JP2009001865A - 球状黒鉛鋳鉄部材 - Google Patents

球状黒鉛鋳鉄部材 Download PDF

Info

Publication number
JP2009001865A
JP2009001865A JP2007163865A JP2007163865A JP2009001865A JP 2009001865 A JP2009001865 A JP 2009001865A JP 2007163865 A JP2007163865 A JP 2007163865A JP 2007163865 A JP2007163865 A JP 2007163865A JP 2009001865 A JP2009001865 A JP 2009001865A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cast iron
mass
spheroidal graphite
graphite cast
iron member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007163865A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4963444B2 (ja
Inventor
Shinko Koike
真弘 小池
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Tec Corp
Original Assignee
Asahi Tec Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Tec Corp filed Critical Asahi Tec Corp
Priority to JP2007163865A priority Critical patent/JP4963444B2/ja
Publication of JP2009001865A publication Critical patent/JP2009001865A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4963444B2 publication Critical patent/JP4963444B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Abstract

【課題】引張強さ、耐力、伸び、耐衝撃性等の機械的性質に優れ、更に自動車の足回り部品等に好適な所定の硬さの球状黒鉛鋳鉄部材を提供する。
【解決手段】Cを3.4〜4.0質量%、Siを1.5質量%以上2.0質量%未満、Mnを0.35〜0.5質量%、Niを1.0質量%を超え2.0質量%未満、及びCuを0.2〜0.5質量%含有し、残部がFe及び不可避的に含有される不純物であり、パーライト組織の面積率が60〜90%、フェライト組織の面積率が10〜40%である球状黒鉛鋳鉄部材。
【選択図】なし

Description

本発明は、球状黒鉛鋳鉄部材に関し、更に詳しくは、引張強さ、耐力、伸び、耐衝撃性等の機械的性質に優れ、更に自動車の足回り部品等に好適な所定の硬さの球状黒鉛鋳鉄部材に関する。
従来、自動車部品等の分野において球状黒鉛鋳鉄部材が使用されており、部品毎に種々の特性が要求されている。要求特性は、部品の種類等によって異なるが、例えば、自動車のシャーシ、足回り部品等においては、引張強さ、耐力、伸び、耐衝撃性及び硬さ等の各物性をバランス良く備える必要があり、これらの物性を最適化することは必ずしも容易ではなかった。従来の球状黒鉛鋳鉄部材では、例えば、引張強さと伸びのバランスを重視すると耐衝撃性が十分ではなくなったり(例えば、特許文献1参照)、引張強さ、伸び及び耐衝撃性を重視した構造とすると表面付近の硬さが不十分となる(例えば、特許文献2参照)という問題があった。
特開2001−59127号公報 特開2005−256088号公報
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたものであり、引張強さ、耐力、伸び、耐衝撃性等の機械的性質に優れ、更に自動車の足回り部品等に好適な所定の硬さの球状黒鉛鋳鉄部材を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明は、以下の球状黒鉛鋳鉄部材を提供するものである。
[1] Cを3.4〜4.0質量%、Siを1.5質量%以上2.0質量%未満、Mnを0.35〜0.5質量%、Niを1.0質量%を超え2.0質量%未満、及びCuを0.2〜0.5質量%含有し、残部がFe及び不可避的に含有される不純物であり、パーライト組織の面積率が60〜90%、フェライト組織の面積率が10〜40%である球状黒鉛鋳鉄部材。
[2] 鋳造後、鋳放しで得られた[1]に記載の球状黒鉛鋳鉄部材。
[3] 常温(20℃)での衝撃値が7.0J/cm以上であり、低温(−40℃)での衝撃値が3.0J/cm以上であり、引張強さが770MPa以上であり、伸びが8.0%以上であり、耐力が450MPa以上であり、ブリネル硬さ(HB)が190〜260である[1]又は[2]に記載の球状黒鉛鋳鉄部材。
本発明の球状黒鉛鋳鉄部材によれば、Niを1.0質量%を超え2.0質量%未満とし、Cuを0.2〜0.5質量%、Mnを0.35〜0.5質量%とすることにより、得られる球状黒鉛鋳鉄部材の表面から内部まで全体が、パーライト組織の面積率60〜90%、且つフェライト組織の面積率10〜40%という構造となる。そして、本発明の球状黒鉛鋳鉄部材は、このような構造であるため、引張強さ、耐力、伸び、耐衝撃性等の機械的性質に優れ、更に自動車の足回り部品等に好適な所定の硬さの球状黒鉛鋳鉄部材である。
次に本発明の実施形態を詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、適宜設計の変更、改良等が加えられることが理解されるべきである。
本発明の球状黒鉛鋳鉄部材は、Cを3.4〜4.0質量%、Siを1.5質量%以上2.0質量%未満、Mnを0.35〜0.5質量%、Niを1.0質量%を超え2.0質量%未満、及びCuを0.2〜0.5質量%含有し、残部がFe及び不可避的に含有される不純物であり、パーライト組織の面積率が60〜90%、フェライト組織の面積率が10〜40%である。本発明の球状黒鉛鋳鉄部材は、このような構造であるため、優れた機械的性質を有し、表面付近を含み全体的に自動車の足回り部品等に好適な所定の硬さのものであるが、特に、耐衝撃性に優れ、自動車の足回り部品のような高い耐衝撃性を要求される部品として好適に用いることができる。また、本発明の球状黒鉛鋳鉄部材は、Moを含有しないことが好ましい。Moは高価であるため、Moを含有しないことにより安価に製造することが可能となる。そして、本発明の球状黒鉛鋳鉄部材は、Moを含有しないにもかかわらず、引張強さ及び伸びに優れたものである。本発明の球状黒鉛鋳鉄部材を用いる自動車の足回り部品としては、具体的にはナックル、ナックルアーム、ハブ等を挙げることができる。
本発明の球状黒鉛鋳鉄部材に含有されるCは、3.4〜4.0質量%であり、3.5〜3.9質量%が好ましく、3.6〜3.8質量%が更に好ましい。3.4質量%より少ないと、伸びが低下し、4.0質量%を超えると、初晶黒鉛が浮上して介在し、引張強さが低下する。
本発明の球状黒鉛鋳鉄部材に含有されるSiは、1.5質量%以上2.0質量%未満であり、1.6〜1.9質量%が好ましく、1.7〜1.9質量%が更に好ましい。1.5質量%未満であると、伸びが低下し、2.0質量%以上であると、衝撃値が低下する。
本発明の球状黒鉛鋳鉄部材においては、「Cの含有量」と「Siの含有量の3分の1」との合計が、3.9〜4.6質量%であることが好ましく、4.2〜4.4質量%であることが更に好ましい。3.9質量%未満であると、伸びが低下することがあり、4.6質量%を超えると、初晶黒鉛が浮上して介在し、引張強さが低下することがある。
本発明の球状黒鉛鋳鉄部材の製造においては、鋳型に溶湯が注湯され、鋳型内の溶湯は、外表面側から冷却されて外表面側から内部に向かって凝固していく。このとき、外表面付近のNiは内部側に移動して偏析する傾向がある。Niはパーライト組織の生成に寄与するため、このようにNiが移動することにより溶湯の外表面付近のNi量が低下すると、球状黒鉛鋳鉄部材を形成したときに、その外表面付近においてフェライト組織が多くなる。そして、外表面付近にフェライト組織が多くなると、表面付近の硬さが低下するため、得られた球状黒鉛鋳鉄部材を自動車部品として使用し、ボルトで締め付けるときに、硬さの低さにより表面が変形し、十分に締め付けることができないという問題が生じる。また、外表面付近にフェライト組織が多くなると、疲労特性、引張強さ、及び耐力が低下するという問題も生じる。ここで、「外表面付近」というときは、表面から10mm±5mmの深さまでの領域を意味する。また、球状黒鉛鋳鉄部材は、その肉厚が厚いほど、溶湯の冷却時に表面付近と内部との温度差が大きくなり、Niの偏析が生じ易くなるため、上記問題が生じ易くなる。更に、一つの部品の中に肉厚が厚い部分と薄い部分とがあるときには、Niが、冷却され易い肉厚の薄い部分から厚い部分に移動し易いため、肉厚の薄い部分にフェライト組織が生成し易くなる。
一方、Niがパーライト組織の生成に寄与するのと同様に、Cu及びMnもパーライト組織の生成に寄与するものである。従って、偏析し難いCu及びMnの配合量を多くすることにより、Niの偏析により溶湯の外表面付近のNi量が低下しても、Cu及びMnの作用により、外表面付近にパーライト組織を十分に生成させることが可能となる。このように、Ni、Cu及びMnの配合量は、外表面付近のフェライト組織の生成を抑え、パーライト組織を多く生成させるために、以下に示すようなバランスにする必要がある。すなわち、本発明の球状黒鉛鋳鉄部材においては、Mnを0.35〜0.5質量%、Niを1.0質量%を超え2.0質量%未満、及びCuを0.2〜0.5質量%とすることが必要である。また、Mnを0.4〜0.5質量%、Niを1.2〜1.8質量%、及びCuを0.3〜0.5質量%含有することが好ましく、Mnを0.4〜0.45質量%、Niを1.4〜1.6質量%、及びCuを0.4〜0.45質量%含有することが更に好ましい。このような範囲にすることにより、表面付近のフェライト組織の生成が抑えられ、表面付近を含めて全体的に自動車の足回り部品等に適した所定の硬さとなり、優れた機械的性質を有する球状黒鉛鋳鉄部材を得ることができる。また、球状黒鉛鋳鉄部材の肉厚が厚い場合や、一部に薄い部分が形成されている場合でも、フェライト組織の生成を抑えることが可能となる。
本発明の球状黒鉛鋳鉄部材において、Ni含有量が、1.0質量%以下であると、引張強さが低下し、2.0質量%以上であると、衝撃値が低下する。Niを1.0質量%を超え2.0質量%未満という少ない含有量とすることにより、Niが偏析したときの影響を最小限に抑えることができる。
本発明の球状黒鉛鋳鉄部材において、Cuの含有量が、0.2質量%未満であると、パーライト組織を十分に生成させることができないため、引張強さが低下する。また、Cuの含有量が、0.5質量%を超えると、硬さが高くなりすぎて加工性が低下する。
本発明の球状黒鉛鋳鉄部材において、Mnの含有量が、0.35質量%未満であると、パーライト組織を十分に生成させることができないため、引張強さが低下する。また、Mnの含有量が0.5質量%を超えると、炭化物が発生し、引張強さ、耐力、伸び、耐衝撃性等の機械的性質が低下する。
CuとMnの含有量の合計は、0.7〜0.9質量%であることが好ましく、0.75〜0.85質量%であることが更に好ましい。0.7質量%未満であると、パーライト組織を十分に生成させることができないため、引張強さが低下することがある。0.9質量%を超えると、硬さが高くなりすぎて、加工性が低下することがあり、また、炭化物が発生し、引張強さ、耐力、伸び、耐衝撃性等の機械的性質が低下することがある。
本発明の球状黒鉛鋳鉄部材は、上記C、Si、Mn、Ni及びCu以外の成分(残部)として、Fe及び不可避的に含有される不純物を含有する。不可避的に含有される不純物としては、S,P,Cr,Ti,Pb,Zn等が挙げられる。不可避的に含有される不純物の含有率は、1.5質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以下であることが更に好ましい。不可避的に含有される不純物は、含有されないことが好ましいが、不可避的に0.5質量%以上は含有される可能性がある。Feの含有率は、球状黒鉛鋳鉄部材全体(100質量%)から、上述した各成分の含有率を差し引いた値である。
本発明の球状黒鉛鋳鉄部材は、パーライト組織の面積率が60〜90%であり、フェライト組織の面積率が10〜40%である。そして、パーライト組織の面積率が70〜90%、フェライト組織の面積率が10〜30%であることが好ましく、パーライト組織の面積率が80〜90%、フェライト組織の面積率が10〜20%であることが更に好ましい。「フェライト組織の面積率」及び「パーライト組織の面積率」は、球状黒鉛鋳鉄部材を任意の面で切断したときの断面におけるそれぞれの組織の面積率である。具体的には、画像解析ソフト(Nanosystem Corporation社製、商品名:NanoHunter NS2K−Pro)を用い、5視野の平均で測定した値である。そして、「フェライト組織の面積率」は、フェライト組織とパーライト組織のそれぞれの面積の合計に対するフェライト組織の面積の比率であり、「パーライト組織の面積率」は、フェライト組織とパーライト組織のそれぞれの面積の合計に対するパーライト組織の面積の比率である。パーライト組織及びフェライト組織のそれぞれの面積率がこのような範囲であるため、本発明の球状黒鉛鋳鉄部材は、引張強さ、耐力、伸び、耐衝撃性等の機械的性質に優れ、更に自動車の足回り部品等に好適な所定の硬さのものである。パーライト組織の面積率が60%未満、フェライト組織の面積率が40%を超える場合は、引張強さが低下し、自動車の足回り部品等に必要な硬さが得られないという問題がある。パーライト組織の面積率が90%超、フェライト組織の面積率が10%未満の場合は、伸びと衝撃値が低下するという問題がある。
本発明の球状黒鉛鋳鉄部材は、鋳造後、鋳放しで得られたものであることが好ましい。「鋳造後、鋳放しで得られる」というときは、鋳型に注湯された溶湯を、鋳型内で常温まで自然冷却して球状黒鉛鋳鉄部材を得ることを意味し、溶湯を鋳型に注湯した後に熱処理等の後処理を行わないことを意味する。本発明の球状黒鉛鋳鉄部材は、このように鋳放しで得られるため、熱処理等の後処理工程が不要であり、効率的に製造することができる。
本発明の球状黒鉛鋳鉄部材は、引張強さが770MPa以上であることが好ましい。引張強さは、大きい値であるほど好ましいが、900MPa程度が上限と考えられる。また、伸びが8.0%以上であることが好ましい。伸びは、大きい値であるほど好ましいが、15.0%程度が上限と考えられる。更に、耐力が、450MPa以上であることが好ましい。耐力は、大きい値であるほど好ましいが、600MPa程度が上限と考えられる。引張強さ、伸び及び耐力は、JIS Z 2201に準拠した4号試験片を作製し、その試験片を用いて、JIS Z 2241に準拠した方法で測定した値である。
本発明の球状黒鉛鋳鉄部材は、常温(20℃)での衝撃値が7.0J/cm以上であることが好ましい。常温での衝撃値の上限は、15.0J/cm程度と考えられる。また、低温(−40℃)での衝撃値が3.0J/cm以上であることが好ましい。低温での衝撃値の上限は、8.0J/cm程度と考えられる。衝撃値は、JIS Z 2202に準拠したUノッチ試験片を作製し、その試験片を用いて、JIS Z 2242に準拠した方法で測定した値である。
本発明の球状黒鉛鋳鉄部材は、ブリネル硬さ(HB)が、自動車の足回り部品に好適となるように、190〜260であることが好ましい。ブリネル硬さは、球状黒鉛鋳鉄部材の表面及び内部の双方において、上記範囲であることが好ましい。ブリネル硬さは、JIS Z 2243に準拠した方法により測定した値である。
本発明の球状黒鉛鋳鉄部材の製造方法は、特に制限されず、公知の球状黒鉛鋳鉄部材の製造方法を用いることができ、鋳放しとすることが好ましい。例えば、以下の方法により製造することができる。
銑鉄、鋼屑等の各種鉄合金を、各成分が所定の配合量となるように配合し、これを原料として電気炉(低周波炉又は高周波炉)又はキュポラを用いて鋳鉄溶湯を溶製する。溶製された溶湯について、黒鉛球状化剤を用いて取鍋内で溶湯処理を行う。この際、必要に応じて接種剤を、取鍋内添加又は注湯流接種する。溶湯処理を行った後、溶湯を、造型機により造型された鋳型に注湯して鋳込み、鋳型内でそのまま常温まで自然冷却(鋳放し)し、凝固させて、本発明の球状黒鉛鋳鉄部材を得る。鋳型内で鋳放しにより得られた本発明の球状黒鉛鋳鉄部材は、次に、例えば、シェイクアウトマシンにて型ばらしを行い、球状黒鉛鋳鉄と造型砂とを分離し、球状黒鉛鋳鉄をドラムクーラーで冷却した後、ショットブラストで表面に付着した砂を除去することが好ましい。そして、鋳仕上げ工程において堰、ばり取りなどの仕上げを行うことが好ましい。
以下、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
(実施例1)
鋳鉄原料を配合し、高周波溶解炉にて溶融して表1に示す組成の球状黒鉛鋳鉄の溶湯を溶製した。上記球状黒鉛鋳鉄溶湯を、図1A、図1Bに示す自動車足回り部品1用の鋳型に約1400℃で注湯し、鋳型内で常温まで自然放冷(鋳放し)して、球状黒鉛鋳鉄部材である自動車足回り部品1を作製した(実施例1)。図1Aは、実施例1の球状黒鉛鋳鉄部材である自動車足回り部品を示す平面図であり、図1Bは、実施例1の球状黒鉛鋳鉄部材である自動車足回り部品を示す側面図である。
得られた自動車足回り部品1のアームの部分の、パーライト組織の面積率(パーライト(%))及びフェライト組織の面積率(フェライト(%))を、以下の方法(面積率の測定)により、表面からの深さ5mm、10mm、25mm及び50mmの位置の断面において測定した。結果を表2に示す。また、自動車足回り部品1のサンプリング部位Zの深さ10mmの部分の組織を示す、光学顕微鏡による拡大写真(100倍に拡大)を図2に示す。図2に示すように、実施例1の球状黒鉛鋳鉄部材は、パーライト組織13の面積率が高く、その中に、フェライト組織12及び黒鉛11が散在していることがわかる。
得られた自動車足回り部品1について、以下の方法により、引張強さ(MPa)、耐力(MPa)、伸び(%)、常温衝撃値(J/cm)、低温衝撃値(J/cm)及び外表面のブリネル硬さ(HB)を測定した。結果を表3に示す。
(面積率の測定)
面積率は、画像解析ソフト(Nanosystem Corporation社製、商品名:NanoHunter NS2K−Pro)を用い、5視野の平均により測定する。
(引張強さ)
自動車足回り部品1のサンプリング部位Xから、JIS Z 2201の4号試験片を採取し、JIS Z 2241の方法に準拠し、引張強さを測定する。引張強さは、770MPa以上を合格とする。
(耐力)
自動車足回り部品1のサンプリング部位Xから、JIS Z 2201の4号試験片を採取し、JIS Z 2241の方法に準拠し、耐力を測定する。耐力は、450MPa以上を合格とする。
(伸び)
自動車足回り部品1のサンプリング部位Xから、JIS Z 2201の4号試験片を採取し、JIS Z 2241の方法に準拠し、伸びを測定する。伸びは、8.0%以上を合格とする。
(常温衝撃値)
自動車足回り部品1のサンプリング部位Yから、JIS Z 2202に準拠したUノッチ試験片を作製する。この試験片を用いて、JIS Z 2242に準拠した方法で、常温(20℃)におけるシャルピー衝撃試験を行い、得られた結果を常温衝撃値とする。常温衝撃値は、7.0J/cm以上を合格とする。
(低温衝撃値)
自動車足回り部品1のサンプリング部位Yから、JIS Z 2202に準拠したUノッチ試験片を作製する。この試験片を用いて、JIS Z 2242に準拠した方法で、−40℃におけるシャルピー衝撃試験を行い、得られた結果を低温衝撃値とする。低温衝撃値は、3.0J/cm以上を合格とする。
(ブリネル硬さ)
ブリネル硬さは、JIS Z 2243に準拠した方法により測定する。ブリネル硬さは、190〜260の範囲を合格とする。
(比較例1)
球状黒鉛鋳鉄の溶湯の組成を表1に示すように変えた以外は、実施例1と同様にして図1A、図1Bに示す自動車足回り部品1と同じ形状の自動車足回り部品を作製した(比較例1)。得られた自動車足回り部品について、実施例1の場合と同様に、上記各測定を行った。結果を表2,3に示す。
表3より、実施例1の球状黒鉛鋳鉄部材(自動車足回り部品)は、引張強さ、耐力、伸び、耐衝撃性等の機械的性質に優れ、更に自動車の足回り部品として好適な硬さであることがわかる。
自動車部品として好適に利用でき、特にシャーシや足回り部品として好適に利用することができる。
実施例1の球状黒鉛鋳鉄部材である自動車足回り部品を示す平面図である。 実施例1の球状黒鉛鋳鉄部材である自動車足回り部品を示す側面図である。 実施例1の球状黒鉛鋳鉄部材である自動車足回り部品の組織を示す拡大写真である。
符号の説明
1:自動車足回り部品、11:黒鉛、12:フェライト組織、13:パーライト組織、X,Y,Z:サンプリング部位。

Claims (3)

  1. Cを3.4〜4.0質量%、Siを1.5質量%以上2.0質量%未満、Mnを0.35〜0.5質量%、Niを1.0質量%を超え2.0質量%未満、及びCuを0.2〜0.5質量%含有し、残部がFe及び不可避的に含有される不純物であり、
    パーライト組織の面積率が60〜90%、フェライト組織の面積率が10〜40%である球状黒鉛鋳鉄部材。
  2. 鋳造後、鋳放しで得られた請求項1に記載の球状黒鉛鋳鉄部材。
  3. 常温(20℃)での衝撃値が7.0J/cm以上であり、低温(−40℃)での衝撃値が3.0J/cm以上であり、引張強さが770MPa以上であり、伸びが8.0%以上であり、耐力が450MPa以上であり、ブリネル硬さ(HB)が190〜260である請求項1又は2に記載の球状黒鉛鋳鉄部材。
JP2007163865A 2007-06-21 2007-06-21 球状黒鉛鋳鉄部材 Active JP4963444B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007163865A JP4963444B2 (ja) 2007-06-21 2007-06-21 球状黒鉛鋳鉄部材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007163865A JP4963444B2 (ja) 2007-06-21 2007-06-21 球状黒鉛鋳鉄部材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009001865A true JP2009001865A (ja) 2009-01-08
JP4963444B2 JP4963444B2 (ja) 2012-06-27

Family

ID=40318568

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007163865A Active JP4963444B2 (ja) 2007-06-21 2007-06-21 球状黒鉛鋳鉄部材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4963444B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013100148A1 (ja) * 2011-12-28 2013-07-04 日立金属株式会社 強度及び靭性に優れた球状黒鉛鋳鉄及びその製造方法
JP2018162516A (ja) * 2017-03-24 2018-10-18 ジー・エフ キャスティング ソリューションズ クンシャン カンパニー リミテッドGF Casting Solutions Kunshan Co. Ltd. 球状黒鉛鋳鉄合金

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56130453A (en) * 1980-03-14 1981-10-13 Riken Corp Tough spheroidal graphite cast iron and its heat treatment
JPS57185956A (en) * 1981-05-06 1982-11-16 Kurimoto Iron Works Ltd Ductile pipe of alloy with high corrosion resistance
JPH09296215A (ja) * 1996-04-29 1997-11-18 Hitachi Metals Ltd 球状黒鉛鋳鉄部材の製造方法
JP2001073063A (ja) * 2000-08-14 2001-03-21 Asahi Tec Corp 鋳放しダクタイル鋳鉄

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56130453A (en) * 1980-03-14 1981-10-13 Riken Corp Tough spheroidal graphite cast iron and its heat treatment
JPS57185956A (en) * 1981-05-06 1982-11-16 Kurimoto Iron Works Ltd Ductile pipe of alloy with high corrosion resistance
JPH09296215A (ja) * 1996-04-29 1997-11-18 Hitachi Metals Ltd 球状黒鉛鋳鉄部材の製造方法
JP2001073063A (ja) * 2000-08-14 2001-03-21 Asahi Tec Corp 鋳放しダクタイル鋳鉄

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013100148A1 (ja) * 2011-12-28 2013-07-04 日立金属株式会社 強度及び靭性に優れた球状黒鉛鋳鉄及びその製造方法
JPWO2013100148A1 (ja) * 2011-12-28 2015-05-11 日立金属株式会社 強度及び靭性に優れた球状黒鉛鋳鉄及びその製造方法
US10087509B2 (en) 2011-12-28 2018-10-02 Hitachi Metals, Ltd. Spheroidal graphite cast iron having excellent strength and toughness and its production method
JP2018162516A (ja) * 2017-03-24 2018-10-18 ジー・エフ キャスティング ソリューションズ クンシャン カンパニー リミテッドGF Casting Solutions Kunshan Co. Ltd. 球状黒鉛鋳鉄合金
JP7369513B2 (ja) 2017-03-24 2023-10-26 ジー・エフ キャスティング ソリューションズ クンシャン カンパニー リミテッド 球状黒鉛鋳鉄合金

Also Published As

Publication number Publication date
JP4963444B2 (ja) 2012-06-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6079641B2 (ja) 強度及び靭性に優れた球状黒鉛鋳鉄及びその製造方法
WO2013094652A1 (ja) 球状黒鉛鋳鉄の製造方法および該球状黒鉛鋳鉄を用いた球状黒鉛鋳鉄部材
JP6954846B2 (ja) 球状黒鉛鋳鉄
WO2014208240A1 (ja) 球状黒鉛鋳鉄
JPH1136029A (ja) 高強度チタン合金鋳造品
WO2017017989A1 (ja) 鋳鋼部材
US20220017997A1 (en) Aluminum alloys for structural high pressure vacuum die casting applications
JP4994734B2 (ja) 鋳造用アルミニウム合金および同アルミニウム合金鋳物
JP4963444B2 (ja) 球状黒鉛鋳鉄部材
JP2006322062A (ja) 鋳造用アルミニウム合金および同アルミニウム合金鋳物
JP5856599B2 (ja) ディファレンシャル装置部品
JP3964675B2 (ja) 非オーステンパー処理球状黒鉛鋳鉄
JP4527304B2 (ja) 高強度高靱性球状黒鉛鋳鉄
JP2007327083A (ja) 球状黒鉛鋳鉄及びその製造方法
KR102539284B1 (ko) 내가스 결함성에 우수한 구상흑연주철
JP5862406B2 (ja) アルミニウム合金部材およびその製造方法
JP3648158B2 (ja) 球状黒鉛鋳鉄
JP2020002402A (ja) 球状黒鉛鋳鉄
WO2017164382A1 (ja) 球状黒鉛鋳鉄、それからなる鋳造物品及び自動車用構造部品、並びに球状黒鉛鋳鉄からなる鋳造物品の製造方法
JP4210526B2 (ja) 低温衝撃性に優れた球状黒鉛鋳鉄及びその製造方法
JP2005256088A (ja) 球状黒鉛鋳鉄部材
KR20020082057A (ko) 고강도 cv주철재 및 그 제조방법
JP4162461B2 (ja) 球状黒鉛鋳鉄及び製造方法
JP2020066772A (ja) 球状黒鉛鋳鉄
JPH04111963A (ja) 塑性加工用金型鋼の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100304

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120313

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120321

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120323

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4963444

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150406

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250