JP2009013040A - 異物除去方法および結晶成長方法 - Google Patents

異物除去方法および結晶成長方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 坩堝内で貯留される融液の表面に浮遊する異物を、容易にしかも確実に除去する異物除去方法を提供する。
【解決手段】 シリコン原料を坩堝5内で融解させてシリコン融液3を貯留する融解工程と、シリコン融液3の表面に浮遊する異物6をシリコン融液3表面の中心部に集めて、異物6周辺のシリコン融液3表面の一部を固化させて異物固化物を形成する固化物形成工程と、固化物形成工程で形成される異物固化物を回収する固化物回収工程とを含む異物除去方法とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、結晶を成長させる原料となる固体原料を融解させた融液の表面に浮遊する異物を除去する異物除去方法に関する。また融液から結晶体を成長させる結晶成長方法に関する。
シリコン単結晶体を成長させる方法には種々の方法があるが、そのひとつにチョクラルスキ(CZ)法が挙げられる。チョクラルスキ法によってシリコン単結晶体を成長させる場合、まず固体原料であるシリコン原料を坩堝内で融解し、坩堝内にシリコン融液が貯留される。そのあと坩堝内に貯留されたシリコン融液に種結晶を浸し、坩堝および種結晶を回転させながら、徐々に種結晶を引上げることによって結晶を成長させてシリコン単結晶体を製造する。
坩堝内に貯留されるシリコン融液の表面に、シリコン原料とは異なる成分で形成される異物が浮遊することがある。この異物が成長途中の結晶体に取込まれると、異物に起因して転位が発生する。このように成長する結晶体が有転位化すると、無転位結晶の結晶体が少なくなり、製品歩留りが低下する。そのためシリコン融液の表面に浮遊する異物を除去して、結晶体を成長させる方法が提案されている。
図8は、第1の従来技術における異物除去方法を説明する図である。第1の従来技術では、結晶を成長させるシリコン融液3が貯留される坩堝5は、筐体状に形成されるメインチャンバ13内に配置される。メインチャンバ13の上壁面には、アルゴンガスなどの不活性ガスを坩堝5内に貯留されるシリコン融液3に向けて噴出する気体噴出部11が形成される。第1の従来技術によってシリコン融液3の表面に浮遊する異物6を除去して、シリコン単結晶体を成長させる場合、まず気体噴出部11からシリコン融液3の表面に向かう方向Dに向けてアルゴンガスを噴出し、シリコン融液3の表面を揺らす。このときシリコン融液3の表面に浮遊する異物6は、シリコン融液3の揺れによって坩堝5の内壁面に向けて移動し、坩堝5の内壁面に付着する。このように異物6を坩堝5の内壁面に付着させた状態で、チョクラルスキ法によってシリコン単結晶体を成長させる。
また特許文献1には、第2の従来技術である前処理工程と本工程とに分割して、シリコン単結晶体を成長させる結晶成長方法が開示されている。図9は、第2の従来技術における異物除去方法を説明する図である。第2の従来技術では、結晶を成長させるシリコン融液3が貯留される坩堝5は、筐体状に形成されるチャンバ(不図示)内に配置され、チャンバ内にはアルゴンガスが充填される。第2の従来技術では、図9(a)に示すように、まず前処理工程において、異物6が浮遊するシリコン融液3に、種結晶1を浸してシリコン単結晶7を成長させる。このとき成長したシリコン単結晶7に異物6が取込まれる。次に異物6が取込まれたシリコン単結晶7を回収したあと、チョクラルスキ法によって本工程であるシリコン単結晶体を成長させる。
特開平7−330482号公報
このように第1の従来技術および特許文献1に開示される第2の従来技術によって、シリコン融液3の表面に浮遊する異物6を除去して、結晶体を成長させることができる。しかしながら第1の従来技術では、坩堝5の内壁面に付着させた異物6が、再びシリコン融液3に戻る場合があり、異物6を除去することが不十分である。
また第2の従来技術では、図9(b)に示すように、チャンバ内に充填されるアルゴンガスは、坩堝5内に貯留されるシリコン融液3の表面の中心部から外側に向かう方向Eに流れる。そのためシリコン融液3の表面に浮遊する異物6をシリコン融液3の表面の中心部に集めることが困難であり、異物6は坩堝5の内壁面付近に浮遊する。
したがって前処理工程において、シリコン融液3に種結晶1を浸して成長させたシリコン単結晶7に異物6を取込むためには、シリコン単結晶7を坩堝5の内壁面付近まで成長させなければならず、時間がかかる。また坩堝5の内径分の大きさまで成長したシリコン単結晶7を引上げるのは、シリコン単結晶7と坩堝5の内壁面との摩擦があるため、困難である。
したがって本発明の目的は、坩堝内で貯留される融液の表面に浮遊する異物を、容易にしかも確実に除去する異物除去方法を提供することである。また坩堝内で貯留される融液から結晶体を成長させる結晶成長方法を提供することである。
本発明は、結晶を成長させる原料となる固体原料を融解させた融液の表面に浮遊する、固体原料とは異なる成分で形成される異物を除去する方法であって、
固体原料を坩堝内で融解させて融液を貯留する融解工程と、
坩堝内で貯留される融液の表面に浮遊する前記異物を融液表面の中心部に集めて、異物周辺の融液表面の一部を固化させて、異物を取込んだ異物固化物を形成する固化物形成工程と、
前記固化物形成工程で形成される異物固化物を回収する固化物回収工程とを含んで構成されることを特徴とする異物除去方法である。
また本発明は、前記融解工程では、坩堝を回転させて固体原料を坩堝内で融解させて、
前記固化物形成工程では、坩堝が回転する坩堝回転数を融解工程よりも上げて、坩堝内で貯留する融液の温度を融解工程での融液の温度よりも下げることを特徴とする。
また本発明は、前記固化物回収工程では、種結晶を固化物形成工程で形成される異物固化物に種結晶と異物固化物とが一体化するように接触させて、種結晶を引上げて、異物固化物を回収することを特徴とする。
また本発明は、前記固化物形成工程では、坩堝を回転させて異物固化物を形成して、
前記固化物回収工程では、坩堝が回転する坩堝回転数を固化物形成工程よりも下げた状態で、種結晶を固化物形成工程で形成される異物固化物に種結晶と異物固化物とが一体化するように接触させて、種結晶を引上げて、異物固化物を回収することを特徴とする。
また本発明は、固化物形成工程のあと固化物回収工程を行い、これらの工程を繰返し複数回行うことを特徴とする。
また本発明は、前記固化物回収工程では、回転させていない種結晶を固化物形成工程で形成される異物固化物に種結晶と異物固化物とが一体化するように接触させて、種結晶を引上げて、異物固化物を回収することを特徴とする。
また本発明は、結晶を成長させる原料となる固体原料の融液から結晶体を成長させる結晶成長方法であって、
固体原料を坩堝内で融解させて融液を貯留する融解工程と、
坩堝内で貯留される前記融液の表面に浮遊する前記固体原料とは異なる成分で形成される異物を融液表面の中心部に集めて、異物周辺の融液表面の一部を固化させて、異物を取込んだ異物固化物を形成する固化物形成工程と、
前記固化物形成工程で形成される異物固化物を回収する固化物回収工程と、
前記異物固化物が除去された融液から結晶体を成長させる結晶成長工程とを含んで構成されることを特徴とする結晶成長方法である。
本発明によれば、結晶体を成長させる場合、まず固体原料を坩堝内で融解させて融液を貯留する。次に融液表面に浮遊する異物を融液表面の中心部に集めて、異物周辺の融液表面の一部を固化させて、異物を取込んだ異物固化物を形成し、その異物固化物を回収する。融液表面に浮遊する異物を融液表面の中心部に集めて、異物を取込んだ異物固化物を形成するので、比較的短時間で異物固化物を形成することができる。また異物固化物は、融液表面の中心部に集められる異物を取込んで形成される固化物なので、坩堝の内壁面と接触しない状態で、融液表面の中心部付近に浮遊する。そのため異物固化物を回収するとき、異物固化物と坩堝の内壁面との間に摩擦がない状態で異物固化物を回収することができ、融液表面に浮遊する異物を容易に除去することができる。
また本発明によれば、異物を取込んだ異物固化物を形成するときの坩堝回転数を、坩堝内で固体原料を融解させて融液を貯留するときの坩堝回転数よりも上げる。そのため融液表面に浮遊する異物と、融液とに働く遠心力の違いによって、異物を融液表面の中心部に集めることができる。また異物を取込んだ異物固化物を形成するとき、坩堝内で貯留する融液の温度を、坩堝内で固体原料を融解させて融液を貯留するときの融液温度よりも下げる。そのため異物周辺の融液表面の一部をさらに短時間で固化させることができる。
また本発明によれば、種結晶を異物を取込んだ異物固化物に種結晶と異物固化物とが一体化するように接触させて、種結晶を引上げる。そのため種結晶を引上げるとともに異物固化物を回収することができる。
また本発明によれば、異物を取込んだ異物固化物を回収するとき、まず坩堝回転数を、異物固化物を形成するときの坩堝回転数よりも下げる。これによって異物を取込んだ異物固化物に働いていた遠心力が低下するので、異物固化物を融液表面の中心部に集めることができる。次に種結晶と異物固化物とが一体化するように、種結晶を異物固化物に接触させて、種結晶を引上げる。これによって種結晶を引上げるとともに、異物固化物と坩堝の内壁面との間に摩擦がない状態で異物固化物を回収することができる。
また本発明によれば、融液表面に浮遊する異物を融液表面の中心部に集めて異物を取込んだ異物固化物を形成する固化物形成工程のあと、異物を取込んだ異物固化物を回収する固化物回収工程を行い、これらの工程を繰返し複数回行う。そのため融液表面に浮遊する異物が多くても、除去されないまま残留する異物が融液表面に浮遊することを防止することができる。
また本発明によれば、異物を取込んだ異物固化物を回収するとき、回転させていない種結晶を異物固化物に種結晶と異物固化物とが一体化するように接触させて、一度融液に浸し、種結晶を引上げる。回転させていない種結晶を異物固化物に接触させるので、異物固化物に過剰な力がかからない状態で種結晶を異物固化物に接触させることができ、異物固化物の形を崩さずに種結晶と異物固化物とを一体化することができる。そのため回収されないまま残留する異物固化物が融液表面に浮遊することを防止することができる。
また本発明によれば、結晶を成長させる原料となる固体原料の融液から結晶体を成長させる場合、まず固体原料を坩堝内で融解させて融液を貯留する。次に坩堝内で貯留される融液の表面に浮遊する異物を融液表面の中心部に集めて、異物周辺の融液表面の一部を固化させて、異物を取込んだ異物固化物を形成する。そのあと異物固化物を回収して、異物固化物が除去された融液から結晶体を成長させる。そのため融液表面に浮遊する異物が成長途中の結晶体に取込まれるのを防止することができ、異物に起因して結晶体に転位が発生するのを防止することができる。したがって無転位結晶の結晶体を多く製造することができ、結晶体の製品歩留りを向上することができる。
図1は、本発明の実施の第1形態である異物除去方法を示す断面図である。実施の第1形態である異物除去方法は、固体原料を融解させた融液の表面に浮遊する異物を除去する方法である。異物除去方法は、詳細は後述するが、固体原料を坩堝内で融解させて融液を貯留する融解工程と、異物を取込んだ異物固化物を形成する固化物形成工程と、異物固化物を回収する固化物回収工程とを含んで構成される。
図2は、融液から結晶体を成長させる結晶成長装置20の構成を示す断面図である。結晶成長装置20は、たとえばシリコンなどの半導体の結晶を成長させて、結晶体を製造する装置である。本実施の形態では、結晶成長装置20は、固体原料であるシリコン原料を融解させて作成したシリコン融液3からシリコン単結晶体を製造する。
結晶成長装置20は、メインチャンバ13と、アッパーチャンバ14と、ゲートバルブ12とを含んで構成される。メインチャンバ13は、筐体状に形成され、メインチャンバ13内では、シリコン融液3からシリコン単結晶体を成長させる。メインチャンバ13には、結晶引上げ口13aと、気体排気口16と、気体噴出部11とが形成される。結晶引上げ口13aは、メインチャンバ13内で成長させるシリコン単結晶体を引上げる開口であり、メインチャンバ13の上壁面に形成される。気体排気口16は、メインチャンバ13内に存在する気体がメインチャンバ13外に排気される開口であり、排気手段(不図示)が接続され、メインチャンバ13の下壁面に形成される。気体噴出部11は、アルゴンガスなどの不活性ガスを坩堝5内に貯留されるシリコン融液3に向けて噴出する部位であり、メインチャンバ13の上壁面に形成される。
またメインチャンバ13の内部には、坩堝5と、加熱手段8と断熱材9とが配置される。坩堝5は、石英から成る内坩堝5aと、グラファイトから成る外坩堝5bとを含んで構成され、固体原料であるシリコン原料が融解されたシリコン融液3を貯留する部材である。内坩堝5aおよび外坩堝5bは、円筒状に形成され、上面から鉛直方向下方に向けて円柱状の凹所が形成される。外坩堝5bは、内坩堝5aを覆うように配置され、外坩堝5bの内壁面と内坩堝5aの外壁面とは接している。坩堝5の内側(内坩堝5aの内側)の半径は、0.1778m(7インチ)以上0.2794m(11インチ)以下に設定され、本実施の形態では、0.2286m(9インチ)である。また外坩堝5bの下壁面には、外坩堝5bの下壁面から鉛直方向下方に延びる坩堝回転軸10が固定される。坩堝5は、予め定める回転数で、坩堝回転軸10まわりに回転される。
断熱材9は、坩堝5の周囲を囲むように設けられ、坩堝5および加熱手段8からの放熱を抑制するための部材である。本実施の形態では、断熱材9は、グラファイト製である。加熱手段8は、坩堝5を加熱してシリコン原料を融解し、シリコン融液3を作成するための手段である。加熱手段8は、坩堝5の周囲を囲むように設けられる。加熱手段8は、発熱部材を含んで構成され、発熱部材に電流を流すことによって坩堝5を加熱する。本実施の形態では、発熱部材は、グラファイト製である。加熱手段8は、ヒーターパワーを投入することによって、ヒーター温度が予め定める範囲になるように構成される。ヒーターパワーPと、ヒーター温度Tとは、P=α×T(αは定数)に示される比例関係であり、ヒーターパワーを上げればヒーター温度が上昇し、それにともなって坩堝5内で貯留されるシリコン融液3の温度も上昇する。本実施の形態では、ヒーターパワーを120kWに設定したとき、ヒーター温度が1520℃以上1600℃以下の範囲となり、ヒーターパワーを92kWに設定したとき、ヒーター温度が1420℃以上1460℃以下の範囲になる。
アッパーチャンバ14は、筐体状に形成され、メインチャンバ13内で成長させたシリコン単結晶体を収容する。アッパーチャンバ14には、気体供給口15が形成される。気体供給口15は、アルゴンガスなどの不活性ガスが気体供給手段(不図示)によってアッパーチャンバ14内に供給される開口であり、アッパーチャンバ14の側壁面に形成される。気体供給口15から供給されるアルゴンガスは、結晶引上げ口13aを介してメインチャンバ13内に流入し、メインチャンバ13に形成される気体排気口16からメインチャンバ13外に排気される。本実施の形態では、アルゴンガスは、ガス流量が60L/minとなるように、気体供給口15から供給される。
アッパーチャンバ14は、メインチャンバ13の鉛直方向上方に配置され、結晶引上げ口13aを介して、メインチャンバ13と接続される。またアッパーチャンバ14の鉛直方向上方には、結晶引上げ手段(不図示)が配置され、アッパーチャンバ14の内部には、結晶引上げ手段によって回転、昇降するワイヤ2が配置される。結晶引上げ手段は、ワイヤ2を介して、ワイヤ2の先端に接続される種結晶1を引上げてシリコン単結晶体を成長させる。
ゲートバルブ12は、メインチャンバ13とアッパーチャンバ14とを仕切る開閉可能なバルブである。ゲートバルブ12は、メインチャンバ13に設けられる結晶引上げ口13aを開閉するように形成される。
図3は、シリコン融液3の表面に浮遊する異物を取込んで異物固化物を形成する様子を示す上面図である。また図4は、融解工程、固化物形成工程、固化物回収工程および結晶成長工程における、坩堝回転数およびヒーター温度の変化を示すグラフである。
(融解工程)
融解工程は、シリコン原料を坩堝5内で融解させてシリコン融液3を貯留する工程である。融解工程における設定時間は、シリコン原料が坩堝5内で完全に融解される時間として設定される。融解工程における坩堝回転数は、図4に示すように、坩堝5内でのシリコン融液3の温度均一性を考慮して、たとえば1rpm以上3rpm以下に設定される。このとき坩堝5に貯留されるシリコン融液3は、坩堝5の内壁面近傍(坩堝内側半径:0.1778m以上0.2794m以下)において、下記式(1)で導かれる周速度0.0186m/s以上0.0878m/s以下で回転する。
V=2×r×π×N÷60 …(1)
[式中、Vは周速度(m/s)、rは回転半径である坩堝5の内側半径(m)、πは円周率、Nは坩堝回転数(rpm)をそれぞれ示す。]
また融解工程におけるヒーター温度は、図4に示すように、シリコン原料の融解速度を考慮して、たとえば1520℃以上1600℃以下に設定される。
このようにしてシリコン原料を坩堝5が回転された状態で融解させて、シリコン融液3を坩堝5内に貯留するとき、図3(a)に示すように、シリコン融液3の表面に、シリコン原料とは異なる成分で形成される異物6が浮遊する場合がある。ここで異物6とは、シリコン原料に含有される不純物や、坩堝5がシリコン原料によって傷つくことで発生する坩堝破片などである。また石英から成る内坩堝5aが加熱されることによって発生する一酸化珪素(SiO)ガスが冷却されて形成される一酸化珪素析出物も異物6として挙げられる。
(固化物形成工程)
固化物形成工程は、シリコン融液3表面に浮遊する異物6をシリコン融液3表面の中心部に集めた状態で、異物6を取込んだ異物固化物4を形成する工程である。固化物形成工程における設定時間は、異物6を取込んだ異物固化物4が形成される時間として設定される。固化物形成工程における坩堝回転数は、融解工程における坩堝回転数に対して、5倍以上20倍以下となるように設定する。本実施の形態では、固化物形成工程における坩堝回転数は、図4に示すように、異物6の量、種類、大きさによって異なるが、たとえば15rpm以上20rpm以下に設定される。このとき坩堝5に貯留されるシリコン融液3は、坩堝5の内壁面近傍において、周速度0.2793m/s以上0.5852m/s以下で回転する。
固化物形成工程において、坩堝5が高速回転することで与えられる遠心力によって、シリコン融液3表面に浮遊する異物6がどの方向に向かって移動するかは、異物6の密度と関係がある。異物6の密度σがシリコン融液3の密度ρより小さい(σ<ρ)場合、異物6は、シリコン融液3表面上をシリコン融液3表面の中心部に向かって移動する。異物の密度σがシリコン融液3の密度ρより大きい(σ>ρ)場合、異物は、シリコン融液3表面上を中心部から外側に向かって移動する。また異物の密度σがシリコン融液3の密度ρと同じ(σ=ρ)場合、異物は、シリコン融液3表面上を静止する。
たとえば二酸化珪素から成る坩堝破片のような異物6の密度は、2.2g/cmであり、シリコン融液3の密度2.56g/cmより小さいので、このような異物6は、シリコン融液3表面の中心部に向かって移動する。またシリコン融液3より大きい、または同じ密度である異物は、坩堝5が高速回転する固化物形成工程では、シリコン融液3表面の中心部に集まらない。しかしながら、詳細は後述するが、シリコン融液3より大きい、または同じ密度である異物は、坩堝5の回転数を極端に下げて、異物に働いていた遠心力を急激に低下させる固化物回収工程において、シリコン融液3表面の中心部に集まる。
このように固化物形成工程における坩堝回転数を融解工程における坩堝回転数よりも上げることにより、シリコン融液3表面に浮遊する異物6と、シリコン融液3とに働く遠心力の違いによって、異物6をシリコン融液3表面の中心部に集めることができる。異物6がシリコン融液3表面の中心部に集まると、シリコン融液3の熱対流が崩れ、シリコン融液3表面の中心部の融液温度が下がる。このようにシリコン融液3表面の融液温度が下がると、図3(b)に示すように、異物6が核となって異物6周辺のシリコン融液3表面の一部が固化し、シリコン融液3表面の中心から外側に向かって固化が拡がり、異物6を取込んだ異物固化物4が形成される。
また固化物形成工程におけるヒーター温度は、融解工程におけるヒーター温度よりも下げることが好ましい。これによって異物6周辺のシリコン融液3表面の一部をさらに短時間で固化させることができる。本実施の形態では、固化物形成工程におけるヒーター温度は、図4に示すように、異物6の量、種類、大きさによって異なるが、たとえば1420℃以上1460℃以下に設定される。固化物形成工程におけるヒーター温度が1420℃未満になると、シリコン融液3表面が全面にわたって固化することがあり、ヒーター温度が1460℃を超えると、異物6周辺のシリコン融液3表面の一部を短時間で固化させる効果が低下する。
以上のようにシリコン融液3表面に浮遊する異物6をシリコン融液3表面の中心部に集めて、異物6を取込んだ異物固化物4を形成するので、比較的短時間で異物固化物4を形成することができる。また異物固化物4は、シリコン融液3表面の中心部に集められる異物6を取込んで形成される固化物なので、坩堝5の内壁面と接触しない状態で、シリコン融液3表面の中心部付近に浮遊する。また異物固化物4は、シリコン融液3表面の中心部に集まる異物6を取込んで形成されるので、シリコン融液3を必要以上に消費して固化物を形成することを防止できる。そのためシリコン単結晶体を成長させる原料となるシリコン融液3が、異物固化物4として、無駄に廃棄されるのを低減することができる。
(固化物回収工程)
固化物回収工程は、固化物形成工程で形成される異物固化物4を回収する工程である。固化物回収工程における設定時間は、異物固化物4を回収して、シリコン融液3表面から異物固化物4を除去する時間として設定される。固化物回収工程における坩堝回転数は、固化物形成工程における坩堝回転数に対して、0.05倍以上0.20倍以下となるように設定する。このように坩堝回転数を極端に下げることによって、異物固化物4に働いていた遠心力が急激に低下するので、異物固化物4をシリコン融液3表面の中心部に集めることができる。またシリコン融液3より大きい、または同じ密度であり、固化物形成工程においてシリコン融液3表面の中心部に集まらない異物も、異物に働いていた遠心力が急激に低下するので、シリコン融液3表面の中心部に集まり、異物固化物4に取込まれる。
本実施の形態では、固化物回収工程における坩堝回転数は、図4に示すように、異物6の量、種類、大きさによって異なるが、たとえば1rpm以上3rpm以下に設定され、融解工程における坩堝回転数と同じである。坩堝回転数が1rpm未満になると、坩堝5内でのシリコン融液3の温度均一性が崩れることになり、坩堝回転数が3rpmを超えると、異物固化物4をシリコン融液3表面の中心部に集める効果が低下する。
また固化物回収工程におけるヒーター温度は、図4に示すように、たとえば1420℃以上1460℃以下に設定される。
図5は、異物固化物4を回収する方法を示す断面図である。異物固化物4を回収する方法は、特に限定されないが、たとえば図5(a)に示すように、ワイヤ2の先端に設けられたシードホルダ2aに接続される種結晶1を異物固化物4に接触させた状態で、種結晶1をシリコン融液3に浸すことによって、異物固化物4を種結晶1と一体化することができる。このようにして種結晶1と一体化した異物固化物4は、種結晶1を徐々に引上げることによって回収することができる。このとき固化物形成工程で形成される異物固化物4は、シリコン融液3表面の中心部付近に浮遊するので、異物固化物4と坩堝5の内壁面との間に摩擦がない状態で異物固化物4を回収することができ、シリコン融液3表面に浮遊する異物6を容易に除去することができる。
また図5(b)に示すように、種結晶1の代わりに回収板状体19を用いることもできる。回収板状体19は、シリコンから成り、異物固化物4と接触する部位が板形状に形成される。ワイヤ2の先端に設けられたシードホルダ2aに回収板状体19を接続し、回収板状体19を異物固化物4に接触させた状態で、回収板状体19をシリコン融液3に浸す。このようにして異物固化物4を回収板状体19と一体化させる。回収板状体19と一体化した異物固化物4は、回収板状体19を徐々に引上げることによって回収することができる。回収板状体19は、異物固化物4と接触する部位が板形状であるので、種結晶1と比較して、異物固化物4と接触する面積が大きい。そのため回収板状体19は、大きな異物固化物4であっても、効率よく確実に一体化して、異物固化物4を回収することができる。
図3(c)には、シリコン融液3の表面に浮遊する炭化珪素異物17を取込んで異物固化物4を形成する様子を示す。炭化珪素異物17は、グラファイトから成る、外坩堝5b、外坩堝5bの周囲に配置される断熱材9および発熱部材に起因する炭素と、シリコンとが反応して形成される炭化珪素(SiC)で構成される異物である。この炭化珪素異物17は、特許文献1に開示される第2の従来技術のような、シリコン融液3に種結晶1を浸して成長させたシリコン単結晶7には接着せず、炭化珪素異物17をシリコン単結晶7に取込んで除去することが困難である。
本実施の形態では、シリコン融液3表面に浮遊する炭化珪素異物17を除去するとき、固化物形成工程における坩堝回転数を融解工程における坩堝回転数よりも上げ、固化物回収工程における坩堝回転数を固化物形成工程よりも下げる。これによって炭化珪素異物17は、シリコン融液3表面の中心部に集まる。このとき炭化珪素異物17が核となって、炭化珪素異物17周辺のシリコン融液3表面の一部が固化し、炭化珪素異物17を取込んだ異物固化物4が形成して、異物固化物4がシリコン融液3表面の中心部付近に浮遊する。このようにして形成した炭化珪素異物17を取込んだ異物固化物4は、種結晶1を異物固化物4に接触させた状態で、種結晶1をシリコン融液3に浸すことによって、種結晶1と一体化することができる。このようにして種結晶1と一体化した炭化珪素異物17を取込んだ異物固化物4は、種結晶1を徐々に引上げることによって回収することができる。
(結晶成長工程)
結晶成長工程は、異物固化物4が除去されたシリコン融液3からシリコン単結晶体を成長させる工程である。結晶成長工程における設定時間は、シリコン単結晶体を成長させて、シリコン単結晶体を取出すまでの時間として設定される。結晶成長工程における坩堝回転数は、図4に示すように、たとえば8rpm以上12rpm以下に設定される。このとき坩堝5に貯留されるシリコン融液3は、坩堝5の内壁面近傍において、周速度0.1490m/s以上0.3511m/s以下で回転する。また結晶成長工程におけるヒーター温度は、図4に示すように、たとえば1460℃以上1500℃以下に設定される。このように坩堝回転数およびヒーター温度を設定した状態で、シリコン融液3に種結晶1を浸し、徐々に種結晶1を引上げることによってシリコン単結晶体を成長させる。
図6は、結晶成長装置20における結晶成長方法を示すフローチャートである。結晶成長装置20における結晶成長方法を、前述の図1に示した実施の第1形態である異物除去方法を用いながら、以下に説明する。まずステップs0では、重量が60kgのシリコン原料およびドーパントを坩堝5内に充填する。次にゲートバルブ12を開放した状態で、排気手段によって、メインチャンバ13およびアッパーチャンバ14内の圧力が5Paになるまで真空排気し、メインチャンバ13およびアッパーチャンバ14内に存在する気体を、メインチャンバ13に設けられる気体排気口16を介して排気する。そのあとアルゴンガスを気体供給手段によって、ガス流量60L/minで、アッパーチャンバ14に設けられる気体供給口15から供給する。このようにしてメインチャンバ13およびアッパーチャンバ14内にアルゴンガスを充填した状態でステップs1に進み、シリコン単結晶体の製造を開始する。
ステップs1では、図1(a)に示すように、坩堝5を坩堝回転軸10まわりに、坩堝回転数が1rpmとなるように回転させる。またヒーターパワーを120kWとし、ヒーター温度が1520℃以上1600℃以下となるように設定して、坩堝5を加熱する。加熱された坩堝5から伝導する熱によって、坩堝5内に充填されたシリコン原料が融解して、シリコン融液3が坩堝5内に貯留される。このとき坩堝5内に貯留されるシリコン融液3の表面に、異物6が浮遊する。
次にステップs2では、図1(b)に示すように、ヒーターパワーを120kWから92kWに下げて、ヒーター温度が1420℃以上1460以下となるように設定し、坩堝回転数を1rpmから18rpmに上げる。このときシリコン融液3の表面に浮遊する異物6は、シリコン融液3表面の中心部に集まる。また異物6が核となって異物6周辺のシリコン融液3表面の一部が固化し、異物6を取込んだ異物固化物4が形成して、異物固化物4がシリコン融液3表面の中心部付近に浮遊する。
次にステップs3では、異物固化物4が坩堝5の内壁面と接触しないように、異物固化物4がシリコン融液3表面に対して50%程度まで拡がった時点で、坩堝回転数を18rpmから1rpmに下げる。このように坩堝回転数を急激に下げることによって、異物固化物4をさらにシリコン融液3表面の中心部に集めることができる。
次にステップs4では、図1(c)に示すように、結晶引上げ手段によって、ワイヤ2を介してワイヤ2の先端に接続される種結晶1を鉛直方向下方B方向に下降させ、種結晶1を異物固化物4に接触させた状態で、種結晶1をシリコン融液3に3秒間浸す。このようにして種結晶1と異物固化物4とが一体化する。次に図1(d)に示すように、種結晶1を徐々に鉛直方向上方C方向に引上げる。種結晶1と一体化した異物固化物4は、坩堝5の内壁面に接触せず、異物固化物4と坩堝5の内壁面との間に摩擦がない状態で引上げられる。
このとき種結晶1を回転させないで異物固化物4に接触させることが好ましい。これによって異物固化物4に過剰な力がかからない状態で種結晶1を異物固化物4に接触させることができ、異物固化物4の形を崩さずに種結晶1と異物固化物4とを一体化することができる。そのため回収されないまま残留する異物固化物4がシリコン融液3表面に浮遊することを防止することができる。
次に種結晶1の引上げを一旦停止して、種結晶1と一体化した異物固化物4をメインチャンバ13内で20分間程度待機させて、異物固化物4を冷却する。そのあと種結晶1の引上げを再開して、異物固化物4がアッパーチャンバ14内に格納された時点で、ゲートバルブ12を閉鎖してアッパーチャンバ14を密閉する。このように異物固化物4が格納されたアッパーチャンバ14内にアルゴンガスを、ガス流量60L/minで、アッパーチャンバ14に設けられる気体供給口15から供給する。アッパーチャンバ14内の圧力が大気圧となった時点で、異物固化物4をアッパーチャンバ14から取出す。
次にステップs5では、シリコン単結晶体を成長させる。シリコン単結晶体を成長させるとき、まず新しい種結晶1をワイヤ2の先端に取付けて、アッパーチャンバ14を密閉した状態で、アッパーチャンバ14内をアルゴンガスで置換する。このときメインチャンバ13内に配置される坩堝5は、坩堝5内に異物6が除去されたシリコン融液3を貯留した状態で、坩堝回転軸10まわりに、坩堝回転数が10rpmで回転している。またヒーター温度は、1480℃に設定される。
次にゲートバルブ12を開放した状態で、結晶引上げ手段によって、ワイヤ2を介してワイヤ2の先端に接続される種結晶1を回転数8rpmで回転させながら鉛直方向下方に下降させ、種結晶1をシリコン融液3に浸す。そのあと種結晶1を、結晶引上げ手段によって、徐々に鉛直方向上方に引上げて、シリコン単結晶体を成長させる。このようにしてシリコン単結晶体を成長させて、ステップs6に進む。
ステップs6では、終了するか否かを判断し、予め定められる終了条件を満足すると、ステップs7に進み、シリコン単結晶体の製造を終了する。終了条件は、成長させたシリコン単結晶体を取出すと、終了条件を満足する。シリコン単結晶体を取出すとき、ゲートバルブ12を閉鎖してアッパーチャンバ14を密閉した状態で、アルゴンガスを気体供給手段によって、ガス流量60L/minで、アッパーチャンバ14に設けられる気体供給口15から供給する。アッパーチャンバ14内の圧力が大気圧となった時点で、シリコン単結晶体をアッパーチャンバ14から取出す。またステップs6において、終了条件を満足しない場合には、ステップs1に戻り、シリコン単結晶体の製造を繰返す。
以上のように、シリコン融液3表面の中心部に浮遊した異物固化物4に種結晶1を接触させて、種結晶1を引上げる。そのため種結晶1を引上げるとともに、異物固化物4と坩堝5の内壁面との間に摩擦がない状態で異物固化物4を回収することができる。
また本実施形態の結晶成長方法によれば、シリコン融液3の表面に浮遊する異物6が成長途中のシリコン単結晶体に取込まれるのを防止することができ、異物6に起因してシリコン単結晶体に転位が発生するのを防止することができる。したがって無転位結晶のシリコン単結晶体を多く製造することができ、シリコン単結晶体の製品歩留りを向上することができる。
図7は、本発明の実施の第2形態である、異物除去を繰返し複数回行う異物除去方法を示す断面図である。実施の第2形態では、シリコン融液3表面に浮遊する異物6をシリコン融液3表面の中心部に集めて、異物6を取込んだ異物固化物4を形成する固化物形成工程のあと、異物6を取込んだ異物固化物4を回収する固化物回収工程を行い、これらの工程を繰返し複数回行う以外は、前述した実施の第1形態における異物除去方法と同様である。実施の第2形態における異物除去方法では、まず図7(a)に示すように、実施の第1形態と同様に、シリコン融液3表面の中心部に浮遊させた異物固化物4が一体化された種結晶1を、徐々に鉛直方向上方C方向に引上げる。
次に図7(b)に示すように、種結晶1の引上げを一旦停止して、坩堝回転数を1rpmから18rpmに上げる。このとき除去されないまま残留する異物6は、シリコン融液3表面の中心部に集まる。また異物6が核となって異物6周辺のシリコン融液3表面の一部が固化し、異物6を取込んだ異物固化物18が形成して、異物固化物18がシリコン融液3表面の中心部付近に浮遊する。次に坩堝回転数を18rpmから1rpmに下げて、異物固化物18をさらにシリコン融液3表面の中心部に集める。
次に図7(c)に示すように、種結晶1と一体化した異物固化物4を鉛直方向下方B方向に下降させ、異物固化物4を異物固化物18に接触させた状態で、異物固化物4をシリコン融液3に3秒間浸す。このとき異物固化物4と異物固化物18とが一体化する。
次に図7(d)に示すように、異物固化物4,18が一体化した種結晶1を徐々に鉛直方向上方C方向に引上げる。ここで除去されないまま残留する異物6がシリコン融液3の表面に浮遊している場合、固化物形成工程および固化物回収工程を繰返す。
次に種結晶1の引上げを一旦停止して、種結晶1と一体化した異物固化物4,18をメインチャンバ13内で20分間程度待機させて、異物固化物4,18を冷却する。そのあと種結晶1の引上げを再開して、異物固化物4,18がアッパーチャンバ14内に格納された時点で、ゲートバルブ12を閉鎖してアッパーチャンバ14を密閉する。このように異物固化物4,18が格納されたアッパーチャンバ14内にアルゴンガスを、ガス流量60L/minで、アッパーチャンバ14に設けられる気体供給口15から供給する。アッパーチャンバ14内の圧力が大気圧となった時点で、異物固化物4,18をアッパーチャンバ14から取出す。
このように本実施の第2形態によれば、シリコン融液3表面に浮遊する異物6をシリコン融液3表面の中心部に集めて、異物6を取込んだ異物固化物を形成する固化物形成工程のあと、異物6を取込んだ異物固化物を回収する固化物回収工程を行い、これらの工程を繰返し複数回行う。そのためシリコン融液3表面に浮遊する異物6が多くても、除去されないまま残留する異物6がシリコン融液3表面に浮遊することを防止することができる。
以上のような本実施の形態は、発明の例示に過ぎず、発明の範囲内において構成を変更することができる。たとえば坩堝5内でシリコン単結晶体を成長させる例を示した。しかしながら本発明は、これに限定するものではなく、坩堝5内で成長させる結晶としてシリコン多結晶体などを挙げることができる。またシリコンからなる結晶以外に、ゲルマニウムなどの元素半導体、ガリウム砒素などの化合物半導体を材料とする結晶が挙げられる。また成長させた結晶体は、たとえば光電変換素子の材料として用いることができる。光電変換素子としては、光を電気エネルギに変換する太陽電池やフォトダイオードなどを挙げることができ、電気エネルギを光に変換する発光ダイオードや半導体レーザなどを挙げることができる。
本発明の実施の第1形態である異物除去方法を示す断面図である。 融液から結晶体を成長させる結晶成長装置20の構成を示す断面図である。 シリコン融液3の表面に浮遊する異物を取込んで異物固化物を形成する様子を示す上面図である。 融解工程、固化物形成工程、固化物回収工程および結晶成長工程における、坩堝回転数およびヒーター温度の変化を示すグラフである。 異物固化物4を回収する方法を示す断面図である。 結晶成長装置20における結晶成長方法を示すフローチャートである。 本発明の実施の第2形態である、異物除去を繰返し複数回行う異物除去方法を示す断面図である。 第1の従来技術における異物除去方法を説明する図である。 第2の従来技術における異物除去方法を説明する図である。
符号の説明
1 種結晶
2 ワイヤ
3 シリコン融液
4,18 異物固化物
5 坩堝
6 異物
7 シリコン単結晶
8 加熱手段
9 断熱材
10 坩堝回転軸
11 気体噴出部
12 ゲートバルブ
13 メインチャンバ
14 アッパーチャンバ
15 気体供給口
16 気体排気口
17 炭化珪素異物
20 結晶成長装置

Claims (7)

  1. 結晶を成長させる原料となる固体原料を融解させた融液の表面に浮遊する、固体原料とは異なる成分で形成される異物を除去する方法であって、
    固体原料を坩堝内で融解させて融液を貯留する融解工程と、
    坩堝内で貯留される融液の表面に浮遊する前記異物を融液表面の中心部に集めて、異物周辺の融液表面の一部を固化させて、異物を取込んだ異物固化物を形成する固化物形成工程と、
    前記固化物形成工程で形成される異物固化物を回収する固化物回収工程とを含んで構成されることを特徴とする異物除去方法。
  2. 前記融解工程では、坩堝を回転させて固体原料を坩堝内で融解させて、
    前記固化物形成工程では、坩堝が回転する坩堝回転数を融解工程よりも上げて、坩堝内で貯留する融液の温度を融解工程での融液の温度よりも下げることを特徴とする請求項1に記載の異物除去方法。
  3. 前記固化物回収工程では、種結晶を固化物形成工程で形成される異物固化物に種結晶と異物固化物とが一体化するように接触させて、種結晶を引上げて、異物固化物を回収することを特徴とする請求項1または2に記載の異物除去方法。
  4. 前記固化物形成工程では、坩堝を回転させて異物固化物を形成して、
    前記固化物回収工程では、坩堝が回転する坩堝回転数を固化物形成工程よりも下げた状態で、種結晶を固化物形成工程で形成される異物固化物に種結晶と異物固化物とが一体化するように接触させて、種結晶を引上げて、異物固化物を回収することを特徴とする請求項3に記載の異物除去方法。
  5. 固化物形成工程のあと固化物回収工程を行い、これらの工程を繰返し複数回行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の異物除去方法。
  6. 前記固化物回収工程では、回転させていない種結晶を固化物形成工程で形成される異物固化物に種結晶と異物固化物とが一体化するように接触させて、種結晶を引上げて、異物固化物を回収することを特徴とする請求項3〜5のいずれか1つに記載の異物除去方法。
  7. 結晶を成長させる原料となる固体原料の融液から結晶体を成長させる結晶成長方法であって、
    固体原料を坩堝内で融解させて融液を貯留する融解工程と、
    坩堝内で貯留される前記融液の表面に浮遊する前記固体原料とは異なる成分で形成される異物を融液表面の中心部に集めて、異物周辺の融液表面の一部を固化させて、異物を取込んだ異物固化物を形成する固化物形成工程と、
    前記固化物形成工程で形成される異物固化物を回収する固化物回収工程と、
    前記異物固化物が除去された融液から結晶体を成長させる結晶成長工程とを含んで構成されることを特徴とする結晶成長方法。
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