JP2010063196A - アキシャルギャップモータ及び電動式流体駆動装置 - Google Patents

アキシャルギャップモータ及び電動式流体駆動装置 Download PDF

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Abstract

【課題】軸方向安定性に優れたコンパクトなアキシャルギャップモータを実現すること。
【解決手段】ロータ1の軸方向両側にステータ2、3が配置され、ロータ1及びステータ
2、3のトルク発生に関与しない径方向内側部分には自棄的にギャップを維持する機構8
が配置される。ロータ1とステータ2、3との間の電磁ギャップは斜めに配置され、ロー
タ1は先端に向かうにつれて幅が狭くなっている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、アキシャルギャップモータ及びこのアキシャルギャップモータを装備する電動式流体駆動装置に関する。良く知られているように、本発明のモータは、発電機としての使用を包含する。
ステータとロータと間の電磁ギャップの厚さ方向が軸方向であるアキシャルギャップモ
ータが従来より知られている。下記の特許文献1、2は、アキシャルギャップモータも記
載している。特許文献1は、磁気軸受けにより支持されるアキシャルギャップ同期モータ
を提案している。特許文献2は、ステータコアがコ字状の軸方向断面形状をもつアキシャ
ルギャップモータを提案している。特許文献3は、ラジアルギャップモータとアキシャル
ギャップモータとを一体化したモータ(以下、複合モータと称する)を提案している。
特開平07−208470号公報 特開2002−027722号公報 WO2003−016628
しかしながら、現在市販されているほとんどのモータはラジアルギャップ形式を採用しており、アキシャルギャップモータは、モータの小型軽量化が実現できる可能性があるにもかかわらず、コアレスモータ又は小型モータを除いて広く実用されるに至っていない。
アキシャルギャップモータの実用化を阻む問題は、ロータとステータとの間の強力な軸
方向磁気吸引力が、種々の理由によりロータを軸方向一方側に変位させ、ステータに接触する危険がある点にある。ロータの軸方向両側にステータを配置するアキシャルギャップモータにおいてモータの両側にスラストベアリングを設ければ、ロータとステータとの間に一定幅の電磁ギャップを維持することができる。しかし、構造が複雑となり、摩擦損失も増大し、体格も大型となる。更に、スラストベアリングが回転軸の軸方向変位を抑止したとしても、軸方向厚さが小さいロータの外周部を軸方向一方側に曲げる曲げモーメントにより、ロータの外周部の軸方向変位や軸方向振動が発生するという問題もあった。
アキシャルギャップモータのスラスト制御に従来公知の磁気軸受けを採用することも良
い案ではあるが、従来の磁気軸受けは大型であり、軸方向長が短いというアキシャルギャップモータの利点を消してしまうという問題点があった。しかし、アキシャルギャップモータは、ラジアルギャップモータに比べて体格特に軸方向長を短縮できる利点があり、上記したギャップコントロール機構の簡素化さえ実現できれば、モータの小型化が重要な多くの用途においてラジアルギャップモータに打ち克つ可能性があった。
たとえば、空気流とエネルギーを授受するラジアルタービンやラジアルコンプレッサを回転体として有するターボチャージャなどの空気流型回転装置は10〜30万rpmといった高速で回転するため、モータ駆動使用とするとその軸方向長が増大し、回転軸の振動が増大するという問題が生じた。また、
(発明の目的)
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、軸方向振動を含むロータの軸方向変位
を良好に低減可能なアキシャルギャップモータを提供することをその目的としている。ま
た、本発明は、ギャップ管理が容易でありコンパクトで高出力のアキシャルギャップモー
タを提供することをその目的としている。
また、本発明は、コンパクトでトルクが大きいアキシャルギャップモータを用いた電動式流体駆動装置を提供することをその目的としている。
(発明の要約)
本発明は、新規な構造のアキシャルギャップモータと、このアキシャルギャップモータの利用が好適な新規な構造の電動式流体駆動装置とを含む。
本発明のアキシャルギャップモータは、ロータの軸方向両端面である前後一対のロータ
周面と、これらロータ周面の軸方向外側に配置されてこれらのロータ周面に電磁ギャップ
を介して個別に対面する一対のステータ周面とを少なくとも有する。
モータ駆動方式としては、既存の種々の方式、たとえばブラシ付き直流モータ方式、誘
導モータ方式、同期モータ方式など種々の方式を採用することができる。同期モータ方式
としては、従来のラジアルエアギャップ同期機と同じく、界磁コイル方式、永久磁石方式
、リラクタンス方式を採用することができる。リラクタンス方式としては、従来公知のシ
ンクロナスリラクタンス式やスイッチドリラクタンス方式を採用することができる。その
他、本発明者が出願中の特願2007−293655、306012に記載された新規な
モータ駆動方式も採用することもできる。
上記課題を解決する下記の各発明は、複数のステータ磁極部が周方向所定ピッチで配置
されるステータ周面を有する磁性材製のステータコアと、前記ステータコアに巻装されて
前記ステータ周面に沿って回転磁界を形成するステータコイルと、前記ステータ周面に所
定の電磁ギャップを隔てて対面するロータ周面を有して前記ステータコアに対して相対回
転するロータとを有し、前記ロータは、軸方向前側に設けられた前記ロータ周面である前
側ロータ周面と、軸方向後側に設けられた前記ロータ周面である後側ロータ周面とを有し
、前記ステータコアは、前記前側ロータ周面に対面する前側ステータ周面と、前記後側ロ
ータ周面に対面する後側ステータ周面とを有するアキシャルギャップモータに適用される
。以下、このモータをアキシャルギャップモータと総称するものとする。
第1発明は、前記前側ロータ周面と前記後側ロータ周面との間の前記ロータの軸方向幅
は、径方向外側へ向かうにつれて次第に狭くなる部分を有し、前記電磁ギャップは、軸方
向断面において軸方向及び径方向に対してそれぞれ斜めに延在する斜め電磁ギャップによ
り主として構成されていることを特徴としている。
以下、この第1発明のモータを斜めギャップモータと称する。斜めギャップの延在方向
は、径方向及び軸方向に対してそれぞれ15度以上ずれていることが好適であるが、それ
に限定されるものではない。ステータ周面やロータ周面は、磁極部(ティース又はポール
とも呼ばれる)とそれらの間の間隙部(スロットとも呼ばれる)を周方向交互にもつこと
ができる。
すなわち、この発明では、ロータを径方向外側に向かうにつれて軸方向幅が狭くなるよ
うに形成し、その軸方向両側のロータ周面を斜めに形成し、これらロータ周面に対して軸
方向所定幅の電磁ギャップを挟んでそれぞれステータのステータ周面を対面させる。本発
明によれば、次の効果を奏することができる。
まず、ロータの軸方向両側の電磁ギャップを径方向及び軸方向に対してそれぞれ斜めに
延在する斜め電磁ギャップとしているため、モータ体格当たりの電磁ギャップの面積を大
きくすることができる。モータのトルクや効率は、電磁ギャップ面積に大きな正相関をも
つため、モータ体格当たりのトルクや効率の向上を実現することができる。
更に具体的に説明する。
たとえばリラクタンストルクを利用する同期モータを例として説明する。以下に式にお
いて、Iqをq軸電流、Idをd軸電流、Lqをq軸インダクタンス、Ldをd軸インダ
クタンス、ΔL=(Lq−Ld)、Φmを界磁トルクとすると、同期モータのリラクタン
ストルクは、ΔLIqIdとなる。この式から、これは、インダクタンス差ΔLの絶対値
を増大することにより、リラクタンストルクが増大できることがわかる。インダクタンス
は、磁路の磁気抵抗に反比例し、磁路の磁気抵抗は、ほとんどステータとロータとの間の
電磁ギャップのギャップ磁気抵抗により構成される。ステータ磁極とロータ磁極との対面
面積をS、両者間のギャップ幅をdとする場合、このギャップ磁気抵抗は、対面面積Sに
逆比例する。このことは、対面面積Sに比例してインダクタンス差ΔLを増大できること
を意味する。
ただし、LdIdをΦd、LqIqをΦqとすると、トルクT=LqIqId−LdI
dIq=ΦqId−ΦdIqとなる。Φdの最大値はd軸鉄磁路の飽和磁束量を超えるこ
とはできず、Φqの最大値はq軸鉄磁路の飽和磁束量を超えることはできない。したがっ
て、鉄磁路の最大飽和磁束量を一定値とすれば、Lqの増大は、Φqが一定であるため、
Iqを減少させる。これは銅損低減を意味する。また、Iqの減少は、−LdIdIq=
−ΦdIqを減少させるため、ΦqId−ΦdIqを増大させるため、リラクタンストル
クを増大させる。 次に、永久磁石や電磁石による磁束である界磁束Φfも併用する場合
を考える。LqはLdより大きいとする。この場合には、トルクTは、
T=(Φf−LdId)Iq+LqIqId=(Φf−Φd)Iq+ΦqId
となり、(Φf−Φd)はd軸磁路のティースの飽和磁束量を超えることはできず、Φ
qはq軸磁路の飽和磁束量を超えることはできない。このことは、q軸磁路が磁気飽和し
ない限界までは、電磁ギャップ面積増大によりq軸インダクタンスを増大すると、リラク
タンストルクを増大できることを意味する。
つまり、磁気飽和磁気回路中における電磁ギャップ面積の増大は、電流減少により、銅
損の低減又はコイル断面積の減少を実現できる。コイル断面積の減少は、スロットの容積
を減少できるので、その分だけ鉄磁路断面積の増大により最大磁束量を増大させてリラク
タンストルクや界磁磁束を一層増大することができるとともに、ギャップ面積Sの増大に
より、インダクタンスを増大することができる。つまり、モータの体格増大及び損失増大
を防止しつつ出力増大を図る場合、ステータ磁極とロータ磁極との間のギャップ面積Sの
増大が重要であることが理解される。この発明によれば、電磁ギャップが径方向及び軸方
向に対して斜めに配置されているため、従来のラジアルギャップモータや従来のアキシャ
ルギャップモータに対して電磁ギャップの面積を容易に増大することができ、その分だけ
トルクを向上できる。
次に、この発明では、ロータに対する軸方向の磁気吸引力によりロータが軸方向に変位
したり、特にその外周部が曲げられたりしても、斜め電磁ギャップの軸方向距離は斜め電
磁ギャップの幅よりも大きいため、両者の接触を抑止することができる。斜め電磁ギャッ
プが径方向及び軸方向に対して45度傾斜している場合を例として説明すると、ステータ
周面とロータ周面との間の斜め電磁ギャップの幅をdとする時、斜め電磁ギャップの軸方
向距離は1.4dとなる。このため、トルク発生に重要な電磁ギャップ幅の縮小を実現し
つつ、ロータの軸方向変位や曲がりによるロータ接触事故を抑止可能なアキシャルギャッ
プモータを実現することができる。
次に、この発明では、従来の軸方向に薄く、軸方向前側又は後側に外周部が曲げ変形し
やすいアキシャルギャップモータにおいて、軸心を含む面において曲げ剛性を大幅に向上
することができる。このため、軸方向一方側への磁気吸引力がロータ外周部に作用しても
ロータの外周部が軸方向に曲げられることを良好に抑止することができる。結局、回転磁
界や軸方向磁気吸引力によるロータ(特にその外周部)の軸方向変位や軸方向振動を減ら
すことができる。また、ロータの曲げ剛性確保に必要なロータと回転軸(又は回転軸に固
定された筒部)との軸方向嵌合距離を確保しつつ、ロータのイナーシャも低減することが
できる。
第2発明において、前記ロータは、径方向最内側から径方向最外側まで径方向外側へ向
かうにつれて軸方向幅が次第に狭くなる。このようにすれば、上記効果を一層向上するこ
とができる。
第3発明において、前記ロータは、径方向外側へ向かうにつれて軸方向幅が次第に狭く
なる第1部分と、径方向外側へ向かうにつれて軸方向幅が次第に大きくなる第2部分とを
径方向交互に有する。このようにすれば、電磁ギャップ面積を大幅に増大できるため、小
型で高トルクのモータを実現することができる。
第4発明において、前記ロータの径方向最外側及び径方向最内側部分は、前記第1部分
からなる。このようにすれば、ロータのイナーシャの低減と軸方向曲げ剛性の向上とを実
現することができる。ここで言う軸方向曲げとは、ロータの先端部がステータの磁気吸引
力により引っ張られて軸方向へ曲がる現象を言う。
第5発明において、前記ロータ及び前記ステータコアの少なくとも一方は、長さ方向に
おいて次第に幅が変化する帯状鋼板を螺旋状に巻回して構成される螺旋巻きコアを有する
。このようにすれば、斜め電磁ギャップを持つ低鉄損のモータを簡素な工程にて製造する
ことができる。
第6発明において、前記螺旋巻きコアの軸方向端面は、前記斜め電磁ギャップに沿って
斜めに切断されている。このようにすれば、帯状鋼板の角部により斜め電磁ギャップの実
質幅が縮小することを防止することができる。
第7発明において、前記ロータは、軸方向積層鋼板からなる軸方向積層コアと、前記軸
方向積層コアの軸方向貫通孔に挿入、固定された前記螺旋巻きコアとを有し、前記ロータ
の前記軸方向積層コアの径方向外側にラジアルギャップを介して配置されて前記軸方向積
層コアとともに前記ラジアルギャップモータを構成する第2ステータを有する。
このようにすれば、実質的に2つの斜めギャップモータと一つのラジアルギャップモー
タとを一体かつコンパクトに形成することができる。更に、斜めギャップモータのロータ
コアを径方向に積層される螺旋巻きコアにより形成し、ラジアルギャップモータのロータ
コアを軸方向に積層される軸方向積層コアにより形成しているため、鉄損を大幅に低減す
ることができるうえ、軸方向積層コアにより螺旋巻きコアの緩みも防止することができる
第8発明において、前記第2ステータに巻装される第2ステータコイルは、前記ロータ
に軸方向に配置される前記ステータコアに巻装される前記アキシャルギャップモータ用の
前記ステータコイルと異なる位相にて駆動される。このようにすれば、多相ステータコイ
ルの配線を簡素化することができる。
第9発明において、前記ステータコアは、前記ロータの径方向片側に位置して少なくと
も軸方向へ磁束を通過させるヨーク部と、前記ヨーク部の軸方向両端部からそれぞれ径方
向へ延在する一対の先端部とを有するステータ磁極部を周方向へ所定ピッチで配列して構
成され、前記先端部は、前記斜め電磁ギャップに対面し、前記ステータコイルは、前記ス
テータコアの前記ヨーク部及び前記ステータ磁極部に囲まれるスロット部分に巻かれてい
る。
このようにすれば、簡素なステータ構造を実現することができる。そのうえ、ステータ
磁極部の径方向内端は斜め電磁ギャップに斜めに対面しているため、ステータ磁極部の軸
方向積層厚さに比べて電磁ギャップの面積を増大して、トルクを増大することができる。
なお、上記記載において、方向を逆とすれば、アウターロータ構造とすることができるこ
とは、当業者にとって周知事項であるため、この態様と技術的に均等である。
第10発明において、前記ヨーク部は、径方向に積層された複数層の鋼板からなり、前
記一対の先端部は、前記ヨーク部の軸方向両端部から径方向へ曲げられて径方向へ延在す
る。このようにすれば、コスト増大を抑止しつつ低鉄損の斜めギャップモータを実現する
ことができる。
第11発明において、前記各ステータ磁極部の各ヨーク部はつながっている。このよう
にすれば、簡素な構造の斜めギャップモータを実現することができる。また、周方向に配
列される各ステータ磁極部を円筒状のヨーク部で結合するため、ステータコアの機械的剛
性を向上することができる。
第12発明において、前記ステータコイルは、軸方向に隣接配置された2つの前記ステ
ータ磁極部の各スロットにリング状に巻回されている。このようにすれば、ステータコイ
ルの巻装作業を簡素化することができる。
第13発明において、前記ステータコイルは、前記ロータ軸心の周囲にリング状に配置
されるリングコイルからなる。このようにすれば、ステータコイルの巻装作業を簡素化す
ることができる。
第14発明において、前記ステータコアは、前記ロータの軸方向片側に位置して少なく
とも径方向へ磁束を通過させるヨーク部と、前記ヨーク部の径方向両端部からそれぞれ軸
方向へ延在する一対の先端部とを有するステータ磁極部を周方向へ所定ピッチで配列して
構成され、前記先端部は、前記斜め電磁ギャップに対面し、前記ステータコイルは、前記
ステータコアの前記ヨーク部及び前記ステータ磁極部に囲まれるスロット部分に巻かれて
いる。
このようにすれば、簡素なステータ構造を実現することができる。そのうえ、ステータ
磁極部の軸方向先端は斜め電磁ギャップに斜めに対面しているため、ステータ磁極部の径
方向積層厚さに比べて電磁ギャップの面積を増大して、トルクを増大することができる。
第15発明において、前記ヨーク部は、軸方向に積層された複数層の鋼板からなり、前
記一対の先端部は、前記ヨーク部の径方向両端部から軸方向へ曲げられて軸方向へ延在す
る。このようにすれば、コスト増大を抑止しつつ低鉄損の斜めギャップモータを実現する
ことができる。
第16発明において、前記各ステータ磁極部の各ヨーク部はつながっている。このよう
にすれば、簡素な構造の斜めギャップモータを実現することができる。また、周方向に配
列される各ステータ磁極部をリング状のヨーク部で結合するため、ステータコアの機械的
剛性を向上することができる。
第17発明において、前記ステータコイルは、径方向に隣接配置された2つの前記ステ
ータ磁極部の各スロットにリング状に巻回されている。このようにすれば、ステータコイ
ルの巻装作業を簡素化することができる。
第18発明において、前記ステータコイルは、前記ロータ軸心の周囲にリング状に配置
されるリングコイルからなる。このようにすれば、ステータコイルの巻装作業を簡素化す
ることができる。
第19発明において、前記ステータ及び前記ロータのペアは、軸方向に複数配置され、
前記各ペアのロータは、同一の回転軸に固定され、前記各ペアのステータコイルは、異な
る相コイルをなす。このようにすれば、簡素な構造のタンデム型多相モータを実現するこ
とができる。
第20発明において、前記ステータコイルが前記軸方向前側の電磁ギャップに形成する
前側の回転磁界と、前記ステータコイルが前記軸方向後側の電磁ギャップに形成する後側
の回転磁界とは、周方向同一位相とされ、前記ロータは、軸方向に磁化された永久磁石を
有する。このようにすれば、軸方向両側の電磁ギャップで発生するトルクの周方向分布を
等しくすることができるので、ロータの無駄な曲げを減らすことができる。更に、ロータ
に軸方向へ流れる磁束を大幅に減らすことができるため、ロータの軸方向両側の軸方向磁
気吸引力のばらつきを大幅に減らすことができる。
更に説明すると、斜めギャップを含むアキシャルギャップを挟んで軸方向に対面するス
テータとロータとの間の磁気吸引力は、アキシャルギャップの軸方向幅ではなく、アキシ
ャルギャップを軸方向に流れる磁束量に比例する。アキシャルギャップの磁束量は、ロー
タの永久磁石の磁石磁束と、両側のステータコイルの電流磁束との和となる。両側のステ
ータコイルの電流の周方向分布及び大きさを等しくすることにより、この斜めギャップモ
ータには磁気吸引力の差によって軸方向スラストがほとんど発生しないことを意味する。
これにより、スラストベアリングを用いることなく、斜めギャップモータを実現すること
ができる。なお、ロータは、周方向に磁束を流すためのヨークを必要としないので、樹脂
などの非磁性絶縁体により作製することもでき、イナーシャを低減することができる。
第21発明において、前記ロータは、帯状鋼板を螺旋状に巻回して構成される螺旋巻き
コアを有し、前記永久磁石は、前記螺旋巻きコアに周方向所定ピッチで軸方向に形成され
た磁石収容孔に収容されている。これにより、簡素な構造、製法にてリラクタンストルク
と磁石トルクとを利用できる斜めギャップモータを実現することができる。
第22発明において、前記ステータコイルが前記軸方向前側の電磁ギャップに形成する
前側の回転磁界と、前記ステータコイルが前記軸方向後側の電磁ギャップに形成する後側
の回転磁界とは、周方向同一位相とされ、前記ロータは、帯状鋼板を螺旋状に巻回して構
成される螺旋巻きコアを有し、前記螺旋巻きコアは、周方向同位置にて軸方向両側に突出
している。このようにすれば、軸方向両側の電磁ギャップで発生するリラクタンストルク
の周方向分布を等しくすることができるので、ロータの無駄な曲げを減らすことができる
。更に、ロータに軸方向へ流れる磁束を大幅に減らすことができるため、ロータの軸方向
両側の軸方向磁気吸引力のばらつきを減らすことができる。
更に説明すると、斜めギャップを含むアキシャルギャップを挟んで軸方向に対面するス
テータとロータとの間の磁気吸引力は、アキシャルギャップの軸方向幅ではなく、アキシ
ャルギャップを軸方向に流れる磁束量に比例する。アキシャルギャップの磁束量は、両側
のステータコイルの電流磁束により形成される。両側のステータコイルの電流の周方向分
布及び大きさを等しくすることにより、この斜めギャップモータには磁気吸引力の差によ
って軸方向スラストがほとんど発生しない。これは、両側のステータコイルの電流の周方
向分布及び大きさの一致により、ロータ内を周方向に流れる磁束をほとんど0とすること
ができるためである。スラストベアリングを用いることなく、リラクタンストルク型の斜
めギャップモータを実現することができる。なお、ロータは、周方向に磁束を流すための
ヨークを必要としないので、樹脂などの非磁性絶縁体により作製することもでき、イナー
シャを低減することができる。
第23発明において、前記ステータと前記ロータとの間の電磁ギャップは、階段状に形
成されている。このようにすれば、電磁ギャップの面積を増大することができる。
第24発明において、前記ステータは、斜め方向に積層された鋼板により形成されたス
テータ磁極部を有する。これにより、実質的な電磁ギャップ幅を増大することができる。
第25発明において、前記ロータは、接線方向に積層された鋼板により形成されて放射
状に配置されたロータ磁極部を有する。これにより、ロータのイナーシャを低減すること
ができる。
第26発明において、前記ロータは、前記前側ロータ周面に近接して延在する前側のコ
イル導体と、前記後側ロータ周面に近接して延在する後側のコイル導体とを有し、前記前
側のコイル導体の径方向外端は前記後側のコイル導体の径方向外端に連なっている。これ
により、ロータの径方向一方側特に径方向外側のコイルエンドを短縮することができる。
第27発明において、 前記ロータ周面と前記ステータ周面との間の電磁ギャップの径
方向内側部分に外部から冷却空気流を導入する空気吸入孔と、前記ロータ周面と前記ステ
ータ周面との間の電磁ギャップの径方向外側部分から外部へ冷却空気流を排出する空気排
出孔とを有し、前記ロータは、電機子コイルが収容されるスロットを有し、前記スロット
は前記電機子コイルが存在しない空隙部を有し、前記空隙部は、略径方向に延在して冷却
空気流を径方向外側に流す翼部を兼ねる。ロータが遠心ファン機能をもつので、ロータ及
びステータを良好に冷却することができる。
第28発明において、前記回転軸に固定された一対のスリップリングと、前記回転軸側
に固定されて前記一対のスリップリングを通じて外部から直流電源電圧が印加されるイン
バータとを有し、前記ロータは、前記インバータから交流電流が通電される電機子コイル
を有し、インナーロータ構造を有する。これにより、電機子コイルの巻装作業を簡素化し
、インバータの温度上昇を防止しつつ直流モータの整流子を省略することができる。なお
、このモータは、従来のブラシレス同期モータ(同期モータ)にスリップリングを追加し
て回転電機子型とした構造となるが、インナーロータ構造においては、電機子コイルへの
電機子コイル(本明細書で言うステータコイルに相当する)の巻装が容易となり、電機子
コイルの冷却が改善され、インバータの冷却が改善され、ロータに比べて量が多いステー
タコアを積層鋼板を用いずに安価な軟鉄材料で製作できるという多くの利点を有する。
好適な態様において、ロータには、インバータを制御する回路も実装される。このよう
にすれば、この制御回路に信号を送るだけでインバータの複数のスイッチング素子を制御
することができる。
好適な態様において、回転角を検出する複数の整流子片が回転軸に取り付けられ、この
整流子片は、モータ給電用の正負一対のブラシに交互に接する。このようにすれば、これ
ら複数の整流子片の電位によりインバータの複数のスイッチング素子を容易に断続制御す
ることができる。
好適な態様において、回転軸に固定された光学式ロータリーエンコーダの発光部及び受
光部が回転軸側に固定され、発光部と受光部との間の光を変調するための所定パターンの
光通過溝を設けた光通過ディスクがハウジング側に固定される。これにより、回転軸側の
制御回路は、受光部側から角度信号を受け取ることができる。
このようにすれば、モータを回転させるための回路がすべてロータに実装されているた
め、モータの正負のブラシに電源電圧を加えるだけでモータを回転させることができ、全
体構成をコンパクト化することができる。
第29発明において、前記ステータは、静止軸に固定され、前記ロータの外周面は、外
部とトルクを授受するためのトルク発生機構を有し、前記ロータは、前記前側ステータ周
面の軸方向前側に位置する前記前側ロータ周面と、前記後側ステータ周面の軸方向後側に
位置する前記後側ロータ周面とを有して、前記静止軸に回転自在に支持されるアウターロ
ータ型構造を有する。なお、ここで言うトルク発生機構とは、ロータの外周面はプーリ又
は歯車又は流体とトルクを授受する翼部を意味するものとする。このようにすれば、軸ぶ
れを抑止したアウターロータを実現することができる。
第30発明において、前記ロータは、前記前側ロータ周面から前記後側ロータ周面に磁
束を流す軟磁性部材により構成され、周方向に所定間隔を隔てて配列される複数の軟磁性
セグメントと、前記各軟磁性セグメントを磁気的に連結する周方向磁気連結部材であるヨ
ークを含むことなく前記軟磁性セグメントを支持する非磁性の輪盤状部材とを有し、前記
ロータは、リラクタンストルクを発生する。このようにすれば、ロータが周方向に磁束を
流すヨークを持たないので、イナーシャの低減と、ロータに作用する磁気吸引力のアンバ
ランスを低減することができる。また、ロータの鉄損を低減することができる。
第31発明において、前記ロータは、前記前側ロータ周面から前記後側ロータ周面に磁
束を流す軟磁性部材により構成され、周方向に所定間隔を隔てて配列される複数の軟磁性
セグメントと、前記各軟磁性セグメントを磁気的に連結する周方向磁気連結部材であるヨ
ークを含むことなく前記軟磁性セグメントを支持する導電性の輪盤状部材とを有し、前記
ロータは、誘導トルクを発生する。このようにすれば、ロータが周方向に磁束を流すヨー
クを持たないので、イナーシャの低減と、ロータに作用する磁気吸引力のアンバランスを
低減することができる。また、ロータの鉄損を低減することができる。
第32発明において、前記ステータ及びロータが前記軸方向前側の電磁ギャップに形成
する前側磁束の量と、前記ステータ及びロータが前記軸方向後側の電磁ギャップに形成す
る後側磁束の量とを、略等しく設定したことをその特徴としている。なお、ここで言う「
略等しく設定」とは、両側の磁束量の差を10%未満とすることを意味する。
既述したように、アキシャルギャップ(斜め電磁ギャップを含む)における軸方向の磁
気吸引力は、軸方向ギャップ幅よりもアキシャルギャップの軸方向の磁束の量に強い関係
をもつ。このことは、ロータの両側の磁束量の軸方向磁束量を一致させれば、ロータが磁
気吸引力により軸方向に変位するのを、簡単なラジアル軸受けの軸方向位置保存力だけで
実用上問題なく維持できることを意味する。
次に、アキシャルギャップを通過する磁束量について考える。この磁束は、ロータ軸方
向貫通磁束と、ロータ軸方向非貫通磁束とに分類される。ここで言うロータ軸方向貫通磁
束とは、たとえば永久磁石などの界磁回路などにより、ロータを軸方向一方側に貫通し、
更にロータ両側の2つのアキシャルギャップ(斜め電磁ギャップを含む)を貫通し、更に
ロータの径方向外側に設けられて両側のステータを磁気的に短絡する環状のヨークにより
戻る磁束である。このような磁束は、たとえば軸方向に磁化されてロータにヨーク無しで
固定された永久磁石や、ロータの径方向外側に配置された界磁コイルにより形成される。
このロータ軸方向非貫通磁束の量は、2つのアキシャルギャップにおいて等しいため、ロ
ータに作用する磁気吸引力の差を発生しない。
問題となるのは、ロータ軸方向非貫通磁束である。ここで言うロータ軸方向非貫通磁束
とは、前側のステータから出てロータに入り、ロータ内を周方向に流れてふたたび前側の
ステータに戻る前側磁束と、後側のステータから出てロータに入り、ロータ内を周方向に
流れてふたたび後側のステータに戻る後側磁束とからなる。
これら前側磁束や後側磁束は、ステータコイルやロータの永久磁石により形成されるが
、特に、周方向に延在するヨークをロータに配置する場合に特に顕著となる。結局、前側
の電磁ギャップのロータ軸方向非貫通磁束と、後側の電磁ギャップのロータ軸方向非貫通
磁束との量を略一致させることにより、ロータに作用する前側の磁気吸引力と後側の磁気
吸引力とを良好にバランスさせることができる。
なお、ここで注意することは、このロータ軸方向非貫通磁束においては、磁束の方向は
関係が無いということである。つまり、前側のアキシャルギャップにおけるロータ軸方向
非貫通磁束の軸方向磁束密度の平均値と、後側のアキシャルギャップにおけるロータ軸方
向非貫通磁束の軸方向磁束密度の平均値とを略一致させることにより、ロータに作用する
軸方向吸引力をほぼ相殺することができるわけである。
好適には、前側のステータと後側のステータとは同一形状に形成され、両方のステータ
コイルには等しい電流が通電される。これにより、主としてステータコイル電流により形
成されるロータ軸方向非貫通磁束のばらつきを減らしてロータの軸方向吸引力を良好に相
殺することができる。更に好適には、ロータに周方向へ流れる磁束の通路となるヨークを
設けない。これにより、両側のロータ軸方向非貫通磁束がそれぞれこのロータのヨークを
通じて流れることにより、アンバランスとなることを良好に防止することができる。
好適な態様において、前記ステータ及びロータが前記軸方向前側の電磁ギャップに形成
する前側磁束の周方向分布と、前記ステータ及びロータが前記軸方向後側の電磁ギャップ
に形成する後側磁束の周方向分布とは、略等しくされる。なお、ここで言う周方向分布を
略等しくするとは、両側の磁束の大きさの差と位相の差との両方がそれぞれ10%未満の
状態を意味するものとする。
更に説明すると、斜め電磁ギャップを含むアキシャルギャップを挟んで軸方向に対面す
るステータとロータとの間の磁気吸引力は、アキシャルギャップを軸方向に流れる磁束量
に比例する。たとえば磁石式同期モータでは、アキシャルギャップの磁束量は、ロータの
磁石磁束と、両側のステータコイルの電流磁束との和となる。両側のステータコイルの電
流の周方向分布及び大きさを等しくすることにより、この斜めギャップモータには磁気吸
引力の差によって軸方向スラストがほとんど発生しないことを意味する。これにより、ス
ラストベアリングを用いることなく、斜めギャップモータを実現することができる。
好適には、ロータは、周方向に磁束を流すためのヨークをもたない。この場合には、樹
脂などの非磁性絶縁体により作製することもでき、イナーシャを低減することができる。
第33発明において、前記ロータの外周面に、回転側筒状永久磁石が配置され、ハウジ
ングに固定されて前記回転側筒状永久磁石に対して小さい径方向電磁ギャップを隔てて静
止側筒状永久磁石が配置され、前記回転側筒状永久磁石及び静止側筒状永久磁石は、軸方
向所定ピッチでリング状のN極とリング状のS極とを有し、前記回転側筒状永久磁石のN極と前記静止側筒状永久磁石のS極とは軸方向同位置に、前記回転側筒状永久磁石のS極と前記静止側筒状永久磁石のN極とは軸方向同位置に配置されることをその特徴としている。
すなわち、この発明は、アキシャルギャップモータのロータ外周面に軸方向に所定距離
離れて永久磁石により形成される磁極すなわち磁石磁極であるN極とS極とを設け、同じ
く、このロータ外周面に軸方向に所定距離離れた位置にて同じく磁石磁極であるS極とN
極とをハウジング側に設け、ロータのN極とステータのS極とを軸方向に一致させ、ロー
タのS極とステータのN極とを一致させたものである。これらの磁石磁極はリング状に形
成されることが好適である。
このようにすれば、ロータが軸方向に変位すると、ロータとハウジングとの間の異極の
磁石磁極間の磁気吸引力はロータの軸方向変位とは逆向きの軸方向吸引成分を発生させる
ため、ロータの軸方向変位は抑制される。更に、ロータの軸方向変位により、ロータとハ
ウジングとの間の同極の磁石磁極間の磁気反発力の軸方向逆変位向きの成分が増大するた
め、ロータの軸方向変位は一層抑制される。これにより、アキシャルギャップモータとは
別にスラスト磁気軸受けを設けることなく、アキシャルギャップモータのトルク発生部と
して用いない部位を利用してコンパクトに磁石式ロータ軸方向変位防止機構を設けること
ができる。
好適な態様において、前記静止側筒状永久磁石の外周面に接して筒状のヨークが設けら
れている。これにより、簡素な構造にてこの磁石式ロータ軸方向変位防止機構の磁束を強
化することができる。
第34発明において、前記電磁ギャップの径方向内側に位置する前記ロータの内側前端
面及び内側後端面に回転側円盤状永久磁石がそれぞれ配置され、ハウジングに固定されて
前記回転側円盤状永久磁石に対して小さい軸方向電磁ギャップを隔てて静止側円盤状永久
磁石が配置され、前記回転側円盤状永久磁石及び静止側円盤状永久磁石は、軸方向所定ピ
ッチでリング状のN極とリング状のS極とを有し、前記回転側円盤状永久磁石のN極と前記静止側円盤状永久磁石のN極とは径方向同位置に、前記回転側円盤状永久磁石のS極と前記静止側円盤状永久磁石のS極とは径方向同位置に配置されることを特徴としている。
すなわち、この発明は、アキシャルギャップモータのトルク発生部よりも径方向内側に
位置して、磁石式ロータ軸方向変位防止機構を設けたものである。ただし、この発明では
、ハウジング側とロータ側の径方向等径部分には同極性の磁極が永久磁石により形成され
る。
このようにすれば、ロータが軸方向に変位すると、ギャップが狭くなる側では、近接す
るハウジング側とロータ側との同極性の磁極の反発が強くなり、ギャップが広くなる側で
は、近接するハウジング側とロータ側との同極性の磁極の反発が弱くなるため、ロータは
、ロータの軸方向変位と逆向きに付勢される。これにより、アキシャルギャップモータと
は別にスラスト磁気軸受けを設けることなく、アキシャルギャップモータのトルク発生部
として用いない部位を利用してコンパクトに磁石式ロータ軸方向変位防止機構を設けるこ
とができる。
第35発明において、前記ロータの軸方向一方側へのスラストを受けるスラスト軸受け
を有し、前記前側ロータ周面は、前記ロータ及び前記ステータに設けられた永久磁石の磁
界により前方に吸引され、前記後側ロータ周面は、前記ロータ及び前記ステータに設けら
れた永久磁石の磁界により後方に吸引され、前記前側ロータ周面が受ける前記磁気吸引力
と前記後側ロータ周面が受ける前記磁気吸引力のうち、前記スラスト軸受けの前記スラス
トを増加する側の前記磁気吸引力は、前記スラスト軸受けの前記スラストを減少させる側
の前記磁気吸引力よりも大きい。このようにすれば、1つのスラスト軸受けにより、ロー
タの軸方向変位を防止することができる。
なお、上記した各発明の構造を、斜め電磁ギャップ型アキシャルギャップモータではなく、径方向に延在する通常のアキシャルギャップモータに適用することも可能である。
第36、第37発明は、微小な電磁ギャップを隔てて対面するステータ及びロータを有するモータと、前記モータとトルク授受する回転装置とを備え、前記回転装置は、前記モータの回転軸に結合された回転軸と、前記回転軸に固定されてガス又は液体により駆動されるか又は前記ガス又は液体を駆動する回転体と、前記ガス又は液体から前記回転体に与えられる軸方向力である回転体スラストを支持するスラスト軸受けとを有する電動式流体駆動装置に適用される。この種の回転装置は、ファン、ブロワ、コンプレッサ、タービン、ポンプ、発電用の水車などを含む。流体としては、ガスや液体を含む。たとえば、タービンは、オットーサイクルエンジンの吸入負圧により駆動される吸気タービンを含む。コンプレッサは、斜板式コンプレッサなどの容積型コンプレッサにより構成されることもできる。
第36発明の電動式流体駆動装置において、前記モータは、前記ステータと前記ロータとが前記電磁ギャップを隔てて少なくとも軸方向に対面するアキシャルギャップモータからなり、前記回転体は、回転時に前記ガス又は液体から軸方向一方側に付勢され、前記アキシャルギャップモータの前記ロータは、通電により前記アキシャルギャップモータの前記ステータに向けて前記軸方向一方側に電磁的に吸引され、前記スラスト軸受けは、前記ステータと前記ロータとの間の電磁力により前記回転体スラストと軸方向同じ向きに前記ロータに与えられるロータスラストと前記回転体トラストとの両方を一緒に支承する。ここでいう電動式流体駆動装置に用いるアキシャルギャップモータは、ステータとロータとの間の電磁ギャップが軸方向断面において、軸方向及び径方向に対して斜めに延在する斜めギャップモータを含む。
この発明の電動式流体駆動装置は、回転装置の回転体に作用する軸方向力(スラスト)を支持するために回転装置に設けられたスラスト軸受けが、この回転装置の回転体と同軸接続されてトルクを授受するアキシャルギャップモータのロータの電磁吸引力も支持する。つまり、回転体に作用するスラスト(回転体スラスト)と電磁吸引力とは同じ向きに設定される。アキシャルギャップモータが、ディスク状のロータの両端面に別々に対面する2つのステータをもつ場合には、ロータの両端面に軸方向反対向きに作用する2つの電磁吸引力の合計が常に、回転体に作用する回転体スラストと軸方向同じ向きとする。
これにより、アキシャルギャップモータのロータに軸方向へ作用する電磁吸引力が回転体スラストを作用する回転装置のスラスト軸受けにより支持される。その結果、アキシャルギャップモータはスラスト軸受けを装備する必要がないため、アキシャルギャップモータを非常にコンパクトかつ簡素に構成することができる。更に、アキシャルギャップモータの軸方向長を短縮することができるため、電動式流体駆動装置を大幅に小型化することができる。なお、回転装置のスラスト軸受けとしてアンギュラ軸受けを採用しても良い。また、アキシャルギャップモータにスラスト軸受けを設け、このスラスト軸受けが回転装置の回転体に作用する回転体スラストを支持する構造も、同一効果を奏するため、本発明に含まれる。
第37発明の電動式流体駆動装置において、前記回転装置は、前記回転体の軸方向他端側に形成されて前記ガス又は液体とエネルギーを授受する翼部を有し、前記アキシャルギャップモータの前記ロータは、前記回転体の軸方向一端側に固定されている。このようにすれば、回転装置の回転体の反翼部側の背面にモータのロータが形成されているため、電動式流体駆動装置の軸方向長を更に短縮することができる。更に、電動式流体駆動装置のイナーシャを減らすことができるため、その加速性を向上することができる。
第38発明において、前記アキシャルギャップモータの前記ロータは、非磁性金属材料により形成されたラジアルコンプレッサの翼車の背面に固定される軟磁性のロータコアを有し、前記ステータは、前記電磁ギャップギャップを隔てて前記翼車の背面に対面する。これにより、コンパクトな電動ラジアルコンプレッサを実現することができる。また、回転軸が短いため、その振動を押さえることができ、高速回転が脳となる。この装置は、急激な加速が必要な電動ターボチャージャのラジアルコンプレッサに好適に適用される。
好適には、この電動ターボチャージャ又は電動ラジアルコンプレッサは、ステータコイルが巻装された軟磁性のステータコアを有するステータと、ステータの周面に小ギャップを隔てて相対回転自在に配置されたロータとを有するモータにおいて、ロータは、非磁性金属材料により形成されたラジアルコンプレッサの翼車の背面に固定される軟磁性のロータコアを有し、ステータは、小ギャップを隔てて翼車の背面に対面する構造をもつ。ラジアルコンプレッサは流入口及び吐出口を有して翼車を囲むケーシングをもち、翼車は回転軸に固定された円盤部と、円盤部の一端面に放射状に固定された多数の翼部とを有もつ。流入口から吸入したガス流は翼部により径方向外側に付勢されて吐出口へ吹き出される。
このようにすれば、モータのロータが回転翼車と一体に構成されているので、軸方向長を短縮でき、イナーシャを低減することができるため、コンパクトで高速回転が可能な電動ラジアルコンプレッサを実現することができる。この電動ラジアルコンプレッサは、電動ターボチャージャやマイクロガスタービン結合モータとして好適に採用することができる。モータのロータは、ラジアルコンプレッサの翼車を鋳造する金型内に軟磁性のロータコアをセットし、アルミニウム溶湯を注入し、固体化するダイキャスト法により一体に形成することができる。
好適態様において、モータとして、かご形誘導モータが採用され、かご形誘導モータの二次コイルを兼ねる非磁性金属製の回転翼車が採用される。このようにすれば、回転翼車の背面にロータ磁路部材をインサート成形などで追加すればよく、回転翼車兼ロータをコンパクトに作製することができる。
好適態様において、モータは、リラクタンスモータとされる。このようにすれば、翼車の背面にロータ磁路部材をインサート成形などで追加すればよく、翼車兼ロータをコンパクトに作製することができる。
好適態様において、モータはリラクタンスモータとされ、モータのロータは、回転翼車の背面から突出する軟磁性のセグメントからなり、このセグメントは、略径方向に延在し、略軸方向に突出し、略周方向に積層された鋼板からなる。このようにすれば、モータのロータの磁路構造を簡素化することができるため、イナーシャを低減することができる。
本発明の好適な実施態様を以下の実施例を参照して説明する。ただし、本発明は下記の
実施例に限定されるものではなく、本明細書に開示された本発明の技術思想をこの実施例
以外の公知技術又はそれと同等機能をもつ技術を組み合わせて実施しても良いことは当然
である。
(実施例1)
実施形態1の斜めギャップモータを図1を参照して説明する。図1は、このモータの軸
方向模式断面図である。この斜めギャップモータは、ロータの軸方向両側にステータ磁極
が配置されるモータであるダブルギャップ式のアキシャルギャップモータの1形態と考え
ることができる。
1はロータ、2は前側ステータ、3は後側ステータ、4は前側ハウジング、5は後側ハ
ウジング、6は回転軸、7は軸受け、8は磁石式ロータ軸方向変位防止機構である。
ロータ1は、円盤状の基筒部9に嵌着、固定されており、基筒部9は、基筒部9は、繊
維強化樹脂材からなる円筒形状を有して回転軸6に嵌着、固定されている。回転軸6は前
側ハウジング4及び後側ハウジング5に軸受け7を介して回転自在に支持されている。
前側ステータ2は、前側ハウジング4の内端面に固定される輪板状の部材である。後側
ステータ3は、後側ハウジング5の内端面に固定される輪板状の部材である。前側ハウジ
ング4と後側ハウジング5とは、浅底の椀状部材であって内部に前側ステータ2、後側ス
テータ3及びロータ1を収容する密閉空間を形成している。
ロータ1は、前側ステータ2と後側ステータ3との間にそれぞれ小さいギャップ10、
11を介して配置されている。ギャップ10は前側の斜め電磁ギャップ、ギャップ11は
後側の斜め電磁ギャップである。なお、図1では、ギャップ10、11は広く図示されて
いるが、実際には1mm以下とされている。ロータ1の前端面及び後端面は、ロータ周面
を構成している。20は前側ステータ2のステータ周面、30は後側ステータ3のステー
タ周面である。前側ステータ2は、前側ステータコア21と、前側ステータコア21に巻
装された前側ステータコイル22とからなる。後側ステータ3は、後側ステータ31と、
後側ステータ31に巻装された後側ステータコイル32からなる。
ロータ1を図3、図4を参照して説明する。この実施形態のロータ1は、
繊維強化樹脂材の円盤形状をもつ非磁性絶縁部材である円盤体18と、円盤体18に埋め
込まれた軟磁性セグメント17とからなる。円盤体18は、上記した基筒部9と一体に形
成されている。つまり、図3に示す円盤体18の径方向内側部分は、図1に示す基筒部9
を構成している。
電気角πピッチで周方向に配列された6個の軟磁性セグメント17は、アモルファス軟
磁性粉を樹脂で固めた構造を有しており、その軸方向両端面は、図1、図3、図4に示す
ようにロータ1の両端面から露出して、アキシャルギャップ10,11に対面している。
このロータ1はリラクタンスモータのロータを構成する。
ステータ2、3の構造を図1、図2を参照して説明する。図2は、前側ステータ2の周
方向部分断面図である。
前側ステータ2のステータコア21は、帯状の電磁鋼板を基筒部9の外周部に螺旋巻き
されて作製されている。ステータコア21は、周方向に磁束を流すヨーク10と、ヨーク
210からロータ周面20に向けて突出するティース211及びスロット212とを有し
ている。スロット212には、ステータコイル22が巻装されている。スロット212は
、径方向に形成されている。ヨーク210の背面には、ティース211と周方向同位置に
て溝213が径方向に形成されている。溝213は、前側ハウジング4の突部41に嵌合
し、前側ステータ2の回転を防止している。後側ステータ3についても同じである。
前側ステータ2のステータコイル22と後側ステータ3のステータコイル32は、通常
のラジアルギャップモータのそれと同じく、集中巻きや分布巻きにてステータコア21、
31に巻装されて、斜め電磁ギャップ10、111に回転磁界を形成する。
この実施形態で重要なことは、ステータコア21、31は同じ構造に形成され、ステー
タコイル22、32も同じ構造に形成される。ステータコイル22、32の電流の周方向
分布及び大きさは、同じとされている。これにより、前側ステータ2のステータコイル2
2が形成してロータ1に流れた磁束はすべて後側ステータ3に流れ、後側ステータ3のス
テータコイル32が形成してロータ1に流れた磁束はすべて前側ステータ2に流れる。こ
れにより、前側の斜め電磁ギャップ10の周方向磁束分布と後側の斜め電磁ギャップ11
の周方向磁束分布とは、大きさも位相も同じとなっている。これにより、ロータ1の軸方
向変位により斜め電磁ギャップ10と斜め電磁ギャップ11との幅が異なっても、ロータ
1に作用する軸方向磁気吸引力はほぼ等しくなり、互いに相殺する。
なお、図2に示すハウジングとステータコアとの凹凸嵌合によるステータ回転防止機構
は、通常のアキシャルギャップモータにも適用することができる。特に重要な点は、ステ
ータコアの溝23がティース211と周方向同一位置に設けられることである。これによ
り、バックヨークの磁気抵抗を低減することができる。
このモータは、従来のモータと同様、ステータコイル22,32が形成する回転磁界に
より回転する。リラクタンスモータの回転原理自体は、モータ技術者にとって周知事項で
あるため、これ以上の説明は省略する。
(変形態様)
軟磁性セグメント17を、円弧状の鋼板を径方向に積層して構成してもよい。
円盤体18をたとえばアルミダイキャストにより形成される非磁性導電部材とすれば、
このロータ1をかご形誘導モータのロータとすることができる。もちろん、この場合、円
盤体18はかご形の二次コイルを構成する。この態様でも、円盤体18は図1に示す基筒
部9と一体に形成することができる。このロータ1の特徴は、図1に示すように斜め電磁
ギャップ10、11に面する両端面である前側ロータ周面が、径方向及び軸方向に対して
斜めに形成されている点にある。軟磁性セグメント17を円弧状の鋼板で形成する場合、
各円弧状鋼板の軸方向幅は径方向外側へ向けて次第に幅方向中心に向けて狭くなっている
。誘導モータの動作原理は良く知られているので、説明は省略される。
図5を参照してロータ1の変形態様を説明する。この変形態様は、図3に示す樹脂製の
円盤体18に軟磁性セグメント17を埋め込んでなるロータにおいて、軟磁性セグメント
17に掛かる遠心力に良好に耐えるロータ構造を示す。図5は、ロータ1の径方向半断面
図を示す。ロータ1の円盤体18は、軟磁性セグメント17の周囲に巻回された繊維補強
部181と、互いに周方向に隣接する繊維補強部181の間に充填された樹脂中間部18
2と、軟磁性セグメント17の径方向内側に位置して軟磁性セグメント17とともに繊維
補強部181に巻かれて図1に示す基筒部9をなす内側筒部183とからなる。繊維補強
部181は、炭素繊維やガラス繊維に樹脂を含浸させてなる。内側筒部183には軸方向
に繊維が挿入されている。もちろん、樹脂中間部182にも繊維を導入しても良い。
ステータ2とステータ3とは、略等しい強度と略等しい位相とをもつ回転磁界を形成す
る。なお、この明細書で言う略等しいとは、差が10%未満を言う。
このようにすれば、ロータ1が周方向へ磁束を流すヨークのほとんどは、ステータ2、
3の両方と鎖交するため、ステータコア21とロータ1の軟磁性セグメント17との間の
磁気吸引力と、ステータコア31と軟磁性セグメント17との間の磁気吸引力とを、ロー
タ1の軸方向位置変位にかかわらずほぼ等しくすることができるので、ロータ1が軸方向
片側に強く引っ張られることがなく、軸方向変位を受承するためのスラスト軸受けの設置
を省略することができる。
(コイル式ロータ軸方向変位防止機構80)
図1に示すロータ軸方向変位防止機構8は、ロータ1に対して磁気反発力を与えてロー
タ1の軸方向変位を抑止する機構である。このロータ軸方向変位防止機構8の一例として
のコイル式ロータ軸方向変位防止機構80を図6を参照して説明する。
このコイル式ロータ軸方向変位防止機構80は、前側ハウジング4及び後側ハウジング
5に固定された軟磁性コア84と、軟磁性コア84のリング状のスロットに巻装されたリ
ングコイル85と、ロータ1の樹脂製の基筒部9に埋め込まれた軟磁性輪板90とからな
る。基筒部9が軟磁性をもつ場合には、この軟磁性の基筒部9により軟磁性輪板90を省
略してもよい。
軟磁性輪板90に対面する軟磁性コア84の輪状面のうち、スロットの径方向外側部分
とスロットの径方向内側部分とは、スロット内のリングコイル85に直流電流を通電する
ことにより、逆向きの磁極面となり、直流電流の大きさに比例する磁気吸引力で、軟磁性
輪板90を軸方向に吸引する。2つのリング後イル85の電流を調整することにより、ギ
ャップ10A、10Bとの幅を適正に調節することができる。
ギャップ幅調整回路の一例を図7を参照して説明する。
前側のコイル85の電流を調整する図7に示すギャップ調整回路88は、コントローラ
880、PWMドライバ881、パワーMOSトランジスタ882、フライホイルダイオ
ード883、増幅回路884、バンドパスフィルタ88、整流回路886をもつ。
コントローラ880は、所定のキャリヤ周波数で所定のデューティのPWM電圧をパワ
ーMOSトランジスタ882のゲート端子に出力するように出力PWMドライバ881に
指令し、パワーMOSトランジスタ882は入力信号に応じてスイッチングされる。これ
により、リングコイル85には所定の電流が通電される。
リングコイル85に流れる電流は、リングコイル85と直列接続された電流検出抵抗に
より検出されて増幅回路884にて電圧増幅され、バンドパスフィルタ88でキャリヤ周
波数成分が抽出され、このキャリヤ周波数成分は、整流回路886で整流されて直流信号
電圧となる。
この直流信号電圧は、コントローラ880に内蔵されたA/Dコンバータでデジタル信
号に変換される。したがって、このデジタル信号は、リングコイル85に流れるキャリヤ
周波数の交流電流の振幅を示す。この電流は、パワーMOSトランジスタ882のデュー
ティとリングコイル85のインダクタンスにより変化する。あらかじめ求められたデュー
ティとデジタル信号との関係に基づいて、コントローラ880に入力されたデジタル信号
は補正されて、デューティに無関係の補正済みデジタル信号が算出され、この補正済みデ
ジタル信号は、リングコイル8のインダクタンスの関数となる。この補正済みデジタル信
号の大きさは、リングコイル85のインダクタンスに反比例するため、ギャップ10Aの
軸方向幅に略比例する。したがって、この補正済みデジタル信号が適正値となるように、
デューティをフィードバック制御すればよい。なお、上記説明では、前側のリングコイル
の電流調整について説明したが、後側のリングコイルの電流調整も同じである。もちろん
、公知の他のギャップ幅検出手段を用いてリングコイル電流を調節してギャップ幅調整を
おこなってもよい。
このコイル式ロータ軸方向変位防止機構も、アキシャルギャップモータのトルク発生部
よりも径方向内側に配置されているため、ロータ位置保持制御をコンパクトに実現するこ
とができる。
なお、このコイル式ロータ軸方向変位防止機構8は、斜めギャップモータではなく、通
常のアキシャルギャップモータにも採用することができることは明白である。
(実施例2)
実施形態2の斜めギャップモータを図8を参照して説明する。
この斜めギャップモータは、図1に示す斜めギャップモータにおいて、ロータ1の構造
及びロータ軸方向変位防止機構8の構造を変更したものであるため、ロータ1の構造及び
ロータ軸方向変位防止機構8を以下に説明する。
ロータ1は、帯状の電磁鋼板を基筒部9の外周部に螺旋巻きした螺旋巻きコアからなり
、軟磁性の基筒部9の外周部に嵌着、固定されている。このロータ1の特徴は、図1に示
すように斜め電磁ギャップ10、11に面する両端面である前側ロータ周面が、径方向及
び軸方向に対して斜めに形成されている点にある。この斜めのロータ周面を形成するため
に帯状鋼板の幅は帯状鋼板の基端から先端に向けて次第に幅方向中心に向けて狭くなって
いる。
ロータ1の更なる詳細を図9に示す周方向部分展開図を参照して説明する。ロータ1は
、IPMモータ用のロータであって、ロータ1の幅方向中央部には、径方向に延在する磁
石収容溝12と及びフラックスバリア13が形成されている。フラックスバリア13は、
磁石収容溝12の周方向両側に配置されている。磁石収容溝12は、周方向に長く形成さ
れ、フラックスバリア13は軸方向に長く形成されている。磁石収容溝12に収容された
永久磁石14は、軸方向に磁化されており、周方向に隣接する2つの永久磁石14は逆向
きに磁化されている。15はq軸インダクタンスを増大させるための磁路であり、16は
フラックスバリア13の軸方向端部に設けられた接続部である。磁石収容溝12の径方向
外側部分の帯状鋼板には磁石収容溝12が形成されず、その結果として、帯状鋼板の外周
部は、永久磁石14の径方向外側への飛び出しを防ぐことができる。なお、螺旋巻きコア
からなるロータコアに非磁性のリングを嵌着して永久磁石14の径方向外側への飛び出し
を防止してもよい。このようにすることにより、コンパクトで高トルクのIPMモータ方
式のロータを実現することができる。なお、フラックスバリア13にはロータ1の耐遠心
力を強化するために、繊維強化樹脂が充填されている。このIPMモータ型のロータ1は
、斜めギャップモータではなく、通常のアキシャルギャップモータにも採用することがで
きることは明白である。
(ロータ軸方向変位防止機構8)
ロータ軸方向変位防止機構8について、図10を参照して説明する。
ロータ軸方向変位防止機構8は、回転側円盤状永久磁石81と、静止側円盤状永久磁石
82と、円盤状のヨーク83とからなる。
回転側円盤状永久磁石81は、円盤状に形成されて基筒部9の両端面にそれぞれ嵌め込
まれている。基筒部9は鉄製であり、回転側円盤状永久磁石81のバックヨークを構成し
ている。非磁性金属さらなる前側ハウジング4の内端面の径方向内側部分には、静止側円
盤状永久磁石82と、円盤状のヨーク83とが固定されている。円盤状のヨーク83は、
静止側円盤状永久磁石82のバックヨークを構成している。同様に、非磁性金属さらなる
後側ハウジング5の内端面の径方向内側部分には、静止側円盤状永久磁石82と、円盤状
のヨーク83とが固定されている。円盤状のヨーク83は、静止側円盤状永久磁石82の
バックヨークを構成している。
回転側円盤状永久磁石81は、厚さ方向すなわち軸方向に磁化されている。回転側円盤
状永久磁石81のギャップ側の表面には、4重リング状の磁石磁極が形成されている。同
じく、静止側円盤状永久磁石82は、厚さ方向すなわち軸方向に磁化されている。静止側
円盤状永久磁石82のギャップ側の表面には、4重リング状の磁石磁極が形成されている
。この実施形態では、リング状に形成された各磁極は4重としたが、更に多数の磁極リン
グを構成してもよいことはもちろんである。ただし、径方向に隣接する2つの磁極リング
は反対極性となっている。
回転側円盤状永久磁石81の一つの磁極リングと等径位置の静止側円盤状永久磁石82
の一つの磁極リングとは、軸方向ギャップを挟んで同一極性となっている。これにより、
互いに対面する回転側円盤状永久磁石81と静止側円盤状永久磁石82とは、反発し合う
。この磁気的な反発力は、両永久磁石81、82間のギャップ間隔が増大するほど小さく
なり、ギャップ間隔が小さくなるほど大きくなる。各磁極リングの幅と軸方向ギャップの
幅との大きさの関係を調整することにより、上記磁気反発力が、適正な軸方向ギャップの
幅付近で大きくへんかするように設計することができる。たとえば、回転側円盤状永久磁
石81と静止側円盤状永久磁石82との間の軸方向ギャップ幅を1mmとする時、各磁極
リングの径方向幅は、0.5〜3mmとすることが好適である。つまり、磁極リングの径
方向幅は、適正な軸方向ギャップ幅の0.5〜3倍程度とすることが好適である。これに
より、ロータ1の軸方向位置を安定に保持することができる。
なお、この磁石式ロータ軸方向変位防止機構8は、斜めギャップモータではなく、通常
のアキシャルギャップモータにも採用することができることは明白である。
(実施例3)
実施形態3の斜めギャップモータを図11を参照して説明する。図11は、このモータ
の軸方向模式断面図である。この斜めギャップモータは、図1に示す斜めギャップモータ
において、斜めギャップを軸方向断面において、ジグザグに形成した点と、磁石式ロータ
軸方向変位防止機構8Aをロータ1の径方向外側に設けた点にその特徴があり、それ以外
は、本質的に図8に示す斜めギャップモータと同じである。以下、図8と異なる点につい
て更に詳しく説明する。
ロータ1は、径方向外側へ向かうにつれて軸方向幅が次第に狭くなる第1部分1Aと、
径方向外側へ向かうにつれて軸方向幅が次第に大きくなる第2部分1Bとを径方向交互に
有する。
ロータ1の前側のロータ周面と前側ステータ2のステータ周面との間の電磁ギャップの
最小距離は斜め電磁ギャップ10の各部でほぼ等しくされている。ロータ1の後側のロー
タ周面と後側ステータ2のステータ周面との間の電磁ギャップの最小距離も斜め電磁ギャ
ップ10の各部でほぼ等しくされている。したがって、前側ステータ2のステータ周面も
、径方向外側へ向かうにつれて軸方向幅が次第に狭くなる第1部分と、径方向外側へ向か
うにつれて軸方向幅が次第に大きくなる第2部分とを径方向交互に有する。同じく、後側
ステータ3のステータ周面も、径方向外側へ向かうにつれて軸方向幅が次第に狭くなる第
1部分と、径方向外側へ向かうにつれて軸方向幅が次第に大きくなる第2部分とを径方向
交互に有する。
ステータ周面が、ジグザグに形成されているため、ステータ周面に合わせて前側ステー
タ2及び後側ステータ3のスロットやティースの軸方向断面もジグザグに形成されている
。これにより、スロットに収容されて径方向に延在するステータコイル22、32のスロ
ット収容部分も、図8に破線で示すように、軸方向断面においてジグザグに形成されてい
る。
また、ステータコイル22、32の径方向外側のコイルエンドは、モータ径を縮小するた
めに、軸方向外側に曲げられている。また、ステータ周面が、ジグザグに形成されている
にもかかわらず、前側ステータ2の前端面及び後側ステータ3の後端面は、径方向に延在
している。したがって、ステータコア21、31のヨークの軸方向幅は、径方向各部で異
なっている。このようなステータコア21、31の形状は、帯状鋼板の幅を調整すること
により、簡単に実現することができる。
ステータコイル22、32をスロットに挿入するには、たとえばあらかじめジグザグに
曲げたコイルをステータコイル22、32のオープンスロットに軸方向に収容することに
より行うことができる。もちろん、他の方法を採用しても良い。
この実施形態によれば、ロータ1の曲げ剛性が高く、かつ斜め電磁ギャップの面積を稼
ぐことができるため、コンパクトで大出力の斜めギャップモータを実現することができる
。また、ロータ1の径方向最外側及び径方向最内側部分は、第1部分1Aからなるため、
ロータのイナーシャの低減と軸方向曲げ剛性の向上とを一層実現することができる。
この実施形態で採用したリラクタンスモータ(RM)のロータ1を図12を参照して説
明する。
ロータ1の幅方向中央部には、ロータ1は、帯状鋼板を螺旋巻きしてなる螺旋巻きコア
により構成されている。ロータ1の軸方向両端面には、周方向同一位置にてコア磁極部を
なす突部17と凹部18とが周方向一定ピッチで形成されている。19は各突部17を周
方向に連結する接続部である。凹部18には、ロータ1の耐遠心力を強化するために、繊
維強化樹脂が充填されている。このようにすれば、q軸とd軸とのインダクタンスを大き
く変更できるため、リラクタンスモータのロータを低鉄損で構成することができる。
上記説明した各実施形態及び以下に説明する各実施形態のステータコイル22,32を
構成する各相コイルを直列接続乃至並列接続して、図略のインバータから給電することが
できる。
(ロータ軸方向変位防止機構8A)
ロータ軸方向変位防止機構8Aについて、図13を参照して説明する。
ロータ1の外周面には、円筒状の回転側筒状永久磁石81Aが配置され、前側ハウジン
グ4及び後側ハウジング5の内周面には円筒状の軟磁性ヨーク83Aと円筒状の静止側円
盤状永久磁石82Aとが固定されている。永久磁石81A、82Aは小さい径方向ギャッ
プを隔てて対面している。
回転側筒状永久磁石81A及び静止側筒状永久磁石82Aは、リング状のN極とリング
状のS極とを有し、回転側筒状永久磁石81AのN極と静止側筒状永久磁石82AのS極と
は軸方向同位置に、回転側筒状永久磁石81AのS極と静止側筒状永久磁石82AのS極
とは軸方向同位置に配置されることをその特徴としている。ヨーク83は静止側円盤状永
久磁石82Aのバックヨークを構成し、ロータ1の螺旋巻きコアは回転側円盤状永久磁石
81Aのバックヨークを構成している。
これにより、両永久磁石81A、82Aの軸方向同位置の磁極同士は引き合う。ロータ
1が軸方向にずれると、この磁気吸引力がそれを回復させる向きに代わるので、ロータ1
は元の位置に復帰する。同じく、両永久磁石81A、82Aの同極性の磁極部の磁気反発
力は、ロータ1の軸方向のずれにより強くなるため、ロータ1は元の位置に復帰する。図
9では、両永久磁石81A、82Aの間のギャップ幅に対して、各磁極の軸方向幅は、ロ
ータ復元力を最適とする好適値をもつ。好適には、各磁極の軸方向幅は、ギャップ幅の0
.5倍〜3倍に設定される。なお、この磁石式ロータ軸方向変位防止機構8は、斜めギャ
ップモータではなく、通常のアキシャルギャップモータにも採用することができることは
明白である。
(実施例4)
実施例4を図14を参照して説明する。
この実施例は、図8に示す斜めギャップモータにおいて、ロータ1の外周面の径方向外
側にラジアルギャップモータを追加した点にその特徴がある。
ロータ1は、基筒部9Aの両端面に螺旋巻きコア1B、1Cが固定されて構成されてい
る。螺旋巻きコア1B、1Cは、帯状鋼板を螺旋巻きして構成され、軸方向両側の斜めギ
ャップモータのロータ部分を構成している。斜めギャップモータ自体は、図1の斜めギャ
ップモータと同じであるため、これ以上の説明は省略する。
ラジアルギャップモータは、基筒部9の外周面に固定されたロータ201と、前側ハウ
ジング4及び後側ハウジング5の内周面に固定されたステータコア203と、ステータコ
ア203に巻装されたステータコイル204とからなる。ステータコア203は、ラジア
ル電磁ギャップ202を挟んでロータ201の径方向外側に配置されている。ロータ20
1及びステータコア203は、電磁鋼板を軸方向に積層して構成されている。
このハイブリッドモータによれば次の効果を奏することができる。
まず、電磁ギャップの総面積が大幅に増大するため、小型でコンパクトなモータを実現
することができる。また、積層電磁鋼板からなるロータ201が螺旋巻きコア1B、1C
に嵌着、こていされているので、螺旋巻きコア1B、1Cの緩みがない。更に、ラジアル
ギャップモータのロータ201は、ステータコイル204が形成する磁界又はロータ1に
内蔵された磁石が形成する磁界により、ステータコア203に吸引される。この時の磁気
吸引力は、ロータ1の外周面とステータコア203の内周面とが最大面積で対面するよう
にロータ1を付勢する。したがって、ステータコア203の軸方向両端とロータ201の
軸方向両端とを一致させておくことにより、ロータ1の軸方向位置は、このラジアルギャ
ップモータにより安定に保持されることになる。その結果として、2つの斜めギャップモ
ータの軸方向磁気吸引力のアンバランスが生じても、ロータ1は安定に好適位置に保持さ
れることができ、スラストベアリングを省略することができ、構造を簡素化することがで
きる。
好適な実施形態において、ラジアルギャップモータのステータコイル(第2ステータコ
イル)204と、アキシャルギャップモータのステータコイル22,32とには異なる位
相で周波数が等しい交流電流が与えられる。このようにすれば、両ステータコイル204
、22,32の相数を減らし筒トルクリップルを減らすことができる。たとえばステータ
コイル22、32には単相の交流電流を通電して単相の回転磁界を形成し、同じくステー
タコイル204にはステータコイル22、32の交流電流とは位相が異なる交流電流を与
えて単相の回転磁界を形成することができる。その他、ステータコイル302、22、3
2にそれぞれ電気角2π/3だけ離れた交流電流を通電して、3相モータとしてもよい。
なお、この実施例では、斜めギャップモータとラジアルギャップモータとを一体化した
が、ギャップが径方向に延在するアキシャルギャップモータとラジアルギャップモータと
を一体化してもよいことは当業者であれば直ちに理解されることである。
ステータコア及びロータコアを構成する螺旋巻きコア100、101の側端面のうち斜
め電磁ギャップ10に面する側端面102、103は、図15に示されるように、を斜め
電磁ギャップ10の延在方向に平行に斜めに切断される。これにより、斜め電磁ギャップ
10の実質幅を増大することができる。
(実施例5)
実施形態5を図16を参照して説明する。
この実施例は、図8に示す斜めギャップモータの前側ステータ2及び後側ステータ3か
らなるステータの構造を変更した点にその特徴がある。ステータ構造以外は、本質的に実
施形態1と同じであるため、以下、ステータだけを図16〜図18を参照して説明する。
図16において、ステータ300は、ステータコア301と、ステータコア301に巻
装されたステータコイル302とからなる。このステータコア301は、図18に示すよ
うに、帯状鋼板303を巻軸心M1、M2の周りに所定の径方向厚さだけ巻いて構成した
螺旋巻きコア303の2つの三角形領域304、305を切断して2個同時に作製した。
切断された面306は、斜め電磁ギャップ10に対面するステータ磁極面となり、切断さ
れた面307は、斜め電磁ギャップ11に対面するステータ磁極面となる。もちろん、他
の方法で作製してもよい。ステータコア301は、モータの接線方向に幅Wをもつ。
ステータコア301は、第1のステータ磁極部311と、第2のステータ磁極部312
と、これらステータ磁極部311、312を磁気的に短絡するバックヨークをなすヨーク
部313とからなり、ステータの1相のステータ磁極部を構成する。ヨーク部313は、
ロータ1の径方向外側に位置して軸方向へ磁束を通過させる。ステータ磁極部311、3
12は、ヨーク部313の軸方向両端部から径方向内側へ延在している。ステータ磁極部
311のステータ磁極面306は、対面する斜め電磁ギャップ10に沿いつつ斜めに形成
されている。ステータ磁極部312のステータ磁極面307は、対面する斜め電磁ギャッ
プ10に沿いつつ斜めに形成されている。
ステータコイル302は、ロータ1の径方向外端よりも径方向外側に位置してヨーク部
303、ステータ磁極部301、302に囲まれるように巻かれた部分302Aをもつ。
この実施形態では、ステータコイル302は、いわゆる集中巻き方式を採用しており、一
つのステータコア301にだけ巻かれている。302Bはステータコイル302の外側の
部分である。
上記説明したステータ300を一致の周方向ピッチにてロータ1の周囲に分散配置する
ことにより、多相ステータを構成できることは、当業者であれば問題無しに理解できるで
あろう。4つのステータ300X、300Y、300−X、300−Yをロータ1の周囲
に90度ごとに配置した2相ステータの例を図17に示す。ただし、図17は半断面図で
あり、ステータ300ーYの図示は省略されている。ステータ300Xに巻かれたステー
タコイル302にはX相の相電流が、ステータ300Yに巻かれたステータコイル302
にはY相の相電流が、ステータ300−Xに巻かれたステータコイル302にはーX相の
相電流が、ステータ300−Yに巻かれたステータコイル302には−Y相の相電流が通
電される。すなわち、この多相ステータは、4相(2相)ステータであり、各相の相電流
は電気角π/2の位相差をもつ。もちろん、ロータ1の周囲に配置するステータ300の
個数やそれらに与える相電流の相数は、適宜自由に選択可能であり、スイッドリラクタン
スモータなどのステータ磁極に巻かれた各相電流のように、要するに回転磁界を形成する
電流波形であれば、電流波形は、正弦波以外に矩形波など各種波形とすることができる。
この実施例の格別の利点は、各ステータ300の斜め電磁ギャップに対面するステータ
磁極面306、307がステータコア301のステータ磁極部311、312の延在方向
に対して斜めに形成されている点にある。これにより、電磁ギャップ対向面積を稼ぐこと
ができるため、モータの高出力化、高効率化を実現することができる。更に、この実施例
では、帯状鋼板を螺旋巻きしてなる螺旋巻きコアを、帯状鋼板の延在方向に対して斜めに
切断してステータ磁極面306、307を構成しているため、生産性に優れ、低鉄損の螺
旋巻き帯状鋼板を用いるにもかかわらず、帯状鋼板の厚さの総和×幅以上の面積の電磁ギ
ャップを形成できる点にある。なお、この実施例の構造は、インナーロータ構造であるが
、これをアウターロータ構造に置換できることは、当業者であれば問題なく理解されるこ
とであり、この態様と技術的に均等である。
また、各ステータ300に同一相の電流を通電することができる。この場合には単相電
流となる。単相電流を各ステータ300に流す場合でも、回転磁界を形成できることは当
業者にとって周知事項である。
ロータ1の周囲に一定の周方向ピッチで配置された多数(好適には偶数)個のステータ
300に同一相の磁界を与える単相駆動方式では、図19に示すように単巻きコイル32
0を用いることもできる。この単巻きコイル320は、ロータ1の周囲にリング状に巻回
され、各ステータ300のステータコア301と順番に鎖交する。この単巻きコイル32
0の採用は、ステータコイル302の径方向外側部分302Bを省略できるため、モータ
径を縮小でき、ハウジングへの各ステータ300の固定を容易とすることができる。なお
、この単相駆動方式は、リラクタンスモータなどにおいて好適である。
しかしながら、単相駆動方式の問題点はトルクリップルすなわちコギングトルクが大き
い点にある。この問題は、この単相駆動方式の斜めギャップモータを複数個、同一回転軸
にタンデム結合し、各単相駆動方式の斜めギャップモータに与える単相電流に位相差を与
えることである。このタンデム結合多相モータ構造の斜めギャップモータを図20に示す
300A、300B、300Cはタンデム配置された3つのステータ、301A、30
1B、301Cはステータコア、320A、320B、320Cは単巻きコイルからなる
ステータコイルである。1A、1B、1Cはロータである。ステータコイル320A、3
20B、320Cに電気角2π/3位相差がずれた電流を通電すれば、インバータ側から
供給する電流のリップルを低減することができる。なお、各300A、300B、300
Cが形成する回転磁界の空間位相が異なるため、ステータコア301A、301B、30
1Cのステータ磁極部と、斜め電磁ギャップを挟んでそれらに対面するロータ1A、1B
、1Cのロータ磁極との間の相対的な空間位相差は、回転磁界の空間位相に合わせて調整
される必要がある。このステータ磁極部とロータ磁極部との間の相対空間位相差は、ステ
ータコア301A、301B、301Cの周方向位置を相対的に変更して実施してもよく
、あるいは各ロータ1A、1B、1Cのロータ磁極の周方向位置を相対的に変更して実施
しても良い。なお、このロータ磁極としては、たとえばリラクタンスモータでは、斜め電
磁ギャップに向けて突出する軟磁性の突極部により構成することができる。もちろん、単
相磁石式同期モータでは、ロータに永久磁石を内蔵させて構成した磁石磁極をロータ磁極
とすることができる。
好適な態様において、前記第2ステータに巻装される第2ステータコイルは、前記ロー
タに軸方向に配置される前記ステータコアに巻装される前記アキシャルギャップモータ用
の前記ステータコイルと異なる位相にて駆動される。このようにすれば、アキシャルギャ
ップモータ用のステータコイル及びラジアルギャップモータ用の第2ステータコイルの相
数を増大させることなく、トルクリップルを低減することができる。
(実施例6)
実施形態6を図21、図22を参照して説明する。
この実施例6は、図16で説明した実施例5のステータ300を図8と同様にロータ1
の軸方向両側に配置した点にその特徴がある。
図21において、ステータ2は、ステータコア21Xとステータコア21Yとを径方向
に隣接配置してなる。ステータ3も、ステータコア31Xとステータコア31Yとを径方
向に隣接配置してなる。これらのステータコア21X、21Y、31X、31Yは、図1
6に示すステータコア301と同一形状をもつ。
ロータは、ロータコア1Xとロータコア1Yとを金属リング92を挟んで径方向に嵌着
して構成されている。すなわち、このロータは、基筒部93にロータコア1Yを嵌着し、
ロータコア1Yに金属リング92を嵌着し、基筒部992にロータコア1Xを嵌着し、ロ
ータコア1Xに金属リング91を嵌着してなる。これらの部材には、放射方向に延在する
締結ボルト401の先端を基筒部9の螺子穴に締結することにより固定されている。
ステータコア21Xとステータコア21Yにより1つのステータ磁極セットが形成され
、6個のステータ磁極セットが、ロータ1の軸方向一方側にて周方向に等ピッチで配置さ
れている。同じく、ステータコア31Xとステータコア31Yにより1つのステータ磁極
セットが形成され、6個のステータ磁極セットが、ロータ1の軸方向他方側にて周方向に
等ピッチで配置されている。
ロータの前側の合計6個のステータ磁極セットには、それぞれステータコイル22が個
別にリング状に集中巻きされ、ロータの後側の合計6個のステータ磁極セットにも、それ
ぞれステータコイル32が個別にリング状に集中巻きされている。
図22は、ロータ側から前側ステータ2を径方向に見た半側面図であり、3個のステー
タ磁極セットが図示されている。ただし、図22において、ロータは模式的に図示されて
いる。この実施形態では、各ステータ磁極セットには、異なる位相の交流電流が通電され
る。すなわち、一つのステータコア21Xであるステータコア21XUと一つのステータ
コア21Yであるステータコア21YUはU相のステータ磁極セットを構成する。同じく
、ステータコア21Xであるステータコア21XVと一つのステータコア21Yであるス
テータコア21YVはV相のステータ磁極セットを構成する。同じく、ステータコア21
Xであるステータコア21XWと一つのステータコア21Yであるステータコア21YW
はW相のステータ磁極セットを構成する。後側ステータ3を構成する合計6個のステータ
磁極セットも全く同じ形状に形成されている。
ただし、前側ステータ2のステータ磁極セットと、それと同相の後側ステータ3のステ
ータ磁極セットとは、周方向同位置に配置され、同相で同じ大きさの相電流が通電される
。このようにすれば、ロータ1に対する曲げ力及び軸方向磁気吸引力を大幅に低減するこ
とができる。
(実施例7)
実施形態7を図23、図24を参照して説明する。
この実施例7は、図16で説明した実施例5のステータを図21に示す実施例6と同様
のE型コアに変更した点にその特徴がある。
図23において、ステータは、ステータコア21Xとステータコア21Yとを軸方向に
隣接配置してなる。これらのステータコア21X、21Yは、図16に示すステータコア
301と同一形状をもつ。
ステータコア21Xとステータコア21Yにより1つのステータ磁極セットが形成され
、複数個のステータ磁極セットが、ロータ1の周方向に等ピッチで配置されている。図2
4に一つのステータ磁極セットを軸方向に見た状態を示す。すなわち、一つのステータ磁
極セットは、図21と同様にE型コア形状をもつ。ただし、図21ではステータ磁極セッ
トはロータに対して軸方向に隣接しているが、図23ではステータ磁極セットはロータに
対して径方向に隣接している。
ステータコア21X、21Yはそれぞれ周方向又は接線方向に延在するスロットをもち
、これらスロットにステータコイル22がリング状に集中巻きされている。また、図24
において、図示しない他のステータ磁極セットのステータコア21X、21Yのスロット
にも他の相のステータコイル22がリング状に集中巻きされている。リング状のステータ
コイル22は、図24に示すように、絶縁被覆銅板を螺旋巻きして構成されている。
ロータ1は、それぞれ螺旋巻きコアからなるロータコア1X、1Yを軸方向に隣接して
基筒部9に嵌着してなる。図24は、斜め電磁ギャップに露出するロータコア1Xの前端
面(ロータ磁極面)を示す。この実施形態では、ロータ1は、図12に示す構造のロータ
を用いたが、ロータのスロットには、図12に示す樹脂18の代わりに、基筒部9と一体
のアルミニウムかご型コイルを導入して、誘導モータ型ロータとした。もちろん、図12
に示すリラクタンスモータ型ロータや、図4に示すリラクタンスロータ型ロータや、図9
に示す埋め込み磁石同期モータ型ロータや図略の表面磁石同期モータ型ロータを採用して
も良い。その他、各種モータのロータ構造を採用しても良い。図24に示すように、ステ
ータコア21X、21Yの斜め電磁ギャップに対面する先端部の周方向幅は、径内側に向
かうにつれて狭くなっている。
(実施例8)
実施形態8を図25、図26を参照して説明する。
この実施例8は、図23、図24で説明した実施例6において、ロータコア1X、1Y
を図26に示すように周方向(正確には接線方向)に鋼板を積層したロータ磁極を用いて
作製した点にその特徴がある。この実施形態では、図26に示すように、ロータコア1X
、1Yの周方向(接線方向)幅は、ロータコア1X、1Yの径方向各部において等しくな
っている。これに合わせて、ステータコア21X、21Yの周方向(接線方向)幅も、ロ
ータコア1X、1Yの径方向各部において等しくなっている。ロータコア1X、1Yは、
実施例7と同じく、各種のロータ構造を採用することができる。リラクタンスモータのロ
ータ構造を採用する場合、ロータは、セグメント状軟磁性体からなるロータ磁極部を周方
向一定ピッチで配置すれば良く、ロータの残りの部分を樹脂で構成することができる。誘
導モータのロータ構造を採用する場合、ロータは、セグメント状軟磁性体からなるロータ
磁極部を周方向一定ピッチで配置すれば良く、ロータの残りの部分をかご形二次コイルを
なす導体金属部を基筒部9と一体に形成することができる。
(実施例9)
実施形態9を図27、図28を参照して説明する。
この実施例9は、図23、図24で説明したインナーロータ型モータをアウターロータ
型モータに変更したものである。当業者において、インナーロータ型モータのステータを
径方向内側に配置して固定し、インナーロータ型モータのロータを軸方向外側に配置して
回転させるアウターロータ型モータは、当業者にとって周知事項である。
更に説明すると、図27、図28において、400はステータ、403はロータ磁極部
であり、ロータ磁極部403は、ステータ400の径方向外側に位置して、配置されてい
る。
ロータ磁極部403は、径方向に積層された鋼板からなり、軸方向に6個形成されてロ
ータ外筒部405の内周面に固定されている。各ロータ磁極部403は、径方向内側に向
けて軸方向幅が狭くなる三角形の軸方向断面形状をもつ。
ステータ400は、基筒部401と、この基筒部401に周方向一定ピッチで配置され
た偶数個のステータ磁極部402とを有している。ステータ磁極部402は、図27に示
すように、軸方向にジグザグな斜めに形成されたステータ磁極面を斜め電磁ギャップを介
してロータ403のロータ磁極面に対面して形成されている。
この実施形態では、ステータ磁極部402は、図28に示すように、鋼板を周方向に積
層して構成されている。404〜409はステータコイルであり、ステータコイル404
、405が一つのリング状の集中巻きコイルをなし、ステータコイル406、407が一
つのリング状の集中巻きコイルをなし、ステータコイル408、409が一つのリング状
の集中巻きコイルをなす。ステータコイル404〜409を波巻きに形成してもよい。図
28では、一つのステータ磁極部402だけが図示されているが、周方向に配置された他
のステータ磁極部402には別の相のステータコイルが巻装されている。
その他、ステータコイル404〜409をそれぞれ周方向に延在する単巻きコイルとし
てもよい。この場合には、各リングコイルごとに異なる相電圧を印加することができる。
また、図27、図28では、ステータ磁極部402は鋼板を周方向又は接線方向に積層し
て構成したが、図23に示すステータコ21X、21Yと同一構造としてもよい。更に、
図27、図28では、ロータ磁極部403は、径方向に積層したが、図25、図26と同
様に、周方向又は接線方向に積層してもよい。ロータ構造としては、既述した種々のモー
タのロータ構造を採用することができる。
(実施例10)
実施形態10を図29を参照して説明する。
この実施例10は、図27、図28で説明したアウターロータ型モータにおいて、ロー
タ磁極面及び斜め電磁ギャップを隔てて対面するステータ磁極面を、階段状に形成した点
にその特徴がある。この場合においても、ステータ磁極面及びロータ磁極面は、全体とし
て平均的に径方向及び軸方向に対して斜め方向に延在している。この実施形態によれば、
単なるラジアルギャップモータ又はアキシャルギャップモータに比べて、電磁ギャップ面
積を稼ぐことができるため、ステータコイルのインダクタンスを増大することができ、そ
の分だけ、電流を低減して、トルク増大、効率向上を図ることができる。
(実施例11)
実施形態11を図30、図31を参照して説明する。
この実施例11は、図1、図8、図14で説明した斜めギャップモータのステータコア
21、31において、ステータコア21、31の各鋼板を鋼板が図30に示すように斜め
ギャップモータの延在方向と直角な斜め方向へ延在するようにプレス成形しつつ螺旋巻き
して構成したものである。図31はステータコア21、31の一部を示す模式周方向部分
展開図である。このようにすれば、斜め電磁ギャップに対面する各鋼板の側端面を斜めに
切断することなく、螺旋巻きコア構造のステータコア21、31を作製することができる
なお、ステータコア21、31を、周方向に一定ピッチで配列され、ハウジングに固定
された複数のステータ磁極部により構成する場合には、図30の積層構造は、平板状の鋼
板を斜め電磁ギャップの延在方向に堰層すればよく、上記プレス成形は不要である。
(実施例12)
実施形態12を図32、図33を参照して説明する。
この実施例11は、図23で説明したステータコア21Xを、周方向に延在するヨーク
部503で周方向に接続した構造をもつ。
更に説明すると、このステータコア21Xは、全体としてロータを周方向に囲むリング
状のヨーク部503と、このヨーク部503を構成する各鋼板の軸方向両端から軸方向両
側へ突出した後、径方向内側に曲がり、その後、径方向内側に延在するステータ磁極部5
01、502をもつ。図33に示すように、ステータ磁極部501は、ロータ1Xの前側
の斜め電磁ギャップに対面するステータ磁極面20をもち、ステータ磁極部502は、ロ
ータ1Xの後側の斜め電磁ギャップに対面するステータ磁極面30をもつ。ステータ磁極
部501、502は、ヨーク部503から周方向一定ピッチで軸方向両側に突出している
このステータコア21Xは、むかで状に長手方向両側に平板部が突出する帯板を準備し
、これら一対の平板部を図32、図33に示すように径方向に内側に曲げつつ、帯板を図
18に示すように巻き取り、切断してステータ磁極面20,30を形成して製造される。
ステータコイル22は、ロータ周囲にリング状に巻回することができる。この場合、ス
テータコイル22はヨーク部503の径方向内側に隣接することになる。その他、このス
テータコア21Xのスロットと、同様に作製されたステータコア21Yのスロットとに図
23と同様にリング状に集中巻きすることもできる。
(実施例13)
実施形態13を図34、図35を参照して説明する。
この実施例13は、図1、図8で説明した斜めギャップモータのロータ1を、それぞれ
周方向又は接線方向に積層された積層鋼板からなるステータ磁極部600により構成した
ものである。各ステータ磁極部600は、基筒部9に周方向所定ピッチで固定されている
。周方向に隣接する2つのステータ磁極部600の間の空間に樹脂又はかご形導体用の金
属体を配置してもよい。かご形導体用の金属体は、基筒部9と一体に形成されることが好
ましい。602は、ステータ磁極部600を基筒部9にインサートアルミダイキャスト成
形する場合に、アルミニウムが充填される孔である。
(実施例14)
実施形態14を図36、図37を参照して説明する。
この実施例14は、図4に示す斜めギャップモータのロータ1を、誘導モータのかご形
ロータ構造に変更した点をその特徴がある。17はセグメント状鋼板であり、図8と同様
に径方向に積層されている。各セグメント状鋼板17の軸方向両端は、周方向両側に突出
する爪部をもつ。
各セグメント状鋼板17は、周方向に所定ピッチで配置され、周方向に隣接する2つの
セグメント状鋼板17の間のスロット部分にはアルミ製の二次コイル導体部がインサート
成形により充填されている。結局、この実施形態では、基筒部9と一体のアルミ円盤状部
材に各セグメント状鋼板17をインサート成形により埋設した形状となる。1Sはスロッ
ト開口、91はロータ1の外周部に存在して周方向に延在するアルミ製かご形二次コイル
のコイルエンド部分である。
(実施例15)
実施形態15を図38、図39を参照して説明する。
この実施例15は、図8で説明した斜めギャップモータを直流モータ構造に変更した点
にその特徴がある。したがって、この実施形態では、図8に示すステータコイル22とス
テータコア21、31とからなるステータ2、3がロータ1側に移行し、ステータには永
久磁石とバックヨークとが配置されることになる。
更に詳しく説明する。前側のバックヨークをなす前側ハウジング4の内端面には永久磁
石701が周方向所定ピッチで固定されて前側ステータを構成し、後側のバックヨークを
なす後側ハウジング5の内端面には永久磁石702が周方向所定ピッチで固定されて後側
ステータを構成している。通常の直流モータと同じく、各永久磁石701は周方向極性交
互に配置され、各永久磁石702も周方向極性交互に配置されている。ただし、この実施
形態では、周方向同じ位置の前側の永久磁石701と後側の永久磁石702は軸方向反対
向きに着磁されている。図38では、永久磁石701、702は斜め電磁ギャップ10,
11に対面してS極が設けられている。
ロータ1は、図8と同様に螺旋巻きコアからなるが、この螺旋巻きコアには、その斜め
電磁ギャップ10、11に近接して斜めスロットがそれぞれ斜め放射状に設けられている
。これら斜めスロットには、電機子コイル(図8のステータコイル22、32に相当)7
10が図38に示すように収容されてる。703は電機子コイル710の前側部分、70
4は電機子コイル710の後側の部分である。703Aは電機子コイル710の前側部分
のコイルエンド、704Aは電機子コイル710の後側部分のコイルエンドである。
コイルエンド703Aは、ロータ1の径方向内側すなわち、基筒部9の前側にて径方向
内側に突出している。同様に、コイルエンド704Aは、ロータ1の径方向内側すなわち
、基筒部9の後側にて径方向内側に突出している。
電機子コイル710の導体は、コイルエンド703Aからロータ1の前側のスロットを
径方向外側に延在した後、ロータ1の後側のスロットを径方向内側に延在し、コイルエン
ド704Aに達する。その後、電機子コイル710の導体は、コイルエンド704Aにお
いて周方向電気角π移動し、逆向きに延在してコイルエンド703Aに達し、周方向電気
角π移動する。
このようにすれば、電機子コイル710のコイルエンド703A、704Aをコンパク
トに収容することができるため、モータ体格をコンパクト化することができる。
(変形態様)
上記実施形態では、ロータ1に対面する磁極面が同極性の前側の永久磁石701と後側
の永久磁石702とを周方向同位置とし、電機子コイル710は、ロータ1の径方向外側
にて周方向にずらすことなく、前側のスロットから後側スロットへ、後側のスロットから
前側のスロットへ延在している。
その代わりに、ロータ1に対面する磁極面が反対極性の前側の永久磁石701と後側の
永久磁石702とを周方向同位置とし、電機子コイル710は、ロータ1の径方向外側に
て周方向に電気角π周方向に延在した後、前側のスロットから後側スロットへ、後側のス
ロットから前側のスロットへ延在させてもよい。ただし、この場合には、ロータ1の径方
向外側のコイルエンド部分が大きくなるという不具合が生じる。
また、この実施形態では、前側ハウジング4及び後側ハウジング5の径方向内側部分に
コイルエンド703A、704Aに隣接して空気流入孔を設け、前側ハウジング4及び後
側ハウジング5の径方向外側部分に空気流出孔を設けている。このようにすれば、回転す
るロータ1の表面により斜め電磁ギャップ10、11内の空気が径方向外側に付勢される
ため、効率よく、ステータ及びロータを冷却することができる。なお、図38では、空気
流出孔は、前側ハウジング4及び後側ハウジング5の径方向外側部分に径方向に貫設され
たが、前側ハウジング4及び後側ハウジング5の径方向外側部分に軸方向に貫設してもよ
い。このようにすれば、前側の斜め電磁ギャップ10から出た冷却空気流は前側へ、後側
の斜め電磁ギャップ11から出た冷却空気流は後側へ吹き出すことができる。
冷却空気流をファン無しに増大する構造を図39を参照して説明する。図39において
、705はロータ1の螺旋巻きコアのバックヨークであり、706はバックヨーク705
から軸方向前側に突出するティース、707はバックヨーク705から軸方向後側に突出
するティースである。スロット708には、電機子コイル710の前側部分703及び後
側部分704が収容されているが、スロット開口に面して、各スロットには、径方向に延
在する空隙部分が配置される。すなわち、スロットの周方向断面の一部は、電機子コイル
710の前側部分703及び後側部分704に占拠されることなく、空隙708となって
いる。したがって、この放射状の空隙708は、効率良く、電機子コイル710を冷却す
る冷却空気通路となり、ティース706、707の軸方向先端部は、この冷却空気流を径
外方向に付勢する遠心翼を兼ねている。
(実施例16)
実施形態16を図38〜図41を参照して説明する。
この実施例16は、図38、図39で説明した斜めギャップ直流モータの整流子とブラ
シとからなる整流装置を省略した点にその特徴がある。
図40、図41を参照して更に詳しく説明する。
図40に示す直流モータ800の構造は、図38、図39に示す通りであるが、すべて
の公知の直流モータに置換可能である。
回転軸には、輪板状の回路基板801が嵌着固定され、この回路基板801には3相イ
ンバータ回路802が実装されている。回転軸6の更に外側には、電源用のスリップリン
グ803、804と制御用のスリップリング805とが嵌着され、ブラシ806〜808
がスリップリング803〜805に個別に摺接している。
3相の電機子コイル710への給電回路を図41を参照して説明する。
電源用のスリップリング803、804は回転軸6に固定された3相インバータ回路8
02に電源電圧を供給し、また、制御用のスリップリング808は、外部のECUからの
制御指令信号や角度信号などを3相インバータ回路802にて入力し、3相インバータ回
路802は3相交流電圧を形成して、3相の電機子コイル710に送電する。なお、制御
用のスリップリング805の代わりに光学式又は電磁式などの各種非接触信号伝送装置を
採用しても良い。また、角度検出のために、回転軸にほとんど電流が流れない角度検出用
整流子片を設けても良い。
このようにすれば、次の効果を奏することができる。
直流モータは、ハウジング側に永久磁石又は界磁コイルにより界磁磁束が形成される界
磁極をもつため、ハウジング側のバックヨークを積層乃至螺旋巻きの電磁鋼板を用いる必
要がなく、経済性に富む。この実施形態の直流モータは、従来の整流装置の代わりに、回
転軸6に固定された3相インバータ回路802及び電源用のスリップリング803、80
4をもつが、電源用のスリップリング803、804は、従来の整流装置の整流子片に比
べて、発熱、摩耗、損失、電磁波ノイズを大幅に低減できる利点をもつ。
また、この実施形態の直流モータは、回転方向の変換が可能である。回転軸6に固定さ
れた3相インバータ回路802は、空気流れに対して回転するため、冷却性に富む。特に
輪板状の回路基板801の表面に3相インバータ回路802を実装すると、3相インバー
タ回路802による突起部分などにより、径方向への空気流の付勢が促進されるため、更
に冷却性が改善される。
(変形態様)
図40、図41に示すスリップリングインバータ構造は、すべての直流モータに適用可
能である。3相インバータ回路802は、前側ハウジング4と後側ハウジング5とに囲ま
れた内部空間に収容しても良い。たとえば、3相インバータ回路802は、基筒部9に固
定しても良い。直流モータを単相モータとすれば、3相インバータ回路802の代わりに
フルブリッジ型のインバータ回路を採用しても良い。
(実施例17)
実施形態17を図42を参照して説明する。
この実施例17は、図38〜図41で説明したインナーロータ型斜め電磁ギャップ直流
モータを、アウターロータ型斜め電磁ギャップ磁石式同期モータに変更した点にその特徴
がある。
モータ構造としては、図38に示すインナーロータ型斜め電磁ギャップ直流モータは、
永久磁石側を回転させる点を除いて図42に示すアウターロータ型斜め電磁ギャップ磁石
式同期モータとほぼ同じである。
以下、更に詳しく説明する。
アルミ製の前側ハウジング4及び後側ハウジング5の径方向外側にはプーリ710が嵌
着固定され、プーリ710にはベルト711が巻かれている。なお、プーリではなく歯車
を設けても良い。前側ハウジング4の内端面には軟磁性のバックヨーク705を介して前
側の永久磁石701が固定されている。後側ハウジング5の内端面には軟磁性のバックヨ
ーク706を介して後側の永久磁石702が固定されている。
6Aは固定ブロック6Bに固定された静止軸であり、静止軸6Aは、基筒部9を通じて
ステータ1Aが固定されている。ステータ1Aは、螺旋巻きコアにステータコイル703
、704を図38と同様に巻装して構成されている。2つの軸受け7Aは、前側ハウジン
グ4及び後側ハウジング5を回転自在に支持する。7Bは、前側ハウジング4と静止軸6
Aの前端面との間に配置されたスラスト軸受けである。
この実施形態のモータの第1の利点は、ラジアルギャップモータに比べて軸方向距離が
短い斜め電磁ギャップモータ(アキシャルギャップモータでもよい)を用いてアウターロ
ータ構造のモータを作製したため、従来のラジアルギャップモータをアウターロータ構造
とする場合に比べて、一対の軸受け7A間の静止軸6Aの長さを短縮できる点にある。こ
のことは、静止軸6Aの径方向曲げ振動が少なくなることを意味する。なお、一対の軸受
け7Aの一方を省略して片持ち支持構造としてもよい。特に磁石ロータ構造又はリラクタ
ンスロータ構造又はかご形誘導ロータ構造は、構造が簡素であるため、静止軸6Aの短縮
に最も効果的である。
次に、この実施形態では、スラスト軸受け7Bを設けているため、前側ハウジング4及
び後側ハウジング5の軸方向後方への変位を確実に防止することができる。
更にこの実施形態では、たとえば前側の永久磁石701の磁界を後側の永久磁石702
の磁界よりも強化している。このようにすれば、前側ハウジング4及び後側ハウジング5
は、常に軸方向後方へ磁気的に付勢されるため、スラスト軸受けが無い前方側に前側ハウ
ジング4や後側ハウジング5が変位するのを防止することができる。
(変形態様)
なお、静止軸6Aなどの後側ハウジング5との間に後側ハウジング5の軸方向前方への
変位を阻止するストッパを設けても良い。その他、軸受け7A、7Bを互いに逆向きのス
ラストを支承するアンギュラ軸受けとして両方向のスラストをアンギュラ軸受け7A、7
Bにより支承してもよい。
(実施例18)
実施形態18を図43を参照して説明する。
この実施例18は、たとえば図25に示す周方向又は接線方向に鋼板を積層してステー
タ磁極部を構成するためのC形鋼板部材を帯状鋼板から打ち抜く場合の効果的な打ち抜き
法に関するものである。
図43において、900は帯状鋼板、901は打ち抜かれるC形のステータ磁極部用の
C形鋼板部材である。2つのC形鋼板部材901を向かい合い、一方のC形鋼板部材90
1の一つの先端部が他のC形鋼板部材901のスロット部に挿入される姿勢で打ち抜くた
め、歩留まりがよい。
(実施例効果)
上記説明した各実施例の他の効果を以下に記載する。
図9、図12において、ヨーク部は、鋼板を螺旋状に巻回して構成され、ステータ磁極
部(ティース)は、ヨーク部の両端部に周方向所定ピッチで形成されている。このように
すれば、簡素な構造の斜めギャップモータを実現することができる。
ステータコイルは、図19において、ロータの径方向外側にリング状に配置されるリン
グコイルからなる。このようにすれば、ステータコイルの巻装作業を簡素化することがで
きる。
ステータコアは、図15において、ロータの軸方向外側に位置して少なくとも径方向へ
磁束を通過させるヨーク部と、ヨーク部の軸方向両端部からそれぞれ軸方向ロータ側へ延
在するステータ磁極部とを有し、ステータ磁極部の軸方向先端は、斜め電磁ギャップに対
面し、ステータコイルは、ロータの軸方向外端よりも軸方向外側に位置してステータコア
のヨーク部及びステータ磁極部に囲まれるように巻かれた部分を有する。このようにすれ
ば、簡素なステータ構造を実現することができる。そのうえ、ステータ磁極部の軸方向先
端は斜め電磁ギャップに斜めに対面しているため、ステータ磁極部の径方向積層厚さに比
べて電磁ギャップの面積を増大して、トルクを増大することができる。
ステータコアのヨーク部は、図21に示すように、軸方向に積層された複数層の鋼板か
らなり、複数層の鋼板は、ヨーク部の径方向両端部から軸方向ロータ側に曲げられて軸方
向ロータ側に延在してステータ磁極部を構成する。このようにすれば、コスト増大を抑止
しつつ低鉄損の斜めギャップモータを実現することができる。
ステータ及びロータのペアは、図20に示すように、軸方向に複数配置され、各ペアの
ロータは、同一の回転軸に固定され、各ペアのステータコイルは、異なる相コイルをなす
。このようにすれば、簡素な構造のタンデム型多相モータを実現することができる。
ロータは、図3〜図5に示すように、周方向に磁束を流すためのヨークをもたない。こ
の場合には、樹脂などの非磁性絶縁体や軽金属により作製することもでき、イナーシャを
低減することができる。
(実施例19)
実施形態19を図44を参照して説明する。ただし、実施形態19で用いる符号は上記した実施形態1−18で用いた符号とは無関係である。この実施例19は、上記各実施例で説明したリラクタンスモータのロータを電動ターボチャージャのラジアルコンプレッサに一体化した点にその特徴がある。更に具体的には、この以下、具体的に説明する。800はラジアルコンプレッサ、900はモータである。ラジアルコンプレッサ800は、ケーシング801と、回転軸6に嵌着されてケーシング801内に回転自在に収容された回転翼車802とからなる。ラジアルコンプレッサ自体は良く知られているため、簡単に説明する。
回転翼車802は、回転軸6に固定された軸方向断面が略円錐形の円盤部803と、円盤部803の前端面から略放射状に突出する多数の遠心翼部(翼部)804とからなる。回転翼車802は、非磁性合金(たとえばアルミ合金)からなる。回転軸6は、円盤部803から回転軸6に与えられる軸方向後方へのスラストを支持する一つのスラスト軸受け(図示省略)と必要個数のラジアル軸受けとを通じてケーシング801に回転自在に支持されている。上記スラストは、圧縮流体が回転翼車802を通じて回転軸6を軸方向後方に付勢する回転体スラストと、後述する軟磁性のセグメント910、911に作用するアキシャルギャップモータ(正確には斜めギャップモータ)の電磁吸引力の軸方向成分とを含む。
ケーシング801は、空気を遠心翼部804の径内側の端部に導入する流入口805と、高速の空気流が遠心翼部804の径外側の端部から流入する吐出口をなすリング状のディフユーザ筒部806と、遠心翼部804の先端に沿いつつ延在する隔壁部807と、後述するモータのステータが固定されるステータ固定部808とを有している。ケーシング801は、非磁性合金(たとえばアルミ合金)からなる。
モータ900は、ケーシング801のステータ固定部808に固定されて回転軸6の周りに周方向所定ピッチで配列された多数のステータ部分コア901と、円盤部803の背面に固定されて回転軸6の周りに周方向所定ピッチで配列された多数のセグメント910、911からなるロータ902とを有している。ステータ部分コア901は及びロータ902は、軟磁性材料により構成されている。各ステータ部分コア901は本発明で言うステータコアを構成している。
一つのステータ部分コア901は、径方向最外側のステータ磁極903と、径方向中間位置のステータ磁極904と、径方向最内側のステータ磁極905と、これらステータ磁極903〜905の根元部を磁気的に連結するヨーク906とにより構成されている。ステータ部分コア901は周方向に所定幅をもち、各ステータ部分コア901は、周方向に所定ピッチでリング状に配列されている。
ステータ磁極903、904は、径方向に所定のギャップだけ離れている。907は、単巻きコイルである第1相のステータコイルであって、各ステータ部分コア901のステータ磁極903、904の間の上記ギャップを貫通して、回転軸6の周りにリング状に配置されている。
ステータ磁極904、905は、径方向に所定のギャップだけ離れている。908は、単巻きコイルである第2相のステータコイルであって、各ステータ部分コア901のステータ磁極904、905の間の上記ギャップを貫通して、回転軸6の周りにリング状に配置されている。中間のステータ磁極904には、このステータ磁極904を直流磁極とするための界磁コイル(図44にて黒く塗られた部分)909が巻装されている。ステータ磁極903、905は、交番磁極をなす。単巻きコイルであるステータコイル906、907には、逆相の交流電圧が印加される。
この実施例では、ロータ902は、円盤部803の背面から軸方向後方に突出して、ステータ磁極903とステータ磁極904との間のギャップを周方向に通過可能な軟磁性のセグメント910と、円盤部803の背面から軸方向後方に突出して、ステータ磁極904とステータ磁極905との間のギャップを周方向に通過可能な軟磁性のセグメント911とからなる。
セグメント910は、ステータ磁極903又は904の周方向幅に略等しい周方向幅をもつ。セグメント911は、ステータ磁極904又は905の周方向幅に略等しい周方向幅をもつ。この実施形態では、ステータ部分コア901及びセグメント910、911を軟磁性粉末焼結体により構成したが、鋼板を周方向に積層して構成してもよい。セグメント910、911は、回転翼車802にインサート成形により植設されている。
図44に示すように、セグメント910、911の径方向幅は、軸方向後方に向けて狭くなっており、ステータ磁極903〜905の径方向幅は、軸方向後方に向けて広くなっている。ステータ磁極903〜905とセグメント910、911との間の電磁ギャップは、径方向及び軸方向に対して斜めに傾斜しており、この電磁ギャップの最小幅は略一定となっている。
セグメント910とセグメント911とは、周方向に電気角π離れて配置されている。ステータ磁極903〜905は、径方向に直線上に並んでいる。セグメント910がステータ磁極903、904の間に存在する時、ステータ磁極903、904、ヨーク906を順次通過する磁気回路の磁気抵抗が小さくなり、ステータコイル907のインダクタンスは増大する。セグメント910がステータ磁極903、904の間に存在しない時、ステータ磁極903、904、ヨーク906を順次通過する磁気回路の磁気抵抗が大きくなり、ステータコイル907のインダクタンスは減少する。同じく、セグメント911がステータ磁極904、905の間に存在する時、ステータ磁極904、905、ヨーク906を順次通過する磁気回路の磁気抵抗が小さくなり、ステータコイル908のインダクタンスは増大する。セグメント910がステータ磁極904、905の間に存在しない時、ステータ磁極904、905、ヨーク906を順次通過する磁気回路の磁気抵抗が大きくなり、ステータコイル908のインダクタンスは減少する。したがって、ステータ磁極904に巻回された界磁コイル909に直流電流を通電することにより、ステータ磁極904を流れる直流磁束は、セグメント910側に流れたり、セグメント911側に流れたりする。
この実施形態では、ロータをなすセグメント910、911をステータ磁極903〜905の間に挿入して電磁ギャップ面積を増大させているため、インダクタンスを稼いだ分だけ、電流を減らすことができる。図44に示すステータ磁極とロータのセグメントとのペアを、90度回転させることにより、その斜め電磁ギャップによりインダクタンスを増大して必要電流を低減することは可能である。図44では、ケーシング801により各ステータ磁極の前端面以外を包んだが、ケーシング801に固定された中間部材を通じて、ステータ部分コア901をケーシング801と一体化させてもよい。その他、各ステータ部分コアにステータコイルを集中巻きして多相モータとしてもよい。更に、回転翼車802の円盤部803の背面に固定し、それに対面して回転磁界形成用のステータコイルを配置してもよい。
(変形態様)
変形態様を図45を参照して説明する。
図44では、ステータ磁極903〜905とロータ902との間の電磁ギャップを斜めに設けたが、この電磁ギャップを径方向に延在させても良い。この電磁ギャップを径方向に延在させたモータは、アキシャルギャップモータとして公知である。このアキシャルギャップモータをラジアルコンプレッサ800の駆動に用いると、モータの軸方向幅を短縮してモータ軸長を短縮することができるため、図44に示す電動ラジアルコンプレッサの軸方向必要長を更に短縮することができる。このアキシャルギャップモータを用いた電動ラジアルコンプレッサを図45を参照して説明する。
図45は、ラジアルコンプレッサ800の円盤部803の背面に固定されたセグメント910、911と、ステータ磁極903〜905との間の電磁ギャップGが径方向に延在するリラクタンスモータ900をアキシャルギャップモータとしたものである。
ロータ902をなすセグメント910、911は、それぞれ径方向に延在している。もちろん、セグメント910とセグメント911とは、周方向に電気角πだけずれている。このリラクタンスモータ900は、図44のリラクタンスモータ900の実施例を90度だけ回転させただけであるため、これ以上の説明は省略する。
アキシャルギャップモータのロータをラジアルコンプレッサ800の回転翼車802の背面に固定することにより、この電動ラジアルコンプレッサの軸長を大幅に縮小できることが理解される。なお、通常のラジアルコンプレッサや電動ターボチャージャはスラスト軸受けをもつため、アキシャルギャップモータで問題となるその電磁ギャップの幅を保持する問題は問題なく解決される。ロータが回転翼車802の背面に固定されたアキシャルギャップモータでは、その電磁ギャップGを空気流れが径方向に流れるため、良好にロータやステータ磁極を冷却することができ、空気をラジアルコンプレッサ800を通じて外部に排出することができる。特に、径方向に延在するセグメント910、911は一種の遠心翼をなすため、セグメント910、911から径方向外側に排出される空気の速度エネルギーをディフユーザにて有効に利用することもできる。
(変形態様)
上記した図44、図45では、軟磁性のセグメント910、911が回転翼車802の背面に固定されたリラクタンスモータ900の例を説明したが、非磁性導電性金属からなる回転翼車802は、明らかにかご形誘導モータの二次コイルを兼ねることができる。既述したこの実施形態のモータ一体型ラジアルコンプレッサは、電動ターボチャージャや電動マイクロガスタービンのコンパクト化とイナーシャ低減に有効である。
(変形態様)
上記実施形態19で説明した電動ターボチャージャに用いたこの実施例の特徴構造は、電動タービン、電動ファン、電動ポンプ、電動コンプレッサなどにも用いることができることは明白である。
(変形態様)
図33では、軸方向後方へのスラストを受けるスラスト軸受けだけを設けたが、回転装置は、軸方向両側へのスラストを支持するために2個配置されてもよい。
実施例1の斜めギャップモータを示す軸方向模式半断面図である。 図1に示すステータの周方向部分断面図である。 図1に示すロータの径方向半側面図である。 図3に示すロータの周方向部分断面展開図である。 図3に示すロータの変形態様を示す径方向半断面図である。 図1に示すコイル式ロータ軸方向変位防止機構の軸方向半断面図である。 図6のコイル式ロータ軸方向変位防止機構を制御するギャップ幅調整回路の一例を示すブロック回路図である。 実施例2の斜めギャップモータを示す軸方向半断面図である。 図8のロータの周方向部分展開図である。 図8に示すロータ軸方向変位防止機構の軸方向半断面図である。 実施形態3の斜めギャップモータを示す軸方向半断面図である。 図11のロータの周方向部分展開断面図である。 図11に示すロータ軸方向変位防止機構の軸方向部分断面図である。 実施形態4の斜めギャップモータを示す軸方向半断面図である。 ステータコア及びロータコアを構成する螺旋巻きコアの斜め切断端面を示す模式断面図である。 実施形態5の斜めギャップモータを示す軸方向半断面図である。 図16の斜めギャップモータを示す径方向半側面図である。 ステータコアをなす螺旋巻きコアの巻き取り、斜め切断工程を示す図である。 図17の斜めギャップモータの変形態様を示す径方向半側面図である。 図17の斜めギャップモータを3個タンデム結合した多相モータの軸方向半断面図である。 実施形態6の斜めギャップモータの軸方向半断面図である。 図21の斜めギャップモータの径方向半側面図である。 実施形態7の斜めギャップモータの軸方向半断面図である。 図23の斜めギャップモータの径方向部分側面図である。 実施形態8の斜めギャップモータの軸方向半断面図である。 図25の斜めギャップモータの径方向部分側面図である。 実施形態9の斜めギャップモータの軸方向部分断面図である。 図27の斜めギャップモータの径方向部分側面図である。 実施形態10の斜めギャップモータの軸方向部分断面図である。 実施形態11の斜めギャップモータの軸方向部分断面図である。 図30のAーA線矢視模式断面図である。 実施例12のステータ構造を示す部分斜視図である。 図32の斜めギャップモータの軸方向部分断面図である。 実施形態13の斜めギャップモータの軸方向部分断面図である。 図34の斜めギャップモータのロータの部分側面図である。 実施形態14のロータの部分周方向展開図である。 図36のロータの軸方向半断面図である。 実施形態15の斜めギャップモータの軸方向半断面図である。 図38の斜めギャップモータの部分周方向展開図である。 実施形態16の給電構造を示す部分正面図である。 図40の給電構造を回路図である。 実施形態17の斜めギャップモータを示す軸方向半断面図である。 実施形態18の周方向積層型ステータ磁極部のためのC形鋼板部材打ち抜き工程を示す平面図である。 実施例19のラジアルコンプレッサ一体型リラクタンスモータの軸方向断面図である。 図44に示すラジアルコンプレッサ一体型リラクタンスモータとしてラジアルギャップ型のリラクタンスモータを採用した変形態様を示す軸方向断面図である

Claims (38)

  1. 複数のステータ磁極部が周方向所定ピッチで配置されるステータ周面を有する磁性材製
    のステータコアと、前記ステータコアに巻装されて前記ステータ周面に沿って回転磁界を
    形成するステータコイルと、前記ステータ周面に所定の電磁ギャップを隔てて対面するロ
    ータ周面を有して前記ステータコアに対して相対回転するロータとを有し、
    前記ロータは、軸方向前側に設けられた前記ロータ周面である前側ロータ周面と、軸方
    向後側に設けられた前記ロータ周面である後側ロータ周面とを有し、
    前記ステータコアは、前記前側ロータ周面に対面する前側ステータ周面と、前記後側ロ
    ータ周面に対面する後側ステータ周面とを有するアキシャルギャップモータにおいて、
    前記前側ロータ周面と前記後側ロータ周面との間の前記ロータの軸方向幅は、径方向外
    側へ向かうにつれて次第に狭くなる部分を有し、
    前記電磁ギャップは、軸方向断面において軸方向及び径方向に対してそれぞれ斜めに延
    在する斜め電磁ギャップにより主として構成されていることを特徴とするアキシャルギャ
    ップモータ。
  2. 前記ロータは、径方向最内側から径方向最外側まで径方向外側へ向かうにつれて軸方向
    幅が次第に狭くなる請求項1記載のアキシャルギャップモータ。
  3. 前記ステータ及びロータは、径方向外側へ向かうにつれて軸方向幅が次第に狭くなる第
    1部分と、径方向外側へ向かうにつれて軸方向幅が次第に大きくなる第2部分とを径方向
    交互に有する請求項1記載のアキシャルギャップモータ。
  4. 前記ステータコア及び前記ロータの少なくとも一方は、長さ方向において次第に幅が変
    化する帯状鋼板を螺旋状に巻回して構成される螺旋巻きコアを有する請求項1記載のアキ
    シャルギャップモータ
  5. 前記螺旋巻きコアの前記電磁ギャップに接する端面は、前記斜め電磁ギャップに沿って
    斜めに切断されている請求項4記載のアキシャルギャップモータ。
  6. 前記ロータは、軸方向積層鋼板からなる軸方向積層コアと、前記軸方向積層コアの軸方
    向貫通孔に挿入、固定された前記螺旋巻きコアとを有し、
    前記ロータの前記軸方向積層コアの径方向外側にラジアルギャップを介して配置されて
    前記軸方向積層コアとともに前記ラジアルギャップモータを構成する第2ステータを有す
    る請求項4記載のアキシャルギャップモータ。
  7. 前記第2ステータに巻装される第2ステータコイルは、前記ロータに軸方向に配置され
    る前記ステータコアに巻装される前記アキシャルギャップモータ用の前記ステータコイル
    と異なる位相にて駆動される請求項6記載のアキシャルギャップモータ。
  8. 前記ステータコアは、前記ロータの径方向片側に位置して少なくとも軸方向へ磁束を通
    過させるヨーク部と、前記ヨーク部の軸方向両端部からそれぞれ径方向へ延在する一対の
    先端部とを有するステータ磁極部を周方向へ所定ピッチで配列して構成され、
    前記先端部は、前記斜め電磁ギャップに対面し、
    前記ステータコイルは、前記ステータコアの前記ヨーク部及び前記ステータ磁極部に囲
    まれるスロット部分に巻かれている請求項1記載のアキシャルギャップモータ。
  9. 前記ヨーク部は、径方向に積層された複数層の鋼板からなり、
    前記一対の先端部は、前記ヨーク部の軸方向両端部から径方向へ曲げられて径方向へ延
    在する請求項8記載のアキシャルギャップモータ。
  10. 前記各ステータ磁極部の各ヨーク部はつながっている請求項8記載のアキシャルギャッ
    プモータ。
  11. 前記ステータコイルは、軸方向に隣接配置された2つの前記ステータ磁極部の各スロッ
    トにリング状に巻回されている請求項8記載のアキシャルギャップモータ。
  12. 前記ステータコイルは、前記ロータ軸心の周囲にリング状に配置されるリングコイルか
    らなる請求項8記載のアキシャルギャップモータ。
  13. 前記ステータコアは、前記ロータの軸方向片側に位置して少なくとも径方向へ磁束を通
    過させるヨーク部と、前記ヨーク部の径方向両端部からそれぞれ軸方向へ延在する一対の
    先端部とを有するステータ磁極部を周方向へ所定ピッチで配列して構成され、
    前記先端部は、前記斜め電磁ギャップに対面し、
    前記ステータコイルは、前記ステータコアの前記ヨーク部及び前記ステータ磁極部に囲
    まれるスロット部分に巻かれている請求項1記載のアキシャルギャップモータ。
  14. 前記ヨーク部は、軸方向に積層された複数層の鋼板からなり、
    前記一対の先端部は、前記ヨーク部の径方向両端部から軸方向へ曲げられて軸方向へ延
    在する請求項13記載のアキシャルギャップモータ。
  15. 前記各ステータ磁極部の各ヨーク部はつながっている請求項13記載のアキシャルギャ
    ップモータ。
  16. 前記ステータコイルは、径方向に隣接配置された2つの前記ステータ磁極部の各スロッ
    トにリング状に巻回されている請求項13記載のアキシャルギャップモータ。
  17. 前記ステータコイルは、前記ロータ軸心の周囲にリング状に配置されるリングコイルか
    らなる請求項13記載のアキシャルギャップモータ。
  18. 前記ステータ及び前記ロータのペアは軸方向に複数配置され、前記各ペアのロータは同
    一の回転軸に固定され、前記各ペアのステータコイルは異なる相コイルをなす請求項1記
    載のアキシャルギャップモータ。
  19. 前記ステータコイルが前記軸方向前側の電磁ギャップに形成する前側の回転磁界と、前
    記ステータコイルが前記軸方向後側の電磁ギャップに形成する後側の回転磁界とは、周方
    向同一位相とされ、
    前記ロータは、軸方向に磁化された永久磁石を有する請求項1記載のアキシャルギャッ
    プモータ。
  20. 前記ロータは、帯状鋼板を螺旋状に巻回して構成される螺旋巻きコアを有し、
    前記永久磁石は、前記螺旋巻きコアに周方向所定ピッチで軸方向に形成された磁石収容
    孔に収容されている請求項19記載のアキシャルギャップモータ。
  21. 前記ステータコイルが前記軸方向前側の電磁ギャップに形成する前側の回転磁界と、前
    記ステータコイルが前記軸方向後側の電磁ギャップに形成する後側の回転磁界とは、周方
    向同一位相とされ、
    前記ロータは、帯状鋼板を螺旋状に巻回して構成される螺旋巻きコアを有し、
    前記螺旋巻きコアは、周方向同位置にて軸方向両側に突出する突極部を有する請求項1
    記載のアキシャルギャップモータ。
  22. 前記ステータと前記ロータとの間の電磁ギャップは、階段状に形成されている請求項1
    記載のアキシャルギャップモータ。
  23. 前記ステータは、斜め方向に積層された鋼板により形成されたステータ磁極部を有する
    請求項1記載のアキシャルギャップモータ。
  24. 前記ロータは、接線方向に積層された鋼板により形成されて放射状に配置されたロータ
    磁極部を有する請求項1記載のアキシャルギャップモータ。
  25. 前記ロータは、前記前側ロータ周面に近接して延在する前側のコイル導体と、前記後側
    ロータ周面に近接して延在する後側のコイル導体とを有し、前記前側のコイル導体の径方
    向外端は前記後側のコイル導体の径方向外端に連なっている請求項1記載のアキシャルギ
    ャップモータ。
  26. 前記ロータ周面と前記ステータ周面との間の電磁ギャップの径方向内側部分に外部から
    冷却空気流を導入する空気吸入孔と、
    前記ロータ周面と前記ステータ周面との間の電磁ギャップの径方向外側部分から外部へ
    冷却空気流を排出する空気排出孔と、
    を有し、
    前記ロータは、電機子コイルが収容されるスロットを有し、前記スロットは前記電機子
    コイルが存在しない空隙部を有し、前記空隙部は、略径方向に延在して冷却空気流を径方
    向外側に流す翼部を兼ねる請求項1記載のアキシャルギャップモータ。
  27. 前記回転軸に固定された一対のスリップリングと、前記回転軸側に固定されて前記一対
    のスリップリングを通じて外部から直流電源電圧が印加されるインバータとを有し、
    前記ロータは、前記インバータから交流電流が通電される電機子コイルを有するインナ
    ーロータ構造の請求項1記載のアキシャルギャップモータ。
  28. 前記ステータは、静止軸に固定され、
    前記ロータの外周面は、外部とトルクを授受するためのトルク発生機構を有し、
    前記ロータは、前記前側ステータ周面の軸方向前側に位置する前記前側ロータ周面と、
    前記後側ステータ周面の軸方向後側に位置する前記後側ロータ周面とを有して、前記静止
    軸に回転自在に支持されるアウターロータ型の請求項1記載のアキシャルギャップモータ
  29. 前記ロータは、
    前記前側ロータ周面から前記後側ロータ周面に磁束を流す軟磁性部材により構成され、
    周方向に所定間隔を隔てて配列される複数の軟磁性セグメントと、
    前記各軟磁性セグメントを磁気的に連結する周方向磁気連結部材であるヨークを含むこ
    となく前記軟磁性セグメントを支持する非磁性の輪盤状部材とを有し、
    前記ロータは、リラクタンストルクを発生する請求項1記載のアキシャルギャップモー
    タ。
  30. 前記ロータは、
    前記前側ロータ周面から前記後側ロータ周面に磁束を流す軟磁性部材により構成され、
    周方向に所定間隔を隔てて配列される複数の軟磁性セグメントと、
    前記各軟磁性セグメントを磁気的に連結する周方向磁気連結部材であるヨークを含むこ
    となく前記軟磁性セグメントを支持する導電性の輪盤状部材とを有し、
    前記ロータは、誘導トルクを発生する請求項1記載のアキシャルギャップモータ。
  31. 前記ステータ及び前記ロータが前記軸方向前側の電磁ギャップに形成する前側磁束の量
    と、前記ステータ及びロータが前記軸方向後側の電磁ギャップに形成する後側磁束の量と
    は、略等しく設定され、
    前記ステータ及びロータが前記軸方向前側の電磁ギャップに形成する前側磁束の周方向
    分布と、前記ステータ及びロータが前記軸方向後側の電磁ギャップに形成する後側磁束の
    周方向分布とは、周方向に一致して形成されている請求項1記載のアキシャルギャップモ
    ータ。
  32. 前記ロータの外周面に、回転側筒状永久磁石が配置され、
    ハウジングに固定されて前記回転側筒状永久磁石に対して小さい径方向電磁ギャップを
    隔てて静止側筒状永久磁石が配置され、
    前記回転側筒状永久磁石及び静止側筒状永久磁石は、軸方向所定ピッチでリング状のN
    極とリング状のS極とを有し、
    前記回転側筒状永久磁石のN極と前記静止側筒状永久磁石のS極とは軸方向同位置に、前記回転側筒状永久磁石のS極と前記静止側筒状永久磁石のN極とは軸方向同位置に配置される請求項1記載のアキシャルギャップモータ。
  33. 前記電磁ギャップの径方向内側に位置する前記ロータの内側前端面及び内側後端面に回
    転側円盤状永久磁石がそれぞれ配置され、
    ハウジングに固定されて前記回転側円盤状永久磁石に対して小さい軸方向電磁ギャップ
    を隔てて静止側円盤状永久磁石が配置され、
    前記回転側円盤状永久磁石及び静止側円盤状永久磁石は、軸方向所定ピッチでリング状
    のN極とリング状のS極とを有し、
    前記回転側円盤状永久磁石のN極と前記静止側円盤状永久磁石のN極とは径方向同位置に配置され、
    前記回転側円盤状永久磁石のS極と前記静止側円盤状永久磁石のS極とは径方向同位置に配置される請求項1記載のアキシャルギャップモータ。
  34. 前記ロータの軸方向一方側へのスラストを受けるスラスト軸受けを有し、
    前記前側ロータ周面は、前記ロータ及び前記ステータに設けられた永久磁石の磁界によ
    り前方に吸引され、
    前記後側ロータ周面は、前記ロータ及び前記ステータに設けられた永久磁石の磁界によ
    り後方に吸引され、
    前記前側ロータ周面が受ける前記磁気吸引力と前記後側ロータ周面が受ける前記磁気吸
    引力のうち、前記スラスト軸受けの前記スラストを増加する側の前記磁気吸引力は、前記
    スラスト軸受けの前記スラストを減少させる側の前記磁気吸引力よりも大きい請求項1記
    載のアキシャルギャップモータ。
  35. 微小な電磁ギャップを隔てて対面するステータ及びロータを有するモータと、
    前記モータとトルク授受する回転装置とを備え、
    前記回転装置は、前記モータの回転軸に結合された回転軸と、前記回転軸に固定されてガス又は液体により駆動されるか又は前記ガス又は液体を駆動する回転体と、前記ガス又は液体から前記回転体に与えられる軸方向力である回転体スラストを支持するスラスト軸受けとを有する電動式流体駆動装置において、
    前記モータは、前記ステータと前記ロータとが前記電磁ギャップを隔てて少なくとも軸方向に対面するアキシャルギャップモータからなり、
    前記回転体は、回転時に前記ガス又は液体から軸方向一方側に付勢され、
    前記アキシャルギャップモータの前記ロータは、通電により前記アキシャルギャップモータの前記ステータに向けて前記軸方向一方側に電磁的に吸引され、
    前記スラスト軸受けは、前記ステータと前記ロータとの間の電磁力により前記回転体スラストと軸方向同じ向きに前記ロータに与えられるロータスラストと前記回転体トラストとの両方を一緒に支承することを特徴とする電動式流体駆動装置。
  36. 微小な電磁ギャップを隔てて対面するステータ及びロータを有するモータと、
    前記モータとトルク授受する回転装置とを備え、
    前記回転装置は、前記モータの回転軸に結合された回転軸と、前記回転軸に固定されてガス又は液体により駆動されるか又は前記ガス又は液体を駆動する回転体と、前記ガス又は液体から前記回転体に与えられる軸方向力である回転体スラストを支持するスラスト軸受けとを有する電動式流体駆動装置において、
    前記回転装置は、前記回転体の軸方向他端側に形成されて前記ガス又は液体とエネルギーを授受する翼部を有し、
    前記アキシャルギャップモータの前記ロータは、前記回転体の軸方向一端側に固定されていることを特徴とする電動式流体駆動装置。
  37. 前記アキシャルギャップモータの前記ロータは、非磁性金属材料により形成されたラジアルコンプレッサの翼車の背面に固定される軟磁性のロータコアを有し、
    前記ステータは、前記電磁ギャップギャップを隔てて前記翼車の背面に対面する請求項36記載の電動式流体駆動装置。
  38. 前記回転装置は、ファン、ブロワ、コンプレッサ、タービン、ポンプ、水車のいずれかにより構成される請求項35又は36記載の電動式流体駆動装置。


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