JP2007141855A - 蛍光体を用いた照明器具および画像表示装置 - Google Patents

蛍光体を用いた照明器具および画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】従来の希土類付活サイアロン蛍光体より緑色の輝度が高く、従来の酸化物蛍光体
よりも耐久性に優れる緑色蛍光体を用いた照明器具および画像表示装置を提供する。
【解決手段】発光光源と蛍光体とを含む照明器具、又は、励起源と蛍光体とを含む画像表
示装置において、前記蛍光体は、β型Si結晶構造を持つ窒化物または酸窒化物の
結晶中に金属元素M(ただし、Mは、Mn、Ce、Euから選ばれる1種または2種以上
の元素)が固溶してなるβ型Si結晶構造を持つ窒化物または酸窒化物の結晶相を
含み、前記発光光源あるいは励起源を照射することにより波長500nmから600nm
の範囲の波長にピークを持つ蛍光を発光することを特徴とする。
【選択図】図8

Description

本発明は、β型Si結晶構造を持つ蛍光体の用途に関する。さらに詳細には、該
用途は該蛍光体の有する性質、すなわち500nm以上600nm以下の波長に発光ピー
クを持つ緑色蛍光を発する特性を利用した照明器具および画像表示装置に関する。
蛍光体は、蛍光表示管(VFD)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、
プラズマディスプレイパネル(PDP)、陰極線管(CRT)、白色発光ダイオード(L
ED)などに用いられている。これらのいずれの用途においても、蛍光体を発光させるた
めには、蛍光体を励起するためのエネルギーを蛍光体に供給する必要があり、蛍光体は真
空紫外線、紫外線、電子線、青色光などの高いエネルギーを有した励起源により励起され
て、可視光線を発する。しかしながら、蛍光体は前記のような励起源に曝される結果、蛍
光体の輝度が低下するという問題があり、輝度低下のない蛍光体が求められている。その
ため、従来のケイ酸塩蛍光体、リン酸塩蛍光体、アルミン酸塩蛍光体、硫化物蛍光体など
の蛍光体に代わり、輝度低下の少ない蛍光体として、サイアロン蛍光体が提案されている
このサイアロン蛍光体の一例は、概略以下に述べるような製造プロセスによって製造さ
れる。まず、窒化ケイ素(Si)、窒化アルミニウム(AlN)、酸化ユーロピウ
ム(Eu)、を所定のモル比に混合し、1気圧(0.1MPa)の窒素中において
1700℃の温度で1時間保持してホットプレス法により焼成して製造される(例えば、
特許文献1参照)。このプロセスで得られるEuイオンを付活したαサイアロンは、45
0から500nmの青色光で励起されて550から600nmの黄色の光を発する蛍光体
となることが報告されている。
さらに、JEM相(LaAl(Si6−zAl)N10−z)を母体結晶として
、Ceを付活させた青色蛍光体(特許文献2参照)、LaSi11を母体結晶
としてCeを付活させた青色蛍光体(特許文献3参照)、CaAlSiNを母体結晶と
してEuを付活させた赤色蛍光体(特許文献4参照)が知られている。
しかしながら、紫外LEDを励起源とする白色LEDやプラズマディスプレイなどの用
途には、青や黄色だけでなく緑色に発光する蛍光体も求められていた。
特開2002−363554号公報 特願2003−208409号 特願2003−346013号 特願2003−394855号
別のサイアロン蛍光体として、β型サイアロンに希土類元素を添加した蛍光体(特許文
献5参照)が知られており、Tb、Yb、Agを付活したものは525nmから545n
mの緑色を発光するの蛍光体となることが示されている。しかしながら、合成温度が15
00℃と低いために付活元素が十分に結晶内に固溶せず、粒界相に残留するため高輝度の
蛍光体は得られていなかった。
特開昭60−206889号公報
本発明は、このような要望に応えようとするものであり、従来の希土類付活サイアロン
蛍光体より緑色の輝度が高く、従来の酸化物蛍光体よりも耐久性に優れる緑色蛍光体を用
いた照明器具および画像表示装置を提供することを課題とする。
本発明者らにおいては、かかる状況の下で、M(ただし、Mは、Mn、Ce、Euから
選ばれる1種または2種以上の元素)、および、Si、Al、O、Nの元素を含有する窒
化物について鋭意研究を重ねた結果、特定の組成領域範囲、特定の固溶状態および特定の
結晶相を有するものは、500nmから600nmの範囲の波長に発光ピークを持つ蛍光
体となることを見出した。すなわち、β型Si結晶構造を持つ窒化物または酸窒化
物を母体結晶とし、M(ただし、Mは、Mn、Ce、Euから選ばれる1種または2種以
上の元素)を発光中心として添加した固溶体結晶は500nm以上600nm以下の範囲
の波長にピークを持つ発光を有する蛍光体となることを見出した。なかでも、Eu化合物
を添加して1820℃以上の温度で合成したβ型サイアロンは、Euがβ型サイアロンの
結晶中に固溶することにより、500nmから550nmの波長にピークを持つ色純度が
良い緑色の蛍光を発することを見いだした。
β型Si結晶構造はP6またはP6/mの対称性を持ち、表1の理想原子位
置を持つ構造として定義される(非特許文献1参照)。この結晶構造を持つ窒化物または
酸窒化物としては、β型Si、β型Geおよびβ型サイアロン(Si6−z
Al8−zただし0<z<4.2)などが知られている。また、β型サイアロン
は、1700℃以下の合成温度では結晶中には金属元素を固溶せず、焼結助剤などとして
添加した金属酸化物は粒界にガラス相を形成して残留することが知られている。金属元素
をサイアロン結晶中に取り込む場合は、特許文献1に記載のα型サイアロンが用いられる
。表1にβ型窒化ケイ素の原子座標に基づく結晶構造データを示す。
CHONG−MIN WANG ほか4名"Journal of Materials Science"1996年、31巻、5281〜5298頁
Figure 2007141855
β型Siやβ型サイアロンは耐熱材料として研究されており、そこには本結晶に
光学活性な元素を固溶させることおよび固溶した結晶を蛍光体として使用することについ
ての記述は、特許文献5にて特定の元素について調べられているだけである。
特許文献5によれば、500nmから600nmの範囲の波長に発光ピークをもつ蛍光
体としては、Tb、Yb、Agを添加した場合だけが報告されている。しかしながら、T
bを添加した蛍光体は励起波長が300nm以下であり白色LED用途には使用すること
ができず、また発光寿命が長いため残像が残りディスプレイ用途には適さない問題があっ
た。また、YbやAgを添加したものは輝度が低い問題があった。また、その後本発明に
いたるまでの間、β型Si構造を持つ結晶を蛍光体として使用しようと検討された
ことはなかった。すなわち、特定の金属元素を固溶させたβ型Si結晶構造を持つ
窒化物または酸窒化物が紫外線および可視光や電子線またはX線で励起され高い輝度の緑
色発光を有する蛍光体として使用し得るという重要な発見は、本発明者らにおいて初めて
見出したものである。本発明者らにおいては、この知見を基礎にしてさらに鋭意研究を重
ねた結果、以下(1)〜(47)に記載する構成を講ずることによって特定波長領域で高
い輝度の発光現象を示す蛍光体を用いた照明器具、画像表示装置を提供することに成功し
た。その構成は、以下(1)〜(47)に記載のとおりである。
(1)発光光源と蛍光体とを含む照明器具において、前記蛍光体は、β型Si結晶
構造を持つ窒化物または酸窒化物の結晶中に金属元素M(ただし、Mは、Mn、Ce、E
uから選ばれる1種または2種以上の元素)が固溶してなるβ型Si結晶構造を持
つ窒化物または酸窒化物の結晶相を含み、前記発光光源を照射することにより波長500
nmから600nmの範囲の波長にピークを持つ蛍光を発光することを特徴とする照明器
具。
(2)前記蛍光体は、前記β型Si結晶構造を持つ窒化物または酸窒化物がβ型S
であることを特徴とする前記(1)の照明器具。
(3)前記蛍光体は、前記β型Si結晶構造を持つ窒化物または酸窒化物がβ型サ
イアロン(Si6−zAl8−z,ただし0<z<4.2)であることを特徴と
する前記(1)の照明器具。
(4)前記蛍光体は、zの値が、0<z≦0.5であることを特徴とする前記(3)の照
明器具。
(5)前記蛍光体は、M(ただし、Mは、Mn、Ce、Euから選ばれる1種または2種
以上の元素)、A(ただし、Aは、C、Si、Ge、Sn、B、Al、Ga、Inの元素
)およびX(ただし、XはO、Nから選ばれる1種または2種の元素)を含有し、組成式
(式中、a+b+c=1とする)で示され、
0.00001≦ a ≦0.1・・・・・・・・・・・(i)
0.38≦ b ≦0.46・・・・・・・・・・・・・(ii)
0.54≦ c ≦0.62・・・・・・・・・・・・・(iii)
以上の条件を満たす組成で表されることを特徴とする前記(1)の照明器具。
(6)前記蛍光体は、M(ただし、Mは、Mn、Ce、Euから選ばれる1種または2種
以上の元素)、および、Al、Si、O、Nの元素を含有し、組成式MSib1Al
c1c2(式中、a+b+b+c+c=1とする)で示され、
0.00001≦ a ≦0.1・・・・・・・・・・・・(i)
0.28≦ b ≦0.46・・・・・・・・・・・・・(ii)
0.001≦ b ≦0.3・・・・・・・・・・・・・(iii)
0.001≦ c ≦0.3・・・・・・・・・・・・・(iv)
0.4≦ c ≦0.62・・・・・・・・・・・・・・(v)
以上の条件を満たす組成で表されることを特徴とする前記(1)の照明器具。
(7)前記蛍光体は、少なくともEuを含有することを特徴とする前記(1)の照明器具

(8)前記蛍光体は、少なくともEuおよびAlを含有することを特徴とする前記(1)
の照明器具。
(9)前記蛍光体は、組成式EuSib1Alb2c1c2(式中、a+b+b
+c+c=1とする)で示され、
0.00001≦ a ≦0.1・・・・・・・・・・・(i)
0.28≦ b ≦0.46・・・・・・・・・・・・(ii)
0.001≦ b ≦0.08・・・・・・・・・・・(iii)
0.001≦ c ≦0.3・・・・・・・・・・・・(iv)
0.4≦ c ≦0.62・・・・・・・・・・・・・(v)
以上の条件を満たす組成で表されることを特徴とする前記(8)の照明器具。
(10)前記蛍光体は、0.41 ≦ b + b ≦0.44 かつ 0.56
≦ c +c ≦0.59であることを特徴とする前記(9)の照明器具。
(11)前記発光光源は、100nm以上500nm以下の波長を持つ紫外線または可視
光であることを特徴とする前記(1)ないし(10)のいずれか1項の照明器具。
(12)前記蛍光体は、ピーク波長が500nm以上550nm以下の範囲であることを
特徴とする前記(1)ないし(11)のいずれか1項の照明器具。
(13)前記蛍光体は、前記発光光源が照射されたとき発光する色がCIE色度座標上の
(x、y)値で、
0 ≦ x ≦0.3・・・・・・・・・・・・・・(i)
0.6≦ y ≦0.83・・・・・・・・・・・・(ii)
以上の条件を満たすことを特徴とする前記(1)ないし(12)のいずれか1項の照明器
具。
(14)前記蛍光体は、前記β型Si結晶構造を持つ窒化物または酸窒化物の結晶
相が、平均粒径50nm以上20μm以下の単結晶であることを特徴とする前記(1)な
いし(13)のいずれか1項の照明器具。
(15)前記蛍光体は、前記β型Si結晶構造を持つ窒化物または酸窒化物の結晶
相が、アスペクト比(粒子の長軸の長さを短軸の長さで割った値)の平均値が1.5以上
20以下の値を持つ単結晶であることを特徴とする前記(1)ないし(14)のいずれか
1項の照明器具。
(16)前記蛍光体は、前記β型Si結晶構造を持つ窒化物または酸窒化物の結晶
相に含まれる、Fe、Co、Ni不純物元素の合計が500ppm以下であることを特徴
とする前記(1)ないし(15)のいずれか1項の照明器具。
(17)前記蛍光体は、前記β型Si結晶構造を持つ窒化物または酸窒化物の結晶
相と他の結晶相あるいはアモルファス相との混合物から構成され、前記β型Si
晶構造を持つ窒化物または酸窒化物の結晶相の含有量が50質量%以上であることを特徴
とする前記(1)ないし(16)のいずれか1項の照明器具。
(18)前記蛍光体は、前記他の結晶相あるいはアモルファス相が導電性を持つ無機物質
であることを特徴とする前記(17)の照明器具。
(19)前記蛍光体は、前記導電性を持つ無機物質が、Zn、Ga、In、Snから選ば
れる1種または2種以上の元素を含む酸化物、酸窒化物、または窒化物、あるいはこれら
の混合物であることを特徴とする前記(18)の照明器具。
(20)前記発光光源は、330〜500nmの波長の光を発する発光ダイオード(LE
D)またはレーザダイオード(LD)であることを特徴とする前記(1)の照明器具。
(21)前記発光光源は、330〜420nmの波長の光を発するLEDまたはLDであ
り、
前記照明器具は、前記330〜420nmの励起光により420nm以上500nm以
下の波長に発光ピークを持つ青色蛍光体と、前記330〜420nmの励起光により60
0nm以上700nm以下の波長に発光ピークを持つ赤色蛍光体とをさらに含み、青色光
と前記蛍光体が発する緑色光と赤色光を混合して白色光を発することを特徴とする前記(
1)ないし(20)のいずれか1項に記載の照明器具。
(22)前記発光光源は、420〜500nmの波長の光を発するLEDまたはLDであ
り、
前記照明器具は、前記420〜500nmの励起光により600nm以上700nm以
下の波長に発光ピークを持つ赤色蛍光体をさらに含み、前記発光光源の青色光と前記蛍光
体が発する緑色光と赤色光とを混合することにより白色光を発することを特徴とする前記
(1)ないし(20)のいずれか1項に記載の照明器具。
(23)前記発光光源は、420〜500nmの波長の光を発するLEDまたはLDであ
り、
前記照明器具は、前記420〜500nmの励起光により550nm以上600nm以
下の波長に発光ピークを持つ黄色またはオレンジ色蛍光体をさらに含み、前記発光光源の
青色光と前記蛍光体が発する緑色光と黄色またはオレンジ色光とを混合することにより白
色光を発することを特徴とする前記(1)ないし(20)のいずれか1項に記載の照明器
具。
(24)前記黄色またはオレンジ色蛍光体がEuを固溶させたCa−αサイアロンである
ことを特徴とする前記(23)の照明器具。
(25)前記赤色蛍光体がCaAlSiN型結晶構造を持つ無機物質にEuを固溶させ
た蛍光体であることを特徴とする前記(21)または(22)の照明器具。
(26)前記CaAlSiN型結晶構造を持つ無機物質がCaAlSiNであること
を特徴とする前記(25)の照明器具。
(27)励起源と蛍光体とを含む画像表示装置において、前記蛍光体は、β型Si
結晶構造を持つ窒化物または酸窒化物の結晶中に金属元素M(ただし、Mは、Mn、Ce
、Euから選ばれる1種または2種以上の元素)が固溶してなるβ型Si結晶構造
を持つ窒化物または酸窒化物の結晶相を含み、前記励起源を照射することにより波長50
0nmから600nmの範囲の波長にピークを持つ蛍光を発光することを特徴とする画像
表示装置。
(28)前記蛍光体は、前記β型Si結晶構造を持つ窒化物または酸窒化物がβ型
Siであることを特徴とする前記(27)の画像表示装置。
(29)前記蛍光体は、前記β型Si結晶構造を持つ窒化物または酸窒化物がβ型
サイアロン(Si6−zAl8−z,ただし0<z<4.2)であることを特徴
とする前記(27)の画像表示装置。
(30)前記蛍光体は、zの値が、0<z≦0.5であることを特徴とする前記(29)
の画像表示装置。
(31)前記蛍光体は、M(ただし、Mは、Mn、Ce、Euから選ばれる1種または2
種以上の元素)、A(ただし、Aは、C、Si、Ge、Sn、B、Al、Ga、Inの元
素)およびX(ただし、XはO、Nから選ばれる1種または2種の元素)を含有し、組成
式M(式中、a+b+c=1とする)で示され、
0.00001≦ a ≦0.1・・・・・・・・・・・(i)
0.38≦ b ≦0.46・・・・・・・・・・・・・(ii)
0.54≦ c ≦0.62・・・・・・・・・・・・・(iii)
以上の条件を満たす組成で表されることを特徴とする前記(27)の画像表示装置。
(32)前記蛍光体は、M(ただし、Mは、Mn、Ce、Euから選ばれる1種または2
種以上の元素)、および、Al、Si、O、Nの元素を含有し、組成式MSib1Al
b2c1c2(式中、a+b+b+c+c=1とする)で示され、
0.00001≦ a ≦0.1・・・・・・・・・・・・(i)
0.28≦ b ≦0.46・・・・・・・・・・・・・(ii)
0.001≦ b ≦0.3・・・・・・・・・・・・・(iii)
0.001≦ c ≦0.3・・・・・・・・・・・・・(iv)
0.4≦ c ≦0.62・・・・・・・・・・・・・・(v)
以上の条件を満たす組成で表されることを特徴とする前記(27)の画像表示装置。
(33)前記蛍光体は、少なくともEuを含有することを特徴とする前記(27)の画像
表示装置。
(34)前記蛍光体は、少なくともEuおよびAlを含有することを特徴とする前記(2
7)の画像表示装置。
(35)前記蛍光体は、組成式EuSib1Alb2c1c2(式中、a+b
+c+c=1とする)で示され、
0.00001≦ a ≦0.1・・・・・・・・・・・(i)
0.28≦ b ≦0.46・・・・・・・・・・・・(ii)
0.001≦ b ≦0.08・・・・・・・・・・・(iii)
0.001≦ c ≦0.3・・・・・・・・・・・・(iv)
0.4≦ c ≦0.62・・・・・・・・・・・・・(v)
以上の条件を満たす組成で表されることを特徴とする前記(34)の画像表示装置。
(36)前記蛍光体は、0.41 ≦ b + b ≦0.44 かつ 0.56
≦ c +c ≦0.59であることを特徴とする前記(35)の画像表示装置。
(37)前記励起源は、100nm以上500nm以下の波長を持つ紫外線または可視光
であることを特徴とする前記(27)ないし(36)のいずれか1項の画像表示装置。
(38)前記励起源は、電子線またはX線であることを特徴とする前記(27)ないし(
36)のいずれか1項の画像表示装置。
(39)前記蛍光体は、ピーク波長が500nm以上550nm以下の範囲であることを
特徴とする前記(27)ないし(38)のいずれか1項の画像表示装置。。
(40)前記蛍光体は、前記励起源が照射されたとき発光する色がCIE色度座標上の(
x、y)値で、
0 ≦ x ≦0.3・・・・・・・・・・・・・・(i)
0.6≦ y ≦0.83・・・・・・・・・・・・(ii)
以上の条件を満たすことを特徴とする前記(27)ないし(39)のいずれか1項の画像
表示装置。
(41)前記蛍光体は、前記β型Si結晶構造を持つ窒化物または酸窒化物の結晶
相が、平均粒径50nm以上20μm以下の単結晶であることを特徴とする前記(27)
ないし(40)のいずれか1項の画像表示装置。
(42)前記蛍光体は、前記β型Si結晶構造を持つ窒化物または酸窒化物の結晶
相が、アスペクト比(粒子の長軸の長さを短軸の長さで割った値)の平均値が1.5以上
20以下の値を持つ単結晶であることを特徴とする前記(27)ないし(41)のいずれ
か1項の画像表示装置。
(43)前記蛍光体は、前記β型Si結晶構造を持つ窒化物または酸窒化物の結晶
相に含まれる、Fe、Co、Ni不純物元素の合計が500ppm以下であることを特徴
とする前記(27)ないし(42)のいずれか1項の画像表示装置。
(44)前記蛍光体は、前記β型Si結晶構造を持つ窒化物または酸窒化物の結晶
相と他の結晶相あるいはアモルファス相との混合物から構成され、前記β型Si
晶構造を持つ窒化物または酸窒化物の結晶相の含有量が50質量%以上であることを特徴
とする前記(27)ないし(43)のいずれか1項の画像表示装置。
(45)前記蛍光体は、前記他の結晶相あるいはアモルファス相が導電性を持つ無機物質
であることを特徴とする前記(44)の画像表示装置。
(46)前記蛍光体は、前記導電性を持つ無機物質が、Zn、Ga、In、Snから選ば
れる1種または2種以上の元素を含む酸化物、酸窒化物、または窒化物、あるいはこれら
の混合物であることを特徴とする前記(45)の画像表示装置。
(47)前記画像表示装置は、蛍光表示管(VFD)、フィールドエミッションディスプ
レイ(FED)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、陰極線管(CRT)のいずれ
かであることを特徴とする前記(27)の画像表示装置。
本発明の照明器具および画像表示装置に用いる蛍光体は、β型Si結晶構造を持
つ窒化物または酸窒化物の結晶相の固溶体を主成分として含有していることにより、従来
のサイアロンや酸窒化物蛍光体より500nm〜600nmの波長域での発光強度が高く
、緑色の蛍光体として優れている。発光光源あるいは励起源に曝された場合でも、この蛍
光体は、輝度が低下することがないので、この蛍光体を用いることにより、性能の優れた
VFD、FED、PDP、CRT、白色LEDなどが得られる。
以下、本発明の実施例に基づいて詳しく説明する。
まず、本発明の照明器具および画像表示装置に用いる蛍光体(以下、「本発明の蛍光体
」という。)について説明する。
本発明の蛍光体は、β型Si結晶構造を持つ窒化物または酸窒化物の結晶相の固
溶体(以下、β型Si属結晶と呼ぶ)を主成分として含んでなるものである。β型
Si属結晶は、X線回折や中性子線回折により同定することができ、純粋なβ型S
と同一の回折を示す物質の他に、構成元素が他の元素と置き換わることにより格
子定数が変化したものもβ型Si属結晶である。
ここで、純粋なβ型Siの結晶構造とはP6またはP6/mの対称性を持つ
六方晶系に属し、表1の理想原子位置を持つ構造として定義される(非特許文献1参照)
結晶である。実際の結晶では、各原子の位置は、各位置を占める原子の種類によって理想
位置から±0.05程度は変化する。その格子定数は、a=0.7595nm、c=0.
29023nmであるが、その構成成分とするSiがAlなどの元素で置き換わったり、
NがOでなどの元素で置き換わったり、Euなどの金属元素が固溶することによって格子
定数は変化するが、結晶構造と原子が占めるサイトとその座標によって与えられる原子位
置は大きく変わることはない。従って、格子定数と純粋なβ型Siの面指数が与え
られれば、X線回折による回折ピークの位置(2θ)が一義的に決まる。そして、新たな
物質について測定したX線回折結果から計算した格子定数と表4の面指数を用いて計算し
た回折のピーク位置(2θ)のデータとが一致したときに当該結晶構造が同じものと特定
することができる。
β型Si結晶構造を持つ窒化物または酸窒化物結晶としては結晶構造が同じなら
物質を特定はしないが、β型Si、β型Ge、β型Cおよびこれらの
固溶体を挙げることができる。固溶体としては、β型Si結晶構造のSiの位置を
C、Si、Ge、Sn、B、Al、Ga、Inの元素で、Nの位置をO、Nの元素で置換
することができる。さらに、これらの元素の置換は1種だけでなく2種以上の元素を同時
に置換したものも含まれる。これらの結晶の内、特に高輝度が得られるのは、β型Si
およびβ型サイアロン(Si6−zAl8−z,ただし0<z<4.2)で
ある。
本発明の蛍光体では、蛍光発光の点からは、その構成成分たるβ型Si結晶構造
を持つ窒化物または酸窒化物の結晶相は、高純度で極力多く含むこと、できれば単相から
構成されていることが望ましいが、特性が低下しない範囲で他の結晶相あるいはアモルフ
ァス相との混合物から構成することもできる。この場合、β型Si結晶構造を持つ
窒化物または酸窒化物の結晶相の含有量が50質量%以上であることが高い輝度を得るた
めに望ましい。本発明の蛍光体において主成分とする範囲は、β型Si結晶構造を
持つ窒化物または酸窒化物の結晶相の含有量が50質量%以上である。
β型Si結晶構造を持つ窒化物または酸窒化物の結晶を母体結晶とし、金属元素
M(ただし、Mは、Mn、Ce、Euから選ばれる1種または2種以上の元素)を母体結
晶に固溶させることによって、これらの元素が発光中心として働き、蛍光特性を発現する
。Mの元素の内で特にEuは緑色の発光特性に優れる。さらには、β型サイアロン結晶に
Euを含むもの、即ち、AlとEuを結晶中に含むものは特に緑色の発光特性に優れる。
本発明の蛍光体に、発光光源あるいは励起源を照射することにより波長500nmから
600nmの範囲の波長にピークを持つ蛍光を発光する。この範囲にピークを持つ発光ス
ペクトルは緑色の光を発する。なかでも波長500nmから550nmの範囲の波長にピ
ークを持つシャープな形状のスペクトルでは発光する色は、CIE色度座標上の(x、y
)値で、0 ≦ x ≦0.3、0.6≦ y ≦0.83の値をとり、色純度が良い緑
色である。
蛍光体の発光光源あるいは励起源としては、100nm以上500nm以下の波長の光
(真空紫外線、深紫外線、紫外線、近紫外線、紫から青色の可視光)および電子線、X線
などを用いると高い輝度の蛍光を発する。
本発明の蛍光体ではβ型Si結晶構造を持つ窒化物または酸窒化物の結晶であれ
ば組成の種類を特に規定しないが、次の組成でβ型Si結晶構造を持つ窒化物また
は酸窒化物の結晶の含有割合が高く、輝度が高い蛍光体が得られる。
β型Si結晶構造を持つ窒化物または酸窒化物の結晶の含有割合が高く、輝度が
高い蛍光体が得られる組成としては、次の範囲の組成が良い。M(ただし、Mは、Mn、
Ce、Euから選ばれる1種または2種以上の元素)、A(ただし、Aは、C、Si、G
e、Sn、B、Al、Ga、Inの元素)およびX(ただし、XはO、Nから選ばれる1
種または2種の元素)を含有し、組成式M(式中、a+b+c=1とする)で
示され、a,b,cの値は、
0.00001≦ a ≦0.1・・・・・・・・・・・・(i)
0.38≦ b ≦0.46・・・・・・・・・・・・・・(ii)
0.54≦ c ≦0.62・・・・・・・・・・・・・・(iii)
の条件を全て満たす値から選ばれる。aは発光中心となる元素Mの添加量を表し、原子比
で0.00001以上0.1以下となるようにするのがよい。a値が0.00001より
小さいと発光中心となるMの数が少ないため発光輝度が低下する。0.1より大きいとM
イオン間の干渉により濃度消光を起こして輝度が低下する。bは母体結晶を構成する金属
元素の量であり、原子比で0.38以上0.46以下となるようにするのがよい。好まし
くは、b=0.429が良い。b値がこの範囲をはずれると結晶中の結合が不安定になり
β型Si構造以外の結晶相の生成割合が増え、緑色の発光強度が低下する。cは母
体結晶を構成する非金属元素の量であり、原子比で0.54以上0.62以下となるよう
にするのがよい。好ましくは、c=0.571が良い。c値がこの範囲をはずれると結晶
中の結合が不安定になりβ型Si構造以外の結晶相の生成割合が増え、緑色の発光
強度が低下する。
β型サイアロンを母体結晶とする場合は、次の組成で輝度が高い蛍光体が得られる。M
(ただし、Mは、Mn、Ce、Euから選ばれる1種または2種以上の元素)、および、
Al、Si、O、Nの元素を含有し、組成式MSib1Alb2c1c2(式中、
a+b+b+c+c=1とする)で示され、a、b、b、c、cは、
0.00001≦ a ≦0.1・・・・・・・・・・・・(i)
0.28≦ b ≦0.46・・・・・・・・・・・・・(ii)
0.001≦ b ≦0.3・・・・・・・・・・・・・(iii)
0.001≦ c ≦0.3・・・・・・・・・・・・・(iv)
0.44≦ c ≦0.62・・・・・・・・・・・・・(v)
以上の条件を全て満たす値から選ばれる。aは発光中心となる元素Mの添加量を表し、原
子比で0.00001以上0.1以下となるようにするのがよい。a値が0.00001
より小さいと発光中心となるMの数が少ないため発光輝度が低下する。0.1より大きい
とMイオン間の干渉により濃度消光を起こして輝度が低下する。bはSiの量であり、
原子比で0.28以上0.46以下となるようにするのがよい。bはAlの量であり、
原子比で0.001以上0.3以下となるようにするのがよい。また、bとbの値の
合計は、0.41以上0.44以下とするのがよく、より好ましくは、0.429がよい
。bおよびb値がこの範囲をはずれるとβ型サイアロン以外の結晶相の生成割合が増
え、緑色の発光強度が低下する。cは酸素の量であり、原子比で0.001以上0.3
以下となるようにするのがよい。cは窒素の量であり、原子比で0.44以上0.62
以下となるようにするのがよい。また、cとcの値の合計は、0.56以上0.59
以下となるようにするのがよい。好ましくは、c=0.571が良い。cおよびc
がこの範囲をはずれるとβ型サイアロン以外の結晶相の生成割合が増え、緑色の発光強度
が低下する。
β型サイアロンを母体結晶とし、Euを発光中心とする場合は、次の組成で特に輝度が
高い蛍光体が得られる。EuSib1Alb2c1c2(式中、a+b+b
+c=1とする)で示され、a、b、b、c、cは、
0.00001≦ a ≦0.1・・・・・・・・・・(i)
0.28≦ b ≦0.46・・・・・・・・・・・・(ii)
0.001≦ b ≦0.3・・・・・・・・・・・・(iii)
0.001≦ c ≦0.3・・・・・・・・・・・・(iv)
0.44≦ c ≦0.62・・・・・・・・・・・・(v)
以上の条件を全て満たす値から選ばれる。bはSiの量であり、原子比で0.28以上
0.46以下となるようにするのがよい。bはAlの量であり、原子比で0.001以
上0.3以下となるようにするのがよい。また、bとbの値の合計は、0.41以上
0.44以下とするのがよく、好ましくは、0.429がよい。bおよびb値がこの
範囲をはずれるとβ型サイアロン以外の結晶相の生成割合が増え、緑色の発光強度が低下
する。cは酸素の量であり、原子比で0.001以上0.3以下となるようにするのが
よい。cは窒素の量であり、原子比で0.54以上0.62以下となるようにするのが
よい。また、cとcの値の合計は、0.56以上0.59以下となるようにするのが
よい。好ましくは、c=0.571が良い。cおよびc値がこの範囲をはずれるとβ
型サイアロン以外の結晶相の生成割合が増え、緑色の発光強度が低下する。
また、これらの組成には特性が劣化しない範囲で不純物としてのその他の元素を含んで
いても差し支えない。発光特性を劣化させる不純物は、Fe、Co、Niなどであり、こ
の3元素の合計が500ppmを超えると発光輝度が低下する。
上記のように、本発明の蛍光体では、結晶相としてβ型Si結晶構造を持つ窒化
物または酸窒化物の結晶相の単相から構成されることが望ましいが、特性が低下しない範
囲内で他の結晶相あるいはアモルファス相との混合物から構成することもできる。この場
合、β型Si結晶構造を持つ窒化物または酸窒化物の結晶相の含有量が50質量%
以上であることが高い輝度を得るために望ましい。含有量の割合はX線回折測定を行い、
β型Si結晶構造を持つ窒化物または酸窒化物の結晶相とそれ以外の結晶相のそれ
ぞれの相の最強ピークの強さの比から求めることができる。
他の結晶相あるいはアモルファス相との混合物から構成される蛍光体において、導電性
を持つ無機物質との混合物とすることができる。VFDやPDPなどにおいて、本発明の
蛍光体を電子線で励起する場合には、蛍光体上に電子が溜まることなく外部に逃がすため
に、ある程度の導電性を持つことが好ましい。導電性物質としては、Zn、Ga、In、
Snから選ばれる1種または2種以上の元素を含む酸化物、酸窒化物、または窒化物、あ
るいはこれらの混合物を挙げることができる。なかでも、酸化インジウムとインジウム−
スズ酸化物(ITO)は、蛍光強度の低下が少なく、導電性が高いため好ましい。
本発明の蛍光体の形態は特に規定しないが、粉末として使用する場合は、平均粒径50
nm以上20μm以下の単結晶であることが、高輝度が得られるため好ましい。さらには
、アスペクト比(粒子の長軸の長さを短軸の長さで割った値)の平均値が1.5以上20
以下の値を持つ単結晶では、いっそう輝度が高くなる。平均粒径が20μmより大きくな
ると、照明器具や画像表示装置に適用する際に分散性が悪くなり、色むらが発生するため
好ましくない。50nmより小さくなると粉末が凝集するため操作性が悪くなる。アスペ
クト比(粒子の長軸の長さを短軸の長さで割った値)の平均値が1.5以上の単結晶粒子
においては特に発光輝度が高くなる。これは、高温でβ型窒化ケイ素構造をもつ結晶が成
長する際にEuなどの金属元素を結晶中に比較的多くの量を取り込んだものであり、蛍光
を阻害する結晶欠陥が少ないことと透明性が高いため、発光輝度が高くなる。しかしなが
ら、アスペクト比が20を越えると針状結晶となり、環境面から好ましくない。その場合
は、本発明の製造方法により粉砕を行うとよい。
本発明の蛍光体の製造方法は特に規定しないが、一例として次の方法を挙げることがで
きる。
金属化合物の混合物であって焼成することにより、MSiAl組成(た
だし、Mは、Mn、Ce、Euから選ばれる1種または2種以上の元素)を構成しうる原
料混合物を、窒素雰囲気中において焼成する。最適焼成温度は組成により異なるので一概
に規定できないが、一般的には1820℃以上2200℃以下の温度範囲で、安定して緑
色の蛍光体が得られる。焼成温度が1820℃より低いと、発光中心となる元素Mがβ型
Si結晶構造を持つ窒化物または酸窒化物の結晶中に固溶することなく酸素含有量
が高い粒界相中に残留するため、酸化物ガラスをホストとする発光となって、青色などの
低波長の発光となり、緑色の蛍光は得られない。特許文献5では、焼成温度が1550℃
であり元素Mは粒界に残留する。即ち、特許文献5では同じEuを付活元素とした場合で
も発光波長は410〜440nmの青色であり、本発明の蛍光体の発光波長である500
〜550nmとは本質的に異なる。また、焼成温度が2200℃以上では特殊な装置が必
要となり工業的に好ましくない。発光中心となる元素Mの中でもEuが高い輝度が得られ
るため好ましい。
金属化合物の混合物は、Mの金属、酸化物、炭酸塩、窒化物、または酸窒化物から選ば
れるMを含む金属化合物と、窒化ケイ素と、窒化アルミニウムとの混合物がよい。これら
は、反応性に富み、高純度な合成物を得ることができることに加えて、工業原料として生
産されており入手しやすい利点がある。
焼成時の反応性を向上させるために、必要に応じて金属化合物の混合物に、焼成温度以
下の温度で液相を生成する無機化合物を添加することができる。無機化合物としては、反
応温度で安定な液相を生成するものが好ましく、Li、Na、K、Mg、Ca、Sr、B
aの元素のフッ化物、塩化物、ヨウ化物、臭化物、あるいはリン酸塩が適している。さら
に、これらの無機化合物は、単体で添加するほか2種以上を混合してもよい。なかでも、
フッ化カルシウムは合成の反応性を向上させる能力が高いため適している。無機化合物の
添加量は特に規定しないが、出発原料である金属化合物の混合物100重量部に対して、
0.1重量部以上10重量部以下で、特に効果が大きい。0.1重量部より少ないと反応
性の向上が少なく、10重量部を越えると蛍光体の輝度が低下する。これらの無機化合物
を添加して焼成すると、反応性が向上して、比較的短い時間で粒成長が促進されて粒径の
大きな単結晶が成長し、蛍光体の輝度が向上する。さらに、焼成後に無機化合物を溶解す
る溶剤で洗浄することにより、焼成により得られた反応物中に含まれる無機化合物の含有
量を低減すると、蛍光体の輝度が向上する。このような溶剤としては、水、エタノール、
硫酸、フッ化水素酸、硫酸とフッ化水素酸の混合物を挙げることができる。
窒素雰囲気は0.1MPa以上100MPa以下の圧力範囲のガス雰囲気がよい。より
好ましくは、0.5MPa以上10MPa以下がよい。窒化ケイ素を原料として用いる場
合、1820℃以上の温度に加熱すると窒素ガス雰囲気が0.1MPaより低いと、原料
が熱分解するので好ましくない。0.5MPaより高いとほとんど分解しない。10MP
aあれば十分であり、100MPa以上となると特殊な装置が必要となり、工業生産に向
かない。
粉体または凝集体形状の金属化合物を、嵩密度40%以下の充填率に保持した状態で容
器に充填した後に焼成する方法によれば、特に高い輝度が得られる。
粒径数μmの微粉末を出発原料とする場合、混合工程を終えた金属化合物の混合物は、粒
径数μmの微粉末が数百μmから数mmの大きさに凝集した形態をなす(粉体凝集体と呼
ぶ)。本発明では、粉体凝集体を嵩密度40%以下の充填率に保持した状態で焼成する。
すなわち、通常のサイアロンの製造ではホットプレス法や金型成形後に焼成を行なってお
り粉体の充填率が高い状態で焼成されているが、本発明では、粉体に機械的な力を加える
ことなく、また予め金型などを用いて成形することなく、混合物の粉体凝集体の粒度をそ
ろえたものを、そのままの状態で容器などに嵩密度40%以下の充填率で充填する。必要
に応じて、該粉体凝集体を、ふるいや風力分級などを用いて、平均粒径500μm以下に
造粒して粒度制御することができる。また、スプレードライヤなどを用いて直接的に50
0μm以下の形状に造粒してもよい。また、容器は窒化ホウ素製を用いると蛍光体との反
応が少ない利点がある。
嵩密度を40%以下の状態に保持したまま焼成するのは、原料粉末の周りに自由な空間
がある状態で焼成すると、反応生成物が自由な空間に結晶成長することにより結晶同士の
接触が少なくなり、表面欠陥が少ない結晶を合成することが出来るためである。これによ
り、輝度が高い蛍光体が得られる。嵩密度が40%を超えると焼成中に部分的に緻密化が
起こって、緻密な焼結体となってしまい結晶成長の妨げとなり蛍光体の輝度が低下する。
また微細な粉体が得られない。また、粉体凝集体の大きさは500μm以下が、焼成後の
粉砕性に優れるため特に好ましい。
次に、充填率40%以下の粉体凝集体を前記条件で焼成する。焼成に用いる炉は、焼成
温度が高温であり焼成雰囲気が窒素であることから、金属抵抗加熱抵抗加熱方式または黒
鉛抵抗加熱方式であり、炉の高温部の材料として炭素を用いた電気炉が好適である。焼成
の手法は、常圧焼結法やガス圧焼結法などの外部から機械的な加圧を施さない焼結手法が
、嵩密度を高く保ったまま焼成するために好ましい。
焼成して得られた粉体凝集体が固く固着している場合は、例えばボールミル、ジェット
ミル等の工場的に通常用いられる粉砕機により粉砕する。なかでも、ボールミル粉砕は粒
径の制御が容易である。このとき使用するボールおよびポットは、窒化ケイ素焼結体また
はサイアロン焼結体製が好ましい。特に好ましくは、製品となる蛍光体と同組成のセラミ
ックス焼結体製が好ましい。粉砕は平均粒径20μm以下となるまで施す。特に好ましく
は平均粒径20nm以上5μm以下である。平均粒径が20μmを超えると粉体の流動性
と樹脂への分散性が悪くなり、発光素子と組み合わせて発光装置を形成する際に部位によ
り発光強度が不均一になる。20nm以下となると、粉体を取り扱う操作性が悪くなる。
粉砕だけで目的の粒径が得られない場合は、分級を組み合わせることができる。分級の手
法としては、篩い分け、風力分級、液体中での沈殿法などを用いることができる。
粉砕分級の一方法として酸処理を行っても良い。焼成して得られた粉体凝集体は、多く
の場合、β型Si結晶構造を持つ窒化物または酸窒化物の単結晶が微量のガラス相
を主体とする粒界相で固く固着した状態となっている。この場合、特定の組成の酸に浸す
とガラス相を主体とする粒界相が選択的に溶解して、単結晶が分離する。これにより、そ
れぞれの粒子が単結晶の凝集体ではなく、β型Si結晶構造を持つ窒化物または酸
窒化物の単結晶1個からなる粒子として得られる。このような粒子は、表面欠陥が少ない
単結晶から構成されるため、蛍光体の輝度が特に高くなる。
この処理に有効な酸として、フッ化水素酸、硫酸、塩酸、フッ化水素酸と硫酸の混合物
を挙げることができる。中でも、フッ化水素酸と硫酸の混合物はガラス相の除去効果が高
い。
以上の工程での微細な蛍光体粉末が得られるが、輝度をさらに向上させるには熱処理が
効果的である。この場合は、焼成後の粉末、あるいは粉砕や分級により粒度調整された後
の粉末を、1000℃以上で焼成温度以下の温度で熱処理することができる。1000℃
より低い温度では、表面の欠陥除去の効果が少ない。焼成温度以上では粉砕した粉体どう
しが再度固着するため好ましくない。熱処理に適した雰囲気は、蛍光体の組成により異な
るが、窒素、空気、アンモニア、水素から選ばれる1種又は2種以上の混合雰囲気中を使
用することができ、特に窒素雰囲気が欠陥除去効果に優れるため好ましい。
以上のようにして得られる窒化物は、通常の酸化物蛍光体や既存のサイアロン蛍光体と
比べて、紫外線から可視光の幅広い励起範囲を持つこと、500nm以上600nm以下
の範囲にピークを持つ緑色の発光をすることが特徴であり、本発明の照明器具、画像表示
装置に好適である。これに加えて、高温にさらしても劣化しないことから耐熱性に優れて
おり、酸化雰囲気および水分環境下での長期間の安定性にも優れている。
本発明の照明器具は、少なくとも発光光源と本発明の蛍光体を用いて構成される。照明
器具としては、LED照明器具、蛍光ランプなどがある。LED照明器具では、本発明の
蛍光体を用いて、特開平5−152609、特開平7−99345、特許公報第2927
279号などに記載されているような公知の方法により製造することができる。この場合
、発光光源は330〜500nmの波長の光を発するものが望ましく、中でも330〜4
20nmの紫外(または紫)LED発光素子またはLD発光素子と420〜500nmの
青色LEDまたはLD発光素子が好ましい。
これらの発光素子としては、GaNやInGaNなどの窒化物半導体からなるものがあ
り、組成を調整することにより所定の波長の光を発する発光光源となり得る。
照明器具において本発明の蛍光体を単独で使用する方法の他に、他の発光特性を持つ蛍
光体と併用することによって、所望の色を発する照明器具を構成することができる。この
一例として、330〜420nmの紫外LEDまたはLD発光素子と、この波長で励起さ
れ420nm以上500nm以下の波長に発光ピークを持つ青色蛍光体と、600nm以
上700nm以下の波長に発光ピークを持つ赤色蛍光体と、本発明の緑色蛍光体の組み合
わせがある。このような青色蛍光体としてはBaMgAl1017:Euを、赤色蛍光
体としては、特願2003−394855に記載のCaSiAlN:Euを挙げること
ができる。この構成では、LEDまたはLDが発する紫外線が蛍光体に照射されると、赤
、緑、青の3色の光が発せられ、これの混合により白色の照明器具となる。
別の手法として、420〜500nmの青色LEDまたはLD発光素子と、この波長で
励起されて600nm以上700nm以下の波長に発光ピークを持つ赤色蛍光体と、本発
明の蛍光体との組み合わせがある。このような赤色蛍光体としては、特願2003−39
4855に記載のCaSiAlN:Euを挙げることができる。この構成では、LED
またはLDが発する青色光が蛍光体に照射されると、赤、緑の2色の光が発せられ、これ
らとLEDまたはLD自身の青色光が混合されて白色または赤みがかった電球色の照明器
具となる。
別の手法として、420〜500nmの青色LEDまたはLDと、この波長で励起され
て550nm以上600nm以下の波長に発光ピークを持つ黄色またはオレンジ色蛍光体
と、本発明の蛍光体との組み合わせがある。このような、黄色またはオレンジ色の蛍光体
としては、特開平9−218149に記載の(Y、Gd)(Al、Ga)12:C
eや特開2002−363554に記載のα−サイアロン:Euを挙げることができる。
なかでもEuを固溶させたCa−α−サイアロンが発光輝度が高いのでよい。この構成で
は、LEDまたはLDが発する青色光が蛍光体に照射されると、黄またはオレンジ色と緑
の2色の光が発せられ、これらとLEDまたはLD自身の青色光が混合されて白色の照明
器具となる。また、2種類の蛍光体の配合量を変化させることにより、青白い光、白色、
赤みがかった電球色の幅広い色の光に調整することができる。
本発明の画像表示装置は少なくも励起源と本発明の蛍光体で構成され、蛍光表示管(V
FD)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、プラズマディスプレイパネル
(PDP)、陰極線管(CRT)などがある。本発明の蛍光体は、100〜190nmの
真空紫外線、190〜380nmの紫外線、電子線などの励起で発光することが確認され
ており、これらの励起源と本発明の蛍光体との組み合わせで、上記のような画像表示装置
を構成することができる。
次に本発明を以下に示す実施例によってさらに詳しく説明するが、これはあくまでも本
発明を容易に理解するための一助として開示したものであって、本発明は、これらの実施
例に限定されるものではない。
実施例1;
原料粉末は、平均粒径0.5μm、酸素含有量0.93重量%、α型含有量92%の窒
化ケイ素粉末、比表面積3.3m/g、酸素含有量0.79%の窒化アルミニウム粉末
、純度99.9%の酸化ユーロピュウム粉末を用いた。
組成式Eu0.00296Si0.41395Al0.013340.00444
0.56528で示される化合物(表2に設計組成、表3に原料粉末の混合組成と焼成温
度を示す)を得るべく、窒化ケイ素粉末と窒化アルミニウム粉末と酸化ユーロピュウム粉
末とを、各々94.77重量%、2.68重量%、2.556重量%となるように秤量し
、窒化ケイ素焼結体製のポットと窒化ケイ素焼結体製のボールとn−ヘキサンを用いて湿
式ボールミルにより2時間混合した。ロータリーエバポレータによりn−ヘキサンを除去
し、混合粉体の乾燥物を得た。得られた混合物をメノウ乳鉢と乳棒を用いて粉砕した後に
500μmのふるいを通すことにより流動性に優れる粉体凝集体を得た。この粉体凝集体
を直径20mm高さ20mmの大きさの窒化ホウ素製るつぼに自然落下させて入れたとこ
ろ、嵩密度は30体積%であった。嵩密度は、投入した粉体凝集体の重量とるつぼの内容
積から計算した。つぎに、るつぼを黒鉛抵抗加熱方式の電気炉にセットした。焼成操作は
、まず、拡散ポンプにより焼成雰囲気を真空とし、室温から800℃まで毎時500℃の
速度で加熱し、800℃で純度が99.999体積%の窒素を導入して圧力を1MPaと
し、毎時500℃で1900℃まで昇温し、1900℃で8時間保持した。
先ず、合成した試料をメノウの乳鉢を用いて粉末に粉砕し、CuのKα線を用いた粉末
X線回折測定(XRD)を行った。その結果、得られたチャートは図1に示すパターンを
示し、β型窒化ケイ素構造を有しており、組成分析でAlとOを含有していることからβ
型サイアロンが生成していることがわかった。この得られた焼成体を粗粉砕の後、窒化ケ
イ素製の乳鉢と乳棒で粉砕を施した。粒度分布を測定したところ、平均粒径は4μmであ
った。
この粉末の組成分析を下記方法で行った。まず、試料50mgを白金るつぼに入れて、
炭酸ナトリウム0.5gとホウ酸0.2gを添加して加熱融解した後に、塩酸2mlに溶
かして100mlの定容として測定用溶液を作製した。この液体試料をICP発光分光分
析することにより、粉体試料中の、Si,Al、Eu、Ca量を定量した。また、試料2
0mgをスズカプセルに投入し、これをニッケルバスケットに入れたものを、LECO社
製TC−436型酸素窒素分析計を用いて、粉体試料中の酸素と窒素を定量した。さらに
、粉末中の微量成分の不純物量を定量するため、試料50mgと黒鉛粉末50mgを混合
し黒鉛電極に詰め、日本ジャーレルアッシュ製のCID−DCA発光分光分析装置を用い
て、B、Fe、Ca、Mg、Al、Crの不純物量を定量した。ICP発光分光分析およ
び酸素窒素分析計による測定結果は、Eu:2.16±0.02質量%、Si:55.6
±0.1質量%、Al:1.64±0.1質量%、N:38.0±0.1質量%、O:2
.1±0.1質量%であった。全元素の分析結果から計算した合成した無機化合物の組成
(原子数表示)は、Eu0.00290Si0.40427Al0.012100.0
26790.55391である。表2に示す設計組成(Eu0.00296Si0.4
1395Al0.013340.004440.56528)と比べると、特に酸素
含有量が高い。この理由は、原料として用いた窒化ケイ素、窒化アルミニウムに含まれる
不純物酸素が原因である。本発明のサイアロン組成は理想的には、Si6−zAl
8−z(ただし0<z<4.2)の組成であるが、この組成におけるNの一部がOで置
換されたものも発明の範囲に含み、その場合に置いても、高い輝度の緑色蛍光体が得られ
る。また、CID−DCA発光分光分析により検出された不純物元素は、Yは0.009
質量%、Bは0.001質量%、Feは0.003質量%、Caは0.001質量%以下
、Mgは0.001質量%以下、Crは0.001質量%以下であった。
この粉末の形態を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した。図2に示すように、短径1
00〜500nmで長径4μm程度の針状結晶であることが確認された。このような形態
の結晶は、自由空間に気相または液相を経由して結晶成長したことを示しており、180
0℃以下の低温での合成とは本質的に異なる。
この粉末の形態を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察した(図3−1、図3−2)。図
3−1に示すように、粒子は粒界相が存在しない単結晶であり、粒内の欠陥が少ないこと
が特徴である。また、高解像度の観察(図3−2)によれば、単結晶粒子の表面には0.
7nmの非晶質相が存在するが、他の非晶質および結晶質の相は存在しないことが確認さ
れた。なお、この非晶質相は、粒子表面が酸化されたことによる酸化ケイ素である。この
粒子内のEuの存在を調べるため、TEMに付属の電子線エネルギー損失分析器(EEL
S)を用いてEuのスペクトルを測定した(図3−3)。粒子表面(図3−3中のチャー
ト(a))と粒子中央(図3−3中のチャート(b))でEuの電子状態を示すスペクト
ルはほとんど同じであり、これらは参照試料である酸化ユーロピウム(Eu;図3
−3中のチャート(c))のスペクトルと同じであることが確認された。即ち、Euは粒
内に存在しており、非晶質の表面相に偏在しているものではないことが確認された。
この粉末の均一性を、カソードルミネッセンス(CL)検知器を備えたSEMで観察し
、カソードルミネッセンス像(CL像)を評価した。この装置は、電子線を照射して発生
する可視光を検出して二次元情報である写真の画像として得ることにより、どの場所でど
の波長の光が発光しているかを明らかにするものである。図4−1の発光スペクトル観察
により、この蛍光体は電子線で励起されて530nmの波長の緑色発光を示すことが確認
された。また、数十個の粒子を観察したCL像(図4−2)によれば、特定の部位が発光
している箇所はなく粒子内が均一に緑色に発光していることが確認された。また、特に強
く発光している粒子はなく、数十個の全粒子が均一に緑色に発光していることが確認され
た。なお、CL像で白く観察される部分は530nmの光を発している部分であり、白黒
濃淡表示で白いほど緑色の発光が強いことを示している。
以上のXRDチャート、SEM像、TEM像、EELSスペクトル、CL像の観察結果
を総合すると、本粉末は、(1)β型Si構造を持つβ−サイアロンを母体結晶と
し、それにEuが固溶した無機物質であり、(2)組成はEu0.00290Si0.4
0427Al0.012100.026790.55391であり、(3)Euはβ
−サイアロンの結晶中に均一に分布しており、(4)第二相や粒界相などの他の相を形成
しておらず、単相の物質であり、(5)各粒子は1個の単結晶であり、(6)各粒子は均
一に発光していることが確認された。このような特徴を持つ蛍光体は従来報告はされてお
らず、本発明者らが初めて見いだしたものである。
この粉末に、波長365nmの光を発するランプで照射した結果、緑色に発光すること
を確認した。この粉末の発光スペクトルおよび励起スペクトル(図5)を蛍光分光光度計
を用いて測定した結果、この粉末は303nmに励起スペクトルのピークがあり303n
mの励起による発光スペクトルにおいて、535nmの緑色光にピークがある蛍光体であ
ることが分かった。ピークの発光強度は、3948カウントであった。なおカウント値は
測定装置や条件によって変化するため単位は任意単位である。すなわち、同一条件で測定
した本実施例および比較例内でしか比較できない。303nmの励起で発する光のCIE
色度は、x=0.32、y=0.64の緑色であった。
実施例1と同様の手法、手順に基づいてさらに実施例2〜24を行った。その設計組成
ならびに原料粉末の混合組成を表2、表3にまとめて示す。
Figure 2007141855
Figure 2007141855
実施例2〜24;
実施例1と同じ原料粉末を用いて、表2に示す組成を得るべく、窒化ケイ素粉末と窒化
アルミニウム粉末と酸化ユーロピュウム粉末とを所定量秤量し、窒化ケイ素焼結体製のポ
ットと窒化ケイ素焼結体製のボールとn−ヘキサンを用いて湿式ボールミルにより2時間
混合した。ロータリーエバポレータによりn−ヘキサンを除去し、混合粉体の乾燥物を得
た。得られた混合物をメノウ乳鉢と乳棒を用いて粉砕した後に500μmのふるいを通す
ことにより流動性に優れる粉体凝集体を得た。この粉体凝集体を直径20mm高さ20m
mの大きさの窒化ホウ素製るつぼに自然落下させて入れた。つぎに、るつぼを黒鉛抵抗加
熱方式の電気炉にセットした。焼成操作は、まず、拡散ポンプにより焼成雰囲気を真空と
し、室温から800℃まで毎時500℃の速度で加熱し、800℃で純度が99.999
体積%の窒素を導入して圧力を1MPaとし、毎時500℃で1900℃または2000
℃まで昇温し、その温度で2時間保持した。得られた焼成物は、すべてβ型Si
たはβ型サイアロンが50質量%以上含まれており、蛍光分光測定を行なったところ表3
に示すように紫外線から可視光で励起されて500nm〜550nmの間の波長にピーク
を持つ緑色を発する蛍光体が得られた。以下、表4に上記実施例および下記に開示する比
較例の光学特性をまとめて示す。
Figure 2007141855
比較例1〜5;
表2および表3に示す組成および焼成温度の他は実施例2〜24と同様の手法で無機化
合物粉末を作成した。
比較例1は実施例14に近い組成であるが、Euを含まない。2000℃で2時間焼成
して得られた無機化合物はz=0.5のβ−サイアロンであるが、Euを含まないため2
00nm〜500nmの範囲の光で励起してもまったく発光しなかった。
比較例2は実施例20に近い組成であるが、Alを含まない。2000℃で2時間焼成
して得られた無機化合物はβ−Siであるがこの条件ではEuは粒内に固溶せずに
粒界ガラス相に残留したため図6に示すように緑色の発光は示さなかった。
比較例3〜5はそれぞれ実施例16〜18と同じ組成であるが、焼成温度が低い。18
00℃で2時間焼成して得られた無機化合物はz=1のβ−サイアロンであるが、焼成温
度が低いためEuの大部分は粒内に固溶せず粒界相として残留したため、紫外線で励起す
ると図7に示すように青色の発光であり、緑色の発光は示さなかった。
次に、本発明の窒化物蛍光体を用いた照明器具について説明する。図8に、照明器具と
しての白色LEDの概略構造図を示す。発光素子として460nmの青色LED2を用い
、本発明の実施例1の蛍光体と、Ca0.75Eu0.25Si8.625A13.37
1.12514.875の組成を持つCa−α−サイアロン:Euの黄色蛍光体と
を樹脂層に分散させて青色LED2上にかぶせた構造とする。導電性端子に電流を流すと
、該LED2は460nmの光を発し、この光で黄色蛍光体および緑色蛍光体が励起され
て黄色および緑色の光を発し、LEDの光と黄色および緑色が混合されて白色の光を発す
る照明装置として機能する。この照明器具は、黄色蛍光体単体を用いた場合と比較して緑
色成分があるため演色性が高い。
上記配合とは異なる配合設計によって作製した照明装置を示す。先ず、発光素子として
460nmの青色LEDを用い、本発明の実施例1の蛍光体と、赤色蛍光体(CaSiA
lN:Eu)とを樹脂層に分散させて紫外LED上にかぶせた構造とする。導電性端子
に電流を流すと、LEDは460nmの光を発し、この光で赤色蛍光体と緑色蛍光体が励
起されて赤色と緑色の光を発する。LED自身が発する青色光とこれらの蛍光体からの光
が混合されて白色の光を発する照明装置として機能する。
上記配合とは異なる配合設計によって作製した照明装置を示す。先ず、発光素子として
380nmの紫外LEDを用い、本発明の実施例1の蛍光体と、青色蛍光体(BaMgA
1017:Eu)と赤色蛍光体(CaSiAlN:Eu)とを樹脂層に分散させて
紫外LED上にかぶせた構造とする。導電性端子に電流を流すと、LEDは380nmの
光を発し、この光で赤色蛍光体と緑色蛍光体と青色蛍光体が励起されて赤色と緑色と青色
の光を発する。これらの光が混合されて白色の光を発する照明装置として機能する。
次に、本発明の窒化物蛍光体を用いた画像表示装置の設計例について説明する。図9は
、画像表示装置としてのプラズマディスプレイパネルの原理的概略図である。本発明の実
施例1の緑色蛍光体と赤色蛍光体(Y(PV)O:Eu)および青色蛍光体(BaMg
Al1017:Eu)がそれぞれのセル11、12、13の内面に塗布されている。電
極14、15、16、17に通電するとセル中でXe放電により真空紫外線が発生し、こ
れにより蛍光体が励起されて、赤、緑、青の可視光を発し、この光が保護層20、誘電体
層19、ガラス基板22を介して外側から観察され、画像表示として機能する。
本発明の窒化物蛍光体は、従来のサイアロンや酸窒化物蛍光体とは異なる緑色の発光を
示し、さらに発光光源あるいは励起源に曝された場合の蛍光体の輝度の低下が少ないので
、この窒化物蛍光体を用いることにより、性能の優れたVFD、FED、PDP、CRT
、白色LEDなどの本発明の照明器具や画像表示装置が得られ、今後、各種表示装置にお
ける材料設計において、大いに活用され、産業の発展に寄与することが期待できる。
実施例1の無機化合物のX線回折チャート 実施例1の無機化合物の走査型電子顕微鏡(SEM)像を示す図 実施例1の無機化合物の透過型電子顕微鏡(TEM)像を示す図 実施例1の無機化合物の透過型電子顕微鏡(TEM)像を高解像度で示した図 TEMに付属の電子線エネルギー損失分析器(EELS)による粒子内Euの観測スペクトルを示す図 実施例1の無機化合物の発光特性を示す発光スペクトル 実施例1の無機化合物のカソードルミネッセンス検知器(CL)によって観察した像を示す図 実施例1の蛍光測定による励起スペクトルと発光スペクトル 比較例2の発光スペクトル 比較例3〜5の発光スペクトル 本発明による照明器具(LED照明器具)の概略図。 本発明による画像表示装置(プラズマディスプレイパネル)の概略図。
符号の説明
1.本発明の緑色蛍光体(実施例1)と赤色蛍光体と青色蛍光体との混合物、または、
または本発明の緑色蛍光体(実施例1)と赤色蛍光体との混合物、または本発明の緑色蛍
光体(実施例1)と黄色蛍光体との混合物。
2.LEDチップ。
3、4.導電性端子。
5.ワイヤーボンド。
6.樹脂層。
7.容器。
8.赤色蛍光体。
9.緑色蛍光体。
10.青色蛍光体。
11、12、13.紫外線発光セル。
14、15、16、17.電極。
18、19.誘電体層。
20.保護層。
21、22.ガラス基板。

Claims (47)

  1. 発光光源と蛍光体とを含む照明器具において、前記蛍光体は、β型Si結晶構造
    を持つ窒化物または酸窒化物の結晶中に金属元素M(ただし、Mは、Mn、Ce、Euか
    ら選ばれる1種または2種以上の元素)が固溶してなるβ型Si結晶構造を持つ窒
    化物または酸窒化物の結晶相を含み、前記発光光源を照射することにより波長500nm
    から600nmの範囲の波長にピークを持つ蛍光を発光することを特徴とする照明器具。
  2. 前記蛍光体は、前記β型Si結晶構造を持つ窒化物または酸窒化物がβ型Si
    であることを特徴とする請求項1に記載の照明器具。
  3. 前記蛍光体は、前記β型Si結晶構造を持つ窒化物または酸窒化物がβ型サイア
    ロン(Si6−zAl8−z,ただし0<z<4.2)であることを特徴とする
    請求項1に記載の照明器具。
  4. 前記蛍光体は、zの値が、0<z≦0.5であることを特徴とする請求項3に記載の照
    明器具。
  5. 前記蛍光体は、M(ただし、Mは、Mn、Ce、Euから選ばれる1種または2種以上
    の元素)、A(ただし、Aは、C、Si、Ge、Sn、B、Al、Ga、Inの元素)お
    よびX(ただし、XはO、Nから選ばれる1種または2種の元素)を含有し、組成式M
    (式中、a+b+c=1とする)で示され、
    0.00001≦ a ≦0.1・・・・・・・・・・・(i)
    0.38≦ b ≦0.46・・・・・・・・・・・・・(ii)
    0.54≦ c ≦0.62・・・・・・・・・・・・・(iii)
    以上の条件を満たす組成で表されることを特徴とする請求項1に記載の照明器具。
  6. 前記蛍光体は、M(ただし、Mは、Mn、Ce、Euから選ばれる1種または2種以上
    の元素)、および、Al、Si、O、Nの元素を含有し、組成式MSib1Alb2
    c1c2(式中、a+b+b+c+c=1とする)で示され、
    0.00001≦ a ≦0.1・・・・・・・・・・・・(i)
    0.28≦ b ≦0.46・・・・・・・・・・・・・(ii)
    0.001≦ b ≦0.3・・・・・・・・・・・・・(iii)
    0.001≦ c ≦0.3・・・・・・・・・・・・・(iv)
    0.4≦ c ≦0.62・・・・・・・・・・・・・・(v)
    以上の条件を満たす組成で表されることを特徴とする請求項1に記載の照明器具。
  7. 前記蛍光体は、少なくともEuを含有することを特徴とする請求項1に記載の照明器具
  8. 前記蛍光体は、少なくともEuおよびAlを含有することを特徴とする請求項1に記載
    の照明器具。
  9. 前記蛍光体は、組成式EuSib1Alb2c1c2(式中、a+b+b
    +c=1とする)で示され、
    0.00001≦ a ≦0.1・・・・・・・・・・・(i)
    0.28≦ b ≦0.46・・・・・・・・・・・・(ii)
    0.001≦ b ≦0.08・・・・・・・・・・・(iii)
    0.001≦ c ≦0.3・・・・・・・・・・・・(iv)
    0.4≦ c ≦0.62・・・・・・・・・・・・・(v)
    以上の条件を満たす組成で表されることを特徴とする請求項8に記載の照明器具。
  10. 前記蛍光体は、0.41 ≦ b + b ≦0.44 かつ 0.56 ≦ c
    +c ≦0.59であることを特徴とする請求項9に記載の照明器具。
  11. 前記発光光源は、100nm以上500nm以下の波長を持つ紫外線または可視光であ
    ることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載の照明器具。
  12. 前記蛍光体は、ピーク波長が500nm以上550nm以下の範囲であることを特徴と
    する請求項1ないし11のいずれか1項に記載の照明器具。
  13. 前記蛍光体は、前記発光光源が照射されたとき発光する色がCIE色度座標上の(x、
    y)値で、
    0 ≦ x ≦0.3・・・・・・・・・・・・・・(i)
    0.6≦ y ≦0.83・・・・・・・・・・・・(ii)
    以上の条件を満たすことを特徴とする請求項1ないし12のいずれか1項に記載の照明器
    具。
  14. 前記蛍光体は、前記β型Si結晶構造を持つ窒化物または酸窒化物の結晶相が、
    平均粒径50nm以上20μm以下の単結晶であることを特徴とする請求項1ないし13
    のいずれか1項に記載の照明器具。
  15. 前記蛍光体は、前記β型Si結晶構造を持つ窒化物または酸窒化物の結晶相が、
    アスペクト比(粒子の長軸の長さを短軸の長さで割った値)の平均値が1.5以上20以
    下の値を持つ単結晶であることを特徴とする請求項1ないし14のいずれか1項に記載の
    照明器具。
  16. 前記蛍光体は、前記β型Si結晶構造を持つ窒化物または酸窒化物の結晶相に含
    まれる、Fe、Co、Ni不純物元素の合計が500ppm以下であることを特徴とする
    請求項1ないし15のいずれか1項に記載の照明器具。
  17. 前記蛍光体は、前記β型Si結晶構造を持つ窒化物または酸窒化物の結晶相と他
    の結晶相あるいはアモルファス相との混合物から構成され、前記β型Si結晶構造
    を持つ窒化物または酸窒化物の結晶相の含有量が50質量%以上であることを特徴とする
    請求項1ないし16のいずれか1項に記載の照明器具。
  18. 前記蛍光体は、前記他の結晶相あるいはアモルファス相が導電性を持つ無機物質である
    ことを特徴とする請求項17に記載の照明器具。
  19. 前記蛍光体は、前記導電性を持つ無機物質が、Zn、Ga、In、Snから選ばれる1
    種または2種以上の元素を含む酸化物、酸窒化物、または窒化物、あるいはこれらの混合
    物であることを特徴とする請求項18に記載の照明器具。
  20. 前記発光光源は、330〜500nmの波長の光を発する発光ダイオード(LED)ま
    たはレーザダイオード(LD)であることを特徴とする請求項1に記載の照明器具。
  21. 前記発光光源は、330〜420nmの波長の光を発するLEDまたはLDであり、
    前記照明器具は、前記330〜420nmの励起光により420nm以上500nm以
    下の波長に発光ピークを持つ青色蛍光体と、前記330〜420nmの励起光により60
    0nm以上700nm以下の波長に発光ピークを持つ赤色蛍光体とをさらに含み、青色光
    と前記蛍光体が発する緑色光と赤色光を混合して白色光を発することを特徴とする請求項
    1ないし20のいずれか1項に記載の照明器具。
  22. 前記発光光源は、420〜500nmの波長の光を発するLEDまたはLDであり、
    前記照明器具は、前記420〜500nmの励起光により600nm以上700nm以
    下の波長に発光ピークを持つ赤色蛍光体をさらに含み、前記発光光源の青色光と前記蛍光
    体が発する緑色光と赤色光とを混合することにより白色光を発することを特徴とする請求
    項1ないし20のいずれか1項に記載の照明器具。
  23. 前記発光光源は、420〜500nmの波長の光を発するLEDまたはLDであり、
    前記照明器具は、前記420〜500nmの励起光により550nm以上600nm以
    下の波長に発光ピークを持つ黄色またはオレンジ色蛍光体をさらに含み、前記発光光源の
    青色光と前記蛍光体が発する緑色光と黄色またはオレンジ色光とを混合することにより白
    色光を発することを特徴とする請求項1ないし20のいずれか1項に記載の照明器具。
  24. 前記黄色またはオレンジ色蛍光体がEuを固溶させたCa−αサイアロンであることを
    特徴とする請求項23に記載の照明器具。
  25. 前記赤色蛍光体がCaAlSiN型結晶構造を持つ無機物質にEuを固溶させた蛍光
    体であることを特徴とする請求項21または22に記載の照明器具。
  26. 前記CaAlSiN型結晶構造を持つ無機物質がCaAlSiNであることを特徴
    とする請求項25に記載の照明器具。
  27. 励起源と蛍光体とを含む画像表示装置において、前記蛍光体は、β型Si結晶構
    造を持つ窒化物または酸窒化物の結晶中に金属元素M(ただし、Mは、Mn、Ce、Eu
    から選ばれる1種または2種以上の元素)が固溶してなるβ型Si結晶構造を持つ
    窒化物または酸窒化物の結晶相を含み、前記励起源を照射することにより波長500nm
    から600nmの範囲の波長にピークを持つ蛍光を発光することを特徴とする画像表示装
    置。
  28. 前記蛍光体は、前記β型Si結晶構造を持つ窒化物または酸窒化物がβ型Si
    であることを特徴とする請求項27に記載の画像表示装置。
  29. 前記蛍光体は、前記β型Si結晶構造を持つ窒化物または酸窒化物がβ型サイア
    ロン(Si6−zAl8−z,ただし0<z<4.2)であることを特徴とする
    請求項27に記載の画像表示装置。
  30. 前記蛍光体は、zの値が、0<z≦0.5であることを特徴とする請求項29に記載の
    画像表示装置。
  31. 前記蛍光体は、M(ただし、Mは、Mn、Ce、Euから選ばれる1種または2種以上
    の元素)、A(ただし、Aは、C、Si、Ge、Sn、B、Al、Ga、Inの元素)お
    よびX(ただし、XはO、Nから選ばれる1種または2種の元素)を含有し、組成式M
    (式中、a+b+c=1とする)で示され、
    0.00001≦ a ≦0.1・・・・・・・・・・・(i)
    0.38≦ b ≦0.46・・・・・・・・・・・・・(ii)
    0.54≦ c ≦0.62・・・・・・・・・・・・・(iii)
    以上の条件を満たす組成で表されることを特徴とする請求項27に記載の画像表示装置。
  32. 前記蛍光体は、M(ただし、Mは、Mn、Ce、Euから選ばれる1種または2種以上
    の元素)、および、Al、Si、O、Nの元素を含有し、組成式MSib1Alb2
    c1c2(式中、a+b+b+c+c=1とする)で示され、
    0.00001≦ a ≦0.1・・・・・・・・・・・・(i)
    0.28≦ b ≦0.46・・・・・・・・・・・・・(ii)
    0.001≦ b ≦0.3・・・・・・・・・・・・・(iii)
    0.001≦ c ≦0.3・・・・・・・・・・・・・(iv)
    0.4≦ c ≦0.62・・・・・・・・・・・・・・(v)
    以上の条件を満たす組成で表されることを特徴とする請求項27に記載の画像表示装置。
  33. 前記蛍光体は、少なくともEuを含有することを特徴とする請求項27に記載の画像表
    示装置。
  34. 前記蛍光体は、少なくともEuおよびAlを含有することを特徴とする請求項27に記
    載の画像表示装置。
  35. 前記蛍光体は、組成式EuSib1Alb2c1c2(式中、a+b+b
    +c=1とする)で示され、
    0.00001≦ a ≦0.1・・・・・・・・・・・(i)
    0.28≦ b ≦0.46・・・・・・・・・・・・(ii)
    0.001≦ b ≦0.08・・・・・・・・・・・(iii)
    0.001≦ c ≦0.3・・・・・・・・・・・・(iv)
    0.4≦ c ≦0.62・・・・・・・・・・・・・(v)
    以上の条件を満たす組成で表されることを特徴とする請求項34に記載の画像表示装置。
  36. 前記蛍光体は、0.41 ≦ b + b ≦0.44 かつ 0.56 ≦ c
    +c ≦0.59であることを特徴とする請求項35に記載の画像表示装置。
  37. 前記励起源は、100nm以上500nm以下の波長を持つ紫外線または可視光である
    ことを特徴とする請求項27ないし36のいずれか1項に記載の画像表示装置。
  38. 前記励起源は、電子線またはX線であることを特徴とする請求項27ないし36のいず
    れか1項に記載の画像表示装置。
  39. 前記蛍光体は、ピーク波長が500nm以上550nm以下の範囲であることを特徴と
    する請求項27ないし38のいずれか1項に記載の画像表示装置。
  40. 前記蛍光体は、前記励起源が照射されたとき発光する色がCIE色度座標上の(x、y
    )値で、
    0 ≦ x ≦0.3・・・・・・・・・・・・・・(i)
    0.6≦ y ≦0.83・・・・・・・・・・・・(ii)
    以上の条件を満たすことを特徴とする請求項27ないし39のいずれか1項に記載の画像
    表示装置。
  41. 前記蛍光体は、前記β型Si結晶構造を持つ窒化物または酸窒化物の結晶相が、
    平均粒径50nm以上20μm以下の単結晶であることを特徴とする請求項27ないし4
    0のいずれか1項に記載の画像表示装置。
  42. 前記蛍光体は、前記β型Si結晶構造を持つ窒化物または酸窒化物の結晶相が、
    アスペクト比(粒子の長軸の長さを短軸の長さで割った値)の平均値が1.5以上20以
    下の値を持つ単結晶であることを特徴とする請求項27ないし41のいずれか1項に記載
    の画像表示装置。
  43. 前記蛍光体は、前記β型Si結晶構造を持つ窒化物または酸窒化物の結晶相に含
    まれる、Fe、Co、Ni不純物元素の合計が500ppm以下であることを特徴とする
    請求項27ないし42のいずれか1項に記載の画像表示装置。
  44. 前記蛍光体は、前記β型Si結晶構造を持つ窒化物または酸窒化物の結晶相と他
    の結晶相あるいはアモルファス相との混合物から構成され、前記β型Si結晶構造
    を持つ窒化物または酸窒化物の結晶相の含有量が50質量%以上であることを特徴とする
    請求項27ないし43のいずれか1項に記載の画像表示装置。
  45. 前記蛍光体は、前記他の結晶相あるいはアモルファス相が導電性を持つ無機物質である
    ことを特徴とする請求項44に記載の画像表示装置。
  46. 前記蛍光体は、前記導電性を持つ無機物質が、Zn、Ga、In、Snから選ばれる1
    種または2種以上の元素を含む酸化物、酸窒化物、または窒化物、あるいはこれらの混合
    物であることを特徴とする請求項45に記載の画像表示装置。
  47. 前記画像表示装置は、蛍光表示管(VFD)、フィールドエミッションディスプレイ(
    FED)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、陰極線管(CRT)のいずれかであ
    ることを特徴とする請求項27に記載の画像表示装置。
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