JP2009006442A - スローアウェイチップおよびこれを装着するスローアウェイ式切削工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】クランプねじの折損を防止するとともに、スローアウェイチップをクランプする強度および安定性を高めたスローアウェイチップおよびスローアウェイ式切削工具を提供する。
【解決手段】すくい面3と、逃げ面4と、すくい面3と逃げ面4との交差稜線部に形成された切刃5と、工具本体20に設けたチップ座21に当接する着座面6、被拘束面7a、7bとを備えたチップ本体2には、クランプねじ30を挿通するための取り付け穴10が前記着座面6に開口して形成され、前記取り付け穴10が前記クランプねじの頭部の座面31aに当接する内壁面11aを有する係合部11を備え、この係合部の軸心CL11が前記着座面6の法線に対して鋭角に傾斜し、前記軸心CL11を含みかつ前記着座面6に直交する平面で切断した断面で、前記係合部の内壁面11aと前記クランプねじの頭部の座面31aとの接点における接線が前記法線に対して外側に傾斜するようにした。
【選択図】 図4

Description

本発明は、スローアウェイチップおよびこのスローアウェイチップがクランプねじにより着脱可能に装着されるスローアウェイ式切削工具に関する。
スローアウェイ式切削工具において、チップ座の底壁に穿設したねじ穴内にスローアウェイチップの貫通穴を通し締着されるクランプねじによって、スローアウェイチップをチップ座に着脱可能に装着する、いわゆるスクリューオン方式のスローアウェイ式切削工具がある。
この種の切削工具の中には、ねじ穴がチップ座の底壁に対する法線に対し所定角度で穿設することによって、スローアウェイチップが、その両隣接側面を、チップ座の両側壁に当接させるとともに、その着座面をチップ座の底壁に着座させてなるものがある。このような構成により、クランプねじによるスローアウェイチップの工具本体に対するクランプ状態を適正に維持するものがあった(例えば、特許文献1参照)。
特開平7−164213号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたスローアウェイ式工具では、ねじ穴およびクランプねじがチップ座の底壁の法線に対し所定角度で傾斜し、クランプねじの頭部がスローアウェイチップの貫通穴に対して偏心していることから、クランプねじの頭部の座面とスローアウェイチップの貫通穴の受承座部とは、全周にわたって当接せず、スローアウェイチップの両隣接側面側のみ当接した状態となっていた。このような当接状態では、クランプねじの頭部が弾性変形した状態でチップ座に当接されることになることから、クランプねじには大きな曲げ応力が働き、クランプねじが折損するという問題があった。また、特許文献1の発明において、クランプねじの頭部の座面とチップの貫通穴の受承座部とを全周にわたって当接させる場合においても、クランプねじの頭部の座面を同一円周上でスローアウェイチップの貫通穴の受承座部に当接させることができないため、クランプねじの頭部には曲げ応力が働き、クランプねじの破損が生じるおそれがある。
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、クランプねじの頭部の座面とスローアウェイチップの取り付け穴の内壁面との係合状態を最適化することにより、クランプねじの折損を防止するとともに、スローアウェイチップのクランプ強度およびクランプの安定性を高めたスローアウェイチップおよびスローアウェイ式切削工具を提供することを目的とする。また、クランプねじの小型化およびこの工具本体の強度向上により切削性能に優れたスローアウェイチップおよびスローアウェイ式切削工具を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成を有する。
請求項1に係る発明は、多角形板形状又は円形板状をなすチップ本体には、すくい面と、逃げ面と、これらすくい面と逃げ面との交差稜線部に形成された切刃と、切削工具の工具本体の所定の位置に設けたチップ座に当接する着座面、被拘束面とが備えられ、該チップ本体を前記チップ座に固定するクランプねじを挿通するための取り付け穴が前記着座面に開口するとともに該チップ本体を貫通して形成され、前記取り付け穴が前記クランプねじの頭部の座面に当接する内壁面を有する係合部を備え、この係合部の内壁面が前記着座面の法線に対して鋭角に傾斜する軸心を中心とした対称形状とされ、前記軸心を含みかつ前記着座面に直交する平面で切断した断面において、前記係合部の内壁面と前記クランプねじの頭部の座面との接点における接線が、前記法線に対して外側に向かって傾斜していることを特徴とするスローアウェイチップである。
請求項1に係るスローアウェイチップによれば、取り付け穴の係合部の内壁面が着座面の法線に対して鋭角に傾斜する軸心まわりに回転対称形状とされていることから、該スローアウェイチップを固定するクランプねじを前記軸心と平行な方向に傾斜させて工具本体の雌ねじ穴に締着する際において、前記クランプねじは、その頭部の座面が同一円周上で前記係合部の内壁面と当接し、前記同一円周上に加わる力が均一化するため、曲げ応力による折損が防止される。クランプねじにおいては、曲げ応力が緩和されるため、小型化が可能となる。
一方、スローアウェイチップでは、係合部の軸心を含みかつ着座面に直交する平面で切断した断面において、係合部の内壁面とクランプねじの頭部の座面との接点における接線が、着座面の法線に対して外側に向かって傾斜していることから、前記接点では、着座面を工具本体に押し付ける方向に力が作用するため、クランプの安定性が高くなる。前記の着座面を工具本体に押し付ける方向に作用する力は、前記係合部の内壁面の全周にわたって作用するため、スローアウェイチップの着座面が工具本体から浮き上がることなく、クランプの安定性が高くなる。さらに、スローアウェイチップを粉末形成法により、該スローアウェイチップの着座面の法線方向に上パンチおよび下パンチを駆動することによって粉末成形体を製作する際において、取り付け穴を成形するコアロッドの抜き出しが可能であり、該プレス成形加工により前記取り付け穴の完成形状を加工することができるため、製作コストの低減がはかられる。
さらに、スローアウェイチップの取り付け穴の係合部の内壁面に当接するクランプねじおよびこれがねじ込まれる雌ねじ穴を、前記スローアウェイチップの着座面の法線に対して工具本体の肉厚増加方向へ傾斜させることにより、工具本体の強度向上が可能となる。
請求項2に係る発明は、前記係合部の前記着座面側の端部に連なって非係合部が形成され、この係合部が前記着座面に開口するとともに前記着座面に直交する軸心を中心とした対称形状とされていることを特徴とする請求項1に記載のスローアウェイチップである。
請求項2に係るスローアウェイチップによれば、前記係合部の前記着座面側の端部に連なって非係合部を形成することにより、前記係合部をその軸心方向で適切な位置に配することが可能となるとともに、取り付け穴の係合部以外の部分における内壁面とクランプねじの軸部との間の接触が避けられる。さらに、スローアウェイチップを粉末形成法により、該スローアウェイチップの着座面の法線方向に上パンチおよび下パンチを駆動することによって粉末成形体を製作する際において、取り付け穴を成形するコアロッドの抜き出しが可能であり、該プレス成形加工により前記取り付け穴の完成形状を加工することができるため、製作コストの低減がはかられる。
請求項3に係る発明は、前記係合部又は前記非係合部と前記着座面との交差部には、前記交差部より径大の逃がし部が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のスローアウェイチップである。
請求項3に係るスローアウェイチップによれば、取り付け穴の係合部以外の部分における内壁面とクランプねじとの間の接触が避けられるため、スローアウェイチップの着座面に対するクランプねじの傾斜角度の設定範囲が拡大する。
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載のスローアウェイチップを装着するスローアウェイ式切削工具であって、該スローアウェイ式切削工具の工具本体には、前記スローアウェイチップを載置するチップ座が切欠き形成され、前記チップ座が前記スローアウェイチップの着座面に当接する底面と、前記着座面に隣接する少なくとも1つの面に当接する壁面を有し、前記底面には、前記クランプねじに螺合する雌ねじ穴が設けられ、この雌ねじ穴がその軸心を前記底面に対して鋭角をなし、かつ前記雌ねじ穴が前記底面から離間するにしたがって、前記壁面に漸次接近するように形成されていることを特徴とするスローアウェイ式切削工具である。
請求項4に係るスローアウェイ式切削工具によれば、スローアウェイチップの取り付け穴における係合部の内壁面が、このスローアウェイチップの着座面に対して鋭角に傾斜する軸心まわりに回転対称形状とされていることから、該スローアウェイチップを固定するクランプねじを前記軸心と平行に傾けて工具本体の雌ねじ穴に締着する際において、前記クランプねじは、その頭部の座面が同一円周上で前記係合部の内壁面と当接し、前記同一円周上に加わる力が均一化するため、曲げ応力による折損が防止される。クランプねじにおいては、曲げ応力が緩和されるため、小型化が可能となる。
さらに、前記係合部の内壁面に当接するクランプねじおよびこれがねじ込まれる雌ねじ穴を、前記スローアウェイチップの着座面の法線に対して工具本体の肉厚増加方向へ傾斜させることにより、工具本体の強度向上が可能となり、工具びびりの抑制等により切削性能の向上がはかられる。
本発明によれば、取り付け穴の係合部の内壁面が着座面に対して鋭角に傾斜する軸心まわりに回転対称形状とされていることから、該スローアウェイチップを固定するクランプねじを前記軸心と平行に傾けて工具本体の雌ねじ穴に締着する際において、前記クランプねじは、その頭部の座面が同一円周上で前記係合部の内壁面と当接し、前記同一円周上に加わる力が均一化するため、曲げ応力による折損が防止される。クランプねじにおいては、曲げ応力が緩和されるため、小型化が可能となる。一方、スローアウェイチップでは、取り付け穴の軸心を含みかつ着座面に直交する平面で切断した断面において、係合部の内壁面が前記着座面の法線に対して外側に向かって傾斜するように形成されていることから、係合部の内壁面がクランプねじの頭部の座面から受ける力が、スローアウェイチップの着座面を工具本体に押し付ける方向に作用するため、クランプの安定性が高くなる。前記の着座面を工具本体に押し付ける方向に作用する力は、前記係合部の内壁面の全周にわたって作用するため、スローアウェイチップの着座面の一部が工具本体から浮き上がることなく、クランプの安定性が高くなる。さらに、スローアウェイチップを粉末形成法により、該スローアウェイチップの着座面の法線方向に上パンチおよび下パンチを駆動することによって粉末成形体を製作する際において、取り付け穴を成形するコアロッドの抜き出しが可能であり、該プレス成形加工により前記取り付け穴の完成形状を加工することができるため、製作コストの低減がはかられる。さらに、スローアウェイチップの取り付け穴の係合部の内壁面に当接するクランプねじおよびこれを締着する雌ねじ穴を、前記スローアウェイチップの着座面に対して鋭角に傾斜する方向を工具本体の肉厚増加方向へ設定することにより、工具本体の強度向上が可能となり、工具びびりの抑制等により切削性能の向上がはかられる。
本発明を適用した実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1〜図3はそれぞれ本発明を適用したスローアウェイチップの正面図、左側面図、平面図である。図4は、図3におけるA−A´線断面図である。図5は、図4に示す取り付け穴の拡大断面図である。図6は、取り付け穴の変形例を示す拡大断面図である。図7および図8は、本発明のスローアウェイチップを装着したスローアウェイ式エンドミルの正面図および先端視側面図である。図9は、図7におけるB−B´線断面図である。
図1〜図3に図示するように本スローアウェイチップ1は、四角形板状をなすチップ本体2の上面となる四角形面がすくい面3とされ、下面となる四角形が着座面6とされ、前記四角形面の1つのコーナからそれぞれ延びる一対の辺稜部には、外周刃5aおよび正面刃5bがそれぞれ形成され、これら外周刃5aおよび正面刃5bから前記着座面6に向かって延びる一対の側面が逃げ面4とされ、これら逃げ面4に対向する他の一対の側面が被拘束面7a、7bとされてなる。チップ本体2には、すくい面3となる四角形面の中央部にスローアウェイ式エンドミルの工具本体20に固定するクランプねじ30を挿通するための取り付け穴10が着座面6となる四角形面に開口して形成される。
図3におけるA−A´線断面図である図4に図示するように取り付け穴10は、クランプねじの頭部の座面31aに当接する内壁面11aを有する係合部11を備える。この係合部11は、本スローアウェイチップの着座面6の法線に対して鋭角に傾斜した軸心CL11まわりに回転対称形状とされる。具体的には、係合部の軸心CL11は、すくい面3から着座面6に近づくにしたがって、図3におけるA−A´線に沿って、一対をなす両被拘束面7a、7bに漸次接近するように傾斜している。さらに、図4において、係合部の内壁面11aは、内側に向かって凸曲線状とされ、前記法線に対して外側に向かって傾斜するように形成されている。なお、前記内壁面11aのうちクランプねじの頭部の座面31aとの当接位置における接線が前記法線に対して外側に向かって傾斜していればよく、その他の部分における接線が前記法線と平行であってもかまわない。また、前記内壁面11aは、前記した凸曲面に限らず、逆円錐台形状であってもかまわない。
本実施形態に係るスローアウェイチップ1は、図7〜図9に図示するようにスローアウェイ式エンドミルの工具本体20の先端部に切欠き形成されたチップ座21に装着される。詳細には、工具本体20の先端部には、その外周面20aを切欠く切屑排出溝23が該工具本体の軸心を挟んで一対に形成され、各切屑排出溝23の工具回転方向Kを向く壁面には、切欠き段部からなるチップ座21がそれぞれ形成されている。スローアウェイチップ1は、そのすくい面3が工具回転方向Kを向くとともに、外周刃5aおよび正面刃5bが工具本体の外周面20aおよび先端面20bからそれぞれ突出して配設される。このときスローアウェイチップ1は、その着座面6がチップ座の底面21aに当接するとともに、外周刃5aおよび正面刃5bに対向する一対の側面がチップ座の底面21aから立ち上がる一対の壁面21b、21cに当接して、チップ座21に載置される。なお、図9からわかるように2つのチップ座21、21に装着された各スローアウェイチップ1、1は、すくい面3となる四角形面の形状が相違するため、正面刃5bが工具本体の軸心まで達するか達しないかの違い、および外周刃5aに対向する位置にある被拘束面7aの前記軸心に対する傾斜の違い等がみられるが、基本的に同じ構成を具備している。
さらに、チップ座の底面21aには、スローアウェイチップの取り付け穴10の着座面6における開口部を臨む位置に雌ねじ穴22が設けられる。この雌ねじ穴22は、前記取り付け穴の係合部11とほぼ同一軸心上に設けられており、図9に図示するように工具本体の軸心に直交するB−B´線に沿う平面で切断した断面図において、チップ座の底面21aから遠ざかるにしたがってチップ座の壁面21bに接近する方向に傾斜し、雌ねじ穴22と工具本体の外周面20aとの間の肉厚が増加する方向に延びている。なお、図示しないが、雌ねじ穴の軸心は、前記チップ座の壁面21bと交差するもう一方の壁面21cに接近する方向にも傾斜し、雌ねじ穴22と工具本体の先端面20bとの間の肉厚が増加する方向に延びている。
各スローアウェイチップの取り付け穴10には、頭部に逆円錐台形状の座面31aを備えたクランプねじ30が前記取り付け穴10およびチップ座の雌ねじ穴22とほぼ同一軸心方向にねじ込まれて、前記座面31aが取り付け穴の係合部の内壁面11aを押圧することにより、スローアウェイチップ1は、その着座面6がチップ座の底面21aに押し付けられるとともに、各被拘束面7a、7bがチップ座の壁面21b、21cにそれぞれ押し付けられて、チップ座21にしっかりと固定される。
本実施形態に係るスローアウェイチップ1は、その取り付け穴10における係合部の内壁面11aが着座面の法線に対して鋭角に傾斜する軸心CL11を中心とした回転対称形状となっており、内側に向かって凸曲面状又は逆円錐台形状で構成されたテーパ状とされている。クランプねじ30を前記軸心CL11と一致するように傾斜させてチップ座の底面の雌ねじ穴22に締着する際において、前記クランプねじ30は、その頭部の座面31aが同一円周上で前記係合部の内壁面11aと当接する。従来のスローアウェイチップは、その取り付け穴が着座面の法線まわりに回転対称形状とされているため、クランプねじを前記法線に対して傾斜させて工具本体の雌ねじ穴に締着する際において、前記取り付け穴の内壁面に、クランプねじの頭部の座面を同一円周上で当接させることができない。これに対して、本実施形態に係るスローアウェイチップ1によれば、これを固定するクランプねじ30は、その頭部の座面31aには同一円周上にわたって均一な力が加わるため、従来のスローアウェイチップを固定するクランプねじより曲げ応力がきわめて小さくなり、折損の発生が防止される。また、小型化も可能となる。
さらに、本スローアウェイチップ1によれば、取り付け穴の係合部の軸心CL11を含みかつ着座面6に直交する平面で切断した断面(例えば図3におけるA−A´線断面図である図4)において、係合部の内壁面11aとクランプねじの頭部の座面31aとの接点における接線が着座面の法線に対して外側に向かって傾斜しているので、前記接点の全周にわたって着座面6をチップ座の底面21a側に押し付ける力が作用するため、前記着座面6がチップ座の底面21aから浮き上がることなく安定したクランプ性能が得られる。
前記断面において、係合部の内壁面11a全体が着座面の法線に対して外側に向かって傾斜して形成された場合には、着座面の法線方向に上パンチおよび下パンチを駆動するプレス成形加工によってスローアウェイチップの粉末成形体を製作する際において、前記取り付け穴10を成形するコアロッドの抜き出しが可能であり、該プレス成形加工により前記取り付け穴10の完成形状を加工することができるため、製作コストの低減がはかられる。
さらに、図9からわかるように本実施形態に係るスローアウェイチップ1およびこれを装着したスローアウェイ式エンドミルは、該スローアウェイチップの取り付け穴の係合部11、クランプねじ30およびチップ座の底面に設けた雌ねじ穴22を、前記スローアウェイ式エンドミルの工具本体20の肉厚増加方向へ傾斜させることが可能であることから、前記クランプねじ30および前記雌ねじ穴22をスローアウェイチップの着座面の法線方向に配置した従来のスローアウェイチップおよびこれを装着する従来のスローアウェイ式エンドミルにくらべ、チップ座21およびその周辺の強度が向上するとともに、クランプねじ30と雌ねじ穴22とのかかり合う長さLを大きくとれるため、耐びびり性およびクランプ強度の向上がはかられる。そのため、特に刃先径が16mm以下の小径スローアウェイ式エンドミルにおいて優れた切削性能が得られる。
本実施形態に係るスローアウェイチップ1およびこれを装着するスローアウェイ式エンドミルによれば、スローアウェイチップの取り付け穴における係合部の内壁面11aが、このスローアウェイチップの着座面の法線に対して鋭角に傾斜する軸心CL11まわりに回転対称形状とされていることから、該スローアウェイチップ1を固定するクランプねじ30を前記軸心CL11と平行に傾けてチップ座の底面に設けた雌ねじ穴22に締着する際において、前記クランプねじ30は、その頭部の座面31aが同一円周上で前記係合部の内壁面11aと当接し、前記同一円周上に加わる力が均一化するため、曲げ応力による折損が防止される。クランプねじ30においては、曲げ応力が緩和されるため、小型化が可能となる。
本実施形態に係るスローアウェイチップ1において、図4および図5に図示するように取り付け穴の係合部11を挟んですくい面3側および着座面6側に、略円筒状又は略円錐台形状をなす非係合部12、13がそれぞれ設けられてもよい。すくい面側の非係合部12は、すくい面3に開口し、その軸心CL12が着座面6に直交し、すくい面3に近づくにしたがって直径が漸次拡大する円錐台形状に形成されている。着座面側の非係合部13は、着座面6に開口し、その軸心CL13が着座面6に直交する円筒状に形成されている。図5からわかるようにすくい面側の非係合部12は、クランプねじの頭部31を着座面6側に沈下させ、すくい面3からの突出量を抑制するため、すくい面3上を通過する切屑の流れを妨害しないという効果をもたらす。また、すくい面側および着座面側の非係合部12、13は、クランプねじの頭部31および軸部32にそれぞれ接触することがないので、クランプねじ30を該スローアウェイチップの着座面6に対して鋭角に傾斜することを可能とし、その傾斜角度の設定範囲を拡大することに寄与する。
該スローアウェイチップ1を粉末形成法により、該スローアウェイチップの着座面の法線方向に上パンチおよび下パンチを駆動することによって粉末成形体を製作する際において、取り付け穴を成形するコアロッドの抜き出しが可能であり、該プレス成形加工により前記取り付け穴の完成形状を加工することができる。したがって、該プレス成形加工後、取り付け穴に関して研削加工等の機械加工が一切不要となるため製造コストの上昇が避けられる。
さらに、図4に図示するように係合部の内壁面11aが着座面6に近づくにしたがって直径が縮小するように、内側に向かって凸曲面状又は図示しないが逆円錐台形状とされていることが望ましい。そうすれば、クランプねじの頭部の座面31aと、係合部の内壁面11aとの接点における接線が前記着座面6の法線に対して外側に傾斜し、該スローアウェイチップの着座面6をチップ座の底面21aに押し付ける力が前記内壁面11aの全周にわたって作用するためクランプの安定性が高くなる。
図6に図示するように係合部11又は着座面側の非係合部13と着座面6との交差部には、この交差部より径大の逃がし部14が追加されてもよい。この逃がし部14の追加により、該スローアウェイチップのすくい面3と着座面6との間の距離(スローアウェイチップの厚さ)が大きくなった場合でも、取り付け穴の係合部11以外の部分における内壁面とクランプねじ30との接触が避けられるため、スローアウェイチップの着座面6の法線に対するクランプねじ30の傾斜角度の設定範囲が拡大する。
図10に図示するスローアウェイチップ1は、本発明を適用したスローアウェイチップの変形例であり、係合部の軸心CL11を含みかつ着座面6に直交する平面で切断した取り付け穴の拡大断面図である。図10および以下の説明において、先に説明した実施形態に係るスローアウェイチップと同じ構成には同一符号を付し、その説明を省略する。
図10に示すスローアウェイチップ1は、そのすくい面3と着座面6との距離(厚さ)を2等分する平面Sと係合部の軸心CL11との交点Cを基準として、点対称的に一対に形成されたものであり、該スローアウェイチップ1を、前記交点Cを中心としてすくい面3と着座面6とが入れ替わるように裏返すことによって、選択的に表裏の両面を使用することができるものであり、先に説明した実施形態に係るスローアウェイチップ1にくらべ使用コーナ数が増し経済性に優れるという利点を有する。
さらに、このスローアウェイチップ1においては、前記交点Cを通り係合部の軸心CL11と直交する平面を境界として、取り付け穴10のすくい面3側の部分および着座面6側の部分がそれぞれの開口部に近づくにしたがって、すくい面3(着座面6)の法線に対して平行に延びるか又は外側に広がるように形成されていることから、前記法線方向に上パンチおよび下パンチを駆動するプレス成形加工によって該スローアウェイチップの粉末成形体を製作する際において、取り付け穴10を成形するコアロッドの抜き出しが可能であり、該プレス成形加工により取り付け穴10の完成形状を加工することができるため、製作コストの低減がはかられる。
本発明を適用するスローアウェイチップおよびスローアウェイ式切削工具は、以上に説明したスローアウェイ式エンドミルに限らず、クランプねじを用いてスローアウェイチップを工具本体に固定するものであれば、図11および図12に図示する内径溝入れバイト、図13の(a)および(b)にそれぞれ図示する内径ねじ切りバイト、中ぐりバイト等のスローアウェイ式旋削工具、又は、図示しないがスローアウェイ式ドリル、スローアウェイ式リーマ等のスローアウェイ式穴あけ工具にも適用可能である。
本発明を適用したスローアウェイチップの正面図である。 図1に示すスローアウェイチップの左側面図である。 図1に示すスローアウェイチップの平面図である。 図3におけるA−A´線断面図である。 図4に示す取り付け穴の拡大断面図である。 取り付け穴の変形例を示す拡大断面図である。 図1に示すスローアウェイチップを装着したスローアウェイ式エンドミルの正面図である。 図7に示すスローアウェイ式エンドミルの先端視側面図である。 図7におけるB−B´線断面図である。 本発明を適用したスローアウェイチップの変形例における取り付け穴の拡大断面図である。 本発明を適用した中ぐりバイトの正面図である。 図12に示す内径溝入れバイトの先端視側面図である。 (a)は本発明を適用した内径ねじ切りバイトの正面図であり、(b)は本発明を適用した中ぐりバイトである。
符号の説明
1 スローアウェイチップ
2 チップ本体
3 すくい面
4 逃げ面
5 切刃
5a 外周刃
5b 正面刃
6 着座面
7a、7b 被拘束面
10 取り付け穴
11 係合部
11a 係合部の内壁面
12 すくい面側の非係合部
13 着座面側の非係合部
14 逃がし部
20 工具本体
21 チップ座
21a チップ座の底面
21b、21c チップ座の壁面
22 チップ座の底面の雌ねじ穴
30 クランプねじ
31 クランプねじの頭部
31a クランプねじの頭部の座面
32 クランプねじの軸部
CL11 係合部の軸心

Claims (4)

  1. 多角形板形状又は円形板状をなすチップ本体には、すくい面と、逃げ面と、これらすくい面と逃げ面との交差稜線部に形成された切刃と、切削工具の工具本体の所定の位置に設けたチップ座に当接する着座面、被拘束面とが備えられ、
    該チップ本体を前記チップ座に固定するクランプねじを挿通するための取り付け穴が前記着座面に開口するとともに該チップ本体を貫通して形成され、
    前記取り付け穴が前記クランプねじの頭部の座面に当接する内壁面を有する係合部を備え、
    この係合部の内壁面が前記着座面の法線に対して鋭角に傾斜する軸心を中心とした対称形状とされ、
    前記軸心を含みかつ前記着座面に直交する平面で切断した断面において、前記係合部の内壁面と前記クランプねじの頭部の座面との接点における接線が、前記法線に対して外側に向かって傾斜している
    ことを特徴とするスローアウェイチップ。
  2. 前記係合部の前記着座面側の端部に連なって非係合部が形成され、
    この係合部が前記着座面に開口するとともに前記着座面に直交する軸心を中心とした対称形状とされている
    ことを特徴とする請求項1に記載のスローアウェイチップ。
  3. 前記係合部又は前記非係合部と前記着座面との交差部には、前記交差部より径大の逃がし部が形成されている
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のスローアウェイチップ。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のスローアウェイチップを装着するスローアウェイ式切削工具であって、
    該スローアウェイ式切削工具の工具本体には、前記スローアウェイチップを載置するチップ座が切欠き形成され、
    前記チップ座が前記スローアウェイチップの着座面に当接する底面と、前記着座面に隣接する少なくとも1つの面に当接する壁面を有し、
    前記底面には、前記クランプねじに螺合する雌ねじ穴が設けられ、
    この雌ねじ穴がその軸心を前記底面に対して鋭角をなし、かつ前記雌ねじ穴が前記底面から離間するにしたがって、前記壁面に漸次接近するように形成されている
    ことを特徴とするスローアウェイ式切削工具。
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