以下、本発明に従った電子機器の実施の形態を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態である電子機器のハードウェア構成を模式的に示す図である。
電子機器1は、CPU(Central Processing Unit)10、記憶装置20、表示装置30、スピーカ40、入力装置50、および、翻訳モジュール60を含む。電子機器1では、これらの各構成要素は、バス70を介して接続されている。CPU10は、電子機器1の動作を全体的に制御する。記憶装置20は、後述するように種々の情報を記憶する。表示装置30は、たとえば液晶ディスプレイなどによって構成される。スピーカ40は、音声を出力する。入力装置50は、キーボードおよび/またはマウス等の、ユーザが情報を入力するのに利用される装置を含む。電子機器1では、入力装置50を操作されることによって、種々の情報が入力される。翻訳モジュール60は、入力装置50などを介して入力された文に対する翻訳処理を実行する。
図2は、電子機器1における、翻訳処理に関する機能構成を示すブロック図である。
翻訳モジュール60は、記憶装置20に記憶された情報を利用することによって、入力部100から入力された文に対して翻訳処理を行なう。また、翻訳モジュール60は、翻訳処理の結果である翻訳文を、出力部200において出力する。入力部100は、たとえば入力装置50によって構成される。なお、入力部100は、電子機器1に適宜備えられたマイク(図示略)によって構成されてもよい。つまり、翻訳モジュール60は、当該マイクを介して入力された音声に対して音声認識を行ない、当該認識結果に基づいて得られた文に対して翻訳処理を行なってもよい。
出力部200は、表示装置30および/またはスピーカ40から構成される。つまり、翻訳モジュール60は、翻訳処理の結果を、表示装置30に表示させてもよいし、スピーカ40から音声として出力してもよい。
記憶装置20は、優先出力言語記憶部201、混在言語記憶部202、割合情報記憶部203、高支配率言語情報記憶部204、割合指定情報記憶部205、および、辞書メモリ210を含む。
優先出力言語記憶部201は、翻訳文を基本的にどの言語で生成するかについての情報を記憶する。電子機器1では、文章が入力された場合、当該文章は、優先出力言語記憶部201に記憶された言語(優先出力言語)の文法に従った文に翻訳され、出力される。なお、優先出力言語記憶部201の記憶内容は、ユーザが入力装置50等を適宜操作することにより更新できる。
混在言語記憶部202は、電子機器1において出力される翻訳文に混在される言語(混在言語)を特定する情報を記憶する。
割合情報記憶部203は、翻訳文における優先出力言語と混在言語の割合を指定する情報(割合指定情報)を記憶する。
高支配率言語情報記憶部204は、入力文における、各品詞についての、使用される頻度の高い言語を特定する情報を記憶する。
割合指定情報記憶部205は、入力装置50に対してなされた操作内容に対応した情報であって、後述するスライドバー(スライドバー102)の位置を指定する情報を記憶する。
辞書メモリ210には、複数の言語にについて辞書として機能するために必要な情報を記憶する翻訳辞書211と、翻訳辞書211に情報を記憶される各言語の文法規則を特定する情報を記憶する文法規則212が記憶されている。
翻訳モジュール60では、まず言語設定部61において、入力された文に対する翻訳処理における優先言語の文法が読み込まれる。具体的には、言語設定部61は、優先出力言語記憶部201に記憶されている優先出力言語を読み込み、そして、文法規則212に記憶されている複数の言語の文法規則の中から優先出力言語の文法規則を読み込む。
解析部62は、入力文から前編集記号を取除いた後、辞書(翻訳辞書211)を引いて入力文を各形態素に分割し、時制・人称・数などを得る辞書引き・形態素解析を行なう。さらに、解析部62は、単語間の係り受けなどの文法構造(構文解析木)を決定する。
そして、文法変換部63は、解析部62で決定された構文解析木を優先出力言語での構文解析木に変換する。これにより、入力文を構成する単語は、優先出力言語の文法に従って並べられている。
そして、単語変換部64は、優先出力言語の文法に従って並べられた入力文の各単語を、適宜翻訳辞書211を用いて他の言語の単語に入れ替える。なお、単語変換部64は、後述するCPU10が実行する処理において、必要とされる場合以外は、入力文の一部または全部の単語を他の言語の単語と入れ替えることなく、出力する場合もある。また、単語変換部64は、上記処理において、入力文の単語を、品詞ごとに、異なる言語の単語に入れ替える場合もある。
翻訳制御部65は、解析部62、文法変換部63、および、単語変換部64の動作を制御する。そして、翻訳制御部65は、単語変換部64が単語の変換を行なった文を、出力文として出力部200へ出力する。
翻訳モジュール60の各構成要素は、それぞれ、CPU10が記憶装置20に記憶されるプログラムを実行されることによって実現されても良いし、その一部または全部が、専用のLSI(Large Scale Integration)等のハードウェアによって実現されても良い。
次に、電子機器1において実行される翻訳処理の内容について、当該処理のフローチャートである図3および図4を参照して説明する。なお、この処理は、電子機器1に対して入力文が入力されたことを条件として開始されてもよいし、入力装置50に対して当該処理を開始するための情報が入力されたことを条件として開始されてもよい。
まず図3を参照して、翻訳処理では、CPU10は、ステップS10で、これから出力翻訳文についての優先出力言語を設定し、ステップS20へ処理を進める。なお、具体的には、ステップS10では、CPU10は、優先出力言語記憶部201に記憶された優先出力言語を特定する情報を読出し、そして、当該優先出力言語に対応する文法規則を文法規則212から読込む。また、優先出力言語記憶部201に優先出力言語を特定する情報が記憶されていない場合には、CPU10は、当該情報の入力を表示等によりユーザに対して促し、当該情報が入力されたことを条件として、ステップS20へ処理を進める。
次に、CPU10は、ステップS20で、これから出力する翻訳文において、混在させる言語の設定を行ない、ステップS30へ処理を進める。なお、具体的には、ステップS20では、CPU10は、混在言語記憶部202に記憶された言語を読込む。混在言語記憶部202に混在言語を特定する情報が記憶されていない場合には、CPU10は、当該情報の入力を表示等によりユーザに対して促し、当該情報が入力されたことを条件として、ステップS30へ処理を進める。
ステップS30では、CPU10は、入力文が入力されているか否かを判断し、入力されていると判断するとステップS50へ処理を進め、されていないと判断すると、ステップS40へ処理を進める。なお、入力文は、たとえば記憶装置20内の所定のバッファに格納される。そして、CPU10は、当該バッファに入力文が記憶されているか否かを判断する。
ステップS40では、CPU10は、表示装置30にメッセージを表示する等して、ユーザに対して入力文の入力を促す処理を行ない、入力されたと判断するとステップS50へ処理を進める。
ステップS50では、CPU10は、入力文に対する形態素解析を実行する。これにより、CPU10は、入力文の各形態素について、言語の種類(日本語、英語、中国語など)と品詞を得る。なお、入力文がその各形態素について言語の種類および品詞の情報を付与された状態で電子機器1に入力された場合には、ステップS50の処理は省略される。
次に、CPU10は、ステップS60において、入力文に含まれる形態素の中で優先出力言語と同じ言語のものが存在するか否かを判断し、存在すると判断するとステップS100へ処理を進め、存在しないと判断するとステップS70へ処理を進める。
ステップS70では、CPU10は、入力文の形態素の中でその言語が混在言語と一致するものが存在するか否かを判断し、存在すると判断するとステップS100へ処理を進め、存在しないと判断するとステップS80へ処理を進める。
ステップS80では、入力文をすべての単語を優先出力言語に変換し、ステップS90へ処理を進める。
ステップS90では、CPU10は、ステップS80で変換を行なった後の文章を表示装置30へ表示させて、ステップS130(図4参照)に処理を進める。
一方、ステップS100では、CPU10は、入力文におけるすべての単語を優先出力言語の文法規則に則って並び替え、ステップS110へ処理を進める。
ステップS110では、CPU10は、入力文において優先出力言語と混在言語以外の言語の形態素が存在するか否かを判断し、存在すると判断するとステップS130(図4参照)へ処理を進め、存在しないと判断するとステップS120へ処理を進める。
ステップS120では、CPU10は、ステップS100で並べ替えを行なった文章を表示装置30で表示させて、ステップS160(図4参照)へ処理を進める。
図4を参照して、ステップS130では、CPU10は、ステップS100で並べ替えを行なった文章を表示装置30で表示させて、ステップS140へ処理を進める。
ステップS140では、CPU10は、ステップS130で表示装置30に表示させた文の中で、混在言語以外の形態素を優先出力言語の単語に変換して、ステップS150へ処理を進める。
ステップS150では、CPU10は、ステップS140で変換を行なった後の文章を、ステップS130で表示させた文章とともに、表示装置30で表示させて、ステップS160へ処理を進める。
電子機器1では、後述するように、入力文、翻訳文(出力文)が、優先出力言語と混在言語との出力文における割合を表わす画像とともに表示される。具体的には、たとえば、表示装置30には、図11(B)に示すように入力文および出力文が表示されるとともに、図11(A)に示すようにスライドバー表示部101が表示される。
CPU10は、スライドバー表示部101の中に、スライドバー102とともに、その下部に五段階で翻訳文(出力文)における言語の割合を示すための割合表示記号101A〜101Eを表示させる。スライドバー102は、割合表示記号101A〜101Eのいずれかに対応する位置に表示される。そして、割合表示記号101A〜101Eの中の1つであって、スライドバー102の表示位置に対応するものは、他の4つに対して、反転表示される等、異なる態様で表示される。
図4に戻って、ステップS160では、CPU10は、上記したスライドバー表示部101の表示を含めた表示制御処理であるスライドバー処理を実行して、ステップS170へ処理を進める。ここで、スライドバー処理の内容について、当該処理のサブルーチンのフローチャートである図5を参照して、説明する。
図5を参照して、スライドバー処理では、CPU10は、まずステップSA10で、スライドバー初期位置判定処理を実行して、ステップSA20へ処理を進める。なお、ステップSA10の処理内容について、当該処理のサブルーチンのフローチャートである図6および図7を参照して、説明する。
図6を参照して、スライドバー初期位置判定処理では、CPU10は、まずステップSB10で、入力文が単一言語の単語を使用した文であるか否か、つまり、入力文のすべての形態素が同じ言語であるか否かを判断し、そうであると判断するとステップSB70へ処理を進め、そうではないと判断するとステップSB20へ処理を進める。
ステップSB20では、入力文における言語の割合を判定する処理である言語支配率判定処理を実行して、ステップSB30へ処理を進める。ここで、言語支配率判定処理の内容を、当該処理のサブルーチンのフローチャートである図8を参照して説明する。
図8を参照して、言語支配率判定処理では、CPU10は、まずステップSC10で、すべての名詞の数に対する優先出力言語を使用した名詞の数の割合を算出し、当該割合をAとして出力する。具体的には、たとえば入力文において、名詞という品詞を与えられた形態素の数をA2とし、そして、名詞という品詞を与えられた形態素の中でその言語が優先出力言語と一致する形態素の数をA1とした場合、Aは、「A=A1/A2」で算出される。
次に、CPU10は、ステップSC20において、ステップSC10で算出したAが0.5以上であるか否かを判断し、そうであると判断するとステップSC40へ処理を進め、そうではないと判断するとステップSC30へ処理を進める。なお、本実施の形態では、ステップSC10における判断基準の値が0.5とされているが、この値は、ユーザの設定等により適宜変更されても良い。
ステップSC40では、CPU10は、入力文において、名詞については優先出力言語の支配率が高いと判断し、高支配率言語情報記憶部204において名詞に対応する情報として優先出力言語を記憶し、図6へ処理をリターンさせる。一方、ステップSC30では、名詞については混在言語の支配率が高いと判断して、高支配率言語情報記憶部204の名詞に対応する情報として混在言語を記憶し、図6へ処理をリターンさせる。なお、図8では、名詞についての処理のみが示されているが、言語支配率判定処理では、この他に、少なくとも動詞、形容詞についての同様の処理がなされ、高支配率言語情報記憶部204に、それぞれの品詞に対応した情報が記憶される。
ここで、言語支配率判定処理の内容を図9および図10を参照して詳細に説明する。
まず図9を参照して、図9中で<例1>として示された文では、優先出力言語が英語とされた場合、当該文において名詞は3個含まれ、その中で優先出力言語を使用されているものは1個である。この場合、上記した値Aは、1/3、つまりほぼ0.33となり、0.5よりも低くなっている。このことから、この文については、名詞については混在言語の支配率が高いと判断される。
また、図10を参照して、図10中で<例2>として示された文では、当該文において動詞は2個含まれ、その中で優先出力言語(英語)を使用されているものは1個である。この場合、上記した値Aは、1/2、つまり0.5となる。このことから、この文については、動詞については優先出力言語の支配率が高いと判断される。
図6に戻って、ステップSB20で言語支配率判定処理を行なった後、CPU10は、SB30で、入力文の名詞について支配率が高い言語が混在言語であるか否かを判断し、そうであると判断するとステップSB130(図7参照)へ処理を進め、そうではないと判断するとステップSB40へ処理を進める。
ステップSB40では、入力文において、動詞についての支配率が高い言語が混在言語であるか否かを判断し、そうであると判断するとステップSB10へ処理を進め、そうではないと判断するとステップSB50へ処理を進める。
なお、CPU10は、各品詞についての混在言語の支配率が高いか否かは、高支配率言語情報記憶部204において、各品詞に対応して混在言語が記憶されているか否かによって判断する。
ステップSB50では、CPU10は、入力文において、形容詞についての支配率が高い言語が混在言語であるか否かを判断し、そうであると判断するとステップSB110へ処理を進め、そうではないと判断するとステップSB60へ処理を進める。
ステップSB60では、CPU10は、上記したスライドバーの初期位置を1に設定して、図5へ処理をリターンさせる。
なお、上記したように、スライドバー表示部101に表示されるスライドバー102は、五段階で、出力文(翻訳文)における優先出力言語と混在言語の割合を表現するように表示される。そして、本実施の形態では、スライドバー102の位置について、左から、割合表示記号101A、割合表示記号101B、割合表示記号101C、割合表示記号101D、割合表示記号101Eの5段階で表わし、左側に位置するほど、出力文における優先出力言語の割合が高いことを意味するものとする。なお、本明細書では、以下の説明において、割合表示記号101A〜101Eのそれぞれに対して、スライドバー位置を定義する。具体的には、割合表示記号101Aに対してスライドバー位置「1」を定義し、割合表示記号101Bに対してスライドバー位置「2」を定義し、割合表示記号101Cに対してスライドバー位置「3」を定義し、割合表示記号101Dに対してスライドバー位置「4」を定義し、そして、割合表示記号101Aに対してスライドバー位置「5」を定義する。
一方、ステップSB70では、CPU10は、出力文(入力文に対してステップS60〜ステップS150の処理が行なわれることによって変換された後、表示装置30に表示された文)が、優先出力言語のみで構成されるか否かを判断し、そうであると判断するとステップSB90へ処理を進め、そうではないと判断するとステップSB80へ処理を進める。
ステップSB90では、CPU10は、スライドバー初期位置(入力文に対してステップS60〜ステップS150の処理が行なわれることによって変換され表示される文に対応してスライドバー102が表示される位置)を1に設定して、図5へ処理をリターンさせる。
また、ステップSB80では、CPU10は、スライドバー初期位置を5に設定して、図5へ処理をリターンさせる。
ステップSB100では、入力文において、形容詞についての支配率の高い言語が混在言語であるか否かを判断し、そうであると判断するとステップSB120へ処理を進め、そうではないと判断するとステップSB110へ処理を進める。
ステップSB120では、CPU10は、スライドバー初期位置を3に設定して、図5へ処理をリターンさせる。
ステップSB110では、CPU10は、スライドバー初期位置を2に設定して、図5へ処理をリターンさせる。
図7を参照して、ステップSB130では、CPU10は、入力文において同士についての支配率の高い言語が混在言語であるか否かを判断し、そうであると判断するとステップSB160へ処理を進め、そうではないと判断するとステップSB140へ処理を進める。
ステップSB140では、CPU10は、入力文において形容詞についての支配率の高い言語が混在言語であるか否かを判断し、そうであると判断するとステップSB170へ処理を進め、そうではないと判断するとステップSB150へ処理を進める。
ステップSB150では、CPU10は、スライドバー初期位置を2に設定して、図5へ処理をリターンさせる。
一方、ステップSB160では、入力文において形容詞についての支配率の高い言語が混在言語であるか否かを判断し、そうであると判断するとステップSB180へ処理を進め、そうではないと判断するとステップSB170へ処理を進める。
ステップSB170ではスライドバー初期位置を3に設定して、図5へ処理をリターンさせる。
ステップSB180では、スライドバー初期位置を4に設定して、図5へ処理をリターンさせる。
ここで、ステップSB60、ステップSB80、ステップSB90、ステップSB110、ステップSB120、ステップSB150、ステップSB170、ステップSB180で設定されたスライドバー初期位置は、割合情報記憶部203に記憶される。
割合情報記憶部203には、表示装置30に表示される出力文(翻訳文)において使用される単語についての、優先出力言語と混在言語の割合を指定するための情報が記憶されるが、入力文が入力されてからその翻訳文が表示されるまでは、入力文における同様の割合が記憶されることになる。そして、このような入力文における割合が、図6および図7を参照して説明したスライドバー初期位置判定処理である。
図5に戻って、ステップSA10においてスライドバー初期位置判定処理を行なった後、CPU10は、ステップSA20で、スライドバー表示部101を表示装置30に表示させて、ステップSA30処理を進める。ここでは、スライドバー表示部101は、ステップS90、ステップS120、または、ステップS130とステップS150における文の表示とともに、表示される。スライドバー102の表示位置は、割合情報記憶部203に記憶された情報(スライドバー初期位置)に基づいて決定される。
また、表示装置30には、CPU10は、入力文と出力文ともに、当該出力文が対応する言語に関する情報を表示させる。
特に、ステップS130とステップS150の処理によれば、入力文は、ステップS130で優先出力言語の文法規則に則って単語を並べ替えられた後、ステップS150で混在言語以外の単語を優先出力言語に変換される。この場合、図16(B)に示されるように、ステップS130の処理によって単語を並べ替えられた文は、入力文とは別に「変換前」の文として示され、そして、ステップS150の処理によって変換された文は、「出力文」として示される。
また、図16(B)では、入力文等とともに「文法」という文字と「英語」という文字が示されている。「文法」の後には、出力文がどの言語の文法に従うかを示す情報が、具体的には、優先出力言語が示されている。図16(B)では、「文法」は「英語」とされている。また、図16(B)では、「名(名詞)」「動(動詞)」「形(形容詞)」「他(名詞・動詞・形容詞以外の品詞)」という文字とともに、出力文における各品詞に使用される言語の種類(英語、中国語(図16等では「中語」と略記)等)が示されている。
図5に戻って、ステップSA30では、CPU10は、スライドバー102の表示位置について、変更がないかどうかを判断し、変更がないと判断するとそのまま図4へ処理をリターンし、変更があると判断するとステップSA40へ処理を進める。なお、スライドバー102の表示位置の変更がないかどうかは、割合情報記憶部203に記憶されたスライドバー初期位置の値と割合指定情報記憶部205に記憶されたスライドバー位置指定情報の値が同じであるか否かによって判断される。
ステップSA40では、CPU10は、スライドバー位置指定情報の値が1であるか否かを判断し、そうであると判断するとステップSA50処理を進め、そうではないと判断するとステップSA60へ処理を進める。
ステップSA50では、CPU10は、その時点で表示装置30において出力文として表示されている文に対して、すべての単語を優先出力言語に変換して、変換結果として記憶装置20に一時的に記憶して図4に処理をリターンさせる。
ステップSA60では、CPU10は、スライドバー位置指定情報の値が2であるか否かを判断し、そうであると判断するとステップSA70に処理を進め、そうではないと判断するとステップSA90へ処理を進める。
ステップSA70では、CPU10は、その時点で表示装置30において出力文として表示されている文に対して、その品詞が名詞である単語を混在言語の単語に変換し、ステップSA80へ処理を進める。
ステップSA80では、ステップSA70で処理された文に対して、さらに、その品詞が名詞以外の単語を優先出力言語に変換して、変換後の文を変換結果として記憶装置20の所定の記憶領域に記憶させて、図4に処理をリターンさせる。
ステップSA90では、CPU10は、スライドバー位置指示情報の値が3であるか否かを判断し、そうであると判断するとステップSA100へ処理を進め、そうではないと判断するとステップSA120へ処理を進める。
ステップSA100では、CPU10は、その時点で表示装置30において出力文として表示されている文に対して、その品詞が名詞または動詞である単語を混在言語に変換して、ステップSA110へ処理を進める。
ステップSA110では、CPU10は、ステップSA100で処理された後の文に対して、その品詞が名詞または動詞以外の単語を優先出力言語の対応する単語に変換して、変換後の文を変換結果として記憶装置20の所定の記憶領域に記憶して、図4に処理をリターンさせる。
ステップSA120では、CPU10は、スライドバー位置指示情報の値が4であるか否かを判断し、そうであると判断するとステップSA130へ処理を進め、そうではないと判断するとステップSA150へ処理を進める。
ステップSA130では、CPU10は、その時点で表示装置30において出力文として表示されている文に対して、その品詞が名詞または動詞または形容詞である単語を混在言語の対応する単語に変換して、ステップSA140へ処理を進める。
ステップSA140では、CPU10は、ステップSA130において変換処理がなされた後の文に対して、さらに、その品詞が名詞または動詞または形容詞以外の単語を優先出力言語の対応する単語に変換し、そして、変換後の文を変換結果として記憶装置20の所定の領域に記憶させて、図4に処理をリターンさせる。
ステップSA150では、CPU10は、その時点で表示装置30において出力文として表示させている文に対して、すべての単語を混在言語に変換する処理を行ない、変換後の文を変換結果として記憶装置20の所定の領域に記憶させて、図4へ処理をリターンさせる。
図4を参照して、ステップS160でスライドバー処理を行なった後、CPU10は、ステップS170で、表示装置30において、出力文として表示させる文を記憶装置20の所定の領域に記憶された変換結果の文に更新して、ステップS180へ処理を進める。なお、スライドバー処理において、ステップSA30でスライドバーの位置が変更されていないと判断された場合には、当該スライドバー処理において変換結果は記憶されないので、ステップS170では出力文として表示される文は更新されない。また、記憶装置20における上記所定の領域の記憶内容は、ステップS170が実行された後クリアされる。
ステップS180では、CPU10は、入力装置50に対して翻訳処理を終了させるための操作がなされたか否かを判断し、そうであると判断すると翻訳処理を終了させ、そうではないと判断するとステップS190へ処理を進める。
ステップS190では、CPU10は、入力装置50に対してスライドバー102の表示位置を変更する情報が入力されたか否かを判断し、そうであると判断するとステップS200へ処理を進め、そうではないと判断するとステップS180へ処理を戻す。
ステップS200では、CPU10は、入力装置50に対して入力された情報に基づいて、割合指定情報記憶部205におけるスライドバー位置指定情報を更新して、ステップS160へ処理を戻す。つまり、電子機器1において、ユーザがキーボード等を操作することによりスライドバー102を3の位置に移動させる情報を入力した場合、割合指定情報記憶部205におけるスライドバー位置指定情報の値は3に更新される。
以上説明した本実施の形態では、電子機器1において、入力文が入力されると、当該入力文のすべての単語が優先出力言語の対応した単語に変換され(ステップS90)、入力文を構成する各単語が優先出力言語の文法規則に則って並び替えられ(ステップS120)、または、入力文を構成する単語が優先出力言語の文法規則に則って並べ替えられた後さらに入力文において混在言語以外の言語の単語を優先出力言語の対応する単語に変換され(ステップS130〜ステップS150)、出力文として、入力文とともに、表示装置30に表示される。また、表示装置30には、このような入力文および出力文とともに、出力文における優先出力言語の単語と混在言語との割合を示す情報(スライドバー表示部101)が表示される。このときの出力文における上記割合は、図6および図7を参照して説明したスライドバー初期位置判定処理によって決定される。
入力装置50に対してスライドバー102の表示位置を変更する情報が入力されると、出力文として表示される文は、ステップSA40〜ステップSA150(図5参照)として説明したように再変換された文が表示される。
なお、本実施の形態では、スライドバー102の表示位置を変更するための操作に基づいて出力文が更新される場合、スライドバー102の表示位置もその時点の割合指定情報記憶部205におけるスライドバー位置指定情報の値に対応したものに更新される(ステップS170)。
図5を参照して説明したスライドバー処理では、出力文の再変換が行なわれる前には、ステップSA10でそれまでのスライドバーの表示位置を判定する処理(スライドバー初期位置判定処理)が実行されるが、当該処理は、少なくとも入力文がステップS80、ステップS100、ステップS140で変換された文に対するスライドバー102の表示位置を決定するときに実行されればよい。つまり、ステップS190においてスライドバー102の表示位置を変更する情報の入力が検知され、ステップS200でスライドバー位置指定情報が更新された後にステップS160の処理が実行される場合には、当該情報の更新を行なう前に、それまでスライドバー位置指定情報として記憶されていた情報を割合情報記憶部203に記憶することにより、その後でステップS160のスライドバー処理が実行されるときに、ステップSA10でスライドバー処理位置判定処理を実行することなく、適切な(その時点での(それまでの)スライドバー102の表示位置に対応した)スライドバー初期位置の値を得ることができる。
なお、以上説明したスライドバー初期位置判定処理では、出力文における名詞と動詞と形容詞についての混在言語の支配率をまとめ、その結果に応じて、スライドバー初期位置が決定される。スライドバー初期位置判定処理において決定される、各品詞についての混在言語の支配率に対応して決定されるスライドバー初期位置をまとめると、表1に示されるようなものとなる。
スライドバー初期位置判定処理では、出力文がすべて優先出力言語の単語から構成されていれば、スライドバー初期位置は1とされ、また、出力文を構成する単語がすべて混在言語であればスライドバー初期位置は5に設定される。
そして、表1から理解されるように、たとえば、出力文において、名詞についての混在言語の支配率が高く、動詞についての当該支配率が高く、形容詞についての当該支配率が高ければ、スライドバー処理位置は4に設定される。また、出力文において、名詞についての混在言語の支配率が低く、動詞についての当該支配率が高く、そして、形容詞についての当該支配率が高い場合には、スライドバー初期位置は3に設定される。
このような、出力文について、特定の品詞の言語の割合に基づいて当該出力文における優先出力言語と混在言語の割合を判定するスライドバー初期位置判定処理を実行するCPU10により、判定手段が構成される。
また、以上説明した本実施の形態では、図5を参照して説明したように、スライドバー位置指定情報が1の場合には、出力文がすべての単議を優先出力言語で構成され、2の場合には出力文は名詞を混在言語で構成され、それ以外が優先出力言語で構成され、3の場合には、名詞と動詞を混在言語で構成され、それ以外を優先出力とで構成され、4の場合には出力文は名詞と動詞と形容詞を混在言語で構成されそれ以外を優先出力言語で構成され、そして、5の場合には、出力文はすべての単語を混在言語で構成される。ここで、スライドバー位置指定情報の入力を受付ける入力装置50により、割合指定情報の入力を受付ける受付手段が構成されている。
また、スライドバー位置指定情報の値に応じて、出力文を優先出力言語のみまたは混在言語のみで構成したり、スライドバー位置指定情報の値に応じて品詞ごとに優先出力言語で構成するか混在言語で構成するかを変更して出力文を生成するCPU10により、翻訳手段が構成されている。
また、図5のスライドバー処理における出力文の再変換の際には、ユーザが入力したスライドバー102の表示位置を指定する情報に基づいて出力文が再変換されるとともに、表示装置30に表示される出力文が更新される。表示装置30に表示される出力文の更新について、図11〜図15を参照して具体的に説明する。なお、図5のスライドバー処理において再変換後に利用される各品詞の言語をまとめると表2のようになる。表2中のスライドバー位置指定情報は、スライドバー102のスライドバー表示部101における表示位置に対応している。
図11〜図15は、入力文が「私は最速の飛行機に乗ってすぐに中国に行きます。」という日本語の文章である場合であって、優先出力言語が英語、混在言語が中国語(図11〜図15では「中語」と略記)である場合の、スライドバー102の表示位置に対応した出力文の変換結果を示す。
図11(A)では、スライドバー102の表示位置は1である。これにより、図11(B)では、出力文はすべての品詞が英語(優先出力言語)を使用して記述されている。
図12(A)では、スライドバー102の表示位置は2である。これにより、図12(B)では、出力文は、名詞のみが中国語(混在言語)を使用して記述され、それ以外の品詞は英語(優先出力言語)を使用して記述されている。
図13(A)では、スライドバー102の表示位置は3である。これにより、図13(B)では、出力文は、名詞と動詞が中国語(混在言語)を使用して記述され、それ以外の品詞は英語(優先出力言語)を使用して記述されている。
図14(A)では、スライドバー102の表示位置は4である。これにより、図14(B)では、出力文は、名詞と動詞と形容詞が中国語(混在言語)を使用して記述され、それ以外の品詞は英語(優先出力言語)を使用して記述されている。
図15(A)では、スライドバー102の表示位置は5である。これにより、図15(B)では、出力文はすべての品詞が中国語(混在言語)を使用して記述されている。
[第2の実施の形態]
本実施の形態の電子機器は、第1の実施の形態の電子機器1に対して、スライドバー処理の処理内容が相違する。ここで、本実施の形態におけるスライドバー処理の内容について、当該処理のフローチャートである図17を参照して、説明する。
なお、本実施の形態の電子機器は、他の点に関しては第1の実施の形態の電子機器1と同様の構成を備えているものとすることができるため、ここでは重複した説明は行なわない。
図17を参照して、スライドバー処理では、CPU10は、まずステップSD10においてスライドバー初期位置判定処理を実行する。ステップSD10のスライドバー初期位置判定処理の内容は、図6および図7を参照して説明した第1の実施の形態の処理内容と同じものとすることができるため、ここでは説明を繰返さない。
次に、CPU10は、ステップSD20において、スライドバー101を表示装置30に表示する。なお、この処理内容は、ステップSA20(図5参照)と同様であるため、ここでは説明を繰返さない。
次に、CPU10は、ステップSD30で、スライドバー102の表示位置の変更がないかどうか判断し、変更がないと判断するとそのまま処理を翻訳処理にリターンさせ、そうではないと判断するとステップSD40へ処理を進める。なお、ステップSD30の処理内容はステップSA30(図5参照)と同様とすることができるため、ここでは説明を繰返さない。
ステップSD40以降の処理では、CPU10は、割合指定情報記憶部205に記憶されている値が1であれば(ステップSD40でYES)、ステップSD50で出力文のすべての単語を優先出力言語に変換し、変換後の文を記憶装置20の所定領域に変換結果として記憶させて、処理を図3の翻訳処理へリターンさせる。
スライドバー位置指定情報の値が2である場合(ステップSD60でYES)、CPU10は、ステップSD70でスライドバー(2)処理を行なった後、処理を翻訳処理へリターンさせる。ここで、ステップSD70における処理内容を、当該処理のサブルーチンのフローチャートである図18を参照して説明する。
図18を参照して、スライドバー(2)処理では、CPU10は、まずステップSE10で、割合情報記憶部203の記憶内容を参照することにより、スライドバー初期位置の値が3であるか否かを判断し、そうであると判断するとステップSE20へ処理を進め、そうではないと判断するとステップSE50へ処理を進める。
ステップSE20では、CPU10は、その時点で表示装置30に表示されている出力文において、形容詞を構成する単語が混在言語の単語を含むか否かを判断し、そうであると判断するとステップSE40へ処理を進め、そうではないと判断すると(形容詞を構成する単語がすべて優先出力言語の単語で構成されている)、ステップSE30へ処理を進める。
ステップSE30では、CPU10は、その時点で表示装置30に表示されている出力文に対して、動詞を構成する単語を優先出力言語に変換して、変換結果として記憶装置20の所定の領域に記憶させて、処理を図17にリターンさせる。ステップSE40では、CPU10は、その時点で表示装置30に表示されている出力文に対して、形容詞を構成する単語を優先出力言語に変換して、変換後の文を変換結果として記憶装置20の所定の領域に記憶させて、図17に処理をリターンさせる。
ステップSE50では、CPU10は、スライドバー初期位置の値が4であるか否かを判断し、そうであると判断するとステップSE60へ処理を進め、そうではないと判断するとステップSE70へ処理を進める。
ステップSE60では、CPU10は、その時点で表示装置30に表示されている出力文に対して、動詞および形容詞を構成する単語を優先出力言語に変換して、その変換後の文を記憶装置20の所定の領域に変換結果として記憶させて、図17に処理をリターンさせる。
ステップSE70では、CPU10は、その時点で表示装置30に表示されている出力文に対して名詞を構成する単語を混在言語に変換し、ステップSE80へ処理を進める。
ステップSE80では、CPU10は、ステップSE70による変換後の文に対して、さらに、名詞以外の品詞を構成する単語を優先出力言語に変換し、変換後の文を変換結果として記憶装置20の所定の領域に記憶させて、図17へ処理をリターンさせる。
図17に戻って、スライドバー位置指定情報の値が3である場合(ステップSD80でYES)、CPU10は、ステップSD90でスライドバー(3)処理を実行する。ここで、当該処理の内容を、当該処理のサブルーチンのフローチャートである図19を参照して説明する。
図19を参照して、スライドバー(3)処理では、CPU10は、まずステップSF10で、割合情報記憶部203の記憶内容を参照することにより、スライドバー初期位置の値が2であるか否かを判断し、そうであると判断するとステップSF20へ処理を進め、そうではないと判断するとステップSF50へ処理を進める。
ステップSF20では、CPU10は、その時点で表示装置30に表示されている出力文において、名詞を構成する単語が混在言語の単語を含むか否かを判断し、そうであると判断するとステップSF40へ処理を進め、そうではないと判断すると(名詞を構成する単語がすべて優先出力言語の単語で構成されている)、ステップSF30へ処理を進める。
ステップSF30では、CPU10は、その時点で表示装置30に表示されている出力文に対して、名詞を構成する単語を混在言語に変換して、変換結果として記憶装置20の所定の領域に記憶させて、処理を図17にリターンさせる。ステップSF40では、CPU10は、その時点で表示装置30に表示されている出力文に対して、動詞を構成する単語を混在言語に変換して、変換後の文を変換結果として記憶装置20の所定の領域に記憶させて、図17に処理をリターンさせる。
ステップSF50では、CPU10は、スライドバー初期位置の値が4であるか否かを判断し、そうであると判断するとステップSF60へ処理を進め、そうではないと判断するとステップSF70へ処理を進める。
ステップSF60では、CPU10は、その時点で表示装置30に表示されている出力文に対して、形容詞を構成する単語を優先出力言語に変換して、その変換後の文を記憶装置20の所定の領域に変換結果として記憶させて、図17に処理をリターンさせる。
ステップSF70では、CPU10は、その時点で表示装置30に表示されている出力文に対して名詞と動詞を構成する単語を混在言語に変換し、ステップSF80へ処理を進める。
ステップSF80では、CPU10は、ステップSF70による変換後の文に対して、さらに、名詞と動詞以外の品詞を構成する単語を優先出力言語に変換し、変換後の文を変換結果として記憶装置20の所定の領域に記憶させて、図17へ処理をリターンさせる。
図17に戻って、スライドバー位置指定情報の値が4である場合(ステップSD100でYES)、CPU10は、ステップSD110で、その時点で表示装置30に表示されている出力文に対して、名詞と動詞と形容詞を構成する単語を混在言語に変換し、ステップSD120で、それ以外の品詞を構成する単語を優先出力言語に変換し、さらに、その変換後の文を記憶装置20の所定の領域に変換結果として記憶させる。
図17に戻って、スライドバー位置指定情報の値が5である場合(ステップSD100でNO)、CPU10は、ステップSD130で、その時点で表示装置30に表示されている出力文に対して、すべての単語を混在言語に変換し、さらに、その変換後の文を記憶装置20の所定の領域に変換結果として記憶させる。
以上説明したスライドバー(2)処理により、その時点での出力文のスライドバー初期位置が3であり、そして、スライドバー102の表示位置を2とする情報が入力されたときに、表示装置30では、図20(B)に示された出力文は、図12(B)に示された出力文のように表示される代わりに、図21(B)に示された出力文のように表示される。つまり、スライドバー初期位置が3と判定されるパターンは、(1)名詞と動詞が混在言語である場合、(2)名詞と形容詞が混在言語、または、(3)動詞と形容詞が混在言語であるものが考えられるが、その中で、(1)の場合には動詞を優先出力言語に優先的に変換することになる。
なお、図20(A),図21(A)には、それぞれ、図20(B),図21(B)に表示された出力文が対応するスライドバー表示部101を示されている。また、図11(B),図20(B),図21(B)中の入力文は共通である。
また、以上説明したスライドバー(3)処理により、その時点での出力文のスライドバー初期位置が2であり、そして、スライドバー102の表示位置を3とする情報が入力されたときに、表示装置30では、図22(B)に示された出力文は、図13(B)に示された出力文のように表示される代わりに、図21(B)に示された出力文のように表示される。つまり、スライドバー初期位置が2と判定されるパターンは、(1)名詞が混在言語である場合、(2)形容詞が混在言語、または、(3)動詞が混在言語であるものが考えられるが、その中で、(1)の場合、つまり、名詞が優先出力言語で記載されている場合には名詞を混在言語に優先的に変換することになる。
なお、図22(A),図23(A)には、それぞれ、図22(B),図23(B)に表示された出力文が対応するスライドバー表示部101を示されている。また、図11(B),図13(B),図22(B),図23(B)中の入力文は共通である。
[第3の実施の形態]
以上説明した第1および第2の実施の形態では、CPU10は、電子機器1にスライドバー102の表示位置を変更する情報を入力された場合、入力された表示位置に応じて、出力文の各品詞に使用する言語の種類を変更していた。つまり、図5または図17〜図19に示したように、CPU10が実行する処理内容に従って、出力文の各品詞で使用される言語の種類が決定される。このことから、第1および第2の実施の形態では、CPU10が実行する上記処理のプログラムを記憶する記憶装置20によって、翻訳文において第1言語の単語を使用する品詞と第2言語の単語を使用する品詞を特定する情報と割合指定情報との関連を表す情報である品詞情報を記憶する品詞情報記憶手段が構成されている。
なお、電子機器1では、スライドバー102の表示位置を変更する情報と各品詞に使用する言語の関連付けを、記憶装置20にたとえば表形式で記憶させておき、スライドバー102の表示位置を変更する情報が入力されるたびごとに、CPU10が、当該関連付けを参照して出力文を生成する処理(出力文を再度翻訳する処理)を実行しても良い。
また、以上説明した第1および第2の実施の形態では、スライドバー102の表示位置は5段階とされたが、これに限定されず、たとえば表3に示されるように16段階等であっても良い。
表3では、スライドバー102が表示される位置(スライドバー102によって表示される段階)のそれぞれに対応するように、出力文において混在言語が使用される品詞が特定されている。なお、表示される位置が「1」の場合に「無し」とあるのは、出力文を構成する単語がすべて優先出力言語の単語を使用することを意味する。
なお、このような場合、電子機器1は図24に示されるように構成され、そして、上記関連付けは、翻訳パターン記憶部206に記憶される。
今回開示された各実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。また、以上説明した各実施の形態において開示された技術は、可能な限り組合されて実現されることが意図される。
また、以上説明した各実施の形態において、電子機器1において実行される処理は、CPU10が、記憶装置20に記憶されるプログラムを実行することによって実現される。なお、当該プログラムは、図25に示されるように、電子機器1に対して着脱可能な記録媒体900に記憶されていてもよいし、また、図26に示されるように、電子機器1が通信機能を有する場合に、外部の機器から当該電子機器1の入出力装置(I/O)92に電気通信回線を通じて導入され、そして、記憶装置20に記憶されているものであってもよい。当該プログラムが記録媒体900に記憶されている場合には、CPU10は、電子機器1において備えられる読取装置91を介して、記録媒体900に記憶されている情報を読込む。
また、以上説明した各実施の形態において、電子機器1において実行された処理は、CPU10が上記したようなプログラムを実行する代わりに、同等の処理を実行する専用のハードウェアによって実現されてもよい。
1 電子機器、10 CPU、20 記憶装置、30 表示装置、40 スピーカ、50 入力装置、60 翻訳モジュール、61 言語設定部、62 解析部、63 文法変換部、64 単語変換部、65 翻訳制御部、101 スライドバー表示部、101A〜101E 割合表示記号、102 スライドバー、200 出力部、201 優先出力言語記憶部、202 混在言語記憶部、203 割合情報記憶部、204 高支配率言語情報記憶部、205 割合指定情報記憶部、210 辞書メモリ、211 翻訳辞書、212 文法規則、220 翻訳パターン記憶部。