JP2009008749A - エレクトロクロミックミラー - Google Patents

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永宏 齋藤
Takahiro Ishizaki
貴裕 石崎
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Abstract

【課題】大きな電圧を印加しなくてもエレクトロクロミック膜を充分に着色できるエレクトロクロミックミラーを得る。
【解決手段】本エレクトロクロミックミラー10では、エレクトロクロミック膜16において還元反応が生ずる際には、導電性ポリマ又はレドックスポリマ出形成された負イオン反応膜30の酸化反応するため、エレクトロクロミック膜16での還元反応を補償でき、この結果、スイッチ42をON状態として電圧を印加することでエレクトロクロミック膜16を充分に着色できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、車両の後方確認用としてアウタミラーやインナミラーに用いられて電圧を印加することにより反射率を可変できるエレクトロクロミックミラーに関する。
下記特許文献1に開示されたエレクトロクロミックミラーでは、エレクトロクロミック膜が還元反応することでエレクトロクロミック膜が着色される。このような還元反応の電荷補償として特許文献1に開示されたエレクトロクロミックミラーでは、グラファイト膜が負イオンを蓄積する。
米国特許3844636号の明細書
しかしながら、このようなグラファイト膜では負イオンの蓄積容量が小さいため、エレクトロクロミック膜を充分に着色するためには大きな電圧を印加しなくてはならない。このような大きな電圧を印加するとエレクトロクロミック膜が劣化しやすくなり、実用性が乏しくなる。しかも、このような大きな電圧を印加することでエレクトロクロミック膜を印加する構成では、着色されたエレクトロクロミック膜を消色する際に逆の電圧を印加しなくてはならない。
本発明は、上記事実を考慮して、大きな電圧を印加しなくてもエレクトロクロミック膜を充分に着色できるエレクトロクロミックミラーを得ることが目的である。
請求項1に記載の本発明に係るエレクトロクロミックミラーは、還元反応することで着色されるエレクトロクロミック膜と、前記エレクトロクロミック膜の厚さ方向一方の側に形成されて前記エレクトロクロミック膜を透過した光を反射すると共に導電性を有する導電性反射膜と、前記エレクトロクロミック膜の厚さ方向一方の側で前記導電性反射膜の前記エレクトロクロミック膜とは反対側に設けられた導電性を有する導電性膜と、導電性ポリマ又はレドックスポリマにより形成されて、前記導電性膜の前記導電性反射膜の側に設けられて、前記電圧が印加されることで前記導電性膜の側へ移動した負イオンにより酸化される負イオン反応膜と、リチウムイオンを含めて構成されて前記導電性反射膜と前記導電性膜との間に封入され、前記導電性膜を正とし前記導電性反射膜を負として電圧を印加することで前記リチウムイオンが前記エレクトロクロミック膜の側へ移動して、前記エレクトロクロミック膜の還元反応に供される電解液と、を備えている。
請求項1に記載の本発明に係るエレクトロクロミックミラーでは、エレクトロクロミック膜を透過した光が導電性反射膜により反射される。
また、導電性膜を正として導電性反射膜を負として電圧を印加すると、導電性膜と導電性反射膜との間に封入された電解液のリチウムイオンがエレクトロクロミック膜の側へ移動する。エレクトロクロミック膜の側へリチウムイオンが移動することでエレクトロクロミック膜が還元反応し、この還元反応によりエレクトロクロミック膜が着色される。このようにしてエレクトロクロミック膜が着色されることでエレクトロクロミック膜における光の透過率が低下する。
また、上記のように電圧を印加した際には、電解液の負イオンが導電性ポリマ又はレドックスポリマにより形成された負イオン反応膜の側へ移動して、負イオンにより負イオン反応膜が酸化される。
このように、負イオン反応膜を導電性ポリマ又はレドックスポリマにより形成したことで、多くの負イオンが負イオン反応膜の酸化に供されるので、上記の導電性膜及び導電性反射膜に印加する電圧が低くてもエレクトロクロミック膜で充分に還元反応を起こさせることができる。しかも、このように低電圧でもエレクトロクロミック膜で還元反応を起こさせることができるため、電圧印加終了後にエレクトロクロミック膜を容易に消色できる。
請求項2に記載の本発明に係るエレクトロクロミックミラーは、請求項1に記載の本発明において、前記導電性反射膜の厚さ方向に前記導電性反射膜を貫通する微細な透孔を前記導電性反射膜に多数形成した、ことを特徴としている。
請求項2に記載の本発明に係るエレクトロクロミックミラーでは、導電性反射膜の厚さ方向に導電性反射膜を貫通する微細な透孔が導電性反射膜に多数形成される。このため、導電性膜を正とし、導電性反射膜を負として電圧を印加した際に、電解液のリチウムイオンが透孔を抜けて容易で且つ円滑にエレクトロクロミック膜に到達する。これにより、エレクトロクロミック膜において円滑で且つ素早く還元反応が生じ、円滑で且つ素早くエレクトロクロミック膜が着色される。
請求項3に記載の本発明に係るエレクトロクロミックミラーは、請求項2に記載の本発明において、前記エレクトロクロミック膜の厚さ方向に沿った導電性反射膜の側で開口した微細な孔部を前記エレクトロクロミック膜に多数形成した、ことを特徴としている。
請求項3に記載の本発明に係るエレクトロクロミックミラーによれば、エレクトロクロミック膜にはその厚さ方向に沿った導電性反射膜の側で開口した微細な孔部が多数形成される。これにより、エレクトロクロミック膜の表面積が増加するため、導電性膜を正とし、導電性反射膜を負として電圧を印加した際に、エレクトロクロミック膜において円滑で且つ素早く還元反応が生じ、円滑で且つ素早くエレクトロクロミック膜が着色される。
請求項4に記載の本発明に係るエレクトロクロミックミラーは、請求項1から請求項3の何れか1項に記載の本発明において、前記エレクトロクロミック膜の厚さ方向一方の側に形成されて前記エレクトロクロミック膜を透過した光を反射すると共に導電性を有する第1導電性反射膜と、前記第1導電性反射膜を構成する材料よりも腐食し難い材料により前記第1導電性反射膜の前記エレクトロクロミック膜とは反対側に形成された導電性を有する導電性保護膜と、を含めて前記導電性反射膜を構成したことを特徴としている。
請求項4に記載の本発明に係るエレクトロクロミックミラーでは、エレクトロクロミック膜に還元反応を生じさせてエレクトロクロミック膜を着色する際には、導電性反射膜を構成する第1導電性反射膜及び導電性保護膜を負として電圧が印加される。
ここで、第1導電性反射膜よりも電解液の側に形成された導電性保護膜は、第1導電性反射膜を構成する材料よりも腐食し難い材料により形成される。このため、第1導電性反射膜が導電性保護膜により保護されて腐食し難くなる。これにより、長期に亘り良好に第1導電性反射膜によって光を反射できる。しかも、導電性保護膜により保護されることで第1導電性反射膜は腐食し難くなるので、第1導電性反射膜自体を薄くでき、この結果、導電性保護膜を設けても導電性反射膜全体として厚くなることがない。
請求項5に記載の本発明に係るエレクトロクロミックミラーは、請求項4に記載の本発明において、導電性を有すると共に前記第1導電性反射膜の側からの光を反射する第2導電性反射膜を前記導電性保護膜としたことを特徴としている。
請求項5に記載の本発明に係るエレクトロクロミックミラーによれば、第1導電性反射膜を保護する導電性保護膜が第1導電性反射膜の側からの光を反射する第2導電性反射膜とされる。このため、第1導電性反射膜を薄くすることで光の一部が第1導電性反射膜を透過しても、この透過した光を第2導電性反射膜で反射できる。
また、電解液の側から第1導電性反射膜全体を覆い、しかも、第1導電性反射膜の周縁部よりも外側まで第2導電性反射膜が位置するように第2導電性反射膜を設けた場合、第2導電性反射膜による第1導電性反射膜の保護性能が向上するのみならず、第1導電性反射膜の周縁部の外側に第2導電性反射膜の一部が位置することで、第1導電性反射膜の外側でも光を反射できる。
請求項6に記載の本発明に係るエレクトロクロミックミラーは、光の透過が可能で且つ導電性を有する透明電極膜と、前記透明電極膜の厚さ方向一方の側に形成されて還元反応することで着色されるエレクトロクロミック膜と、銀又は銀を含む合金により形成されて前記透明電極膜及び前記エレクトロクロミック膜を透過した光を反射する光反射膜と、前記エレクトロクロミック膜と前記光反射膜との間に設けられ、前記リチウムイオンを透過すると共に前記光反射膜の側から前記エレクトロクロミック膜の側への銀の拡散を規制する透明のリチウムイオン透過膜と、前記透明電極膜の厚さ方向一方の側で前記光反射膜の前記リチウムイオン透過膜とは反対側に設けられた導電性を有する導電性膜と、導電性ポリマ又はレドックスポリマにより形成されて、前記導電性膜の前記導電性反射膜の側に設けられて、前記電圧が印加されることで前記導電性膜の側へ移動した負イオンにより酸化される負イオン反応膜と、リチウムイオンを含めて構成されて前記光反射膜と前記導電性膜との間に封入され、前記導電性膜を正とし前記透明電極膜を負として電圧を印加することで前記リチウムイオンが前記エレクトロクロミック膜の側へ移動して、前記エレクトロクロミック膜の還元反応に供される電解液と、を備えている。
請求項6に記載の本発明に係るエレクトロクロミックミラーでは、透明電極膜、エレクトロクロミック膜、及びリチウムイオン透過膜を透過した光が光反射膜により反射される。
また、導電性膜を正として透明電極膜を負として電圧を印加すると、導電性膜と光反射膜との間に封入された電解液のリチウムイオンがエレクトロクロミック膜の側へ移動する。エレクトロクロミック膜の側へリチウムイオンが移動することでエレクトロクロミック膜が還元反応し、この還元反応によりエレクトロクロミック膜が着色される。このようにしてエレクトロクロミック膜が着色されることでエレクトロクロミック膜における光の透過率が低下する。
また、上記のように電圧を印加した際には、電解液の負イオンが導電性ポリマ又はレドックスポリマにより形成された負イオン反応膜の側へ移動して、負イオンにより負イオン反応膜が酸化される。このように、負イオン反応膜を導電性ポリマ又はレドックスポリマにより形成したことで、多くの負イオンが負イオン反応膜の酸化に供されるので、上記の導電性膜及び導電性反射膜に印加する電圧が低くてもエレクトロクロミック膜で充分に還元反応を起こさせることができる。しかも、このように低電圧でもエレクトロクロミック膜で還元反応を起こさせることができるため、電圧印加終了後にエレクトロクロミック膜を容易に消色できる。
さらに、本発明に係るエレクトロクロミックミラーでは、光反射膜に銀又は銀を含む合金により形成されているが、光反射膜とエレクトロクロミック膜との間に設けられたリチウムイオン透過膜によってエレクトロクロミック膜への銀の拡散が規制される。このため、銀がエレクトロクロミック膜に拡散すること起因した不具合の発生を防止又は効果的に抑制できる。
請求項7に記載の本発明に係るエレクトロクロミックミラーは、請求項6に記載の本発明において、前記透明電極膜に前記光反射膜を電気的に接続したことを特徴としている。
請求項7に記載の本発明に係るエレクトロクロミックミラーでは、透明電極膜に光反射膜が電気的に接続される。このため、電圧を印加する際には銀又は銀を含む合金により構成された光反射膜もまた電極として機能する。
以上説明したように、本発明に係るエレクトロクロミックミラーでは、大きな電圧を印加しなくてもエレクトロクロミック膜を充分に着色できる。
<第1の実施の形態の構成>
図1には本発明の第1の実施の形態に係るエレクトロクロミックミラー10の構成が概略的な断面図により示されている。
この図に示されるように、エレクトロクロミックミラー10は表面側基板12を備えている。表面側基板12はガラス等により形成された透明の基板本体14を備えている。この基板本体14の厚さ方向一方(図1の矢印W方向)側の面にはエレクトロクロミック膜16が形成されている。エレクトロクロミック膜16は、例えば、三酸化タングステン(WO)や三酸化タングステン(MoO)、又は、このような酸化物が含まれる混合物により形成されており、特に、本実施の形態では、三酸化タングステンによりエレクトロクロミック膜16が形成されている。
基板本体14の厚さ方向に沿ったエレクトロクロミック膜16の厚さは300nm以上1000nm以下の範囲で設定され、特に、本実施の形態ではエレクトロクロミック膜16の厚さは500nmに設定されている。このエレクトロクロミック膜16の基板本体14とは反対側の面には導電性反射膜18が形成されている。この導電性反射膜18は、導電性を有し、且つ、リチウムイオンの透過が可能な光沢を有する金属、例えば、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、パラジウム(Pd)、ニッケル(Ni)等により形成されている。基板本体14の厚さ方向に沿った導電性反射膜18の厚さは30nm以上200nm以下の範囲で設定され、特に、本実施の形態では導電性反射膜18の厚さは50nmに設定されている。
以上の構成の表面側基板12の厚さ方向一方の側には裏面側基板24が表面側基板12と対向するように設けられている。裏面側基板24はガラス等により形成された透明の基板本体26を備えている。この基板本体26の厚さ方向他方、すなわち、表面側基板12の側の面には導電性膜28が形成されている。導電性膜28は、クロム(Cr)やニッケル(Ni)等の金属や、インジウムチンオキサイド(In:Sn、所謂「ITO」)や酸化スズ(SnO)、フッ素ドープ酸化スズ(SnO:F)、酸化亜鉛(ZnO)等、更にはこれらの混合物により形成されている。
この導電性膜28の表面側基板12の側の面には負イオン反応膜30が形成されている。負イオン反応膜30はポリピロール、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリチオフェン、ポリパラピレン、ポリフラン等の導電性ポリマ、又は、ポリビニルフェロセン等のレドックスポリマにより形成されている。例えば、ポリピロールを負イオン反応膜30として用いる場合には、ピロールを溶媒に溶かして基板本体26に塗布することで形成される。また、ポリビニルフェロセンを負イオン反応膜30として用いる場合には、ビニルフェロセンを溶媒に溶かして基板本体26に塗布することで形成される。この負イオン反応膜30の質量は0.012mg/cm以上となるように設定されている。
以上の構成の表面側基板12と裏面側基板24との間には所定の隙間が形成されていると共に、表面側基板12の外周部と裏面側基板24の外周部との間は封止材32により封止されている。表面側基板12、裏面側基板24、及び封止材32により囲まれた空間内には電解液34が封入されている。電解液34は、炭酸プロピレン、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、γブチロラクトン、ジメチルフォルムアミド等、又はこれらの混合物により形成された溶媒を有しており、特に、本実施の形態では炭酸プロピレンが溶媒として用いられている。
このような溶媒の他に、電解液34は、過塩素酸リチウム(LiClO)、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF)、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiN(SOCF)、リチウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド(LiN(SO)、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCFSO)等やこれらの混合物を電解質として有しており、特に、本実施の形態では過塩素酸リチウムが電解質として用いられている。
さらに、以上の構成のエレクトロクロミックミラー10の導電性膜28は、回路40を構成するスイッチ42に接続されている。スイッチ42は、ON状態で接続される端子に車両に搭載されるバッテリー等で構成され定格電圧が1.3V程度の直流電源44の正極が接続されている。この直流電源44の負極は導電性反射膜18に接続されている。また、スイッチ42がOFF状態で接続される端子は、上記の直流電源44を介さずに導電性反射膜18に接続されており、OFF状態では導電性膜28と導電性反射膜18とが短絡される。
<第1の実施の形態の作用、効果>
以上の構成のエレクトロクロミックミラー10では、スイッチ42のOFF状態では、エレクトロクロミック膜16が略透明となっており、このため、基板本体14のエレクトロクロミック膜16とは反対側から入射した光は、基板本体14、エレクトロクロミック膜16を透過して導電性反射膜18にて反射される。さらに、導電性反射膜18にて反射された光はエレクトロクロミック膜16、基板本体14を透過すし、以上の構成の本実施の形態では、結果的に光の反射率が55パーセント程度となる。
一方、スイッチ42をON状態に切り替えると、回路40を導電性反射膜18の側に移動した電子(e)がエレクトロクロミック膜16に侵入すると共に、電解液34の電解質を構成するリチウムイオン(Li)が導電性反射膜18を透過してエレクトロクロミック膜16に侵入する。これにより、エレクトロクロミック膜16では以下の式1の還元反応が生じ、所謂タングステンブロンズと称される青色のLiWOがエレクトロクロミック膜16で形成される。
Li+e+WO→LiWO・・・(式1)
このようにしてエレクトロクロミック膜16が青色に着色されることでエレクトロクロミック膜16が着色される前では55パーセント程度であった反射率が7パーセント程度まで低下する。
さらに、以上の還元反応が生じる際には、負イオン反応膜30を構成する導電性ポリマ又はレドックスポリマが酸化されて正の電荷を帯びる。これにより、電解質を構成する過塩素酸リチウムの負イオン(ClO )が負イオン反応膜30に侵入して電荷バランスをとる。このように、上記の還元反応に対して、負イオン反応膜30がポリピロールにより形成されていれば以下の式2aのような補償反応が生じ、負イオン反応膜30がポリビニルフェロセンにより形成されていれば以下の式2bのような補償反応が生じ、
ClO +PPy−e→PPy・ClO ・・・(式2a)
ClO +PVF−e→PVF・ClO ・・・(式2b)
なお、式2aにおいてPPyはポリピロールを指し、式2aにおいてPVFはポリビニルフェロセンを指す。
ここで、図2には、LiWOにおけるXと、光の反射率との関係がグラフにより示されている。なお、このグラフにおいては、X=0、すなわち、三酸化タングステンが透明の場合を1として規格化されている。このグラフに示されるように、反射率はX=0.15以上で概ね飽和し、したがって、X=0.15〜0.2程度でエレクトロクロミック膜16に充分な着色が成される。
一方、図3にはエレクトロクロミック膜16の膜厚と反射率との関係がグラフにより示されている。なお、このグラフにおいては、エレクトロクロミック膜16がないときの反射率を1として規格化されている。このグラフに示されるように、反射率はエレクトロクロミック膜16の膜厚が300nmまでで急激に低下し、500nmで飽和するため、エレクトロクロミック膜16の膜厚は300nm以上500nm以下の範囲に設定されることが好ましい。
ここで、LiWOのXの値をX=0.15、エレクトロクロミック膜16の膜厚をd=500nm、エレクトロクロミック膜16を構成する三酸化タングステンのバルク密度をρ=7.18g/cm、エレクトロクロミック膜16を構成する三酸化タングステンの空孔度をP=0.8、三酸化タングステンの分子量をM=231.9molとして以下の式3に代入すると、三酸化タングステンの反応量(モル数)n=1.86mM/cmとなる。
n=(X・d・ρ・P)/M・・・(式3)
さらに、負イオン反応膜30を構成する導電性ポリマ又はレドックスポリマも上記のnと同じモル数だけ反応しなくてはならない。したがって、負イオン反応膜30に用いられる導電性ポリマ又はレドックスポリマのモノマー当たりの分子量をM=65.07g/molとして以下の式4に代入すると、m=0.012mg/cmの質量の導電性ポリマ又はレドックスポリマが必要になる。
m=n・M・・・(式4)
ここで、本実施の形態では、負イオン反応膜30はm=0.012mg/cm以上に設定されている。このため、エレクトロクロミック膜16において充分な還元反応を生じさせることができ、この結果、上記のように、スイッチ42をON状態として電圧を印加することでエレクトロクロミック膜16を充分に着色できる。
さらに、本実施の形態では、エレクトロクロミック膜16を着色するに際して印加する電圧を1.3Vと低くできる。このため、スイッチ42をOFF状態にして導電性反射膜18と導電性膜28とを短絡させると上記の式1、式2a又は式2bとは逆向きの反応が生じ、エレクトロクロミック膜16が素早く消色される。
以上のようなエレクトロクロミックミラー10を、例えば、車両における後方確認用のインナミラー(ルームミラー)やアウタミラー(ドアミラーやフェンダーミラー)等のミラー本体に用いると、昼間時にはスイッチ42をOFF状態で維持して高い反射率で後方を確認でき、夜間時等に後方の車両がヘッドライトを点灯させている場合には、スイッチ42をON状態に切り換えてエレクトロクロミック膜16を着色し、反射率を低下させることで、ヘッドライトの反射光を低減でき、眩しさが低下する。
<第2の実施の形態の構成>
次に、本発明のその他の実施の形態について説明する。なお、以下の各実施の形態を説明するにあたり、前記第1の実施の形態を含めて説明している実施の形態よりも前出の実施の形態と基本的に同一の部位に関しては、同一の符号を付与してその詳細な説明を省略する。
図4には本発明の第2の実施の形態に係るエレクトロクロミックミラー60の構成が概略的な断面図により示されている。
この図に示されるように、エレクトロクロミックミラー60は導電性反射膜18を備えておらず、代わりに導電性反射膜68を備えている。この導電性反射膜68は導電性反射膜18と同様の材質で同様の厚さに形成されているが、図5に示されるように、その厚さ方向に貫通した微細な多数の透孔70が形成されている。これらの透孔70は内径(内周部の直径)寸法Dが20μm以下で、特に、本実施の形態では5μmとされている。また、これらの透孔70は基本的に導電性反射膜68に不規則(ランダム)に形成されている。但し、これらの透孔70は隣り合う透孔70の中心間距離Lが10μmとされている。
これらの透孔70は、フォトレジストが塗布された導電性反射膜68に透孔70のパターンが印刷されたフォトマスクを施して露光し、その後に透孔70に対応したフォトレジストを除去し、エッチング液で導電性反射膜68を溶かすことで形成されている。
<第2の実施の形態の作用、効果>
以上の構成のエレクトロクロミックミラー60では、上記のように導電性反射膜68に透孔70が形成されるため、スイッチ42をON状態として電圧を印加した際には、電解液34の電解質を構成するリチウムイオン(Li)が透孔70を通過することで透孔70が形成されていない部位で導電性反射膜68を透過するよりも素早くエレクトロクロミック膜16に侵入する。これにより、エレクトロクロミック膜16において素早く還元反応が生じ、全体的にエレクトロクロミック膜16が素早く着色される。
また、本実施の形態では、透孔70は内径(内周部の直径)寸法Dを5μm(すなわち、20μm以下)としていることで、基本的には透孔70を直接目視することができない。このため、透孔70を形成してもエレクトロクロミックミラー60での反射光を目視した際に違和感が生じない。
一方、図6には、透孔70の内径(内周部の直径)寸法Dと隣り合う透孔70の中心間距離Lとの比と、透孔70を形成することによるエレクトロクロミックミラー60での反射率の減少比率との関係が示されている。ここで、本実施の形態では、透孔70の内径寸法Dを5μm、隣り合う透孔70の中心間距離Lを10μmとしたことで、その比率は0.5となる。このため、図6に示されるように、透孔70を形成していない場合の80パーセントの反射率を確保できる。このように、透孔70の内径寸法Dと隣り合う透孔70の中心間距離Lとの比を0.5に設定したことで透孔70を形成したにも関わらず、導電性反射膜68にて光を充分に反射できる。
また、本実施の形態では、隣り合う透孔70の中心間距離Lは10μmに設定されるが、その形成位置は不規則(ランダム)である。このため、導電性反射膜68での反射光に規則的な干渉等が生じない。これにより、更に反射像を鮮明にできる。
なお、本実施の形態に係るエレクトロクロミックミラー60は、導電性反射膜18に代わり透孔70が形成された導電性反射膜68を設けた点以外は基本的に前記第1の実施の形態に係るエレクトロクロミックミラー10と構成が同じである。したがって、エレクトロクロミックミラー60は基本的にエレクトロクロミックミラー10と同様の作用を奏し、エレクトロクロミックミラー10と同様の効果を得ることもできる。
<第3の実施の形態の構成>
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。
図7には本発明の第3の実施の形態に係るエレクトロクロミックミラー80の構成が概略的な断面図により示されている。
この図に示されるように、エレクトロクロミックミラー80はエレクトロクロミック膜16を備えておらず、代わりにエレクトロクロミック膜86を備えている。このエレクトロクロミック膜86はエレクトロクロミック膜16と同様の材質で同様の厚さに形成されているが、図8に示されるように、その厚さ方向に貫通した微細な多数の透孔92が形成されている。これらの透孔92は透孔70に連通しており、その内径(内周部の直径)寸法Dが20μm以下で、特に、本実施の形態では5μmとされている。また、これらの透孔92は基本的にエレクトロクロミック膜86に不規則(ランダム)に形成されている。但し、これらの透孔92は隣り合う透孔92の中心間距離Lが10μmとされている。
これらの透孔92は、フォトレジストが塗布されたエレクトロクロミック膜86に透孔92のパターンが印刷されたフォトマスクを施して露光し、その後に透孔92に対応したフォトレジストを除去し、エッチング液でエレクトロクロミック膜86を溶かすことで形成されている。
<第3の実施の形態の作用、効果>
以上の構成のエレクトロクロミックミラー80では、導電性反射膜68に透孔70が形成され、エレクトロクロミック膜86に透孔92が形成される。このため、スイッチ42をON状態として電圧を印加した際には、先ず、電解液34の電解質を構成するリチウムイオン(Li)が透孔70を通過することで透孔70が形成されていない部位で導電性反射膜68を透過するよりも素早くエレクトロクロミック膜86に到達する。
さらに、エレクトロクロミック膜86に到達したリチウムイオンは透孔92に入り込み、透孔92の内周部からエレクトロクロミック膜86に侵入する。これにより、エレクトロクロミック膜86において更に素早く還元反応が生じ、全体的にエレクトロクロミック膜86が更に素早く着色される。
また、本実施の形態では、透孔92は内径(内周部の直径)寸法Dを5μm(すなわち、20μm以下)としていることで、基本的には透孔92を直接目視することができない。このため、透孔92を形成しても導電性反射膜68での反射光を目視した際に違和感が生じない。
さらに、導電性反射膜68に透孔70を形成した場合と同様に、本実施の形態では、透孔92の内径寸法Dを5μm、隣り合う透孔92の中心間距離Lを10μmとしたことで、その比率は0.5となる。このため、透孔92を形成していない場合の80パーセントの反射率を確保できる。このように、透孔92の内径寸法Dと隣り合う透孔92の中心間距離Lとの比を0.5に設定したことで透孔92を形成したにも関わらず、エレクトロクロミック膜86にて光を充分に反射できる。
また、本実施の形態では、隣り合う透孔92の中心間距離Lは10μmに設定されるが、その形成位置は透孔70と同様に不規則(ランダム)である。このため、エレクトロクロミック膜86での反射光に規則的な干渉等が生じない。これにより、更に反射像を鮮明にできる。
なお、本実施の形態に係るエレクトロクロミックミラー80は、エレクトロクロミック膜86に代わり透孔92が形成されたエレクトロクロミック膜86を設けた点以外は基本的に前記第2の実施の形態に係るエレクトロクロミックミラー60と構成が同じである。したがって、エレクトロクロミックミラー80は基本的にエレクトロクロミックミラー60と同様の作用を奏し、エレクトロクロミックミラー60と同様の効果を得ることもできる。
<第4の実施の形態の構成>
次に、本発明の第4の実施の形態ついて説明する。
図9には本実施の形態に係るエレクトロクロミックミラー110の構成が概略的な断面図により示されている。
この図に示されるように、エレクトロクロミックミラー110は導電性反射膜68を備えておらず、代わりに導電性反射膜118を備えている。この導電性反射膜118は第1導電性反射膜120と、導電性保護膜としての第2導電性反射膜122とによって構成されている。第1導電性反射膜120はエレクトロクロミック膜16の基板本体14とは反対側に形成されている。第1導電性反射膜120はアルミニウム(Al)、銀(Ag)、インジウム(In)等により形成されている。これに対して、第2導電性反射膜122は第1導電性反射膜120よりも腐食し難い金属、例えば、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、パラジウム(Pd)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)等により形成されている。
また、この第2導電性反射膜122は外周縁部が第1導電性反射膜120の外周縁部よりも外側に位置するように形成されている。これにより、第1導電性反射膜120は、その全体がエレクトロクロミック膜16とは反対側から第2導電性反射膜122により覆われている。
また、前記第2、第3の実施の形態では、導電性反射膜68に透孔70が形成されていたが、図10に示されるように、本実施の形態においても第1導電性反射膜120には透孔70に対応した透孔124が形成され、第2導電性反射膜122には透孔70に対応した透孔126が透孔70と同様の条件で形成されている。
<第4の実施の形態の作用、効果>
以上の構成のエレクトロクロミックミラー110では、基板本体14のエレクトロクロミック膜16とは反対側から入射した光は基板本体14、エレクトロクロミック膜86を透過して第1導電性反射膜120にて反射される。また、仮に、第1導電性反射膜120にて反射されずに第1導電性反射膜120を透過した光は第2導電性反射膜122にて反射される。ところで、導電性反射膜118のエレクトロクロミック膜86とは反対側では電解液34が封入されている。
ここで、本エレクトロクロミックミラー110では、主に光を反射する第1導電性反射膜120の電解液34の側は第1導電性反射膜120よりも腐食し難い金属により形成された第2導電性反射膜122で覆われる。このため、電解液34に対して第1導電性反射膜120は第2導電性反射膜122に保護され、第1導電性反射膜120が腐食され難くなる。これにより、長期に亘って第1導電性反射膜120によって良好に光を反射できる。
しかも、第2導電性反射膜122の外周縁部は、第1導電性反射膜120の外周縁部よりも外側に位置している。これにより、第1導電性反射膜120は、その全体がエレクトロクロミック膜16とは反対側から第2導電性反射膜122により覆われることになり、エレクトロクロミック膜16とは反対側の面のみならず、第1導電性反射膜120の外周端も電解液34に対して第2導電性反射膜122により保護され、第1導電性反射膜120の腐食を効果的に抑制又は防止できる。
さらに、第2導電性反射膜122は、それ自体が基板本体14の側からの光を反射するため、第1導電性反射膜120の外周縁部よりも外側で基板本体14を透過した光は第1導電性反射膜120で反射されることはないが、代わりに第2導電性反射膜122により反射される。このため、光の反射領域を広くできる(還元すれば、第2導電性反射膜122で第1導電性反射膜120全体を覆う構成とするために、第1導電性反射膜120を小さくしても、光の反射領域が狭くなることがない)。
なお、本実施の形態に係るエレクトロクロミックミラー110は、透孔70が形成された導電性反射膜68に代わり透孔124が形成された第1導電性反射膜120及び透孔126が形成された第2導電性反射膜122により構成された導電性反射膜118を設けた点以外は基本的に前記第2の実施の形態に係るエレクトロクロミックミラー60と構成が同じである。したがって、エレクトロクロミックミラー110は基本的にエレクトロクロミックミラー60と同様の作用を奏し、エレクトロクロミックミラー60と同様の効果を得ることもできる。
また、本実施の形態に係るエレクトロクロミックミラー110はエレクトロクロミック膜16を備える構成であるが、図11に示されるように、エレクトロクロミック膜16に代えてエレクトロクロミック膜86を設ける構成とした場合には、本実施の作用並びに効果に加え、前記第3の実施の形態に係るエレクトロクロミックミラー80と同様の作用を奏し、エレクトロクロミックミラー80と同様の効果を得ることもできる。
<第5の実施の形態の構成>
次に本発明の第5の実施の形態について説明する
図12には本実施の形態に係るエレクトロクロミックミラー140の構成が概略的な断面図により示されている。
この図に示されるように、エレクトロクロミックミラー140では基板本体14とエレクトロクロミック膜16との間に透明の透明電極膜142が設けられている。透明電極膜142は、インジウムチンオキサイド(In:Sn、所謂「ITO」)や酸化スズ(SnO)、フッ素ドープ酸化スズ(SnO:F)、酸化亜鉛(ZnO)等、更にはこれらの混合物により形成されている。この透明電極膜142にはスイッチ42を介して直流電源44の負極に接続されている。
また、エレクトロクロミック膜16の透明電極膜142とは反対側の面には導電性反射膜18や導電性反射膜68、導電性反射膜118が形成されておらず、代わりに透明のリチウムイオン透過膜144が形成されている。リチウムイオン透過膜144はフッ化リチウムやフッ化マグネシウムにより形成されており、スイッチ42がON状態になった場合には、電解液34のリチウムイオン(Li)が透過する。さらに、リチウムイオン透過膜144のエレクトロクロミック膜16とは反対側の面には、銀や銀を含む合金により構成された光反射膜146が形成されている。
<第5の実施の形態の作用、効果>
以上の構成のエレクトロクロミックミラー140では、スイッチ42のOFF状態では、透明電極膜142及びリチウムイオン透過膜144が略透明となっており、このため、基板本体14のエレクトロクロミック膜16とは反対側から入射した光は、基板本体14、透明電極膜142、エレクトロクロミック膜16、リチウムイオン透過膜144を透過して光反射膜146にて反射される。さらに、光反射膜146にて反射された光はリチウムイオン透過膜144、エレクトロクロミック膜16、透明電極膜142、基板本体14を透過する。
一方、スイッチ42をON状態に切り替えると、回路40を導電性反射膜18の側に移動した電子(e)がエレクトロクロミック膜16に侵入すると共に、電解液34の電解質を構成するリチウムイオン(Li)が光反射膜146及びリチウムイオン透過膜144を透過してエレクトロクロミック膜16に侵入する。これにより、エレクトロクロミック膜16では前記第1の実施の形態と同様に青色に着色され、これにより、エレクトロクロミック膜16が着色される前に比べて反射率が低下する。
ここで、本実施の形態では、光反射膜146が銀又は銀を含む合金により形成される。三酸化タングステンにより形成されたエレクトロクロミック膜16に直接銀又は銀を含む合金により形成された光反射膜146を形成すると、光反射膜146の銀がエレクトロクロミック膜16の三酸化タングステンに拡散し、三酸化タングステンが黄変する可能性がある。しかしながら、本実施の形態では、エレクトロクロミック膜16と光反射膜146との間にリチウムイオン透過膜144を設けているため、エレクトロクロミック膜16への銀の拡散が防止又は効果的に抑制される。これにより、銀又は銀を含む合金により光反射膜146を形成しても、エレクトロクロミック膜16の黄変を防止又は効果的に抑制でき、長期に亘り品質を良好に保つことができる。
なお、本実施の形態は、基板本体14とエレクトロクロミック膜16との間に透明の透明電極膜142が設けた点、導電性反射膜18に代わり透明のリチウムイオン透過膜144と光反射膜146とを設けた点以外は基本的に前記第1の実施の形態と同じ構成であるため、基本的には前記第1の実施の形態と同様の作用を奏し、同様の効果を得ることができる。
<第6の実施の形態の構成>
次に本発明の第6の実施の形態について説明する
図13には本実施の形態に係るエレクトロクロミックミラー160の構成が概略的な断面図により示されている。
この図に示されるように、エレクトロクロミックミラー160は基本的に前記第5の実施の形態に係るエレクトロクロミックミラー140と同じ構成であるが、エレクトロクロミックミラー160は光反射膜146を備えておらず、代わりに光反射膜166を備えている。光反射膜166は銀や銀を含む合金により構成されている点で光反射膜146と同じであるが、外周縁が透明電極膜142の外周縁に接触し、電気的に導通している。
<第6の実施の形態の作用、効果>
以上の構成のエレクトロクロミックミラー160では、銀や銀を含む合金により形成された光反射膜166の外周縁が透明電極膜142の外周縁に接触し、電気的に接続されているため、スイッチ42をON状態に切り替えた際には光反射膜166を電極として機能させることができる。
なお、本実施の形態は、光反射膜146に変えて光反射膜166を設けた点以外は基本的に前記第5の実施の形態と同じ構成であるため、前記第5の実施の形態と同様の作用を奏し、同様の効果を得ることができる。
本発明の第1の実施の形態に係るエレクトロクロミックミラーの構成の概略を示す断面図である。 LiWOにおけるXと、光の反射率との関係がグラフにより示されている。 エレクトロクロミック膜16の膜厚と反射率との関係がグラフにより示されている。 本発明の第2の実施の形態に係るエレクトロクロミックミラーの構成の概略を示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係るエレクトロクロミックミラーの要部を拡大した概略的な断面図である。 透孔の内径寸法Dと隣り合う透孔の中心間距離Lとの比と、透孔を形成することによるエレクトロクロミックミラーでの反射率の減少比率との関係を示すグラフである。 本発明の第3の実施の形態に係るエレクトロクロミックミラーの構成の概略を示す断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係るエレクトロクロミックミラーの要部を拡大した概略的な断面図である。 本発明の第4の実施の形態に係るエレクトロクロミックミラーの構成の概略を示す断面図である。 本発明の第4の実施の形態に係るエレクトロクロミックミラーの要部を拡大した概略的な断面図である。 本発明の第4の実施の形態に係るエレクトロクロミックミラーの変形例を示す図10に対応した断面図である。 本発明の第5の実施の形態に係るエレクトロクロミックミラーの構成の概略を示す断面図である。 本発明の第6の実施の形態に係るエレクトロクロミックミラーの構成の概略を示す断面図である。
符号の説明
10 エレクトロクロミックミラー
16 エレクトロクロミック膜
18 導電性反射膜
28 導電性膜
30 負イオン反応膜
34 電解液
60 エレクトロクロミックミラー
68 導電性反射膜
70 透孔
80 エレクトロクロミックミラー
86 エレクトロクロミック膜
92 透孔
110 エレクトロクロミックミラー
118 導電性反射膜
120 第1導電性反射膜
122 第2導電性反射膜(導電性保護膜)
124 透孔
126 透孔
140 エレクトロクロミックミラー
142 透明電極膜
144 リチウムイオン透過膜
146 光反射膜
160 エレクトロクロミックミラー
166 光反射膜

Claims (7)

  1. 還元反応することで着色されるエレクトロクロミック膜と、
    前記エレクトロクロミック膜の厚さ方向一方の側に形成されて前記エレクトロクロミック膜を透過した光を反射すると共に導電性を有する導電性反射膜と、
    前記エレクトロクロミック膜の厚さ方向一方の側で前記導電性反射膜の前記エレクトロクロミック膜とは反対側に設けられた導電性を有する導電性膜と、
    導電性ポリマ又はレドックスポリマにより形成されて、前記導電性膜の前記導電性反射膜の側に設けられて、前記電圧が印加されることで前記導電性膜の側へ移動した負イオンにより酸化される負イオン反応膜と、
    リチウムイオンを含めて構成されて前記導電性反射膜と前記導電性膜との間に封入され、前記導電性膜を正とし前記導電性反射膜を負として電圧を印加することで前記リチウムイオンが前記エレクトロクロミック膜の側へ移動して、前記エレクトロクロミック膜の還元反応に供される電解液と、
    を備えるエレクトロクロミックミラー。
  2. 前記導電性反射膜の厚さ方向に前記導電性反射膜を貫通する微細な透孔を前記導電性反射膜に多数形成した、
    ことを特徴とする請求項1に記載のエレクトロクロミックミラー。
  3. 前記エレクトロクロミック膜の厚さ方向に沿った導電性反射膜の側で開口した微細な孔部を前記エレクトロクロミック膜に多数形成した、
    ことを特徴とする請求項2に記載のエレクトロクロミックミラー。
  4. 前記エレクトロクロミック膜の厚さ方向一方の側に形成されて前記エレクトロクロミック膜を透過した光を反射すると共に導電性を有する第1導電性反射膜と、
    前記第1導電性反射膜を構成する材料よりも腐食し難い材料により前記第1導電性反射膜の前記エレクトロクロミック膜とは反対側に形成された導電性を有する導電性保護膜と、
    を含めて前記導電性反射膜を構成したことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載のエレクトロクロミックミラー。
  5. 導電性を有すると共に前記第1導電性反射膜の側からの光を反射する第2導電性反射膜を前記導電性保護膜としたことを特徴とする請求項4に記載のエレクトロクロミックミラー。
  6. 光の透過が可能で且つ導電性を有する透明電極膜と、
    前記透明電極膜の厚さ方向一方の側に形成されて還元反応することで着色されるエレクトロクロミック膜と、
    銀又は銀を含む合金により形成されて前記透明電極膜及び前記エレクトロクロミック膜を透過した光を反射する光反射膜と、
    前記エレクトロクロミック膜と前記光反射膜との間に設けられ、前記リチウムイオンを透過すると共に前記光反射膜の側から前記エレクトロクロミック膜の側への銀の拡散を規制する透明のリチウムイオン透過膜と、
    前記透明電極膜の厚さ方向一方の側で前記光反射膜の前記リチウムイオン透過膜とは反対側に設けられた導電性を有する導電性膜と、
    導電性ポリマ又はレドックスポリマにより形成されて、前記導電性膜の前記導電性反射膜の側に設けられて、前記電圧が印加されることで前記導電性膜の側へ移動した負イオンにより酸化される負イオン反応膜と、
    リチウムイオンを含めて構成されて前記光反射膜と前記導電性膜との間に封入され、前記導電性膜を正とし前記透明電極膜を負として電圧を印加することで前記リチウムイオンが前記エレクトロクロミック膜の側へ移動して、前記エレクトロクロミック膜の還元反応に供される電解液と、
    を備えるエレクトロクロミックミラー。
  7. 前記透明電極膜に前記光反射膜を電気的に接続したことを特徴とする請求項6に記載のエレクトロクロミックミラー。
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