JP2009106044A - 回転電機 - Google Patents

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Kenji Miyata
健治 宮田
Yoshitoshi Ishikawa
芳壽 石川
Motoya Ito
元哉 伊藤
Yuji Enomoto
裕治 榎本
Takayuki Koyama
貴之 小山
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Abstract

【課題】
電気的特性が向上されたクローポール回転電機を提供する。
【解決手段】
固定子1を、それぞれ爪磁極12,13を有するAコア10、及び爪磁極22,23を有するBコア20の2つの固定子段で構成し、少なくとも1つの固定子段に複数の相のコイルを混在して配置する。Aコア10とBコア20は、回転軸のまわりの周方向に電気角で略90度位相がずれた位置で固定される。コイルの巻き数は、上下2段の固定子段に誘起される磁束の電気角位相が略90度ずれるように設定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電力電機用,産業用,家電用,自動車用などに幅広く使用されるモータ,発電機などの回転電機に関する。
モータ,発電機などの回転電機は、誘導電動機,永久磁石同期電動機,直流整流子モータなど、種々の形式のモータ,発電機がある。これらの回転電機を、例えば、モータとして使用する場合、固定子、または、回転子を、巻線と鉄心で構成し、巻線に電流を流すことで鉄心が電磁石となることを利用して回転力を得る原理が採用されている。
特開2006−180646号公報 特開2001−066882号公報
従来の回転電機のクローポール固定子は、コイルの相ごとにクローポール構造の段を設け、さらに相ごとの位相をずらすために、物理的に爪磁極を互いに周方向にオフセットしている構成が一般的であった。このような固定子は、回転子の磁極との対向面積に限界があった。
本発明の目的は、上記に鑑み、電気的特性が改善された回転電機を提供することにある。
本発明は、特許請求の範囲に記載した手段を有する。例えば、クローポール構造の磁極を回転軸方向に2段構造とし、互いの電気角位相差を90度あるいはその近傍に固定した構造を有する固定子を有する発電機である。
本発明によれば、電気的特性が改善された回転電機を提供することができる。
以下、本発明の実施例をなす実施の形態を、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例をなすクローポール型回転電機の固定子を示す。
固定子1は、Aコア10,Bコア20の2つの固定子段から構成される。個々の固定子段は、円環状に構成された導電体を複数回巻きまわした固定子コイル14,24と、その固定子コイル14,24の外周を覆うように配置された円環状のコアバック(それぞれコアバック11、コアバック21)と、それぞれのコアバックの軸方向側面に、周方向に互い違いに設けられている爪磁極12,13,22,23を有している。すなわち、Aコア10には、コアバック11と爪磁極12,13に囲まれた部分に、円環状に固定子コイル14が巻回されており、Bコア20には、コアバック21と爪磁極22,23に囲まれた部分に、円環状に固定子コイル24が巻回されている。このコイルは、爪磁極と、その隣り合う反対極となる爪磁極とで、固定子1の軸方向に挟み込まれている構造である。このコアバックによって、隣接する磁極同士の磁路が構成される。コイルにはU1,U2,V1,V2,W1,W2があり、図示は引き出し線を示している。これらのコイルの詳細は後述する。
ここでは、コアバック11,21、爪磁極12,13,22,23を圧粉磁心で構成する例を示す。尚、固定子鉄心は、積層した鉄系の鉄板で構成しても良い。その場合、隣り合う鉄心は、電気的にも磁気的にも結合しない(間に非磁性,非導電性の物質を介して積層されている)構造とする。
固定子1は、回転軸方向にAコア10,Bコア20の2段の固定子段となっており、これら2つの固定子段の磁極は、互いに電気角で略90度の位相差をもつ。すなわち、電気角でN周期の構造になっている場合、この2つの固定子段の磁極は、回転子の回転方向を周方向として、機械角で周方向に略90/N度ずれた構造になっている。
回転方向に対して、構造的に電気角で位相が略90度先行する方をBコア20、もう一方をAコア10とする。この2つのクローポール磁極には、例えば、U,V,Wの3相コイルが混在して巻かれている。Aコア10,Bコア20におけるそれぞれのコイル巻き数をNAU,NAV,NAW、ならびにNBU,NBV,NBWとおく。ここで、コイル巻き数が負のときは、逆向きであることを意味する。また、コイル巻き数は正負の整数値に限定されるものではなく、一般に正負の実数でも良い。非整数の場合は、コイルの入口と出口の箇所が異なることを意味する。
Aコア10,Bコア20の内部の1ターンコイルに鎖交する磁束をφA,φBとおくと、U,V,Wの3相コイルに鎖交する磁束ΦU,ΦV,ΦWは、
ΦU=NAUφA+NBUφB … (式1)
ΦV=NAVφA+NBVφB … (式2)
ΦW=NAWφA+NBWφB … (式3)
と書ける。これら鎖交磁束が互いに120度の位相差をもつようにコイル巻き数NAU,NAV,NAW、ならびにNBU,NBV,NBWが決定される。本実施例では、φA,φBが互いに90度の位相差をもつ場合について示す。ここで電気角をωtとして、φA=φ0sinωt,φB=φ0cosωtとおけば、φBはφAに対して90度位相が進んだ状況である。そこで、
AU=Ncosθ, NBU=Nsinθ … (式4)
AV=Ncos(θ−2π/3), NBV=Nsin(θ−2π/3) … (式5)
AW=Ncos(θ−4π/3), NBW=Nsin(θ−4π/3) … (式6)
とすれば、3相コイルの鎖交磁束は、
ΦU=Nφ0sin(ωt+θ) … (式7)
ΦV=Nφ0sin(ωt+θ−2π/3) … (式8)
ΦW=Nφ0sin(ωt+θ−4π/3) … (式9)
となる。ここに、θはAコア10とBコア20におけるUVWコイルの巻き数の分配率を調整する自由度を形成するパラメータである。このようにして、位相差のあるAコア10とBコア20の鎖交磁束を合成することにより、3相の鎖交磁束波形を得ることができる。
式4〜式6に示したコイル巻き数の具体的な数値例を示しておく。N=6,θ=0に設定した場合、
AU=6 NBU=0
AV=−3 NBV=3√3≒5.2
AW=−3 NBW=−3√3=−5.2
となる。ここで、整数巻きにして、NBV=5,NBW=−5としても良い。
このような巻き方を実践したものが図1であり、図示のようにAコア10にはU,V,W相のコイルが巻回されるが、Bコア20には、V,W相のコイルのみが巻回されて、U相のコイルは巻回されない。従ってそれぞれのコアからの引き出し線についても、Aコア10からは4本、Bコア20からは2本出ている。
図2には2段構造の固定子のAコア10とBコア20の内部に巻かれたU相のコイル14UとV相のコイル14V,24V、ならびにW相のコイル14W,24Wの断面図を表している。図2(a)の例では、UVWの順番で下から上に巻いた形になっており、図2(b)の例では、UVWの順番で内側から外側に順番に巻いた形になっている。コイルはあらかじめこのように巻いたものを塊として入れ込んでも良い。
このように、少なくとも1つの固定子段に複数相の巻線が設けられている。そして、その巻き数は、上下2段の固定子コアに誘起される磁束の電気角位相が略90度ずれるように設定されてある。
回転子を回転軸方向で反転させても回転機の回転特性に変化がないような回転子構造の場合で、かつ、Aコア10とBコア20が細かな部分は除いて基本的に同一構造である場合、Aコア10とBコア20における1ターンコイルの自己インダクタンスは同一のLとなる。Aコア10とBコア20のUコイルは直列に接続される。Vコイル,Wコイルも同様である。このため、UVWコイルのそれぞれの自己インダクタンスLU,LV,LWは、
U=L(NAU 2+NBU 2) … (式10)
V=L(NAV 2+NBV 2) … (式11)
W=L(NAW 2+NBW 2) … (式12)
と書ける。式4〜式6を代入すると、LU=LV=LW=LN2となり、すべてのコイルの自己インダクタンスは等しくなる。コイル巻き数を四捨五入で整数にしても、ある程度のばらつきが発生する程度で、自己インダクタンスは概ね等しくなる。
異なる相のコイルを混在させて巻くことになるので、相互インダクタンスも十分に考慮する必要がある。自己インダクタンスと相互インダクタンスの両方を考慮したインダクタンス行列は、コイル同士の結合係数を1で近似すると、Lij=L(NAiNAj+NBiNBj)と表せる。ここに、i,j=1,2,3であり、それぞれの数字はU,V,Wコイルを意味する。例えば、L12はUコイルとVコイルの相互インダクタンスを意味し、L11はUコイルの自己インダクタンスを意味する。式4〜式6を代入すると、L11=L22=L33=(3/2)LN2となる。すなわち、相互インダクタンスを考慮すると、実効的に相互インダクタンス0で自己インダクタンスを3/2倍にしたものと等価になる。このように、相互インダクタンスを考慮しても、コイルのインダクタンスは等しくなる。このため、Aコア,Bコアにおいて、磁気飽和を避け、磁束が主に基本波成分で形成されるようにすれば、各コイルの発電電流波形は均等化される。
図3は、固定子1の爪磁極に対向した位置に回転自在に配置された回転子100の構造図を示し、図4は回転子100を固定子1に挿入したときの斜視図、図5はその部分断面図を示す。この例はルンデル型の発電機に適用した例であり、回転軸108に回転子コア112が固定されている。この回転子コア112は、爪磁極部112a,112bを有しており、隣り合った爪磁極の間には、磁石121,122を挟み込むように保持している。少なくとも回転子コア112並びに爪磁極部112a,112bは磁性材料で構成されている。尚、回転子コア112の軸芯部分と、爪磁極部112a,112b、磁石121,122に囲まれた位置には、界磁コイル131が周方向に複数回巻き回されており、回転軸に設けられた図示しないスリップリングおよびブラシが接続され、この界磁コイルに直流電流を流すことで、磁束が発生する。
図6,図7は、本実施例の磁束の流れを説明する図である。図6は、図1の固定子1の内周側(回転子側)から固定子1を周方向に展開した模式図である。図1では爪磁極12,13,22,23は、先端から根元にかけてテーパを形成した形状であったが、図6は模式図として矩形状の爪磁極を示した。尚、言うまでもなく、実際に矩形状の爪磁極を用いても良い。
この模式図を用いて磁束の流れを表したものが図7である。図7(a)を基準として、図7(b)は電気角で90度進んだ磁極位置を示す。図7(a)におけるBコア20(図の上段)は、回転子100と、爪磁極22,23が重なっていることから、回転子100から発生した磁束は爪磁極22からコアバック21へ、コアバック21から爪磁極22の隣の爪磁極23へ伝達されることにより、固定子コイル24を周回し、鎖交する固定子コイル24に電流が発生する。一方、図7(a)におけるAコア10(図の下段)においては、爪磁極12または13が、回転子100の爪磁極部をブリッジするように重なっていることから、回転子100から発生した磁束は、対応する固定子1の爪磁極によって短絡され、コアバック11まで磁束が進入しないか、例え進入してもわずかである。電気角が90度進んだ図7(b)においても同様に、今度はAコア10(図の下段)の有効磁束が最大となる一方で、Bコア20の有効磁束は最小(ほぼゼロ)になる。
従って、回転子100からの磁束は片方のコアに集中するような構造になっているため、回転子側の起磁力を低くしても、発電電流を向上させることが可能である。
尚、本実施例は、3つの固定子段にそれぞれ1相を割り当てる場合に比べて、回転子100の爪磁極部112a,112bと、固定子1の爪磁極12,13,22,23の鉄心同士が対向する面積が増加する。固定子1の爪磁極は段毎に位相をずらす必要がある一方で、回転子100の爪磁極は全ての段に亘って軸方向に伸びている形状である。従って、1つの固定子段にそれぞれ1相を割り当てて3つの固定子段とした場合よりも、本実施例のように、少なくとも1つの固定子段に複数の相を混在して配置して固定子段を小さく(本実施例では2段だが、多数段でも1段1相よりは段数が小さくなる)した方が、直線形状の回転子100の爪磁極に対する対向面積は増加する。対向面積が増加すれば、それだけ有効磁束が増え、電気的特性が向上する。例えば発電機であれば、出力される発電量が増え、例えばモータであれば、より高効率,高出力のモータが得られるという特段の効果が得られる。
なお、ここで、Aコア10,Bコア20間で磁束の漏れがあると、それぞれの磁束波形に高調波が混入してしまう。このため、この高調波の混入を避けたい場合は、Aコア10とBコア20の間は磁束の漏れが許容できる範囲にある程度のギャップ140を確保しても良い。回転子100と固定子1のエアギャップが0.4mm程度の場合、Aコア10,Bコア20間のギャップは2mm程度以上あれば、互いの磁束の漏れは許容範囲に抑えることができる。
次に本実施例の固定子1を車両用交流発電機に使用した実施の形態を図8乃至図11を用いて説明する。図8は、車両用交流発電機の側面断面図であり、図9は、車両用交流発電機の回転子を示す斜視図、図10は車両用交流発電機の部分断面図の斜視図、図10は車両用交流発電機の回路図である。図8中の左側に配置される前側ハウジング212と図中右側に配置される後側ハウジング222とに挟まれて固定子1が設けられている。前記固定子1は回転軸方向に配置されたAコア10とBコア20とを有している。
固定子1の内側には空隙を介してルンデル型回転子100が回転可能に設けられている。前記前側ハウジング212と後側ハウジング222にはそれぞれ軸受が設けられ、シャフトが前記軸受により回転可能に保持されている。前記シャフトには図9に示すルンデル型回転子100が固定されており、回転軸108の回転と共に回転する。
図9に示す如く、ルンデル型回転子100は前側から後側に向かって延びる一方の爪磁極部112bと後側から前側に向かって延びる他方の爪磁極部112bとを有している。前記一方の爪磁極部112aと他方の爪磁極部112bとの内側には供給される界磁電流に基づいて磁束を発生する界磁コイル131が設けられている。
車両に設けられた内燃機関から動力伝達用のベルトを介して回転軸108に設けられたプーリが回転し、前記ルンデル型回転子100が回転し、固定子1に交流電力が誘起される。この交流電力は図11に示すようなダイオード150を用いた整流回路151により全波整流され、端子242から直流電流が出力され、車両に搭載された蓄電池152に充電される。
車両用交流発電機は内部を冷却するためにルンデル型回転子100の両側に2個のファン232が回転軸108に固定されて設けられており、回転軸108の回転に基づき、前側ハウジング212や後側ハウジング222に設けられた通風孔238から空気が導入され、そして排出される。
図9に示す前記ルンデル型回転子100は磁極数が16であるがこれは模式的に記載したものであり、前記ルンデル型回転子100が固定子1を構成する固定子の磁極数と同じ数の磁極を有していることが望ましい。固定子1を構成する各固定子の磁極数が20である場合にはルンデル型回転子100の磁極数が20であることが望ましい。一方の爪磁極部112aと他方の爪磁極部112bとは同じ形状を成しており、爪磁極の根元の周方向幅Aが広く、固定子1の対向部分の爪の周方向幅Bはやや狭く、その先の周方向幅Cはさらに狭くなっている。爪の先端は磁束密度が小さく、周方向の幅Cを狭くしても磁気飽和が生じない。ルンデル型回転子100は1分間に一万数千回転以上の高速回転する可能性があり、遠心力を小さくすることが望ましい。従って爪の先端の周方向の幅Cをできるだけ狭くしている。これにより回転子爪磁極の先端部の遠心力による持ち上がりを少なくでき、固定子1とルンデル型回転子100との間の間隙を少なくできる。前記間隙を少なくすることで効率向上が図られる。
本実施例によれば、クローポール構造の固定子コアが2段で構成でき、従来の3段構造に比べて、部品点数が1個減り、比較的低コストで製造できるという効果がある。これに関連して、よりコンパクトな構造にすることも可能となる。また、コイルを単純にリング状に巻くだけで、互いにほぼ等しいインダクタンスを形成でき、各相ほぼ均等な発電電流特性を得ることができる。
さらに、上に示したように、比較的低い起磁力でも3段構造と同程度の発電電流が得られる。式4〜式6に示したように、コイル巻き数の式には、パラメータθによる自由度を有しており、また、固定子コアが従来の3段構造から2段構造になったことにより、回転軸方向のスペースが確保され、設計裕度も高まる。
また、先に述べたように、少なくとも1つの固定子段に複数の相を混在して配置して固定子段を小さく(本実施例では2段だが、多数段でも1段1相よりは段数が小さくなる)した方が、直線形状の回転子100の爪磁極に対する対向面積は増加する。対向面積が増加すれば、それだけ有効磁束が増え、電気的特性が向上する。例えば発電機であれば、出力される発電量が増え、比較的低い起磁力でも3段構造と同程度の発電電流が得られる。例えばモータであれば、より高効率,高出力のモータが得られるという特段の効果が得られる。
本発明の第2の実施例を説明する。以下に示す事項以外は、実施例1と同様である。
本実施例は、Bコア20の磁束がAコア10に比べて電気的にφ位相が進んでいる例である。先の第一の実施例はφ=π/2の例であり、本実施例はより一般化したものである。この場合のAコア10,Bコア20におけるU,V,Wコイルのコイル巻き数をそれぞれNAU,NAV,NAW,NBU,NBV,NBWとおき、
AU=NcosθU, NBU=NsinθU … (式13)
AV=NcosθV, NBV=NsinθV … (式14)
AW=NcosθW, NBW=NsinθW … (式15)
とおく。3相のコイルによる合成磁束でAコア10とBコア20の磁束が形成されるという考え方に立って考えれば、次の式を満足するようにコイル巻き数を設定すればよい。
sinθU+psinθV+qsinθW
=exp(jφ)(cosθU+pcosθV+qcosθW) … (式16)
ここに、
p=exp(−j2π/3), q=exp(j2π/3) … (式17)
である。この関係式を満足するように、パラメータθU,θV,θWを決めればよい。式16は、実部と虚部に関する2つの式で構成されるので、パラメータθU,θV,θWのうちの1個を決定してやれば、残りのパラメータも決定され、コイル巻き数NAU,NAV,NAW,NBU,NBV,NBWが決定される。この場合、固定子構造の周方向の周期数をNSとおくと、Aコア10をBコア20に対して回転方向に機械角φ/NSだけ回転させた位置で固定すればよい。
Aコア10とBコア20の爪磁極に交互に磁場が発生し、見かけ上、進行波磁場が形成されることになるが、φが0も含めてπの整数倍(φ<0も含む)に近づくと、Aコア10とBコア20の爪磁極の磁場がほぼ同時期に同じ極の磁場を形成するため、進行波磁場が形成されなくなる。
このため、φはπの半整数倍(±π/2,3π/2,5π/2,……)に近い値の方が良い。ここで、φ=π/2+2nπ(n:整数)は正回転の場合を、φ=−π/2+2nπ(n:整数)は逆回転の場合に対応する。ここで、正回転とは、Aコアを下段にBコアを上段とした場合、上面側から回転子を見て反時計方向に回転する場合である。φ=π/2は実施例1に相当する。
本実施例において、φ=π/2以外の具体例として、φ=π/3を示す。この場合、式16の実部と虚部に関する2つの式より、次の関係式が導かれる。
cosθU+sinθV=cosθV+sinθW
=cosθW+sinθU … (式18)
ここで、ちなみにθU=0とおくと、
sinθV=cosθW−1 … (式19)
cosθV=cosθW−sinθW … (式20)
この2式より、cosθV=−0.689,sinθV=−0.727,cosθW=0.273,sinθW=0.962となる。これより、UVWコイルのAコア10,Bコア20における巻き数は、
AU=N, NBU=0
AV=−0.689N, NBV=−0.727N
AW=0.273N, NBW=0.962N
となる。N=6の場合、
AU=6, NBU=0
AV=−4.1, NBV=−4.4,
AW=1.6, NBW=5.8
となる。
本発明の第3の実施例を説明する。本発明は、3相コイルばかりでなく、4相以上の多相コイルにも適用可能である。
ここでも、Aコア10,Bコア20の内部の1ターンコイルに鎖交する磁束をφA,φBとおく。M相コイルを考える。各コイルに鎖交する磁束Φ1,…,Φk,…,ΦMは、
Φ1=NA1φA+NB1φB … (式21)
Φk=NAkφA+NBkφB … (式22)
ΦM=NAMφA+NBMφB … (式23)
と書ける。Φ1から順番に鎖交磁束の電気的位相が2π/Mずつ減っていくようにコイル巻き数NA1,NA2,…,NAM、ならびにNB1,NB2,…,NBMが決定される。本実施例では、φA,φBが互いに90度の位相差をもつ場合について示す。ここで電気角をωtとして、φA=φ0sinωt,φB=φ0cosωtとおけば、φBはφAに対して90度位相が進んだ状況である。そこで、φM=2π/Mとおいて、
A1=Ncosθ, NB1=Nsinθ … (式24)
Ak=Ncos[θ−(k−1)φM], NBk=Nsin[θ−(k−1)φM
… (式25)
AM=Ncos[θ−(M−1)φM], NBW=Nsin[θ−(M−1)φM
… (式26)
とすれば、3相コイルの鎖交磁束は、
Φ1=Nφ0sin(ωt+θ) … (式27)
Φk=Nφ0sin[θ−(k−1)φM] … (式28)
ΦM=Nφ0sin[θ−(M−1)φM] … (式29)
となる。ここに、θはAコア10とBコア20におけるUVWコイルの巻き数の分配率を調整する自由度を形成するパラメータである。このようにして、位相差のあるAコア10とBコア20の鎖交磁束を合成することにより、M相の鎖交磁束波形を得ることができる。
式24〜式26に示したコイル巻き数の具体的な数値例を示しておく。M=6,N=6,θ=0に設定した場合、
A1=6, NB1=0
A2=3, NB2=−3√3≒−5.2
A3=−3, NB3=−3√3=−5.2
A4=−6, NB4=0
A5=−3, NB5=3√3≒5.2
A6=3, NB6=3√3=5.2
となる。ここで、整数巻きにして、NB2=−5,NB3=−5,NB5=5,NB6=5としても良い。
回転子を回転軸方向で反転させても回転機の回転特性に変化がないような回転子構造の場合で、かつ、Aコア10とBコア20が細かな部分は除いて基本的に同一構造である場合、Aコア10とBコア20における1ターンコイルの自己インダクタンスは同一のLとなる。Aコア10とBコア20の各コイルは直列に接続される。このため、各コイルのそれぞれの自己インダクタンスLkは、
k=L(NAk 2+NBk 2) … (式30)
と書ける。式25を代入すると、L1=…=Lk=…=LM=LN2となり、すべてのコイルの自己インダクタンスは等しくなる。コイル巻き数を四捨五入で整数にしても、ある程度のばらつきが発生する程度で、自己インダクタンスは概ね等しくなる。相互インダクタンスを考慮しても、各コイルの等価自己インダクタンスは均等になる。
特に6相コイル系は、3相コイル系が2組あると考えられるので、2組の三相コイル系による発電電流を合成することにより、よりリップルの少ない発電電流を得ることができる。発電電流のリップルは発電機における騒音発生の原因となるため、より静かな発電機を提供できるという効果がある。
図12に本発明の他の実施例を示す。以下に示す事項の他は、実施例1と同様である。
この実施例では、固定子1のAコア,Bコアの爪磁極及びコアバックを、積層鉄心群で構成した場合の詳細を示す。図12(a)は、爪磁極212となる積層鉄心群を構成する鉄板201のブランク形状を示す。爪の先端から、軸方向根元へ向って漸増する形状とし、根元にはRを有する形状を示している。これは、爪磁極212を構成した場合に、その回転子側から流入する磁束が、根元へ向うため、根元の断面積を爪の先端部よりも大きくする必要があるためである。図12(b)図には、図12(a)のブランクを複数枚積層したものを示している。同じ形状のブランクをそのまま積層している形状である。図12(c)図は、図12(b)のブランク積層体を変形させた形状を示す。爪部分となる径方向内側部分と、継鉄部となる周方向外側部分を拘束して曲げなどの塑性変形を与えて変形させる。(d)図は(c)を積層された面に垂直の方向から見た図である。爪部210aと継鉄部210bはそれぞれ長方形断面を保つ形状となっており、それをつなぐ部分が曲げなどによって変形された構造となっていることがわかる。次に図12(e)図には、図12(c)(d)に示した積層体が曲げ成形された形状を、周方向となる積層された面に対称となったものを、爪部12aの積層された面が合わさるように配置され、結合されたものを示す。図12(f)は図12(e)を積層された面に垂直の方向から見た図である。図12(d)と比べると、その対称形状のものを爪部210aの一部を対称面として結合したことがわかる。この積層体でひとつの爪部を形成するものとする。
図13には、図12で示した爪部を配置して一段分の固定子を得る構造を示す。図13(a)には、図12で示した爪磁極212となる積層体を周方向に8個配置する例を示す。保持板204には、その積層体の形状を高精度に位置決めして保持する溝が設けられている。この溝部に、積層体爪磁極212を配置することで、図13(b)に示す1段分片側固定子203を構成できる。一段分固定子207には、図13(c)に示すように、円環状の巻線が配置できる構造とする。図13(c)に示した状態の1段分片側固定子203と、図13(b)の固定子コイル14(または固定子コイル24)の配置されて無い一段片側固定子を軸方向に向かい合わせるように配置することで、1段固定子を構成できる。
図14に一段分固定子207の外観を示す。保持板204で爪磁極212となる積層体が挟まれた構造となる。このため、機械的な強度は保持板の強度で決まる。図14(a)には保持板の軸方向面が見えているが、その形状について説明する。保持板204の軸方向面には、少なくとも3箇所以上の周方向複数箇所にある相対的な位置関係の決まりを保って配置された位置決め溝206と位置決め突起205を配置する。図14(b)にその相対位置関係を示す。本実施例では16極の2段3相モータを構成する場合の例を示している。ここに図示する溝と突起は、前述したとおり、1段分の固定子を軸方向に2段重ねて配置する場合に周方向に電気角で90度ずつ(機械角で11.25度ずつ)固定子の位置がずれて配置されるようにすることで2段3相モータの固定子を構成する。このため、この例では、溝と突起の周方向の相対位置が11.25度ずれた関係となっているのである。また、軸方向で片側固定子203aともう片方の固定子203bを組み合わせるので、その位置は、考慮する必要がある。この例では、爪磁極の中心から11.25度、すなわち電気角で一周期の1/4の箇所が中心となって上下の突起,溝の位置関係が反転するので、位置決め溝206を爪磁極の中心から11.25度の位置とし、それから11.25度ずれた位置に突起を設ける構造としたのである。これを90度ずつ等配した位置に同様の突起と溝を設けることで周方向の位置決めが可能となる。
図15には、保持板204の断面形状の例を示す。保持板204は固定子1となる積層鉄心群を保持するための溝のほかに固定子コイル14(または固定子コイル24、以下同じ)を保持するためのガイド部を有する。すなわち、固定子コイル14と鉄心は接触しないようにする必要があるため、鉄心と固定子コイル14の距離を保つような形状となっているのである。具体的には、軸方向には、鉄心群の厚さよりも厚くなるように構成し、周方向には、爪部の内周側寸法よりも径の大きい面を有し、継鉄部の内側径よりも小さい寸法を有し、固定子コイル14が配置できる寸法とすることで、固定子コイル14が一意に位置決めされ、鉄心と接触無く保持できる構造とできる。
図16には、2段分固定子を配置する例を示す。図14で前述したとおり、保持板204の軸方向に設けた溝と突起を組み合わせることにより、その位置関係は一意に決定される。図16に示す一段分固定子(Aコア10)の図示上面の位置決め突起205と位置決め溝206は、一段分固定子(Bコア20)の下面の位置決め突起205と位置決め溝206とに合わさる。この溝と突起の組み合わせは周方向に4箇所配置されており、そのどれもが組み合わさって組み立てられる。これにより、軸方向に対して垂直な面上で、XY方向のどちらにも動けない状態で拘束されるため、一意に位置決めができるのである。一意に位置決めされた固定子は、爪の位置関係が図14で示したようにその爪中心と爪中心が、電気角で90度ずつ(示す例では16極のため、機械的な角度で11.25度ずつ)ずれて配置される構造となっている。モータや発電機などの回転電機の固定子とするために内径、および外径面を加工することも可能である。保持板の位置決め用の突起と溝を利用して位置決めした状態で、旋盤などの工作機械によって内周面と外周面を円形で真円度の高い状態へと加工を行う。組み立てられた状態での内周面,外周面は、積層体の端面が周方向に多角形となるような形状となる。このため、円形の回転子を内周側に配置するときにギャップが不均一になり回転電機として磁束分布を満足しない場合がある。このようなときに、内径を切削加工,研削加工などにより加工することで、特性向上することが可能となる。もちろん加工しないで、特性を得られる場合においては、そのまま使用することも可能である。また、組み立てられた状態で、円周方向に円形となるよう配置するような場合もあり得る。また外径部についても、固定子の外側にハウジングなどの保護部品を配置して構成する場合などには、積層体が突起となって残る形状のままでは、円筒状のものの組み付けが困難である場合がある。このような場合には、前述した機械加工などによって、外周部も円形に加工することが好ましい。もちろん、ハウジングを被せる必要ないもの、積層体の突起となる部分を放熱の役割としてそのままに残して使用する形態の場合については加工しない場合もあり得る。加工寸法例としては、例えば内径側をφ100mm±0.01mmで加工し、外径側もφ130mmの円形に加工することである。
図17には、回転電機としての一例としてモータの組み立て図を示す。軸受219a,219bを有する回転子にはリング状の永久磁石220を設け、その周囲には、前述の2段3相固定子1(図示しない)を配置する。このような形状の固定子と回転子を保持するためのエンドブラケットとして、出力側エンドブラケット211と後端側エンドブラケット214(反出力軸側ブラケット)を図示のように配置して挟み込み、通しボルト216で軸方向に締結固定する。この構造でモータ221としての完成となる。コイルエンドが軸方向に発生しないので軸方向に薄くコンパクトに構成できる。
図17の例では、回転子にリング磁石のものを示したが、かご型導体回転子や、埋め込み磁石を有する回転子,磁石を有しない突極型回転子,磁気抵抗の異なるリラクタンス型回転子,ルンデル型回転子などを有するモータや、発電機などでも同様の効果が期待できる。
図18には、保持板の構造例を示す。保持板構造により、モータの生産性や、特性を向上できる。図18(a)には、先の実施例で示した保持板の形状を示す。積層鉄心群を保持するための溝を有し、コイルを一意に位置決めして保持するための内径側壁,外径側壁を有する構造となっている。この保持板の材質は、先にも述べたが、非磁性であることが必要条件である。高精度に積層鉄心群を保持するため、ある程度の強度を有することも必要である。このため、非磁性の金属、または、樹脂などの有機物で構成される。具体的な物質名を挙げると、金属では、アルミニウム系の合金,非磁性のステンレス合金,銅系合金などが適している。コストの問題はあるが軽量のチタンなども候補である。また、樹脂では、LCP(液晶ポリマー),PPS(ポリフェニレンサルファイド樹脂),PBT(ポリブチレンテレフタレート樹脂),PET(ポリエチレン系樹脂)、またはガラス繊維で強化されたナイロン,PC(ポリカーボネート樹脂)などが候補として挙げられる。また、炭素繊維強化樹脂や、エポキシ系,不飽和ポリエステル系などの熱硬化性の樹脂も候補である。それぞれ使用するモータや発電機などが必要とする熱的,機械的な強度の制約条件などにより、これらの材質は決定されることが望ましい。これらの製造方法は、アルミニウム,銅合金はダイキャスト,ステンレス系の合金などは、機械加工や、冷間,温間による鍛造での製作。樹脂系材料は、射出成形などの工法によって製作することができる。図18の(b)には板状の保持板を示す。リング状のブランクなどから鍛造などの機械加工,プレス成形などによって製造しやすい形状である。また、図18(c)には外周側の壁によって積層鉄心群を外周部に出さない形状の保持板を示す。組み立て後に外側がはみ出ない構造となるので、ハウジングを兼ねることが出来ると考えられる。
図19に本発明の他の実施例を示す。以下に示す事項の他は、実施例1と同様である。
先に示した実施例では、保持板を一つの部品として用意して組み立てる構造であった。ここでは固定子鉄心群に直接保持板となる部分を形成する例を示す。図19に一段分片側固定子3の形状を示す。図19(a)には、図13(b)と同様の形状を示す。図19(b)は、固定子鉄心群のコイル組み込み面を保持板部230bが薄く覆う構造となっている。このような形状を得るための方法を図19(c)に示す。図19(c)は金型の模式図を示す。ベースとなる下側金型231には片側爪磁極を構成する積層鉄心群を周方向に高精度に位置決めできる保持部を有する構造とする。ここに周方向に必要な爪磁極(実施例では周方向に8個)を配置し、配置した状態でゲート(樹脂注入口)233を有する上側金型232で型締めする。上下の金型で構成する空間は、保持板形状となるような空間となり、その保持板と同形状の空間の所定の位置に、爪磁極212となる積層鉄心群が配置される。金型で挟み込んだ後に注入口より樹脂を射出成形することにより、保持板部分を樹脂として一体となった一段分片側固定子203が構成できる。金型の空間形状を変更することで、図19(b)に示した形状も製作することが可能である。この形状は、樹脂に限らず、ダイキャストによって金属部品の保持板でも構成することが可能である。前述したのと同様の金型に積層鉄心群が保持された状態で、注入口から溶融した金属をダイキャストすることで、保持板部が金属の一段分片側固定子203を得ることができる。ダイキャストできる材質としては、アルミニウム合金,亜鉛合金,銅系の合金などが考えられえる。
図20に本発明の他の実施例を示す。以下に示す事項の他は、実施例1と同様である。
ここでは、一段分固定子207を得る方法としての別の実施形態を示す。図20には、図14(a)で示した一段分固定子を示す。図20(a)は、図14と同様の形状を示す。図20(b)は、(a)と同様に積層鉄心群の周囲に保持板部330を有する形状となっているが、この保持板部330は、固定子の外周側表面を覆う形状となっている。前述した実施例では、別体の部品として準備した保持板に積層鉄心群を組み立てて最終形状を得たが、本実施例では、前述の実施例5と同様、射出成形金型により一体の固定子を得る。図20(c)には、その製造方法の模式図を示した。
ベースとなる下側金型231には片側爪磁極を構成する積層鉄心群を周方向に高精度に位置決めできる保持部を有する構造とする。ここに周方向に必要な爪磁極212(実施例では周方向に8個)を配置し、その軸方向面に、絶縁用の薄いフィルムである絶縁用シート235を介して円環状の固定子コイル14(固定子コイル24)を配置し、更に絶縁用シート235を介して、反対極を構成する爪磁極212の鉄心群を位置決め組み立てる。これらの部品を配置した状態でゲート(樹脂注入口)を有する上側金型232で型締めする。上下の金型で構成する空間は、保持板形状となるような空間となり、その保持板と同形状の空間の所定の位置に、爪磁極212となる積層鉄心群とコイルなどの部品が配置される。金型で挟み込んだ後に注入口より樹脂を射出成形することにより、保持板部230が樹脂として一体となった一相分固定子207が構成できる。金型の空間形状を変更することで、図20(b)に示した形状も製作することが可能である。この工法を用いることにより、保持板部230と積層鉄心群、コイルは隙間無く固定されるので、強度が向上し、振動などの問題に対して優位となる。また、金型内で保持して位置決めされるので位置精度も向上する。本工法では、実施例5に示した保持板を形成する材料のうち、金属系の材料のダイキャストは採用が出来ない。これは、コイルを一緒に鋳込む構造であるため、コイルの絶縁被膜を成形するときの熱によって損傷するからである。樹脂系の材料は使用可能であり、LCP(液晶ポリマー),PPS(ポリフェニレンサルファイド樹脂),PBT(ポリブチレンテレフタレート樹脂),PET(ポリエチレン系樹脂)、またはガラス繊維で強化されたナイロン,PC(ポリカーボネート樹脂)などが候補として挙げられる。また、炭素繊維強化樹脂や、エポキシ系,不飽和ポリエステル系などの熱硬化性の樹脂も候補である。それぞれ使用するモータや発電機などが必要とする熱的,機械的な強度の制約条件などにより、これらの材質は決定されることが望ましい。
次にモータとしての特性を向上するための方法を示す。以下に特に示す事項以外については、上述の実施例と同様である。
通常、クローポール型のモータの爪磁極形状は、爪先端が細くなる山形の形状を有する。これを実現するために、鉄板を打抜く際に、一枚ごと、または複数枚ごとに異なる形状で打抜きして積層することが考えられる。図21には、その工法を用いて作成した爪磁極形状を示す。図12(a)で示したような打抜き加工するブランクの形状を、爪磁極となる部分の高さ寸法を一枚ごとに変更して打抜きし、それを積層して積層鉄心群を形成し、図示の形状を得る。この爪形状のテーパ角度は、極数との関係で決まる。
図22には、保持板と積層鉄心群,コイルの関係を変更した実施の形態を示す。以下に特に示す事項以外については、上述の実施例と同様である。
図22(a)には、保持板の機能を有し、コイルを巻線保持するための機能を持つ巻線用ボビン213の斜視図を示す。(b)には、(a)図で示したボビンの正面図,側面図を示す。正面より、この巻線用ボビン213は、図18で示した保持板と同様、積層鉄心群を保持するための溝を有していることがわかる。この積層鉄心群を保持する溝は表面と裏面にそれぞれあることがわかる。また、表面と裏面の積層鉄心群保持溝の周方向位置は、所定の角度ずれている。また、側面図,斜視図より、円環状の巻線を巻きまわすための溝を有していることがわかる。図23には、巻線用ボビン213に円環状の固定子コイル14(24)を巻きまわした形状の断面状態がわかる図面を示す。断面が丸形状の導体を巻き回している円環状コイルが内部に配置されていることがわかる。図24(a)には、このボビンと積層鉄心群の組み合わせ構造をあらわす図面を示す。巻線用ボビン213の積層鉄心群を保持する溝に積層鉄心群を円周上に保持することが可能であることがわかる。図24(b)には、組み立て後の形状を示す。最終形状として、図14(a)と同様な一段分固定子が得られていることがわかる。この実施の形態によると、巻線の保持が容易で、コイルと固定子鉄心との絶縁が容易にできる。
爪磁極を構成する積層鉄心群の詳細な製造方法についての実施形態を示す。以下に特に示す事項以外については、上述の実施例と同様である。
図25には、積層鉄心群を簡易的に得る構造の一例を示す。図25(a)は、図12(a)と同様の鉄心のブランク形状を示す。そのブランクの中心部には、カシメ用の半抜き溝236a、兼、突起236bを有する。図25(b)には、そのブランクをずらして積層した形状を示している。(a)で示した突起と溝の関係は、少々ずれても重ねることができる。このため、カシメによって固着された図25(b)の積層鉄心群を得ることは容易である。図25(c)には、積層鉄心群の周方向配置箇所を軸方向から見た図面を示している。ここで、この必要な爪磁極の形状を見ると、平行四辺形で示される爪磁極形状は、図25(b)の形状と一致する形状であることがわかる。このため、図12に示したように、曲げ成形を行って図12(c)のような形状としなくても、図25(b)に示す形状の積層体であれば問題なく、本実施形態の爪磁極として用いることが可能であることがわかる。
更に別の方法を用いて、爪磁極を得る方法を示す。以下に特に示す事項以外については、上述の実施例と同様である。
本実施例の爪磁極を構成する積層鉄心群は、爪部分において周方向に積層された鉄心で構成することがポイントである。
図26には、爪磁極を積層鉄心群で構成し、継鉄部を別体のリングで構成する案を示した。図26(a)は、爪磁極と継鉄を折り曲げによって構成する案であり、図12(c)に示す曲線的な曲げでなく、直角曲げによって構成されることを特徴としている。図26(b)図も同様であり、直角曲げで構成し、継鉄部外周を構成する部分が、周方向の積層方向から、軸方向に鉄板を積層するように変化している点が特徴となる。図26(c)は、図26(a)の変形例であり、直角曲げする箇所を2箇所から1箇所に減らせる構造となっている。図26(d)は、(c)図の変形例であり、曲げを必要としないで、爪部と継鉄となる周方向部を別体として構成する例である。図26(e)は(b)の形状を爪部と継鉄リングを別体とする例である。図26(f)(g)は、(e)のリング部の積層方向を軸方向から径方向へと変更し、爪部の磁束がリング部に流入するときの渦電流損を低減する構造としている。図26(f)は、リング部に溝を形成し、当該溝に爪部を挿入している一方、図26(g)はリング部の積層された側面に爪部が接するように構成している。
積層鉄心群を固定する方法についての実施形態を示す。以下に特に示す事項以外については、上述の実施例と同様である。
図27には、溶接によって積層鉄心群を固定する方法を示す。図27(a)には、積層鉄心群のコイル保持部となる胴部に溶接を施した例を示している。本実施形態の爪磁極を有するクローポールモータでは、回転子からの磁束は、爪磁極表面から流入するため、溶接により渦電流損などの損失が増加する場合がある。よってどの箇所にも溶接箇所を設けられるわけではない。磁束流入面となる、回転子側との対抗面に溶接箇所を設けることは得策では無い。また、継鉄部の、反対極となる積層鉄心群との合わせ面に溶接箇所を有することも問題である。そこで、それ以外の部分であれば、溶接箇所を設けても大きくは問題とならない。図27(b)には、積層鉄心群のコイル保持部となる胴部と、爪先端部と爪根元部下面に溶接を施した例を示している。これは回転電機が磁束流入面で受ける磁気吸引力によって振動し、騒音の原因となることを防止するために有効な手段といえる。図27(c)には、(b)図と同様の箇所に溶接を施す例を示しているが、一枚ごと互い違いに裏表で溶接箇所をずらすことにより、発生する渦電流の影響を非常に小さくすることができる。
図28には、カシメを施して積層鉄心群を締結する例を示す。図28(a)には、鉄心胴部中央にVカシメを施す例を示す。この位置で締結することによる渦電流の増加はほとんど無い。図28(b)には、図27(b)の理由と同様に、振動,騒音低減のために爪磁極先端にカシメを施す例を示す。この場合、少々、渦電流の増加が懸念されるが、図28(c)に示すように、胴部のカシメを一枚おきに繋ぐ方式のカシメ方法を採用することで、渦電流を低減することができる。
図29にカシメを一枚おきに繋ぐ方式について説明する。図29(a)には、その原理を斜視図で示している。2箇所の位置に、それぞれ溝236a,突起236bを積層方向で互い違いになるように配置し、そのつなぐ部分を互い違いにしていく方法である。図29(b)図には断面状態を示す。図面左側でつながっている部分と右側のカシメ部でつながっている場合とが積層方向一枚ごとに繰り返す構造となっていることがわかる。
図30には更に別の締結方法を示す。図30(a)はテーピングなどの方法を用いて締結する方法を示している。また、接着材などによる締結も可能であり、その場合には、図30(b)図に示すように外観上はブランク体の状態と変わらない状態となっている。
積層鉄心群を構成する電磁鋼板など鉄系磁性材料の厚みは0.2mm〜0.5mmが考えられる。また、工数がかかるが、低鉄損を考える場合、さらに薄い板厚でも良い。場合によっては、0.025mm厚のアモルファスリボンなども考えられる。また、この形状を形作るためには、プレス打ち抜きが考えられるが、エッチングなど化学的な手法や、レーザカット,ウォータジェット工法などの方法を用いても良い。これらの方法を用いて形を作ったものを図29,図30に示したように複数枚を締結するものとする。
他の実施例を図31に基づいて説明する。以下に特に示す事項以外については、上述の実施例と同様である。
図31(a)は、本実施例の固定子の側面断面図であって、1つの実施形態を示した図である。図31(b)は、本実施例の固定子の側面断面図であって、他の実施形態を示した図である。尚、他の実施例と共通する部位については、同一称呼,同一の符号で表す。
図31(a)には、積層鉄心群のブランク形状内面における半径R1を円環状の固定子コイル14(24)の断面における半径R2以下としたものを示している。このようにすることによって固定子鉄心と固定子コイル14(24)の間の隙間を出来るだけ少なくすることができ、占積率を向上させることができる。
図31(b)には、固定子コイル14(24)を断面が略矩角形状の平角線を用いたものを示している。もともと、平角線は、積層鉄心群で構成する固定子鉄心内での占積率を向上させるために採用するものであるが、本実施形態のようにコイル配置面のRにおける半径R1を平角線の角Rにおける半径R2以下とすれば、更に占積率を向上させることができる。
次に他の実施例を図32及び図33に基づいて説明する。以下に特に示す事項以外については、上述の実施例と同様である。
図32(a)は、本実施例における回転子の斜視図である。図32(b),図32(c)は、回転子爪磁極の軸方向断面図であり、溝の様々な形態について説明した図である。図33(a)は、回転子爪磁極の軸方向断面図である。図33(b)は、溝ピッチと溝幅の比と渦電流損失及び誘起電圧の関係を示すグラフである。図33(c)は、溝深さと溝幅の比と渦電流損失及び誘起電圧の関係を示すグラフである。尚、他の実施例と共通する部位については、同一称呼,同一の符号で表す。
固定子鉄心201に発生する渦電流については、上述したとおり、周方向の積層によって低減可能であるが、回転子爪磁極242においても渦電流は発生する。回転子では爪が鉄などの磁性体金属であるために、渦電流は回転子爪磁極242の外表面を周回するように流れる。本実施例では、図32(a)に示すように回転子爪磁極242の外表面に周方向に延びる複数のグルーブ溝245を軸方向に略等間隔に形成している。このように回転子爪磁極242の外表面に複数のグルーブ溝245を形成することで電気抵抗が大きくなり、渦電流が流れづらくなる。
図32(b)(c)には、様々な溝断面の形状を示している。図32(b)に示すグルーブ溝45は、断面が略四角形状となっており、図32(b)に示す溝45は、断面が略三角形状となっている。このようにグルーブ溝45の断面は様々な形状とすることが可能である。
次に図33に基づいて、溝深さ,溝幅,溝ピッチと渦電流損失及び誘起電圧の関係について説明する。図33(a)に示すように溝深さをh、溝幅をB、溝ピッチをLとしたとき、B/Lと渦電流損失及び誘起電圧の関係を図33(b)に示す。図33(b)によれば、B/Lが0.2以上となる付近で渦電流損失の傾斜が緩やかになり、渦電流損失の低下が少なくなっていることがわかる。また、誘起電圧については、B/Lが0.3以上となると低下量が多くなり始めるのがわかる。ここで、実際に使用する際には、渦電流損失と誘起電圧が使用条件を満たす範囲として、B/Lが0.1〜0.6であるとよく、更には、上述したとおり、B/Lが0.2〜0.3であることが望ましい。
図33(c)には、h/Bと渦電流損失及び誘起電圧の関係を示している。図33(c)によればh/Bが2以上となる付近で渦電流損失の傾斜が緩やかになり、渦電流損失の低下が少なくなっていることがわかる。また、誘起電圧については、h/Bが大きくなるにつれて電圧が低下する。ここで、実際に使用する際には、渦電流損失と誘起電圧が使用条件を満たす範囲として、h/Bが2〜5であるとよく、更には、上述したとおり、h/Bが2〜3であることが望ましい。
次に他の実施例を図34に基づいて説明する。以下に特に示す事項以外については、上述の実施例と同様である。
図30(a)は、本実施例の回転子における一実施形態の側面図である。図30(b)は、本実施例の回転子における他の実施形態の側面図である。図30(c)は、本実施例の回転子における一実施形態の斜視図である。図30(d)は、図30(a)の回転子爪磁極の正面断面図である。尚、他の実施例と共通する部位については、同一称呼,同一の符号で表す。上記実施例の回転子爪磁極42bは、周方向に対象となるように先端に向かって先細り形状となるように構成されていた。この回転子爪磁極42bの軸方向一端の根元部は、磁気飽和が生じやすく、出来るだけ大きな断面積とする必要がある。しかしながら、回転子磁石(永久磁石)49を回転子爪磁極42b間に装着するような仕様においては、隣り合う回転子爪磁極42b間の隙間に対して両側の根元部を広げると回転子磁石(永久磁石)49が挿入出来なくなってしまう。本実施例では、回転子爪磁極42bの根元部において磁束が多く通る、回転子爪磁極42の回転方向に対して反対方向側だけを周方向に広げることで磁束が通る面積を確保している。このように周方向一方向側だけを周方向に幅広とすれば、図30(a)に示すように幅広の根元部が形成されていない軸方向側から回転子磁石(永久磁石)49を装着することができる。
尚、回転子爪磁極42の回転方向に対して反対方向側だけを周方向に広げるといった技術思想は、図30(b)に示すように回転子爪磁極42bが軸方向に略同一幅となるように構成された回転子爪磁極42においても適用することができ、このように構成することで磁束が通る断面積を確保しつつ回転子磁石(永久磁石)49を装着することが可能となる。
更に、これらの回転子爪磁極42bの周方向両縁には、ベベル42b−7と呼ばれる面取りを設けるとよい。図30(c)及び図30(b)にベベル42b−7を設けた回転子爪磁極42bを示している。これらの図を見てわかるように回転子爪磁極42の回転方向に対して反対方向側、つまり、根元部が幅広となっている側の面取り幅Biを、回転子爪磁極42の回転方向側の面取り幅Bdより広くしており、図30(b)に示すように回転子爪磁極42の回転方向に対して反対方向側の面取り角度θ1を回転子爪磁極42の回転方向側の面取り角度θ2より小さくしている。尚、回転子爪磁極42bの周方向幅をBoとした場合、Bd/Boは0.03〜0.3の範囲に設定するとよく、Bi/Boは、0.2〜0.55の範囲に設定するとよい。また、面取り角度θ1は、6度〜25度の範囲に設定するとよく、面取り角度θ2は、6度〜45度の範囲に設定するとよい。
このようなベベル42b−7を設けることによって、固定子爪磁極42bとの間の磁気変動を滑らかにでき、磁気騒音を低減することができる。尚、本実施例では、回転子爪磁極42の回転方向に対して反対方向側の面取り幅を大きくしているので、回転子爪磁極42bの表面の磁束密度分布を平均化して磁束損失による出力低下を生じることなく、磁気騒音を低減させることができる。また、回転子磁石(永久磁石)49は、回転子爪磁極42bの周方向両縁側に延びた鍔部によって、径方向の移動を阻止しているが、鍔部は、回転子爪磁極42b間の漏れ磁束と強度の関係から周方向幅を0.8mm〜4mmとするのがよく、機械的強度の面から径方向の厚みを0.8mm〜3mmとするのがよい。
本発明の他の実施例をなすクローポール型回転電機の固定子鉄心配置を説明する。本構造は、磁気回路として必要最低限の磁性体以外の部分を無くす構造である。具体的には、クローポールモータを構成する爪磁極212a,212bを電磁鋼板,冷間圧延鋼板,電磁ステンレスなどの積層鉄板を用いて構成する。このときの磁極における鉄板の積層方向を、回転子からの磁束流入方向に対して平行となるよう配置した構成としている。すなわち、固定子の周方向に鉄板などの磁性体を積層して磁極を構成する。このとき、周方向に隣り合う鉄板は、電気的にも磁気的にも結合しない(間に非磁性,非導電性の物質を介して積層されている)構造とする。また、そのひとつの爪磁極は積層された鉄心群で構成されている。また、積層鉄心群は、隣り合う反対極となる爪磁極を構成する片方の積層鉄心群と周方向外側の部分で軸方向に向かい合って配置される構造とする。
この2つの極となる積層鉄心群の軸方向隙間には、円環状に構成された継鉄部251が配置される。この円環状に構成された継鉄部251は、径方向に鉄板を積層することで構成される。2つの極となる積層鉄心群と円環状に構成された継鉄部251で囲まれた隙間には、円環状に構成された導電体を複数回巻きまわした固定子コイル14(24)を配置し、前記積層鉄心群で構成される爪磁極212aと、その隣り合う反対極となる積層鉄心群で構成された爪磁極212bとで、固定子の軸方向に挟み込む構造とする。
このコイルと前記円環状に構成された継鉄部251の周方向に、積層鉄心群で構成された爪磁極212aと反対極となる爪磁極212bを1極対として、複数(本実施例では10爪磁極対)の極対数を構成することにより、回転電機の1段分の固定子を構成できる。この固定子を軸方向に複数個(上述の実施例1では2個)配置することで、2段3相の回転電機を構成する。
図35には本実施例における爪磁極を構成する積層鉄心群の構造を詳細に示す。図35(a)は、爪磁極となる積層鉄心群を構成する鉄板のブランク形状を示す。爪の先端から、軸方向根元へ向って漸増する形状とし、根元にはRを有する形状を示している。これは、爪磁極を構成した場合に、その回転子側から流入する磁束が、根元へ向うため、根元の断面積を爪の先端部よりも大きくする必要があるためである。図35(b)図には、図35(a)のブランクを複数枚積層したものを示している。同じ形状のブランクをそのまま積層している形状である。この積層体でひとつの爪部を形成するものとする。
図36には本実施例における円環状に構成された継鉄部251の構造を詳細に示す。図36(a)は、円環状に構成された継鉄部251を構成する鉄板の形状を示す。長方形の鉄板を円環状に形成することで構成されている。図36(b)図には、図36(a)の鉄板と相似形の鉄板を複数枚積層したものを示している。積層する方向は円環構造の径方向である。図36(c)にその拡大図を示す。この積層体で継鉄部251を構成するものとする。
図37には、図35で示した爪部と図36で示した継鉄部を配置して一段分の固定子を得る構造を示す。図37(a)には、図35で示した爪磁極12となる積層体を周方向に10個配置する例を示す。保持板204には、その積層体の形状を高精度に位置決めして保持する溝が設けられている。この溝部に、積層体爪磁極212を配置することで、図37(b)に示す1段分片側固定子203を構成できる。さらに、図37(c)に示すように、一段分固定子207に、図36で示した円環状に構成された継鉄部と円環状の巻線を配置することとする。図37(c)に示した状態で、図37(b)に示した1段分片側固定子を軸方向に向かい合わせるように配置することで、1段固定子が構成される。
図38に一段分固定子207の外観を示す。保持板204で爪磁極212となる積層体が挟まれた構造となる。このため、機械的な強度は保持板の強度で決まる。図38(a)には保持板の軸方向面が見えているが、その形状について説明する。保持板204の軸方向面には、少なくとも3箇所以上の周方向複数箇所にある相対的な位置関係の決まりを保って配置された位置決め溝206と位置決め突起205を配置する。図38(b)にその相対位置関係を示す。本実施例では20極の2段3相モータを構成する場合の例を示している。ここに図示する溝と突起は、前述したとおり、固定子を軸方向に2段重ねて配置する場合に周方向に電気角で90度ずつ(機械角で9度ずつ)固定子の位置がずれて配置されるようにすることでモータの固定子を構成する。このため、この例では、溝と突起の周方向の相対位置が9度ずれた関係となっている。また、軸方向で片側固定子203aともう片方の固定子203bを組み合わせるので、その位置を考慮する必要がある。この例では、爪磁極の中心から9度、すなわち電気角で1周期の1/4の箇所が中心となって上下の突起,溝の位置関係が反転するので、位置決め溝206を爪磁極の中心から9度の位置とし、それから9度ずれた位置に突起を設ける構造としたのである。これを90度ずつ等配した位置に同様の突起と溝を設けることで周方向の位置決めが可能となる。
図39には、保持板204の断面形状の例を示す。保持板204は固定子となる積層鉄心群を保持するための溝のほかに円環状に構成された継鉄部251を保持するためのガイド部を有する。具体的には、保持板204を、軸方向には鉄心群の厚さよりも厚くなるように構成し、周方向には継鉄部251の外側径よりも大きい寸法を有する形状とすることで、継鉄部251が一意に位置決めされる。また、固定子コイル14(24)は内側から保持するガイド部を有する。具体的には、保持板204を、軸方向には鉄心群の厚さよりも厚くなるように構成し、周方向には固定子コイル14(24)の内側径よりも小さい寸法を有する形状とする。これにより、固定子コイル14(24)は継鉄部251とガイド部の間に一意に配置される。
図40には、固定子を配置する例を示す。図38で前述したとおり、保持板204の軸方向に設けた溝と突起を組み合わせることにより、その位置関係は一意に決定される。図40に示す一段分固定子(Aコア10)の図示上面の位置決め突起205と位置決め溝206は、一段分固定子(Bコア20)の下面の位置決め突起205と位置決め溝206とに合わさる。この溝と突起の組み合わせは周方向に4箇所配置されており、そのどれもが組み合わさって組み立てられる。これにより、軸方向に対して垂直な面上で、XY方向のどちらにも動かない状態で拘束されるため、一意に位置決めができるのである。一意に位置決めされた固定子は、爪の位置関係が図38で示したようにその爪中心と爪中心が、電気角で90度ずつ(示す例では20極のため、機械的な角度で9度ずつ)ずれて配置される構造となっている。モータや発電機などの回転電機の固定子とするために内径、および外径面を加工することも可能である。保持板の位置決め用の突起と溝を利用して位置決めした状態で、旋盤などの工作機械によって内周面と外周面を円形で真円度の高い状態へと加工を行う。組み立てられた状態での内周面,外周面は、積層体の端面が周方向に多角形となるような形状となる。このため、円形の回転子を内周側に配置するときにギャップが不均一になり回転電機として磁束分布を満足しない場合がある。このようなときに、内径を切削加工,研削加工などにより予め加工することで、特性向上することが可能となる。もちろん加工しないで、特性を得られる場合においては、そのまま使用することも可能である。また、組み立てられた状態で、円周方向に円形となるよう配置するような場合もあり得る。加工寸法例としては、例えば内径側をφ100mm±0.01mmで加工することである。
ところで、本実施例においても図17に示したのと同様に、モータとしての組み立てが可能である。すなわち、本実施例においても、リング磁石回転子,かご型導体回転子,埋め込み磁石を有する回転子,磁石を有しない突極型回転子,磁気抵抗の異なるリラクタンス型回転子,ルンデル型回転子などを有するモータにおいて、コイルエンドが軸方向に存在しないことにより、軸方向に薄くコンパクトにモータを構成できる。
図41には、保持板204の構造を示す。保持板構造により、モータの生産性や、特性を向上できる。積層鉄心群を保持するための溝を有し、円環状に構成された継鉄部251を一意に位置決めして保持するための外側壁を有する構造となっている。さらに、外側壁と継鉄部251により固定子コイル14(24)を保持する。この保持板204の材質,製造方法は先述の実施例における保持板と同様である。
図41の保持板4にコイル2の口出し溝を設けた実施例を図42,図43に示す。以下に特に示す事項以外については、実施例15と同様である。
例えば発電機に適用した場合、U,V,W各相の固定子コイル14(24)に流れる電流を、図11に示すような整流回路115に出力するために、各コイルの口出し線を固定子から出す必要がある。尚、モータの場合は、例えばインバータのU,V,Wの各アームにコイルを接続するための結線がこの口出し線に相当する。本実施例では、図42,図43のように、保持板204に固定子コイル14(24)の口出し溝291を設け、そこから固定子コイル14(24)の口出し線292を保持板204から導出する構造とした。尚、この溝の位置は、図43に示すように爪磁極と爪磁極の間に設けることが好ましい。但し、この溝の数は図示した数に限られることなく、必要な口出し線292の数だけ設けても良い。また、口出し溝291は、溝ではなく孔や隙間であっても良い。また、口出し線292は、同一の口出し溝91から複数導出されている必要はなく、いずれの口出し溝291から出ていても良い。
次に実施例15の構造の生産性を向上するための態様を示す。
図44(a)に、保持板の機能を有し、コイルを巻線保持するための機能を持つ巻線用ボビン213の斜視図を示す。(b)には、(a)図で示したボビンの正面図,側面図を示す。正面図より、この巻線用ボビン213は、図41で示した保持板と同様、積層鉄心群を保持するための溝を有している。また、この積層鉄心群を保持する溝は表面と裏面にそれぞれある。また、表面と裏面の積層鉄心群保持溝の周方向位置は、所定の角度ずれている。また、側面図,斜視図より、円環状の巻線を巻きまわすための溝を有していることがわかる。図45には、巻線用ボビン213に固定子コイル14(24)を巻きまわした形状の断面状態がわかる図面を示す。円環状コイルが巻線用ボビンの内部に配置されていることがわかる。図46(a)には、このボビンと積層鉄心群の組み合わせ構造をあらわす図面を示す。巻線用ボビン213は積層鉄心群を保持する溝に積層鉄心群を円周上に保持できることがわかる。図46(b)に、このボビンと積層鉄心群と円環状に構成された継鉄部の組み合わせ構造を示す。巻線用ボビン213の外周側に継鉄部を配置することが可能であるとわかる。組み立て後の形状を図46(c)示す。最終形状として、図38(a)と同様な一段分固定子が得られていることがわかる。
次に実施例15の構造のモータ特性を向上するための態様を図47に示す。以下に特に示す事項以外については、実施例15と同様である。
通常、クローポール型のモータの爪磁極形状は、爪先端が細くなる山形の形状を有する。これを実現するために、鉄板を打抜く際に、一枚ごと、または複数枚ごとに異なる形状で打抜きして積層することが考えられる。図47には、その工法を用いて作成した爪磁極形状を示す。図35(a)で示したような打抜き加工するブランクの形状を、爪磁極となる部分の高さ寸法を一枚ごとに変更して打抜きし、それを積層して積層鉄心群を形成し、図示の形状を得る。この爪形状のテーパ角度は、極数との関係で決まる。
図48に、誘起電圧のひずみを低減し、モータの効率を向上せしめる積層鉄心群の構成を示す。以下に特に示す事項以外については、実施例15と同様である。
モータの出力トルクは誘起電圧に比例するため、誘起電圧のひずみはモータの出力トルクの脈動の要因となり、モータの振動・騒音を発生する要因となる。そのため、誘起電圧はなるべく正弦波化することが望ましい。誘起電圧がひずむ要因の1つとして、漏れ磁束が上げられる。図48(a)に示す漏れ磁束は、コイルに鎖交しないためモータ特性に寄与しなく、鉄心を磁気飽和させるのみであり、誘起電圧をひずませる要因となる。さらに、この漏れ磁束は積層鉄心群の積層方向に流れるため、積層鉄心内に渦電流を発生させ、モータの効率を低下させる。この漏れ磁束を低減せしめる構造が、図48(a)に示す積層鉄心群の構造である。図48(a)に示す積層鉄心群の構造は、2つの積層鉄心群により1つの極を構成している。すなわち、爪磁極の周方向中心にスリットが設けられた構造となっている。このような構成とすることで、漏れ磁束の磁路の磁気抵抗がスリットにより大きくなり、漏れ磁束が低減されることとなる。これにより、漏れ磁束のため磁気飽和していた鉄心の磁気飽和が緩和され、誘起電圧のひずみが低減される。図48(b)にスリットがある場合とない場合の誘起電圧波形の例を示す。これより、スリットにより誘起電圧のひずみが低減されていることがわかる。さらに、漏れ磁束に起因する渦電流損が低減され、モータの効率が向上される。
図49に、実施例19において、生産性に適し、大型化に適した構成を示す。図49に示す積層鉄心群の構造は、2つの積層鉄心群により1つの極を構成している。さらに継鉄部251は、周方向に複数個分割された構成となっている。図49では、極の中心において継鉄部251が複数個に分割されている。すなわち、回転子から爪磁極より流入した磁束は、左右の継鉄部251へ流れ、周方向の隣の爪磁極212より回転子へ流出することとなる。このような構成とすることで、継鉄部251が円環状である場合と比べて、継鉄部251を積層する作業が簡単化され生産性が向上する。さらに継鉄部251が円環状の場合と比べて、継鉄部251を構成する作業が容易となる。図50に継鉄部が分割された場合の保持板204の構造を示す。保持板204は、積層鉄心群を保持するための溝を有し、分割された継鉄部251を一意に位置決めして保持するための凹凸を有している。具体的には、外周壁258により分割された継鉄部251の径方向の位置が一意に定まり、周方向に複数配置された突起259により分割された継鉄部251の周方向位置が一意に定まる。これにより、分割された継鉄部が251一意に定まり、1段分片側固定子203が得られる。
上記のいずれの実施例も、電力電機用,産業用,家電用,自動車用などに幅広く使用されるモータ,発電機などの回転電機に適用することが可能である。幅広く様々な分野に応用が期待でき、大きいものでは、風力発電機,自動車駆動用,発電用回転電機,産業用回転電機、中型機では、産業用,自動車用補機などで使用される回転電気、小さいものでは、家電用,OA用機器などに使用される回転電機への適用が可能である。
本発明の実施例をなす回転電機の固定子の構造を示す。 図1のAコアおよびBコアの断面図を示す。 図1の例の回転子の構造を示す。 図3の回転子を図1の固定子に組み込んだ図を示す。 図4の部分断面図を示す。 図1の固定子の周方向展開図を示す。 図6を用いた磁束の流れの説明図を示す。 図1の例を発電機に適用した場合の発電機の断面図を示す。 図8の回転子の斜視図を示す。 図8の部分断面図を示す。 図8の回路図を示す。 本発明の他の実施例をなす固定子鉄心群の構造を示す。 本発明の実施例をなすクローポール型回転電機の一段分片側固定子の構造を示す。 本発明の実施例をなすクローポール型回転電機一段分固定子の斜視図,正面図を示す。 本発明の実施例をなす固定子の断面構造を示す。 本発明の実施例をなす固定子の軸方向組み立て図を示す。 本発明の実施例をなす固定子をモータに組み立てる構造を示す。 本発明の実施例をなす保持板構造を示す。 本発明の実施例をなす一段分片側固定子の形状及び、一段分片側固定子を得る方法を示す模式図。 本発明の実施例をなす一段分固定子の形状及び、一段分固定子を得る方法を示す模式図。 本発明の実施例をなす積層鉄心群固定子爪磁極がテーパ形状を有する場合の形状を示す。 本発明の実施例をなす積層鉄心群を保持する機能を有し、コイル巻線の絶縁保護が可能なボビンの構造を示す斜視図および正面図,側面図である。 図22のボビンに巻線を施した状態を示す、一部断面を示した斜視図である。 図22のボビンに巻線を施したものに、本発明の実施例をなす積層鉄心群爪磁極を配置して組み立てる構造を説明する図面である。 本発明の実施例をなす積層鉄心群爪磁極を折り曲げを用いない方法により得るための方法を説明する図面である。 本発明の実施例をなす積層鉄心群爪磁極を別の製造方法により得るための方法を説明する図面である。 本発明の実施例をなす積層鉄心群爪磁極の板間固定を溶接により行うための方法を説明する図面である。 本発明の実施例をなす積層鉄心群爪磁極の板間固定をカシメにより行うための方法を説明する図面である。 本発明の実施例をなす積層鉄心群爪磁極を板間固定をカシメするときに、渦電流が発生しない互い違いにカシメ締結する方法を説明する図面である。 本発明の実施例をなす積層鉄心群爪磁極の板間固定をテーピング、接着などにより行うための方法を説明する図面である。 本発明の実施例をなす積層鉄心群爪磁極の断面形状(特に内周部R)について説明する図面である。 本発明の実施例をなす積層鉄心群爪磁極を用いて構成する車載用発電機の回転子構造(特に爪表面の溝形状)について説明する図面である。 本発明の実施例をなす積層鉄心群爪磁極を用いて構成する車載用発電機の回転子爪表面の溝形状が特性に及ぼす影響を説明する図面である。 本発明の実施例をなす積層鉄心群爪磁極を用いて構成する車載用発電機の回転子構造を説明する図面である。 本発明の実施例をなす固定子鉄心群の構造を示す。 本発明の実施例をなす円環状に構成された継鉄部の構造を示す。 本発明の実施例をなすクローポール型回転電機の一段分片側固定子の構造を示す。 本発明の実施例をなすクローポール型回転電機一段分固定子の斜視図,正面図を示す。 本発明の実施例をなす固定子の断面構造を示す。 本発明の実施例をなす固定子の軸方向組み立て図を示す。 本発明の実施例をなす保持板構造を示す。 本発明の実施例をなす保持板構造を示す。 本発明の実施例をなす一段分固定子の斜視図を示す。 本発明の実施例をなす積層鉄心群を保持する機能を有し、コイル巻線の絶縁保護が可能なボビンの構造を示す斜視図および正面図,側面図である。 図44のボビンに巻線を施した状態を示す、一部断面を示した斜視図である。 図44のボビンに巻線を施したものに、本発明の実施例をなす積層鉄心群爪磁極を配置して組み立てる構造を説明する図面である。 本発明の実施例をなす積層鉄心群固定子爪磁極がテーパ形状を有する場合の形状を示す図面。 本発明の実施例をなすクローポール型回転電機一相分固定子で、誘起電圧のひずみを低減する構造、及び誘起電圧のひずみを低減する構造の効果を表すグラフである。 本発明の実施例をなす円環状の継鉄部を分割構造とした構造で、クローポール型回転電機の大型化を容易にする構造である。 図49の積層鉄心群と分割された継鉄部を保持する機能を有する保持板構造を示す。
符号の説明
1 固定子
10 Aコア
11,21 コアバック
12,13,22,23 爪磁極
14,24 固定子コイル
20 Bコア
100 回転子
108 回転軸
112 回転子コア
112a,b 爪磁極部
121,122 磁石
131 界磁コイル

Claims (20)

  1. 軸方向に交互に伸びる複数の爪磁極及び前記爪磁極同士の磁路を形成するコアバックを円環状に配置した固定子段を、軸方向に2段重ねるように構成した固定子と、
    コイルを円環状に巻回して形成され、前記固定子段の前記爪磁極及び前記コアバックに囲まれた空間に配置された固定子巻線と、
    前記固定子の前記爪磁極に対向した位置に回転自在に配置された回転子と、を有し、
    前記2つの固定子段のうち少なくとも1つの前記固定子段には、複数の相の前記固定子巻線が混在して設けられている回転電機。
  2. 請求項1記載の回転電機であって、
    前記固定子は、2段の前記固定子段を、電気角でπの略半整数倍の角度φだけ、周方向にオフセットして配置した回転電機。
  3. 請求項2記載の回転電機であって、
    前記固定子の前記角度φは、電気角で90度である回転電機。
  4. 請求項1記載の回転電機であって、
    前記固定子は複数相の前記固定子巻線を有し、
    2つの前記固定子段には、一方に全ての相の前記固定子巻線が巻回され、他方に特定の相を除く他の相の前記固定子巻線が巻回された回転電機。
  5. 請求項4記載の回転電機であって、
    各相の前記固定子巻線は、前記2つの前記固定子段による合成磁束が当該複数相の鎖交磁束波形を形成するような巻回数でそれぞれ巻かれている回転電機。
  6. 請求項1記載の回転電機であって、
    前記固定子は3相の前記固定子巻線を有し、一方の前記固定子段には当該3相全ての固定子巻線が巻回され、他方の前記固定子段には、前記3相のうち特定の相を除く他の2相の固定子巻線が巻回されている回転電機。
  7. 請求項1記載の回転電機であって、
    前記回転子の極数及び前記固定子の極数が同数である回転電機。
  8. 請求項1記載の回転電機であって、
    前記回転子の極数及び前記固定子の極数が20極である回転電機。
  9. 請求項1記載の回転電機であって、
    前記コアバックは、前記固定子巻線の外周を覆うように配置され、複数のリング状の鉄板を前記回転軸に対して径方向に積層して構成され、
    前記爪磁極は、前記コアバックの軸方向側面の一方の面とその反対側の面とに交互に設置され、前記コアバックとともに前記固定子巻線を囲むように設けられるとともに、前記回転子の回転軸に対して周方向に鉄板を積層して構成し、前記コアバックによって隣接する磁極同士の磁路が構成されるように前記コアバックに接続された回転電機。
  10. 請求項1記載の回転電機であって、
    前記爪磁極は、積層方向が回転軸に対して周方向となるように鉄板を積層して構成されている回転電機。
  11. 請求項10記載の回転電機であって、
    前記爪磁極を少なくとも2つの積層された鉄心群として、それらの鉄心群はそれぞれ継鉄を構成する部分で、周方向に隣り合う反対極となる別の積層鉄心群と接続される回転電機。
  12. 請求項1記載の回転電機であって、
    前記固定子巻線の口出し線が、前記爪磁極の間の隙間を通して引き出されている回転電機。
  13. 請求項1記載の回転電機であって、
    前記固定子の前記爪磁極及び前記コアバックは、圧粉磁心である回転電機。
  14. 請求項1記載の回転電機であって、
    前記固定子は、前記爪磁極,前記コアバック、または前記固定子巻線の少なくとも一部を保持するとともに、構成要素の互いの位置決めを行う保持板を有する回転電機。
  15. 請求項14記載の回転電機であって、
    前記固定子段は、軸方向2枚の前記保持板で挟み込まれている回転電機。
  16. 請求項14記載の回転電機であって、
    前記固定子段は、軸方向2枚の前記保持板で挟み込まれており、
    前記2枚の前記保持板には、前記2つの固定子段を軸方向に重ねて配置するときに相互の位置を拘束する突起部及び当該突起部と嵌合する溝部を有する回転電機。
  17. 請求項1記載の回転電機であって、
    前記固定子巻線を保持するための円筒状のボビンを有し、
    前記ボビンは、その外側面に前記爪磁極または前記コアバックの少なくとも一部を保持するとともに、構成要素の互いの位置決めを行う溝を有する回転電機。
  18. 軸方向に交互に伸びる複数の爪磁極及び前記爪磁極同士の磁路を形成するコアバックを円環状に配置した固定子段を、軸方向に2段重ねるように構成した固定子と、
    コイルを円環状に巻回して形成され、前記固定子段の前記爪磁極及び前記コアバックに囲まれた空間に配置された固定子巻線と、
    前記固定子の前記爪磁極に対向した位置に回転自在に配置された回転子と、
    前記固定子巻線から出力された交流電流を直流電流に変換する整流回路と、を有し、
    前記2つの固定子段のうち少なくとも1つの前記固定子段には、複数の相の前記固定子巻線が混在して設けられている回転電機。
  19. 請求項18記載の回転電機であって、
    前記回転子はルンデル型爪磁極回転子である回転電機。
  20. 軸方向に交互に伸びる複数の爪磁極及び前記爪磁極同士の磁路を形成するコアバックを円環状に配置した固定子段を、軸方向に2段重ねるように構成した固定子と、
    コイルを円環状に巻回して形成され、前記固定子段の前記爪磁極及び前記コアバックに囲まれた空間に配置された固定子巻線と、
    前記固定子の前記爪磁極に対向した位置に回転自在に配置され、永久磁石が設けられた回転子と、を有し、
    前記2つの固定子段のうち少なくとも1つの前記固定子段には、複数の相の前記固定子巻線が混在して設けられている回転電機。
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