JP2009014160A - 転がり軸受 - Google Patents
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Abstract
【課題】 外輪形状を簡素化し、高精度化を図ると共に、少なくともシール溝およびグリース溜りのいずれか一方または両方を製作可能とし、製造コストを低減することができる転がり軸受を提供する。
【解決手段】 外輪11の内周面の端部に段差部を設け、この段差部にシール溝形成部材15を嵌合し、このシール溝形成部材15にシール13を設ける。
【選択図】 図1
【解決手段】 外輪11の内周面の端部に段差部を設け、この段差部にシール溝形成部材15を嵌合し、このシール溝形成部材15にシール13を設ける。
【選択図】 図1
Description
この発明は、例えば、工作機械主軸等において適用されるシール付きアンギュラ玉軸受等に好適に用いられる技術に関する。
工作機械主軸におけるグリース潤滑時の長寿命化を図るために、シール付アンギュラ玉軸受を既に製品化している。また、高速タイプのアンギュラ玉軸受では、外輪の内周面にグリース溜り溝を形成している。
図8は、従来のシール付高速アンギュラ玉軸受の断面図であり、図9は、従来のシール付標準アンギュラ玉軸受の断面図である。本構造は、グリース貯留溝を設けた本件出願人のアンギュラ玉軸受(特許文献1)の考え方を基本とし、さらに軸受両側面にシールを設け、更なるグリース長寿命化を図った軸受である。
特開平11−108068号公報
図8は、従来のシール付高速アンギュラ玉軸受の断面図であり、図9は、従来のシール付標準アンギュラ玉軸受の断面図である。本構造は、グリース貯留溝を設けた本件出願人のアンギュラ玉軸受(特許文献1)の考え方を基本とし、さらに軸受両側面にシールを設け、更なるグリース長寿命化を図った軸受である。
従来のアンギュラ玉軸受1,2の形状は、軸受外輪に、直接グリース溜り溝3およびシール溝4を設けている。これは軸受からすれば一般的な形状に他ならない。しかし、実際の製造においては、軸受外輪は硬度を確保するために軸受鋼を熱処理する必要がある。そのため、現状の形状であるグリース溜り溝3およびシール溝4を形成する際、前記熱処理に起因するシール溝4等の変形の問題等があり、製造時の各工程における品質管理が難しく製造コストの増加になることがある。
その問題解決のためには、外輪形状をより簡素化することが望ましく、その上でグリース溜り溝およびシール溝を製作可能にした軸受外輪を提供することが重要かつ必要となる。また、外輪内周面に案内される保持器を有するアンギュラ玉軸受では、保持器案内面の潤滑が不十分であると、保持器音等の問題も発生し得る。
この発明の目的は、外輪形状を簡素化し、高精度化を図ると共に、少なくともシール溝およびグリース溜りのいずれか一方または両方を製作可能とし、製造コストを低減することができる転がり軸受を提供することである。
この発明の転がり軸受は、内外輪の間に保持器に保持された玉を介在させ、これら内輪および外輪の間の軸受空間をシールで密封する転がり軸受において、内周面にシール取付溝を有する環状のシール溝形成部材を、前記外輪の内周面の端部に嵌合し、このシール溝形成部材の前記シール取付溝に前記シールを取付けたことを特徴とする。
この構成によると、外輪素材を熱処理して必要な硬度を確保したうえで、外輪の内周面の端部に、環状のシール溝形成部材を嵌合することができる。そのため、シール溝形成部材は、熱処理に起因する変形を未然に防止することができる。前記外輪の内周面の端部に段差部を設け、この段差部に前記シール溝形成部材の外周面および一側面が嵌まり込むようにした場合、軸受外輪自体の細かい段差や溝を無くすことで、外輪形状を簡単化し、軸受外輪の製造は簡単となる。外輪に熱処理変形が生じた場合であっても、外輪形状が簡単なため、加工により修正も容易となる。したがって、従来の転がり軸受よりも、製造時の品質管理を簡単化し製造コストの低減を図ることが可能となる。
前記シール溝形成部材の内径面を、外輪内径面よりも半径方向内方に突出するように設け、これらシール溝形成部材と外輪内径面と保持器外径面とで囲まれる環状空間を、グリース溜り部としても良い。
この場合、外輪内径面にグリース溜り溝を形成する必要がなく、シール溝形成部材の一部をグリース溜りとして兼用させることができる。つまり外輪形状を簡素化しつつグリース溜り専用の部品を追加することなくグリース溜りを設けることができる。このように、外輪形状を簡素化することができると共にグリース溜りを設けることができるので、製造コストの低減を図り、軸受の高速運転を実施することが可能となる。
この場合、外輪内径面にグリース溜り溝を形成する必要がなく、シール溝形成部材の一部をグリース溜りとして兼用させることができる。つまり外輪形状を簡素化しつつグリース溜り専用の部品を追加することなくグリース溜りを設けることができる。このように、外輪形状を簡素化することができると共にグリース溜りを設けることができるので、製造コストの低減を図り、軸受の高速運転を実施することが可能となる。
前記外輪内径面に半径方向外方に凹む外輪グリース溜り溝を形成しても良い。この場合、外輪グリース溜り溝にグリースを封入することができ、潤滑信頼性を向上させることができる。
前記保持器は、保持器外径面が前記シール溝形成部材の内径面に案内されるものであっても良い。この場合、軸受の回転速度の高速化をより図ることができる。
前記保持器は、保持器外径面が前記シール溝形成部材の内径面に案内されるものであっても良い。この場合、軸受の回転速度の高速化をより図ることができる。
前記シール溝形成部材は、前記外輪の内周面の一端部および他端部に嵌合する一対の部材であり、これら一対のシール溝形成部材を、同一形状品とした場合、部品の兼用性を図り製造コストをさらに低減することができる。
前記転がり軸受はアンギュラ玉軸受であっても良い。この場合、工作機械主軸等において、グリース長寿命化を図ったアンギュラ玉軸受を実現し、工作機械の稼動率を高めることが可能となる。
前記転がり軸受はアンギュラ玉軸受であっても良い。この場合、工作機械主軸等において、グリース長寿命化を図ったアンギュラ玉軸受を実現し、工作機械の稼動率を高めることが可能となる。
この発明の転がり軸受は、内外輪の間に保持器に保持された玉を介在させ、これら内輪および外輪の間の軸受空間をシールで密封する転がり軸受において、内周面にシール取付溝を有する環状のシール溝形成部材を、前記外輪の内周面の端部に嵌合し、このシール溝形成部材の前記シール取付溝に前記シールを取付けたため、外輪形状を簡素化し、高精度化を図ると共に、少なくともシール溝およびグリース溜りのいずれか一方または両方を製作可能とし、製造コストを低減することができる。
この発明の第1の実施形態を図1ないし図3と共に説明する。この第1の実施形態に係るアンギュラ玉軸受は、例えば、工作機械主軸用等に適用される。ただし、工作機械主軸用だけに限定されるものではない。このアンギュラ玉軸受は、内輪10と外輪11との間に玉12を介在させたものであり、これら内輪10および外輪11の間の軸受空間をシール13,13で密封し、グリース潤滑で使用されるシール付高速アンギュラ玉軸受である。玉12は、保持器14によって、周方向に所定の間隔で転動自在に保持されている。内輪10の外周面および外輪11の内周面には、玉12との接触角が予め定める角度となるように、軌道溝10a,11aがそれぞれ設けられている。
保持器14は、リング状で全周において肉厚が一定となるように形成されている。この保持器14の幅方向中央に、玉12を転動可能に保持する円筒孔状のポケットPtが形成されている。この保持器14は、例えば、樹脂材料または金属製の削り出し品からなり、且つ外輪11の後述するシール溝形成部材15の内径面15aに案内されるものである。この保持器内径面14aと保持器端面14bとの角部は、全周にわたって角面取り14cが施されている。この外輪11の内周面は、円筒面状とされ、いわゆるカウンタボアは設けられていない。
シール溝形成部材15等について説明する。
図2に示すように、外輪11の内周面の両端部に段差部16,16を設け、各段差部16に環状のシール溝形成部材15を嵌合している。このシール溝形成部材15にシール13を設けている。前記シール13は、その内径側端が内輪10に近接する非接触型のシールが適用されている。
前記両端面の段差部16,16を左右対称に形成し、左右のシール溝形成部材15,15を左右対称の同一形状品としている。したがって、右側のシール溝形成部材15、段差部16についてのみ説明し、左側のシール溝形成部材15、段差部16については、右側のシール溝形成部材15等と同一の符号を付してその説明を省略する。
図2に示すように、外輪11の内周面の両端部に段差部16,16を設け、各段差部16に環状のシール溝形成部材15を嵌合している。このシール溝形成部材15にシール13を設けている。前記シール13は、その内径側端が内輪10に近接する非接触型のシールが適用されている。
前記両端面の段差部16,16を左右対称に形成し、左右のシール溝形成部材15,15を左右対称の同一形状品としている。したがって、右側のシール溝形成部材15、段差部16についてのみ説明し、左側のシール溝形成部材15、段差部16については、右側のシール溝形成部材15等と同一の符号を付してその説明を省略する。
前記段差部16は、この外輪11の端面11bに隣接し、外輪内径面11cの半径方向外方で且つ同外輪内径面11cと平行な円筒孔部16aと、この円筒孔部16aの孔底から半径方向内方に連なる底部16bとを有する。この底部16bは、いわゆるラジアル平面に沿って形成されている。前記円筒孔部16aの外径D1は、例えば、この外輪11の軌道溝11aの最深部の外径D2よりもやや半径方向外方に位置する。また、円筒孔部16aの幅方向長さh1は、この外輪11の幅方向寸法Hの例えば5分の1の長さに規定される。ただし、円筒孔部16aの外径D1および幅方向長さh1は、このような位置に限定されるものではない。
円筒孔部16aと底部16bとのコーナー部16cは、シール溝形成部材15との干渉を防ぐ丸面取りが形成されている。つまり、この段差部16のコーナー部は、シール溝形成部材15の外径面取りr1の面取り寸法よりも曲率半径を小さくしている。これにより、段差部16にシール溝形成部材の外周面および一側面が嵌まり込む。また、段差部16の円筒孔部16aに、シール溝形成部材15の外周面15bが締まり嵌めで嵌合している。さらに、シール溝形成部材15の他側面15cは外方に臨むと共に少なくとも外輪端面11bよりも幅方向に突出しないように配設される。なお、段差部16の前記丸面取りに代えて、前記コーナー部16cに非円弧状の逃げを形成してシール溝形成部材15との干渉を防ぐようにしても良い。この場合であっても、段差部16にシール溝形成部材15の外周面15bおよび一側面15dが確実に嵌まり込むうえ、シール溝形成部材15の他側面15cは少なくとも外輪端面11bよりも幅方向に突出しないように配設される。
前記シール溝形成部材15は、例えば、軸受鋼等から環状に形成され、熱処理は施されていない。ただし、シール溝形成部材15の素材は、軸受鋼に限定されるものではなく、ステンレス鋼等種々の金属材料を適用し得る。また、使用条件によっては、素材として、例えば、セラミックス、合成樹脂等の非金属材料を適用することも可能である。なお、図2(A)に示す外輪本体つまり外輪11からシール溝形成部材15を除いた部材は、所定の硬度を確保するため、素材である例えば軸受鋼等に熱処理を施している。
このシール溝形成部材15の内径面15aを、外輪内径面11cよりも半径方向内方に突出するように設け、シール溝形成部材15と外輪内径面11cと保持器外径面14dとで囲まれる環状空間を、グリース溜り部17としている。
このシール溝形成部材15の内径面15aを、外輪内径面11cよりも半径方向内方に突出するように設け、シール溝形成部材15と外輪内径面11cと保持器外径面14dとで囲まれる環状空間を、グリース溜り部17としている。
前記シール溝形成部材15の内周面には、シール13の外径側端部が嵌まり込む断面略円弧状のシール溝15eが形成されている。このシール溝形成部材15の内周面のうち、前記他側面15cに隣接する内周面部15fは、シール溝15eよりも半径方向内方でかつ外輪内径面11cよりも半径方向外方になるように形成されている。したがって、シール溝形成部材15のシール溝15eに、シール13を着脱可能に設け得る。また、シール溝形成部材15の他側面15cは、図示外のハウジングの一部、間座、または他の転がり軸受等に当接させて、抜け止め防止を図っている。
以上説明したアンギュラ玉軸受によると、前記外輪本体の素材を熱処理して必要な硬度を確保したうえで、外輪11の端面に、環状のシール溝形成部材15を嵌合することができる。このシール溝形成部材15の嵌合状態において、上記グリース溜り部17にグリースを封入することが可能となる。前記シール溝形成部材15の嵌合状態で、グリース溜り部17にグリースを封入する場合、前記円筒孔部16a、外周面15b間の嵌合面にグリースが付着することを防止することができる。
また、シール溝形成部材15の内径面15aに、図3に示す軸方向に沿ったグリース供給溝15gを形成しておき、このグリース供給溝15gからグリース溜り部17にグリースを供給することが可能である。前記グリース供給溝15gは周方向一定間隔おき又は適当間隔おきに複数形成しても良い。その後、シール溝15eにシール13を取付けることができる。このグリース供給溝15gを利用して図示外の治具を用いてシール溝形成部材15を、段差部16から容易に離脱することも可能である。
なお、上記グリース供給溝15gを形成せず、保持器内径面14aと内輪カウンタボアCBとの間にグリースを封入しておいても良い。この場合、グリース供給溝15gが不要となる分、シール溝形成部材15の製造コストの低減を図ることができる。
なお、上記グリース供給溝15gを形成せず、保持器内径面14aと内輪カウンタボアCBとの間にグリースを封入しておいても良い。この場合、グリース供給溝15gが不要となる分、シール溝形成部材15の製造コストの低減を図ることができる。
シール溝形成部材15は、熱処理を施すことなく外輪11の内周面の端部に嵌合しているため、熱処理に起因する変形を未然に防止することができる。外輪11の内周面の端部に段差部16を設け、この段差部16にシール溝形成部材15の外周面15bおよび一側面15dが嵌まり込むようにしているため、軸受外輪自体の細かい段差や溝を無くすことができる。それ故、外輪形状を簡単化し、軸受外輪の製造は簡単となる。外輪本体に熱処理変形が生じた場合であっても、この外輪本体の形状が簡単なため、加工により修正も容易となる。したがって、従来の転がり軸受よりも、製造時の品質管理を簡単化し製造コストの低減を図ることが可能となる。
前記シール溝形成部材15の内径面15aを、外輪内径面11cよりも半径方向内方に突出するように設け、これらシール溝形成部材15と外輪内径面11cと保持器外径面14dとで囲まれる環状空間を、グリース溜り部17としている。このため、外輪内径面11cにグリース溜り溝を形成する必要がなく、シール溝形成部材15の一部をグリース溜りとして兼用させることができる。つまり外輪形状を簡素化しつつグリース溜り専用の部品を追加することなくグリース溜りを設けることができる。グリース溜り部17にグリースを供給した場合、保持器音の発生を抑えることができる。前述のように、周方向一定間隔おき又は適当間隔おきに複数のグリース供給溝15gを形成した場合、さらに保持器音の発生を抑えることができる。
このように、外輪形状を簡素化することができると共にグリース溜りを設けることができるので、アンギュラ玉軸受の製造コストの低減を図り、アンギュラ玉軸受の高速運転を実施することが可能となる。また保持器14は、この保持器外径面14dがシール溝形成部材15の内径面15aに案内されるものであるため、より高速化を図ることができる。
一対のシール溝形成部材15を同一形状品としているため、部品の兼用性を図り製造コストをさらに低減することができる。
一対のシール溝形成部材15を同一形状品としているため、部品の兼用性を図り製造コストをさらに低減することができる。
次に、この発明の第2の実施形態を図4ないし図6と共に説明する。
以下の説明においては、各形態で先行する形態で説明している事項に対応している部分には同一の参照符を付し、重複する説明を略する場合がある。構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分は、先行して説明している形態と同様とする。実施の各形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施の形態同士を部分的に組合せることも可能である。
以下の説明においては、各形態で先行する形態で説明している事項に対応している部分には同一の参照符を付し、重複する説明を略する場合がある。構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分は、先行して説明している形態と同様とする。実施の各形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施の形態同士を部分的に組合せることも可能である。
この第2の実施形態に係るアンギュラ玉軸受は、外輪11の内周面にカウンタボアGCBが設けられ、内輪10の外周面は円筒面状でカウンタボアは設けられていない。保持器14は、転動体案内形式でかつ第1の実施形態の保持器よりも軸受サイズ同一とした場合に幅方向の柱幅の肉厚δを薄肉化したものが適用されている。玉12は、第1の実施形態の玉よりも軸受サイズ同一とした場合に大径のものが適用されている。このアンギュラ玉軸受によると、特に、外輪カウンタボアGCB側の内周面の右端部にシール溝形成部材15を嵌合して設けたため、外輪内周面の削り代をより少なくすることが可能となり、製造コストの低減を図ることができる。その他第1の実施形態に係るアンギュラ玉軸受と同様の構成となっており、第1の実施形態のアンギュラ玉軸受と略同様の作用、効果を奏する。
この発明の第3の実施の形態として、図7に示すように、外輪11の内周面における軌道溝11aの軸方向両側直近に、外輪グリース溜り溝11mを形成している。この外輪グリース溜り溝11mは、外輪内径面11cよりも半径方向外方に凹む環状の凹形状部を成すように形成されている。また、このアンギュラ玉軸受は、シール溝形成部材15の内径面15aを、外輪内径面11cよりも半径方向内方に所定小距離突出するように設けている。この場合、外輪グリース溜り溝11mに溜めていたグリースが、シール溝形成部材15の内径面15a、保持器外径面14d間から不所望に流出することを抑制することができる。
なお、シール溝形成部材15の内径面15aと外輪内径面11cとを同一直径に形成しても良い。逆に、シール溝形成部材15の内径面15aを、外輪内径面11cよりも半径方向外方に位置するように形成しても良い。この場合、上記グリース供給溝15gを形成することなく、外輪グリース溜り溝にグリースを容易に供給することが可能となる。その他第1の実施形態と同様の作用、効果を奏する。
第1の実施形態では、外輪11の段差部16にシール溝形成部材15を嵌合し、グリースを供給した後、シール13を取り付けているが、必ずしもこの形態に限定されるものではない。例えば、シール溝形成部材15にシール13を取り付けておき、グリースを外輪内径面11c付近に供給した後、段差部16にシール溝形成部材15を嵌合することも可能である。この場合、円筒孔部16a、外周面15b間の嵌合面にグリースが付着しない対策を講じておく必要があるが、図3で示したグリース供給溝15g等を形成する必要がなくなり、その分、製造コストの低減を図ることができる。
上記各実施形態では、転がり軸受としてアンギュラ玉軸受に適用されているが、深溝玉軸受、ころ軸受等に適用することも可能である。また、シールとしては、芯金に弾性体を覆うシール板だけでなく、鋼板をプレス成形してなるいわゆるシールド板に適用しても良い。また、アンギュラ玉軸受において、保持器の設けられない総玉のアンギュラ玉軸受に適用することも可能である。
10…内輪
11…外輪
11c…外輪内径面
11m…外輪グリース溜り溝
12…玉
13…シール
14…保持器
14d…保持器外径面
15…シール溝形成部材
15a…内径面
16…段差部
17…グリース溜り部
11…外輪
11c…外輪内径面
11m…外輪グリース溜り溝
12…玉
13…シール
14…保持器
14d…保持器外径面
15…シール溝形成部材
15a…内径面
16…段差部
17…グリース溜り部
Claims (7)
- 内外輪の間に保持器に保持された玉を介在させ、これら内輪および外輪の間の軸受空間をシールで密封する転がり軸受において、
内周面にシール取付溝を有する環状のシール溝形成部材を、前記外輪の内周面の端部に嵌合し、このシール溝形成部材の前記シール取付溝に前記シールを取付けたことを特徴とする転がり軸受。 - 請求項1において、前記外輪の内周面の端部に段差部を設け、この段差部に前記シール溝形成部材の外周面および一側面が嵌まり込む転がり軸受。
- 請求項1または請求項2において、前記シール溝形成部材の内径面を、外輪内径面よりも半径方向内方に突出するように設け、これらシール溝形成部材と外輪内径面と保持器外径面とで囲まれる環状空間を、グリース溜り部とした転がり軸受。
- 請求項1または請求項2において、前記外輪内径面に半径方向外方に凹む外輪グリース溜り溝を形成した転がり軸受。
- 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、前記保持器は、保持器外径面が前記シール溝形成部材の内径面に案内される転がり軸受。
- 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、前記シール溝形成部材は、前記外輪の内周面の一端部および他端部に嵌合する一対の部材であり、これら一対のシール溝形成部材を、同一形状品とした転がり軸受。
- 請求項1ないし請求項6のいずれか1項において、前記転がり軸受はアンギュラ玉軸受である転がり軸受。
Priority Applications (3)
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