JP2009002307A - エンジン排ガス用浄化装置およびエンジン駆動式空気調和機 - Google Patents

エンジン排ガス用浄化装置およびエンジン駆動式空気調和機 Download PDF

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Abstract

【課題】排液処理の万全を期するのに有利なエンジン排ガス用浄化装置およびエンジン駆動式空気調和機を提供する。
【解決手段】分離装置は、エンジンの排気ガスに含まれている気相と液相とを分離させる気液分離部300と、エンジンから排出された排気ガスを気液分離部300の分離部本体310に供給する排気通路400と、気液分離部300のドレン水排出口350を介して気液分離部300の分離部本体310に連通すると共にドレン水排出口350から排出された液相に対して浄化処理を実施する排液浄化処理部500と、排液浄化処理部500に存在する気体を吸入して気液分離部300の分離部本体310側に供給する気体吸入手段600とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明はエンジン排ガス用浄化装置およびエンジン駆動式空気調和機に関する。
エンジン駆動式の空気調和機を例にとって説明する。エンジン駆動式の空気調和機は、空調回路において冷凍サイクルを実行するために冷媒を圧縮または吸入するコンプレッサと、コンプレッサを駆動させるエンジンとを有する。この空気調和機では、排気ガスに含まれている気相と液相とを分離させる気液分離装置が使用されている。気液分離装置は、エンジンから排出された排気ガスが流れる排気通路と、排気通路に接続された気液分離部と、気液分離部で気液分離された液相を液相排出口から受ける排液浄化処理部とを備えている。この気液分離部は、排気管から排出された排気ガスに含まれている気相と液相とを分離させる。このように分離された液相は、液相排出口を介して排液浄化処理部に流れ、排液浄化処理部で浄化処理される。これにより排液処理の万全が図られている。
エンジン駆動式の空気調和機に使用される上記した排液浄化処理部としては、特許文献1,2に係るドレン水処理装置が開示されている。特許文献1によれば、ドレン水を中和して浄化させる中和剤を収容する容器が排気ガス経路に設けられ、ドレン水導入口から容器内にドレン水を導入してドレン水を中和させて浄化させることにしている。特許文献2によれば、ドレン水導入口から導入されたドレン水を中和する中和剤を収容するドレン中和器を有すると共に、ドレン中和器の内部に複数の仕切板を配置し、複数の仕切板により水シール機構を形成している。このものによれば、水シール機構のシール作用により、ドレン中和器内に残留する排気ガスが外方に放出されることが抑制されている。
特開平7−259549号公報 特開2000−213341号公報
しかしながら、特許文献1に係る技術によれば、ドレン水処理装置の空間内に残留する排気ガスが外方に漏れるおそれがある。ドレン水処理装置のシール性には限界があるためである。この場合、漏れた排気ガスがドレン水処理装置の外方で凝縮して凝縮水を生成するおそれがある。このようにドレン水処理装置の外方で凝縮する凝縮水は、ドレン水処理装置による浄化処理を受けていないか、あるいは、浄化処理を受けにくい。このため、浄化が必ずしも充分ではない水が外方に放出されるおそれがある。
また特許文献2に係る技術によれば、前述したように、複数の仕切板により水シール機構をドレン水処理装置の内部に形成している。このものによれば、水シール機構のシール作用により、ドレン中和器内に残留する排気ガスが外方に放出されることが抑制されている。しかしながらドレン水の発生が少なくなる条件下(例えば夏期等)においては、水シール機構のシール作用の向上には限界があり、排液処理の万全を期するには限界がある。
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、更に排液処理の万全を期するのに有利なエンジン排ガス用浄化装置およびエンジン駆動式空気調和機を提供することを課題とする。
本発明に係るエンジン排ガス用浄化装置は、エンジンの排気ガスに含まれている気相と液相とを分離させる分離部本体と、分離部本体で分離された液相を排出させる液相排出口とを備える気液分離部と、エンジン側と気液分離部の分離部本体とを接続し、エンジンから排出された排気ガスを気液分離部の分離部本体に供給する排気通路と、液相排出口に連通するように設けられ液相排出口から排出された液相に対して浄化処理を実施する排液浄化処理部と、排液浄化処理部内の空間に存在する気体を吸入して気液分離部の分離部本体側に供給する気体吸入手段とを具備していることを特徴とする。
本発明に係るエンジン駆動式空気調和機は、空調回路において冷凍サイクルを実行するために冷媒を圧縮または吸入するコンプレッサと、前記コンプレッサを駆動させるエンジンとを、具備し、上記したエンジン排ガス用浄化装置により前記エンジンの排ガスを浄化することを特徴とする。
エンジンが駆動すると、エンジンは排気ガスを発生させる。エンジンから排出された排気ガスは排気通路を流れ、気液分離部の分離部本体に流れる。気液分離部の分離部本体は、排気通路から排出された排気ガスに含まれている気相と液相とを分離させる。分離された液相は、液相排出口から排液浄化処理部に排出される。排液浄化処理部は、液相排出口から排出された液相に対して浄化処理を実施し、液相を浄化する。
排液浄化処理部内に排気ガスが進入するおそれがある。そこで、気体吸入手段は、排液浄化処理部内の空間に存在する気体を吸入して気液分離部の分離部本体側に供給する。このため、排液浄化処理部内に排気ガスが残留することが抑制される。従って従来技術とは異なり、排液浄化処理部内に残留する排気ガスが排液浄化処理部の外方で凝縮することが抑えられ、排気ガスが凝縮水(浄化不充分)を生成させるおそれが抑えられる。
気体吸入手段は、排気通路および気液分離部のうちの少なくとも一方に設けられている。従って気体吸入手段としては、排気通路に設けられていても良いし、気液分離部に設けられていても良いし、排気通路および気液分離部のうちの双方に設けられていても良い。
上記した気体吸入手段としては、排液浄化処理部内の空間に存在する気体を吸入して気液分離部の分離部本体側に供給するものであれば何でも良い。気体吸入手段としては、排気通路に設けられ排気通路を流れる排気ガスによりベンチェリ吸引作用を発揮する吸引絞り通路を備えている形態が例示される。吸引絞り通路としては、液相排出口を介して排液浄化処理部内の空間に連通している形態が例示される。また吸引絞り通路としては、吸引連通路を介して排液浄化処理部内の空間に連通している形態が例示される。また場合によっては、気体吸入手段としては吸引ファン、吸引ブロアなどの吸引機を採用しても良い。
本発明によれば、気体吸入手段は、排液浄化処理部内の空間に存在する気体を吸入して気液分離部の分離部本体側に供給する。このため、排気ガスが排液浄化処理部内に残留することが抑制される。従って、排液浄化処理部内に残留する排気ガスが排液浄化処理部の外方で凝縮して凝縮水を生成させるおそれが抑えられる。
以下、本発明の実施形態について図1および図2を参照して具体的に説明する。
(実施形態1)
図1は実施形態1を示す。本実施形態1に係るエンジン駆動式空気調和機は、空調回路において冷凍サイクルを実行するために冷媒を圧縮または吸入するコンプレッサと、コンプレッサを駆動させる空調回路の駆動源および排気ガス発生源として機能するエンジン(駆動機関)とを有する。空気調和機には、気液分離装置200が装備されている。図1に示すように、気液分離装置200は、気液分離部300と、排気通路400と、排液浄化処理部500とを備えている。
気液分離装置200の主要素を占める気液分離部300は、排気ガス処理部として機能するものである。気液分離部300は、エンジンの排気ガスに含まれている気相と液相とを分離させる分離部本体310と、分離部本体310で分離された液相をドレン水として排出させる液相排出口として機能するドレン水排出口350とを備えている。分離部本体310は、気液分離用の旋回室311を形成する旋回筒体313と、旋回筒体313に上方に延設され外気に連通する排気筒315とを備えている。旋回筒体313の旋回室311は、軸線P1回りで排気ガスをスパイラル的に旋回させることにより気液分離を促進させる旋回壁面312で区画されている。ドレン水排出口350は、気液分離された液相をドレン水として排出するドレン口として機能するため、分離部本体310の旋回室311内に配置されており、具体的には、旋回室311の底部の最下部または最下部付近に形成されている。
排気通路400は、エンジン側の排気熱交換器170と気液分離部300とを接続している。排気熱交換器170は、エンジンの排気ポートから排出された高温の排気ガスを熱交換媒体(一般的には冷却水)と熱交換させ、排気ガスを冷却させる。このため排気ガスは凝縮水を生成し易くなる。
排気通路400は、エンジン側の排気熱交換器170の排出ポート171と気液分離部300とを繋いでおり、エンジン側の排気熱交換器170から排出された排気ガスを気液分離のために気液分離部300の分離部本体310の旋回室311に供給する。
排液浄化処理部500は、気液分離部300のドレン水排出口350を介して気液分離部300の分離部本体310の旋回室311に連通するものであり、重力によるドレン水の流下作用を利用できるように、気液分離部300のドレン水排出口350に対して重力方向の下方に配置されている。気液分離部300のドレン水排出口350(液相排出口)と排液浄化処理部500とは、排液路352(液相排出路)を介して連通している。
排液浄化処理部500は、浄化剤501f(例えば中和剤)を収容する浄化剤収容室501をもつ容器510と、浄化剤収容室501と外方とを連通する排液管550とを有する。容器510は、液相である排液が溜まる液相空間510aと、液相空間510aに設けられ気体が溜まる気相空間510cとをもつ。排液管550は、容器510の液相である排液を排出する第2液相排出路(排液排出路)として機能するものであり、気相空間510cに連通している。但し、排液管550は容器510の液相空間510aに連通していても良い。この場合には、液相である排液を浄化するために、所定容積の液相空間510aが確保できる構造がもつことが好ましい。
容器510は、浄化剤収容室501を形成する容器本体511と、容器本体511の上面開口を着脱可能に閉鎖する蓋513とを備えている。排液浄化処理部500は、ドレン水排出口350から排出された排液(液相)であるドレン水を貯留し、液相であるドレン水に対して浄化剤501f(例えば中和剤)により浄化処理(例えば中和処理)を実施する。浄化剤501fで浄化処理された液相501w(ドレン水)は、排液管550から排液浄化処理部500の外方に排出される。なお、排液浄化処理部500内は排液管550を介して外気(大気圧)に連通している。
さて、エンジン駆動式の空気調和機が駆動するとき、ガス燃料または液体燃料によりエンジンが駆動し、空調用のコンプレッサが駆動する。これにより空調回路において冷媒の圧縮または吸入が行われ、冷凍サイクルが実行される。冷凍サイクルが実行されるとき、エンジンは高温の排気ガスを発生させる。エンジンから排出された高温の排気ガスは排気熱交換器170で冷却された後、排気通路400を流れ、気液分離部300の分離部本体310に向けて矢印X1方向に流れる。そして、分離部本体310に供給された排気ガスは、分離部本体310の旋回筒体313の旋回壁面312に衝突し、旋回筒体313の軸線P1回りでスパイラル的に旋回する。これにより排気ガスに含まれている気相と液相との気液分離が促進される。
液相を分離した排気ガスは、煙突状の排気筒315内を上昇し、排気筒315の上端開口315cから矢印B1方向に外気に向けて放出される。このように排気ガスが排気筒315を上昇する間に冷却されて凝縮水を生成することがある。この凝縮水は、排気筒315の内壁面315fに沿って重力により流下し、最終的にはドレン水排出口350および排液路352から排液浄化処理部500に向けて排出される。また排気筒315の内径は、排気ガスの流速を低下させるべく比較的大きく設定されている。
また、分離された液相は、ドレン水(排液)として分離部本体310の底面310fに貯まる。更に、ドレン水(排液)は、重力によりドレン水排出口350から矢印A2方向に排液路352を介して排液浄化処理部500の気相空間510cに向けて排出され、排液浄化処理部500の浄化剤収容室501に貯まる。そのドレン水は浄化剤収容室501の浄化剤501f(中和剤)により浄化(中和)される。浄化されたドレン水は、排液管550から浄化剤収容室501の外方に排出され、環境汚染が防止される。
本実施形態によれば、図1に示すように、気体吸入手段としての吸引絞り通路600は、排気通路400のうち気液分離部300の側の先端部分401に設けられている。具体的には、排気通路400は、排気通路400を流れる排気ガスの流速を増加させるベンチェリ吸引作用を発揮する吸引絞り通路600を備えている。吸引絞り通路600は、ドレン水排出口350に対面するように、分離部本体310の旋回室311内の下部側に位置している。吸引絞り通路600は、ドレン水排出口350を介して排液浄化処理部500内の気相空間510cに連通すると共に、旋回筒体313内に連通している。ドレン水排出口350の上側に吸引絞り通路600が位置している。
エンジンの排気ポートから放出された排気ガスは、排気熱交換器170を流れた後、排気通路400を流れる。更に、排気ガスは、気通路400の先端に設けられている吸引絞り通路600を流れて流速を増加させ、更に、排気ガスは、矢印X1方向に分離部本体310の旋回室311に向けて流れ、旋回壁面312に衝突し、旋回壁面312に沿ってスパイラル的に旋回する。これにより排気ガスに含まれている気相と液相との気液分離が促進される。
このとき吸引絞り通路600は、排気通路400の他の部分400eの流路断面積に比較して流路断面積が絞られている。このため、吸引絞り通路600を流れる排気ガスの流速は増加する。ここで、吸引絞り通路600は排気ガスを減圧してベンチェリ吸引作用を発揮する。この結果、排液浄化処理部500の容器510内の気相空間510cに存在する気体501gは、排液路352およびドレン水排出口350を介して、吸引絞り通路600に向けて吸引方向(矢印A1方向)に吸入される。吸引された気体501gは、排気通路400を流れる排気ガスと共に、気液分離部300の分離部本体310側の旋回室311内に供給され、旋回室311内を旋回する。上記したように排液浄化処理部500の容器510内の空間に存在する気体(排気ガス等)は、矢印A1方向に吸引絞り通路600側に吸引され、ひいては旋回室311に供給される。
そして、排気ガスの気相から気液分離された液相は、ドレン水として、ドレン水排出口350から排液路352を介して排液浄化処理部500に向けて重力により流下する。このような排液路352におけるドレン水の流下を妨げないように、吸引絞り通路600のベンチェリ吸引作用は設定されている。ドレン水は液相であり、気体よりも比重が高いため、吸引され難いためである。即ち、気液混合流体のうち、気体だけを吸引絞り通路600のベンチェリ吸引作用により吸引絞り通路600側に矢印A1方向に吸引させ、浄化処理されたドレン水(排液)を排液管550から外方に矢印A2方向に向けて排出することができる。
上記したように本実施形態によれば、仮に排気ガスが排液浄化処理部500内に存在することがあるとしても、排液浄化処理部500内の排気ガスは吸引方向(矢印A1方向)に吸引されて、気液分離部300の分離部本体310側に送られる。このため、排液浄化処理部500内に排気ガスが残留することは抑制される。従って本実施形態によれば、排液浄化処理部500内に残留する排気ガスが排液浄化処理部500の外方に流出することが抑えられる。ひいては、排気ガスが排液浄化処理部500の外方で凝縮して凝縮水を生成させるおそれが抑えられる。この凝縮水は、浄化剤501fと接触不充分であるため、浄化不充分である。従って、本実施形態によれば、排液浄化処理部500の容器510を構成する容器本体511と蓋513との間のシール要素(ガスケット、水シールなど)を廃止または簡素化することができる。このため、排気通路400の排気ガスが排液浄化処理部500に流れることは、抑制される。
また本実施形態によれば、吸引絞り通路600は排気通路400の先端側に設けられつつ、気液分離部300の分離部本体310側の旋回室311内に配置されている。このため排気ガスが排気通路400の先端側の吸引絞り通路600を流れるとき、ベンチェリ吸引作用を発生させつ流速を増加させる。このように流速を増加させた排気ガスが、気液分離部300の分離部本体310の旋回室311の旋回壁面312に衝突する。このため、気液分離部300における排気ガスの気液分離効率を高めることができる。
また本実施形態によれば、前述したように、ドレン水排出口350は排液路352および吸引絞り通路600に連通されている。従って、ドレン水排出口350および排液路352は、排気ガスから分離された液相をドレン水として排液浄化処理部500に矢印A2方向に排出する機能と、排液浄化処理部500の気相空間510cに残留する気体を気液分離部300に向けて矢印A1方向(矢印A2方向と逆方向)に強制的に吸引させる吸引機能とを兼務する。従って、ドレン水排出口350および排液路352は、ドレン水排出機能と気体吸引機能とを兼務する。従って、排液浄化処理部500の気体を気液分離部300に向けて吸引させるための専用の吸引配管を廃止でき、部品点数の節約、小型化に有利である。
ところで、空調回路における空調負荷が増加するとき、エンジン回転数が増加し、排気通路400を流れる排気ガスの単位時間あたりの流量が増加するため、排気ガスが排液浄化処理部500内に流れるおそれが高くなる。この点についても本実施形態によれば、空調回路における空調負荷が増加してエンジン回転数が増加し、単位時間あたりの排気ガスの流量が増加したとしても、吸引絞り通路600によるベンチェリ吸引作用が増加し、ドレン水排出口350を介して排液浄化処理部500内に流れる排気ガスを効果的に吸引絞り通路600側に吸引させることができる。
(実施形態2)
図3は実施形態2を示す。本実施形態は前記した実施形態1と基本的には同様の構成および作用効果を有する。以下、異なる部分を中心として説明する。図3に示すように、吸引絞り通路600Bは、吸引連通路570を介して排液浄化処理部500内の空間に連通している。エンジンから排出された排気ガスは、吸引絞り通路600Bを矢印X1方向に気液分離部300の分離部本体310に向けて流れる。このとき吸引絞り通路600Bは、減圧され、吸引絞り通路600Bを流れる排気ガスによりベンチェリ吸引作用を発揮する。この結果、排液浄化処理部500の容器510内の気相空間510cに存在する気体501gは、吸引連通路570を介して吸引方向(矢印A1方向)に吸入され、排気通路400を流れる排気ガスと共に、気液分離部300の分離部本体310の旋回室311側に供給される。本実施形態によれば、図3に示すように、吸引連通路570はドレン水排出口350には直接接続されておらず、ドレン水排出口350および排液路352に対して並列の関係とされている。このため、吸引絞り通路600Bによるベンチェリ吸引作用が強い場合であっても、排液路352を矢印A2方向に流下するドレン水(液相)を吸引絞り通路600B側に吸引することは抑制される。ドレン水排出口350は分離部本体310の底部に形成されている。
(実施形態3)
図4は実施形態3を示す。本実施形態は前記した実施形態2と基本的には同様の構成および作用効果を有する。以下、異なる部分を中心として説明する。図に示すように、吸引絞り通路600Cは、ドレン水排出口350および排液路352に繋がっておらず、吸引連通路570Cを介して排液浄化処理部500の気相空間510cのうち、排液管550側の空間500fに連通している。この結果、排液浄化処理部500の容器510の空間のうち排液管550側の空間部分500fに存在する気体は、吸引方向(矢印A3方向)に吸入され、排気通路400を流れる排気ガスと共に、気液分離部300の分離部本体310の旋回室311側に矢印X1方向に供給される。従って、排液浄化処理部500の容器510の空間500fに残留する排気ガスが排液管550側から外方に排出されることは、効果的に抑えられる。
図4に示すように、ベンチェリ吸引作用で吸引される吸引連通路570Cは、ドレン水排出口350および排液路352には直接接続されていない。従って、吸引連通路570Cは、排液路352に対して並列の関係とされている。このため、吸引絞り通路600Cによるベンチェリ吸引作用が強い場合であっても、排液浄化処理部500に向けて排液路352を流下方向(矢印A4方向)に流下するドレン水(液相)を吸引絞り通路600C側に吸引することは抑制される。
(実施形態4)
図5は実施形態4を示す。本実施形態は前記した実施形態1と基本的には同様の構成および作用効果を有する。以下、異なる部分を中心として説明する。図5に示すように、吸引連通路570Dは、分離部本体310の旋回室311と排液浄化処理部500の容器510の気相空間510cとを連通している。吸引連通路570Dに気体吸入手段として機能する吸引ファン650が設けられている。この結果、排液浄化処理部500の容器510の気相空間510cのうち、排液管550側の空間部分550hに存在する気体は、吸引ファン650の駆動により、吸引方向(矢印A6方向)に集中的に吸入され、故に、気液分離部300の分離部本体310の旋回室311側に供給される。従って、排液浄化処理部500の容器510の空間550h側に残留する排気ガスが排液管550側から外方に排出されることは、効果的に抑えられる。排液管550側の空間部分550hは、排液浄化処理部500の容器510のうち、ドレン水排出口350(液相排出口)に繋がる排液路352よりも、排液管550に近い空間部分を意味する。
図5に示すように、吸引連通路570Dは、ドレン水排出口350および排液路352には直接接続されておらず、排液路352に対して並列の関係とされている。このため、吸引ファン650の吸引力が強いときであっても、排液浄化処理部500に向けて排液路352を流下方向(矢印A4方向)に向けて重力により流下するドレン水を吸引することは抑制される。
(実施形態5)
図6は実施形態5を示す。本実施形態は前記した各実施形態と基本的には同様の構成および作用効果を有する。以下、異なる部分を中心として説明する。図8は空調回路の構成図を模式的に示す。空気調和機は、室内の空調を行う複数の室内機1A,1Bと、室内で空調を行う冷媒を調整する複数の室外機2と、各室外機2と各室内機1A,1Bとを繋ぐ冷媒配管系3とを備えている。
図6に示すように、室内機1A,1Bは室内に配置されており、空調のために冷媒と室内の空気との熱交換を行う室内熱交換器10と、冷媒を膨張させる膨張弁11(開度固定)とを基本要素として有する。なお、室内機の数は何台でも良いが、室内機1A,1Bとして代表されている。
室外機2は室外に配置されている。室外機2は、ガスエンジンで形成されたエンジン20(駆動源)と、気体状の冷媒と液状の冷媒とを分離した状態で冷媒を収容するアキュームレータ21と、エンジン20で駆動され駆動に伴いアキュムレータ21の気体状の冷媒を吸入して圧縮する複数のコンプレッサ22(圧縮部)と、空調のために冷媒の熱交換を行う室外熱交換器23とを基本要素として有する。エンジン20のエンジン回転数はセンサ24Bで検知される。
コンプレッサ22は、エンジン20によりタイミングベルト等の動力伝達部材を介して連動される。故に、エンジン20はコンプレッサ22の駆動源として機能する。コンプレッサ22は、アキュムレータ21から気体状の冷媒を圧縮室に吸い込む吸入ポート22iと、圧縮室で圧縮された高圧の気体状の冷媒を吐出させる吐出ポート22pとを有する。
後述するように暖房運転時において室内機1A,1Bから室外機2に冷媒が帰還する帰還方向(矢印K1方向)において、室外熱交換器23の上流には、制御弁(膨脹弁)として機能する電子調整弁25および逆止弁26が並列に配置されている。逆止弁26は、室外機2の室外熱交換器23から室内機1A,1Bへの冷媒の流れを許容するものの、室内機1A,1Bから室外機2の室外熱交換器23への冷媒の流れを遮断する。電子調整弁25は電気的制御により開度が調整可能である。電子調整弁25は、モータまたはソレノイド等の駆動部と、駆動部の駆動により開度を可変とする弁部とを備えており、流量を可変にできる。制御部4はメイン調整弁25の駆動部を制御するため、メイン調整弁25の開度を制御することができる。
(暖房運転時)
先ず、室内を暖房するときについて説明する。燃料ガスによりエンジン20が駆動すると、コンプレッサ22が駆動し、アキュムレータ21の気体状の冷媒がアキュムレータ21の吸入ポート21i、コンプレッサ22の吸入ポート22iから流路を経て吸入され、コンプレッサ22の圧縮室で圧縮される。圧縮されて高温高圧となった気体状の冷媒は、コンプレッサ22の吐出ポート22pから吐出され、流路3a、オイルセパレータ27に至る。前述したようにオイルセパレータ27において冷媒からオイルが分離される。そしてオイルが分離された気体状の高温高圧の冷媒は、四方弁28の第3ポート28tを通り、流路3c、ボールバルブ291、流路3d,3eを経て、室内熱交換器10に至り、室内熱交換器10で室内の空気と熱交換されて凝縮(液化)する。凝縮熱は室内に放出されるため、室内が加熱される。従って、室内機1A,1Bの暖房運転時には、室内熱交換器10は凝縮器として機能する。
そして、室内熱交換器10を経て液化が進行した冷媒は、液相状態または気液二相状態となり、膨張弁11に至り、室内機1A,1Bの膨張弁11で膨張されて低圧となる。さらに、低圧となった冷媒は、流路3f,3g、ボールバルブ292、流路3hを経て矢印K1方向に流れ、電子調整弁25に至り、電子調整弁25を流れ、室外熱交換器23に至る。冷媒は室外熱交換器23で蒸発して外気と熱交換する。従って室外熱交換器23は室内機1A,1Bの暖房運転時には蒸発器として機能する。ここで、室内機1A,1Bの暖房運転時において、電子調整弁25は膨脹弁として機能し、冷媒を膨脹させる。ここで、電子調整弁25は開度調整可能である。
更に冷媒は、四方弁28の第1ポート28f、第2ポート28s、流路3mを経て、アキュムレータ21の帰還ポート21rに帰還する。帰還した冷媒は、アキュムレータ21で液状の冷媒とガス状の冷媒とに分離された状態で収容される。なお、室外熱交換器23に向けて送風する第1ファン51、室内熱交換器10に向けて送風する第2ファン52が設けられている。
(室内機1A,1Bの冷房運転時)
次に、室内機1A,1Bで室内を冷房運転するときについて説明する。燃料ガスによりガスエンジン20が駆動すると、コンプレッサ22が駆動し、アキュムレータ21の気体状の冷媒がアキュムレータ21の吸入ポート21i、コンプレッサ22の吸入ポート22iから吸入され、コンプレッサ22の圧縮室で圧縮される。圧縮されて高温高圧となった気体状の冷媒は、コンプレッサ22の吐出ポート22iから吐出され、流路3a、オイルセパレータ27に至る。オイルセパレータ27において冷媒からオイルが分離される。そしてオイルが分離された高温高圧の冷媒は、流路3b、流路切替弁としての四方弁28の第1ポート28fを通り、室外熱交換器23に至る。そして高温高圧の冷媒は、室外熱交換器23で外気と熱交換されて冷却され、液化する。液化が進行した冷媒(液相状態または気液二相状態)は、逆止弁26、流路3h、更に、ボールバルブ292、流路3g、3fを経て膨張弁11に至り、膨張弁11において膨張されて低温となる。なお、冷房運転時には、一般的には、電子調整弁25は全閉状態とされているが、開放させても良い。
上記したように室外熱交換器23で低温となった冷媒は、流路3g、3fを通り、膨脹弁11で膨脹されて低温低圧となり、更に、室内熱交換器10に至り、室内熱交換器10で室内の空気と熱交換されて室内を冷却する。更に冷媒は、流路3e、ボールバルブ291、流路3c、四方弁28の第3ポート28t、四方弁28の第2ポート28s、流路3mを経て、アキュムレータ21の帰還ポート21rに帰還する。
(その他)
上記した実施形態に係る気液分離部300は、排気ガスの旋回による遠心力による分離を利用しているが、これに限定されるものではなく、排気ガスを冷却して凝縮水を生成させて気液分離する方式、あるいは、フィルタを利用して気液分離するといった他の気液分離方式を採用しても良い。浄化剤収容室501に収容されている浄化剤501fは中和剤とされているが、これに限らず、他の浄化作用を有する浄化剤でも良い。空調回路は図9に示す回路に限定されるものではない。
本発明は上記し且つ図面に示した実施形態のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施可能である。エンジン駆動式空気調和機に限定されず、エンジン駆動式のコージェネ装置にも適用できる。エンジンはガス燃料で駆動するエンジンでも、液体燃料で駆動するエンジンでも良い。ある実施形態に設けられている特有の構造および機能は、他の実施形態においても適用可能である。即ち、ある実施形態に設けられている特有の構造および機能と、他の実施形態における特有の構造および機能とを組み合わせても良い。上記した記載から次の技術的思想が把握される。
(付記項1)駆動源から排出された排気ガスを流す排気通路と、前記排気通路に繋がれると共に前記排気通路を流れる排気ガスを処理する排気ガス処理部と、前記排気通路に連通すると共に排気ガスに含まれる液相を排出する液相排出口と、前記液相排出口に連通するように設けられ前記液相排出口から排出された前記液相に対して浄化処理を実施する排液浄化処理部と、前記排液浄化処理部内の空間に存在する気体を吸入して前記排ガス処理部側に供給する気体吸入手段とを具備していることを特徴とする駆動源排ガス用浄化装置。駆動源としては内燃機関、外燃機関が例示される。本明細書で記載されている作用効果が得られる。
(付記項2)排気ガス発生源から排出された排気ガスを流す排気通路と、前記排気通路に繋がれると共に前記排気通路を流れる排気ガスを処理する排気ガス処理部と、前記排気通路に連通すると共に排気ガスに含まれる液相を排出する液相排出口と、前記液相排出口に連通するように設けられ前記液相排出口から排出された前記液相に対して浄化処理を実施する排液浄化処理部と、前記排液浄化処理部内の空間に存在する気体を吸入して前記排ガス処理部側に供給する気体吸入手段とを具備していることを特徴とする排ガス用浄化装置。排気ガス発生源としては例えばエンジン等の駆動機関、可燃ガスを燃焼させる燃焼器、ごみ等の廃棄物を燃焼させる燃焼器が挙げられる。駆動源としては内燃機関、外燃機関が例示される。本明細書で記載されている作用効果が得られる。
本発明は例えばエンジン排ガス用浄化装置およびエンジン駆動式空気調和機に利用できる。
実施形態1に係り、エンジン駆動式空気調和機用の気液分離装置を模式的に示す構成図である。 実施形態1に係り、エンジン駆動式空気調和機用の気液分離装置の要部を模式的に示す平面図である。 実施形態2に係り、エンジン駆動式空気調和機用の気液分離装置を模式的に示す構成図である。 実施形態3に係り、エンジン駆動式空気調和機用の気液分離装置を模式的に示す構成図である。 実施形態4に係り、エンジン駆動式空気調和機用の気液分離装置を模式的に示す構成図である。 実施形態5に係り、エンジン駆動式空気調和機を模式的に示す構成図である。
符号の説明
100は空調装置、200は気液分離装置、300は気液分離部、310は分離部本体、311は旋回室、313は排気筒、350は液相排出口(ドレン水排出口)、352は排液路(液相排出路)、400は排気通路、500は排液浄化処理部、501は浄化剤収容室、510は容器、550は排液管(第2液相排出路)、570は連通管、600は吸引絞り通路(気体吸入手段)を示す。

Claims (4)

  1. エンジンの排気ガスに含まれている気相と液相とを分離させる分離部本体と、前記分離部本体で分離された液相を排出させる液相排出口とを備える気液分離部と、
    前記エンジン側と前記気液分離部の前記分離部本体とを接続し、前記エンジンから排出された排気ガスを前記気液分離部の前記分離部本体に供給する排気通路と、
    前記液相排出口に連通するように設けられ前記液相排出口から排出された液相に対して浄化処理を実施する排液浄化処理部と、
    前記排液浄化処理部内の空間に存在する気体を吸入して前記気液分離部の前記分離部本体側に供給する気体吸入手段とを具備していることを特徴とするエンジン排ガス用浄化装置。
  2. 請求項1において、前記気体吸入手段は、前記排気通路に設けられ前記排気通路を流れる排気ガスによりベンチェリ吸引作用を発揮する前記吸引絞り通路と、前記排液浄化処理部内の気相空間と前記吸引絞り通路を連通する吸引連通路とを備えていることを特徴とするエンジン排ガス用浄化装置。
  3. 請求項2において、前記吸引連通路は、前記液相排出口を介して前記排液浄化処理部に液相を排出する液相排出路であることを特徴とするエンジン排ガス用浄化装置。
  4. 空調回路において冷凍サイクルを実行するために冷媒を圧縮または吸入するコンプレッサと、前記コンプレッサを駆動させるエンジンと、を具備し、
    請求項1〜3のうちの一項に記載のエンジン排ガス用浄化装置により前記エンジンの排ガスを浄化することを特徴とするエンジン駆動式空気調和機。
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