JPH09296215A - 球状黒鉛鋳鉄部材の製造方法 - Google Patents

球状黒鉛鋳鉄部材の製造方法

Info

Publication number
JPH09296215A
JPH09296215A JP8132818A JP13281896A JPH09296215A JP H09296215 A JPH09296215 A JP H09296215A JP 8132818 A JP8132818 A JP 8132818A JP 13281896 A JP13281896 A JP 13281896A JP H09296215 A JPH09296215 A JP H09296215A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cast iron
spheroidal graphite
pearlite
graphite cast
surface layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8132818A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3204293B2 (ja
Inventor
Hideaki Nagayoshi
英昭 永吉
Seishin Ueda
精心 上田
Kohei Imanishi
幸平 今西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Proterial Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Metals Ltd filed Critical Hitachi Metals Ltd
Priority to JP13281896A priority Critical patent/JP3204293B2/ja
Priority to US08/848,022 priority patent/US5876523A/en
Publication of JPH09296215A publication Critical patent/JPH09296215A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3204293B2 publication Critical patent/JP3204293B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21DMODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
    • C21D5/00Heat treatments of cast-iron
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21DMODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
    • C21D2211/00Microstructure comprising significant phases
    • C21D2211/005Ferrite
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21DMODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
    • C21D2211/00Microstructure comprising significant phases
    • C21D2211/009Pearlite
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21DMODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
    • C21D2221/00Treating localised areas of an article
    • C21D2221/10Differential treatment of inner with respect to outer regions, e.g. core and periphery, respectively
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S148/00Metal treatment
    • Y10S148/902Metal treatment having portions of differing metallurgical properties or characteristics

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Heat Treatment Of Articles (AREA)
  • Heat Treatment Of Steel (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた曲げ特性及び耐衝撃性等の機械的強度
を有する球状黒鉛鋳鉄部材を製造する方法を提供する。 【解決手段】 Mn、Cu及びSnからなる群から選ばれた少
なくとも1種のパーライト安定化元素を含有する球状黒
鉛鋳鉄からなり、フェライト化率が60%以上で少なくと
も0.5 mmの厚さを有する表層部と、基地の大部分がパー
ライト相からなる内部とを有する球状黒鉛鋳鉄部材を製
造する方法であって、(1) 基地全体が実質的にオーステ
ナイト化する温度で熱処理し、(2) 表層部のフェライト
化が内部のパーライト化より先に起こる冷却速度(5〜
20℃/分)で冷却し、(3) 前記表層部の基地がフェライ
ト相のままで内部基地のパーライト化が起こる温度(73
0 〜750 ℃)に、前記球状黒鉛鋳鉄部材を保持すること
により熱処理し、(4) 内部のパーライト化が完了した直
後に冷却することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は優れた曲げ特性及び耐衝
撃性等の機械的強度を有する球状黒鉛鋳鉄部材を製造す
る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】球状黒鉛鋳鉄は高い機械的強度とともに
優れた鋳造性を有するため、種々の機械や自動車の部品
として広く使用されている。特に機械的強度を必要とす
る部品には、JIS G5502 の5種(FCD700)及び6種(FC
D800)等が使用され、また伸びを必要とする部品には0
種(FCD370)及び1種(FCD400)等が使用されている。
なかでも自動車の懸架装置等の重要な部品は引張強さ、
伸び、疲労強度、衝撃強度等が良好であることが要求さ
れているので、それを構成する球状黒鉛鋳鉄部材は上記
強度の要求レベルを十分にクリアするものでなければな
らない。ところが、鋳造品の表面の黒皮には砂噛みやノ
ロ噛み等により微細な凹凸があり、その凹部が切り欠き
の作用をして破壊の起点となることがある。そのために
球状黒鉛鋳鉄部材は本来の強度を十分に発揮することが
できないという問題があることがわかった。
【0003】以上の状況において、パーライトが面積率
で10%以下のフェライト基地中に黒鉛粒子が分散し、前
記黒鉛粒子と前記フェライト基地との間に微細な空隙が
実質的に存在せずに、良好な機械的強度を有する薄肉の
球状黒鉛鋳鉄部材が提案された(特開平2-290943号)。
この薄肉強靭球状黒鉛鋳鉄部材は、球状黒鉛鋳鉄組成を
有する溶湯を鋳型に注入し、前記溶湯の凝固完了後鋳造
品のほぼ全体がまだA3 変態点以上の状態にあるときに
型バラシを行い、得られた鋳造品を直ちにA3変態点以
上の温度に保持された連続炉の均熱域に入れ、そこで基
地中のセメンタイトを分解するために前記鋳造品を30分
以下保持し、次いで前記鋳造品を前記連続炉の冷却域に
移送して、前記基地のフェライト化を達成する冷却速度
で、前記鋳造品を冷却することにより製造することがで
きる。
【0004】しかしながら、薄肉球状黒鉛鋳鉄部材の場
合と異なり、より高い機械的強度が要求される部品に使
用するために比較的厚肉にした球状黒鉛鋳鉄部材の場
合、パーライト組織を残して引張強さ等を保持したま
ま、曲げ強度を向上する必要がある。そのためには、球
状黒鉛鋳鉄部材の全体又は大部分がフェライト化するよ
うな熱処理では良くないことが分かった。
【0005】そこで、本発明等は先に、大部分がフェラ
イト相からなる少なくとも1mmの厚さの表層部と、パー
ライト相及びフェライト相からなる内部とを有し、表層
部のフェライト化率が70%以上であり、内部のフェライ
ト化率より少なくとも約15%高いことを特徴とする球状
黒鉛鋳鉄部材を提案した(特開平6-17186 号)。この球
状黒鉛鋳鉄部材は、球状黒鉛鋳鉄組成を有する溶湯を
鋳型に注入し、溶湯の凝固完了後鋳造品のほぼ全体がま
だA1 変態点以上の状態にあるときに型バラシを行い、
得られた鋳造品の表層部と内部との温度差が40〜60℃に
なったときに、鋳造品を750 〜900 ℃に保持された均熱
炉に入れ、表層部のフェライト化率が70%以上でかつ内
部のフェライト化率より少なくとも15%高くなる時間だ
け均熱炉内に保持し、次いで鋳造品を冷却炉に移送し
て、15〜100 ℃/分の冷却速度で冷却する方法、又は
パーライト化された球状黒鉛鋳鉄部材を780 〜870 ℃に
保持された均熱炉に入れ、表層部のフェライト化率が70
%以上でかつ内部のフェライト化率より少なくとも15%
高くなる時間だけ均熱炉内に保持し、次いで鋳造品を冷
却炉に移送して、15〜100 ℃/分の冷却速度で冷却する
方法により、製造することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記球状黒鉛鋳鉄部材
は優れた曲げ特性及び機械的強度を有するが、その製造
方法には制御が困難であるという問題がある。すなわ
ち、型バラシ後そのまま均熱炉に導入する方法では、
鋳造品の表層部と内部との温度差が40〜60℃になったと
きに750 〜900 ℃の均熱炉に入れるタイミングを決定す
るのが難しい。またパーライト化した後でフェライト化
する方法の場合には、均熱炉内で保持する時間を制御
するのが難しいという問題がある。
【0007】従って、本発明の目的は、優れた曲げ特性
及び耐衝撃性等の機械的強度を有する球状黒鉛鋳鉄部材
を製造する方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者らは、パーライト安定化元素を含有す
る球状黒鉛鋳鉄部材をオーステナイト化熱処理の温度か
ら調節した冷却速度で徐冷するとともに、所定の熱処理
温度に保持すると、まず表層部の基地がフェライト化
し、ついで内部基地がパーライト化して、二重の基地構
造を有するようになり、もって球状黒鉛鋳鉄部材の曲げ
特性及び耐衝撃性が改善されることを発見し、本発明に
想到した。
【0009】すなわち、本発明の方法は、Mn、Cu、Sn、
Sb及びPbからなる群から選ばれた少なくとも1種のパー
ライト安定化元素を含有する球状黒鉛鋳鉄からなり、フ
ェライト化率が60%以上で少なくとも0.5 mmの厚さを有
する表層部と、基地の大部分がパーライト相からなる内
部とを有する球状黒鉛鋳鉄部材を製造する方法であっ
て、(1) 基地全体が実質的にオーステナイト化する温度
で熱処理し、(2) 表層部のフェライト化が内部のパーラ
イト化より先に起こる冷却速度で冷却し、(3) 前記表層
部の基地がフェライト相のままで内部基地のパーライト
化が起こる温度に、前記球状黒鉛鋳鉄部材を保持するこ
とにより熱処理し、(4) 内部のパーライト化が完了した
直後に冷却することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
[1] 球状黒鉛鋳鉄部材 [A] 組成 本発明の製造方法を適用する球状黒鉛鋳鉄部材は、一般
に以下の化学成分を含有し、 C:3.4 〜3.9 重量% Si: 1.9 〜2.6 重量% P:0.05重量%以下 S:0.02重量%以下 Mg: 0.02〜0.06重量% パーライト安定化元素: 0.001 〜0.8 重量% 残部が実質的にFe及び不可避的不純物からなる組成を有
する。
【0011】(1) C:3.4 〜3.9 重量% Cの含有量が3.4 重量%未満であるか3.9 重量%を超え
ると、球状黒鉛鋳鉄の鋳造性が低下する。好ましいCの
含有量は3.5 〜3.8 重量%である。
【0012】(2) Si: 1.9 〜2.6 重量% Siの含有量が1.9 重量%未満であると、炭化物生成傾向
が増大し、2.6 重量%を超えるとパーライト量の制御が
困難になり、均一なパーライトを主体とする組織を得る
ことが難しくなる。好ましいSiの含有量は2.0 〜2.4 重
量%である。
【0013】(3) P:0.05重量%以下 Pは球状化阻害元素材であり、その含有量は0.05重量%
を超えるべきでない。好ましくはPの含有量は0.03重量
%以下である。
【0014】(4) S:0.02重量%以下 Sは球状化阻害元素材であり、その含有量は0.02重量%
を超えるべきでない。好ましくはSの含有量は0.015 重
量%以下である。
【0015】(5) Mg: 0.02〜0.06重量% Mgの含有量が0.02重量%未満であると、球状黒鉛鋳鉄を
得る歩留りが低下する。一方、0.06重量%を超えるとチ
ル発生の要因となる。好ましいMgの含有量は0.02〜0.05
重量%である。
【0016】(6) パーライト安定化元素: 0.001 〜0.8
重量% パーライト安定化元素は、Mn、Cu、Sn、Sb及びPbからな
る群から選ばれた少なくとも1種である。特にCuが好ま
しく、またMnとCuを併用するのが好適である。パーライ
ト安定化元素の含有量が0.001 重量%未満であるとパー
ライト安定化効果が得られず、また0.8 重量%を超える
と二重構造組織が形成されにくくなる。好ましいパーラ
イト安定化元素の含有量は0.001 〜0.6 重量%であり、
より好ましくは0.3 〜0.5 重量%である。特にCuは0.3
〜0.5 重量%とするのが好ましく、Mnは0.3 〜0.4 重量
%とするのが好ましい。またSn、Sb又はPbは0.001 〜0.
03重量%が好ましく、これ以下ではパーライト安定化効
果が得られない。
【0017】(7) その他の元素 上記必須元素の他に、Cr、 Ca 、Bi、希土類元素等の元
素を含有しても良い。特にCrは耐食性を向上する元素
で、3重量%以下の量で含有しても良い。また Ca 、Bi
及び希土類元素は黒鉛を微細分散化する元素で、0.1 重
量%以下の量で含有しても良い。
【0018】[B] 球状黒鉛鋳鉄部材の二重構造組織 本発明の方法により製造される球状黒鉛鋳鉄部材は、図
1に示すように、軟質な表層部1と高強度の内部2とか
らなる二重構造組織を有する。
【0019】(1) 表層部 表層部1の基地の金属組織は、フェライト化率が60%以
上である。ここで「フェライト化率」とは、基地中のフ
ェライト相の割合をいう。フェライト化率が60%未満で
あると、表層部1の硬度が十分に低下しておらず、破壊
防止の作用が不十分である。好ましいフェライト化率は
70%以上であり、特に80%以上である。なお、表層部1
の基地の残部はほとんどパーライト相である。
【0020】表層部1は300 未満のビッカース硬度Hv
を有する。表層部1の硬度Hvが300 以上であると、そ
の凹凸が破壊の起点になるおそれが大きくなる。
【0021】表層部1の厚さは、少なくとも0.5 mmであ
る。表層部1が0.5 mm未満であると、破壊防止の効果が
十分に得られない。表層部1の好ましい厚さは1mm以上
である。なお、厚さの上限は球状黒鉛鋳鉄部材全体の厚
さに依存するが、一般に全厚の10%以下である。表層部
1の厚さが全厚の10%を超えると、球状黒鉛鋳鉄部材全
体の機械的強度は低下する。
【0022】(2)内部 内部2の基地の金属組織は、大部分(50%以上)がパー
ライト相からなる。内部2のパーライト化率(パーライ
ト相の割合)が50%より低いと、球状黒鉛鋳鉄部材全体
の機械的強度が不十分である。内部2のパーライト化率
は50%以上であるのが好ましい。なお内部2の基地の残
部はほとんどフェライト相である。
【0023】以上の構造のために、内部2は表層部1よ
り高い硬度Hvを有する。一般に、内部2の硬度Hvは
表層部1より100 程度高いのが好ましい。
【0024】以上のような二重構造組織を有する球状黒
鉛鋳鉄部材は、少なくとも0.5 mmの表層部1を有するの
で、比較的厚肉でないと二重構造組織の効果が出にく
い。具体的には、12mm以上、好ましくは15mm以上の肉厚
を有する場合に二重構造組織の効果が大きい。
【0025】[2] 球状黒鉛鋳鉄部材の製造方法 このような層構造を有する球状黒鉛鋳鉄部材の製造方法
は、(1) 基地全体が実質的にオーステナイト化する温度
で熱処理し、(2) 表層部のフェライト化が内部のパーラ
イト化より先に起こる冷却速度で冷却し、(3) 前記表層
部の基地がフェライト相のままで内部基地のパーライト
化が起こる温度に、前記球状黒鉛鋳鉄部材を保持するこ
とにより熱処理し、(4) 内部のパーライト化が完了した
直後に冷却するものである。本発明の製造方法を図2を
参照して詳細に説明する。
【0026】(1) オーステナイト化熱処理 球状黒鉛鋳鉄部材を800 〜1000℃に加熱保持し、オース
テナイト化熱処理を行う。加熱保持温度が800 ℃未満で
あると、全体が実質的に完全にオーステナイト化せず、
また1000℃を超えても意味がない。好ましい加熱保持温
度は850 〜920℃である。また加熱保持時間は、温度に
も依るが、一般に1〜30分間が好ましく、1〜10分間が
より好ましい。
【0027】(2) 徐冷 実質的にオーステナイト化した球状黒鉛鋳鉄部材は、表
層部のフェライト化が内部のパーライト化より先に起こ
る冷却速度で冷却する。冷却速度は、連続冷却変態曲線
図(CCT曲線図)から求めることができる。例えば、
図3はCCT曲線図の一例を示す。CCT曲線図は、加
熱保持の温度/時間のグラフにフェライト化開始点及び
パーライト化開始点をプロットしたものである。フェラ
イト変態開始点を示す曲線(フェライト変態開始曲線)
は一般にパーライト変態開始点を示す曲線(パーライト
変態開始曲線)より左側(短時間側)にあり、かつ両曲
線の左端(低温側)はほぼ重なっており、右端(高温
側)には上限がある。
【0028】冷却速度を示す線(冷却線)は冷却速度が
高くなるに従って左側に移動する。冷却速度が高すぎて
冷却線がフェライト変態開始曲線とパーライト変態開始
曲線の交点に交差するようになると、パーライト化が急
速に進行して表層部のフェライト化が実質的に起こらな
くなる。またフェライト変態開始曲線とパーライト変態
開始曲線の交点より右側で両曲線と交差しても、両曲線
との交差点の間隔が狭過ぎると、表層部のフェライト化
が十分に起こる前にパーライト化が起こるので、フェラ
イト化した表層部の深さが十分でない。
【0029】一方、冷却線が右側に移動するにつれて、
両曲線との交差点の間隔が広くなるが、この間隔が広す
ぎる場合には、フェライト化した表層部が厚くなりす
ぎ、球状黒鉛鋳鉄部材全体の機械的強度が低下する。さ
らにフェライト変態開始曲線又はパーライト変態開始曲
線と交差できない程右側に移動すると、パーライト変態
が不可能になる。従って、冷却速度は上記範囲内に入る
ように設定すべきである。具体的には、冷却速度は5〜
20℃/分が適当であり、特に10〜15℃/分が好ましいこ
とが分かる。
【0030】(3) 加熱保持 フェライト化がパーライト化より先に起こる条件で徐冷
した球状黒鉛鋳鉄部材は、内部がパーライト化する温度
に加熱保持する。これにより、まだ実質的にオーステナ
イト相からなる内部の基地は大部分がパーライト化す
る。パーライト化熱処理に適する温度は、等温変態冷却
曲線図(TTT曲線図)により求めることができる。例
えば、図4のTTT図において、フェライト変態の鼻点
の温度に保持するのが最適であることが分かる。この鼻
点の温度は約740 ℃である。例えば冷却線Aの場合、フ
ェライト変態開始曲線を交差した直後に(好ましくは約
3秒以内に)パーライト変態開始曲線を交差し、次いで
フェライト化率50%の曲線の鼻点を交差する。これは球
状黒鉛鋳鉄に二重構造組織を与える最適な熱処理条件で
ある。これに対して冷却線Bの場合、保持温度が高すぎ
るためにパーライト変態開始曲線と交差することがない
ので、内部のパーライト化が起こらない。さらに冷却線
Cの場合、保持温度が低すぎるためにフェライト変態開
始曲線とパーライト変態開始曲線の交点に交差し、表層
部にフェライト化が起こらない。
【0031】以上の観点から、パーライト化熱処理用の
保持温度は一般に鼻点の温度(740℃)の±10℃の範囲
とする。従って、加熱保持温度は730 〜750 ℃とするの
が好ましい。保持温度が730 ℃未満であると、表層部の
フェライト化と内部のパーライト化とが確実に起こらな
い。また保持温度が750 ℃を超えると、フェライト化と
パーライト化との間に時間があきすぎるので、フェライ
ト化表層部が深くなりすぎる。より好ましい保持温度は
735 〜745 ℃である。
【0032】加熱保持時間は徐冷の冷却速度に依存する
が、一般に5〜30分である。保持時間が5分未満である
と、フェライト化表層部が浅くなりすぎ、また30分を超
えると間接変態のために内部の基地もフェライト化す
る。
【0033】(4) 冷却 加熱保持後の冷却方法は特に制限されず、放冷、空冷、
水冷等、いかなる方法でも良いが、加熱保持時間が長す
ぎると、内部のパーライト相が間接変態によりフェライ
ト化するので、加熱保持後に急冷するのが好ましい。こ
のためには、空冷又は水冷が好ましい。
【0034】[3] 二重構造組織形成のメカニズム 本発明の球状黒鉛鋳鉄部材においては、フェライト化率
が表層部から内部にかけて減少しており、パーライト化
率は中心部で最高になっている。このような組織形成の
メカニズムは、以下の通りである。まず、表層部が先に
冷却され、オーステナイト相がフェライト相に直接変態
する。このオーステナイト─フェライト変態に伴う体積
膨張により、内部には3次元的な引張応力が生じる。引
張応力がかかると共析温度が上昇し、パーライト変態が
促進される。このパーライト変態により体積膨張が益々
大きくなり、その結果表面から内部に行くに従って共析
温度が次第に上昇して、中心部程パーライト変態が起こ
りやすくなる。さらに、内部の引張応力は表層部のフェ
ライト化率に依存するので、最初のフェライトの形成量
が多ければ、パーライト変態の大きく促進することにな
る。
【0035】
【実施例】本発明を以下の実施例により詳細に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0036】実施例1 オーステナイト化温度の影響 (1) 組 成 鉄、不可避的不純物及び以下の表1に示す成分からなる
組成を有する球状黒鉛鋳鉄を100 kg高周波炉で溶解し、
砂型鋳造法により、直径30mm×長さ30mmの試験片を作成
した。なお、組成の球状黒鉛鋳鉄は鋳放し状態のときに
はブルスアイ組織を有し、基地のパーライト率は約90%
であった。試験片から鋳肌を除去するために表面研削に
より、直径25mm×長さ30mmのサイズとした。
【0037】 表1 重量% Si Mn Cu Cr Mg 3.63 2.25 0.40 0.40 0.02 0.01 0.02 0.04
【0038】(2) 熱処理 図2に示す熱処理パターンに従って、850 ℃、900 ℃及
び950 ℃の保持温度及び5分、10分及び30分の保持時間
で、球状黒鉛鋳鉄のオーステナイト化処理を行った。オ
ーステナイト化処理した各球状黒鉛鋳鉄部材を15℃/分
の冷却速度で740 ℃まで冷却し、その温度で20分間保持
し、空冷した。
【0039】熱処理した各試験片について、パーライト
相の深さ方向の分布を測定した。結果を図5に示す。図
5から明らかなように、各熱処理後の組織では、表層部
と内部とでフェライト化率の差がよく出ている。オース
テナイト化熱処理時間が10分間の場合について、フェラ
イト相が70%以上の表層部の深さを調べると、オーステ
ナイト化温度が高いほど大きいことが分かる。具体的に
は、オーステナイト化温度が850 ℃の時には約2mmであ
り、900 ℃の時には約3mmであり、950 ℃の時には約4
mmであった。これにより、フェライト化した表層部の深
さはオーステナイト化処理温度により制御できることが
分かった。
【0040】一方、内部のパーライト化率は950 ℃と85
0 ℃とではほぼ同じ位であるが、900 ℃の場合には最も
高かった。これにより、900 ℃のオーステナイト化温度
が最も適していることが分かる。
【0041】実施例2 フェライト化温度の影響 実施例1と同じ組成の球状黒鉛鋳鉄の試験片を900 ℃で
5分間保持してオーステナイト化処理を行い、15℃/分
の冷却速度でそれぞれ710 ℃、730 ℃、740 ℃又は750
℃の温度まで冷却し、それぞれの温度で5分間保持し
た。熱処理した各試験片について、フェライト相、パー
ライト相及びオーステナイト相の深さ方向における分布
を測定した。結果を図6に示す。
【0042】図6から明らかなように、いずれの試験片
の組織にもオーステナイト相が残留していた。750 ℃で
保持した場合、フェライト相が表層部及びその付近にの
み存在し、パーライト相の分布は表層部及び内部におい
てほとんど変わらなかった。740 ℃で保持した場合、内
部のオーステナイト相は急激に低減し、パーライト相が
急増している。この傾向は730 ℃及び710 ℃になるに従
って顕著になった。これらの結果から、フェライト化熱
処理温度は730 ℃〜750 ℃の範囲の共析温度領域が適す
ることが分かる。
【0043】なお、740 ℃でのフェライト化の場合、変
態が完了していないので、保持時間を延長すれば表層部
のフェライト化率が向上するとみられる。また、フェラ
イト化温度が710 ℃より低いと、パーライト変態速度が
大きくなり過ぎ、二重構造組織になりにくくなる。
【0044】実施例3 フェライト化処理の保持時間の影響 実施例1と同じ組成の球状黒鉛鋳鉄の試験片を900 ℃で
5分間保持してオーステナイト化処理を行い、15℃/分
の冷却速度で735 ℃の温度まで冷却し、その温度で1分
間、3分間、5分間及び10分間保持し、その後水冷し
た。熱処理した各試験片について、フェライト相、パー
ライト相及びオーステナイト相の深さ方向における分布
を測定した。結果を図7に示す。
【0045】図7から明らかなように、1分間保持した
場合、フェライト相は表層部に約10%あり、パーライト
相は表層部に約5%程度であり、オーステナイト相は表
層部と内部で大きな差がなかった。
【0046】保持時間が長くなるに従って表層部のフェ
ライト化率は徐々に増大するが、内部ではほとんど変化
がなかった。特に10分間の保持の後、表面のフェライト
相の量は約60%であるが、内部では約5%であり、その
差は約55%であった。これらの結果から、735 ℃のフェ
ライト化処理温度の場合には、保持時間は10分間以上、
特に10〜20分間が好ましいことが分かる。なお、保持時
間は保持温度が低くなるに従って長くなるので、730 ℃
〜750 ℃の保持温度の範囲では一般に5〜20分間が好ま
しいことが分かる。
【0047】一方、表層部のパーライト化率は保持時間
が長くなってもほとんど変化がなく、かつ内部に向かっ
て徐々に増大する傾向が顕著になった。特に保持時間が
5分以上になると、内部のパーライト化率が高いが、こ
れは表層部でのフェライト変態のために内部に引張応力
が働き、パーライト化が起こりやすくなったためである
と考えられる。
【0048】実施例4 TTT曲線 実施例1と同じ組成の球状黒鉛鋳鉄の試験片(6mm×6
mm×10mm)を900 ℃で10分間保持してオーステナイト化
処理を行い、それぞれ変態温度T(720 ℃、730 ℃、74
0 ℃、750 ℃及び760 ℃)のアルミニウム溶湯中に入
れ、1〜640 分間保持した。熱処理後の各試験片につい
て、オーステナイト相、フェライト相及びパーライト相
の量を測定した。得られたTTT曲線を図8に示す。図
中、F5%はフェライト相が5%になる点を示し、実質
的にフェライト化開始点と同じである。またP5%はパ
ーライト相が5%になる曲線を示し、実質的にパーライ
ト化開始曲線と同じである。さらにF50%はフェライト
相が50%になる曲線を示す。
【0049】図8から明らかなように、フェライト変態
の鼻点は約740 ℃である。720 ℃付近ではフェライト変
態開始曲線とパーライト変態開始曲線とが非常に接近し
ていることが分かる。従って、720 ℃付近のフェライト
化処理温度では表層部のフェライト化が困難であること
が分かる。
【0050】実施例5 CCT曲線 実施例1と同じ組成の球状黒鉛鋳鉄の試験片(6mm×6
mm×10mm)を900 ℃で10分間保持してオーステナイト化
処理を行い、一定の冷却速度(5℃/分、10℃/分、20
℃/分)で所定の変態温度T(710 ℃、720 ℃、730
℃、740 ℃及び750 ℃)まで冷却し、その後水中に入れ
て急冷した。熱処理後の各試験片について、組織の変化
を調べて変態開始点を求め、それから図9に示すCCT
曲線を作成した。
【0051】図9はフェライト変態開始温度を示す曲線
とパーライト変態開始温度を示す曲線とがともに存在す
る範囲を示す。20℃/分の冷却速度の場合、冷却線がフ
ェライト変態開始曲線とパーライト変態開始曲線とを交
差する間隔は比較的狭いが、5℃/分の冷却速度の場合
にはその間隔は十分に広い。そのため5℃/分が冷却速
度の下限であることが分かる。
【0052】実施例6 熱膨張試験 実施例1と同じ組成の球状黒鉛鋳鉄の試験片(4mm×4
mm×13mm)を一定の速度(10℃/分)で900 ℃まで加熱
し、その温度に10分間保持してオーステナイト化処理を
行い、次いで900 ℃から一定の速度(10℃/分)で冷却
した。この加熱冷却過程で試験片の熱膨張を測定した。
結果を図10に示す。
【0053】図10から明らかなように、加熱時に790 ℃
付近でAc1変態点のオーステナイト化による収縮が見
られた。900 ℃に10分間保持した後冷却すると、740 ℃
からフェライトの析出による膨張が始まった。730 ℃前
の組織を観察すると、ほとんどの組織がフェライトとマ
ルテンサイトからなることが分かった。従って、730℃
までの変態膨張はフェライト変態による。その後720 〜
700 ℃の間で残りのオーステナイトがパーライト変態を
起こすので、膨張量は最大になった。
【0054】実施例7 機械的強度の測定 実施例1と同じ組成の球状黒鉛鋳鉄を、図11(引張試験
用)及び図12(曲げ試験用)の形状に研削加工した。図
2の熱処理パターンに従って、各試験片を900℃及び950
℃で各5分間保持した後、10℃/分の冷却速度で730
℃まで冷却し、その温度で5分間保持した後空冷した。
熱処理した試験片のフェライト化した表層部(フェライ
ト化率70%以上)の深さは、それぞれ1.8 mm及び2.6 mm
であった。熱処理後の各試験片の表面から酸化物層を除
去するために、表面の研削を行った。
【0055】各試験片に40kgf/cm2 の荷重をかけ、曲げ
試験を行った。また比較のために同一組成の球状黒鉛鋳
鉄部材に対して熱処理を行わずに(鋳放し状態で)試験
片とし、その試験片(フェライト・パーライト混相基地
を有する)に対しても同じ曲げ試験を行った。各試験の
結果を図13にプロットした。図中、FR1.8 mmはフェラ
イト化表層部の深さが1.8 mmの試験片を示し、FR2.6m
m はフェライト化表層部の深さが2.6mm の試験片を示
し、FPはフェライト・パーライト混相基地を有する試
験片を示す。図13から、フェライト化表層部が深い程曲
げ特性が良好であることが分かる。
【0056】次に、上記と同じ試験片に破断するまで曲
げ荷重をかけ、曲げ性を測定した。結果を図14に示す。
図14から、フェライト化表層部を有する試験片は均一組
織を有する試験片より破断なく曲がる程度が大きく、か
つフェライト化表層部が深いほど破断なく曲げられこと
が分かる。
【0057】フェライト化深さが1.8 mm及び2.6 mmの各
試験片について、表面からの硬度の分布を測定した。結
果を図15に示す。図15の結果から、表層部では軟質であ
るが、表面から約3.5 mmの辺りから急に硬度が高くな
り、内部に行くに従ってさらに硬度が増大することが分
かる。フェライト相はパーライト相より軟質であるの
で、表層部がフェライト化し、内部がパーライト化した
ことが分かる。
【0058】
【発明の効果】以上詳述したように、オーステナイト化
した球状黒鉛鋳鉄部材を徐冷した後で、表層部がフェラ
イト相のまま内部がパーライト化する条件で熱処理する
ことにより、表層部の基地の60%以上がフェライト相か
らなり、内部の基地の大部分がパーライト相からなる二
重構造組織を有する球状黒鉛鋳鉄部材を得ることができ
る。本発明の方法は徐冷とパーライト化熱処理用の加熱
保持との組み合わせを利用しているので、工程の制御が
容易であり、得られる球状黒鉛鋳鉄部材の品質が安定
し、かつ生産コストの低減が図られる。
【0059】また本発明の方法により製造される球状黒
鉛鋳鉄部材は、硬度が幾分低下して伸びが改善された表
層部と、高強度の内部とからなるので、曲げ特性及び耐
衝撃性が改善されているとともに、全体的に優れた機械
的強度を発揮する。このような高強度の球状黒鉛鋳鉄部
材は、特に靭性と強度が要求されるとともに黒皮面が多
い鋳造品(例えば、自動車の懸架装置用部品、鉄筋接続
用接手、建築物の柱脚を固定するための接合用金物等)
として使用するのに適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法により製造される球状黒鉛鋳鉄部
材の二重構造組織を示す概略断面図である。
【図2】本発明の熱処理パターンを示すグラフである。
【図3】本発明の方法におけるCCT曲線及び冷却線を
概略的に示すグラフである。
【図4】本発明の方法におけるTTT曲線及び冷却線を
概略的に示すグラフである。
【図5】パーライト化率と表面からの距離の関係(実施
例1で種々のオーステナイト化熱処理温度で求めた)を
示すグラフである。
【図6】パーライト化熱処理した試験片の各相の割合と
表面からの距離との関係(実施例2で種々の保持温度で
測定)を示すグラフである。
【図7】パーライト化熱処理した試験片の各相の割合と
表面からの距離との関係(実施例3で種々の保持時間で
測定)を示すグラフである。
【図8】実施例4におけるTTT曲線及び冷却線を示す
グラフである。
【図9】実施例5におけるCCT曲線及び冷却線を示す
グラフである。
【図10】実施例6において球状黒鉛鋳鉄の試験片を加
熱・冷却した時に求めた温度と熱膨張率との関係を示す
グラフである。
【図11】実施例7で使用した引張試験用の試験片を示
す側面図である。
【図12】実施例7で使用した曲げ試験用の試験片を示
す側面図である。
【図13】実施例7において曲げ試験により求めた曲げ
量とフェライト相の量との関係を示すグラフである。
【図14】実施例7において破断するまで曲げたときの
試験片の状態を示す図である。
【図15】実施例7において測定した硬度と表面からの
距離の関係との関係を示すグラフである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Mn、Cu、Sn、Sb及びPbからなる群から選ば
    れた少なくとも1種のパーライト安定化元素を含有する
    球状黒鉛鋳鉄からなり、フェライト化率が60%以上で少
    なくとも0.5 mmの厚さを有する表層部と、基地の大部分
    がパーライト相からなる内部とを有する球状黒鉛鋳鉄部
    材を製造する方法において、(1) 基地全体が実質的にオ
    ーステナイト化する温度で熱処理し、(2) 表層部のフェ
    ライト化が内部のパーライト化より先に起こる冷却速度
    で冷却し、(3) 前記表層部の基地がフェライト相のまま
    で内部基地のパーライト化が起こる温度に、前記球状黒
    鉛鋳鉄部材を保持することにより熱処理し、(4) 内部の
    パーライト化が完了した直後に冷却することを特徴とす
    る球状黒鉛鋳鉄部材の製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の球状黒鉛鋳鉄部材の製造
    方法において、前記球状黒鉛鋳鉄が、重量比で、3.4 〜
    3.9 %のC、1.9 〜2.6 %のSi、0.05%以下のP、0.02
    %以下のS、0.02〜0.06%のMg、0.001 〜0.8 %のパー
    ライト安定化元素、及び残部実質的にFe及び不可避的不
    純物からなる組成を有することを特徴とする方法。
  3. 【請求項3】請求項1又は2に記載の球状黒鉛鋳鉄部材
    の製造方法において、前記オーステナイト化熱処理を80
    0 〜1000℃の温度で1〜30分間行うことを特徴とする方
    法。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載の球状黒鉛
    鋳鉄の製造方法において、前記冷却速度が5〜20℃/分
    であることを特徴とする方法。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載の球状黒鉛
    鋳鉄の製造方法において、前記パーライト化熱処理を73
    0 〜750 ℃で5〜30分間行うことを特徴とする方法。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載の球状黒鉛
    鋳鉄の製造方法において、前記パーライト化熱処理の完
    了の後急冷することを特徴とする方法。
JP13281896A 1996-04-29 1996-04-29 球状黒鉛鋳鉄部材の製造方法 Expired - Lifetime JP3204293B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13281896A JP3204293B2 (ja) 1996-04-29 1996-04-29 球状黒鉛鋳鉄部材の製造方法
US08/848,022 US5876523A (en) 1996-04-29 1997-04-28 Method of producing spheroidal graphite cast iron article

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13281896A JP3204293B2 (ja) 1996-04-29 1996-04-29 球状黒鉛鋳鉄部材の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09296215A true JPH09296215A (ja) 1997-11-18
JP3204293B2 JP3204293B2 (ja) 2001-09-04

Family

ID=15090290

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13281896A Expired - Lifetime JP3204293B2 (ja) 1996-04-29 1996-04-29 球状黒鉛鋳鉄部材の製造方法

Country Status (2)

Country Link
US (1) US5876523A (ja)
JP (1) JP3204293B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009001865A (ja) * 2007-06-21 2009-01-08 Asahi Tec Corp 球状黒鉛鋳鉄部材
KR101042480B1 (ko) * 2008-07-25 2011-06-16 현대제철 주식회사 주조롤의 제조방법
CN103361537A (zh) * 2012-04-06 2013-10-23 遵义市凯航机械制造有限公司 一种球墨铸铁的生产方法
KR20140061165A (ko) * 2012-11-13 2014-05-21 현대모비스 주식회사 고강도와 고인성의 구상 흑연 주철 및 이로부터 제조된 자동차용 부품
JPWO2013100148A1 (ja) * 2011-12-28 2015-05-11 日立金属株式会社 強度及び靭性に優れた球状黒鉛鋳鉄及びその製造方法
KR20150111590A (ko) * 2014-03-26 2015-10-06 태경연주(주) 저온용 구상흑연주철 및 그 제조방법
JP2019119924A (ja) * 2018-01-11 2019-07-22 トヨタ自動車株式会社 球状黒鉛鋳鉄
CN111020357A (zh) * 2019-11-22 2020-04-17 湖北省丹江口丹传汽车传动轴有限公司 一种批量生产稳定珠光体球墨铸铁qt500-7的生产方法

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10129382A1 (de) * 2001-06-20 2003-01-02 Fischer Georg Fahrzeugtech Sphärogusslegierung
ITVR20060111A1 (it) * 2006-07-03 2008-01-04 Zanardi Fonderie S P A Procedimento per la produzione di componenti meccanici in ghisa sferoidale
DE202010006651U1 (de) * 2010-05-10 2010-08-05 Shw Casting Technologies Gmbh Gusskörper
CN102400032B (zh) * 2011-10-20 2013-12-04 宁波康发铸造有限公司 一种大断面球墨铸铁
CN103484753A (zh) * 2013-09-02 2014-01-01 宁波康发铸造有限公司 一种新型铸态500-7球墨铸铁
CN104789746A (zh) * 2015-03-28 2015-07-22 安徽长城输送机械制造有限公司 一种用于输送机配件的铸铁热处理工艺
CN105838974A (zh) * 2016-04-06 2016-08-10 欧玛(中国)汽车部件有限公司 矿山桥用厚大断面球墨铸铁及其生产方法
CN105695856A (zh) * 2016-04-06 2016-06-22 欧玛(中国)汽车部件有限公司 载重高端叉车高韧性驱动桥壳用球墨铸铁及其生产方法
CN105671419A (zh) * 2016-04-06 2016-06-15 欧玛(中国)汽车部件有限公司 重型大马力农机半桥桥壳用球墨铸铁及其生产方法
CN106011602B (zh) * 2016-08-03 2018-01-09 日月重工股份有限公司 船用柴油机机体用球墨铸铁及其制备方法
JP6932737B2 (ja) 2019-05-07 2021-09-08 株式会社リケン 球状黒鉛鋳鉄、および球状黒鉛鋳鉄の製造方法と、自動車足回り用部品
DE102019213964A1 (de) * 2019-09-13 2021-03-18 Robert Bosch Gmbh Verfahren zum lokalen Härten

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4990194A (en) * 1988-09-09 1991-02-05 Hitachi Metals, Ltd. Thin high-strength article of spheroidal graphite cast iron and method of producing same
US5346561A (en) * 1992-02-27 1994-09-13 Hitachi Metals, Ltd. Spheroidal graphite cast iron member having improved mechanical strength hand method of producing same
JP3301801B2 (ja) * 1992-12-28 2002-07-15 マツダ株式会社 球状黒鉛鋳鉄部材の製造方法

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009001865A (ja) * 2007-06-21 2009-01-08 Asahi Tec Corp 球状黒鉛鋳鉄部材
KR101042480B1 (ko) * 2008-07-25 2011-06-16 현대제철 주식회사 주조롤의 제조방법
JPWO2013100148A1 (ja) * 2011-12-28 2015-05-11 日立金属株式会社 強度及び靭性に優れた球状黒鉛鋳鉄及びその製造方法
CN103361537A (zh) * 2012-04-06 2013-10-23 遵义市凯航机械制造有限公司 一种球墨铸铁的生产方法
KR20140061165A (ko) * 2012-11-13 2014-05-21 현대모비스 주식회사 고강도와 고인성의 구상 흑연 주철 및 이로부터 제조된 자동차용 부품
KR20150111590A (ko) * 2014-03-26 2015-10-06 태경연주(주) 저온용 구상흑연주철 및 그 제조방법
JP2019119924A (ja) * 2018-01-11 2019-07-22 トヨタ自動車株式会社 球状黒鉛鋳鉄
CN111020357A (zh) * 2019-11-22 2020-04-17 湖北省丹江口丹传汽车传动轴有限公司 一种批量生产稳定珠光体球墨铸铁qt500-7的生产方法
CN111020357B (zh) * 2019-11-22 2021-11-16 湖北省丹江口丹传汽车传动轴有限公司 一种批量生产稳定珠光体球墨铸铁qt500-7的生产方法

Also Published As

Publication number Publication date
US5876523A (en) 1999-03-02
JP3204293B2 (ja) 2001-09-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3204293B2 (ja) 球状黒鉛鋳鉄部材の製造方法
JP4018905B2 (ja) 機械構造用熱間圧延線材・棒鋼およびその製造方法
JPH0239563B2 (ja)
CA2353407C (en) Method of making an as-rolled multi-purpose weathering steel plate and product therefrom
JPH04365816A (ja) 冷間加工用棒鋼線材の製造方法
JP2000336456A (ja) 機械構造用熱間圧延線材・棒鋼及びその製造方法
JPS6358881B2 (ja)
JPH0461047B2 (ja)
JP4061003B2 (ja) 高周波焼入れ性と冷鍛性に優れた冷間鍛造用棒線材
JP3554506B2 (ja) 機械構造用熱間圧延線材・棒鋼の製造方法
US4619713A (en) Method of producing nodular graphite cast iron
JP2003105499A (ja) 靭性および延性に優れたパーライト系レールおよびその製造方法
JPH11131187A (ja) 迅速黒鉛化鋼および迅速黒鉛化鋼の製造方法
JPH0570685B2 (ja)
KR100448623B1 (ko) 표면탈탄이 적은 고실리콘 첨가 중탄소 선재의 제조방법
JPH0617186A (ja) 球状黒鉛鋳鉄部材及びその製造方法
JPH1025521A (ja) 線材の球状化焼鈍方法
KR100946068B1 (ko) 고강도 과공석강 및 이를 이용한 과공석강 선재의 제조방법
JPH0512411B2 (ja)
EP0653495B1 (en) Process for graphitizing cast iron
JPH0338325B2 (ja)
JP3966210B2 (ja) 熱間圧延ままで球状化炭化物および黒鉛組織を有する機械構造用鋼の製造方法
KR20020053398A (ko) 고강도 베이나이트계 비조질강
JPS61149428A (ja) 球状黒鉛鋳鉄
JPS61162253A (ja) 連続鋳造による高炭素鋼鋳片の製造法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080629

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080629

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090629

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090629

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100629

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100629

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110629

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110629

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120629

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120629

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130629

Year of fee payment: 12

EXPY Cancellation because of completion of term