JP2009010229A - プリント配線板の電源ノイズフィルタ構造 - Google Patents

プリント配線板の電源ノイズフィルタ構造 Download PDF

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Abstract

【課題】電源供給系に重畳される高周波ノイズに対する抑制効果の向上が図れるバイパス用コンデンサの実装構造を備えたプリント配線板の電源ノイズフィルタ構造を得ること。
【解決手段】電源配線を、電源配線2aと電源配線2bとに2分割し、その分割端側の配線上面に、コンデンサ実装用電源パッド5a,5bをそれぞれ設け、その分割端間を2端子チップコンデンサであるバイパス用コンデンサ4の一方の電極部4aで接続する。電源配線2a側から電源配線2b側に向かう高周波ノイズは、全てバイパス用コンデンサ4の電極部4aを流れるので、他方の電極部4bを通ってGND層3へバイパスする性能が向上し、高周波ノイズに対する抑制効果の向上が図れる。
【選択図】 図1

Description

この発明は、プリント配線板の電源ノイズフィルタ構造に関するものである。
従来から、LSIやICが実装されるプリント配線板では、その実装されるLSIやICから放射される高周波ノイズが電源供給系に重畳されるのを抑制するためのフィルタ構造として、電源供給系にバイパス用コンデンサを実装できる構造が設けられている(例えば、特許文献1,2等)。
特開2006−120786号公報 特開平11−87880号公報
しかしながら、従来のバイパス用コンデンサの実装構造は、所望のバイパス性能が得られない場合があるので、電源供給系に重畳される高周波ノイズに対する所望の抑制効果が得られない場合があるという問題がある。
この発明は、上記に鑑みてなされたものであり、電源供給系に重畳される高周波ノイズに対する抑制効果の向上が図れるバイパス用コンデンサの実装構造を備えたプリント配線板の電源ノイズフィルタ構造を得ることを目的とする。
上述した目的を達成するために、この発明は、電子部品実装面である一方の層面に電子部品への電源供給を行う電源配線が配設され、他方の層面にグラウンド層が配設される絶縁層を備えるプリント配線板における、2端子タイプのバイパス用コンデンサの一方の端子電極を前記電源配線に接続し、他方の端子電極を前記絶縁層に設けたグラウンドパッドおよびスルホールを介して前記グラウンド層に接続する電源ノイズフィルタ構造であって、前記電源配線は、前記2端子タイプのバイパス用コンデンサの端子電極の長さよりも短い間隔を置いて離間する第1の電源配線と第2の電源配線とに分割して構成され、前記第1および第2の電源配線の対向する分割端側の配線上面に、前記バイパス用コンデンサの一方の端子電極を接続する電源パッドがそれぞれ設けられていることを特徴とする。
この発明によれば、2端子タイプのバイパス用コンデンサの一方の端子電極を電源配線に接続し、他方の端子電極をグラウンド層に接続する場合に、電源配線を2分割し、その分割端間をバイパス用コンデンサの一方の端子電極で接続する。電源配線を分割しない場合には、電源配線の一方端から他方端に向かう高周波ノイズは、電源配線側とバイパス用コンデンサの端子電極側とに分流するので、バイパス性能が劣化するが、この発明では、高周波ノイズは、全てバイパス用コンデンサの端子電極を流れるので、他方の端子電極を通ってグラウンド層へバイパスする性能が向上する。したがって、電源供給系に重畳される高周波ノイズに対する抑制効果の向上が図れるという効果を奏する。
まず、この発明の理解を容易にするため、図7〜図10を参照して、上記した特許文献1,2に開示されている従来技術の概要を説明する。
図7は、特許文献1に開示されている従来のバイパス用コンデンサの実装構造を備えたプリント配線板の電源ノイズフィルタ構造を示す斜視図である。図7では、絶縁層の電子部品実装面に電子部品への電源供給を行う電源配線も配設される場合への適用例が示されている。
図7において、プリント配線板の基材を構成する絶縁層1の一方の層面(図示例では上面)は、LSIやICなどの電子部品の実装面であり、それらの電子部品に電源を供給する電源配線2も配設されている。そして、絶縁層1の他方の層面(図示例では下面)は、全面にグラウンド層(GND層)3が配設されている。
バイパス用コンデンサ4は、市販部品として入手できる2端子タイプのチップコンデンサであり、端子電極4a,4bを有している。図示例では、端子電極4a,4bは、長方形形状をした内部電極の短辺側に設けられている。なお、端子電極は、以降、単に「電極部」と記す。
このバイパス用コンデンサ4を実装する構造として、電源配線2上の所定領域位置に、一方の電極部4aを接続するコンデンサ実装用電源パッド5が設けられ、絶縁層1の上面上の所定位置に、他方の電極部4bを接続するコンデンサ実装用GNDパッド6が設けられている。このGNDパッド6は、絶縁層1に設けたグラウンド層接続用スルホール7を介してGND層3に接続されている。
図8は、図7に示すバイパス用コンデンサを実装したプリント配線板の等価回路を示す回路図である。図8において、絶縁層1を挟んで対向する電源導体10およびグラウンド導体11は、それぞれ、単位長毎にインダクタンスLlineが存在すると表され、電源導体10とグラウンド導体11との間には、単位長毎にキャパシタンスClineが存在すると表されるので、等価回路は、インダクタンスLlineとキャパシタンスClineとの直並列回路として表される。
そして、バイパス用コンデンサ4の実装領域12では、電源導体10とグラウンド導体11との間に、キャパシタンスClineに代えてバイパス用コンデンサ4のキャパシタンスCcが挿入され、グラウンド導体11でのインダクタンスは、単位長当たりのインダクタンス(Lline/2+Lline/2)であるが、電源導体10でのインダクタンスは、バイパス用コンデンサ4の電極部4aを電源配線2上に接続したので、バイパス用コンデンサ4の電極部4aが有するインダクタンス(Lcap/2+Lcap/2)13と単位長当たりのインダクタンス(Lline/2+Lline/2)14との並列回路となる。
すなわち、図7に示すバイパス用のコンデンサの実装構造では、バイパス用コンデンサ4の実装領域12における電源配線2側では、電源配線2上に重畳される高周波ノイズの一部は、電源配線2によるインダクタンスLlineを流れるが、電源配線2によるインダクタンスLlineとバイパス用コンデンサ4の電極部4aによるインダクタンスLcapとがほぼ同じ値になるので、バイパス性能がほぼ半分に劣化するという問題がある。
次に、図9は、特許文献2に開示されている従来のバイパス用コンデンサの実装構造を備えたプリント配線板の電源ノイズフィルタ構造を示す斜視図である。図9では、電子部品が実装される絶縁層と電子部品への電源供給を行う電源配線が配設される絶縁層とが異なる場合への適用例が示されている。
図9において、プリント配線板における2つの絶縁層35,36のうち、上側の絶縁層35の上面は、LSIやICなどの電子部品の実装面であり、上側の絶縁層35と下側の絶縁層36との間に、グラウンド層(GND層)37が配設され、下側の絶縁層36の下面に電源層38が配設されている。
そして、LSIやICなどの電子部品の実装面である上側の絶縁層35の上面に、バイパス用コンデンサ4の一方の電極部4aを接続するコンデンサ実装用電源パッド39と、他方の電極部4bを接続するコンデンサ実装用GNDパッド40とが設けられている。コンデンサ実装用電源パッド39は、2つの絶縁層35,36に設けた電源層接続用スルホール41を介して電源層38に接続され、またコンデンサ実装用GNDパッド40は、絶縁層35に設けたグラウンド層接続用スルホール42を介してGND層37に接続されている。
図10は、図9に示すバイパス用コンデンサを実装したプリント配線板の等価回路を示す回路図である。図10において、絶縁層36を挟んで対向する電源導体44およびグラウンド導体45は、それぞれ、単位長毎にインダクタンスLlineが存在すると表され、電源導体44とグラウンド導体45との間には、単位長毎にキャパシタンスClineが存在すると表されるので、等価回路は、図8と同様に、インダクタンスLlineとキャパシタンスClineとの直並列回路として表される。
そして、バイパス用コンデンサ4の実装領域46では、電源導体44とグラウンド導体45との間に、電源層接続用スルホール41のインダクタンス(LTH)47と、バイパス用コンデンサ4のキャパシタンス(Cc)48と、グラウンド層接続用スルホール42のインダクタンス(LTH)49との直列回路が挿入された形になる。
すなわち、図9に示すバイパス用のコンデンサ実装構造では、電源層接続用スルホール41のインダクタンス(LTH)47とグラウンド層接続用スルホール42のインダクタンス(LTH)49とが追加されるので、バイパス用コンデンサ4の高周波インピーダンスが増加することになり、高周波ノイズがバイパス用コンデンサ4を流れ難くなり、バイパス性能が劣化するという問題がある。
そこで、この発明にかかるプリント配線板の電源ノイズフィルタ構造が備えるバイパス用コンデンサの実装構造は、上記のようにバイパス性能の向上が図れる構造とした。以下に図面を参照して、この発明にかかるプリント配線板の電源ノイズフィルタ構造の好適な実施の形態を詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1によるバイパス用コンデンサの実装構造を備えたプリント配線板の電源ノイズフィルタ構造を示す斜視図である。なお、図1では、説明の便宜から、図7(従来例)に示した構成要素と同一ないしは同等である構成には、同一の符号を付してある。ここでは、この実施の形態1に関わる部分を中心に説明する。
図7にて説明したように、電源配線2にバイパス用コンデンサ4の電極部4aを接続すると、電源配線2の一方端から他方端に向かう高周波ノイズは、電源配線2側とバイパス用コンデンサ4の電極部4a側とに分流するので、バイパス性能が劣化する。
そこで、図1に示すように、この実施の形態1によるバイパス用コンデンサの実装構造は、図7に示した構成において、電源配線2を、バイパス用コンデンサ4の一方の電極部4aの実装箇所において、電極部4aの長さよりも短い間隔を置いて離間する電源配線2aと電源配線2bとに分割して構成し、電源配線2a,2bの対向する分割端側の配線上面に、電極部4aを接続するコンデンサ実装用電源パッド5a,5bをそれぞれ設け、電極部4aが、電源配線2a,2bの対向する分割端間を接続するようにしている。
したがって、図1に示すバイパス用コンデンサを実装したプリント配線板の等価回路は図2に示すようになる。図2は、図8に対応している。図1に示すバイパス用コンデンサの実装構造では、図2に示すように、バイパス用コンデンサ4の実装領域12では、電源導体10でのインダクタンスは、単位長当たりのインダクタンス(Lline/2+Lline/2)14が削除され、バイパス用コンデンサ4の電極部4aが有するインダクタンス(Lcap/2+Lcap/2)13のみとなる。
この構成によれば、電源配線2a側に図示しないLSIやICが接続され、電源配線2b側に電源供給元が接続されているとすれば、LSIやICが放射する高周波ノイズが電源配線2a側から電源配線2b側へ伝導する場合、必ずバイパス用コンデンサ4の電極部4aを流れるので、当該高周波ノイズを、内部電極を通り電極部4bからGND層3へバイパスする性能が従来例(図7)よりも向上する。
以上のように、実施の形態1によれば、LSIやICに電源を供給する電源配線を、LSIやICが接続される電源配線と電源供給元が接続される電源配線とに2分割し、両電源配線の分割端間をバイパス用コンデンサの電極部で接続するようにしたので、電源供給系に重畳される高周波ノイズに対する抑制効果の向上が図れるプリント配線板の電源ノイズフィルタ構造が実現できる。
なお、図1では明示してないが、絶縁層1は、多層基板において、電子部品実装面である一方の層面に電子部品への電源供給を行う電源配線が配設され、他方の層面にグラウンド層が配設される1つの絶縁層であってもよい。
実施の形態2.
図3は、この発明の実施の形態2によるバイパス用コンデンサの実装構造を備えたプリント配線板の電源ノイズフィルタ構造を示す斜視図である。なお、図3では、図1(実施の形態1)に示した構成要素と同一ないしは同等である構成要素には同一の符号が付されている。ここでは、この実施の形態2に関わる部分を中心に説明する。
図3に示すように、この実施の形態2によるバイパス用コンデンサの実装構造は、図1(実施の形態1)に示した構成において、バイパス用コンデンサ4に代えてバイパス用コンデンサ9が設けられている。
バイパス用コンデンサ9は、バイパス用コンデンサ4と同様に、市販部品として入手できる2端子タイプのチップコンデンサであるが、電極部9a,9bが、長方形形状をした内部電極の長辺側に設けられている。したがって、電源配線2a,2bの分割端間の間隔は、図1(実施の形態1)に示した構成よりも長くなっている。
実施の形態1では、言及しなかったが、電源配線2a,2bの分割端間には、必ず寄生キャパシタンスが存在している。したがって、図3に示すバイパス用コンデンサを実装したプリント配線板の等価回路は、図4に示すようになる。
図4に示すように、バイパス用コンデンサ実装領域16では、電源導体10側は、バイパス用コンデンサ9の電極部9aが有するインダクタンス(Lcap/2+Lcap/2)13と、電源配線2a,2b間の寄生キャパシタンスCとの並列回路で表される。
この寄生キャパシタンスCは、電源配線2a,2bの分割端間の間隔が長くなると減少し、短くなると増加する。或る周波数Fにおける寄生キャパシタンスCのインピーダンスZは、
Z=1/(2πFC) …(1)
と表される。
この式(1)は、次のようなことを示している。すなわち、周波数Fが同じであれば、寄生キャパシタンスCが大きいほどインピーダンスZが低下するので、寄生キャパシタンスCを高周波ノイズが伝送され易くなる。つまり、高周波ノイズが、寄生キャパシタンスCを通るルートが生ずるので、バイパス用コンデンサの電極部のインダクタンス13を通る割合が減少し、バイパス性能の劣化を招来する。
これに対して、寄生キャパシタンスCが小さいほどインピーダンスZが増加するので、寄生キャパシタンスCを高周波ノイズが伝送され難くなる。つまり、高周波ノイズが、バイパス用コンデンサの電極部のインダクタンス13を通る割合が増えるので、バイパス性能の向上が図れる。
要するに、この実施の形態2では、図3に示すように、電源配線2a,2bの分割端間の間隔を、実施の形態1よりも長くしたので、電源配線2a,2bの分割端間に生ずる寄生キャパシタンスCを小さくすることができる。したがって、高周波ノイズに対して、寄生キャパシタンスCのインピーダンスZが実施の形態1よりも大きくなるので、バイパス性能の更なる向上が図れる。
実施の形態3.
図5は、この発明の実施の形態3によるバイパス用コンデンサの実装構造を備えたプリント配線板の電源ノイズフィルタ構造を示す斜視図である。なお、図5では、図1(実施の形態1)に示した構成要素と同一ないしは同等である構成要素には同一の符号が付されている。ここでは、この実施の形態3に関わる部分を中心に説明する。
実施の形態1(図1)にて説明したように、従来例(図7)で示した電源配線2を、図1に示したように、電源配線2aと電源配線2bとに分割し、それらの分割端間をバイパス用コンデンサ4の電極部4aで接続する構造とすれば、バイパス性能が向上する。しかし、この構造では、バイパスコンデンサ4の剥離などがあると、電源配線2aと電源配線2bとの間の導通が得られなくなる事態が発生する。
このような電源配線2aと電源配線2bとの間の導通が得られなくなる事態発生を回避するため、分割した電源配線2a,2b間を別の接続用導体で接続すると、高周波ノイズは、バイパスコンデンサ4の電極部4aと別の接続用導体とに分流するので、バイパス性能が低下する。したがって、電源配線2aと電源配線2bとの間の導通が得られなくなる事態を回避しつつバイパス性能の向上を図るには、別の接続用導体の高周波インピーダンスがバイパスコンデンサ4の電極部4aよりも大きくなるようにして、高周波ノイズがバイパスコンデンサ4の電極部4aをより多く流れるようにすれば良い。
そこで、図5に示すように、この実施の形態3によるバイパス用コンデンサの実装構造は、図1(実施の形態1)に示した構成において、以下の構成が追加されている。すなわち、図1では、明示しなかったが、絶縁層1の他方の層面にGND層3に重ねて一方の層面が接合されている絶縁層18が在る場合に、また無い場合には絶縁層18を設け、その絶縁層18の他方の層面における電源配線2a,2bの配設箇所に対応する位置に、電源配線2a,2bの対向する分割端間の距離よりも長い別層電源配線19が配設され、電源配線2a,2bの対向する分割端側は、それぞれ、絶縁層1,18に設けた電源配線接続用スルホール20,21を通して別層電源配線19に接続されている。
なお、図5では、別層電源配線19は、電気的特性を説明する便宜から、電源配線2aのコピーである別層電源配線19aと、電源配線2bのコピーである別層電源配線19bと、別層電源配線19a,19bの対向する分割端間を接続する別層電源配線間接続導体19cとに分けて示してある。したがって、電源配線2aと別層電源配線19aとは電源配線接続用スルホール20を通して接続され、電源配線2bと別層電源配線19bとは電源配線接続用スルホール21を通して接続されている。これらの別層電源配線19a,別層電源配線19bおよび別層電源配線間接続導体19cの3つが、図6に示す「別層に形成された電源配線」である。
図6は、図5に示すバイパス用コンデンサを実装したプリント配線板の等価回路を示す回路図である。図6において、表層電源導体25は、絶縁層1の電子部品実装面に配設される電源配線2a,2bおよびバイパス用コンデンサ4の電極部4aとで構成される。内層グラウンド導体26は、絶縁層1と絶縁層18との間に在るGND層3である。
バイパス用コンデンサ実装領域27では、バイパス用コンデンサ4の電極部4aが有するインダクタンス(Lcap/2+Lcap/2)13に対して、電源配線接続用スルホール20のインダクタンス(LTH)28と、別層電源配線19aのインダクタンス(Lline)29と、別層電源配線間接続導体19cのインダクタンス(Lline+Lline)30と、別層電源配線19bのインダクタンス(Lline)31と、電源配線接続用スルホール21のインダクタンス(LTH)32との直列回路が並列に接続された形になる。
これらのインダクタンスLと、周波数Fと、インピーダンスZとの関係は、式(2)で表される。
Z=2πFL …(2)
すなわち、周波数F=0である場合は、インピーダンスZ=0となり、直流成分については、インダクタンスLの影響を受けない。また、高周波になるほど、インピーダンスZは増加し、インダクタンスLの増加によりインピーダンスZは更に増加する。
したがって、高周波ノイズが、電源配線2a側から電源配線2b側へ伝導する場合、別層電源配線19側の高周波インピーダンスは、別層電源配線19および電源配線接続用スルホール20,21によるインダクタンス成分によって高くなるので、別層電源配線19側では高周波ノイズが伝わり難くなる。但し、本来必要な直流電源の供給は、このインダクタンスの影響を受けない。
これに対して、バイパス用コンデンサ4の電極部4aのインダクタンス13は小さいので、高周波ノイズは、バイパス用コンデンサ4の電極部4aのインダクタンス13側へ流れ易くなる。つまり、電源配線2aと電源配線2bとの間の導通が得られなくなる事態を回避しつつバイパス性能の向上を図ることができる。そして、この効果は、別層電源配線19側のインダクタンス成分が大きいほど、顕著に現れる。
別層電源配線19側のインダクタンス成分を大きくする場合、別層電源配線19は、電源配線接続用スルホール20,21間を接続するものであり、インダクタンス成分を大きくする措置を講ずるのは困難であるので、電源配線接続用スルホール20,21のインダクタンス成分を大きくする措置を講ずると良い。すなわち、絶縁層18の層厚を、絶縁層1よりも大きくして、別層電源配線19の配設位置が、GND層3から遠くなるようにすると良い。
以上のように、実施の形態3によれば、LSIやICへの電源供給を行う電源配線を2分割し、分割した電源配線間をバイパス用コンデンサの一方の電極部で接続する場合に、バイパス用コンデンサの電極部よりも大きな高周波インピーダンスを実現する電源配線をもう一つの絶縁層側に設け、その別の絶縁層に設けた別層電源配線の両側を2つの絶縁層に設けたスルホールを介して分割した電源配線の対応する電源配線に接続するようにしたので、バイパス用コンデンサの剥離などで、分割した電源配線間の導通が得られなくなる事態発生を回避しつつバイパス性能の向上を図ることができ、電源供給系に重畳される高周波ノイズに対する抑制効果の向上が図れるプリント配線板の電源ノイズフィルタ構造が実現できる。
なお、実施の形態3では、実施の形態1への適用例を示したが、実施の形態2にも同様に適用できることは言うまでもない。
以上のように、この発明にかかるプリント配線板の電源ノイズフィルタ構造は、電源供給系に重畳される高周波ノイズに対する抑制効果の向上を図るのに有用である。
この発明の実施の形態1によるバイパス用コンデンサの実装構造を備えたプリント配線板の電源ノイズフィルタ構造を示す斜視図である。 図1に示すバイパス用コンデンサを実装したプリント配線板の等価回路を示す回路図である。 この発明の実施の形態2によるバイパス用コンデンサの実装構造を備えたプリント配線板の電源ノイズフィルタ構造を示す斜視図である。 図3に示すバイパス用コンデンサを実装したプリント配線板の等価回路を示す回路図である。 この発明の実施の形態3によるバイパス用コンデンサの実装構造を備えたプリント配線板の電源ノイズフィルタ構造を示す斜視図である。 図5に示すバイパス用コンデンサを実装したプリント配線板の等価回路を示す回路図である。 特許文献1に開示されている従来のバイパス用コンデンサの実装構造を備えたプリント配線板の電源ノイズフィルタ構造を示す斜視図である。 図7に示すバイパス用コンデンサを実装したプリント配線板の等価回路を示す回路図である。 特許文献2に開示されている従来のバイパス用コンデンサの実装構造を備えたプリント配線板の電源ノイズフィルタ構造を示す斜視図である。 図9に示すバイパス用コンデンサを実装したプリント配線板の等価回路を示す回路図である。
符号の説明
1 絶縁層
2a,2b 分割した電源配線
3 グラウンド(GND)層
4 バイパス用コンデンサ(2端子タイプのチップコンデンサ:短辺側に電極部)
4a,4b 端子電極(電極部)
5a,5b コンデンサ実装用電源パッド
6 コンデンサ実装用GNDパッド
7 GND層接続用スルホール
9 バイパス用コンデンサ(2端子タイプのチップコンデンサ:長辺側に電極部)
9a,9b 端子電極(電極部)
18 絶縁層
19,19a,19b 別層電源配線
19c 別層電源配線間接続導体
20,21 電源配線接続用スルホール

Claims (4)

  1. 電子部品実装面である一方の層面に電子部品への電源供給を行う電源配線が配設され、他方の層面にグラウンド層が配設される絶縁層を備えるプリント配線板における、2端子タイプのバイパス用コンデンサの一方の端子電極を前記電源配線に接続し、他方の端子電極を前記絶縁層に設けたグラウンドパッドおよびスルホールを介して前記グラウンド層に接続する電源ノイズフィルタ構造であって、
    前記電源配線は、前記2端子タイプのバイパス用コンデンサの端子電極の長さよりも短い間隔を置いて離間する第1の電源配線と第2の電源配線とに分割して構成され、
    前記第1および第2の電源配線の対向する分割端側の配線上面に、前記バイパス用コンデンサの一方の端子電極を接続する電源パッドがそれぞれ設けられている
    ことを特徴とするプリント配線板の電源ノイズフィルタ構造。
  2. 前記2端子タイプのバイパス用コンデンサの端子電極は、内部電極の長辺側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のプリント配線板の電源ノイズフィルタ構造。
  3. 前記絶縁層の他方の層面に前記グラウンド層に重ねて接合されるもう一つの絶縁層の他方の層面における前記第1および第2の電源配線の配設箇所に対応する位置に、前記第1および第2の電源配線の対向する分割端間の距離よりも長い別層電源配線が配設され、
    前記第1および第2の電源配線の対向する分割端側は、それぞれ前記2つの絶縁層に設けたスルホールを介して前記別層電源配線に接続されている、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のプリント配線板の電源ノイズフィルタ構
    造。
  4. 前記もう一つの絶縁層の層厚は、前記基材である絶縁層の層厚よりも大きいことを特徴とする請求項3に記載のプリント配線板の電源ノイズフィルタ構造。
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