JP4461699B2 - 単結晶の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はチョクラルスキー法により原料融液から単結晶を引上げる単結晶の製造方法に関し、さらに詳しくは、ルツボ内に残存している原料融液を固化させる際にルツボが割れるのを防ぐことができる単結晶の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
メモリやCPUなどの半導体デバイスの基板として用いられる単結晶は、例えばシリコン単結晶があり、主にチョクラルスキー法(Czochralski Method、以下CZ法と略称する)により製造されている。
【0003】
CZ法により単結晶を製造する際には、例えば図1に示すような単結晶製造装置を用いて製造される。この単結晶製造装置は、原料多結晶を収容して溶融するための部材や、熱を遮断するための断熱部材などを有しており、これらは、メインチャンバー1内に収容されている。メインチャンバー1の天井部からは上に伸びる引上げチャンバー2が連接されており、この上部に単結晶3をワイヤー13で引上げる機構(不図示)が設けられている。
【0004】
メインチャンバー1内には、原料融液4を収容する石英ルツボ5と石英ルツボ5を支持する黒鉛ルツボ6が設けられ、ルツボ5、6は駆動機構(不図示)によって回転昇降自在にシャフト16で支持されている。このルツボ5、6の駆動機構は、単結晶3の引き上げに伴う原料融液4の液面低下を補償すべく、ルツボ5、6を液面低下分だけ上昇させるようにしている。
【0005】
そして、ルツボ5、6を囲繞するように、原料を溶融させるためのヒーター7が配置されている。このヒーター7の外側には、ヒーター7からの熱がメインチャンバー1に直接輻射されるのを防止するために、断熱部材8がその周囲を取り囲むように設けられている。
【0006】
また、メインチャンバー1の内部には、引上げチャンバー2の上部に設けられたガス導入口10からアルゴンガス等の不活性ガスが導入される。導入された不活性ガスは、引上げ中の単結晶3と遮熱カット部材であるガス整流筒11との間を通過し、遮熱部材12の下部と原料融液4の液面との間を通過し、ガス流出口9から排出される。
【0007】
以上のような単結晶製造装置内に配置された石英ルツボ5に原料多結晶を収容し、ヒーター7により加熱し、石英ルツボ5内の原料多結晶を溶融させる。このように原料多結晶を溶融させたものである原料融液4に、ワイヤー13の下端に接続している種ホルダー14で固定された種結晶15を着液させ、その後、種結晶15を回転させながら引上げることにより、種結晶15の下方に所望の直径と品質を有する単結晶3を育成する。この際、種結晶15を原料融液4に着液させた後に、所望の口径になるまで太らせて、無転位の結晶を引上げている。
【0008】
そして、製品として有用な長さの単結晶を引上げた後、ルツボ内には不用な原料融液が残る。この残った原料融液は、単結晶引上げ後直ちに切電(電力=0)し、室温まで冷却して固化した後に廃棄されることとなる。
【0009】
ところで、シリコンは、固体よりも液体の比重が大きいため、液体を冷却して固化すると体積の膨張が起こる。したがって、原料融液がシリコン融液である場合、冷却過程では、まず原料融液の表面から固化して、固化した表面部分の体積が膨張する。このときルツボ内に残存する原料融液の量が多いと、体積の膨張量もおおきくなり、固化の最中にルツボ(石英ルツボ及び黒鉛ルツボ)を押し破るということが発生する。ルツボを押し破ってしまうと、内部でまだ固化していない原料融液がルツボから漏れることとなる。炉内には水冷部分があるので、原料融液が炉内に漏れてしまうと、炉内部品を損傷するとともに、高温の原料融液が水冷部を溶損してしまう可能性もある。そのため、通常は、ルツボ内に残存する原料融液の量をある程度まで減らしてから切電する必要がある。
【0010】
従来は、切電して固化させる前に、ルツボ内に残存する原料融液の量をある程度まで減らすために、余分な長さまで単結晶を引上げたり、不必要な結晶を別に引上げたりしていた。このため、生産性の低下を招いていた。
【0011】
さらに、例えば突然の停電により通常の操業が困難となった場合や単結晶製造装置が故障して操業の継続ができなくなった場合などの何らかの事情で単結晶の引上げが困難になったときなどには、ルツボ内には原料融液が多量に残存しており、これを固化すると、ルツボを破損するとともに原料融液が漏れ出して炉内部品を損傷してしまう恐れがある中での切電を余儀なくされていた。
【0012】
このようなルツボの破損を防ぐために、単結晶を引上げた後にルツボ内に残存する原料融液を固化させる工程において、該原料融液を下部から上部に向けて固化させる単結晶の製造方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。しかし、これには分割式ヒーターや冷却機構等が必要であり、単結晶製造装置が複雑で高価なものとなる恐れがある。
【0013】
また、石英ルツボに残存する原料融液を固化する前に、該原料融液を低密度炭素繊維成形体に吸収させて速やかに除去することで石英ルツボを再利用可能にする石英ルツボ回収方法が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。しかし、これは、石英ルツボの侵食、低密度炭素繊維成形体投入時の原料融液の飛散や石英ルツボへの損傷、あるいは低密度炭素繊維成形体自体からまたは投入時の大気からの汚染も懸念される。
【0014】
【特許文献1】
特開2000−16893号公報
【特許文献2】
特開2001−226190号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、CZ法により単結晶を製造する際に、ルツボ内に残存する原料融液を廃棄等するために固化しても、ルツボが割れて原料融液が漏れ出す恐れの少ない単結晶の製造方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、チョクラルスキー法により石英ルツボに収容された原料融液から単結晶を引上げる単結晶の製造方法において、前記石英ルツボ内に前記原料融液が残存したままで切電し操業を終了する際に、原料融液を加熱するヒーターの電力を一旦単結晶引上げ終了時の電力より低い電力に下げ、該電力で一定時間保持して原料融液を固化した後に切電することを特徴とする単結晶の製造方法を提供する
【0017】
このように、原料融液を加熱するヒーターの電力を一旦単結晶引上げ時の電力より低い電力に下げ、該電力で一定時間保持して原料融液を固化した後に切電することで、ルツボ内に残存する原料融液の固化を徐々に進ませることができ、したがって、表面の固化した原料融液がルツボを押し破って、その破損箇所から内側の固化していない原料融液が漏れるなどの恐れが少ない。また、原料融液の固化後に黒鉛ルツボが割れなければ、黒鉛ルツボの再利用も可能である。さらに、従来、単結晶引上げ後にルツボに残存する原料融液を固化するために、ルツボ内の原料融液がルツボが割れる恐れの少ない量になるまで余分な長さまで結晶を引上げるなどしていたが、その必要もなくなるため、生産性を高める効果もある。
【0018】
この場合、前記一定時間保持するヒーターの電力を、単結晶引上げ時の2〜9割の電力とするのが好ましい
【0019】
このように、一定時間保持するヒーターの電力を、単結晶引上げ時の2〜9割の電力とすることで、適度にルツボに残存する原料融液が冷却されるため、固化により急激に体積膨張量が大きくなることもなく、より確実にルツボを割らずに原料融液を固化することができる。
【0020】
この場合、前記固化する原料融液の重量W(g)を、前記石英ルツボの半径R(cm)から計算される断面積をA(=R2×π)(cm2)とした時、W≧8×Aの範囲とすることができる
【0021】
本発明によれば、固化する原料融液の重量W(g)が、W≧8×Aの範囲と多量の場合であっても、従来のように、ルツボが割れないように、余分な長さまで単結晶を引上げたり、不必要な単結晶を別に引上げたりして残湯量を減らす必要がなく、残存する原料融液をそのまま固化することができる。したがって、生産性を高める効果がある。
【0022】
この場合、前記ヒーターの電力を下げて保持する時間T(min)を、前記石英ルツボの半径R(cm)から計算される断面積をA(=R2×π)(cm2)とした時、T≧4.5×W/A−55の範囲とするのが好ましい
【0023】
このように、ヒーターの電力を下げて保持する時間T(min)を、T≧4.5×W/A−55の範囲とすれば、この間に原料融液の固化が徐々に進み、切電後にルツボが割れる可能性がさらに低くなる。
【0024】
この場合、前記ヒーターの電力を単結晶引上げ終了時の電力より低い電力に下げ、該電力で一定時間保持するのは、単結晶引上げ終了時の電力より低い電力で一定値に保つかあるいは単結晶引上げ終了時の電力から徐々に小さくすることで行うことができる
【0025】
このように、例えば、ヒーターの電力を、単結晶引上げ時の電力より低い電力で一定値に保つかあるいは単結晶引上げ時の電力から徐々に小さくすることで、表面にルツボが割れるような強固な固化を作らずに、徐々に固化を進めることができる。
【0026】
この場合、前記石英ルツボの直径を、500mm以上とすることができる
【0027】
本発明の単結晶の製造方法によれば、ルツボに残存する原料融液を固化する際に、特にルツボが割れる現象が多発する恐れのあった直径500mm以上の大口径のルツボであっても、ルツボが割れる恐れが少ない。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明は、チョクラルスキー法により石英ルツボに収容された原料融液から単結晶を引上げる単結晶の製造方法において、前記石英ルツボ内に前記原料融液が残存したままで切電し操業を終了する際に、原料融液を加熱するヒーターの電力を一旦単結晶引上げ時の電力より低い電力に下げ、該電力で一定時間保持して原料融液を固化した後に切電することを特徴とする単結晶の製造方法を提供する。
【0029】
前述したように、単結晶の引上げ後に、あるいは何らかの事情で単結晶の引上げが困難になった時に、ルツボに残存する原料融液の量が多いままで急激にヒーターを切電すると、最初に表面が固化し、その後下に閉じ込められた原料融液が固化するため、後で固化した部分の体積膨張量により、固化している最中に石英ルツボ及び黒鉛ルツボを押し破るという現象が発生する。しかし、原料融液を加熱するヒーターの電力を一旦単結晶引上げ時の電力より低い電力に下げ、該電力で一定時間保持して原料融液を固化した後に切電することで、徐々に融液の固化が進む。この場合、原料融液の固化は表面から進むことに変わりがないが、最初に固化する表面に強固な固化が形成されることがなく、後に固化する下の原料融液が固まって体積膨張する際に表面の固化を押し破ることができる。従って、ルツボを押し破ってしまうような事態が発生する可能性が低くなる。結果として、固化していない原料融液が黒鉛ルツボの破損箇所から漏れ出すという恐れを回避できる。
尚、ここで言う、原料融液を固化した後に切電するとは、必ずしも、残った原料融液全体をすべて固化させた後に切電する場合のみを意味するものではなく、低電力で一部の原料融液を固化させた後に切電する場合を含む。
【0030】
この時、前記一定時間保持するヒーターの電力を、単結晶引上げ時の2〜9割の電力とするのが好ましい。2割以上の電力とすれば、保温効果が十分に得られ、固化が徐々に進むために急激に体積膨張が生じることはなく、ルツボが割れる恐れが少ない。一方、9割以下の電力とすれば、ルツボに残存する原料融液の固化を進めるのに十分な冷却効果が得られる。
【0031】
尚、経験的に、単結晶引上げ後にいきなり切電してもルツボが割れる恐れが少ない原料融液の量は、石英ルツボの口径によって異なり、口径が小さい程、少なくする必要があった。この経験を具体的に数値化すると、固化する原料融液の重量W(g)を、石英ルツボの半径R(cm)から計算される断面積をA(R×π)(cm)とした時、その断面積A(cm)の8倍未満(W<8×A)としてから切電し、固化させていた。そのために、余分な長さまで単結晶を引上げたり、不必要な単結晶を別に引上げたりしていた。
【0032】
しかし、本発明では、固化する原料融液の重量W(g)が、W≧8×Aの範囲と多量の場合であっても、徐々に固化を進めることで、ルツボが割れる恐れが少なくなるので、ルツボに残存する原料融液をそのまま固化することができる。したがって、例えば品質の特性上結晶を長く引上げても製品として使うことのできないような品種などに対しては、生産性を高める効果がある。
【0033】
さらに、本発明者らは、ヒーターの電力を下げて保持する時間T(min)をどの程度とれば、より確実にルツボを割らずに切電できるのかを調査した。この調査では、石英ルツボの半径R(cm)を問わずに、残存する原料融液の重量W(g)と保持時間T(min)を振って、種々の切電を試みた。この時、印加する電力を、おおよそ単結晶引上げ時の4〜7割の電力とした。その結果を、図3に示す。
【0034】
図3では、横軸に、原料融液の重量/石英ルツボの断面積比W/A(g/cm)をとり、縦軸に、保持する時間T(min)をとった。そして、原料融液の固化後に黒鉛ルツボが割れた場合は×、割れなかった場合は○、稀に割れることがあった場合は△の印をつけてプロットした。
図3から判るように、保持する時間T(min)を、T≧4.5×W/Aの範囲とすることで、切電後に、固化した原料融液がルツボを押し破り黒鉛ルツボまでが割れる可能性をさらに低くできる。
【0035】
そして、前記ヒーターの電力を単結晶引上げ時の電力より低い電力に下げ、該電力で一定時間保持するのは、例えば、単結晶引上げ時の電力より低い電力で一定値に保つかあるいは単結晶引上げ時の電力から徐々に小さくすることとできる。
【0036】
このように、ヒーターの電力を、単結晶引上げ時の電力より低い電力で一定値に保つことで、ルツボが割れないように徐々に固化を進めることが簡単にできる。また、単結晶引上げ時の電力から徐々に小さくすることで、効果的に、ルツボが割れるような強固な固化を表面に作らずに徐々に固化を進めることができ、したがって、ルツボが割れる可能性をさらに低くすることができる。
【0037】
尚、電力を徐々に小さくするとは、例えば、単結晶引上げ時の電力から切電(電力=0)まで所定の時間で直線的に電力を下げることが挙げられ、このように直線的に電力を下げていくことでより高い効果を得ることができる。本発明で言うヒーターの電力を一旦単結晶引上げ時の電力より低い電力で一定時間保持するとは、このような徐々に電力を下げることで一定時間低い電力で保たれる場合を含む。また、例えば、先ず単結晶引上げ時の電力に対して6割の電力で所定時間一定値に保ち、続いて4割の電力に下げて所定時間一定値に保った後に切電する、といった具合に段階を踏んで電力を下げていくことも挙げられる。このように段階を踏んで電力を下げていくのは、制御系を新たに整える必要が少なく、また制御系をそれほど複雑にせずに簡単にできるという利点がある。
【0038】
近年、製造する単結晶の大口径化にともない、使用するルツボの大口径化も進んでいる。原料融液が固化した時、膨張率が一定でも膨張する距離(量)はルツボの口径が大きいほど大きくなるため、大口径のルツボほど割れやすい。しかし、本発明の単結晶の製造方法によれば、直径が500mm以上の大口径の石英ルツボであっても、ルツボに残存する原料融液の固化を徐々に進ませることができるため、黒鉛ルツボが割れる恐れが少ない。
【0039】
【実施例】
以下、本発明を実施例および比較例を挙げて具体的に説明する。
(実施例1)
図1に示した単結晶製造装置及びホットゾーン(HZ)に、直径32インチ(約800mm)の石英ルツボを装備した。そして、その石英ルツボに多結晶シリコンを300kg収容し、ヒーターにより加熱し、多結晶シリコンを溶融した。そして、シリコン融液から、CZ法を用いて直径12インチ(約300mm)のシリコン単結晶を引上げた。この時、シリコン単結晶を、品質が良好でプライム(半導体デバイスをつくることのできる品質を厳しく規定された部分)として使用できる長さまで引上げた。シリコン単結晶引上げ後の石英ルツボには多くのシリコン融液が残った。この石英ルツボに残ったシリコン融液の重量W(g)は、約130000gであった。石英ルツボの半径R(=40.64cm)から計算される断面積Aが5188.7cmであるから、これはW≧8×A(=41510)の範囲と多量であり、いきなり切電したのではルツボが破損する恐れが高い。
【0040】
そこで、シリコン単結晶の引上げ後、石英ルツボ内に残ったシリコン融液を固化するために、ヒーターの電力を、単結晶引上げ時の電力に対して6割の電力に下げた。そして、6割の電力で90分間(=T)一定に保った後、切電した(T>4.5×W/A−55(=58))。その結果、ルツボを割らずに原料融液を固化することができた。
【0041】
(実施例2)
実施例1と同様に、シリコン単結晶を引上げて、石英ルツボにシリコン融液が150000g残った。ただし、実施例1と異なり、シリコン単結晶の引上げ後、ヒーターの電力を、単結晶引上げ時の電力に対して6割の電力に下げて30分間一定に保ち、続けて4割の電力に下げて60分間一定に保った後切電した。その結果、ルツボを割らずに原料融液を固化することができた。
【0042】
(比較例1)
実施例1と同様に、シリコン単結晶を引上げて、石英ルツボにシリコン融液が130000g残った。ただし、実施例1と異なり、シリコン単結晶の引上げ後、すぐに切電した。その結果、原料融液が固化した後に石英ルツボのみならず黒鉛ルツボも割れており、再度これらのルツボを使うことはできなかった。
【0043】
(比較例2)
実施例1と同様に、シリコン単結晶を引上げた。ただし、実施例1と異なり、石英ルツボ内に残るシリコン融液の量を減らすために、品質がプライムとして満足している部分以上の長さの結晶を引上げた。そして、最終的に石英ルツボに残るシリコン融液の重量W(g)を、約40000gとした(W<8×A(=41510))。
【0044】
そして、シリコン単結晶の引上げ後、すぐに切電した。その結果、原料融液が固化した後の黒鉛ルツボは割れていなかった。しかしながら、図2から判るように、プライム部分の生産性を比較すると、実施例1の方が比較例2に対して2割近く高い結果となった。
【0045】
尚、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、CZ法により単結晶を製造する際に、ルツボ内に残存する原料融液が多くあり、これをそのまま固化する場合であっても、ルツボが割れる可能性をほとんどなくすことができる。したがって、黒鉛ルツボの再利用も可能であるし、他の炉内部品を損傷することもない。さらに、従来、単結晶引上げ後にルツボに残存する原料融液を固化するために、ルツボ内の原料融液がルツボが割れる恐れの少ない量になるまで余分な長さまで結晶を引上げるなどしていたが、その必要もなくなるため、生産性を高める効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】単結晶製造装置を示す概略図である。
【図2】実施例1及び比較例2でのプライム生産性を比較したグラフである。
【図3】保持する時間T(min)及び原料融液の重量/ルツボの断面積比W/A(g/cm)の範囲と、ルツボ割れとの関係を示したグラフである。
【符号の説明】
1…メインチャンバー、 2…引上げチャンバー、 3…単結晶、
4…原料融液、 5…石英ルツボ、 6…黒鉛ルツボ、 7…ヒーター、
8…断熱部材、 9…ガス流出口、 10…ガス導入口、
11…ガス整流筒、 12…遮熱部材、 13…ワイヤー、
14…種ホルダー、 15…種結晶、 16…シャフト。

Claims (4)

  1. チョクラルスキー法により石英ルツボに収容された原料融液から単結晶を引上げる単結晶の製造方法において、前記石英ルツボ内に前記原料融液が残存したままで切電し操業を終了する際に、原料融液を加熱するヒーターの電力を一旦単結晶引上げ終了時の2〜9割の電力に下げ、該電力で一定時間保持して原料融液を固化した後に切電し、前記保持する時間T(min)は前記石英ルツボの半径R(cm)から計算される断面積をA(=R 2 ×π)(cm 2 )とした時、T≧4.5×W/A−55の範囲とすることを特徴とする単結晶の製造方法。
  2. 前記固化する原料融液の重量W(g)を、前記石英ルツボの半径R(cm)から計算される断面積をA(=R2×π)(cm2)とした時、W≧8×Aの範囲とすることを特徴とする請求項1に記載の単結晶の製造方法。
  3. 前記ヒーターの電力を単結晶引上げ終了時の電力より低い電力に下げ、該電力で一定時間保持するのは、単結晶引上げ終了時の電力より低い電力で一定値に保つかあるいは単結晶引上げ終了時の電力から徐々に小さくすることで行うことを特徴とする請求項1又は請求項に記載の単結晶の製造方法。
  4. 前記石英ルツボの直径を、500mm以上とすることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の単結晶の製造方法。
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