JP2009005421A - 回転電機 - Google Patents

回転電機 Download PDF

Info

Publication number
JP2009005421A
JP2009005421A JP2007160849A JP2007160849A JP2009005421A JP 2009005421 A JP2009005421 A JP 2009005421A JP 2007160849 A JP2007160849 A JP 2007160849A JP 2007160849 A JP2007160849 A JP 2007160849A JP 2009005421 A JP2009005421 A JP 2009005421A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
stator
magnetic pole
claw
rotating electrical
electrical machine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2007160849A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuji Enomoto
裕治 榎本
Yoshitoshi Ishikawa
芳壽 石川
Motoya Ito
元哉 伊藤
Hiroyuki Kanazawa
宏至 金澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2007160849A priority Critical patent/JP2009005421A/ja
Priority to EP08011066A priority patent/EP2012409A2/en
Priority to US12/142,574 priority patent/US20090001843A1/en
Publication of JP2009005421A publication Critical patent/JP2009005421A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】
クローポール型回転電機の固定子を複数の爪磁極が一体に成形された円環状の成形体で構成すると大きな製造装置が必要となってしまう。
【解決手段】
クローポール型回転電機の固定子を磁極対毎のブロックに分割したので小さな製造装置で製造可能である。また、隣の磁極対に漏れる磁束が無くなることで、余計な箇所に漏れていた磁束を低減することもできる。更には、固定子巻線が固定子に覆われていないのでインダクタンスを低減することが可能となる。
【選択図】図5

Description

本発明は、電力電機用,産業用,家電用,自動車用などに幅広く使用されるモータ,発電機などの回転電機に関する。
モータ,発電機などの回転電機は、誘導電動機,永久磁石同期電動機,直流整流子モータなど、種々の形式のモータ,発電機がある。これらの回転電機を、例えば、モータとして使用する場合、固定子、または、回転子を、巻線と鉄心で構成し、巻線に電流を流すことで鉄心が電磁石となることを利用して回転力を得る原理が採用されている。
近年、効率向上の要望が益々大きくなっている。効率向上には損失をできるだけ低減することが重要である。特許文献1には、巻線を環状に巻回することで、コイルエンドを無くすこと、および絶縁被覆が施された磁性粉体を圧縮して固め、高密度で高抵抗の特性を有する圧粉鉄心を採用することで鉄損も低減することが記載されている。
特開2006−180646号公報
特許文献1では、固定子鉄心は複数の爪磁極が一体に成形された円環状の成形体から構成されている。磁性粉体を圧縮して大きな固定子鉄心を製造するには高度な生産技術が必要で、また大きな磁性粉体の圧縮設備が必要である。生産性が悪いとの問題がある。
本発明の目的は、生産性の向上した回転電機を提供することにある。
以下に実施形態として説明する回転電機は、固定子鉄心分割して生産されるので、大きな固定子鉄心を作るための磁性粉体の圧縮設備が不要となり、生産性が向上する。
また以下に説明する一実施形態では、磁性粉体の代わりに積層金属板を使用しているので、大きな圧力を加えて圧縮成形する工程が不要となり、生産性が向上する。
以下に実施の形態で説明する回転電機では、固定子鉄心における複数の磁極対を周方向に離間させて配置したことを特徴としている。このような離間された構造のため、大きな成形装置を必要とせず生産性が向上する。また、以下の実施の形態で説明する回転電機は、爪磁極における回転子との対向面が積層面となるように磁性板を積層して構成したことを特徴としている。このため渦電流が生じ難い効果がある。
本発明によれば、生産性が向上した回転電機を作ることができる。
[実施例1]
以下に本発明における回転電機の一実施形態について図1〜図9に基づいて説明する。本実施例の回転電機は、電流を供給することで回転力を出力するモータであり、例えば、産業用,家電用,OA機器用,自動車用等に用いられる。特に自動車用の発電機やモータなど比較的大きな回転電機に使用すると本発明の効果がより顕著に現れる。図1は、モータの斜視図である。図1(a)は、各エンドブラケット,回転子,固定子を夫々別々に斜視図で表した図であり、図1(b)は、各エンドブラケット,回転子,固定子を一体に組み付けた状態の斜視図を示している。図2は、エンドブラケットの斜視図である。図2(a)は、出力軸側のエンドブラケットの斜視図を示し、図2(b)は、図2(a)のエンドブラケットに対して軸方向逆端側のエンドブラケットの斜視図を示している。図3は、U相のみの固定子の斜視図である。図4は、3相分の固定子の斜視図である。図5は、図3において保持板を外した状態で表示したものである。図6は、1つのブロックを斜視図で表示したものである。図7は、ブロックの他の実施形態である。図8は、回転子の磁極と固定子の磁極の位置関係を示した図である。図9は、各相の爪磁極の位置関係について説明した図である。
本実施例のモータは、円筒状の固定子1と、固定子1の内周に回転自在に配置された回転子2とを有し、それらは一対のエンドブラケット3a,3bによって軸方向から挟持固定されている。
固定子1は、円筒状に形成された1相分の固定子1aを3個回転軸方向に積み重ねて3相の固定子1U,1V,1Wを構成している。上記固定子の内側には、回転子2が固定子1に対して回転自在に配置されている。この回転子2は、積層鋼板によって構成された回転子鉄心211と、この回転子鉄心211の外周に設けられたリング状の永久磁石212を有しており、回転子鉄心211の中心には、一体で回転できるように出力軸213が固定されている。このリング状の永久磁石212は、周方向に複数の磁極が形成されるように着磁されており、一定の角度範囲で交互に異なる極性となるようになっている。また、図1(a)に示すように永久磁石212は、軸方向に3つに分割されており、夫々が固定子の各相と対向する位置に配置されるようになっている。このため、1つの永久磁石と1相分の固定子1aが対となって、相毎に独立した磁気回路が構成される。尚、分割された夫々の永久磁石212U,212V,212Wの磁極は、周方向に同じ位置となるように位相ずれなく着磁されている。このように磁気回路を各相毎に独立させることで、相間の磁束バラツキを低減することができる。
また、軸方向に3つ並んだリング状の永久磁石212U,212V,212Wの軸方向両側には、一対の軸受としてのボールベアリング214a,214bが設けられている。これらのボールベアリング214a,214bのうち、出力軸213が突出する側のボールベアリング214aは、出力軸213が突出していない側のボールベアリング214bよりも径が大きく、肉厚となっている。これは、出力軸213側の方に大きな荷重がはたらきやすいため、大きな荷重を受けることができるようにしているためである。
このように構成された固定子1と回転子2は、一対のエンドブラケット3a,3bによって軸方向両側から挟持される。図2(a)には、出力軸側の第1エンドブラケット3aを示しており、図2(b)には、もう一方の第2エンドブラケット3bを示しているが、これらを比べてわかるように第1エンドブラケット3aは、第2エンドブラケット3bに対して肉厚となっている。また、これらのエンドブラケット3a,3bの内周には、ボールベアリング214a,214bが嵌合可能な円環状のベアリング嵌合溝311a,311bが設けられると共に、ベアリング嵌合溝311a,311bの外周側にはベアリング嵌合溝311a,311bよりも底部が浅く円環状に形成された固定子保持溝312a,312bが設けられており、更に外周側の4箇所には、ボルト314を挿通させるための挿通穴313が設けられている。このベアリング嵌合溝311a,311bは、固定子保持溝312a,312bの底部に設けられるかたちとなる。ここで、3つの相分を積み重ねた固定子1U,1V,1Wの軸方向両端側外周を両エンドブラケット3a,3bの固定子保持溝312a,312bに嵌合させることで両エンドブラケット3a,3bに対して、固定子1と回転子2を位置決めすることができ、固定子1の軸中心と回転子2の軸中心を一致させることが可能となる。尚、第1エンドブラケット3aは、肉厚のボールベアリング214aが装着されるため、ベアリング嵌合溝311aの深さが第2エンドブラケット3bよりも深くなっており、また、第2エンドブラケット3bにおける挿通穴313の内周には、ボルト314の雄ネジに対応した雌ネジが形成されている。
次に夫々の部品の組み付け手順について説明する。まず、固定子1の内周に回転子2を配置し、更に、回転子2に設けられたボールベアリング214a,214bが夫々のエンドブラケット3a,3bのベアリング嵌合溝311a,311bに嵌合するようにすると共に、固定子1の両端を両エンドブラケット3a,3bの固定子保持溝312a,312bに嵌合させるようにして固定子1と回転子2を挟み込む。この状態で、第1エンドブラケット3aにおける4つの挿通穴313に4本のボルト314を挿通させ、各ボルト314の雄ネジを第2エンドブラケット3bにおける雌ネジにねじ込んで固定する。図1(b)に夫々の部品を組み付けた状態を示す。この図を見てわかるように本実施例のモータは、コイルエンドが軸方向に無いコンパクトな構造を実現することができる。
次に固定子の詳細について図3〜図7に基づいて説明する。
本実施例は、3相モータであるため、図3に示すような1相分の固定子1aを、軸方向に3つ積み重ねることで図4に示すような固定子1が構成される。このとき、各相の固定子1U,1V,1Wは、電気角で120度ずつ周方向にずらした状態で積み重なっている。尚、本実施例の1相分の固定子1aは、全部で32個の爪磁極111を有しており、これらの爪磁極111が16個の磁極対112を構成するため、1つの磁極対112の角度は、360度/16=22.5度となる。この角度を電気角で360度とすると、電気角で120度とは、実際の角度で7.5度となる。このため、図4に示すように夫々の相が7.5度ずつ周方向にずれて積み重ねられている。
次に図5及び図6に基づいて1相分の固定子1aの詳細について説明する。本実施例における1相分の固定子1aは、固定子鉄心113と固定巻線114、及び、これらの軸方向から挟持する一対の保持板115a,115bからなる。
固定子鉄心113は、図5に示すように複数のブロック1131の分割されており、これらのブロック1131は、電気的にも磁気的にも結合しておらず、周方向に隙間を持って略放射状に配置されており、これらの隙間は略等間隔となっている。また、そのうちの1つのブロック1131は、図6(a)及び図6(b)に示すように軸方向に分割された2つの分割ブロック1131a,1131bからなる。図6(c)に示す分割ブロックの1つは、軸方向に同一幅で延びる爪磁極111と、爪磁極111と略同方向に爪磁極111より短く延びるコアバック部116と、爪磁極111とコアバック部116を繋ぐ連結部117とからなり、側面から見て略コの字形状を呈している。尚、爪磁極111は、先端が細くなるように径方向に幅が異なっている。また、爪磁極111とコアバック部116は、周方向にずれた位置となるように連結部117は周方向に湾曲している。
このように構成された同形状の一対の分割ブロック1131a,1131bは、図6(a)及び図6(b)に示すようにコアバック部116の先端同士が当接することで1つのブロック1131が構成される。ここで、爪磁極111は、コアバック部116より長くまで延びているが、連結部117が周方向に湾曲しているため、互いの分割ブロック1131a,1131bから延びる第1及び第2の爪磁極111a,111bは、周方向に互い違いとなるようになっている。尚、本実施例におけるブロック1131は、絶縁被覆された磁性体粉末(例えば、鉄粉)を高圧力で圧縮して押し固めた圧粉鉄心によって成形されている。この圧粉鉄心を用いることで電流の抵抗値が大きくなり、渦電流の発生を減少させることができる。
また、ブロック1131における爪磁極111とコアバック部116と連結部117で囲まれた空間には、環状に巻回された固定子巻線114が絶縁部材としての絶縁紙を介して装着されており、固定子巻線114の端末線は、ブロック1131間の隙間から外周側に引出され、図外のインバータ回路に接続される。本実施例の固定子巻線114は、断面が略矩角形状となっている平角線が用いられており、このような平角線が整列して巻回されているのでブロック1131内での固定子巻線114の占積率を向上させている。尚、固定子巻線114の表面には、絶縁被覆が施されている。
更に、夫々のブロック1131は、図5に示すような一対の保持板115a,115bによって軸方向から挟持されている。この保持板115a,115bは、略環状、詳細には、円板状であり、非磁性材料、かつ、非導電性材料である樹脂材料によって構成されている。このため、保持板115a,115bが各相の固定子1U,1V,1W間を磁気的に分離して、相間の磁気干渉を少なくしている。
また、保持板115a,115bにおける軸方向一方側の表面には、分割ブロック1131a,1131bの連結部117が嵌合する連結部嵌合溝1151が周方向に略等間隔で略放射状に形成されており、これらの連結部嵌合溝1151は、保持板115a,115bの外周縁から内周縁に渡って延びている。更に、これらの連結部嵌合溝1151間の内周側には、爪磁極111の先端が嵌合する爪磁極嵌合溝1152が形成されており、これらの爪磁極嵌合溝1152は内周縁に開口している。このため、この保持板115a,115bが位置決め部材を構成し、連結部嵌合溝1151及び爪磁極嵌合溝1152が保持部を構成する。
尚、ブロック1131としては、図7に示す構造のものも使用できる。図7に示す分割ブロック1131a,1131bは、コアバック部116が周方向に円弧状となる帯状に形成されており、連結部117は扇形に形成されている。また、爪磁極111は、連結部117の内周において周方向一方側に寄った位置に設けられているので、分割ブロック1131a,1131b同士が組み合わさった場合には、互いの爪磁極111a,111bが周方向にずれて交互に配置されるようになっている。
以上、固定子1の構成について説明したが、次に固定子1の製造方法について、以下に説明する。
まず、絶縁被覆が施された鉄粉を圧縮して圧粉鉄心を構成するための複数の分割ブロック1131a,1131bを成形する。ここで圧粉鉄心を製造するための圧力としては、密度7.4Mg/m3の成形体を得るのに1Gpaが必要である。このため、100cm2 程度の面積を持つ成形体を得るためには、1000ton の荷重を加えられる装置が必要になり、実質大きいものを作ることが困難であった。しかしながら、本実施例では、分割ブロック1131a,1131b毎に成形体を成形すればよいため、比較的安価な装置によって成形することが可能である。
このように成形された複数の分割ブロック1131bを、一方の保持板115bにおける連結部嵌合溝1151に嵌合し、更に、分割ブロック1131bにおける連結部117上に絶縁紙を載置すると共に、その上に環状に巻回された固定子巻線114を載置する。このとき、固定子巻線114は、ばらばらにならないように一体化されていると作業性がよく、例えば、ワニス等で固めたり、レーシングしたり、樹脂でモールドするとよい。尚、絶縁紙や、絶縁材料からなるボビンによって固定子巻線114を一体化することも可能である。この場合、絶縁紙を分割ブロック1131bにおける連結部117上に載置する必要はない。
次に固定子巻線114上に更に絶縁紙を載置すると共に、その上から別の分割ブロック1131aを載置する。このとき、既に載置されている分割ブロック1131bにおけるコアバック部116の先端と、後から載置する分割ブロック1131aにおけるコアバック部116の先端同士が当接し、更に、分割ブロック1131aにおける夫々の爪磁極111a先端が爪磁極嵌合溝1152に嵌合するようにする。尚、必要に応じて、分割ブロック1131a,1131bのコアバック部116同士を溶接や接着剤等で固定してもよい。
この状態で、もう一方の保持板115aを分割ブロック1131a上に載置するが、このとき、もう一方の保持板115aに設けられた連結部嵌合溝1151に後から載置する分割ブロック1131aにおける連結部117が、また、既に載置されている分割ブロック1131bにおける爪磁極111b先端を爪磁極嵌合溝1152に嵌合させるようにする。
以上のように構成された1相分の固定子1aを上述したように電気角で120度、実際の角度で7.5度だけ周方向にずらした状態で3つ積み重ねることで3相の固定子1が構成される。
次に、本実施例のモータの駆動原理について図8及び図9に基づいて説明する。
3相に構成された夫々の固定子巻線114に、図示を省略したインバータ回路から図8(a)に示すような交流電流を通電する。このとき、図8(b)及び図8(c)に示すように電流の流れる方向によって、固定子巻線114の周囲を回るように実線矢印で示した方向と破線矢印で示した方向に磁束が通る。例えば、図8(b)に示すような方向に電流が通電された場合には、図中右側の爪磁極111aが磁化されてS極となり、図中左側の爪磁極111bがN極となる。また、図8(c)に示すような方向に電流が通電された場合には、図中右側の爪磁極111aがN極となり、図中左側の爪磁極111bがS極となる。ここで、固定子巻線114に通電する電流は、図8(a)に示すような交流電流であるため、時刻T1では爪磁極111が図8(d)のような磁極配置となり、時刻T2では爪磁極111が図8(e)のような磁極配置となる。つまり、爪磁極111は、N極となったり、S極となったりを交互に繰り返す。このとき、図8(d)及び図8(e)に示すように回転子2に設けられた永久磁石212は、固定子1の爪磁極111が磁化されることで引き寄せられて回転子2を回転させる。尚、固定子1の爪磁極111の極性が変更される周期は、交流電流の周波数によって変更させることができるため、回転子2の回転状態をレゾルバ等の回転センサで検出し、回転子2の回転に応じて固定子巻線114に通電する交流電流の周波数を変更することで連続的に回転子2を回転させることが可能となる。
尚、本実施例の固定子1は3相であるため、3つの固定子巻線114に夫々、位相の異なる交流電流が通電される。このとき、各相の爪磁極111は、電気角で120度、実際の角度で7.5度ずつ周方向にずれているので、回転子2がどの位置で停止していたとしても決まった方向に回転させることができるようになっている。詳細には、図9に基づいて説明する。図9(a)は、所定角度範囲の固定子を斜視図で表した図である。図9(b)は、図9(a)においてU相の固定子を破線部分で断面とした図である。図9(c)は、図9(a)においてV相の固定子を破線部分で断面とした図である。図9(e)は、図9(a)においてW相の固定子を破線部分で断面とした図である。この状態で、各相の固定子巻線114U,114V,114Wに位相の異なる交流電流を夫々通電する。
例えば、ある時刻では、U相とV相の固定子巻線114U,114Vに+方向の電流が流れ、W相の固定子巻線114Wに−方向の電流が流れることで、U相とV相の爪磁極111U,111VがN極となり、W相の爪磁極111WだけがS極となる。この状態から所定時間が経過すると、V相の固定子巻線114Vに+方向の電流が流れ、W相とU相の固定子巻線114W,114Uに−方向の電流が流れることで、V相の爪磁極111VがN極となり、W相とU相の爪磁極111W,111UがS極となる。更に所定時間が経過すると、V相とW相の固定子巻線114V,114Wに+方向の電流が流れ、U相の固定子巻線114Uに−方向の電流が流れることで、V相とW相の爪磁極111V,111WがN極となり、U相の爪磁極111UだけがS極となる。このようにして各相の爪磁極111U,111V,111Wの極性を順番に変化させている。ここで、各相の爪磁極111U,111V,111Wが周方向にずれて配置されるので、固定子1の内周には、一方向に周回する回転磁界が生じるようになっている。この回転磁界に回転子2に配置された永久磁石212が吸引されて回転子は回転することになる。
以上、実施例1について説明したが、以下に実施例1の作用効果を示す。
本実施例の回転電機は、複数の爪磁極を備えた固定子鉄心と、該固定子鉄心内に巻回される固定子巻線とからなり、前記固定子鉄心は、前記固定子巻線に電流を通電した際に異なる磁極が形成される前記爪磁極の対を1つの磁極対とした場合、少なくとも1つの磁極対毎のブロックに分割されているクローポール型固定子と、前記爪磁極と対向した位置に、回転自在に配置された回転子と、を備えているので、固定子鉄心を分割されたブロック毎に製造すればよいため、大掛かりな製造装置を必要としない。特に、各ブロックを圧粉鉄心で製造する場合には、プレス圧力の大幅な低減を図ることができるので高密度の圧粉鉄心を安価な装置で製造することが可能となる。尚、クローポール型固定子は、異なる磁極が形成される一対の爪磁極間で磁束が通過すればよく、他の磁極対との間での磁束の流れが周方向に遮断されていても問題はない。
また、本実施例の回転電機における前記固定子鉄心は、1つの磁極対毎のブロックに分割されているので、可能な限りブロックの大きさを小さくすることができる。
また、本実施例の回転電機における前記固定子鉄心の前記ブロックは、前記固定子巻線が巻回される部位で軸方向に分割され、それらの部材を組み合わせて構成されているので、固定子巻線を各ブロック内に装着するのが容易となる。
また、本実施例の回転電機における前記ブロックは、位置決め部材によって周方向に位置決めされているので、各ブロックの位置が周方向にずれて磁極バランスが崩れてしまうことを防止することができる。
また、本実施例の回転電機における前記ブロックは、軸方向両側に配置された保持板によって保持されているので、部品点数が多くならず、簡単な構造で各ブロックを保持することができる。また、保持板によって固定子を保護することもできる。
また、本実施例の回転電機における前記保持板には前記ブロックを保持する保持部が設けられているので、保持板で確実に各ブロックを保持することができる。尚、保持部は、溝もしくは突起によって構成すれば、簡単な構造で高精度に位置決めすることができる。特に本実施例では、連結部嵌合溝に加え、爪磁極嵌合溝も設けており、この爪磁極嵌合溝に爪磁極を嵌合させるようにしているので爪磁極の強度を向上させることが可能となる。
また、本実施例の回転電機における一対の前記保持板は、非磁性材料によって形成されているので、固定子鉄心に流れる磁束に影響を及ぼすことがない。
また、本実施例の回転電機における一対の前記保持板は、非導電性材料によって形成されているので、保持板に渦電流が発生してしまうことを防止することができる。
また、本実施例の回転電機は、異なる磁極が形成される少なくとも一対の前記爪磁極を備えた複数の磁極対を周方向に離間させて配置することで構成される固定子鉄心と、該固定子鉄心内に巻回される固定子巻線からなる固定子と、前記爪磁極と対向した位置に、回転自在に配置された回転子と、を備えているので、固定子巻線全体が固定子鉄心で覆われることがない。ここで固定子巻線のインダクタンスの増加について説明する。固定子巻線の全体が固定子鉄心のような磁性体で覆われてしまう場合には、どうしてもインダクタンスが大きくなってしまう。このインダクタンスが大きくなると、電流と電圧の位相差が大きくなりモータの力率を低下させてしまう。また、電気的な時定数も大きくなるので制御性に欠けるといった特性上の問題も発生する。しかしながら、本実施例によれば、固定子鉄心の離間している箇所では、固定子巻線が固定子鉄心で覆われることがないため、インダクタンスを低減することが可能となる。このため、モータの力率を向上させることができ、電気的な時定数も小さくすることができる。更に、固定子鉄心のブロック同士が離間することで、図8(b)及び図8(c)に示したように、磁束の流れを独立させることができる。このように隣の磁極対に漏れる磁束が無くなることで、余計な箇所に漏れていた磁束を低減することができる。このため、磁気効率を向上させることができる。加えて、外気と接触する固定子巻線の面積を大きくすることができるので、固定子巻線の冷却性も向上させることができる。
また、本実施例の回転電機は、前記磁極対同士が離間した箇所から前記固定子巻線の端末線を外部に引出しているので、特別な引出し穴等を固定子鉄心に設けたり、爪磁極間を縫って外部に固定子巻線の端末線を引出す必要がない。このため、容易に端末線を外部に引出すことができる。
[実施例2]
次に実施例2を図10及び図11に基づいて説明する。図10は、実施例2の保持板を説明した図である。図10(a)は、保持板におけるブロックの保持面を斜視図で表した図である。図10(b)は、一方の保持板の裏面を斜視図で表した図である。図10(c)は、他方の保持板の裏面を斜視図で表した図である。図11は、実施例2のエンドブラケットの斜視図である。図11(a)は、出力軸側のエンドブラケットの斜視図を示し、図11(b)は、図11(a)のエンドブラケットに対して軸方向逆端側のエンドブラケットの斜視図を示している。尚、実施例1と実施例2は、保持板及びエンドブラケットの構造が異なるがそれ以外の構成は、ほぼ同様であるため、共通する部分についての説明を省略し、同一称呼,同一の符号で表す。
実施例2の保持板115は、図10(a)に示すように、ブロックを保持する保持面は実施例1とほぼ同様であり、連結部嵌合溝1151及び爪磁極嵌合溝1152が実施例1と同様の配置で設けられている。この保持板115は、各相毎に一対ずつ設けられ、各ブロック1131を軸方向両側から挟持しているが、そのうちの一方の保持板115aには、図10(b)に示すように軸方向外側の面に保持板115aの周方向に沿って円環状に環状突起1153が形成されており、更に、環状突起1153の外周側の一箇所に円柱状の位置決め突起1154が設けられている。これらの突起1154が凸部となる。また、他方の保持板115bには、図10(c)に示すように環状突起1153に嵌合可能な円環状の環状溝1155が形成されており、更に、位置決め突起1154が嵌合可能な有底円形状の位置決め孔1156が環状溝1155の外周側一箇所に設けられている。これらの環状溝1155及び位置決め孔1156が凹部となる。尚、環状突起1153と環状溝1155の中心は、両保持板115の中心と一致するようになっており、また、図10(b)に示したように位置決め突起1154は、連結部嵌合溝1151のほぼ中心位置にあるのに対して、図10(c)に示した位置決め孔1156は、連結部嵌合溝1151の中心位置に対して周方向に7.5度ずれた位置に設けられている。
このように構成された一対の保持板115によって、1つの相の固定子1aを軸方向に挟持するが、各相の固定子1U,1V,1Wを積み重ねる際、環状突起1153と環状溝1155を嵌合させることで各相の固定子1U,1V,1Wの軸心を一致させることができ、また、位置決め突起1154と位置決め孔1156を嵌合させることで各相の固定子1U,1V,1Wを7.5度ずつ周方向にずらすことができる。このように本実施例では、各相固定子1U,1V,1Wを位置決めしながら積み重ねて固定する必要がなく、環状突起1153と環状溝1155、及び、位置決め突起1154と位置決め孔1156を嵌合させるだけで周方向及び径方向に自動的に位置決めすることができる。このため、作業性を向上することができ、また、組み付け後に各相の固定子1U,1V,1W間でずれが生じてしまうのを防止することもできる。
また、第2実施例の出力側の第1エンドブラケット3aにおけるベアリング嵌合溝311aの外周には、ベアリング嵌合溝311aよりも底部が浅く円環状に形成された固定子保持用環状溝315が設けられており、その外周側の一箇所には、円形の固定子位置決め用孔316が設けられている。尚、ベアリング嵌合溝311aは、固定子保持用環状溝315の底部に設けられるかたちとなる。また、もう一方の第2エンドブラケット3bにおけるベアリング嵌合溝311bの外周には、円環状に突出した固定子保持用環状突起317が設けられており、この固定子保持用環状突起317は、ベアリング嵌合溝311bの外周縁から所定の隙間を隔てて設けられるかたちとなっている。ここで、3つの相分を積み重ねた固定子1U,1V,1Wの軸方向一端に設けられている環状突起1153を第1エンドブラケット3aの固定子保持用環状溝315に嵌合させると共に、位置決め突起1154を固定子位置決め用孔316に嵌合させて径方向の位置決めを行うことができる。また、3つの相分を積み重ねた固定子1U,1V,1Wの軸方向他端に設けられている環状溝1155に第2エンドブラケット3bに設けられた固定子保持用環状突起317を嵌合させて径方向の位置決めを行うことができる。このように両エンドブラケット3a,3bに対して、固定子1と回転子2を位置決めすることで、固定子1の軸中心と回転子2の軸中心を一致させることが可能となる。
[実施例3]
次に実施例3を図12に基づいて説明する。図12は、実施例3の保持板を説明した図である。図12(a)は、保持板におけるブロックの保持面を斜視図で表した図である。図12(b)は、一方の保持板における図12(a)の裏面を斜視図で表した図である。尚、実施例2と実施例3は、保持板の一部の構造が異なるがそれ以外の構成は、ほぼ同様であるため、共通する部分についての説明を省略し、同一称呼,同一の符号で表す。
実施例3の保持板115は、実施例2の保持板115とほぼ同様であるが、固定子巻線114の端末線を通す通孔1157、及び、通孔1157から外周側に向かって端末線を案内する案内溝1158が新たに設けられている点が異なる。図12(a)に示すように通孔1157は、隣り合う連結部嵌合溝1151の間に周方向に並んで一対設けられ、夫々は貫通している。これらの通孔1157には、固定子巻線114の両端末線が通り、保持板115の軸方向外側面に端末線を導出させている。このように、固定子巻線114の両端末線を保持板115の軸方向外側に導出させることで、端末線がブロックに当接することを防止できる。このため、固定子巻線114における端末線の絶縁を確実なものとすることができる。
また、図12(b)に示すように、保持板115の軸方向外側の面に開口した各通孔1157から連続して一対の案内溝1158が外周縁に向かって延びており、位置決め突起1154と案内溝1158は隣り合って設けられている。このため、各相の固定子1U,1V,1Wにおける保持板115同士が軸方向に密着したとしても、案内溝1158を通して外周側に固定子巻線114の両端末線を引出すことができる。尚、本実施例では図示していないが、これらの通孔1157及び案内溝1158は、もう一方の保持板115bに設けられていてもよく、また、設けられていなくてもよい。通孔1157及び案内溝1158が両方の保持板115に設けられている場合には、必要に応じて端末線を引出す側を決めることができる。
[実施例4]
次に実施例4を図13に基づいて説明する。図13は、実施例4の保持板を説明した図である。図13(a)は、保持板におけるブロックの保持面を斜視図で表した図である。図13(b)は、一方の保持板を取り外した状態で所定角度分の固定子を斜視図で表した図である。図13(c)は、1相分の固定子の斜視図である。図13(d)は、3相分の固定子の斜視図である。尚、実施例3と実施例4は、保持板の一部の構造が異なるがそれ以外の構成は、ほぼ同様であるため共通する部分についての説明を省略する。なお同一称呼,同一符号は同一の構造で同一の作用なし、効果を有する。
実施例4は、隣り合う連結部嵌合溝1151間に略四角形状の座面1159が設けられている。この座面1159は、図13(a)に示すように連結部嵌合溝1151間の全ての箇所に設けられており、各ブロック1131を保持板115に組み付けた際には、図13(b)に示すようにブロック1131における連結部117よりも固定子巻線114側に突出するような高さとなっている。このような座面1159を設けることにより固定子巻線114は、複数の座面1159で部分的に保持され、ブロック1131と接触しないようになっている。このため、固定子巻線114の絶縁を確実なものとすることができ、絶縁紙やボビン等の絶縁部材を省略することも可能である。
また、本実施例の保持板115の外周には、筒状の保護部1160が一体的に成形されており、図13(c)に示すように一対の保持板115a,115bで各ブロック1131を挟み込んだ際、互いの保護部1160同士が当接して、ブロック1131の外周側を覆うようになっている。このため、一対の保持板115a,115bが固定子1を覆うハウジングの機能を有し、各ブロック1131は外側に露出しないため、外部から衝撃が加わってもブロック1131を保護することができる。尚、本実施例のブロック1131は、強度の低い圧粉鉄心で製造しているが、圧粉鉄心は、鉄粉を圧縮成形しただけの成形体で、曲げ強度で150Mpa程度の強度しかないため、非常に強度が低いという問題があり、モールドなどの強度向上策が必要であった。しかしながら、本実施例を用いれば圧粉鉄心で製造された各ブロック1131を保護することができるばかりか、保持板115で軸方向から挟み込むことで強度の向上をも図ることが可能となる。更に、これらの保持板115は、防水や防錆等の効果も有しており、必要に応じて、一対の保持板115が互いに接触する箇所を接着材等で接合しても構わない。
また、これらの保持板115の保護部1160は、各ブロック1131の外周と接触するように構成されているので、保持板115を熱伝導率の高い材料で製造すれば、固定子巻線114で発生した熱を各ブロック1131から保持板115に逃がすことができる。熱伝導率の高い材料としては、アルミナ、もしくは、シリカを含む熱可塑性樹脂もしくは熱硬化性樹脂が考えられ、例えば、スーパーポリエステル等の不飽和ポリエステル樹脂がある。尚、更に冷却効果を高めるためには、これらの保持板115の保護部1160外周に複数のフィンを設けてもよい。
このように構成された1相分の固定子1U,1V,1Wを実施例2と同様に環状突起1153と環状溝1155、及び、位置決め突起1154と位置決め孔1156を嵌合させて周方向及び径方向に位置決めしながら、3つを積み重ねることで図13(d)に示すような3相分の固定子1U,1V,1Wが出来上がる。
[実施例5]
次に実施例5を図14〜図15に基づいて説明する。図14は、実施例5における分割ブロックを説明した図である。図14(a)は、分割ブロックを構成する1枚の鋼板の斜視図である。図14(b)は、複数の鋼板を積層した状態の斜視図である。図14(c)は、分割ブロックの成形型の側面断面図である。図14(d)は、分割ブロックの斜視図である。図15は、各種材料の磁束密度(B)と磁場(H)の関係を比較したグラフである。尚、実施例1と実施例5は、分割ブロックが積層鋼板からなる点が異なるがそれ以外の構成は、ほぼ同様であるため、共通する部分についての説明を省略し、同一称呼,同一の符号で表す。
実施例5は、実施例1における分割ブロックを図14(d)に示すように磁性板を積層した積層鋼板で構成している。クローポール型の固定子鉄心を積層鋼板で構成しようとした場合、爪磁極とコアバック部を有する鋼板を積層し、爪磁極の部分を折り曲げて成形することが考えられるが、積層方向が爪磁極の厚み方向となってしまうため、回転子から周方向に流入する磁束の影響により、渦電流が発生してしまう。このため、高い周波数域では駆動できないといった問題がある。これに対して、本実施例では、爪磁極111の積層面を回転子2と対向させている。本実施例における爪磁極111における周方向の電流抵抗が大きくなり、渦電流の発生を出来るだけ少なくすることが可能となり、それに伴い、磁束密度を向上することができる。また、本実施例では、積層方向が周方向となるため、磁極対112毎のブロックに離間させることが容易となる。
次に、実施例5のブロックの製造方法について説明する。まず、板厚が0.2mm〜1.0mm、好ましくは、0.2mm〜0.5mmの電磁鋼板を図14(a)のような形状に成形する。尚、図14(a)に示した鋼板の形状は、実施例1における分割ブロックの側面の形状と同様となるようにする。また、形状の成形方法としては、一般的には、プレスによる打抜きが考えられるが、レーザーカットやウォータージェット等の工法やエッチング等の化学的な手法を用いることも可能である。縁部のダレを低減するためにはエッチングによる成形を行うことが望ましい。
このように成形された複数の鋼板を積層して、図14(b)のような積層体構成する。次にこの積層体を図14(c)に示す成形型4のダイ4aの中に装着してパンチ4bで押圧することで、連結部117を実施例1と同様の形状となるように塑性変形させて湾曲させる。図14(c)では、ダイ4a及びパンチ4bの側面断面を示しているが、ダイ4aは図14(b)に示す積層体とほぼ同様の形状の載置部41aを有しており、この載置部41aの底部側には、連結部117を湾曲させるために深さ方向に曲面が形成されている。また、パンチ4bは、ダイ4aにおける載置部41aに対応する形状の押圧部41bを有しており、この押圧部41bの先端は、ダイ4aにおける載置部41aの底部形状に対応するように突出している。このため、ダイ4aの載置部41aに図14(b)のような積層体を装着し、パンチ4bによって押圧することで連結部117が塑性変形し、図14(d)に示すような連結部117が湾曲した分割ブロック1131a,1131bが成形される。尚、湾曲した連結部117は、成形型4から取り出した際にスプリングバックによって若干元に戻ってしまう。このため、ダイ4aの載置部41aにおける底部及びパンチ4bの押圧部41bにおける先端を、大きめに湾曲させておくとよい。このように製造された一対の分割ブロック1131a,1131bを実施例1と同様に組み合わせることでブロック1131が製造される。
ここで図15に基づいて、ブロック1131の材料として圧粉鉄心を用いた場合と、積層鋼板を用いた場合の磁束密度(B)と磁場(H)の関係について説明すると共に、積層鋼板の材料を変えることによる磁束密度(B)と磁場(H)の関係についても説明する。図15における50A1300は、厚さ0.65mm,密度7.85kg/dm3,鉄損13.00W/kg以下,磁束密度1.69T以上の無方向性電磁鋼板であり、50A800は、厚さ0.50mm,密度7.80kg/dm3,鉄損8.00W/kg以下,磁束密度1.68T以上の無方向性電磁鋼板である。また、SPCC_t0.5は、厚さ0.50mmの冷間圧延鋼板であり、SS400は、一般構造用圧延鋼板である。更に圧粉鉄心1とは、密度が7.5以上の圧粉鉄心で、圧粉鉄心2とは、密度が7.4以下の圧粉鉄心ある。このため、圧粉鉄心1の方が圧粉鉄心2よりも高い透磁率を有する。
この図15を見てわかるように圧粉鉄心を用いてブロック1131を構成するよりもSPCC_t0.5やSS400のような一般構造用圧延鋼板を用いる方が磁束密度を高くでき、また、50A1300や50A800のような無方向性電磁鋼板を用いる方が磁束密度を更に高くすることができる。このため、無方向性電磁鋼板を用いると、インダクタンスの低減と共に出力トルクが増加できる利点を訴求することができるので、性能面から見ると無方向性電磁鋼板が最も適しているが、コストや成形の容易さ等を勘案して材料を選択するとよい。
以上、実施例5について説明したが、この実施例の回転電機は、磁性板を積層して構成された固定子を備えた回転電機であって、固定子鉄心と、該固定子鉄心内に巻回される固定子巻線からなり、前記固定子鉄心は、軸方向一方側から軸方向他方側に向かって延びる第1の爪磁極と、軸方向他方側から軸方向一方側に向かって延びる第2の爪磁極とを有し、前記第1の爪磁極と前記第2の爪磁極が周方向に交互となるように構成された固定子と、前記第1の爪磁極と前記第2の爪磁極に対向して回転自在に配置された回転子と、を備え、前記第1の爪磁極と前記第2の爪磁極における前記回転子との対向面が積層面となっているので、渦電流の発生を極力少なくすることで鉄損を減少させることができる。また、磁性板の積層方向が回転子の対向面に対して、ほぼ垂直となっているので、回転子のとの間で吸引力が生じたとしても、夫々の磁性板が回転子側に変形してしまわないように十分な強度を確保することができる。
また、この実施例の固定子鉄心は、一対の前記第1の爪磁極と前記第2の爪磁極で構成される複数のブロックで構成されており、更に該ブロックは、前記第1の爪磁極と前記第2の爪磁極が周方向に交互となるように湾曲しているので、積層する板の形状を変化させずに最小限の枚数でブロックを構成することができる。
[実施例6]
次に実施例6について図16に基づいて説明する。図16は、実施例6の分割ブロックの斜視図である。尚、実施例5と共通する部分についての説明を省略し、同一称呼,同一の符号で表す。
この実施例では、複数の種類からなる鋼板を積層することで、爪磁極111における積層方向略中央、言い換えれば、周方向略中央の爪磁極111の長さをその両側の長さより長くしている。詳細に説明すると、爪磁極111における積層方向略中央で積層されている4枚の鋼板は、爪磁極111の長さが同じとなっており、その両側に積層される夫々4枚ずつの鋼板は、一枚ずつ徐々に爪磁極111の長さが短くなっている。また、積層方向の中央にて爪磁極111の形状は対称となっている。ここでクローポール型のモータにおける爪磁極111の磁束量について説明すると、磁束量は、爪磁極111の先端から根本に向かって徐々に多くなるため、爪磁極111の断面積が先端から根本に向かって大きくなっていくことが理想である。本実施形態では、このような理想に近づけた爪磁極形状とすることが可能である。尚、このようなブロックを製造するには、複数の金型を用いて複数形状の鋼板を打抜くか、異なるパターン形状を印刷してエッチング加工することで実現できる。
以上、実施例6について説明したが、この実施例は、複数種類の形状の前記磁性板を積層して前記第1の爪磁極及び前記第2の爪磁極を構成しているので、爪磁極の形状を自由に設定することができる。更に、本実施例の爪磁極は、周方向中央側に積層される前記磁性板の軸方向長さが長く、その磁性板の周方向両側の磁性板が軸方向に短くしている。このため、磁束量の大きさに応じた爪磁極の断面積を確保することができる。
[実施例7]
次に実施例7について図17に基づいて説明する。図17は、実施例7の分割ブロックを説明した斜視図である。図17(a)は、成形前の積層体を示し、図17(b)は、最終的な分割ブロックを示す。尚、実施例5と共通する部分についての説明を省略し、同一称呼,同一の符号で表す。
この実施例は、ブロック1131を軸方向に分割しておらず、1つの積層体によって1つのブロック1131を構成している。このブロック1131を製造するには、まず、図17(a)に示すような略四角形状の枠体の一部分が切断されたような略C字形状の鋼板を積層して積層体を構成する。次に、この積層体における切断部分が積層方向にずれるように、切断部分と対向する側の辺を図17(b)に示すように変形させる。このようにして1つのブロックが製造され、積層方向にずれた切断部分が爪磁極111a,111bとなり、変形させた部分がコアバック部116になる。また、それらを連結した部分が連結部117となる。尚、この実施例のブロック1131は、他の実施例とは異なり、軸方向で分割されていないため、固定子巻線114は各ブロック1131に直接巻くか、もしくは、爪磁極111a,111b間から固定子巻線114を挿入する必要がある。
以上、実施例7について説明したが、この実施例では、ブロック1131が軸方向に分割されていないのでコアバック116部で磁束が通り易くなり、磁気効率が向上するといった作用効果を有する。また、部品点数も低減することが可能となる。
[実施例8]
次に回転電機として車両用交流発電機に本発明を適用した実施例を図18に基づいて説明する。図18は、車両用交流発電機の側面断面図である。尚、他の実施例と共通する部分については、同一称呼,同一の符号で表す。また共通する動作や作用や効果は説明が重複するので、省略する。
図18に示す本実施例の車両用交流発電機は、図中左側に配置されるフロントブラケット5Fと図中左側に配置されるリアブラケット5Rとを有しており、夫々のブラケット5F,5Rは、内部に収容空間を有する有底筒状、つまり、椀形状を呈しているが、これらのフロントブラケット5F及びリアブラケット5Rの内周側と外周側には、空気が流通するための複数の風穴6が開口している。
フロントブラケット5Fの径方向外周側部分の肉厚は、リアブラケット5R側を肉厚Aとし、底面側を肉厚BとするとA>Bの関係となっている。また、フロントブラケット5F側の端部外周にはリアブラケット5Rが嵌合可能な環状の段差からなる嵌合部5aが形成されている。更にフロントブラケット5Fの軸方向端面側部分の肉厚Cは、肉厚A>肉厚C>肉厚Bの関係となっている。
また、リアブラケット5Rの径方向外周側部分においてもフロントブラケット5Fと同様にフロントブラケット5F側の肉厚D<底部側の肉厚Eの関係となっていると共に、この肉厚D部分の端部内周には、フロントブラケット5Fの段差部5aが嵌合可能な環状の段差からなる嵌合部5bが形成されている。尚、リアブラケット5Rの厚肉E部分は、フロントブラケット5Fの肉厚Bよりも厚肉となっている。
加えて、フロントブラケット5F及びリアブラケット5Rには、夫々、固定穴が開口する固定部7が径方向外周側に突出して一体に設けられており、これらの固定部7が図示しないボルトによって車両に取り付けられる。また、フロントブラケット5F及びリアブラケット5Rは、アルミニウム合金によって成形されており、成形方法としてはダイキャストが用いられる。
リアブラケット5Rの軸方向端には、夫々のブラケットよりも薄肉のリアカバー8が取り付けられており、このリアカバー8は、夫々のブラケット同様、内部に収容空間を有する有底筒状、つまり、椀形状を呈している。このリアカバー8にも空気が流通するための風穴6が内周側や外周側に複数開口している。また、リアカバー8の外周側には、バッテリに接続されるターミナル9が取り付けられている。尚、リアカバー8は、樹脂製、もしくは、アルミニウム合金製である。
フロントブラケット5F及びリアブラケット5Rの軸方向外端部における径方向略中心位置には、夫々、軸受としてのボールベアリング10a,10bが取り付けられているが、フロントブラケット5Fに取り付けられるボールベアリング10aは、リアブラケット5Rに取り付けられるボールベアリング10bよりも外径の大きなものが用いられている。
これらのボールベアリング10a,10bの内輪には、シャフト11が挿通され、このシャフト11はフロントブラケット5F及びリアブラケット5Rに対して相対回転自在に支持されている。
また、シャフト11のフロントブラケット5F側端には、回転伝達部材としてのプーリ12がボルトによって一体回転するように固定されており、このプーリ12には、図示されていないエンジンの回転が伝達されるクランクプーリから無端伝達帯としてのベルトによって回転が伝達される。このためシャフト11は、エンジンの回転数とプーリ12とクランクプーリのプーリ比に比例して回転する。
更にシャフト11のリアブラケット5R側の端部には、シャフト11と一体に回転するよう2つのスリップリング13が取り付けられており、夫々のスリップリング13に押付けられた状態で摺動する2つのブラシ14を介して電力が供給されるようになっている。
シャフト11の回転軸方向の略中央部には、磁性材料にて成形されたフロント側ロータ部材15F,リヤ側ロータ部材15Rがシャフト11と一体に回転するよう別々にセレーション結合されており、また、フロント側ロータ部材15F,リヤ側ロータ部材15Rは、軸方向に向かい合って当接した状態で軸方向の移動が規制されるべく、夫々のロータ部材15F,15Rの外側端をシャフト11に形成した環状溝11a内に塑性流動させている。このようにシャフト11に固定されたフロント側ロータ部材15F,リヤ側ロータ部材15Rによって回転子としてのロータ15が構成される。
このロータ15の回転軸方向における両端面には、外周側に複数の羽根を有する通風手段としての板状のファン16F,16Rが取り付けられており、ロータ15と一体的に回転する。これらのファン16F,16Rは、回転することによる遠心力によって、内周側から外周側に空気を流通させるようになっている。尚、フロントブラケット5F側のフロントファン16Fは、リアブラケット5R側のリアファン16Rよりも羽根が小さく、流通させる空気の流量もフロントファン16Fは、リアファン16Rよりも少ない。
フロント側ロータ部材15F,リヤ側ロータ部材15Rは、内周側に位置する軸部15aと、外周側に位置する径方向断面がL字形状の複数の回転子爪磁極15bとからなり、両ロータ部材15F,15Rの軸部15aの軸方向端部同士が向かい合って当接することでルンデル型鉄心が構成される。軸部15a外周と回転子爪磁極15b内周間には、界磁巻線17が回転軸周りに巻装され、この界磁巻線17の両端は、シャフト11に沿って延出して前述のスリップリング13に夫々接続されている。このため、ブラシ14からスリップリング13を介して供給される直流電流は、界磁巻線17を流れそれに伴いロータ15が磁化され、回転子爪磁極15bから固定子磁束が入り固定子巻線と鎖交して再び固定子爪に戻る磁気回路が形成される。回転子の爪に対向する固定子の爪が、回転子の回転に従って変わることにより上記磁気回路の磁束の方向が変化する。このため回転子の回転に基づいて固定子巻線に鎖交する磁束の方向が変わる。この変化に基づき上記固定子巻線に交流電圧が誘起される。この交流電圧は回転子の回転速度に基づいて変わり、また界磁巻線17に供給される界磁電流の大きさに基づいて変わる。交流発電機として使用する場合、発電電圧をバッテリの蓄電状態に基づいて制御することが望ましく、先ずバッテリの端子電圧などからバッテリの蓄電状態を検知し、望ましい目標発電電圧を定め、上記目標発電電圧となるように上記界磁電流の供給量をフィードバック制御する。回転子の回転速度の変動で、上述の通り、発電電圧が変化するが、回転速度の変化に基づく発電電圧の上記変化は上記フィードバック制御で解決できる。上記の制御は一般にICレギュレータと呼ばれる発電電圧制御回路で行われ、この電圧制御回路により界磁巻線17に供給される電流が制御される。上記制御に基づいて発電された目標電圧の直流電力がターミナル9から出力される。なお上記発電電圧制御回路は全波整流回路を備えており、固定子巻線に誘起された上記交流電圧が全波整流回路により直流電圧に変換される。上記発電電圧制御回路や上記全波整流回路はリアカバー8の内側に設けられているが、詳細な説明を省略する。
図で、フロントブラケット5Fにおけるの肉厚A部分と肉厚B部分との間、及び、リアブラケット5Rにおける肉厚D部分と肉厚E部分との間に設けられた互いの段差19F,19Rには、実施例1と同様の3相の固定子1U,1V,1WがU相,V相,W相の順に挟持固定されている。尚、U相の固定子1U及びV相の固定子1Vは、フロントブラケット5Fの内周に全ての部分が収容されており、W相の固定子1Wは、一部がフロントブラケット5Fの内周に収容され、その他の部分はリアブラケット5Rの内周に収容されていることから、固定子1全体としては、フロントブラケット5Fとの接触面積の方がリアブラケット5Rとの接触面積より大きくなる。このような固定子1は、内周がロータ15の回転子爪磁極15bの外周とわずかな隙間を介して対向するようになる。
また、固定子1における夫々の相における固定子巻線114は、リアカバー8内に取り付けられた整流回路18に接続されている。更に、この整流回路18は、ターミナル9を介してバッテリと接続している。
尚、整流回路18は、複数のダイオードで構成されており、これらのダイオードに関しては、独立した3相コイルを構成しているため6個のダイオードで全波整流する構成となっている。
次に本実施例の作動について説明する。
まず、エンジンの始動に伴ってクランクシャフトからベルトを介してプーリ12に回転が伝達されるため、シャフト11を介して回転子としてのロータ15を回転させる。ここでロータ15に設けられた界磁巻線17にスリップリング13を介してブラシ14から直流電流を供給すると界磁巻線17の内外周を周回する磁束が生じるため、ロータ15における回転子爪磁極15bにN極、又は、S極が周方向に交互に形成される。この界磁巻線15による磁束は、フロント側ロータ部材15FのN極の回転子爪磁極15bから固定子1の軸方向一方から延びる爪磁極111をとおって固定子巻線114周りに周回し、軸方向他方側から延びる爪磁極111に到達する。更に、この磁束はリヤ側ロータ部材15RのS極の回転子爪磁極15bに到達することでロータ15と固定子1を周回する磁気回路が形成される。このように回転子にて生じた磁束が固定子巻線114と鎖交するため、U相,V相,W相の固定子巻線114のそれぞれに交流誘起電圧が発生し、全体としては3相の交流誘起電圧が生じる。
このように発電された交流電圧は、整流回路18によって、全波整流されて直流電圧に変換される。整流された直流電圧は例えば約14.3V 程度の所定電圧になるようにICレギュレータ(図示せず)で界磁巻線17に供給する電流を制御することで達成している。
また、ロータ15が回転する際には、フロントファン16F及びリアファン16Rもロータ15と共に回転するので、外部の空気を内周側である軸方向から取り入れ、外周方向に排出する空気の流れを形成する。
フロントファン16Fは、回転することにより、フロントブラケット5Fにおけるボールベアリング10aの外周部分に設けられた内周側の風穴6から軸方向に外部の空気を吸い込み、吸い込まれた空気は、フロントファン16Fの羽根によって生じる遠心力によって外周側に流動し、フロントブラケット5F外周側の厚肉部分に設けられた外周側の風穴6から排出される。ここで固定子1の軸方向一側面及び外周面は、フロントブラケット5Fに接触した状態で固定されているため、固定子1に発生した熱は、フロントブラケット5Fに十分伝達され、更に、このフロントブラケット5Fの熱が伝達された箇所は、外周側の風穴6に向かって空気が流れる箇所に面して設けられているため、固定子1を冷却することができる。
リアファン16Rは、回転することにより、リアカバー8の外周側縁部に設けられた風穴6及び図示されていないリアカバー8の軸方向端面に開口する内周側の風穴から整流回路18を経由して、リアブラケット5Rにおけるボールベアリング10bの外周部分に設けられた内周側の風穴6から軸方向に外部の空気を吸い込み、吸い込まれた空気は、リアファン16Rの羽根によって生じる遠心力によって外周側に流動し、リアブラケット5Rの外周側に設けられた外周側の風穴6から排出される。このため、フロントブラケット5Fと同様に固定子1から生じる熱、及び、リアブラケット5Rに伝達された固定子1の熱は、外周側の風穴6に向かって流れる空気によって冷却される。
更に、回転することに発生するフロントファン16Fの圧力とリアファン16Rの圧力との圧力差により、ロータ15の磁極間の隙間とロータ15と固定子1との隙間を空気が流通する。本実施例では、リアファン16Rに発生する圧力が大きくなるため、フロントブラケット5F側からロータ15と固定子1の間とロータ15の磁極間の隙間を通ってリアブラケット5R側に空気が流れ、ロータ15及び固定子1は、冷却されることになる。
以上、各実施例について説明したが、他にも適用可能な構成について以下に列挙する。
上記実施例では回転電機を発電に使用するものとして、車両用交流発電機について説明したが、風力発電機等にも適用することが可能である。また、上記実施例では回転電機をモータとして使用するものとして、永久磁石を有するモータについて説明したが、永久磁石を有しない突極型回転子,磁気抵抗の異なるリラクタンス型回転子,界磁巻線によって磁束を生じさせるルンデル型回転子,誘導モータに使用されるかご型導体を有する回転子等を用いることも可能である。
また、上記実施例において回転電機をモータに使用する場合の回転子がリング状の永久磁石を備えた回転子としたが、永久磁石はリング状のものでなくてもよく、例えば、複数の永久磁石を外周側に配置固定した表面磁石式や、回転子鉄心内に複数の磁石を埋め込んだ埋め込み磁石式であってもよい。また、隣り合う永久磁石間に補助磁極を設けてリラクタンストルクを利用するものであってもよい。
また、上記実施例のブロックは、1つの磁極対毎に分割したが、複数対の磁極対毎に分割しても本発明の作用効果を得ることができる。非常に小型の回転電機に使用する場合や磁極数が非常に多くなった場合には、このように複数対の磁極対毎に分割すると有効である。
また、上記実施例では、各ブロックを周方向に離間させたものとし、インダクタンス低減の作用効果について説明したが、インダクタンスの低減を行う必要のない場合には、各ブロックを周方向に離間させる必要はなく、このようにしても本発明における製造上の作用効果は十分に得られる。
また、上記実施例では、1相の固定子における爪磁極の総数を32としたが、仕様に応じて適宜変更することが可能である。
また、上記実施例では、固定子巻線に平角線を用いたが、断面が円形,楕円,多角形等の固定子巻線を用いてもよく、更には、固定子鉄心内で潰したような断面が異形状のものであってもよい。
また、上記実施例における圧粉鉄心で構成したブロックにおいては、爪磁極における回転子と対向する面が略四角形状となっているもので説明したが、爪磁極の先端に向かって幅が細くなる略台形状としてもよい。このようにすることで爪磁極にスキューが施され、回転子との磁気脈動を低減することができる。尚、圧粉鉄心は、比較的自由に3次元的な形状を成形することができるため、設計自由度を向上することができる。
また、上記実施例では、回転子の回転角度を回転センサによって検出することを説明したが、固定子巻線の誘起電圧から回転子磁極の位置を検出して、各相の固定子巻線への通電の切り替えを行う誘起電圧位置検出方式、つまり、センサレス方式を用いて回転子の位置を検出することも可能である。
また、上記実施例5では、積層する磁性板として0.2mm〜0.5mmの電磁鋼板について説明したが、板厚が0.2mm 以下のものを使用することも可能であり、その場合、アモルファス,パーメンジュール等の薄板状,リボン材料を用いることが考えられる。例えば、板厚が0.025mm程度のアモルファスリボン材料を用いることができる。
第1実施例としてのモータの斜視図である。 第1実施例としてのエンドブラケットの斜視図である。 第1実施例におけるU相のみの固定子の斜視図である。 第1実施例における3相分の固定子の斜視図である。 保持板を外した状態で表示したものである。 第1実施例の1つのブロックを斜視図で表示したものである。 ブロックの他の実施形態である。 回転子の磁極と固定子の磁極の位置関係を示した図である。 各相の爪磁極の位置関係について説明した図である。 実施例2の保持板を説明した図である。 実施例2のエンドブラケットの斜視図である。 実施例3の保持板を説明した図である。 実施例4の保持板を説明した図である。 実施例5における分割ブロックを説明した図である。 各種材料の磁束密度(B)と磁場(H)の関係を比較したグラフである。 実施例6の分割ブロックの斜視図である。 実施例7の分割ブロックを説明した斜視図である。 実施例8としての車両用交流発電機の側面断面図である。
符号の説明
1 固定子
2 回転子
111 爪磁極
111a 第1爪磁極
111b 第2爪磁極
112 磁極対
113 固定子鉄心
114 固定子巻線
115a,115b 保持板
1131 ブロック
1131a,1131b 分割ブロック
1151 連結部嵌合溝
1152 爪磁極嵌合溝
1153 環状突起(凸部)
1154 位置決め突起(凸部)
1155 環状溝(凹部)
1156 位置決め孔(凹部)
1157 通孔
1158 案内溝
1159 座面
1160 保護部

Claims (20)

  1. クローポール型固定子を備えた回転電機であって、
    複数の爪磁極を備えた固定子鉄心と、該固定子鉄心内に巻回される固定子巻線とからなり、前記固定子鉄心は、前記固定子巻線に電流を通電した際に異なる磁極が形成される前記爪磁極の対を1つの磁極対とした場合、少なくとも1つの磁極対毎のブロックに分割されているクローポール型固定子と、
    前記爪磁極と対向した位置に、回転自在に配置された回転子と、
    を備えていることを特徴とする回転電機。
  2. 請求項1に記載の回転電機において、
    前記固定子鉄心は、1つの磁極対毎のブロックに分割されていることを特徴とする回転電機。
  3. 請求項1に記載の回転電機において、
    前記固定子鉄心の前記ブロックは、前記固定子巻線が巻回される部位で軸方向に分割され、それらの部材を組み合わせて構成されていることを特徴とする回転電機。
  4. 請求項1に記載の回転電機において、
    前記ブロックは、位置決め部材によって周方向に位置決めされていることを特徴とする回転電機。
  5. 請求項1に記載の回転電機において、
    前記ブロックは、軸方向両側に配置された保持板によって保持されていることを特徴とする回転電機。
  6. 請求項5に記載の回転電機において、
    前記保持板には前記ブロックを保持する保持部が設けられていることを特徴とする回転電機。
  7. 請求項6に記載の回転電機において、
    前記保持部は、溝もしくは突起によって構成されていることを特徴とする回転電機。
  8. 請求項5に記載の回転電機において、
    一対の前記保持板は、前記固定子鉄心の外周を覆うように構成されていることを特徴とする回転電機。
  9. 請求項5に記載の回転電機において、
    一対の前記保持板は、非磁性材料によって形成されていることを特徴とする回転電機。
  10. 請求項5に記載の回転電機において、
    一対の前記保持板は、非導電性材料によって形成されていることを特徴とする回転電機。
  11. 請求項5に記載の回転電機において、
    前記固定子は、複数の相からなり、
    夫々の相の前記固定子における一方の前記保持板の軸方向外側端面に凹部を設けると共に、他方の前記保持板の軸方向外側端面に前記凹部と嵌合可能な凸部を設け、
    前記凹部と前記凸部を嵌合させて夫々の相の前記固定子を軸方向に並べて配置することで夫々の相の前記固定子が周方向及び径方向に位置決めされることを特徴とする回転電機。
  12. 複数の爪磁極を有する固定子を備えた回転電機であって、
    異なる磁極が形成される少なくとも一対の前記爪磁極を備えた複数の磁極対を周方向に離間させて配置することで構成される固定子鉄心と、該固定子鉄心内に巻回される固定子巻線からなる固定子と、
    前記爪磁極と対向した位置に、回転自在に配置された回転子と、
    を備えていることを特徴とする回転電機。
  13. 請求項12に記載の回転電機において、
    前記磁極対同士が離間した箇所から前記固定子巻線の端末線を外部に引出すことを特徴とする回転電機。
  14. 請求項13に記載の回転電機において、
    前記磁極対は、軸方向両側から保持板によって挟持されており、該保持板には、前記固定子巻線の端末線を通過させる通孔が設けられていることを特徴とする回転電機。
  15. 請求項14に記載の回転電機において、
    前記保持板には、前記通孔から外周側に向かって案内溝が設けられていることを特徴とする回転電機。
  16. 請求項12に記載の回転電機において、
    前記磁極対は、軸方向両側から保持板によって挟持されており、
    該保持板には、夫々の前記磁極対の間から前記固定子巻線に向かって突出する座面を設け、該座面は、前記磁極対内の前記固定子巻線が装着される部位よりも前記固定子巻線側に突出していることを特徴とする回転電機。
  17. 磁性板を積層して構成された固定子を備えた回転電機であって、
    固定子鉄心と、該固定子鉄心内に巻回される固定子巻線からなり、前記固定子鉄心は、軸方向一方側から軸方向他方側に向かって延びる第1の爪磁極と、軸方向他方側から軸方向一方側に向かって延びる第2の爪磁極とを有し、前記第1の爪磁極と前記第2の爪磁極が周方向に交互となるように構成された固定子と、
    前記第1の爪磁極と前記第2の爪磁極に対向して回転自在に配置された回転子と、
    を備え、
    前記第1の爪磁極と前記第2の爪磁極における前記回転子との対向面が積層面となっていることを特徴とする回転電機。
  18. 請求項17に記載の回転電機において、
    前記固定子鉄心は、一対の前記第1の爪磁極と前記第2の爪磁極で構成される複数のブロックで構成されており、更に該ブロックは、前記第1の爪磁極と前記第2の爪磁極が周方向に交互となるように湾曲していることを特徴とする回転電機。
  19. 請求項17に記載の回転電機において、
    複数種類の形状の前記磁性板を積層して前記第1の爪磁極及び前記第2の爪磁極を構成することを特徴とする回転電機。
  20. 請求項19に記載の回転電機において、
    前記第1の爪磁極及び前記第2の爪磁極は、周方向中央側に積層される前記磁性板の軸方向長さが長く、その磁性板の周方向両側の磁性板が軸方向に短くなっていることを特徴とする回転電機。
JP2007160849A 2007-06-19 2007-06-19 回転電機 Withdrawn JP2009005421A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007160849A JP2009005421A (ja) 2007-06-19 2007-06-19 回転電機
EP08011066A EP2012409A2 (en) 2007-06-19 2008-06-18 Rotating electrical machine
US12/142,574 US20090001843A1 (en) 2007-06-19 2008-06-19 Rotating electrical machine

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007160849A JP2009005421A (ja) 2007-06-19 2007-06-19 回転電機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009005421A true JP2009005421A (ja) 2009-01-08

Family

ID=40321214

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007160849A Withdrawn JP2009005421A (ja) 2007-06-19 2007-06-19 回転電機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009005421A (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011031749A (ja) * 2009-07-31 2011-02-17 Hitachi Automotive Systems Ltd 電動ブレーキ装置
US8294325B2 (en) 2008-03-12 2012-10-23 Hitachi, Ltd. Stator core for dynamo-electric machine and manufacturing method therefor
JP2013046538A (ja) * 2011-08-26 2013-03-04 Shimano Inc 自転車用発電ハブの固定子および自転車用発電ハブ
WO2013105137A1 (en) * 2012-01-13 2013-07-18 Three Eye Co., Ltd. Electric machine
WO2017069532A1 (en) 2015-10-22 2017-04-27 Samsung Electronics Co., Ltd. Motor and motor control circuit
KR20170047158A (ko) 2015-10-22 2017-05-04 삼성전자주식회사 단상 클로 폴 모터
WO2017163327A1 (ja) * 2016-03-23 2017-09-28 新日鐵住金株式会社 無方向性電磁鋼板およびその製造方法とクローポールモータ
CN107733201A (zh) * 2017-11-23 2018-02-23 浙江大学常州工业技术研究院 动磁式直线振荡电机及直线压缩机
EP3317945A4 (en) * 2015-10-22 2018-07-04 Samsung Electronics Co., Ltd. Motor and motor control circuit
WO2020196379A1 (ja) * 2019-03-28 2020-10-01 ダイキン工業株式会社 ステータ及びこのステータを備えるモータ
JPWO2020196656A1 (ja) * 2019-03-28 2020-10-01
WO2023054580A1 (ja) * 2021-09-30 2023-04-06 ダイキン工業株式会社 回転電機、送風機、圧縮機、冷凍装置

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001037108A (ja) * 1999-07-15 2001-02-09 Mitsuba Corp 自転車用発電機
JP2006217760A (ja) * 2005-02-04 2006-08-17 Shimano Singapore Pte Ltd クローポール形発電機及び自転車用発電ハブ
JP2006296188A (ja) * 2005-03-18 2006-10-26 Hitachi Industrial Equipment Systems Co Ltd 多相クローポール型モータ

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001037108A (ja) * 1999-07-15 2001-02-09 Mitsuba Corp 自転車用発電機
JP2006217760A (ja) * 2005-02-04 2006-08-17 Shimano Singapore Pte Ltd クローポール形発電機及び自転車用発電ハブ
JP2006296188A (ja) * 2005-03-18 2006-10-26 Hitachi Industrial Equipment Systems Co Ltd 多相クローポール型モータ

Cited By (24)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8294325B2 (en) 2008-03-12 2012-10-23 Hitachi, Ltd. Stator core for dynamo-electric machine and manufacturing method therefor
JP2011031749A (ja) * 2009-07-31 2011-02-17 Hitachi Automotive Systems Ltd 電動ブレーキ装置
JP2013046538A (ja) * 2011-08-26 2013-03-04 Shimano Inc 自転車用発電ハブの固定子および自転車用発電ハブ
WO2013105137A1 (en) * 2012-01-13 2013-07-18 Three Eye Co., Ltd. Electric machine
US10411528B2 (en) 2015-10-22 2019-09-10 Samsung Electronics Co., Ltd. Motor and motor control circuit
WO2017069532A1 (en) 2015-10-22 2017-04-27 Samsung Electronics Co., Ltd. Motor and motor control circuit
KR20170047158A (ko) 2015-10-22 2017-05-04 삼성전자주식회사 단상 클로 폴 모터
KR102609369B1 (ko) * 2015-10-22 2023-12-04 삼성전자주식회사 단상 클로 폴 모터
EP3317945A4 (en) * 2015-10-22 2018-07-04 Samsung Electronics Co., Ltd. Motor and motor control circuit
KR102097138B1 (ko) * 2016-03-23 2020-04-03 닛폰세이테츠 가부시키가이샤 무방향성 전자 강판 및 그 제조 방법과 클로 폴 모터
JPWO2017163327A1 (ja) * 2016-03-23 2018-12-06 新日鐵住金株式会社 無方向性電磁鋼板およびその製造方法とクローポールモータ
KR20180115298A (ko) * 2016-03-23 2018-10-22 신닛테츠스미킨 카부시키카이샤 무방향성 전자 강판 및 그 제조 방법과 클로 폴 모터
WO2017163327A1 (ja) * 2016-03-23 2017-09-28 新日鐵住金株式会社 無方向性電磁鋼板およびその製造方法とクローポールモータ
CN107733201A (zh) * 2017-11-23 2018-02-23 浙江大学常州工业技术研究院 动磁式直线振荡电机及直线压缩机
JP2020167792A (ja) * 2019-03-28 2020-10-08 ダイキン工業株式会社 ステータ及びこのステータを備えるモータ
WO2020196656A1 (ja) * 2019-03-28 2020-10-01 ダイキン工業株式会社 モータ
JPWO2020196656A1 (ja) * 2019-03-28 2020-10-01
CN113678342A (zh) * 2019-03-28 2021-11-19 大金工业株式会社 定子和具有该定子的马达
CN113748587A (zh) * 2019-03-28 2021-12-03 大金工业株式会社 马达
EP3952062A4 (en) * 2019-03-28 2022-12-14 Daikin Industries, Ltd. STATOR AND MOTOR COMPRISING SUCH STATOR
JP7385144B2 (ja) 2019-03-28 2023-11-22 ダイキン工業株式会社 モータ
WO2020196379A1 (ja) * 2019-03-28 2020-10-01 ダイキン工業株式会社 ステータ及びこのステータを備えるモータ
WO2023054580A1 (ja) * 2021-09-30 2023-04-06 ダイキン工業株式会社 回転電機、送風機、圧縮機、冷凍装置
JP2023057040A (ja) * 2021-09-30 2023-04-20 ダイキン工業株式会社 回転電機、送風機、圧縮機、冷凍装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2009005421A (ja) 回転電機
JP4389918B2 (ja) 回転電機及び交流発電機
EP1964242B1 (en) Rotor assembly for use in line start permanent magnet synchronous motor
US6064132A (en) Armature structure of a radial rib winding type rotating electric machine
US20210234415A1 (en) Rotating electric machine
US20140084734A1 (en) Rotating Electrical Machine, Method for Manufacturing Magnetic Pole Piece
US20200336031A1 (en) Rotating electric machine
KR101092323B1 (ko) Lspm 동기모터의 로터
JP2009118618A (ja) 車両用交流発電機及びそれを用いた自動車,車両用交流発電機の製造方法、及び車両用回転電機
JP2008141853A (ja) 二軸同心軸モータ
JP2009219319A (ja) 回転電機用の固定子鉄心およびその製造方法
JP2009027904A (ja) 回転電機
WO2016035533A1 (ja) 回転電機のステータ、及びこれを備えた回転電機
Dajaku et al. Hybrid excited claw pole rotor for high power density automotive alternators
JP2009106044A (ja) 回転電機
JP4236054B2 (ja) 磁石発電機
JP2010063196A (ja) アキシャルギャップモータ及び電動式流体駆動装置
JP2009516499A (ja) 冷却機能を有する電動機用回転子
JPH1189136A (ja) 永久磁石形モータ
JP2005278236A (ja) 励磁機およびそれを用いた回転機
KR101143992B1 (ko) 모터의 로터
KR101150264B1 (ko) 스큐구조의 익사이팅 폴을 가지는 극변환식 동기전동기
JP2011160509A (ja) ステータ
JP2010045871A (ja) 回転機の製造方法
JP2005333695A (ja) 励磁機およびそれを用いた回転機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090526

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090915

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090929

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091130

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20100225