JP2006310435A - 多層プリント基板 - Google Patents
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Abstract
【課題】高密度に実装された場合においてもノイズを抑制することが可能な多層プリント基板を提供することを目的とする。
【解決手段】LSI21の電源端子は、信号層11に部分的に形成された導電性の銅箔パターン21Vaを介して、層間接続導体20Vに接続されている。また、バイパスコンデンサ24の正側端子は、信号層14に部分的に形成された導電性の正側銅箔パターン24Vを介して、層間接続導体20Vに接続されている。電源層13において、電源パターン領域23aは、電源層13に部分的に形成された導電性の銅箔パターン23Vaを介して、層間接続導体20Vに接続されている。
【選択図】図1
【解決手段】LSI21の電源端子は、信号層11に部分的に形成された導電性の銅箔パターン21Vaを介して、層間接続導体20Vに接続されている。また、バイパスコンデンサ24の正側端子は、信号層14に部分的に形成された導電性の正側銅箔パターン24Vを介して、層間接続導体20Vに接続されている。電源層13において、電源パターン領域23aは、電源層13に部分的に形成された導電性の銅箔パターン23Vaを介して、層間接続導体20Vに接続されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、多層プリント基板に関し、特に、多層プリント基板上に実装された集積回路素子から発生する電源ノイズを抑制するための技術に関する。
従来の多層プリント基板においては、実装された集積回路素子から発生する電源ノイズを抑制するために、集積回路素子の近傍において集積回路素子の電源端子間にバイパスコンデンサを接続させている。
例えば、特許文献1によれば、バイパスコンデンサの正負の端子と集積回路素子の正負の電源端子とは第1の電源パターンと第1のグランドパターンとによって接続され、定電圧電源の正負の端子とバイパスコンデンサの正負の端子とは第2の電源パターンと第2のグランドパターンとによって接続されている。しかも、第1/第2の電源パターンや第1/第2のグランドパターンを分離しておくことによって、バイパスコンデンサと集積回路素子とに流れる高周波電流が第2の電源パターンや第2のグランドパターンに流れ込むのを防止して、電源回路に高周波電圧リップルが発生しないようにしている。
また、特許文献2によれば、電源層とグランド層との間にインダクタンス素子を介してバイパスコンデンサを接続し、接続されるインダクタンス素子は配線パターンによって生成する例が開示されている。
また、特許文献3によれば、多層プリント基板に設置された集積回路素子の近傍の電源線間に接続したバイパスコンデンサの共振周波数をFM放送周波数帯(76〜110MHz)にして、同周波数帯域の放射電磁ノイズを抑制する例が開示されている。
また、特許文献4〜5においても、バイパスコンデンサを用いてノイズを抑制する例が開示されている。
従来の多層プリント基板では、各種の回路部品が高密度に実装された場合には、スペースに余裕がなくなるので、集積回路素子の近傍において集積回路素子の電源端子間にバイパスコンデンサを接続させることが困難となる。すなわち、高密度に実装された多層プリント基板においてはノイズを抑制することが困難となるという問題点があった。
本発明は以上の問題点を解決するためになされたものであり、高密度に実装された場合においてもノイズを抑制することが可能な多層プリント基板を提供することを目的とする。
本発明に係る多層プリント基板は、グランド端子および電源端子を有する集積回路素子が設けられた第1信号層と、一方端子および他方端子を有するバイパスコンデンサが設けられた第2信号層と、第1信号層・第2信号層間に配置され第1信号層および第2信号層に電源電位を与えるための電源パターンが設けられた電源層と、第1信号層・第2信号層間に配置され第1信号層および第2信号層に接地電位を与えるためのグランドパターンが設けられたグランド層と、グランド端子からグランドパターンまで層間方向に延設された第1層間接続導体と、一方端子からグランドパターンまで層間方向に延設された第2層間接続導体と、他方端子から層間方向に延設された第3層間接続導体と、第1信号層に設けられ第1インダクタンスL1を有し電源端子・第3層間接続導体間に介在する第1導体パターンと、電源層に設けられ第2インダクタンスL2を有し第3層間接続導体・電源パターン間に介在する第2導体パターンとを備える。
本発明に係る多層プリント基板は、グランド端子および電源端子を有する集積回路素子が設けられた第1信号層と、一方端子および他方端子を有するバイパスコンデンサが設けられた第2信号層と、第1信号層・第2信号層間に配置され第1信号層および第2信号層に電源電位を与えるための電源パターンが設けられた電源層と、第1信号層・第2信号層間に配置され第1信号層および第2信号層に接地電位を与えるためのグランドパターンが設けられたグランド層と、グランド端子からグランドパターンまで層間方向に延設された第1層間接続導体と、一方端子からグランドパターンまで層間方向に延設された第2層間接続導体と、他方端子から層間方向に延設された第3層間接続導体と、第1信号層に設けられ第1インダクタンスL1を有し電源端子・第3層間接続導体間に介在する第1導体パターンと、電源層に設けられ第2インダクタンスL2を有し第3層間接続導体・電源パターン間に介在する第2導体パターンとを備える。従って、多層プリント基板が高密度に実装されバイパスコンデンサを集積回路素子の近傍に配置することが困難な場合においても、集積回路素子から生じるノイズを抑制することが可能となる。
<実施の形態1>
図1は、実施の形態1に係る多層プリント基板10aの構成を模式的に示す斜視図である。また、図2は、図1に示される多層プリント基板10aの構成を示す断面図である。
図1は、実施の形態1に係る多層プリント基板10aの構成を模式的に示す斜視図である。また、図2は、図1に示される多層プリント基板10aの構成を示す断面図である。
以下では、図1〜2を用いて、多層プリント基板10aの構成について説明する。
図1に示されるように、多層プリント基板10aおよびその各層は、矩形状を有し、信号層11(第1信号層)、グランド層12、電源層13、および信号層14(第2信号層)を積層した構成からなる。また、図2に示されるように、上記の各層の間には、絶縁層31〜33が形成されている。
多層プリント基板10a上面すなわち信号層11上面には、例えばマイクロプロセッサ等からなる集積回路素子であるLSI21が搭載されている。また、多層プリント基板10a下面すなわち信号層14下面には、LSI21から生じる電源ノイズを抑制するための例えばチップ型のセラミックコンデンサからなるバイパスコンデンサ24が搭載されている。
グランド層12には、導電性銅箔部からなるグラントパターン領域22aが形成されている。このグラントパターン領域22aは、空白領域22cを除きグランド層12のほぼ全面に渡って形成されている。
電源層13には、導電性銅箔部からなる電源パターン領域23aが形成されている。この電源パターン領域23aは、空白領域23cを除き電源層13のほぼ全面に渡って形成されている。
層間接続導体21G(第1層間接続導体)、層間接続導体20G(第2層間接続導体)、および層間接続導体20V(第3層間接続導体)は、スルーホールメッキにより構成され、多層プリント基板10aを貫通している。
LSI21のグランド端子21Nは、信号層11に部分的に形成された導電性の銅箔パターン21Lを介して、層間接続導体21Gに接続されている。層間接続導体21Gは、グランド層12においてグラントパターン領域22aに接続されている。
すなわち、層間接続導体21Gは、銅箔パターン21Lとグラントパターン領域22aとを接続している。
また、バイパスコンデンサ24の負側端子24N(一方端子)は、信号層14に部分的に形成された導電性の負側銅箔パターン24Gを介して、層間接続導体20Gに接続されている。層間接続導体20Gは、グラントパターン領域22aに接続されている。
すなわち、層間接続導体20Gは、負側銅箔パターン24Gとグラントパターン領域22aとを接続している。
また、LSI21の電源端子21Pは、信号層11に部分的に形成された導電性の銅箔パターン21Vaを介して、層間接続導体20Vに接続されている。図1に示されるように、銅箔パターン21Vaは、所定の長さを有するように細長く形成されており、(第1)インダクタンスL1を有している。
また、バイパスコンデンサ24の正側端子24P(他方端子)は、信号層14に部分的に形成された導電性の正側銅箔パターン24Vを介して、層間接続導体20Vに接続されている。
また、電源層13において、電源パターン領域23aは、電源層13に部分的に形成された導電性の銅箔パターン23Vaを介して、層間接続導体20Vに接続されている。図1に示されるように、銅箔パターン23Vaは、所定の長さを有するように細長く形成されており、(第2)インダクタンスL2を有している。
すなわち、層間接続導体20Vは、銅箔パターン21Vaと銅箔パターン23Vaと正側銅箔パターン24Vとを接続している。
図1において、銅箔パターン21Vaの長さBは、長さB方向におけるLSI21の幅Aに比べて大きい。すなわち、多層プリント基板10aにおいて、バイパスコンデンサ24は、LSI21から所定距離だけ離れた位置に形成されている。
また、図2において、層間接続導体20Vと層間接続導体20Gとは、これらの間の距離Eが、バイパスコンデンサ24における正側端子24Pと負側端子24Nとの間の距離Dに比べて小さくなるように形成されている。
なお、図1〜2には示されていないが、多層プリント基板10a上面すなわち信号層11上面および多層プリント基板10a下面すなわち信号層14下面には、各種の回路部品が多数搭載され、グラントパターン領域22aまたは電源パターン領域23aに接続されている。また、グラントパターン領域22aと電源パターン領域23aとの間には、LSI21を駆動するための直流電圧である安定化電圧が印加されている。この安定化電圧は、信号層11上面に設置された図示しない電源ユニットから出力され、この電源ユニットにより、LSI21や上記の各種の回路部品への給電が行われる。
図3は、図1〜2における接続構成を示す回路図である。図3において、LSI21の電源端子21Pは、インダクタンスL1を有する銅箔パターン21Va、層間接続導体20V、インダクタンスL2を有する銅箔パターン23Va、および太線で示される電源パターン領域23aを介して、安定化電圧源30の正極に接続されている。上記のインダクタンスL1,L2の和は、LSI21に供給される負荷電流に対して十分小さいものとする。また、層間接続導体20Vは、バイパスコンデンサ24の正側端子24Pに接続されている。
LSI21のグランド端子21Nは、層間接続導体21G,20G、および太線で示されるグランドパターン領域22aを介して、安定化電圧源30の負極に接続されている。また、層間接続導体20Gは、バイパスコンデンサ24の負側端子24Nに接続されている。
バイパスコンデンサ24は、静電容量Cおよび(第3)インダクタンスL3を有するとする。また、LSI21から発生する主要な電源ノイズは、周波数fおよび角周波数ω(=2πf)を有するとする。
図3に示される接続構成においては、インダクタンスL1,L3と静電容量Cと角周波数ωとの間に下記の式(1)が成立する場合には、LSI21の電源端子21P−銅箔パターン21Va−層間接続導体20V−バイパスコンデンサ24−層間接続導体20G−層間接続導体21G−LSI21のグランド端子21Nを通る経路において、共振が発生する。
ω2×(L1+L3)×C=1・・・(1)
すなわち、式(1)が成立するようにインダクタンスL1,L3および静電容量Cを定めることにより、共振を発生させることができる。このとき、上記の経路を流れる電流が最大となるとともに、銅箔パターン23Vaにはノイズによる電流はほとんど流れなくなる。また、このとき、電源端子21Pとグランド端子21Nと間のインピーダンスは最小となる。従って、LSI21から発生する電源ノイズを最大限に抑制することが可能となる。
また、インダクタンスL2を比較的に大きく定めることにより(例えば、以下の式(2)が成立するように定めることにより)、周波数fよりも小さい周波数においてLSI21から発生する電源ノイズが安定化電圧源30へ流入するのを抑制することができる。
L2>L3・・・(2)
なお、式(1)において、周波数fが(角周波数ωが)、LSI21から発生する主要な電源ノイズの基本成分または高調波成分の周波数のうちFM放送周波数帯(76〜110MHz)に含まれ且つ最も低い成分の周波数に等しくなるように、インダクタンスL1と静電容量Cと定めることにより、カーラジオ等における雑音制御を行うことが可能となる。
以上、説明したように、本実施の形態に係る多層プリント基板10aにおいては、バイパスコンデンサ24の正側端子24P・LSI21の電源端子21P間が層間接続導体20Vによって結ばれ、インダクタンスL1を有する銅箔パターン21Vaが、電源端子21P・層間接続導体20V間に介在している。従って、バイパスコンデンサ24をLSI21の近傍に配置することが困難な高密度実装電子基板においても、LSI21から生じるノイズを抑制することが可能となる。
また、LSI21の幅Aに比べて大きい長さBを有する銅箔パターン21Vaを用いることにより、小さいスペースで安価に所望のインダクタンスL1を得ることが可能となる。
また、インダクタンスL2を有し正側端子24・電源パターン23a間に介在する第2導体パターンとして、電源層13に形成された銅箔パターン23Vaを用いている。従って、実施の形態2において後述する多層プリント基板10bのように第2導体パターンを信号層14に形成する場合に比べて、必要な層間接続導体の個数が少ないので、より小さいスペースでより安価にインダクタンスL1を得ることが可能となる。
また、バイパスコンデンサ24の充電/放電を行うときには、層間接続導体20Vと層間接続導体20Gとには、それぞれ、常に逆向きの電流が流れるので、この電流による生じる磁界も常に逆向きとなる。従って、層間接続導体20Vと層間接続導体20Gとの距離Eを小さく定めることより、これらの磁界同士による相殺を大きくし電磁ノイズを抑制することができる。本実施の形態に係る多層プリント基板10aにおいては、距離Eを、バイパスコンデンサ24における正側端子24Pと負側端子24Nとの間の距離Dに比べて小さくなるように形成することにより、電磁ノイズを効果的に抑制することを可能としている。
<実施の形態2>
実施の形態1に係る多層プリント基板10aは、第2導体パターンとして、電源層13に形成された銅箔パターン23Vaを用いている。しかし、電源層13においてスペースに余裕がない場合には、第2導体パターンは、電源層13にではなく信号層14に形成されてもよい。以下では、実施の形態1に係る図1の多層プリント基板10aにおいて、電源層13およびグランド層12のスペースに余裕がない場合(すなわち、空白領域23c,22cがそれぞれ形成されない場合)に適用可能な構成について説明する。
実施の形態1に係る多層プリント基板10aは、第2導体パターンとして、電源層13に形成された銅箔パターン23Vaを用いている。しかし、電源層13においてスペースに余裕がない場合には、第2導体パターンは、電源層13にではなく信号層14に形成されてもよい。以下では、実施の形態1に係る図1の多層プリント基板10aにおいて、電源層13およびグランド層12のスペースに余裕がない場合(すなわち、空白領域23c,22cがそれぞれ形成されない場合)に適用可能な構成について説明する。
図4は、実施の形態2に係る多層プリント基板10bの構成を模式的に示す斜視図である。また、図5は、図4に示される多層プリント基板10bの構成を示す断面図である。
本実施の形態に係る多層プリント基板10bは、実施の形態1に係る多層基板10aにおいて電源層13に形成された銅箔パターン23Vaに代えて、信号層14’に形成された正側銅箔パターン24Vbを用いるとともに、層間接続導体23Vをさらに加えたものである。従って、上述したように必要な層間接続導体の個数は多くなるが、電源層13においてスペースに余裕がない場合にも第2導体パターンを形成できる。
以下では、図4〜5を用いて、多層プリント基板10bの構成について説明する。
図4に示されるように、多層プリント基板10bおよびその各層は、矩形状を有し、信号層11’(第1信号層)、グランド層12’、電源層13’、および信号層14’(第2信号層)を積層した構成からなる。また、図5に示されるように、上記の各層の間には、絶縁層31〜33が形成されている。
多層プリント基板10b上面すなわち信号層11’上面には、例えばマイクロプロセッサ等からなる集積回路素子であるLSI21が搭載されている。また、多層プリント基板10b下面すなわち信号層14’下面には、LSI21から生じる電源ノイズを抑制するための例えばチップ型のセラミックコンデンサからなるバイパスコンデンサ24が搭載されている。
グランド層12’には、導電性銅箔部からなるグラントパターン領域22bが形成されている。このグラントパターン領域22bは、グランド層12’の全面に渡って形成されている。すなわち、グランド層12’は、実施の形態1に係る図1のグランド層12から空白領域22cを省いたものである。
電源層13’には、導電性銅箔部からなる電源パターン領域23bが形成されている。この電源パターン領域23bは、電源層13’の全面に渡って形成されている。すなわち、電源層13’は、実施の形態1に係る図1の電源層13から空白領域23c(および銅箔パターン23Va)を省いたものである。
層間接続導体21G(第1層間接続導体)、層間接続導体20G(第2層間接続導体)、層間接続導体20V(第3層間接続導体)、および層間接続導体23V(第4層間接続導体)は、スルーホールメッキにより構成され、多層プリント基板10bを貫通している。
LSI21のグランド端子21Nは、信号層11’に部分的に形成された導電性の銅箔パターン21Lを介して、層間接続導体21Gに接続されている。層間接続導体21Gは、グランド層12’においてグラントパターン領域22bに接続されている。
すなわち、層間接続導体21Gは、銅箔パターン21Lとグラントパターン領域22bとを接続している。
また、バイパスコンデンサ24の負側端子24N(一方端子)は、信号層14’に部分的に形成された導電性の負側銅箔パターン24Gを介して、層間接続導体20Gに接続されている。層間接続導体20Gは、グラントパターン領域22bに接続されている。
すなわち、層間接続導体20Gは、負側銅箔パターン24Gとグラントパターン領域22bとを接続している。
また、LSI21の電源端子21Pは、信号層11’に部分的に形成された導電性の銅箔パターン21Vbを介して、層間接続導体20Vに接続されている。図1に示されるように、銅箔パターン21Vbは、実施の形態1に係る図1の銅箔パターン21Vaに比べて屈折して形成されており、(第1)インダクタンスL1’を有している。このように形成することにより、銅箔パターン21VbのインダクタンスL1’を、銅箔パターン21VaのインダクタンスL1より大きくすることが可能となるが、勿論、銅箔パターン21Vbは矩形状に形成されてもよい。
また、バイパスコンデンサ24の正側端子24P(他方端子)は、信号層14’に部分的に形成された導電性の正側銅箔パターン24Vを介して、層間接続導体20Vに接続されている。
すなわち、層間接続導体20Vは、銅箔パターン21Vbと正側銅箔パターン24Vとを接続している。
また、正側銅箔パターン24Vは、信号層14’に部分的に形成された導電性の正側銅箔パターン24Vbを介して、層間接続導体23Vに接続されている。正側銅箔パターン24Vbは、実施の形態1に係る図1の銅箔パターン23Vaに比べて屈折して形成されており、(第2)インダクタンスL2’を有している。このように形成することにより、正側銅箔パターン24VbのインダクタンスL2’を、銅箔パターン23VaのインダクタンスL2より大きくすることが可能となるが、勿論、銅箔パターン24Vbは矩形状に形成されてもよい。
また、電源層13’において、電源パターン領域23bは、層間接続導体23Vに接続されている。
すなわち、層間接続導体23Vは、電源パターン領域23bと正側銅箔パターン24Vbとを接続している。
図4において、銅箔パターン21Vbの長さB’は、LSI21の幅Aに比べて大きい。すなわち、多層プリント基板10bにおいて、バイパスコンデンサ24は、LSI21から所定距離だけ離れた位置に形成されている。
また、図5において、層間接続導体20Vと層間接続導体20Gとは、これらの間の距離Eが、バイパスコンデンサ24における正側端子24Pと負側端子24Nとの間の距離Dに比べて小さくなるように形成されている。
なお、図4〜5には示されていないが、多層プリント基板10b上面すなわち信号層11’上面および多層プリント基板10b下面すなわち信号層14’下面には、各種の回路部品が多数搭載され、グラントパターン領域22bまたは電源パターン領域23bに接続されている。また、グラントパターン領域22bと電源パターン領域23bとの間には、LSI21を駆動するための直流電圧である安定化電圧が印加されている。この安定化電圧は、信号層11’上面に設置された図示しない電源ユニットから出力され、この電源ユニットにより、LSI21や上記の各種の回路部品への給電が行われる。
図6は、図4〜5における接続構成を示す回路図である。図6において、LSI21の電源端子21Pは、インダクタンスL1’を有する銅箔パターン21Vb、層間接続導体20V、インダクタンスL2’を有する正側銅箔パターン24Vb、層間接続導体23V、および太線で示される電源パターン領域23bを介して、安定化電圧源30の正極に接続されている。上記のインダクタンスL1’,L2’の和は、LSI21に供給される負荷電流に対して十分小さいものとする。また、層間接続導体20Vは、(正側銅箔パターン24Vを介して)バイパスコンデンサ24の正側端子24Pに接続されている。
LSI21のグランド端子21Nは、層間接続導体21G,20G、および太線で示されるグランドパターン領域22bを介して、安定化電圧源30の負極に接続されている。また、層間接続導体20Gは、バイパスコンデンサ24の負側端子24Nに接続されている。
バイパスコンデンサ24は、静電容量Cおよび(第3)インダクタンスL3を有するとする。また、LSI21から発生する主要な電源ノイズは、周波数fおよび角周波数ω(=2πf)を有するとする。
図6に示される接続構成においては、インダクタンスL1’,L3と静電容量Cと角周波数ωとの間に下記の式(3)が成立する場合には、LSI21の電源端子21P−銅箔パターン21Vb−層間接続導体20V−バイパスコンデンサ24−層間接続導体20G−層間接続導体21G−LSI21のグランド端子21Nを通る経路において、共振が発生する。
ω2×(L1’+L3)×C=1・・・(3)
すなわち、式(3)が成立するようにインダクタンスL1’,L3および静電容量Cを定めることにより、共振を発生させることができる。このとき、上記の経路を流れる電流が最大となるとともに、正側銅箔パターン24Vbにはノイズによる電流はほとんど流れなくなる。また、このとき、電源端子21Pとグランド端子21Nと間のインピーダンスは最小となる。従って、LSI21から発生する電源ノイズを最大限に抑制することが可能となる。
また、インダクタンスL2’を比較的に大きく定めることにより(例えば、以下の式(4)が成立するように定めることにより)、周波数fよりも小さい周波数においてLSI21から発生する電源ノイズが安定化電圧源30へ流入するのを抑制することができる。
L2’>L3・・・(4)
以上、説明したように、本実施の形態に係る多層プリント基板10bにおいては、実施の形態1に係る多層プリント基板10aにおいて電源層13に形成された銅箔パターン23Vaに代えて、信号層14’に形成された正側銅箔パターン24Vbを用いている。従って、実施の形態1の効果に加えて、電源層13’においてスペースに余裕がない場合にも第2導体パターンを形成できるという効果を有する。
10a 多層プリント基板、11,14 信号層、12 グランド層、13 電源層、20G,20V,21G,23V 層間接続導体、21 LSI、21L,21Va,23Va 銅箔パターン、21N グランド端子、21P 電源端子、22a グラントパターン領域、22c,23c 空白領域、23a 電源パターン領域、24 バイパスコンデンサ、24G 負側銅箔パターン、24N 負側端子、24P 正側端子、24V 正側銅箔パターン、30 安定化電圧源、31〜33 絶縁層、A 幅、B 長さ、C 静電容量、D,E 距離、f 周波数、L1〜L3 インダクタンス、ω 角周波数。
Claims (6)
- グランド端子および電源端子を有する集積回路素子が設けられた第1信号層と、
一方端子および他方端子を有するバイパスコンデンサが設けられた第2信号層と、
前記第1信号層・前記第2信号層間に配置され前記第1信号層および前記第2信号層に電源電位を与えるための電源パターンが設けられた電源層と、
前記第1信号層・前記第2信号層間に配置され前記第1信号層および前記第2信号層に接地電位を与えるためのグランドパターンが設けられたグランド層と、
前記グランド端子から前記グランドパターンまで層間方向に延設された第1層間接続導体と、
前記一方端子から前記グランドパターンまで層間方向に延設された第2層間接続導体と、
前記他方端子から層間方向に延設された第3層間接続導体と、
前記第1信号層に設けられ第1インダクタンスL1を有し前記電源端子・前記第3層間接続導体間に介在する第1導体パターンと、
前記電源層に設けられ第2インダクタンスL2を有し前記第3層間接続導体・前記電源パターン間に介在する第2導体パターンと
を備える多層プリント基板。 - グランド端子および電源端子を有する集積回路素子が設けられた第1信号層と、
一方端子および他方端子を有するバイパスコンデンサが設けられた第2信号層と、
前記第1信号層・前記第2信号層間に配置され前記第1信号層および前記第2信号層に電源電位を与えるための電源パターンが設けられた電源層と、
前記第1信号層・前記第2信号層間に配置され前記第1信号層および前記第2信号層に接地電位を与えるためのグランドパターンが設けられたグランド層と、
前記グランド端子から前記グランドパターンまで層間方向に延設された第1層間接続導体と、
前記一方端子から前記グランドパターンまで層間方向に延設された第2層間接続導体と、
前記他方端子から層間方向に延設された第3層間接続導体と、
前記第1信号層に設けられ第1インダクタンスL1を有し前記電源端子・前記第3層間接続導体間に介在する第1導体パターンと、
層間方向に延設された第4層間接続導体と、
前記第2信号層に設けられ第2インダクタンスL2を有し前記第4層間接続導体・前記他方端子間に介在する第2導体パターンと
を備える多層プリント基板。 - 請求項1又は請求項2に記載の多層プリント基板であって、
前記第1導体パターンは、所定の長さを有する矩形状の銅箔パターンからなり、
前記長さは、前記長さ方向における前記集積回路素子の幅より大きい
多層プリント基板。 - 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の多層プリント基板であって、
前記バイパスコンデンサは、第3インダクタンスL3および静電容量Cを有しており、
前記第1インダクタンスL1、前記第3インダクタンスL3、前記静電容量C、および前記集積回路素子において生じるノイズの周波数fは、
(2πf)2×(L1+L3)×C=1
で表される関係を満たす
多層プリント基板。 - 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の多層プリント基板であって、
前記第2層間接続導体・第3層間接続導体間の距離は、前記一方端子・前記他方端子間の距離よりも大きい
多層プリント基板。 - 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の多層プリント基板であって、
前記第2インダクタンスL2は、前記第1インダクタンスL1より大きい
多層プリント基板。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010135549A (ja) * | 2008-12-04 | 2010-06-17 | Mitsubishi Electric Corp | 車載電子制御装置 |
JP2011211155A (ja) * | 2010-03-10 | 2011-10-20 | Panasonic Corp | 電子回路 |
JP2013219182A (ja) * | 2012-04-09 | 2013-10-24 | Canon Inc | プリント回路板 |
-
2005
- 2005-04-27 JP JP2005129185A patent/JP2006310435A/ja not_active Withdrawn
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