によれば、ビーム入射角制御装置32により、電子ビーム1とレーザ光3の所定の衝突点5に入射する電子ビームの入射角度αを変化させることにより、硬X線ビーム4の発生方向を変化させることができる。
すなわち、電子ビームとレーザ光の衝突相互作用を用いて硬X線ビーム4を発生させる場合、硬X線ビーム4の発生方向は、ほぼ電子ビーム1の進行方向と一致する。従ってこの特性を利用し、ビーム入射角制御装置32により、電子ビームとレーザ光の所定の衝突点5に入射する電子ビームの入射角度αを任意に変化させ、所望の方向に硬X線ビーム4を発生させることができる。
図2は、本発明による第2実施形態の硬X線ビーム走査装置を備えたX線発生装置の全体構成図である。
この例において、硬X線ビーム走査装置30は、さらに、レーザ入射角制御装置36と衝突制御装置38を備える。
レーザ入射角制御装置36は、レーザ反射ミラー22,23の反射角度を変化させて、衝突点5に入射するレーザ光3の入射角度βを変化させる。
衝突制御装置38は、電子ビーム1とレーザ光3が常に正面衝突するように、ビーム入射角制御装置32とレーザ入射角制御装置36を同期させて制御する。
また電子ビーム1とレーザ光3がそれぞれパルス電子ビーム1とパルスレーザ光3である場合に、衝突制御装置38は、電子ビーム発生装置10とレーザ光発生装置20の同期をとり、パルス電子ビーム1とパルスレーザ光3のタイミングを合わせ、両者が所定の衝突点5で衝突するように制御する。
その他の構成は、図1の第1実施形態と同様である。
上述した装置を用い、本発明の硬X線ビーム走査方法では、電子ビーム1とレーザ光3の所定の衝突点5に入射する電子ビームの入射角度αを変化させ、さらに、衝突点5に入射するレーザ光3の入射角度βを変化させ、電子ビーム1とレーザ光3が正面衝突するように、ビーム入射角制御装置32とレーザ入射角制御装置36を同期させて制御する。
また、上述した本発明の第2実施形態によれば、衝突制御装置38により、ビーム入射角制御装置32とレーザ入射角制御装置36を同期させて制御するので、電子ビーム1とレーザ光3の正面衝突を維持したまま、電子ビーム1とレーザ光3の入射角度α、βを変化させることができ、正面衝突により発生する硬X線ビーム4の出射方向を、その特性を損なうことなく変化させることができる。
すなわち、ビーム入射角制御装置32により、所定の衝突点5に入射する電子ビーム1の入射角度αを任意に変化させ、これと同期させて、レーザ入射角制御装置36により、衝突点5に入射するレーザ光3の入射角度βを変化させ、衝突制御装置38により、電子ビーム1とレーザ光3の正面衝突を維持することによって、所望の方向に硬X線ビーム4を発生させることができる。
また電子ビーム1としてパルス電子ビームを用い、レーザ光3としてパルスレーザ光を用い、これらのパルス運転に合わせて電子ビーム1とレーザ光3の入射角度α、βを変えることにより、発生するパルス硬X線ビーム4の出射方向をパルス毎に変えることができる。
また、これらのパルス運転と同期して移動するコリメータ34の設置により、所望のビームサイズの短パルス、高指向性、硬X線ビームが得られる。
従って本発明により、所望の方向に高指向性の硬X線ビームを偏向・走査することが可能な硬X線発生装置が実現できる。
本発明により実現される走査可能な硬X線ビームは、後方散乱X線を用いた遠隔透視装置等に適用できる。
図3(A)は、オフセット角度ηとエネルギーシフト量との関係図であり、図3(B)はオフセット角度ηと電子ビーム1及びレーザ光3との関係図である。
図3(B)から明らかなように、オフセット角度ηは、正面衝突における電子ビーム1とレーザ光3のなす角度であり、上述した第1実施形態では、電子ビーム1の入射角度αに相当し、第2実施形態では、電子ビーム1とレーザ光3の入射角度α、βの差(=α−β)に相当する。
図3(A)からわかるように、オフセット角度ηに依存して極僅かに発生する硬X線ビーム4のエネルギーが変化するが、オフセット角度ηが0.1rad以下の範囲では、その変化は微小であり、X線透視装置等に用いるのには全く影響しない。
図4(A)は、散乱角度Θと微分散乱断面積(相対値)との関係図であり、図3(B)はオフセット角度ηと電子ビーム1及びレーザ光3との関係図である。
図4(B)から明らかなように、オフセット角度ηは、正面衝突における電子ビーム1とレーザ光3のなす角度であり、上述した第1実施形態では、電子ビーム1の入射角度αに相当し、第2実施形態では、電子ビーム1とレーザ光3の入射角度α、βの差(=α−β)に相当する。また、散乱角度Θは、硬X線ビーム4と電子ビーム1とのなす角度である。
図4(A)からわかるように、散乱角度Θが0の場合を基準として、散乱角度Θが0.002radでは、相対値で800から700まで減少する。従って、硬X線ビーム4の発生方向は、ほぼ電子ビーム1の進行方向と一致しており、かつ高指向性であることがわかる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々に変更することができることは勿論である。
本発明による第1実施形態の硬X線ビーム走査装置を備えたX線発生装置の全体構成図である。 本発明による第2実施形態の硬X線ビーム走査装置を備えたX線発生装置の全体構成図である。 オフセット角度ηとエネルギーシフト量との関係図である。 散乱角度Θと微分散乱断面積(相対値)との関係図である。 非特許文献1の「小型X線発生装置」の構成図である。
符号の説明
1 電子ビーム(パルス電子ビーム)、2 直線軌道、
3 レーザ光(パルスレーザ光)、4 硬X線ビーム、5 衝突点、
10 電子ビーム発生装置、11 電子銃、12 線形加速管、
13 入射偏向磁石、14 出射偏向磁石、15 真空容器、
16 電子ビームダンプ、17 X線取出し窓、
20 レーザ光発生装置、21 レーザ装置、
22,23 レーザ反射ミラー、
30 硬X線ビーム走査装置、32 ビーム入射角制御装置、
33 ビーム出射角制御装置、34 コリメータ、
36 レーザ入射角制御装置、38 衝突制御装置

Claims (7)

  1. 電子ビームとレーザ光とを衝突させて発生する硬X線ビームの出射方向を変化させる硬X線ビーム走査装置であって、
    電子ビームとレーザ光の所定の衝突点を維持するように当該衝突点に入射する電子ビームの入射角度を変化させるビーム入射角制御装置と、
    前記衝突点に入射するレーザ光の入射角度を変化させるレーザ入射角制御装置と、
    電子ビームとレーザ光が正面衝突するように、前記ビーム入射角制御装置と前記レーザ入射角制御装置を同期させて制御する衝突制御装置と、
    レーザ装置により発生させられたレーザ光を反射させる第1のレーザ反射ミラーと、
    第1のレーザ反射ミラーにより反射させられたレーザ光を前記衝突点へ反射させる第2のレーザ反射ミラーと、を備え、
    前記レーザ入射角制御装置は、第1および第2のレーザ反射ミラーの反射角度を変化させることにより、前記衝突点に入射するレーザ光の入射角度を変化させ、
    前記衝突制御装置は、第2のレーザ反射ミラーが、電子ビームと正面衝突する方向にレーザ光を前記衝突点へ反射させるように、前記ビーム入射角制御装置とレーザ入射角制御装置を同期させて制御する、ことを特徴とする硬X線ビーム走査装置。
  2. 電子ビームとレーザ光とを衝突させて発生する硬X線ビームの出射方向を変化させる硬X線ビーム走査装置であって、
    電子ビームとレーザ光の所定の衝突点を維持するように当該衝突点に入射する電子ビームの入射角度を変化させるビーム入射角制御装置を備え
    前記電子ビームはパルス電子ビームであり、前記レーザ光はパルスレーザ光であり、
    前記パルス電子ビームのパルス運転と同期して移動するコリメータを備える、ことを特徴とする硬X線ビーム走査装置。
  3. 前記衝突点に入射するレーザ光の入射角度を変化させるレーザ入射角制御装置と、
    電子ビームとレーザ光が正面衝突するように、前記ビーム入射角制御装置とレーザ入射角制御装置を同期させて制御する衝突制御装置とを備える、ことを特徴とする請求項に記載の硬X線ビーム走査装置。
  4. 前記ビーム入射角制御装置は、電子ビームを所定の衝突点に向けて偏向させる入射偏向磁石を、電子ビームの所望の入射角度に応じて前記衝突点を維持するように制御する、ことを特徴とする請求項2または3に記載の硬X線ビーム走査装置。
  5. 前記電子ビームはパルス電子ビームであり、前記レーザ光はパルスレーザ光である、ことを特徴とする請求項に記載の硬X線ビーム走査装置。
  6. 前記パルス電子ビームのパルス運転と同期して移動するコリメータを備える、ことを特徴とする請求項に記載の硬X線ビーム走査装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の硬X線ビーム走査装置を用いた硬X線ビーム走査方法であって、
    ビーム入射角制御装置により、電子ビームとレーザ光の所定の衝突点を維持するように当該衝突点に入射する電子ビームの入射角度を変化させる、ことを特徴とする硬X線ビーム走査方法。
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