JP2009004106A - 据置型の誘導加熱調理器 - Google Patents

Abstract

【課題】本体前面の前面温度低減と、本体表面の傷・打痕・熱変形などを生じにくくするとともに、電磁波漏れを低減すること。
【解決手段】グリル扉部３１のグリル飾り板３５と、前面カバー３２の前カバー飾り板３７と、側部カバー３３の側カバー飾り板３９を金属製とし本体２１前面の縦平面部に装着し、前カバー台３６の下部傾斜面４０に吸気口４１を配して成る。
【選択図】図２

Description

本発明は、魚などの被調理物を加熱庫内で加熱調理するグリルを備え、置き台などに載置して使用する据置型の誘導加熱調理器に関するものである。

従来この種の据置型の誘導加熱調理器は、図５に示すように、本体１の上面前部で、トッププレート２の周囲を囲むトップフレーム３に配置した操作パネル４下方の操作部５を構成する操作回路基板６と、本体前面７の温度上昇を抑制する構成になっている。

すなわち、冷却ファン８が加熱部駆動回路９に送風した後、本体前面７の内側に送風を直接当て流れ向きを上向きに偏向後、ダクト状になった操作部５内部に送風することで、本体前面７と操作回路基板６の温度上昇抑制を図っている（例えば、特許文献１参照）。
特開２００５−１９１９４号公報

しかしながら、前記従来の据置型の誘導加熱調理器は、操作部５や操作回路基板６の温度低減を図ることが目的であり、グリル把手の温度低減や、本体前面の衝撃や熱に対する強度アップおよび、本体内の電気的回路構成部品から本体前方への電磁波漏れ低減については、特に配慮されていない。そして、本体全面の構造や構成材料、さらに形状などについては特に規定されてない。

一方、据置型の誘導加熱調理器はビルトイン型の誘導加熱調理器とは異なり本体を組み込むキッチン天板が無いので、本体上面前方のトップフレームから本体前面にわたる部分が露出し、直接的に使用者に触れる部位となり、使用者が本体に近づき触れやすい。このため、グリル側方は使用者が本体の温度上昇による熱を感じやすく、また調理中や調理後に鍋などを移動する際に鍋などが本体前面に触れる頻度もビルトイン型に比べて高い。

本発明は前記従来技術にはない上記課題を解決するもので、冷却ファンの吸気口を本体前部に配置し、吸気口を配置する前面金属板の下方を傾斜面とし、グリル扉部の前記吸気口横方部も傾斜面とし、その上部にグリル把手を配することにより、グリル把手およびグリル左右面の本体前面温度低減と、本体前面の衝撃・熱強度アップと、本体から前方への電磁波漏れ低減を兼ねるものである。

前記従来の課題を解決するために本発明の据置型の誘導加熱調理器は、トップフレーム下の本体前面のグリル扉部と、グリル扉部側方で本体前面を覆う前面カバーと、グリル扉部側方で前面カバーと反対側の側部カバーと、前面カバー内方の冷却ファンとを備え、グリル扉部は前面が持ち手部とグリル飾り板とから成り、前面カバーとグリル扉部および側部カバーの下部は下部が奥側に傾斜した傾斜面となり、グリル飾り板と前カバー飾り板および側カバー飾り板は傾斜面上の縦平面部に装着し、前カバー台の下部傾斜面に吸気口を配して成るものである。

これによって、据置型の誘導加熱調理器は通常キッチン台に置いて使用されるので、本体の上前のトップフレーム角から本体前面が直接的に露出し、本体使用時に容易に使用者の手や鍋などの物が触れたり当ったりし、本体表面が傷付き易いことに対し、本体表面の傷・打痕・熱変形などを生じにくくできる。同時に、本体前面を金属で覆うことにより、電磁波漏れを低減する。

本発明の据置型の誘導加熱調理器は、本体前面の前面カバーとグリル扉部および側部カバーの下部は下部を奥側に傾斜した傾斜面とし、グリル飾り板と前カバー飾り板および側カバー飾り板は傾斜面上の縦平面部に装着し、前カバー台の下部傾斜面に吸気口を配することにより、本体前面の温度低減、衝撃・熱強度アップおよび、本体前面からの電磁波漏れ低減を兼ねた効果を得ることができる。

第１の発明は、本体前面のグリル扉部と、グリル扉部側方で本体前面を覆う前面カバーと、グリル扉部側方で前面カバーと反対側の側部カバーと、前面カバー内方の冷却ファンとを備え、グリル扉部は前面が持ち手部とグリル飾り板とから成り、前面カバーは本体に取り付ける前カバー台と前カバー台の表面側に備える前カバー飾り板とから成り、側部カバーは本体に取り付ける側カバー台と側カバー台の表面側に備える側カバー飾り板とから成り、前面カバーは下部が奥側に傾斜した傾斜面となり、グリル扉部および側部カバーの下部は側方からの投影形状が前面カバーと略同一位置の傾斜面となり、グリル飾り板と前カバー飾り板および側カバー飾り板は金属製で傾斜面上の縦平面部に装着し、前カバー台の下部傾斜面に吸気口を配して成る。

これにより、据置型の誘導加熱調理器は通常キッチン台に置いて使用されるので、本体の上前のトップフレーム角から本体前面が直接的に露出し、本体使用時に容易に使用者の手や鍋などの物が触れたり当ったりし、本体表面が傷付き易いことに対し、本体表面の傷・打痕・熱変形などを生じにくくできる。同時に、本体前面を金属で覆うことにより、電磁波漏れを低減する。

第２の発明は、特に、第１の発明において、グリル扉部はグリル飾り板の下方が持ち手部で、持ち手部は上端の保護面と保護面下に配した把手と、把手下方の持ち手傾斜面とから成り、グリル扉部側方の本体前面を覆う前面カバー下部の前カバー台の下部傾斜面に吸気口を配する。

これにより、吸気口は周囲から外気を吸い込むがグリル扉部側からの吸い込みは、把手が吸い込み気流の仕切りとなって把手の下を吸気が流れ、把手と把手下面は冷却されるので温度上昇しにくい。また、吸気口が前カバー飾り板で形成される縦面より奥方に傾く傾斜面に配されているので、吸気口が使用者や本体の前に置いた物によって塞がれにくく、吸気口が遮蔽され本体内の冷却が不十分になり本体の動作が停止するなどの不具合を低減する。

第３の発明は、特に、第１または第２の発明において、前面カバー側の本体底面前部を底面外周部より一段高い第１の底平面とし、底面外周部の内側はグリル下部を含んで底面外周部より一段低い第２の底平面とし、第１の平面に底面吸気口を配し、グリル飾り板の下方に持ち手部を配して成る。

これにより、底面吸気部は隣接する底面よりも一段高く、底面外周部の内側のその他の底面は一段低いので、底面吸気口の奥およびグリル把手下の奥は本体底面と床面との隙間が狭くなり、本体底面後方から底面吸気口には吸気されにくく、本体前方向が吸気導入方向となって、グリル把手下の空間からも吸気口および底面吸気口に吸気が導かれる。これにより把手の下を吸気流れが強くなり、把手と把手下面の冷却が強化され温度上昇を抑制する効果が高まる。

また、第１の底平面が周囲より一段高いので、底面吸気口の吸気抵抗低減を図るとともに、傾斜面の吸気口および第１の底平面の底面吸気口のどちらかの吸気口が塞がれた場合でも、吸気開口を確保し、本体内の冷却が不十分になり本体の動作が停止するなどの不意の不具合発生を低減する。

第４の発明は、特に、第１〜３のいずれか１つの発明において、前面カバー内方の本体内で、冷却ファンの後方に加熱コイル電源回路を配し、前カバー台の表面側に備える前カバー飾り板の前面縦平面部に開口を有さない閉平面として成るもので、前カバー飾り板である金属平面に穴が空かず、前面縦平面部全体が金属で覆うことができ、機械的・熱的強度を確保して物や熱い鍋などが当たった際の打痕・熱変形などを起きにくくする。さらに、加熱コイル電源回路前方の本体外面を金属製の前カバー飾り板で覆うので、加熱コイル電源回路からの電磁波漏れ低減の効果を高めることができる。

第５の発明は、特に、第１〜４のいずれか１つの発明において、前カバー飾り板とその内側の前カバー台、側カバー飾り板とその内側のグリル扉部の側面に備える側カバー台、グリル飾り板とその内側の扉枠との間は、前カバー台、側カバー台および扉枠の表面に凹部を配し、それぞれ前カバー飾り板、側カバー飾り板およびグリル飾り板との間が面接触を避けたもので、金属製の前カバー飾り板、側カバー飾り板およびグリル飾り板は、それぞれの保持台である前カバー台、側カバー台、扉枠との間に隙間を維持することができ、前カバー飾り板、側カバー飾り板およびグリル飾り板の温度低減と弾力性を得て、使用者が本体に不意に触れても熱さを感じにくい使用性の良さと傷付きにくさを得ることができる。

第６の発明は、特に、第１〜５のいずれか１つの発明において、側部カバーを構成する側カバー台に貫通穴を配し、側カバー飾り板を前記側カバー台の表面側に備えたもので、金属板である側部カバーに貫通穴を通して裏から空気を当てることができ、グリルなど周囲の高温部から伝わる伝導熱を奪い、側部カバーが構成する本体外面の温度低減を図る。

第７の発明は、特に、第１〜６のいずれか１つの発明において、前面カバー内方の本体内で、冷却ファンの後方に加熱コイル電源回路を配し、前面カバーを構成する前カバー台の表面側に備える前カバー飾り板と高さ方向で重なり、前カバー台の内方に備えられ通気穴を配した金属製の前カバー保持板に、前カバー台の一部を保持したもので、加熱コイル電源回路と、本体外面に金属製の飾り板を備えない器体外面である傾斜面との間に金属壁が形成され、加熱コイル電源回路が発生する電磁波漏れを低減するさらに、本体外面に金属製の飾り板を備えない器体外面である傾斜面が万一、長期使用中に衝撃などにより破損した場合でも、本体内部に対する防御壁となり、本体外の物や使用者の人体の一部が本体内部の回転部や充電部に触れることを防ぐことができ、安全性を確保することができる。

以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。

（実施の形態１）
図１、図２、図３は、本発明の第１の実施の形態における据置型の誘導加熱調理器の上面斜視図、底面斜視図、縦断面図を示すものである。

図１から図３において、調理器本体２１はキッチン台２２に置いて設置されている。本体２１の上面は結晶化ガラスを素材としたトッププレート２３の周囲をステンレス製のトップフレーム２４で囲んで覆われている。トッププレート２３には加熱部２５ａ、２５ｂが印刷されている。トッププレート２４後方で本体２１後部の部分には外部通気口を覆う通気パネル２６を配置している。加熱部２５ａ、２５ｂに対応する本体内部には誘導加熱手段を構成する加熱コイル２７ａ、２７ｂ（図示せず）が配されている。

図３は、図１において右側の加熱部２５ａの中央付近Ａ−Ａを通る縦断面図である。

左側の加熱コイル２７ｂの下方には、魚などを加熱する加熱庫であるグリル２８を配している。グリル２８の側方でかつ右の加熱コイル２７ａの下方には、加熱コイル２７ａ、２７ｂを電気的に動作する加熱コイル電源回路２９ａ、２９ｂと、本体２１外部の空気を吸い込む冷却ファン３０を配置している。

本体２１の前面は、グリル扉部３１と、グリル扉部３１側方で本体２１前面を覆う前面カバー３２と、グリル扉部３１側方で前面カバー３２と反対側の側部カバー３３とで構成される。冷却ファン３０は前面カバー３２の内方に配されている。

グリル扉部３１は前面が持ち手部３４とグリル飾り板３５とから成る。前面カバー３２は本体２１に取り付ける前カバー台３６と前カバー台３６の表面側に備える前カバー飾り板３７とから成る。側部カバー３３は本体２１に取り付ける側カバー台３８と側カバー台３８の表面側に備える側カバー飾り板３９とから成る。持ち手部３４、前カバー台３６、側カバー台３８はいずれも耐熱樹脂から成る。材質はフェノール樹脂や不飽和ポリエステル樹脂など熱硬化性樹脂や、温度上昇が耐えればポリエチレンテレフタレート樹脂やポリブチレンテレフタレート樹脂など熱可塑性樹脂であってもよい。

前面カバー３２は下部が奥側に傾斜した傾斜面４０となっている。グリル扉部３１および側部カバー３３の下部は側方から見ると投影形状が前面カバー３２と略同一で、下部が前面カバー３２の傾斜面４０と略同一の位置形状の傾斜面となっている。

グリル飾り板３５と前カバー飾り板３７および側カバー飾り板３９はいずれも金属製で、外観デザイン性を意図し磁性ステンレスを用い、前カバー台３６、側カバー台３８、グリル扉部３１上に装着し縦平面部の大部分を覆っている。

さらに、前カバー台３６下部の傾斜面４０には吸気口４１を備え、冷却ファン３０が本体２１内部で送風する空気の導入口となっている。

据置型の誘導加熱調理器本体２１は通常キッチン台２２に置いて使用する。すなわち、ビルトイン型の物はキッチンの天板前辺が使用者に対し調理器周辺の最前部となり、調理器本体が直接使用者に触れる頻度は低いが、据置型の場合は設置部にキッチンの天板がないので、本体２１上前のトップフレーム２４の前角稜線から本体２１前面が直接的に露出し、本体２１使用時に容易に使用者の手や体、また鍋やフライパンなどの硬い物や熱い物に触れたり当ったりし、調理器本体２１表面が傷付いたり、熱変形する状況になる頻度が高い。これに対し本実施の形態のような構成により、本体２１上前のトップフレーム２４がステンレス製であるに加え、グリル飾り板３５と前カバー飾り板３７および側カバー飾り板３９はいずれも金属の磁性ステンレス製であるので、本体２１の前表面が樹脂製の場合に比べ硬くなるので傷・打痕・熱変形などを起きにくくできる。同時に、本体２１前面縦平面部の大部分を金属で覆うことになり、加熱コイル２７ａの電磁波漏れを低減できる。また、冷却ファン３０は前面カバー３２の内方に配され、本体２１の前面に近い位置にあり、冷却ファン３０を駆動するモーター６５が生じる磁気漏れに対し、下端がモーター６５よりも下の位置にある、グリル飾り板３５と前カバー飾り板３７および側カバー飾り板３９を磁性金属製とし遮蔽効果があり、磁気漏れを低減できる。

グリル扉部３１の詳細な構成は、グリル飾り板３５の下方の持ち手部３４が、上端の保護面４２と保護面４２下に配した把手４３と、把手４３下方の持ち手傾斜面４４とから成り、この持ち手傾斜面４４が傾斜面４０と略同一の位置形状の傾斜面である。

前カバー３２下部の傾斜面４０に配した吸気口４１は周囲から外気を吸い込むが、グリル扉部３１側からの吸い込みは、把手４３が吸い込み気流の仕切りを成す突起物となって把手４３の突起形状の長手方向に沿って吸気気流が図１および図２中の矢印のように流れる。このため、グリル扉部３１を開閉する際に触れやすい把手４３上の保護面４２と、把手４３と把手４３下部の持ち手傾斜面４４が冷却され、温度上昇しにくくなる。また、吸気口４１が前カバー飾り板３７で形成される縦平面より奥方に傾く傾斜面４０に配されているので、吸気口４１は本体２１の前面である前カバー飾り板３７よりも奥方に配され、使用者が本体２１に触れた状態や本体２１の前に置いた物によって塞がれにくく、吸気口４１が遮蔽され本体内の冷却が不十分になり本体の動作が停止するなどの不具合を低減できる。

本体２１の底面形状は、前面カバー３２側の本体底面前部がその他の底面外周部４５より一段高い第１の底平面４６とし、底面外周部４５の内側はグリル下部を含んで底面外周部４５より一段低い第２の底平面４７としている。前面カバー３２側に臨みその他の底面外周部４５より一段高い第１の底平面４６には底面吸気口４８を配し、底面吸気口４８の内側の本体２１内で冷却ファン３０手前の空間は傾斜面４０に配した吸気口４１の内側の空間と共通である。グリル飾り板３５の下方の持ち手部３４の下面位置は底面外周部４５と略同一高さの面となっている。

底面吸気口４８が配置される第１の底平面４６は隣接する底面である底面外周部４５よりも一段高く、底面外周部４５の内側の底面である第２の底平面４７は底面外周部４５よりも一段低いので、底面吸気口４８の奥および持ち手部３４の持ち手傾斜面４４の奥は第２の底平面４７であり、床面との隙間が底面外周部４５や第１の底平面４６の部分に比べて狭くなる。これにより、本体２１底面の後方から底面吸気口４８には通気隙間が狭いので吸気されにくく、本体２１前方向からが吸気導入方向となって、持ち手部３４を構成する把手４３や持ち手傾斜面４４の下空間からも吸気口４１および底面吸気口４８に吸気が導かれる。これにより把手４３下の吸気流れが強くなる。これにより、把手４３と把手下面である持ち手傾斜面４４の冷却が強化され、温度上昇を抑制する効果が高まり、グリル２８使用時に触れる把手４３や持ち手傾斜面４４を操作しやすく、グリル２８を扱いやすくできる。

また、第１の底平面４６が周囲の底面外周部４５より一段高いので、底面吸気口４８の吸気抵抗低減を図るとともに、傾斜面４０に配した吸気口４１および第１の底平面４６の底面吸気口４８のどちらか一方の吸気口が塞がれた場合でも、本体２１の吸気開口を確保し、本体２１内の冷却が不十分になり本体の動作が停止するなどの不意の不具合発生を低減する。

前面カバー３２内方の本体２１内の冷却ファン３０の後方には、加熱コイル電源回路２９ａ、２９ｂを配し、スイッチング素子や共振コンデンサなどの発熱部品を主に冷却ファン３０の送風が当たり、良好な冷却効果が得られるよう配置している。前カバー台３６の表面側に備える前カバー飾り板３７は、グリル扉部３１の側方で本体２１の前面縦平面部を構成し、前カバー飾り板３７の縦平面内には電源スイッチや操作部を配さず、開口を有さない閉平面としている。

この構成により、前カバー飾り板３７である前面カバー３２の縦平面金属平面に穴が空かず、前面カバー３２の縦平面全体を金属で覆うことができ、たとえば電源スイッチなど樹脂製構成部品が露出する場合に比べ機械的・熱的強度を向上し、調理用器具など硬い物や、熱い鍋やフライパンなどが当たった際の打痕や熱変形などを起こりにくくできる。さらに、加熱コイル２７ａおよび、加熱コイル電源回路２９ａ、２９ｂ前方部の本体２１外面である前面カバー３２を穴のない閉平面の金属製の前カバー飾り板３７で覆い、加熱コイル２７ａおよび、加熱コイル電源回路２９ａ、２９ｂからの電磁波漏れ低減の効果を高めることができる。

前カバー飾り板３７、側カバー飾り板３９、グリル飾り板３５はそれぞれの外周部に設けた引っ掛け爪や曲げ爪で相手部品に保持されて固定されている。前カバー飾り板３７とその内側の前カバー台３６、側カバー飾り板３９とその内側のグリル扉部３１の側面に備える側カバー台３８、グリル飾り板３５とその内側の扉枠４９（図示せず）との間は、前カバー台３６、側カバー台３８および扉枠４９の表面にリブ５０を配している。それぞれのリブ５０表面に相手部品である前カバー飾り板３７、側カバー飾り板３９、グリル飾り板３５何れかの裏面が当接する位置関係になっている。それぞれのリブ５０の間は凹部５１となり、前カバー飾り板３７とその内側の前カバー台３６、側カバー飾り板３９とその内側のグリル扉部の側面に備える側カバー台３８、グリル飾り板３５とその内側の扉枠４９それぞれの間の面接触を避けている。

この構成により、金属製である前カバー飾り板３７、側カバー飾り板３９およびグリル飾り板３５は、それぞれの保持台である前カバー台３６、側カバー台３８、扉枠４９との間の接触がリブ５０の表面のみとなり、複数のリブ５０の間の凹部５１は金属製である前カバー飾り板３７、側カバー飾り板３９およびグリル飾り板３５は、それぞれの保持台である前カバー台３６、側カバー台３８、扉枠４９との間の隙間として空間を維持することができ、金属製の前カバー飾り板３７、側カバー飾り板３９およびグリル飾り板３５が本体２１内部の熱伝導による熱を受け温度上昇しにくくして温度低減を図り、凹部５１が前カバー飾り板３７、側カバー飾り板３９およびグリル飾り板３５の裏面に複数配置されることで、前カバー飾り板３７、側カバー飾り板３９およびグリル飾り板３５を構成する金属板の弾力性を得る。これにより、温度低減による使用者が本体２１に不意に触れても熱さを感じにくい使用性の良さと、弾力性による傷付きにくさを得ることができる。

図４は、図１において側カバー３３を通る断面Ｂ−Ｂである。

側部カバー３３は、冷却ファン３０の排気側の空間に配置され、冷却ファン３０の風下側に位置する。側部カバー３３を構成する側カバー台３８は耐熱性の樹脂であるフェノール樹脂から成り、その肉厚面内に貫通穴６０を配し、側カバー飾り板３９を側カバー台３８の表面側に備えている。側カバー台３８の材質は、熱硬化性樹脂である不飽和ポリエステル樹脂や、ポリエチレンテレフタレート樹脂やポリブチレンテレフタレート樹脂など耐熱性熱可塑性樹脂など、耐熱温度が許容されれば特に限定されない。

側部カバー３３は、冷却ファン３０の排気側の空間に配置され、さらに発熱部であるグリル２８の側方にあるので、特にグリル２８使用時にはグリル２８の熱伝導により熱くなりやすい。金属板である側カバー飾り板３９は、その裏面側に配した側カバー台３８の貫通穴６０を通してグリル２８よりも低温の本体２１内の空気を側カバー飾り板３９裏面に当てることができ、周囲の高温部であるグリル２８から伝わる伝導熱を奪い温度上昇を抑える。これにより、本体２１の外面を構成する側部カバー３３の温度低減を図ることができる。

前面カバー３２内方の本体２１内には、冷却ファン３０の後方に加熱コイル２７ａ、２７ｂを電気的に動作させる加熱コイル電源回路２９ａ、２９ｂを２層に重ねて配している。前面カバー３２と冷却ファン３０の間の空間には、樹脂性の前カバー台３６の傾斜面４０を本体２１内部で囲うように、断面形状が逆Ｌ型で金属製の前カバー保持板６１が本体２１の底面に固定されている。前カバー台３６の下部には引掛け部６２があり、前カバー保持板６１の切起こし爪６３と係合している。前カバー保持板６１の上面位置は前カバー飾り板３９の下端より上にあり、高さ方向で前カバー保持板６１と前カバー飾り板３９とは重なった位置にある。前カバー保持板６１の上面には通気穴６４を配し、前カバー台３６の傾斜面４０に配した吸気口４０から吸入された冷却風は通気穴６４を通って冷却ファン３０に達する。前カバー保持板６１は、樹脂性の前カバー台３６の傾斜面４０など樹脂露出面を本体２１内部から、本体２１の底板と前カバー保持板６１と前カバー飾り板３９とが高さ方向で重なるように囲っている。

この構成により、加熱コイル電源回路２９ａ、２９ｂと、本体２１外面で傾斜面４０など金属製の飾り板を備えない部分との間に前カバー保持板６１により金属壁が形成され、加熱コイル電源回路２９ａ、２９ｂが動作中に発生する電磁波の漏れを金属製の前カバー保持板６１によって低減できる。さらに、本体２１外面に金属製の前カバー飾り板３７を備えない器体外面である傾斜面４０が万一、使用中の衝撃などにより破損した場合でも、前カバー保持板６１が傾斜面４０の内方で本体２１内部に対する防御壁となり、本体２１外部の物や使用者の人体の一部が本体２１内部の回転部である冷却ファン３０や充電部である加熱コイル電源回路２９ａ、２９ｂに触れることを防ぐことができ、本体２１の安全性を確保することができる。

以上のように、本発明にかかる据置型の誘導加熱調理器は、通常キッチン台に置いて使用されるので、本体の上前のトップフレーム角から本体前面が直接的に露出し、本体使用時に容易に使用者の手や鍋などの物が触れたり当ったりし、本体表面が傷付き易いことに対し、本体表面の傷・打痕・熱変形などを生じにくくでき、同時に、本体前面を金属で覆うことにより、電磁波漏れを低減することができるので、台に置いて使用する加熱調理器等の用途にも適用できる。

本発明の実施の形態１における据置型の誘導加熱調理器の上面斜視図 本発明の実施の形態１における据置型の誘導加熱調理器の底面斜視図 本発明の実施の形態１における据置型の誘導加熱調理器の縦断面図 本発明の実施の形態１における据置型の誘導加熱調理器の要部縦断面図 従来例における据置型の誘導加熱調理器の分解斜視図

符号の説明

２１ 本体
２３ トッププレート
２４ トップフレーム
２９ａ、２９ｂ 加熱コイル電源回路
３０ 冷却ファン
３１ グリル扉部
３２ 前面カバー
３３ 側部カバー
３４ 持ち手部
３５ グリル飾り板
３６ 前カバー台
３７ 前カバー飾り板
３８ 側カバー台
３９ 側カバー飾り板
４０ 傾斜面
４１ 吸気口
４２ 保護面
４３ 把手
４４ 持ち手傾斜面
４５ 底面外周部
４６ 第１の底平面
４７ 第２の底平面
４８ 底面吸気口
４９ 扉枠
５１ 凹部
６０ 貫通穴
６１ 前カバー保持板
６４ 通気穴

Claims (7)

1. 本体の上面のトッププレートを囲む金属製のトップフレームと、前記トップフレーム下の前記本体前面のグリル扉部と、前記グリル扉部側方で前記本体前面を覆う前面カバーと、前記グリル扉部側方で前面カバーと反対側の側部カバーと、前記前面カバー内方の冷却ファンとを備え、前記グリル扉部は前面が持ち手部とグリル飾り板とから成り、前記前面カバーは前記本体に取り付ける前カバー台と前記前カバー台の表面側に備える前カバー飾り板とから成り、前記側部カバーは前記本体に取り付ける側カバー台と前記側カバー台の表面側に備える側カバー飾り板とから成り、前記前面カバーは下部が奥側に傾斜した傾斜面となり、前記グリル扉部および前記側部カバーの下部は側方からの投影形状が前記前面カバーと略同一位置の傾斜面となり、前記グリル飾り板と前記前カバー飾り板および前記側カバー飾り板は金属製で前記前面カバー、前記側部カバーおよび前記グリル扉部上の縦平面部に装着し、前記前カバー台の下部傾斜面に吸気口を配して成る据置型の誘導加熱調理器。
2. グリル扉部はグリル飾り板の下方が持ち手部で、前記持ち手部は上端の保護面と前記保護面下に配した把手と、前記把手下方の持ち手傾斜面とから成り、前記グリル扉部側方の本体前面を覆う前面カバー下部の前カバー台の下部傾斜面に吸気口を配して成る請求項１に記載の据置型の誘導加熱調理器。
3. 前面カバー側の本体底面前部をその他の底面外周部より一段高い第１の底平面とし、底面外周部の内側はグリル下部を含んで底面外周部より一段低い第２の底平面とし、前記第１の底平面に底面吸気口を配し、グリル飾り板の下方に持ち手部を配して成る請求項１または２に記載の据置型の誘導加熱調理器。
4. 前面カバー内方の本体内で、冷却ファンの後方に加熱コイル電源回路を配し、前カバー台の表面側に備える前カバー飾り板の前面縦平面部に開口を有さない閉平面として成る請求項１〜３のいずれか１項に記載の据置型の誘導加熱調理器。
5. 前カバー飾り板とその内側の前カバー台、側カバー飾り板とその内側の、グリル扉部の側面に備える側カバー台、グリル飾り板とその内側の扉枠との間は、前記前カバー台、前記側カバー台および前記扉枠の表面に凹部を配し、それぞれ前記前カバー飾り板、前記側カバー飾り板および前記グリル飾り板との間が面接触を避けて成る請求項１〜４のいずれか１項に記載の据置型の誘導加熱調理器。
6. 側部カバーを構成する側カバー台に貫通穴を配し、側カバー飾り板を前記側カバー台の表面側に備えて成る請求項１〜５のいずれか１項に記載の据置型の誘導加熱調理器。
7. 前面カバー内方の本体内で、冷却ファンの後方に加熱コイル電源回路を配し、前記前面カバーを構成する前カバー台の表面側に備える前カバー飾り板と高さ方向で重なり、前記前カバー台の内方に備えられ通気穴を配した金属製の前カバー保持板に、前記前カバー台の一部を保持して成る請求項１〜６のいずれか１項に記載の据置型の誘導加熱調理器。

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