JP2009010315A - 蛍光体の製造方法、発光装置および画像表示装置 - Google Patents

蛍光体の製造方法、発光装置および画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】発光スペクトル形状が光の3原色のカラーフィルタによくマッチングした第1の蛍光体の製造方法と該第1の蛍光体を含む発光装置と該発光装置を用いた画像表示装置とを提供する。
【解決手段】励起光を発する半導体発光素子と、励起光を吸収して緑色光を発する第1の蛍光体とを含む発光装置において、第1の蛍光体は、β型Si34結晶構造を有する酸窒化物の結晶の中にアルミニウム元素と、Mn、CeおよびEuから選ばれる金属元素Mとが固溶してなり、結晶中に含まれる酸素量が0.8質量%以下である固溶体を含む発光装置に関する。また、該発光装置をバックライト光源とした画像表示装置に関する。また、第1の蛍光体の製造方法に関する。
【選択図】図1

Description

本発明は、β型Si34結晶構造を有し、近紫外線または可視光により励起されることにより可視光を発する蛍光体の製造方法に関する。また、該製造方法によって製造された蛍光体を用いた、液晶ディスプレイなどのバックライト光源に適した発光装置およびそれを用いた画像表示装置に関する。
蛍光体は、蛍光表示管(VFD(Vacuum−Fluorescent Display))、フィールドエミッションディスプレイ(FED(Field Emission Display)またはSED(Surface−Conduction Electron−Emitter Display))、プラズマディスプレイパネル(PDP(Plasma Display Panel))、陰極線管(CRT(Cathode−Ray Tube))、白色発光ダイオード(LED(Light−Emitting Diode))などに用いられている。これらのいずれの用途においても、蛍光体を発光させるためには、蛍光体を励起するためのエネルギーを蛍光体に供給する必要があり、蛍光体は真空紫外線、紫外線、電子線、青色光などの高いエネルギーを有した励起光により励起されて、可視光線を発する。しかしながら、蛍光体は励起光に曝される結果、蛍光体の輝度が低下し劣化しがちであり、輝度低下の少ない蛍光体が求められている。そのため、従来のケイ酸塩蛍光体、リン酸塩蛍光体、アルミン酸塩蛍光体、硫化物蛍光体などの蛍光体に代わり、輝度低下の少ない蛍光体として、サイアロン蛍光体が提案されている。
このサイアロン蛍光体の一例は、概略以下に述べるような製造プロセスによって製造される。まず、窒化ケイ素(Si34)、窒化アルミニウム(AlN)および酸化ユーロピウム(Eu23)を所定のモル比に混合し、1気圧(0.1MPa)の窒素中において1700℃の温度で1時間保持してホットプレス法により焼成して製造される(たとえば、特許文献1参照)。このプロセスで得られるEuイオンを賦活したαサイアロンは、450から500nmの青色光で励起されて550〜600nmの黄色の光を発する蛍光体となることが報告されている。
さらに、JEM相(LaAl(Si6-zAlz)N10-zz)を母体結晶として、Ceを賦活させた青色蛍光体(特許文献2参照)、La3Si8114を母体結晶としてCeを賦活させた青色蛍光体(特許文献3参照)およびCaAlSiN3を母体結晶としてEuを賦活させた赤色蛍光体(特許文献4参照)が知られている。
別のサイアロン蛍光体として、β型サイアロンに希土類元素を添加した蛍光体(特許文献5参照)が知られており、Tb、Yb、Agを賦活したものは525nm〜545nmの緑色を発光する蛍光体となることが示されている。しかしながら、合成温度が1500℃と低いために賦活元素が十分に結晶内に固溶せず、粒界相に残留するため高輝度の蛍光体は得られていなかった。
高輝度の蛍光を発するサイアロン蛍光体として、β型サイアロンに2価のEuを添加した蛍光体(特許文献6参照)が知られており、緑色の蛍光体となることが示されている。
特許第3668770号公報 国際公開第2005/019376号パンフレット 特開2005−112922号公報 国際公開第2005/052087号パンフレット 特開昭60−206889号公報 特開2005−255895号公報 画像表示装置としての液晶ディスプレイなどのバックライト光源に使用する白色光源となる発光装置には、一般照明用途とはことなり青、緑、赤の3原色の発光スペクトル線幅が細いことが望まれる。白色光は上述の3色それぞれの色のみを透過するカラーフィルタをとおして3原色が得られるが、青色と赤色との間に位置する緑色は特に発光スペクトル線幅の狭くかつ3原色のカラーフィルタによくマッチングすることが要求される。
従来の冷陰極管の白色光源の場合、紫外線で励起される緑色蛍光体が用いられていたが、白色LED用として適した青色発光素子の波長で励起可能な蛍光体でスペクトル線幅が充分狭くかつ波長が3原色のカラーフィルタにマッチングしたものは少ない。この用途に最も適した緑色蛍光体は特許文献6に開示されたβ型サイアロン蛍光体であるが、発光スペクトルの幅が比較的広く、シャープさが必ずしも十分とは言えない。
本発明者においては、かかる状況の下で、Eu、および、Si、Al、O、Nの元素を含有する窒化物について鋭意研究を重ねた結果、特定の組成領域範囲、特定の固溶状態および特定の結晶相を有するものは、波長520nm〜550nmの範囲にシャープな発光ピークを持つ蛍光体となることを見出した。すなわち、β型Si34結晶構造を有する窒化物または酸窒化物を母体結晶とし、2価のEuイオンを発光中心として添加し、酸素含有量が0.8質量%以下の組成を持つ固溶体結晶は、波長520nm〜550nmの範囲の波長に発光ピーク波長を持ち、その半値全幅が55nm以下のシャープな発光スペクトルを有する蛍光体となることを見出した。また、係る蛍光体を製造する方法として、Si源として単体のシリコンを用いて、これを窒化することによりβ型サイアロンを合成する手法を見いだした。さらに、β型窒化ケイ素原料またはβ型サイアロン蛍光体を、還元雰囲気で熱処理することにより、酸素含有量を低減させる手法を見いだした。さらに該β型窒化ケイ素原料に炭素を含む固体粉末を加えて、窒素雰囲気で焼成することにより、該酸素含有量を低減させる手法を見いだした。
すなわち、Eu等を固溶させたβ型Si34結晶構造を有する酸窒化物の結晶の中で、特定の組成の蛍光体が紫外線および可視光や電子線またはX線で励起されシャープなスペクトルを持つ緑色蛍光を有する蛍光体として使用し得るという重要な発見は、本発明者において初めて見出された。本発明者においては、この知見を基礎にしてさらに鋭意研究を重ねた結果、特定波長領域で高い輝度の発光現象を示す緑色発光を有する第1の蛍光体と第1の蛍光体の製造方法およびそれを用いた発光装置を提供することにも成功した。
そこで、本発明の目的は、上記の要望に応えようとするものであり、従来の緑色蛍光を発する希土類賦活サイアロン蛍光体より緑色蛍光の発光スペクトルの半値全幅が狭く、発光スペクトル形状が光の3原色のカラーフィルタによくマッチングした第1の蛍光体を含む発光装置と該発光装置を用いた画像表示装置を提供しようというものである。
本発明は、励起光を発する半導体発光素子と、励起光を吸収して緑色光を発する第1の蛍光体とを含む発光装置において、第1の蛍光体は、β型Si34結晶構造を有する酸窒化物の結晶の中にアルミニウム元素と、Mn、CeおよびEuから選ばれる金属元素Mとが固溶してなり、結晶中に含まれる酸素量が0.8質量%以下である固溶体を含む発光装置に関する。
また、本発明の発光装置において、第1の蛍光体は、励起光を照射することにより波長520nm〜550nmの範囲にピーク波長を有する緑色光を発することが好ましい。
また、本発明の発光装置において、第1の蛍光体は、励起光を照射することにより波長520nm〜535nmの範囲にピーク波長を有する緑色光を発することが好ましい。
また、本発明の発光装置において、金属元素MはEuであり、第1の蛍光体の発光スペクトルの半値全幅が55nm以下であることが好ましい。
また、本発明の発光装置において、励起光を発する半導体発光素子の発光ピーク波長は、390nm〜480nmであることが好ましい。
また、本発明の発光装置において、励起光を発する半導体発光素子の発光ピーク波長は、390nm〜420nmであることが好ましい。
また、本発明の発光装置において、励起光を発する半導体発光素子の発光ピーク波長は400nm〜410nmであることが好ましい。
また、本発明の発光装置において、励起光を発する半導体発光素子の発光ピーク波長は430nm〜480nmであることが好ましい。
また、本発明の発光装置において、励起光を発する半導体発光素子の発光ピーク波長は440nm〜450nmであることが好ましい。
また、本発明の発光装置において、励起光を照射することにより赤色光を発する第2の蛍光体を含むことが好ましい。
また、本発明の発光装置において、第2の蛍光体は、励起光を照射することにより波長600nm〜670nmの範囲にピーク波長を有する赤色光を発することが好ましい。
また、本発明の発光装置において、第2の蛍光体の発光スペクトルの半値全幅は、95nm以下であることが好ましい。
また、本発明の発光装置において、第2の蛍光体は、Eu賦活CaAlSiN3を含むことが好ましい。
また、本発明の発光装置において、第2の蛍光体が、Eu賦活M2Si58(ただしMは、Mn、CeおよびEuから選ばれる金属元素)およびEu賦活Sr2Si58を含むことが好ましい。
また、本発明の発光装置において、励起光を照射することにより青色光を発する第3の蛍光体を含むことが好ましい。
また、本発明は、上述した発光装置をバックライト光源とした画像表示装置に関する。
また、本発明は、上述した発光装置をバックライト光源とし、赤色光、緑色光および青色光それぞれを透過するカラーフィルタを含む画像表示装置に関する。
また、本発明の画像表示装置において、青色光を透過する青カラーフィルタの波長530nmにおける透過率が該透過率の最大値の20%以下であることが好ましい。
また、本発明は、上述した第1の蛍光体の製造方法であって、β型Si34結晶構造を有する酸窒化物の結晶の中にアルミニウム元素と、Mn、CeおよびEuから選ばれる金属元素Mとが固溶してなり、前記結晶中に含まれる酸素量が0.8質量%以下である固溶体を含む第1の蛍光体の製造方法であって、Siを含有する金属あるいはその無機化合物と、Alを含有する金属あるいはその無機化合物と、金属元素M(ただし、Mは、Mn、CeおよびEuから選ばれる金属元素)を含有する金属あるいはその無機化合物と、炭素を含有する固体粉末と、を含む原料混合物を、窒素含有雰囲気中において1200℃以上2200℃以下の温度範囲で焼成する工程を備える第1の蛍光体の製造方法に関する。
また、本発明の第1の蛍光体の製造方法において、原料混合物が、窒化ケイ素粉末と、窒化アルミニウム粉末と、酸化ユーロピウム粉末と、カーボン粉末とを含むことが好ましい。
また、本発明の第1の蛍光体の製造方法において、原料混合物とアルコールとからなるスラリーを形成し、そのスラリーをスプレードライ装置を用いて噴霧乾燥する操作を含むことが好ましい。
また、本発明の第1の蛍光体の製造方法において、原料混合物が、窒化ケイ素粉末と、窒化アルミニウム粉末と、酸化ユーロピウム粉末とを含み、原料混合物を窒化ホウ素製またはカーボン製のルツボにいれ、ルツボの周囲にカーボン粉末を配置することが好ましい。
また、本発明の第1の蛍光体の製造方法において、原料混合物中のカーボン粉末量が、0.1〜10質量%であることが好ましい。
また、本発明の第1の蛍光体の製造方法において、原料混合物中のカーボン粉末量が、0.5〜2質量%であることが好ましい。
また、本発明の第1の蛍光体の製造方法において、原料混合物中のカーボン粉末の平均粒子径が、0.01〜1μmであることが好ましい。
また、本発明の第1の蛍光体の製造方法において、原料混合物中のカーボン粉末の平均粒子径が、0.5〜5mmであることが好ましい。
また、本発明の第1の蛍光体の製造方法において、焼成する工程の後、蛍光体粉末を、空気中で500℃〜800℃に加熱することにより余剰カーボンを除去することが好ましい。
第1の蛍光体を含む発光装置は、より強い励起光に曝された場合でも、輝度が低下することなく、長寿命のバックライト光源として用いることができる。本発明の第1の蛍光体を含む発光装置と3原色の光を透過するカラーフィルタとを組み合わせることにより液晶表示装置などの色再現領域を大きくすることができる。
本発明の発光装置に用いる第1の蛍光体は、β型Si34結晶構造を有する酸窒化物の結晶であるサイアロン結晶を主成分として、該結晶中に含まれる酸素量を0.8質量%以下とすることにより、従来のサイアロン蛍光体より発光ピーク波長の幅が狭く、シャープな緑色蛍光を発する緑色蛍光体として優れている。
以下、本願の図面において、同一の符号は、同一部分または相当部分を表わすものとする。また、図面における長さ、大きさ、幅などの寸法関係は、図面の明瞭化と簡略化のために適宜に変更されており、実際の寸法を表わしてはいない。
<第1実施形態:発光装置>
図1は、本発明の実施の形態に従った発光装置の模式的な断面図である。図1を参照して、以下説明する。
図1に示す発光装置は、基体としてのプリント配線基板101上に、半導体発光素子102が配置されている。半導体発光素子102は、好ましくは図1に示されるように活性層としてInGaN層103を含む。また、樹脂枠104の内側に、蛍光体を分散させた透光性樹脂からなるモールド樹脂105を充填して半導体発光素子102を封止している。この樹脂枠104の内側において、プリント配線基板101の上面から背面にかけて配置されているn電極部106と半導体発光素子102のn側電極107とを、導電性を有する接着剤111を用いて電気的に接続している。一方、半導体発光素子102のp側電極108は、金属ワイヤ109によってプリント配線基板101の上面から背面にかけて配置されているp電極部110に電気的に接続している。そして、モールド樹脂105に充填された蛍光体としては、第1の蛍光体および第2の蛍光体が分散している。
本実施形態においては、本発明の発光装置をバックライト光源としても用いたときに青色光の色純度をよくするという観点から励起光を発する半導体発光素子102の発光ピーク波長が、390nm〜550nmであることが好ましく、430nm〜480nmであることが特に好ましく、440nm〜450nmが最も好ましい。本実施形態において、該発光ピーク波長が430nm〜480nmであることが特に好ましい理由は、430nm未満の場合、人の視感度が低下する一方、480nmを超える場合、発光色が青緑色となり、青色の成分が少なくなるためである。なお、発光ピーク波長、発光スペクトルの半値全幅および励起スペクトルは、公知の方法のほか、実施例で後述する方法で測定することが可能である。
本発明における第1の蛍光体は、励起光を照射することにより、該励起光を吸収し、緑色蛍光、つまり緑色光を発し、β型Si34結晶構造を有する酸窒化物の結晶の中にアルミニウム元素と、金属元素M(ただし、Mは、Mn、CeおよびEuから選ばれる元素)とが固溶してなる固溶体を含むβ型サイアロン蛍光体である。つまり、第1の蛍光体は、β型Si34結晶構造を有するβ型サイアロンの固溶体(以下、「β型Si34属結晶」とも呼ぶ)を主成分として含む。β型Si34属結晶は、X線回折や中性子線回折により同定することができ、純粋なβ型Si34結晶と同一の回折を示す物質の他に、構成元素が他の元素と置き換わることにより格子定数が変化したものもβ型Si34属結晶である。さらに、固溶の形態によっては結晶中に点欠陥、面欠陥、積層欠陥が導入されて、粒内の欠陥部に固溶元素が濃縮されることがあるが、その場合もX線回折によるチャートの形態が変わらないものは、β型Si34属結晶である。また、欠陥形成の周期性により長周期構造を持つポリタイプを形成することがあるが、この場合も基本となる構造がβ型Si34結晶構造であるものはβ型Si34属結晶である。
β型Si34結晶構造を有する酸窒化物の結晶を母体結晶とし、金属元素M(ただし、Mは、Mn、Ce、Euから選ばれる元素)を該母体結晶に固溶させることにより、金属元素Mのイオンが発光中心として働き、蛍光特性を発する。なかでも、金属元素Euを母体結晶に固溶させたものは、2価のEuイオンが発光中心として働き、高輝度の緑色蛍光を発する。
第1の蛍光体においては、β型Si34結晶構造を有する酸窒化物の結晶の中に含まれる酸素量つまり該結晶の中の酸素含有量を0.8質量%以下とすることにより、第1の蛍光体の発光ピークの幅(半値全幅を基準とする)を小さくすることができ、発光ピーク波長をシャープにすることができる。金属元素MとしてのEuなどの発光中心イオンは酸素イオンと窒素イオンとで取り囲まれており、金属元素Mが結合する原子は、酸素と窒素とでは結合状態が変わるため、酸素と窒素とのどちらと結合するかによってβ型Si34属結晶の発光ピーク波長が異なる。したがって、β型Si34結晶構造を有する酸窒化物の結晶の中の酸素含有量が増加すると発光ピークの幅が増大すると考えられる。理想的には、該酸素含有量は極力少ない方がピーク幅は小さくなり好ましいが、本発明においては、0.8質量%以下、好ましくは0.5質量%以下とすることにより、その効果を大きく示すことができる。
ここで、第1の蛍光体の該酸素含有量は、JIS R 1603に記載の不活性ガス融解−赤外線吸収法によって測定することができる。また、第1の蛍光体の窒素含有量は、JIS R 1603に記載の不活性ガス融解−熱伝導度法によって測定することができる。
ここで、純粋なβ型Si34結晶構造とはP63またはP63/mの対称性を持つ六方晶系に属し、理想原子位置を持つ構造として定義される結晶である。実際の結晶では、各原子の位置は、各位置を占める原子の種類によって理想位置から±0.05程度は変化する。
β型Si34結晶構造の格子定数は、a=0.7595nm、c=0.29023nmであるが、その構成成分とするSiがAlなどの元素で置き換わったり、NがOなどの元素で置き換わったり、Euなどの金属元素が固溶することによって格子定数は変化する。しかし、結晶構造と原子が占めるサイトとその座標によって与えられる原子位置は大きく変わることはない。したがって、格子定数と純粋なβ型Si34結晶構造の面指数が与えられれば、X線回折による回折ピークの位置(2θ)が一義的に決まる。そして、新たな物質について測定したX線回折結果から計算した格子定数と純粋なβ型Si34結晶構造の面指数を用いて計算した回折のピーク位置(2θ)のデータが、β型Si34属結晶の構造のデータと一致したときに当該結晶構造が同じものと特定することができる。
また、上述した金属元素Mとして2価のEuを固溶した第1の蛍光体は、励起光を照射し、吸収させることにより波長520nm〜550nmの範囲にEu由来の緑色蛍光を発する。このとき、第1の蛍光体の発光スペクトルの半値全幅は、55nm以下のシャープなスペクトル形状を持つ。なかでも、β型Si34結晶構造を有する酸窒化物の結晶における酸素含有量を0.5質量%以下に低減させた第1の蛍光体は、発光波長520nm〜535nmの範囲にピークを持つ発光スペクトルとなり、色純度が良い緑色蛍光を発する。また、CIE色度座標上の(x,y)値において、該緑色蛍光は、0≦x≦0.3、0.5≦y≦0.83の値をとり、色純度が良い緑色である。
本発明の第1の蛍光体は、蛍光発光の点から、その構成成分たるβ型Si34結晶構造を有する酸窒化物の結晶相が高純度で極力多く含まれ、できればβ型Si34結晶構造を有する酸窒化物の単相の結晶で構成されていることが望ましい。ただし、第1の蛍光体は、上述した発光スペクトルの半値全幅や色純度などの特性が低下しない範囲で他の結晶相あるいはアモルファス相との混合物から構成することもできる。この場合、β型Si34結晶構造を有する酸窒化物の含有量が50質量%以上であることが高い輝度を得るために好ましい。
本発明の第2の蛍光体は、励起光を照射することにより、該励起光を吸収し、波長600nm〜670nmの範囲にピーク波長を有する赤色蛍光、つまり赤色光を発するものであることが好ましい。そして、第2の蛍光体の発光スペクトルの半値全幅が95nm以下であることが好ましい。これは、赤色の色純度を高くすることができるからである。具体的には、Eu賦活M2Si58(ただし、Mは、Mn、Ce、Euから選ばれる元素)、Eu賦活CaAlSiN3およびEu賦活Sr2Si58等の高効率の赤色蛍光体を挙げることができる。
本実施形態における半導体発光素子102から発せられた励起光は第1の蛍光体により緑色蛍光に、第2の蛍光体により赤色蛍光に変換される。そして、該緑色蛍光と該赤色蛍光と、半導体発光素子102から発する光(青色光)とを混合することで、本実施形態における発光装置は、白色光を発光することができる。本実施形態の発光装置は、色再現性のよい画像表示装置に含まれるバックライト光源に適している。
なお、半導体発光素子102が発する蛍光体の励起光としては、100nm〜500nmの波長の光(真空紫外線、深紫外線、紫外線、近紫外線、紫から青色の可視光)および電子線、X線などを用いると高い輝度の蛍光を発する。
本発明に用いる蛍光体の形態は特に限定されないが、粉末として使用する場合は、平均粒径50nm以上20μm以下の単結晶であることが、高輝度が得られるため好ましい。さらには、アスペクト比(粒子の長軸の長さを短軸の長さで割った値)の平均値が1.5以下の球形のものが分散や塗布工程での取り扱いが容易であり好ましい。
<第2実施形態:発光装置>
図1を参照して、以下本発明の別の実施形態による発光装置について説明する。本実施形態においては、モールド樹脂105に充填された蛍光体には第1の蛍光体および第2の蛍光体および第3の蛍光体が分散している。
本実施形態においては、本発明の発光装置をバックライト光源としても用いたときに青色光の色純度をよくするという観点から励起光を発する半導体発光素子102の発光ピーク波長が、390nm〜550nmであることが好ましく、390nm〜420nmであることが特に好ましく、400nm〜410nmが最も好ましい。本実施形態において、該発光ピーク波長が390nm〜420nmであることが特に好ましい理由は、390nm未満であると紫外線としてのエネルギーが大きくなり、モールド樹脂の劣化が大きくなることがあり、420nmを超えると青紫光としてのヒト比視感度が大きくなり青色光の色純度を低下させるためである。
第1の蛍光体および第2の蛍光体については、第1実施形態で説明したものと同じものを用いることができる。本発明における第3の蛍光体とは、励起光を照射することにより、該励起光を吸収し、青色蛍光、つまり青色光を発する蛍光体である。該第3の蛍光体の例としては、Ce賦活La3Si8114からなる蛍光体、BaMgAl1017:Eu2+(BAM)からなる蛍光体または固溶体などをあげることができる。
本実施形態における半導体発光素子102から発せられた励起光は第1の蛍光体により緑色蛍光に、第2の蛍光体により赤色蛍光に、さらに第3の蛍光体により青色蛍光に変換される。そして、該緑色蛍光と該赤色蛍光と該青色蛍光とを混合することで、本実施形態における発光装置は、白色光を発光することができる。本実施形態の発光装置は、色再現性のよい画像表示装置に含まれるバックライト光源として適している。
本実施形態において、光の3原色のほとんどの発光は、蛍光体によってなされているため、周囲温度などの環境変化によって発光ピーク波長の変動がほとんど発生しないという利点を持つ。
また、第1の蛍光体が吸収する励起光の励起スペクトルは可視光域に比べ近紫外域の方が高いため、本実施形態における半導体発光素子102の励起光は、第1の蛍光体にとって発光効率が高い光であるという利点を有する。
<第3実施形態:発光装置>
図1を参照して、以下本発明の別の実施形態による発光装置について説明する。本実施形態においては、モールド樹脂105に充填された蛍光体には第1の蛍光体のみが分散している。したがって、本実施形態の発光装置に半導体発光素子102を照射して、発せられる蛍光は緑色光であり、以下、該発光装置を緑色発光装置ともいう。
本実施形態においては、本発明の発光装置をバックライト光源としても用いたときに青色光の色純度をよくするという観点から励起光を発する半導体発光素子102の発光ピーク波長が、390nm〜420nmであることが好ましく、400nm〜410nmであることが最も好ましい。
また、同様に、図1におけるモールド樹脂105に第2の蛍光体のみが分散された発光装置であって赤色光を発する赤色発光装置、および第3の蛍光体のみが分散された発光装置であって青色光を発する青色発光装置を作製することもできる。
<第4実施形態:画像表示装置>
図2は、本発明の発光装置を用いた画像表示装置の構成を示した模式斜視図である。以下、図2を参照して説明する。本発明の画像表示装置は、透明または半透明の導光板203の側面に、第1実施形態で上述した発光装置201a〜201fを配置してなる。導光板203の上部には液晶表示部210を隣接して配置する。発光装置201a〜201fからの出射光202は導光板203内で散乱して散乱光204として液晶表示部210の全面に照射される。
図2に示した代表的な液晶表示部210の拡大図を用いて以下説明する。偏光版211の上部には薄膜トランジスタ212を有する透明電極層213a、両側に配向膜214aおよび214bにはさまれた液晶層215、上部薄膜電極213bを配置する。さらに色画素を表示するためのカラーフィルタ216、上部偏光板217を配置する。カラーフィルタ216は透明電極層213aの各画素に対応する大きさの部分に分割されており、赤色光を透過する赤カラーフィルタ216r、緑色光を透過する緑カラーフィルタ216g、青色光を透過する青カラーフィルタ216bよりなる。
なお、画像表示装置において、「上部」とは、発光装置201a〜201fから、上部偏光板217に向かった方向を言うものとする。
図3に本発明の画像表示装置における好ましいカラーフィルタの透過率スペクトルを示す。横軸は、波長(nm)を示し、縦軸は透過率(任意単位)を示す。このようなカラーフィルタと発光装置201a〜201fとを組み合わせることにより赤、青、緑の3原色を表示できる画像表示装置が実現できる。すなわち、発光装置201a〜201fの発光スペクトルは上述のカラーフィルタにおける赤、青、緑にピークを有する鋭いスペクトルを有するため、各カラーフィルタを透過した時の色純度が高い。特に緑色光は青色光と赤色光とに、はさまれているため、発光装置201a〜201fにおける緑色蛍光の発光ピークのスペクトル線幅は、緑色を表示する時の色純度が強く依存する。
<第5実施形態:画像表示装置>
以下、図2を参照して説明する。発光装置201a〜201fとして、第2実施形態で上述した発光装置を配置する以外は、第4実施形態と同様にして画像表示装置を作製することができる。このときも第4実施形態と同様の画像表示装置を提供することができる。
本実施形態による画像表示装置の発光スペクトルも、図3に示したカラーフィルタにおける赤、青、緑にピークを有する鋭いスペクトルを有するため、各カラーフィルタを透過した時の色純度が高い。したがって、該カラーフィルタと本実施形態の発光装置とを組み合わせることにより赤、青、緑の3原色を表示できる画像表示装置が実現できる。
<第6実施形態:画像表示装置>
図4は、本発明の発光装置を用いた画像表示装置の別の構成を示した模式斜視図である。以下、図4に基づいて説明する。
透明または半透明の導光板203の側面に第3実施形態で説明した緑色光を発する緑色発光装置1701g、赤色光を発する赤色発光装置1701r、青色光を発する青色発光装置1701bを複数配置してなる。導光板203の上部には液晶表示部210を隣接して配置する。上記半導体発光素子からの出射光202は導光板203内で散乱して散乱光204として液晶表示部210の全面に照射される。
ここで、緑色発光装置1701gにおける半導体発光素子の発光ピーク波長は、400〜410nmであることが好ましく、赤色発光装置1701rの半導体発光素子の発光ピーク波長は、390〜420nmであることが好ましい。青色発光装置1701bとしては、第3の蛍光体をモールド樹脂に含まず、半導体発光素子の発光ピーク波長が430〜480nmであるものを用いることができる。
図4中には代表的な液晶表示部210の拡大図を示す。偏光版211の上部には薄膜トランジスタ212を有する透明電極層213a、両側に配向膜214aおよび214bにはさまれた液晶層215、上部薄膜電極213bを配置する。さらに色画素を表示するためのカラーフィルタ216、上部偏光板217を配置する。カラーフィルタ216は透明電極層213aの各画素に対応する大きさの部分に分割されており、赤色光を透過する赤カラーフィルタ216r、緑色光を透過する緑カラーフィルタ216g、青色光を透過する青カラーフィルタ216bよりなる。
本実施形態による画像表示装置は、赤、青、緑の光をそれぞれ発光する発光装置であるが、それぞれの発光スペクトルは、図3に示したカラーフィルタにおける赤、青、緑にピークを有する鋭いスペクトルを有する。したがって、上記3種の発光装置を同時に用いることで、各カラーフィルタを透過した時の色純度が高い。そして、該カラーフィルタと本実施形態の発光装置とを組み合わせることにより赤、青、緑の3原色を表示できる画像表示装置が実現できる。
<第7実施形態:画像表示装置>
以下、図4を参照して説明する。青色発光装置1701bとして、モールド樹脂に第3の蛍光体を含み、かつ半導体発光素子の発光ピークが390〜420nmであるものを用いる以外は、第6実施形態と同様にして本実施形態の画像表示装置を作製することができる。このときも第6実施形態と同様の画像表示装置を提供することができる。
本実施形態による画像表示装置は、赤、青、緑の光をそれぞれ発光する発光装置であるが、それぞれの発光スペクトルは、図3に示したカラーフィルタにおける赤、青、緑にピークを有する鋭いスペクトルを有する。そして、該カラーフィルタと本実施形態の発光装置とを組み合わせることにより赤、青、緑の3原色を表示できる画像表示装置が実現できる。
<第8実施形態:画像表示装置>
図5は、本発明の発光装置を用いた画像表示装置の別の構成を示した模式斜視図である。以下、図5に基づいて説明する。
透明または半透明の導光板203の側面に第3実施形態で説明した緑色光を発する緑色発光装置1701g、赤色光を発する赤色発光装置1701r、青色光を発する青色発光装置1701bを複数配置してなる。導光板203の上部には液晶表示部210を隣接して配置する。上記半導体発光素子からの出射光202は導光板203内で散乱して散乱光204として液晶表示部210の全面に照射される。
ここで、緑色発光装置1701gにおける半導体発光素子の発光ピーク波長は、400〜410nmであることが好ましく、赤色発光装置1701rの半導体発光素子の発光ピーク波長は、390〜420nmであることが好ましい。青色発光装置1701bとしては、第3の蛍光体をモールド樹脂に含まず、半導体発光素子の発光ピーク波長が430〜480nmであるものを用いることができる。
図5中には代表的な液晶表示部210の拡大図を示す。偏光版211の上部には薄膜トランジスタ212を有する透明電極層213a、両側に配向膜214aおよび214bにはさまれた液晶層215、上部薄膜電極213bを配置する。本実施形態では青、緑、赤の3原色のカラーフィルタは用いていない。画像表示装置は、青、緑、赤の3原色の発光装置を独立して設けてあるため、それぞれの色の発光装置を時分割駆動する。
たとえば180Hzの周波数で各色を点滅させ、液晶によりコントラスト調整を行なう。これを時系列的に加色混合することにより、画像表示する。
本実施形態では、3原色の発光装置として、スペクトル幅が狭いものを使用しているため、カラーフィルタが不要であり、透過損失を低減できる。ただし、時分割駆動する場合、発光装置の応答速度が必要である。従来用いられていた、TbやMnを発光イオンとする緑色蛍光体は、応答速度が遅いため、このような駆動方法には向いていなかった。しかし、本発明における第1の蛍光体は、応答速度は数μsである。このため、このような時分割駆動に適した発光装置および画像表示装置を提供することが可能である。
<第9実施形態:画像表示装置>
以下、図5を参照して説明する。青色発光装置1701bとして、モールド樹脂に第3の蛍光体を含み、かつ半導体発光素子の発光ピーク波長が390〜420nmであるものを用いる以外は、第8実施形態と同様にして画像表示装置を作製することができる。このときも第8実施形態と同様の画像表示装置を提供することができる。
図15は、画像表示装置の色再現性を表わす指標として一般的に用いられるNTSC比の緑色光ピークのスペクトル半値全幅の依存性を示す。横軸は、緑色光の発光スペクトルの半値全幅(nm)を示し、縦軸は色再現領域としてNTSC比を示す。このように緑色スペクトルの半値全幅を小さくすることによりNTSC比を向上することができるが、これまでにこれに適したスペクトルを有する緑色光を発する蛍光体はなかった。本発明の緑色光を発する第1の蛍光体は波長520nm〜550nmの範囲、好ましくは波長520nm〜535nmの範囲に発光ピーク波長を有し、かつ発光スペクトルの半値全幅が55nm以下であるため高いNTSC比を実現できる。
従来の冷陰極管や白色LEDを用いた画像表示装置のNTSC(National Television System Committee)比は高々80%台であり、自然な色を表現するのが困難であった。近年、ハイビジョン映像の普及や大画面映像の実現に伴い、高い色再現性が望まれている。美術品や文化財映像の表示、インターネット商取引などのニーズからは、少なくともNTSC比95%以上の色再現性が求められる。本発明の第1の蛍光体を含む画像表示装置(第4〜第9実施形態)は、NTSC比95%以上の色再現性を実現することができる。
第1の蛍光体は、波長530nm近傍にシャープで強い発光スペクトルを有するが、青色画素をON状態にした時の緑色蛍光体の発光の影響が少なく、色純度のよい青色が表現でき、NTSC比を高くすることができるためである。
ここで、上述の青色光を透過する青カラーフィルタ216bを用いる場合には、波長530nmにおける透過率が、透過率の最大値の20%以下であるものを用いることが好ましい。上述の第1の蛍光体は、波長530nm近傍にシャープで強い発光スペクトルを有するが、青色画素をON状態にした時の第1の蛍光体の発光の影響が少なく、色純度のよい青色が表現でき、NTSC比をより高くすることができるためである。
<第1の蛍光体の製造方法>
本発明の第1の蛍光体の製造方法は特に限定されないが、一例として次の方法を挙げることができる。以下、「出発原料」とは、製造方法で最初に準備された原料のことを示す。また、「原料粉末」とは「原料を粉末状にしたもの」を示す。
≪製造方法1≫
少なくとも、Siを含有する金属粉末と、Alを含有する金属あるいはその無機化合物と、金属元素M(ただし、Mは、Mn、CeおよびEuから選ばれる元素)を含有する金属あるいはその無機化合物とを含む原料混合物を、窒素含有雰囲気中において1200℃以上2200℃以下の温度範囲で焼成することにより、第1の蛍光体としてのβ型Si34結晶構造を有する酸窒化物の結晶中にMが固溶した蛍光体を得ることができる。
原料混合物のSi源としては、少なくともSiを含有する金属粉末を用いる。Siを含有する金属粉末としては、単体のシリコン(Si)粉末の他に他の金属を含むSi合金の粉末を挙げることができる。Si源として、その金属粉末に加えて、窒化ケイ素、サイアロン粉末などの無機物質を同時に添加することができる。窒化ケイ素、サイアロン粉末を添加すると、酸素含有量は増加するものの生成物の結晶性が向上するために、作製される第1の蛍光体の輝度が向上する。原料混合物のAl源としては、Alを含有する金属あるいは無機化合物を用いる。たとえば、金属Al、Al合金、窒化アルミニウムなどを挙げることができる。原料混合物の金属元素M(ただし、Mは、Mn、CeおよびEuから選ばれる元素)の供給源としては、金属元素Mの金属、金属元素Mを含む合金、窒化物、酸化物または炭酸塩などを挙げることができる。金属元素Mの供給源としては、作製される第1の蛍光体の酸素含有量を極力低減するには、金属元素Mの金属あるいは窒化物を用いることが望ましいが、工業的には原料の入手のしやすさから酸化物を用いるのがよい。
Euを含む第1の蛍光体を合成する場合の原料混合物としては、単体のシリコン(Si)粉末と、窒化アルミニウム粉末と、酸化ユーロピウム粉末との混合物を挙げることができる。これらの原料混合物を用いると、酸素含有量が特に少ない蛍光体を合成することができる。
原料混合物を、窒素含有雰囲気中において1200℃以上2200℃以下の温度範囲で焼成することにより第1の蛍光体を合成する。窒素含有雰囲気とは、窒素ガス、または分子中に窒素原子を含むガスであり、必要に応じて他のガスとの混合とすることができる。たとえば、N2ガス、N2とH2との混合ガス、NH3ガス、NH3とCH4との混合ガス、などを挙げることができる。これらの雰囲気中で焼成すると、原料中の単体のシリコン(Si)が窒化されてSi34となり、これとAl含有原料、金属元素M含有原料が反応して、β型Si34結晶構造を有する酸窒化物の結晶中に金属元素Mが固溶した蛍光体が生成する。この際、単体のシリコン(Si)に含まれる酸素含有量(通常0.5質量%以下)は原料混合物に含まれる酸素含有量(通常1質量%以上)より少ないので、酸素含有量が低い第1の蛍光体を合成することができる。なお、窒素含有雰囲気は、実質的に酸素を含まないもの、即ち非酸化性のものであることが好ましい。
原料混合物中のSiの窒化反応は、1200℃以上1550℃以下の温度で進行するので、この温度範囲で焼成することにより原料混合物中の窒素含有量を増加させることによりSiをSi34に変換した後に、2200℃以下の温度で焼成することにより第1の蛍光体を合成する手法をとることができる。
≪製造方法2≫
別の合成方法として、窒化ケイ素を含有する原料粉末またはEu、Si、Al、OおよびNの元素を少なくとも含む前駆体原料混合粉末に対して、還元窒化雰囲気中で加熱処理を施し、処理される窒化ケイ素を含有する原料粉末または前駆体原料混合粉末の酸素含有量を減少させるとともに窒素含有量を増加させることにより、出発原料に含まれる酸素含有量を低減した後に、必要に応じてEuやAlを含む原料を添加して、2200℃以下の温度で焼成することにより第1の蛍光体を合成する手法をとることができる。
還元窒化雰囲気は、還元力と窒化性とに富むガスであり、アンモニアガス、水素と窒素との混合ガス、アンモニア−炭化水素混合ガス、水素−窒素−炭化水素混合ガスを例として挙げることができる。また、炭化水素ガスとしては、メタンまたはプロパンガスが還元力の強さから好ましい。また、炭素源としてカーボン粉末などの炭素を含む固体やフェノール樹脂などの炭素を含む液体をあらかじめ窒化ケイ素を含有する原料粉末や前駆体原料混合粉末に添加したものを窒化性に富むガスで処理することもできる。
≪製造方法3≫
さらに、別の方法として、β型Si34結晶構造を有する酸窒化物蛍光体粉末に対して、還元窒化雰囲気中で加熱(焼成)処理を施し、処理される酸窒化物蛍光体粉末の酸素含有量を減少させるとともに窒素含有量を増加させる方法がある。この方法では、通常の方法で合成されたサイアロン蛍光体の表面に存在する酸素を、還元窒化することにより低減させる効果がある。
還元窒化雰囲気は、還元力と窒化性とに富むガスであり、アンモニアガス、水素と窒素の混合ガス、アンモニア−炭化水素混合ガス、水素−窒素−炭化水素混合ガスを例として挙げることができる。また、炭化水素ガスとしては、メタンまたはプロパンガスが還元力の強さから好ましい。
≪製造方法4:炭素を含有する固体粉末を用いる方法≫
さらに、Siを含有する金属あるいはその無機化合物と、Alを含有する金属あるいはその無機化合物と、金属元素M(ただし、Mは、Mn、CeおよびEuから選ばれる金属元素)を含有する金属あるいはその無機化合物と、炭素を含有する固体粉末とを含む原料混合物を、窒素含有雰囲気中において1200℃以上2200℃以下の温度範囲で焼成する工程を備える第1の蛍光体の製造方法をとることができる。
この際、Siを含有する金属あるいはその無機化合物としては、窒化ケイ素の粉末を含有する原料粉末などを選択することができる。Alを含有する金属あるいはその無機化合物としては、窒化アルミニウムの粉末を含有する原料粉末などを選択することができる。金属元素M(ただし、Mは、Mn、CeおよびEuから選ばれる金属元素)を含有する金属あるいは無機化合物としては、酸化ユーロピウムを含有する原料粉末などを、選択することができる。
そして、原料混合物に炭素を含有する固体粉末を添加することで、該炭素を含有する固体粉末の還元作用により、該原料混合物中の酸素含有量が低減され、酸素含有量が特に少ない蛍光体を合成することができる。
なお、炭素を含有する固体粉末を用いる場合、次の利点がある。炭素を含有する固体粉末の還元力が強い為、製造方法2および3のように、アンモニアガス、水素と窒素の混合ガス、アンモニア−炭化水素混合ガス、水素−窒素−炭化水素混合ガスなどを用いる必要はなく、窒素ガス雰囲気で酸素含有量を低減させることができる。
また、製造方法1および2は、原料混合物中の酸素含有量を減少させるとともに窒素含有量を増加させる加熱処理を経た後、焼成することにより第1の蛍光体を合成する。製造方法3は、合成したβ型Si34結晶構造を有する酸窒化物蛍光体粉末に対して、還元窒化雰囲気中で加熱処理を施し、処理される酸窒化物蛍光体粉末の酸素含有量を減少させるとともに窒素含有量を増加させることにより、第1の蛍光体を合成する。当該製造方法4は、原料混合物中の酸素含有量を減少させるとともに窒素含有量を増加させる為の加熱処理を行った後、焼成してもよいが、炭素を含有する固体粉末の還元力が強く、窒素雰囲気中で、原料混合物中の酸素含有量の減少および窒素含有量の増加が可能なので、窒素雰囲気中において1200℃以上2200℃以下の温度範囲で1回焼成することにより、第1の蛍光体を合成することができる。
本発明において、炭素を含有する固体粉末として、該カーボン粉末を挙げることができる。本発明のカーボン粉末とは、炭素含有率が95%以上の粉末のことをいうものとする。また、該カーボン粉末は、その平均粒径が0.01〜1μmであることが好ましい。粒径が、0.01μm未満である場合には、該カーボン粉末どうしが凝縮して、原料混合物中に均一に分散しない虞があり、1μmを超える場合には、表面積が小さいことから、所望の還元力を得ることができない可能性があるためである。該カーボン粉末として用いられる好ましい材料は、「カーボンブラック」である。
そして、原料混合物が、窒化ケイ素粉末と、窒化アルミニウム粉末と、酸化ユーロピウム粉末と、カーボン粉末との組合せであることが特に好ましい。これらは反応性に富み、高純度な合成物を得ることができることに加えて、工業原料として生産されており、利用し易いとの理由からである。
原料混合物にカーボン粉末を添加し、混合する方法としては、通常はカーボン粉末を添加した原料混合物を、窒化ケイ素焼結体製の乳鉢と乳棒で10分以上混合する方法をとる。その後、250μmのふるいを通すことにより流動性に優れる粉体凝集体を得ることができるが、上記方法以外に下記の方法をとることもできる。
カーボン粉末を添加した原料混合物に、エタノールを加えてスラリーとする。このスラリーをスプレードライヤー装置を用いて噴霧乾燥する。この方法のよれば、250μmのふるいを通すことなく、流動性に優れる粉体凝集体を得ることができる。
また、原料混合物中のカーボン粉末量は、0.1〜10質量%であることが好ましく、0.5〜2質量%であることが特に好ましい。カーボン粉末量が0.1質量%未満である場合には、所望の還元力が発揮されず、該原料混合物から作製される第1の蛍光体の酸素含有量を低減させることができない虞がある。また、カーボン粉末量が10質量%を超える場合には、該原料混合物から作製される第1の蛍光体におけるカーボン粉末の残留が多くなる虞がある。もし、カーボン粉末の残留が多くなった場合は、上述の焼成する工程ののち、空気中で500℃〜800℃の範囲で2時間程度加熱することにより、余剰カーボンを除去することが好ましい。余剰カーボンを除去しないと、カーボンによる可視光の吸収が増え、発光効率が低下する。
また、当該カーボン粉末を含む原料混合物を用いた製造方法において、焼成温度は1200〜2200℃の温度範囲が好ましく、1800〜2000℃の温度範囲が特に好ましい。焼成温度が1200℃未満である場合には、発光中心となる元素Mがβ型Si34結晶構造を持つ窒化物、酸窒化物の結晶体に固溶することなく、酸素含有量の高い粒界相中に残留する為、酸化物ガラスをホストとする発光となって、青色などの低波長の発光となり、緑色の発光は得られない虞があり、焼成温度が2200℃を超える場合には、特殊な装置が必要となり、工業的に好ましくない。
また、カーボン粉末として用いられる材料として、「カーボンブラック」以外に「活性炭」を用いることもできる。さらに「活性炭」を用いる場合は、粒径が大きくても使用は可能である。活性炭は、炭素内部の網目状に構成される微細孔により大きな内部表面積を持っている為、十分な還元力を得ることができる。よって、活性炭素を原料混合物に添加することによって、該原料混合物中の酸素含有量が低減され、酸素含有量が少ない第1の蛍光体を合成することができる。使用する活性炭の平均粒径は取り扱いのし易さから、0.5mm〜5mmであることが好ましい。0.5mmより小さいと焼成後の回収がし難く、5mmよりも大きいと焼成用ルツボに入りにくく、均一の混合しにくい可能性がある。
さらに、炭素を含有する固体粉末を原料混合物に直接添加しなくても、焼成中の雰囲気を炭素による強還元雰囲気にすることによって、第1の蛍光体を製造することもできる。
その方法を次に示す。炭素を含有する固体粉末を含まない原料混合物を窒化ホウ製のルツボ(小)またはカーボン製のルツボ(小)に充填し、そのルツボ(小)をさらに容積の大きなルツボ(大)に入れる。そして原料混合物を充填したルツボ(小)の周りに炭素を含有する固体粉末を充填する。この場合、炭素を含有する固体粉末として、粒径0.5mm〜5mm程度の「活性炭素」を用いるのが良い。活性炭素は、炭素内部の網目状に構成される微細孔により大きな内部表面積を持っている為、十分な還元力を得ることができる。
≪製造方法1〜4に共通する処理≫
ここで、粒径数μmの微粉末を出発原料とする場合、該微粉末を混合する工程における原料混合物、窒化ケイ素を含有する原料粉末、前駆体原料混合粉末または酸窒化物蛍光体粉末は、粒径数μmの微粉末が数百μmから数mmの大きさに凝集した形態をなす(以下、「粉体凝集体」と呼ぶ)。第1の蛍光体を合成する工程では、該粉体凝集体や凝集しなかった該微粉末の該原料混合物などを、嵩密度40%以下の充填率に保持した状態で容器に充填した後に焼成する方法によれば、特に高い輝度が得られる。
すなわち、通常のサイアロン蛍光体の製造ではホットプレス法や金型成形後に焼成を行なっており粉体の充填率が高い状態で焼成されているが、本発明では、粉体に機械的な力を加えることなく、また予め金型などを用いて成形することなく、該粉体凝集体の粒度をそろえたものを、そのままの状態で容器などに嵩密度40%以下の充填率で充填する。必要に応じて、該粉体凝集体を、ふるいや風力分級などを用いて、平均粒径500μm以下に造粒して粒度制御することができる。また、スプレードライヤなどを用いて直接的に500μm以下の形状に造粒してもよい。また、容器は窒化ホウ素製を用いると作製される第1の蛍光体との不必要な化学反応が少ない利点がある。
嵩密度を40%以下の状態に保持したまま焼成するのは、該粉体凝集体の周りに自由な空間がある状態で焼成するためである。最適な嵩密度は、顆粒粒子の形態や表面状態によって異なるが、好ましくは20%以下がよい。このようにすると、反応生成物が自由な空間に結晶成長するので結晶同士の接触が少なくなり、表面欠陥が少ない結晶を合成することができると考えられる。これにより、輝度が高い蛍光体が得られる。嵩密度が40%を超えると焼成中に部分的に緻密化が起こって、緻密な焼結体となってしまい結晶成長の妨げとなり第1の蛍光体の輝度が低下するおそれがある。また微細な粉末からなる第1の蛍光体が得られ難い。また、粉体凝集体の大きさは500μm以下が、焼成後の粉砕性に優れるため特に好ましい。
上述のように、充填率40%以下の粉体凝集体を上述の条件で焼成する。焼成に用いる炉は、焼成温度が高温であり焼成雰囲気が窒素であることから、金属抵抗加熱方式または黒鉛抵抗加熱方式であり、炉の高温部の材料として炭素を用いた電気炉が好適である。焼成の手法は、常圧焼結法やガス圧焼結法などの外部から機械的な加圧を施さない焼結手法が、嵩密度を所定の範囲に保ったまま焼成するために好ましい。
上述の該微粉末を混合する工程の後の蛍光体を合成する工程では、窒素雰囲気は0.1MPa以上100MPa以下の圧力範囲のガス雰囲気がよい。より好ましくは、0.1MPa以上1MPa以下がよい。窒化ケイ素を原料として用いる場合、1820℃以上の温度に加熱すると窒素ガス雰囲気が0.1MPaより低いと、原料が熱分解するのであまり好ましくない。0.5MPaより高いとほとんど分解しない。1MPaあれば十分であり、100MPa以上となると特殊な装置が必要となり、工業生産に向かない。
焼成して得られた粉体凝集体が固く固着している場合は、たとえばボールミル、ジェットミル等の工場的に通常用いられる粉砕機により粉砕する。なかでも、ボールミル粉砕は粒径の制御が容易である。このとき使用するボールおよびポットは、窒化ケイ素焼結体またはサイアロン焼結体製が好ましい。特に好ましくは、製品となる第1の蛍光体と同組成のセラミックス焼結体製が好ましい。粉砕は平均粒径20μm以下となるまで施す。特に好ましくは、該平均粒径は、20nm以上5μm以下の範囲である。平均粒径が20μmを超えると第1の蛍光体の流動性と樹脂への分散性が悪くなり、発光素子と組み合わせて発光装置を形成する際に部位により発光強度が不均一になる。該平均粒径が20nm未満となると、第1の蛍光体を取り扱う操作性が悪くなる。粉砕だけで目的の粒径が得られない場合は、分級を組み合わせることができる。分級の手法としては、篩い分け、風力分級、液体中での沈殿法などを用いることができる。
粉砕分級の一方法として酸処理を行なっても良い。焼成して得られた粉体凝集体は、多くの場合、β型Si34結晶構造を有する窒化物または酸窒化物の単結晶が微量のガラス相を主体とする粒界相で固く固着した状態となっている。この場合、特定の組成の酸に浸すとガラス相を主体とする粒界相が選択的に溶解して、単結晶が分離する。これにより、それぞれの粒子が単結晶の粉体凝集体ではなく、β型Si34結晶構造を有する窒化物または酸窒化物の単結晶1個からなる粉末(粒子)として得られる。このような粉末は、表面欠陥が少ない単結晶から構成されるため、蛍光体の輝度が特に高くなる。
以上の工程で微細な第1の蛍光体が得られるが、輝度をさらに向上させるには該第1の蛍光体を再度加熱処理することが効果的である。この場合は、焼成後の粉体凝集体、あるいは粉砕や分級により粒度調整された後の第1の蛍光体を、1000℃以上で焼成温度以下の温度で、さらに加熱処理することができる。1000℃より低い温度では、表面の欠陥除去の効果が少ない。焼成温度を超える温度で熱処理することは粉砕した粉末(粒子)どうしが再度固着するためあまり好ましくない。熱処理に適した雰囲気は、蛍光体の組成により異なるが、窒素、空気、アンモニア、水素から選ばれる1種または2種以上の混合雰囲気を用いることができる。窒素雰囲気が欠陥除去効果に優れるため好ましい。
以上のようにして得られる酸窒化物である第1の蛍光体は、通常の酸化物蛍光体や既存のサイアロン蛍光体と比べて、紫外線から可視光の幅広い励起範囲を持つことができる。また、可視光、中でもEuを添加したものは緑色の発光をすることができる。そして、発光スペクトルの幅が狭いことが特徴であり、画像表示装置のバックライト光源に好適である。これに加えて、高温にさらしても劣化しないことから耐熱性に優れており、酸化雰囲気および水分環境下での長期間の安定性にも優れている。
次に本発明を以下に示す実施例によってさらに詳しく説明するが、これはあくまでも本発明を容易に理解するための一助として開示したものであって、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
[実施例]
以下の実施例においては、下記の測定方法を用いた。
発光ピーク波長、発光スペクトルの半値全幅および励起スペクトルの測定
蛍光体に対して、積分球を用いて全光束発光スペクトル測定および光吸収スペクトル測定を行なった(参考文献:照明学会誌 第83巻 第2号 平成11年 p87−93、NBS標準蛍光体の量子効率の測定、大久保和明 他著)。また、蛍光体および発光装置の発光ピーク波長、発光スペクトルの半値全幅および励起スペクトルの測定には、分光光度計F4500(日立製作所製)を用いた。
<第1の蛍光体の作製:Si粉末を出発原料として用いた場合>
まず、本発明における発光装置に含まれる、Si粉末を出発原料として用いた第1の蛍光体を蛍光体1〜4として以下、作製した。
原料混合物としての原料粉末は、45μmの篩を通した純度99.99%のSi粉末(高純度化学製試薬級)、比表面積3.3m2/g、酸素含有量0.79%の窒化アルミニウム粉末(トクヤマ製Fグレード)、純度99.9%の酸化ユーロピウム粉末(信越化学製)を用いた。
また、Si粉末の代わりに窒化ケイ素粉末を用い、さらにカーボン粉末を添加した第1の蛍光体を蛍光体5〜7として作製した。蛍光体5の製造方法については後に詳述する。
なお、Si粉末の代わりに窒化ケイ素粉末を用いた比較蛍光体1の製造工程についても後に詳述する。
表1に蛍光体1〜4および比較蛍光体1の原子比による設計組成をまとめる。表2に、表1の設計組成となるべく秤量した蛍光体1〜4および比較蛍光体1の混合組成(質量%)をまとめる。表1で示される設計組成の化合物を得るべく、原料粉末を表2の組成となるように所定量秤量し、窒化ケイ素焼結体製の乳鉢と乳棒で10分以上混合した後に250μmのふるいを通すことにより流動性に優れる粉体凝集体を得た。該粉体凝集体を直径20mm高さ20mmの大きさの窒化ホウ素製のるつぼに自然落下させて入れた。次に、該るつぼを黒鉛抵抗加熱方式の電気炉にセットし焼成して試料を得た。焼成操作は、まず、拡散ポンプにより焼成雰囲気を真空とし、室温から800℃まで毎時500℃の速度で加熱し、800℃で純度が99.999体積%の窒素を導入して圧力を0.5MPaとし、毎時500℃で1300℃まで昇温し、その後毎分1℃で1600℃まで昇温し、その温度で8時間保持した。合成した該試料をメノウの乳鉢を用いて粉末に粉砕し、CuのKα線を用いた粉末X線回折測定(XRD)を行なった。その結果、得られたチャートは全てβ型Si34属結晶の構造を有していた。
次に、該粉末に再度加熱処理を施した。1600℃で焼成した該粉末を窒化ケイ素製の乳鉢と乳棒を用いて粉砕した後に、直径20mm高さ20mmの大きさの窒化ホウ素製のるつぼに自然落下させて入れた。次に、該るつぼを黒鉛抵抗加熱方式の電気炉にセットし焼成して試料を得た。焼成操作は、まず、拡散ポンプにより焼成雰囲気を真空とし、室温から800℃まで毎時500℃の速度で加熱し、800℃で純度が99.999体積%の窒素を導入して圧力を1MPaとし、毎時500℃で1900℃まで昇温し、その温度で8時間保持した。合成した試料をメノウの乳鉢を用いて粉末に粉砕し、CuのKα線を用いた粉末X線回折測定(XRD)を行なった。その結果、得られたチャートは全てβ型Si34属結晶の構造を有していた。LECO社製TC436型酸素窒素分析計を用いてこれらの合成粉末中に含まれる酸素および窒素含有量を測定した。酸素測定には不活性ガス融解赤外線吸収法、窒素測定には不活性ガス融解熱伝導法を用いた。表3にその結果として蛍光体1〜4および比較蛍光体1の酸素窒素含有量についてまとめる。表3に示す様に、蛍光体1〜4の酸素含有量は0.5質量%以下であった。
ここで、表3に示す酸素含有量は、表1における設計組成(原子比)による組成量よりも多い。たとえば、表1の比較蛍光体1の設計組成のどおりの酸素含有量であるならば、表3における酸素含有量(質量%)は、0.14質量%程度となるはずである。その理由は次のように考えられる。出発原料として用いたSi粉末および窒化アルミニウム粉末の表面は酸化されており、酸化ケイ素膜および酸化アルミニウム膜が形成されている。さらに、粉砕工程、乾燥工程を通じて原料が粉砕されると、Si粉末および窒化アルミニウム粉末の表面は酸化されて、酸素含有量が増大する。また、高温での焼成中の窒素雰囲気ガスにも1ppm程度の酸素や水分が含まれており、これと試料が反応して酸素含有量が増大する。これらの理由により、表3に示す酸素含有量は表1に示す設計組成よりも高い値となった。
再加熱処理した粉末に、波長365nmの光を発するランプで照射した結果、緑色に発光することを確認した。該粉末の発光スペクトルおよび励起スペクトルを蛍光分光光度計を用いて測定した。表4に励起光のピーク波長(表中「励起波長」)、蛍光体の蛍光のピーク波長(表中「発光波長」)および発光スペクトルの半値全幅(表中「半値幅」)を示す。表4に示す様に、第1の蛍光体である蛍光体1〜4は、300〜303nmの範囲に励起スペクトルのピーク波長があり、発光スペクトルにおいて、524〜527nmの範囲に発光スペクトルのピーク波長がある緑色蛍光体であることが分かった。これらは、従来報告されているβ型サイアロンをホストとする緑色蛍光体よりも短波長であり、色純度が良い緑色光であった。
図6〜図9は、それぞれ蛍光体1〜4の励起光スペクトルと発光スペクトルとを示す。なお、発光強度は測定装置や条件によって変化するため、単位は任意単位である。それぞれ横軸は波長(nm)を示し、縦軸は発光強度(任意単位)を示す。図6〜9に示されるように、第1の蛍光体である蛍光体1〜4はそれぞれ、発光スペクトルにおける半値全幅が55nm以下と小さくシャープな緑色光を発することが示された。
図16は、表3および表4のデータをプロットしてなる第1の蛍光体の酸素含有量と発光ピーク波長の半値全幅との関係を表わすグラフである。図16の横軸は酸素含有量(質量%)、横軸は半値全幅(nm)を示す。図15と図16との関係からもわかるように、本発明の第1の蛍光体は、酸素含有量が0.5質量%以下であり、半値全幅が55nm以下であることからNTSC比95%以上が実現できた。これは、図16に示すように本実施例の第1の蛍光体の酸素濃度が0.8%以下であるためである。
<比較蛍光体1の作製>
原料粉末は、比表面積3.3m2/g、酸素含有量0.79%の窒化アルミニウム粉末(トクヤマ製Fグレード)、純度99.9%の酸化ユーロピウム粉末(信越化学製)および酸素含有量0.93質量%でα型含有量92%の窒化ケイ素粉末(宇部興産製SN−E10グレード)を用いた。
まず、Eu0.027Si12.15Al0.490.0415.32で示される設計組成の化合物を得るべく、窒化ケイ素粉末95.82質量%、窒化アルミニウム粉末3.37質量%、酸化ユーロピウム粉末0.81質量%の組成となるように所定量秤量し、窒化ケイ素焼結体製の乳鉢と乳棒で10分以上混合した後に250μmのふるいを通すことにより流動性に優れる粉体凝集体を得た。この粉体凝集体を直径20mm高さ20mmの大きさの窒化ホウ素製のるつぼに自然落下させて入れた。
次に、該るつぼを黒鉛抵抗加熱方式の電気炉にセットした後に、拡散ポンプにより焼成雰囲気を真空とし、室温から800℃まで毎時500℃の速度で加熱し、800℃で純度が99.999体積%の窒素を導入して圧力を1MPaとし、毎時500℃で1900℃まで昇温し、その温度で8時間保持して、試料を得た。合成した試料をメノウの乳鉢を用いて粉末に粉砕し、CuのKα線を用いた粉末X線回折測定(XRD)を行なった。その結果、該粉末から得られたチャートは全てβ型Si34属結晶の構造を有していた。LECO社製TC436型酸素窒素分析計を用いてこれらの合成粉末中に含まれる酸素および窒素含有量を測定したところ、表3に示す様に、該粉末の酸素含有量は1.12質量%であり、金属のシリコン(Si)を出発原料として用いた蛍光体1〜4と比べて、酸素含有量が高いことがわかった。窒化ケイ素粉末に含まれる酸素含有量は、金属のシリコン(Si)(原料中の酸素含有量は0.5質量%以下)より高かった。このため、窒化ケイ素を出発原料とすると金属のシリコン(Si)粉末を出発原料としたものより酸素含有量が増大することがわかった。
図13は、比較蛍光体1の励起光スペクトルと発光スペクトルとを示す。この材料の蛍光スペクトルは、図13に示す様に、発光スペクトルのピーク波長は、537nmと金属のシリコン(Si)を出発とするものより長波長であり、半値全幅が58nmと幅広であった。
<第1の蛍光体の作製:窒化ケイ素粉末を出発原料として用いた場合>
Si粉末の代わりに窒化ケイ素粉末を出発原料に用い、さらにカーボン粉末を添加した第1の蛍光体を蛍光体5〜7として、以下のように作製した。原料混合物としての原料粉末は、酸素含有量0.93質量%でα型Si34結晶の含有量が92%の窒化ケイ素粉末(宇部興産製SN−E10グレード)、比表面積3.3m2/gで酸素含有量0.79%の窒化アルミニウム粉末(トクヤマ製Fグレード)、純度99.9%の酸化ユーロピウム粉末(信越化学製)、およびカーボン粉末(三菱化成製カーボンブラックMA−600B)を用いた。
まず、表1で示される設計組成の化合物を得るべく、窒化ケイ素粉末95.82質量%、窒化アルミニウム粉末3.37質量%、酸化ユーロピウム粉末0.81質量%の組成となるように所定量秤量し、原料混合物の全質量に対して1質量%の割合でカーボン粉末を添加し、窒化ケイ素焼結体製の乳鉢と乳棒で10分以上混合した後に250μmのふるいを通すことにより流動性に優れる粉体凝集体を得た。これを蛍光体5の原料混合物とした。
次に、窒化ケイ素粉末95.82質量%、窒化アルミニウム粉末3.37質量%、酸化ユーロピウム粉末0.81質量%の組成となるように所定量秤量し、原料混合物の全質量に対して1質量%の割合でカーボン粉末を添加した。そこにエタノールを加えてスラリーとし、そのスラリーをスプレードライ装置を用いて噴霧乾燥させ、粉体凝集体を得た。これを蛍光体6の原料混合物とした。なお、スプレードライ装置には、ビュッヒ製B−290を用いた。
次に、窒化ケイ素粉末95.82質量%、窒化アルミニウム粉末3.37質量%、酸化ユーロピウム粉末0.81質量%の組成となるように所定量秤量し、窒化ケイ素焼結体製の乳鉢と乳棒で10分以上混合した後に250μmのふるいを通すことにより流動性に優れる粉体凝集体を得た。これを蛍光体7の原料混合物とした。
この粉体凝集体(蛍光体5〜7の原料混合物)を直径20mm高さ20mmの大きさの窒化ホウ素製のるつぼに自然落下させて入れた。
蛍光体7については、粉体凝集体が入った窒化ホウ素製のルツボを、さらに容積の大きな窒化ホウ素製のルツボに入れ、粉体凝集体が入った窒化ホウ素製のルツボの周りに、活性炭素を充填した。
つぎに、該るつぼを黒鉛抵抗加熱方式の電気炉にセットし焼成して試料を得た。焼成操作は、まず、拡散ポンプにより焼成雰囲気を真空とし、室温から800℃まで毎時500℃の速度で加熱し、800℃で純度が99.999体積%の窒素を導入して圧力を1MPaとし、毎時500℃で1900℃まで昇温し、その温度で8時間保持した。合成した試料をメノウの乳鉢を用いて粉末に粉砕し、CuのKα線を用いた粉末X線回折測定(XRD)を行なった。その結果、得られたチャートは全てβ型Si34属結晶の構造を有していた。LECO社製TC436型酸素窒素分析計を用いてこれらの合成粉末中に含まれる酸素および窒素含有量を測定した。酸素測定には不活性ガス融解赤外線吸収法、窒素測定には不活性ガス融解熱伝導法を用いた。表3にその結果として蛍光体5〜7および比較蛍光体1の酸素窒素含有量についてまとめる。表3に示す様に、蛍光体5〜7の酸素含有量は0.5質量%以下であった。
作製した粉末に、波長365nmの光を発するランプで照射した結果、緑色に発光することを確認した。該粉末の発光スペクトルおよび励起スペクトルを蛍光分光光度計を用いて測定した。表4に励起光のピーク波長(表中「励起波長」)、蛍光体の蛍光のピーク波長(表中「発光波長」)および発光スペクトルの半値全幅(表中「半値幅」)を示す。表4に示す様に、第1の蛍光体である蛍光体5〜7は、301〜302nmの範囲に励起スペクトルのピーク波長があり、発光スペクトルにおいて、525〜526nmの範囲に発光スペクトルのピーク波長がある緑色蛍光体であることが分かった。これらは、従来報告されているβ型サイアロンをホストとする緑色蛍光体よりも短波長であり、色純度が良い緑色光であった。
図10〜図12は、それぞれ蛍光体5〜7の励起光スペクトルと発光スペクトルとを示す。なお、発光強度は測定装置や条件によって変化するため、単位は任意単位である。それぞれ横軸は波長(nm)を示し、縦軸は発光強度(任意単位)を示す。図10〜12に示されるように、第1の蛍光体である蛍光体5〜7はそれぞれ、発光スペクトルにおける半値全幅が55nm以下と小さくシャープな緑色光を発することが示された。
図16は、表3および表4のデータをプロットしてなる第1の蛍光体の酸素含有量と発光ピーク波長の半値全幅との関係を表わすグラフである。図16の横軸は酸素含有量(質量%)、横軸は半値全幅(nm)を示す。図15と図16との関係からもわかるように、本発明の第1の蛍光体は、酸素含有量が0.5質量%以下であり、半値全幅が55nm以下であることからNTSC比95%以上が実現できた。これは、図16に示すように本実施例の第1の蛍光体の酸素濃度が0.8%以下であることによるものと考えた。
ここで、本発明の製造方法におけるカーボン粉末の添加量を検討するために、原料混合物にカーボン添加量を0.1質量%、0.5質量%、1.0質量%および2.0質量%添加して、上述の「窒化ケイ素粉末を出発原料として用いた製造方法」と同じ方法で第1の蛍光体を作製した。結果を表5に示す。表5には、カーボン粉末の添加量、酸素含有量、蛍光体の蛍光のピーク波長(表中「発光波長」)および発光スペクトルの半値全幅(表中「半値幅」)を表わす。
表5に示すとおり、原料混合物におけるカーボン粉末の添加量を増量するに従って、第1の蛍光体における酸素含有量が減少することを確認した。
この表5より、蛍光体の酸素濃度を0.8%以下とするためには、少なくともカーボン粉末を0.1質量%以上添加する必要があることが分かった。
また、カーボン粉末の添加量が1.0質量%と2.0質量%とで、酸素含有量はほぼ変わらないことから、1.0質量%以上添加しても酸素含有量は減少しないことが分かった。
また、原料混合物に10質量%を超える量のカーボン粉末を添加して第1の蛍光体を作製した。このときの結果は、表5には記載していないが、10質量%と超える量のカーボン粉末を添加すると、作製された第1の蛍光体におけるカーボン粉末の残留が多くなった。また、該第1の蛍光体は、発光効率が著しく低下することを確認した。
Figure 2009010315
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<実施例1:発光装置>
上述の第1の蛍光体である蛍光体1を用いた本発明の発光装置の実施例について以下、図1を参照して説明する。
図1に示す半導体発光素子は、基体としてのプリント配線基板101上に、半導体発光素子102が配置されている。半導体発光素子102は、活性層としてInGaN層103を有する。また、樹脂枠104の内側に、蛍光体を分散させた透光性樹脂からなるモールド樹脂105を充填して半導体発光素子102を封止している。
この樹脂枠104の内側において、プリント配線基板101の上面から背面にかけて配置されている電極部106と半導体発光素子102のn側電極107とを、導電性を有する接着剤111を用いて電気的に接続している。一方、半導体発光素子102のp側電極108は、金属ワイヤ109によってプリント配線基板101の上面から背面にかけて配置されている電極部110に電気的に接続している。モールド樹脂105に分散させる第蛍光体には、酸素濃度が0.8質量%以下の第1の蛍光体としての蛍光体1と第2の蛍光体としてのEu賦活CaAlSiN3蛍光体とを用いた。
この時、モールド樹脂:第1の蛍光体:Eu賦活CaAlSiN3蛍光体の混合重量比率は、50:6:1とした。
図14は、蛍光体2の励起スペクトルを拡大したものを示す。ここで、半導体発光素子102の発光ピーク波長は、445nmと設定した。蛍光体1〜5の励起スペクトルは、比較蛍光体1に比べ、励起スペクトルの形状に微細構造が現れている。図14に示されるように440nm〜450nmの間の励起スペクトルに着目したときに、励起スペクトルの極大値が445nmの地点にあることが分かった。したがってこの近傍に励起光のピーク波長を合わせることが望ましいことがわかった。
<実施例2〜5:発光装置>
実施例2〜5は、それぞれ第1の蛍光体として蛍光体2〜5を用いた以外は、全て実施例1と同様にして発光装置を作製した。
図17は、実施例2の発光装置から発せられる発光スペクトルを示す。ここで半導体発光素子102の発光ピーク波長は445nmとした。
図17から示されたとおり、半導体発光素子102から発せられた青色光、第1の蛍光体から発光された緑色光に加え、第2の蛍光体であるEu賦活CaAlSiN3蛍光体から赤色光が発せられ、本発明の発光装置からはシャープな3原色発光が得られた。これは、上述の液晶バックライト用フィルタの透過スペクトルを示した図3に非常によくマッチングしており、色再現性のよい画像処理装置に適している。本実施例の場合、酸窒化物蛍光体である第1の蛍光体の結晶安定性や発光効率の温度依存性が少ないという利点を生かし、様々な環境で安定した発光スペクトルを提供できる。また発光装置の長期信頼性も酸化物蛍光体などの他の蛍光体を用いた場合に比べ格段に優れていた。
<実施例6:発光装置>
以下、図1を参照して説明する。
モールド樹脂105に分散させる蛍光体として、酸素濃度が0.8質量%以下の第1の蛍光体としての蛍光体2と、第2の蛍光体としてのEu賦活CaAlSiN3蛍光体に加え第3の蛍光体としての青色蛍光体(BaMgAl1017:Eu2+(BAM))を用いた。
図18は、実施例6の発光装置から発せられる発光スペクトルを示す。ここで半導体発光素子102の発光ピーク波長は405nmとした。
このように、半導体発光素子102から発せられた近紫外光である405nmの励起光は第1の蛍光体により緑色蛍光に、第2の蛍光体としてのEu賦活CaAlSiN3蛍光体により赤色蛍光に、さらに第3の蛍光体により青色蛍光に変換され、図18のようなシャープな3原色発光がえられた。これは、前述カラーフィルタの透過スペクトルを示す図3に非常によくマッチングしており、色再現性のよい画像処理装置に適していることがわかった。
本実施例の場合、3原色の発光をすべて蛍光体によっているため、周囲温度などの環境変化によって発光ピーク波長の変動がほとんど発生しないという利点を持つ。
本実施例の場合は、また図7に示すように第1の蛍光体としての蛍光体2の励起スペクトルは可視光域に比べ近紫外域の方が高いため、発光効率が高いという利点を有する。
本実施例のような発光装置の場合は、蛍光体2の代わりに蛍光体1,蛍光体3〜5のいずれかを備えるものであっても、また図6,図8〜10に示すように第1の蛍光体の励起スペクトルは可視光域に比べ近紫外域の方が高いため、発光効率が高いという利点を有すると考えられた。
図14に蛍光体2の励起スペクトルを拡大したものを示す。ここで、半導体発光素子102の発光ピーク波長は、405nmと設定した。蛍光体1〜5の第1の蛍光体の励起スペクトルをくわしく調べると、比較蛍光体1に比べ、励起スペクトルの形状に微細構造が現れている。図14に示されるように400nm〜410nmの間の励起スペクトルに着目したときに、励起スペクトルの極大値が405nmの地点にあることが分かった。したがってこの近傍に励起光のピーク波長を合わせることが望ましいことがわかった。
本実施例の半導体装置は、本発明における画像表示装置にそのまま応用可能であり、高い色再現領域が得られた。
<実施例7:発光装置>
以下、図1を参照して説明する。
発光装置として、モールド樹脂105に実施例1で説明した酸素濃度が0.8質量%以下の第1の蛍光体のみを分散させ、半導体発光素子102の発光ピーク波長を405nmとした緑色発光装置を作製した。また、モールド樹脂105に第2の蛍光体としてのEu賦活CaAlSiN3蛍光体のみを分散させ、半導体発光素子102の発光ピーク波長を405nmとした赤色発光装置を作製した。また、青色発光装置として、モールド樹脂105に蛍光体を何も分散させず、半導体発光素子102の発光ピーク波長を445nmとした青色発光装置を作製した。
図19は、緑色発光装置から発せられる発光スペクトルを示す。図20は、赤色発光装置から発せられる発光スペクトルを示す。図21は、青色発光装置から発せられる発光スペクトルを示す。このように、半導体発光素子102から発せられた近紫外光は第1の蛍光体により緑色光に変換された。半導体発光素子102から発せられた近紫外光はEu賦活CaAlSiN3蛍光体により赤色光に変換された。そして、青色発光装置の発光とあわせて、青、緑、赤のシャープな3原色発光が得られた。この発光装置は、上述の液晶バックライト用フィルタの透過スペクトルを示す図3に非常によくマッチングしており、色再現性のよい画像処理装置に適していた。
本実施例の場合は、また図6に示すように実施例1で用いた第1の蛍光体としての蛍光体1の励起スペクトルは可視光域に比べ近紫外域の方が高いため、発光効率が高いという利点を有する。
本実施例のような発光装置の場合は、蛍光体1の代わりに蛍光体2〜5のいずれかを備えるものであっても、また図7〜10に示すように第1の蛍光体の励起スペクトルは可視光域に比べ近紫外域の方が高いため、発光効率が高いという利点を有すると考えられた。
ここで半導体発光素子102の発光ピーク波長を405nmとした目的は以下のとおりである。図14に蛍光体2の励起スペクトルを拡大したものを示す。ここで、半導体発光素子102の発光ピーク波長は、405nmと設定した。蛍光体1〜5の励起スペクトルをくわしく調べると、比較蛍光体1に比べ、励起スペクトルの形状に微細構造が現れていた。図14に示されるように400nm〜410nmの間の励起スペクトルに着目したときに、励起スペクトルの極大値が405nmの地点にあることが分かった。したがって、この近傍に励起光のピーク波長を合わせることが望ましいことがわかった。
<実施例8:画像表示装置>
以下、図2を参照して説明する。
透明の導光板203の側面に実施例1で示した半導体発光素子201a〜201fを複数配置した。導光板203の上部には液晶表示部210を隣接して配置した。半導体発光素子201a〜201fからの出射光202は導光板203内で散乱して散乱光204として液晶表示部210の全面に照射された。
以下、図2中の拡大図における液晶表示部210を参照する。偏光版211の上部には薄膜トランジスタ212を有する透明電極層213a、両側に配向膜214aおよび214bにはさまれた液晶層215、上部薄膜電極213bを配置した。さらに色画素を表示するためのカラーフィルタ216、上部偏光板217を配置した。カラーフィルタ216は透明電極層213aの各画素に対応する大きさの部分に分割されており、赤色光を透過する赤カラーフィルタ216r、緑色光を透過する緑カラーフィルタ216g、青色光を透過する青カラーフィルタ216bよりなるものとした。
図3に本発明の好ましいカラーフィルタの透過率スペクトルを示す。このようなカラーフィルタと、実施例1の半導体発光素子とを組み合わせることにより赤、青、緑の3原色を表示できる画像表示装置が実現できた。ここで青色光を透過するカラーフィルタの波長530nmにおける透過率の最大値の20%以下であるものを用いた。
<実施例9:画像表示装置>
以下、図4を参照して説明する。
透明の導光板203の側面に実施例7で説明した緑色発光装置1701g、赤色発光装置1701rおよび青色発光装置1701bを複数配置してなる。導光板203の上部には液晶表示部210を隣接して配置した。発光装置からの出射光202は導光板203内で散乱して散乱光204として液晶表示部210の全面に照射された。
以下、図4中の拡大図における液晶表示部210を参照する。偏光版211の上部には薄膜トランジスタ212を有する透明電極層213a、両側に配向膜214aおよび214bにはさまれた液晶層215、上部薄膜電極213bを配置する。さらに色画素を表示するためのカラーフィルタ216、上部偏光板217を配置する。カラーフィルタ216は薄膜電極213aの各画素に対応する大きさの部分に分割されており、赤色光を透過する赤カラーフィルタ216r、緑色光を透過する緑カラーフィルタ216g、青色光を透過する青カラーフィルタ216bよりなるものとした。
図3に本発明の好ましいカラーフィルタの透過率スペクトルを示す。このようなカラーフィルタを実施例7における発光装置と組み合わせることにより赤、青、緑の3原色を表示できる画像表示装置が実現できた。ここで青色光を透過する青カラーフィルタの波長530nmにおける透過率の最大値の20%以下であるものを用いた。
<実施例10:画像表示装置>
以下、図5を参照して説明する。
透明の導光板203の側面に実施例7で説明した緑色発光装置1701g、赤色発光装置1701rおよび青色発光装置1701bを複数配置してなる。導光板203の上部には液晶表示部210を隣接して配置した。発光装置からの出射光202は導光板203内で散乱して散乱光204として液晶表示部210の全面に照射された。
以下、図5中の拡大図における液晶表示部210を参照する。偏光版211の上部には薄膜トランジスタ212を有する透明電極層213a、両側に配向膜214aおよび214bにはさまれた液晶層215、上部薄膜電極213bを配置した。本実施例では3原色用のカラーフィルタは用いなかった。本画像表示装置は、3原色の発光装置を独立して設けてあるため、それぞれの色の発光装置を時分割駆動した。
たとえば180Hzの周波数で各色を点滅させ、液晶によりコントラスト調整を行なった。これを時系列的に加色混合することにより、画像表示することを確認した。
以上の実施例における画像処理装置は、説明のために導光板に側面より発光装置の発光を入射させる構成をとっているが、液晶表示部の背面より照射する構成をとった場合も同様の効果が得られることはいうまでもない。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施形態に従った発光装置の模式的な断面図である。 本発明の発光装置を用いた画像表示装置の構成を示した模式斜視図である。 本発明の画像表示装置における好ましいカラーフィルタの透過率スペクトルである。 本発明の発光装置を用いた画像表示装置の別の構成を示した模式斜視図である。 本発明の発光装置を用いた画像表示装置の別の構成を示した模式斜視図である。 第1の蛍光体である蛍光体1の励起光スペクトルと発光スペクトルとである。 第1の蛍光体である蛍光体2の励起光スペクトルと発光スペクトルとである。 第1の蛍光体である蛍光体3の励起光スペクトルと発光スペクトルとである。 第1の蛍光体である蛍光体4の励起光スペクトルと発光スペクトルとである。 第1の蛍光体である蛍光体5の励起光スペクトルと発光スペクトルとである。 第1の蛍光体である蛍光体6の励起光スペクトルと発光スペクトルとである。 第1の蛍光体である蛍光体7の励起光スペクトルと発光スペクトルとである。 比較蛍光体1の励起光スペクトルと発光スペクトルとである。 第1の蛍光体である蛍光体2の拡大した励起スペクトルである。 画像表示装置の色再現性を表わす指標として一般的に用いられるNTSC比の緑色光ピークのスペクトル半値全幅の依存性を示すグラフである。 表3および表4のデータをプロットしてなる第1の蛍光体の酸素含有量と発光ピーク波長の半値全幅との関係を表わすグラフである。 実施例2の発光装置から発せられる発光スペクトルを示す。 実施例6の発光装置から発せられる発光スペクトルを示す。 実施例7における緑色発光装置から発せられる発光スペクトルである。 実施例7における赤色発光装置から発せられる発光スペクトルである。 実施例7における青色発光装置から発せられる発光スペクトルである。
符号の説明
101 プリント配線基板、102 半導体発光素子、103 InGaN層、104 樹脂枠、105 モールド樹脂、106 n電極部、107 n側電極、108 p側電極、109 金属ワイヤ、110 p電極部、111 接着剤、201a,201b,201c,201d,201e,201f 発光装置、202 出射光、203 導光板、204 散乱光、210 液晶表示部、211 偏光版、212 薄膜トランジスタ、213a 透明電極層、213b 上部薄膜電極、214a,214b 配向膜、215 液晶層、216 カラーフィルタ、216r 赤カラーフィルタ、216g 緑カラーフィルタ、216b 青カラーフィルタ、217 上部偏光板、1701r 赤色発光装置、1701g 緑色発光装置、1701b 青色発光装置。

Claims (27)

  1. 励起光を発する半導体発光素子と、
    前記励起光を吸収して緑色光を発する第1の蛍光体とを含む発光装置において、
    前記第1の蛍光体は、β型Si34結晶構造を有する酸窒化物の結晶の中にアルミニウム元素と、Mn、CeおよびEuから選ばれる金属元素Mとが固溶してなり、前記結晶中に含まれる酸素量が0.8質量%以下である固溶体を含む発光装置。
  2. 前記第1の蛍光体が、前記励起光を照射することにより波長520nm〜550nmの範囲にピーク波長を有する緑色光を発する請求項1に記載の発光装置。
  3. 前記第1の蛍光体が、前記励起光を照射することにより波長520nm〜535nmの範囲にピーク波長を有する緑色光を発する請求項1に記載の発光装置。
  4. 前記金属元素MがEuであり、前記第1の蛍光体の発光スペクトルの半値全幅が55nm以下である請求項2または3に記載の発光装置。
  5. 前記励起光を発する前記半導体発光素子の発光ピーク波長が390nm〜480nmである請求項1〜4のいずれかに記載の発光装置。
  6. 前記励起光を発する前記半導体発光素子の発光ピーク波長が390nm〜420nmである請求項1〜5のいずれかに記載の発光装置。
  7. 前記励起光を発する前記半導体発光素子の発光ピーク波長が400nm〜410nmであること請求項1〜5のいずれかに記載の発光装置。
  8. 前記励起光を発する前記半導体発光素子の発光ピーク波長が430nm〜480nmである請求項1〜5のいずれかに記載の発光装置。
  9. 前記励起光を発する前記半導体発光素子の発光ピーク波長が440nm〜450nmである請求項1〜5のいずれかに記載の発光装置。
  10. 前記励起光を照射することにより赤色光を発する第2の蛍光体を含む請求項1〜9のいずれかに記載の発光装置。
  11. 前記第2の蛍光体が、前記励起光を照射することにより波長600nm〜670nmの範囲にピーク波長を有する赤色光を発する請求項10に記載の発光装置。
  12. 前記第2の蛍光体の発光スペクトルの半値全幅が95nm以下である請求項10または11に記載の発光装置。
  13. 前記第2の蛍光体がEu賦活CaAlSiN3を含む請求項10に記載の発光装置。
  14. 前記第2の蛍光体がEu賦活M2Si58(ただしMは、Mn、CeおよびEuから選ばれる金属元素)およびEu賦活Sr2Si58を含む請求項10に記載の発光装置。
  15. 前記励起光を照射することにより青色光を発する第3の蛍光体を含む請求項1〜14のいずれかに記載の発光装置。
  16. 請求項1〜15のいずれかに記載の発光装置をバックライト光源とした画像表示装置。
  17. 請求項1〜15のいずれかに記載の発光装置をバックライト光源とし、赤色光、緑色光および青色光それぞれを透過するカラーフィルタを含む画像表示装置。
  18. 青色光を透過する青カラーフィルタの波長530nmにおける透過率が透過率の最大値の20%以下である請求項17に記載の画像表示装置。
  19. β型Si34結晶構造を有する酸窒化物の結晶の中にアルミニウム元素と、Mn、CeおよびEuから選ばれる金属元素Mとが固溶してなり、前記結晶中に含まれる酸素量が0.8質量%以下である固溶体を含む第1の蛍光体の製造方法であって、
    Siを含有する金属あるいはその無機化合物と、
    Alを含有する金属あるいはその無機化合物と、
    金属元素M(ただし、Mは、Mn、CeおよびEuから選ばれる金属元素)を含有する金属あるいはその無機化合物と、
    炭素を含有する固体粉末と、
    を含む原料混合物を、窒素含有雰囲気中において1200℃以上2200℃以下の温度範囲で焼成する工程を備える第1の蛍光体の製造方法。
  20. 前記原料混合物が、窒化ケイ素粉末と、窒化アルミニウム粉末と、酸化ユーロピウム粉末と、カーボン粉末とを含む請求項19に記載の第1の蛍光体の製造方法。
  21. 前記原料混合物とアルコールとからなるスラリーを形成し、そのスラリーをスプレードライ装置を用いて噴霧乾燥する操作を含む請求項19または20に記載の第1の蛍光体の製造方法。
  22. 前記原料混合物は、窒化ケイ素粉末と、窒化アルミニウム粉末と、酸化ユーロピウム粉末とを含み、前記原料混合物を窒化ホウ素製またはカーボン製のルツボにいれ、前記ルツボの周囲にカーボン粉末を配置した請求項19に記載の第1の蛍光体の製造方法。
  23. 前記原料混合物中のカーボン粉末量が、0.1〜10質量%である請求項19〜22のいずれかに記載の第1の蛍光体の製造方法。
  24. 前記原料混合物中のカーボン粉末量が、0.5〜2質量%である請求項19〜22のいずれかに記載の第1の蛍光体の製造方法。
  25. 前記原料混合物中のカーボン粉末の平均粒子径が、0.01〜1μmである請求項19〜24のいずれかに記載の第1の蛍光体の製造方法。
  26. 前記原料混合物中のカーボン粉末の平均粒子径が、0.5〜5mmである請求項19〜24のいずれかに記載の第1の蛍光体の製造方法。
  27. 前記焼成する工程の後、蛍光体粉末を、空気中で500℃〜800℃に加熱することにより余剰カーボンを除去した請求項19〜26のいずれかに記載の第1の蛍光体の製造方法。
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